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M&Aの合併とは?買収・事業譲渡との違いと種類・手続きをわかりやすく解説

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自社の売却や事業承継、あるいは他社の買収を考え始めると、資料や記事のなかで「合併」という言葉に何度も出会います。ところが、買収と何がどう違うのか、自社が考えているやり方が「合併」にあたるのかは、言葉だけでは意外とはっきりしません。

合併とは、2つ以上の会社を1つの法人に統合し、一方(または全部)の会社の権利義務をまるごと引き継ぐM&Aの手法です。株式を買って経営権を移しても相手の会社はそのまま残る「買収」とは、法人格が消えるかどうかという点で大きく異なります。M&Aは、この合併と買収をまとめて指す言葉です。

本記事では、合併とは何かと買収との違いを最初に整理したうえで、吸収合併と新設合併の種類、メリット・デメリット、会社法にもとづく手続きの流れ、簡易合併・略式合併や適格合併の税務、株式譲渡・事業譲渡など他の手法との使い分けまでを解説します。手続きや手法選びを相談できる専門家の探し方もあわせて紹介します。

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M&Aの合併とは|買収との違いを最初に整理

まず、合併とは何かをはっきりさせておきます。細かい種類や手続きに入る前に、買収との違いを掴んでおくと、その後の解説が自分ごととして読み進めやすくなります。

合併とは、2つ以上の会社が契約にもとづいて1つの会社に統合され、消滅する会社の権利義務の全部が、残る会社(または新しく設立する会社)に引き継がれる手法です。会社法では、既存の会社が存続する「吸収合併」と、すべての会社が消滅して新会社を設立する「新設合併」の2つが定義されています。いずれも、消滅する会社の権利義務がまるごと承継される(包括承継)点が共通しています。

二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。
二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。

出典:会社法 第2条第27号・第28号|e-Gov 法令検索

合併と買収の違い

合併と混同されやすいのが「買収」です。買収は、株式や事業を買い取って会社の経営権を得る行為で、相手の会社の法人格はそのまま残ります。一方の合併では、消滅する会社の法人格が消えて1つの会社にまとまる点が大きく違います。「買収」は会社法に定義規定が置かれた用語ではなく、株式譲渡やTOB(株式公開買付け)など経営権を取得する手法の総称として使われる言葉です。両者の違いを整理すると次のとおりです。

観点合併買収
法人格消滅会社の法人格が消え、1つの会社に統合される対象会社の法人格は残る(経営権だけが移る)
引き継がれ方権利義務を包括的に承継株式取得なら会社ごと、事業譲渡なら選んだ範囲だけ
会社法上の扱い会社法に定義された組織再編行為会社法上の定義用語ではない(手法の総称)
M&Aでの位置づけM&Aの一手法M&Aの一手法(多くのM&Aは買収に含まれる)

整理すると、M&A(合併・買収)という大きな枠のなかに合併と買収があり、合併は「会社そのものを1つに統合する」手法、買収は「経営権を取得するが会社は残す」手法という関係になります。

出典・参考資料(1件)

買収そのものの手法や進め方、合併との違いをもう少し掘り下げて知りたい場合は、次の記事で解説しています。

合併の種類|吸収合併と新設合併の違い

ここからは、合併の2つの種類を見ていきます。どちらの会社が残り、どちらが消えるのかを掴むと、後の手続きの解説が理解しやすくなります。

吸収合併は、当事会社のうち1社が存続会社として残り、他の会社(消滅会社)の権利義務をすべて引き継ぐ方式です。これに対して新設合併は、当事会社がすべて消滅し、新たに設立する会社がその権利義務を引き継ぎます。実務では、許認可や上場の維持がしやすいことから、多くの合併で吸収合併が選ばれています。

吸収合併と新設合併の違いを示す図。吸収合併では消滅会社B社の権利義務がすべて存続会社A社に承継され、A社が既存の1社として存続する。新設合併では当事会社A社とB社がともに消滅し、新たに設立する新会社に権利義務がすべて承継される。
観点吸収合併新設合併
存続する会社既存の1社が存続すべて消滅し、新会社を設立
消滅する会社他方の会社当事会社すべて
許認可・免許存続会社のものを原則維持新会社で取り直しが必要になりやすい
上場存続会社の上場を維持新会社であらためて上場手続きが必要
登記存続会社は変更登記/消滅会社は解散登記新会社は設立登記/消滅会社は解散登記
実務での利用多くの合併で採用まれ

