「これからはファンマーケティングだ」と社内や記事で耳にするものの、その中身を自分の言葉で説明できず、もやもやしている方は少なくありません。広告費をかけても新規顧客の獲得効率が落ちてきた今、既存のファンとの関係を軸に売上を伸ばす考え方として、重要性が高まっています。
本記事では、ファンマーケティングとは何か、従来のマーケティングと何が違うのかをまず一言で整理し、そのうえで注目される理由・代表的な手法・実在企業の成功事例・メリットとデメリット・自社での始め方までを順に解説します。
あわせて、ファンとの関わり方を一歩進める新しいコミュニティの形にも後半で触れます。用語の意味を押さえたうえで、自社で取り組むかどうかを判断する材料としてお役立てください。
目次
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ファンマーケティングとは
ファンマーケティングとは、自社の商品やサービスを深く愛してくれる「ファン」を育て、そのファンとの関係を軸に、中長期で安定した売上とブランド価値を高めていくマーケティングの考え方・手法の総称です。
「絆を深める」といった言葉だけでは、具体的に何をするのかが見えにくいかもしれません。実際に行うのは、ファンの声を聞き、交流できる場をつくり、その熱量を口コミ・共創・継続購入という価値に変えていく取り組みです。新しい顧客を次々に集めるより、すでに好意を持つ人との関係を太くすることに重心を置きます。
ここでいう「ファン」は、商品やサービスの愛用者に限りません。ブランドや地域、団体を応援してくれる人にも、同じ考え方が当てはまります。
「ファンマーケティング」という言葉自体には、法律用語のような単一の公式な定義があるわけではありません。ただし、企業向けの解説では「愛着の強いファンを育て、中長期で安定した売上を築く手法」という理解でおおむね一致しています。
従来のマーケティングとの違い
ファンマーケティングの輪郭は、従来のマーケティングと並べると掴みやすくなります。従来のマーケティングは、まだ商品を知らない新規顧客に広く認知を広げ、単発の購入につなげることに主眼を置いてきました。これに対してファンマーケティングは、すでに好意を持つ既存顧客と双方向で関係を深め、継続購入や口コミへとつなげていきます。
| 観点 | 従来のマーケティング | ファンマーケティング |
|---|---|---|
| 主な対象 | まだ商品を知らない新規顧客 | すでに好意を持つ既存顧客・ファン |
| コミュニケーション | 広告による一方向の発信 | 双方向の対話・参加 |
| 狙う成果 | 単発の購入・認知の拡大 | 継続購入・口コミ・共創による中長期の価値 |
| 効果の時間軸 | 短期で効果が見えやすい | 中長期で効果が現れる |
どちらかが優れているという話ではなく、役割が異なります。認知を広げる従来型の施策と、獲得した顧客をファンに育てるファンマーケティングを組み合わせることで、新規獲得への偏りをやわらげ、収益の土台を安定させやすくなります。
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ファンマーケティングが注目される理由
ここからは、なぜ今ファンマーケティングが関心を集めているのかを整理します。背景には、企業を取り巻く市場環境の変化が重なっています。
- 人口減少で新規顧客の獲得が難しくなっている:総務省の人口推計によると、日本の総人口は2024年10月1日時点で1億2,380万2千人となり、前年に比べ55万人(-0.44%)減少し、14年連続で減っています。新規顧客の母数そのものが縮んでいく中で、既存顧客との関係を深めて長く取引を続けてもらう発想の重要性が増しています。
- 広告が届きにくく、信頼されにくくなっている:情報量が増えたことで広告は埋もれやすくなり、企業からの一方的な発信よりも、実際に使った人の声のほうが信頼される傾向が強まりました。ファンの発信は、この「信頼される情報」の担い手になります。
- SNSの普及で「共感」と発信が価値を持つようになった:ファンがSNSに投稿する体験談やレビュー(UGC)は、同じ悩みを持つ人の背中を押し、新たな顧客を呼び込みます。共感を軸にした広がりは、SNS時代ならではの伝わり方です。
- LTV(顧客生涯価値)を重視する考え方が広がった:一度きりの購入で終わらせず、一人の顧客と長く関係を続けて収益を積み上げる考え方が浸透しました。ファンマーケティングは、このLTVを高める取り組みそのものです。
出典・参考資料(1件)
ファンマーケティングの代表的な手法
次に、ファンマーケティングで実際に使われる代表的な手法を見ていきます。いずれもファンとの接点をつくり、関係を深めることを狙いとしています。自社の商材や体制に合うものから取り入れるのが現実的です。