新設合併があまり使われないのは、当事会社がいったんすべて消滅するためです。事業に必要な許認可や免許を新会社で取り直したり、上場会社では新会社での再上場手続きが必要になったりと、手間とコストがかさみやすくなります。対等な統合であることを示したい場合などに検討されますが、実務上は吸収合併の形をとることが多くなっています。

合併のメリット・デメリット

合併を選ぶ前に、他の手法と比べたときの利点と負担を整理しておきます。ここでは、メリットとデメリットを分けて見ていきます。

合併のメリット

  • 権利義務を包括的に引き継げる:契約・従業員の雇用・資産などを個別に移転する手続きが原則不要で、消滅会社の権利義務がまとめて存続会社(または新会社)に承継されます。事業の引き継ぎをスムーズに進めやすい点が合併の大きな特徴です。
  • 買収資金を用意せずに統合できる:合併の対価として存続会社の株式を交付できるため、多額の現金を用意しなくても会社を統合できます。資金負担を抑えつつ規模の拡大やシナジーを狙えます。
  • 繰越欠損金を引き継げる可能性がある:一定の要件を満たす「適格合併」に該当する場合、消滅会社が持っていた繰越欠損金(過去の赤字を将来の利益と相殺して税負担を軽くできる税務上の繰越額)を存続会社が引き継げることがあります。ただし引き継ぎには制限規定があり無条件ではないため、後述の適格合併の項目で扱います。

合併のデメリット

  • 会社法上の手続きが煩雑:合併には株主総会の特別決議、債権者保護手続き、登記など会社法で定められた手続きが多く、株式譲渡などに比べて期間・実務負担が大きくなります。
  • 統合(PMI)の負担が大きい:人事制度・システム・企業文化を1つにまとめる統合作業(PMI)に時間とコストがかかり、想定したシナジーが出るまでに時間を要することがあります。
  • 簿外債務や不要な資産も引き継ぐ:包括承継のため、消滅会社に簿外債務や不要な資産があると、それらも含めて引き継ぐことになります。事前の調査(デューデリジェンス)で内容を把握しておくことが欠かせません。
  • 株式対価では既存株主の持株比率が変わる:合併の対価として存続会社の株式を交付する場合、発行済株式が増えることで既存株主の持株比率が下がる(希薄化する)ことがあります。

合併手続きの流れ|会社法の条文で確認する

合併は、会社法で定められた手順に沿って進めます。ここでは、吸収合併を例に、契約の締結から登記までの流れを条文とあわせて確認します(新設合併も基本の流れは同じで、対応する条文が異なります)。

合併手続きの流れを示すタイムライン図。吸収合併を例に、STEP1 合併契約の締結、STEP2 事前開示書面の備置き、STEP3 株主総会の特別決議、STEP4 反対株主の株式買取請求、STEP5 債権者保護手続き(異議を述べる期間は1か月以上)、STEP6 合併の効力発生、STEP7 事後開示書面の備置き、STEP8 効力発生日から2週間以内の登記、の順に会社法に沿って進む。
  1. 合併契約の締結:当事会社間で合併契約を締結します(会社法第748条・第749条。新設合併は第753条)。対価や効力発生日など、契約に定めるべき事項が法定されています。
  2. 事前開示書面の備置き:合併の内容を記載した書面等を本店に備え置き、株主・債権者が閲覧できるようにします(会社法第782条・第794条。新設合併の消滅会社は第803条)。
  3. 株主総会の特別決議による承認:原則として、効力発生日の前日までに株主総会の特別決議で合併契約の承認を受けます(会社法第783条・第795条)。特別決議の要件は次の条文が定めています。

…次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。

出典:会社法 第309条第2項|e-Gov 法令検索(合併など第五編〔組織再編〕の決議が対象)
  1. 反対株主の株式買取請求:合併に反対する株主は、自己の株式を公正な価格で買い取るよう会社に請求できます(会社法第785条・第797条)。会社は効力発生日の20日前までに株主へ通知または公告します。
  2. 債権者保護手続き:合併では債権者に影響が及ぶため、官報での公告と、知れている債権者への個別の催告を行い、異議を述べる機会を設けます(会社法第789条・第799条)。