- ファンコミュニティの運営:ファンが集まって交流できる場(コミュニティサイトやSNSグループなど)を用意し、企業とファン、ファン同士のつながりを育てます。ファンの声を継続的に受け取れる拠点になります。
- ファンミーティング・イベント:ファンを招いた交流イベントやオンライン集会を開き、直接語り合う機会をつくります。熱量の高いファンとの関係を一段深める効果があります。
- SNS・UGCの活用:ファンによる投稿(UGC)を促す参加型キャンペーンや、ファンの声への反応を通じて、共感を広げます。ファンの発信が新規顧客への入り口になります。
- アンバサダー制度:特に熱心なファンを公式のアンバサダーとして迎え、体験の発信や商品の紹介を担ってもらう仕組みです。ファンの言葉には、広告にはない説得力があります。
- 共創型の商品開発:新商品の企画やサービス改善にファンの意見を取り入れ、一緒に作り上げていきます。ファンは「自分が関わった」という愛着を強め、企業は市場のニーズを掴みやすくなります。
- メルマガ・限定コンテンツの提供:開発の裏話や先行情報、ファン限定の特典を届け、特別感を演出します。継続的な接点を保ち、関係が途切れないようにする役割を持ちます。
これらの手法は、単発で行うより組み合わせて「線」でつなぐと効果が高まります。たとえば、コミュニティで集めたファンの声を共創型の商品開発に生かし、その成果をSNSで発信してもらう、といった流れが考えられます。
ファンマーケティングの成功事例
ここからは、実在する企業が取り組み、規模の拡大や長年の継続、売上の伸びといった形で成果につなげている例を紹介します。業種の異なる4社を通じて、自社に置き換えたときのイメージを掴んでみてください。
ヤッホーブルーイング:ファン向け大型イベント「超宴」
クラフトビールメーカーのヤッホーブルーイングは、ファン向けの大型イベント「よなよなエールの超宴(超宴)」を主催しています。2015年に500人規模で初開催し、2018年には東京・お台場で5,000人を集めるまでに拡大しました。「ビールでピースな大人の超文化祭」をコンセプトに、ファンが主役になって楽しめる場をつくってきました。
コロナ禍による中断を経て2024年にリアル開催を再開し、現在まで続くファン向けイベントとして定着しています。規模の拡大と長く続くイベントへの成長そのものが、ファンとの関係が育っていることを示しています。
カルビー:「じゃがりこ」ファンとの共創コミュニティ
カルビーは、スナック菓子「じゃがりこ」で長年ファンコミュニティを運営してきました。2007年から2021年まではコミュニティサイト「じゃがり校」を運営し、その後継として「じゃがりこ探検隊」を開設しています。「じゃがりこ」をより好きになってもらい、未来の商品を一緒に創ることを目的に掲げています。
新商品の共創企画などにファンの声を生かしており、10年以上にわたってコミュニティを運営し続けてきたこと自体が、長期的な関係づくりの成果といえます。
出典・参考資料(1件)
スノーピーク:ユーザーと語り合う「焚火トーク」
アウトドアメーカーのスノーピークは、長年続くキャンプイベント「Snow Peak Way」で、ユーザーと語り合う場を大切にしてきました。オンラインの取り組みにも早くから乗り出し、音声SNS「Clubhouse」で公式トークルーム「焚火トーク」を配信するなど、場所を問わず顧客と直接語り合う機会をつくっています。こうした継続的な対話の積み重ねが、ファンとの強い関係を支えています。
ネスレ日本:オフィス向け「ネスカフェ アンバサダー」
ネスレ日本の「ネスカフェ アンバサダー」は、職場にコーヒーマシンを無償で貸し出し、そのオフィスの一人に「アンバサダー」としてコーヒーの購入・補充や職場での利用促進を担ってもらう仕組みです。企業に売り込むのではなく、その商品を気に入った人を起点に職場へ広げていく、ファンを媒介にした展開の代表例です。
アンバサダーの登録者は2014年時点で約14万人まで増え、ネスレ日本はこれを2020年までに50万人規模へ拡大する方針を掲げました。無償のマシン貸し出しと、ファンによる職場での購入・利用促進を組み合わせ、広告に頼らず利用者の裾野を広げてきた点が特徴です。
これら4社に共通するのは、ファンを「買ってくれる相手」としてだけでなく、一緒にブランドを楽しみ、育てていく仲間として扱っている点です。イベント・コミュニティ・対話・職場での利用と形は違っても、ファンとの継続的な関係づくりが軸になっています。
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ファンマーケティングのメリット・デメリット
取り組みを判断するには、良い面だけでなく、難しさも知っておく必要があります。ここでは、メリットと、あわせて押さえておきたいデメリット・注意点を整理します。
メリット
- LTVの向上:ファンは繰り返し購入し、関連商品も選んでくれやすいため、一人あたりの生涯価値が高まります。安定した収益の土台になります。
- 口コミ・UGCによる新規顧客の獲得:ファンの発信は、広告よりも信頼されやすく、新しい顧客を呼び込みます。広告費に頼りきらない集客につながります。
- 共創によるフィードバックと商品改善:ファンから率直な意見が集まり、商品・サービスの改善や新商品開発に生かせます。市場のニーズを掴みやすくなります。
デメリット・注意点
- 効果が出るまで時間がかかる:ファンとの信頼関係は一朝一夕には育ちません。短期の売上を急ぐ場面には向かず、中長期の投資として腰を据える必要があります。
- 成果を数値で示しにくい:関係の深まりや熱量は、広告のクリック数のようには測りにくいものです。何を指標にするかを事前に決めておかないと、社内で成果を説明しづらくなります。
- 既存ファンの声に偏るリスク:熱心なファンの意見ばかりを重視すると、まだファンでない層の視点が抜け落ちることがあります。声の大きさと市場全体の傾向を切り分けて受け止める姿勢が要ります。
- 炎上のリスク:ファンとの距離が近いぶん、対応を誤ると不信が一気に広がることもあります。SNSでの発信や運営には、一定のリスク管理が欠かせません。
ファンマーケティングの始め方
ここからは、自社で始めるときの進め方を、順を追って説明します。大きく構えて一度に始める必要はなく、小さく試しながら育てていくのが現実的です。全体の流れは次のとおりです。

- ファンを定義する:自社にとっての「ファン」がどのような人かを言葉にします。よく買ってくれる人か、熱心に発信してくれる人か。対象がぶれると、施策もぶれます。
- 接点・チャネルを選ぶ:ファンとつながる場を決めます。SNS、コミュニティサイト、メルマガ、イベントなど、自社の商材とファンの過ごし方に合うものを選びます。
- 目標(KPI)を決める:何をもって成果とするかを先に決めます。コミュニティの参加者数、再購入率、UGCの投稿数など、追える指標を置いておきます。
- 小さく施策を始める:いきなり大規模に構えず、限られたファンとのやり取りから始めます。反応を見ながら、無理のない範囲で広げていきます。
- 声を集めて改善する:ファンの反応や意見を集め、施策や商品に反映します。この繰り返しが、関係を深め、成果を育てていきます。
成果を出すためのポイント
手順を回すうえで、意識しておきたいポイントが3つあります。いずれも、ファンとの関係を「一過性」で終わらせないための勘所です。
- ファンのニーズを深く理解する:何にファンが価値を感じているかを掴むことが起点です。アンケートや対話を通じて、表面的な要望の奥にある動機まで探ります。
- 双方向のコミュニケーションを続ける:発信して終わりではなく、ファンの声に反応し、対話を重ねます。「聞いてもらえている」という実感が、関係を長続きさせます。
- ファン同士がつながる場をつくる:企業とファンの縦の関係だけでなく、ファン同士が交流できる横のつながりを育てると、コミュニティが自走しやすくなります。
Web3・トークンを活用した新しいファンコミュニティという選択肢
近年は、ファンとの関わり方をさらに一歩進める選択肢として、Web3(ブロックチェーンを基盤とする次世代のインターネット領域)の技術を使ったファンコミュニティが登場しています。従来のファンマーケティングを補強する新しいアプローチとして、押さえておく価値があります。
特徴は、ファンが「顧客」から「共同運営者」に近い立場へと移っていく点にあります。具体的には、コミュニティへの貢献に応じてトークン(デジタルの証票)やNFT(代替不可能なデジタル資産)を付与し、貢献がきちんと記録・可視化される仕組みをつくります。ファンは、応援した見返りが目に見える形で残り、企画への投票などを通じて運営に関わる実感を得られます。
こうしたWeb3を活用したコミュニティが実際のビジネスでどう使われているのかは、以下の記事で活用事例とともに解説しています。仕組みをもう一歩深く知りたい方はこちらもご覧ください。
ファンの熱量を「参加」や「貢献」という行動に変え、それを長期的な価値として積み上げていく——こうした考え方は、ファンマーケティングが目指す方向と重なります。次の章では、こうしたコミュニティ運営を実際に支えるサービスを紹介します。
コミュニティ運営・ファンマーケティングを支援するサービス