…消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者…には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。

出典:会社法 第789条第2項|e-Gov 法令検索

異議を述べられる期間は1か月を下回れないため、債権者保護手続きだけでも1か月以上の時間が必要になります。合併全体のスケジュールを組むうえで、この期間は見落とせないポイントです。

  1. 合併の効力発生:吸収合併は契約で定めた効力発生日に、新設合併は新会社の成立の日に効力が生じ、消滅会社の権利義務が存続会社(または新会社)に承継されます(会社法第750条・第754条)。
  2. 事後開示書面の作成・備置き:効力発生後、遅滞なく合併に関する事項を記載した書面等を作成し、効力発生日から6か月間、本店に備え置きます(会社法第801条・第815条)。
  3. 登記:合併の効力が生じた日から2週間以内に、存続会社は変更登記、消滅会社は解散登記を行います(会社法第921条・第922条)。

会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。

出典:会社法 第921条|e-Gov 法令検索

契約の準備から登記の完了まで、債権者保護手続きだけでも1か月以上かかるため、全体では数か月単位の期間を見込むのが一般的です。

ここまでが合併手続きの基本の流れです。株主総会の特別決議や債権者保護手続きは省略できないのが原則ですが、一定の要件を満たす場合には決議を省略できる制度もあります。次の項目で見ていきます。

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簡易合併・略式合併の要件と、適格合併の税務

ここからは、手続きを軽くできる制度と、税務上の取り扱いを見ていきます。中小企業の合併でも関わることが多い論点です。

簡易合併・略式合併(株主総会決議の省略)

合併では株主総会の特別決議が原則ですが、影響が小さい場合には決議を省略できる制度があります。簡易合併は、存続会社が交付する対価の額が存続会社の純資産額の5分の1(定款で引き下げも可)を超えない場合に、存続会社側の株主総会決議を省略できる制度です(会社法第796条第2項)。ただし、一定数以上の株主が反対したときは決議が必要になります(同条第3項)。

略式合併は、一方の会社が他方の総株主の議決権の10分の9(9割)以上を保有する「特別支配会社」である場合に、支配されている側の株主総会決議を省略できる制度です(会社法第784条第1項・第796条第1項。特別支配会社の定義は第468条第1項)。要件を整理すると次のとおりです。

制度省略できる決議主な要件根拠条文
簡易合併存続会社側の株主総会決議交付する対価の額が存続会社の純資産額の5分の1以下(一定数の株主が反対した場合は決議が必要)会社法796条2項・3項
略式合併被支配側の株主総会決議相手方が総株主の議決権の9割以上を持つ特別支配会社であること会社法784条1項・796条1項・468条1項

いずれも決議を省略できるだけで、債権者保護手続きなど他の手続きが不要になるわけではない点に注意が必要です。

適格合併の税務(繰越欠損金・簿価引継ぎ)

合併の税務では、「適格合併」に該当するかどうかで扱いが変わります。適格合併とは、対価が原則として合併法人の株式のみで、法人税法が定める一定の関係・要件を満たす合併です。

適格合併には、完全支配関係(原則として一方が他方の株式を100%持つ関係)がある場合、支配関係(50%超の資本関係)と一定要件を満たす場合、共同で事業を行うための合併の3つの類型があります(法人税法第2条第12号の8)。資本関係が濃いほど、満たすべき要件はゆるやかになります。

たとえば資本関係の薄い共同事業タイプでは、事業の関連性、事業規模や経営への参画、従業者の引き継ぎ、主要事業の継続、交付される株式の継続保有といった複数の要件を満たす必要があります。また、いずれの類型でも、対価が原則として株式のみであること(金銭等を主な対価としないこと)が前提になります。

詳細な要件は法人税法・施行令に細かく定められているため、判定は税理士など専門家への確認が前提です。

適格合併に該当すると、資産・負債を帳簿価額で引き継ぐため譲渡損益への課税が繰り延べられ(法人税法第62条の2)、一定の要件のもとで消滅会社の繰越欠損金を引き継げます(同第57条)。一方、非適格合併では資産を時価で譲渡したものとして扱われ、譲渡損益が実現します。