ファンマーケティングを始めるとなると、「自分たちだけで運営しきれるだろうか」という不安が出てくるものです。ファンコミュニティの運営を支えるサービスは、SNS運用やコミュニティサイト、会員管理に強いものまで幅広くあります。ここではそのなかから、ファンが共同運営者として関わるWeb3・トークン型の新しいコミュニティづくりに対応する2つを紹介します。まずは特徴を一覧で比較します。
| サービス名 | 24karatマーケティングプラットフォーム | Unyte(ユナイト) |
|---|---|---|
| 位置づけ | Web3型の ファンエンゲージメント基盤 (ブランド・クリエイター向け) | DAO・Web3コミュニティの 構築・運用支援の 統合プラットフォーム |
| 主な機能 | ノーコード管理画面で NFTリワード・ミッションを設計 ファン向けアプリ「24k ZAP」 | 会員権・投票権のNFT発行 秘密投票・貢献のトークン化 貢献履歴のオンチェーン記録 |
| ファンの参加のしやすさ | クラウドウォレットを 既存アカウントから ボタン一つで生成 | メール・Google・Xで ログイン (ウォレット自動生成) |
| 対応ブロックチェーン | Flow | Polygon (貢献・投票履歴の記録先) |
| 導入実績 | 上新電機・ロッテ・ 伊藤忠商事など 大手企業20社以上 | 国内外70超のDAOに導入 (2024年3月時点) |
| こんな企業に向く | 大手ブランドがファンづくりを 実際の運用に 落とし込みたい企業 | ファンを共同運営者として 巻き込むDAO・コミュニティを つくりたい企業 |
| 料金 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
24karatマーケティングプラットフォーム(24karat株式会社)

24karatは、ブランドやクリエイターがファンとのつながりを深め、その参加を長期的な価値に変えることを狙いとしたWeb3型のロイヤリティ・ファンエンゲージメント基盤です。ノーコードで使える管理画面「Brand Management Console」で、NFTを使ったリワードやキャンペーン、クイズ・アンケート形式のミッションを設計でき、ファンの状況をダッシュボードで把握できます。
ファン向けにはウォレットアプリ「24k ZAP」が用意され、ブランドから受け取ったトークンやNFTを管理・活用できます。上新電機やロッテ、伊藤忠商事といった大手企業での導入が公表されており、ブランドのファンづくりを実際の運用に落とし込みたい企業にとって、有力な選択肢になります。
Unyte(株式会社Unyte)

DAO(分散型自律組織)やWeb3コミュニティの構築・運用を、一つの基盤でまかなえるのがUnyteです。会員権や投票権をNFTとして発行し、提案の承認数やタスクの実行数といった貢献をトークンで可視化する仕組みを備えています。投票結果や貢献の履歴はブロックチェーン上に記録され、ファンの参加が改ざんできない形で積み上がります。
メールアドレスやGoogle・Xのアカウントでログインでき、暗号資産のウォレットが自動で作られるため、Web3に不慣れなファンでも参加の壁が低いのが特徴です。ファンを運営に巻き込み、共同運営者として関わってもらう新しいコミュニティづくりを検討する際に、基盤として活用できます。
ここで取り上げたのはWeb3型のコミュニティ運営基盤ですが、ファンコミュニティの運営を支えるサービスは、SNS連携を重視したものから会員管理に強いものまで幅広く存在します。自社のファンの過ごし方や運営体制に合う一本を選ぶには、複数のサービスを同じ軸で見比べることが役立ちます。
以下の記事では、ファンコミュニティの運営に使えるツールを目的別に整理し、選び方・料金・機能まで比較しています。自社に合う運営基盤を具体的に見比べたい方は、こちらもご覧ください。
まとめ
ファンマーケティングは、自社を深く愛してくれるファンを育て、その関係を軸に中長期で売上とブランド価値を高めていく考え方・手法です。新規獲得中心の従来型マーケティングとは役割が異なり、既存顧客との双方向の関係づくりに重心を置きます。人口減少や広告への信頼低下、LTV重視への転換といった背景から、その重要性は年々高まっています。
始める際は、ファンを定義し、接点を選び、目標を決めて、小さく試しながら改善を重ねるのが基本の流れです。効果が出るまで時間がかかる点や成果の測りにくさといった注意点も、あらかじめ押さえておきましょう。Web3・トークンを活用したコミュニティや、運営を支えるサービスも、次の一歩を具体化する選択肢になります。
まずはコミュニティ運営を支えるサービスの資料を取り寄せ、自社に合う進め方を具体的に検討してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. ファンマーケティングとファンベースの違いは何ですか?
A. ファンマーケティングとファンベースは、既存のファンを大切にして中長期の売上や価値を高めるという点でほぼ同じ考え方を指し、違いは主に呼び方と言葉の出所にあります。「ファンベース」は、佐藤尚之氏の著書『ファンベース』(筑摩書房、2018年)で広まった言葉で、ファンを支持基盤(ベース)と捉える発想を表します。
一方「ファンマーケティング」は、その発想を実際のマーケティング施策として実行する取り組みの総称として使われることが多い言葉です。両者は文脈によってほぼ同じ意味で用いられるため、厳密に区別するより「既存のファンとの関係を軸に据える」という共通の考え方として押さえておけば十分です。
Q. 小規模企業やBtoB企業でもファンマーケティングに取り組めますか?
A. ファンマーケティングは、企業の規模や業種を問わず取り組めます。大規模なコミュニティやイベントを構えなくても、既存の顧客やSNSのフォロワーとの小さなやり取りから始められるため、むしろ一人ひとりと丁寧に向き合いやすい小規模企業に向いた面もあります。
BtoB企業でも、製品を長く使う担当者や導入企業との関係を深め、活用事例の共有やユーザー会といった形で応用できます。自社にとっての「ファン」が誰かを定義し、無理のない範囲から始めることが、規模や業種によらず共通の出発点になります。
Q. ファンマーケティングは効果が出るまでどのくらいかかりますか?
A. ファンマーケティングは、短期で成果が出るものではなく、中長期で腰を据えて取り組む施策です。ファンとの信頼関係は一朝一夕には育たないため、広告のように出稿してすぐ売上に直結する性質のものではありません。
具体的な期間は、扱う商材やファンとの接点の多さ、投入できる体制によって大きく変わるため一概には言えません。だからこそ、参加者数や再購入率、UGCの投稿数など追える指標(KPI)を先に決めておき、関係の深まりを段階的に確認しながら続けることが大切です。
Q. ファンマーケティングにかかる費用の目安は?
A. ファンマーケティングの費用は、選ぶ手法によって幅が大きく、決まった相場があるわけではありません。公式SNSの運用やメルマガのように自社のリソースで無料〜低コストに始められる手法から、ファン向けイベントの開催や専用のコミュニティ運営ツールの導入のように相応の費用がかかる手法まで幅があります。
まずは低コストで始められる施策から試し、手ごたえを見ながら必要に応じてツールやイベントへ投資を広げていくと、費用の無駄を抑えやすくなります。運営を支援するサービスの具体的な費用は、各社の資料で比較して確認するのが確実です。
Q. ファンマーケティングで炎上などのリスクを防ぐにはどうすればよいですか?
A. 炎上のリスクは、ファンとの距離が近いからこそ、日頃の誠実な対応と一定のリスク管理で備えることが基本です。SNSでの発信内容を事前に複数人で確認する、不適切な投稿や問い合わせへの対応方針をあらかじめ決めておく、といった運用ルールを整えておくと、対応の遅れや誤りによる不信の拡大を防ぎやすくなります。
また、熱心なファンの声だけを重視しすぎると、それ以外の顧客の視点が抜け落ちることもあります。声の大きさと市場全体の傾向を切り分けて受け止める姿勢も、思わぬ反発を避けるうえで役立ちます。
Q. Web3やトークンを使ったファンコミュニティは、従来のファンマーケティングと何が違いますか?
A. Web3・トークンを使ったファンコミュニティは、ファンが「顧客」から「共同運営者」に近い立場へ移り、貢献が記録・可視化される点が従来のファンマーケティングと異なります。コミュニティへの貢献に応じてトークンやNFTを付与し、応援した見返りが目に見える形で残る仕組みをつくれます。
ファンの熱量を長期的な価値に変えるという目指す方向は従来と共通していますが、ファンが企画への投票などを通じて運営に関わる度合いが一段深まる点が特徴です。こうしたコミュニティの構築・運営は専門的なため、24karatやUnyteのような支援サービスを活用する方法があります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
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