ただし、繰越欠損金の引き継ぎには支配関係の発生からの期間などによる制限規定があり、要件は施行令に細かく委ねられています。適格・非適格の判定や税額への影響は個別の事情で変わるため、実際の判断は税理士など専門家への確認を前提にしてください。

出典・参考資料(2件)

合併と他のM&A手法の違い・使い分け

合併は、M&Aの手法の1つにすぎません。自社のケースにどの手法が向くかを判断するには、株式譲渡・事業譲渡・会社分割・経営統合との違いを横並びで見ておくと当てはめやすくなります。

手法法人格承継方式手続きの負担主な対価簿外債務リスク
合併消滅会社が消滅し統合包括承継重い(特別決議・債権者保護・登記)株式など引き継ぐ
株式譲渡対象会社は存続会社ごと(株主が交代)比較的軽い現金引き継ぐ
事業譲渡両社とも存続個別承継(対象を選べる)個別の移転手続きで煩雑現金選別できる
会社分割両社とも存続包括承継(分割対象の範囲)中程度(債権者保護など)株式・現金分割対象に応じる
経営統合(持株会社)各社が存続株式移転・株式交換中程度株式各社に残る

大まかには、会社をまるごと1つにまとめたいなら合併、経営権だけを移して会社は残したいなら株式譲渡、必要な事業だけを切り出して譲りたいなら事業譲渡や会社分割が候補になります。

事業譲渡には、譲渡会社に一定期間の競業避止義務が課される点もあります。会社法上、別段の意思表示がなければ譲渡した日から20年間、同一市町村と隣接市町村の区域内では同一の事業を行えず、特約でも最長30年に限られます(会社法第21条)。

ここで挙げた株式譲渡・事業譲渡・会社分割などは、それぞれ仕組み・税金・向いているケースが異なります。各手法の中身と選び方をまとめて確認したい場合は、次の記事が参考になります。

合併と経営統合(持株会社化)の違い

合併と混同されやすいのが「経営統合」です。経営統合は、共同で持株会社を設立して各社がその傘下に入る形が代表的で、各社の法人格はそのまま残ります。1つの会社に統合される合併とは、この点が大きく異なります。

人事制度やシステムをすぐに1つにまとめる必要がなく、統合の負担を段階的に進めやすい一方、別法人のままなのでグループ全体では管理コストが増えやすい面があります。将来的に持株会社の傘下で子会社同士を合併させる、という組み合わせもよく見られます。

合併の事例

実際の合併がイメージしにくいときは、公表されている事例が参考になります。たとえば2021年4月、三菱UFJリースと日立キャピタルが合併し、三菱UFJリースを存続会社とする吸収合併の形で三菱HCキャピタルが発足しました。両社の事業を統合してリース・金融サービスの規模を拡大した事例です。

さかのぼると2012年10月にも、新日本製鐵が住友金属工業を吸収合併し、新日本製鐵を存続会社として新日鐵住金(現・日本製鉄)が発足しています。いずれも同業同士の統合で、存続会社を1社に定める吸収合併の形がとられた点が共通しています。

グループ内の再編でも合併は使われます。事業を子会社化したうえで数年後に吸収合併して1つの会社にまとめる、複数の子会社を親会社に吸収合併して組織をスリム化する、といった形です。前述のとおり新設合併は許認可の取り直しなどの負担が大きいため、こうした再編でも実務では吸収合併が選ばれることが多くなっています。

合併を検討する際は、自社と近い規模・業種の事例を、専門家とともに確認しておくと進め方の見通しが立てやすくなります。

合併・M&Aの相談先と進め方

ここまで見てきたとおり、合併をはじめとするM&Aは、手法の選択・企業価値の評価・会社法や税務の手続きなど、専門知識が必要な場面が多くあります。最後に、どこに相談すればよいのかを整理します。

M&A仲介とFA(アドバイザー)の違い・相談先の選び方

M&Aの相談先としてまず候補になるのが、M&A仲介会社とファイナンシャル・アドバイザー(FA)です。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」は、M&Aの専門業者を仲介者とFAに分類し、それぞれの立場を整理しています。

  • M&A仲介:売り手と買い手の双方と契約し、中立の立場で両者の間に立って成約を目指します。双方の希望を調整しやすい一方、売り手・買い手の利益が対立する場面では利益相反に注意が必要です。
  • FA(ファイナンシャル・アドバイザー):売り手か買い手の一方とだけ契約し、その依頼者の利益のために助言・交渉支援を行います。自社の立場に立った条件交渉を重視したい場合に向きます。

あわせて、会社法の手続きは弁護士や司法書士、税務は税理士が担う場面が多く、規模や論点に応じて役割を分担します。

中小企業の場合は、取引金融機関や、国が各都道府県に設置する事業承継・引継ぎ支援センターといった公的な窓口も相談先になります。条件が合えば、M&Aにかかる費用の一部を補助する制度を利用できることもあります。まずはM&Aの相談先で全体の進め方と自社に合う手法を整理し、そのうえで各分野の専門家につなぐ流れが一般的です。

自社を売却する側だけでなく、他社の買収・合併を検討する買い手側も、買い手の立場で契約するFAや仲介会社が同じ役割の相談先になります。自社がどちらの立場かに合わせて、専任で支援してくれる相手を選ぶとよいでしょう。

とくに中小企業のM&Aでは、進め方・費用の相場・相談先の選び方につまずきやすい点が共通します。全体像は中小企業のM&Aとは?流れ・費用・相談先の選び方までまとめて解説で確認できます。

出典・参考資料(1件)

合併をはじめとするM&Aの相談先は、仲介・FAのほかに金融コンサル会社も候補になります。次の記事では、専門領域別に金融コンサル会社を整理し、費用相場や失敗しない選び方まで比較しています。相談先を具体的に比べたい方はご覧ください。

売り手側の相談先となるM&Aアドバイザリー・FAを紹介します。

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サービス名M&A Lead
提供会社M&A Lead株式会社
サービス形態売主専門(セルサイド専任)
片手取引
成功報酬完全成功報酬制
レーマン方式(譲渡対価の1〜5%)
着手金・中間金0円
手数料負担売り手のみ
(買い手からは受領しない)
対応エリア全国対応
無料相談あり(オンライン・電話)
詳細情報公式資料を見る

M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Lead(M&A Lead株式会社)の公式サイト

M&A Leadは、売り手(譲渡企業)だけと契約するセルサイド専任のM&Aアドバイザリーです。売り手・買い手の双方から手数料を受け取る「両手取引」ではなく、売り手からのみ手数料を受け取る「片手取引」を採用しています。買い手から手数料を受け取らないため、譲渡価格や雇用・契約条件など、売り手に有利な条件の追求に専念できる立場を明確にしています。

料金は完全成功報酬制で、着手金・中間金・月額報酬はいずれも0円。成功報酬は譲渡対価に応じて変動するレーマン方式(1〜5%)で算出されます。相談は無料で、全国対応・オンライン相談にも応じています。

中小企業庁の「認定経営革新等支援機関」に登録し、中小M&Aガイドラインの遵守を掲げている点も、初めてM&Aを検討する経営者にとって相談先を選ぶ目安になります。事業承継から上場企業の子会社譲渡(カーブアウト)まで、幅広い規模・背景の成約事例を公表しています。

まとめ

合併は、2つ以上の会社を1つに統合し、消滅する会社の権利義務を包括的に引き継ぐM&Aの手法です。会社そのものが1つになる点で、経営権だけを移す買収とは区別されます。種類は既存会社が残る吸収合併と、新会社を設立する新設合併があり、実務では吸収合併が主流です。

手続きは株主総会の特別決議・債権者保護・登記など会社法に沿って進める必要があり、簡易合併・略式合併による決議の省略や、適格合併による税務メリットといった論点もあります。自社のケースにどの手法が向くか、手続きや税務をどう進めるかは、M&Aの専門家や税理士・弁護士に早めに相談しながら見極めるのが安全です。

まずはM&Aアドバイザリー・FAの資料を取り寄せ、自社に合う相談先や進め方を比べることから始めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. M&Aの合併とは何ですか?

M&Aの合併とは、2つ以上の会社を1つの会社に統合し、消滅する会社の権利義務をまるごと引き継ぐ手法です。会社法では、既存の会社が存続する「吸収合併」と、すべての会社が消滅して新会社を設立する「新設合併」の2種類が定義されています。株式を買って経営権を移す「買収」とあわせて、M&Aと総称されます。

Q. 合併と買収(M&A)は何が違うのですか?

合併と買収の最大の違いは、会社の法人格が消えるかどうかです。合併では消滅する会社の法人格が消えて1つの会社に統合されますが、買収では株式や事業を取得して経営権が移っても、対象会社の法人格はそのまま残ります。また、「買収」は会社法に定義規定が置かれた用語ではなく、株式譲渡やTOB(株式公開買付け)など経営権を得る手法の総称として使われる言葉です。

Q. 吸収合併と新設合併は何が違いますか?

吸収合併と新設合併の違いは、既存の会社を存続会社として残すか(吸収合併)、すべての会社を消滅させて新会社を設立するか(新設合併)にあります。吸収合併は存続会社の許認可や上場を原則そのまま維持できるのに対し、新設合併は新会社で許認可の取り直しや再上場の手続きが必要になりやすいため、実務では多くの合併で吸収合併が選ばれています。

Q. 合併の手続きにはどのような流れと期間が必要ですか?

合併は、合併契約の締結・事前開示・株主総会の特別決議・債権者保護手続き・効力発生・事後開示・登記という会社法上の手順に沿って進めます。とくに債権者保護手続きでは異議を述べる期間を1か月以上設ける必要があり(会社法第789条など)、登記は効力発生日から2週間以内に行う必要があります。これらを積み上げると、準備を含めて数か月単位の期間を見込むのが一般的です。

Q. 合併で株主総会の決議を省略できる場合はありますか?

合併では、簡易合併と略式合併にあたる場合に株主総会の特別決議を省略できます。簡易合併は、交付する対価の額が存続会社の純資産額の5分の1以下のときに、存続会社側の決議を省略できます(会社法第796条第2項)。略式合併は、相手方が総株主の議決権の9割以上を持つ特別支配会社であるときに、被支配側の決議を省略できます(会社法第784条・第796条・第468条)。

ただし決議が省けるだけで、債権者保護手続きなど他の手続きが不要になるわけではありません。

Q. 適格合併にあたると税金の扱いはどうなりますか?

適格合併に該当すると、資産・負債を帳簿価額で引き継いで譲渡損益への課税が繰り延べられ、一定の要件のもとで消滅会社の繰越欠損金を引き継げるとされています(法人税法第62条の2・第57条)。非適格合併では、資産を時価で譲渡したものとして扱われます。ただし繰越欠損金の引き継ぎには制限規定があり要件が複雑なため、適格・非適格の判定や税額への影響は、税理士など専門家への確認を前提にしてください。

Q. 合併と株式譲渡・事業譲渡はどう使い分ければよいですか?

合併・株式譲渡・事業譲渡は、会社をまるごと1つに統合したいなら合併、経営権だけを移して会社は残したいなら株式譲渡、必要な事業だけを切り出して譲りたいなら事業譲渡が候補になります。合併と株式譲渡は権利義務を包括的に引き継ぐため簿外債務も承継しますが、事業譲渡は引き継ぐ対象を選べる一方、譲渡会社に競業避止義務が生じるといった違いがあります。自社の目的に合わせて、専門家と相談しながら選ぶのが実務的です。

Q. 合併では消滅会社の借入金や簿外債務も引き継ぐことになりますか?

合併では、消滅会社の権利義務が包括的に承継されるため、借入金や簿外債務も原則としてそのまま引き継ぎます。契約や従業員の雇用をまとめて引き継げる利点の裏返しで、不要な資産や把握していない債務まで承継してしまうリスクがあります。合併を進める前に、デューデリジェンス(買収前の詳細調査)で消滅会社の財務や契約の内容を確認しておくことが欠かせません。

Q. 合併やM&Aはどこに相談すればよいですか?

合併やM&Aの相談先としては、まずM&A仲介会社やファイナンシャル・アドバイザー(FA)が窓口となり、会社法の手続きは弁護士・司法書士、税務は税理士が役割を分担するのが一般的です。仲介は売り手・買い手の双方と契約して中立の立場で調整し、FAは一方の当事者と契約してその依頼者の利益のために交渉を支援します。自社に合う手法の見極めや進め方は、早い段階で専門家に相談すると安心です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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