取引先からの通知やニュースで「手形が廃止される」と知り、自社の支払いや代金回収をこれからどうすればよいのか、不安を感じていませんか。
結論から示すと、紙の約束手形・小切手は2026年度末(2027年3月末)を目途に廃止されます。全国銀行協会が運営する電子交換所での交換がこの時期に終了する予定で、金融機関によってはそれより早く、手形帳・小切手帳の発行や最終振出期限を区切る動きが2025年から2026年にかけて広がっています。
本記事では、廃止の時期とスケジュール、「廃止」が法律による禁止・罰則ではなく事実上の廃止である理由、でんさいや銀行振込といった代替手段、支払手形・受取手形それぞれのやめ方、そして廃止に向けて今からやるべき準備までを整理します。あわせて、受取手形をやめても取引先への後払い(請求書払い)を続けたい売り手企業に向けて、与信や回収を代行する掛け払い・請求代行という選択肢も紹介します。
自社の支払い・回収を手形から何に切り替えるか、その判断材料としてご活用ください。
目次
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約束手形・小切手はいつ使えなくなる?【2026年度末(2027年3月末)に廃止】
紙の約束手形・小切手は、2026年度末にあたる2027年3月末までに廃止される予定です。全国銀行協会は電子交換所での手形・小切手の交換枚数を2026年度末までにゼロにする方針を掲げ、金融庁も2027年度初からの交換廃止を案内しています。
2027年3月末までに紙の手形・小切手の交換が廃止されます。
出典:紙の手形・小切手利用廃止へ|一般社団法人 全国銀行協会
【注意!】金融機関によっては、手形・小切手の最終振出期限を設定しており、10月1日以降は、原則として手形・小切手を用いた当座勘定からの支払いができなくなります。
この引用にある「10月1日」は、最終振出期限を設けた金融機関で、その年の10月1日以降は手形・小切手による支払いができなくなるという一例です。廃止の時期は全国一律ではなく、金融機関ごとに設定される最終振出期限によって前後します。
手形・小切手が取引に残っている場合は、自社の取引金融機関がいつまで振出・取立に対応するかを、早めに取引店へ確認しておきましょう。
手形廃止までのスケジュール(時系列で整理)
手形・小切手の廃止は、政府方針を起点に、金融界の自主的な取り組みとして段階的に進められてきました。ここまでの経緯と今後の予定を時系列で整理します。
| 時期 | 2021年6月 | 2021年7月 | 2022年11月 | 2025年〜2026年ごろ | 2026年度末(2027年3月末) | 2027年度初(2027年4月〜) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| できごと | 政府が「成長戦略実行計画」を閣議決定し、5年後の約束手形の利用廃止に向けた取り組みを促す方針を明記 | 全国銀行協会が「自主行動計画」を策定。2026年度末までに手形・小切手の交換枚数をゼロにすることを最終目標に設定 | 全国手形交換所が廃止され、手形・小切手をイメージデータでやり取りする電子交換所が稼働 | 金融機関ごとに、手形帳・小切手帳の発行終了や最終振出期限の設定が順次進む | 電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにする目標時期 | 電子交換所での手形・小切手の交換を廃止 |
このように、廃止は突然決まったものではなく、2021年の政府方針から数年かけて準備が進んできました。自社にとっての実質的な期限は「取引金融機関が振出・取立に対応する最終時期」なので、全国一律の2027年3月末だけを見て準備を後ろ倒しにしないよう注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
「廃止」といっても法律の禁止・罰則ではない(正確な位置づけ)
「廃止」と聞くと、ある日を境に法律で手形の使用が禁じられ、使うと罰則が科されるように感じるかもしれません。しかし実際は、そうした法律による一律の禁止・罰則ではありません。政府方針を受けて金融界が手形・小切手の取扱いを終了していく、事実上の廃止と理解するのが正確です。
全国銀行協会は、電子化しないとどうなるかという問いに対して、次のように説明しています。
事業者さまにおいて、これまでどおりの手形・小切手の利用ができなくなる可能性があるため、早期に電子的決済サービスへの切替えのご検討をお願いします。政府方針を受けて、多くの金融機関では2027年3月を待たずに前倒しで手形・小切手の取扱いを縮小する動きを示しています(手形帳・小切手帳の発行終了や2027年4月以降を期日とする手形等の代金取立受付の終了等)。
出典:紙の手形・小切手利用廃止へ よくある質問|一般社団法人 全国銀行協会
ポイントは、罰則ではなく「これまでどおりの利用ができなくなる可能性」という書きぶりにあります。手形・小切手そのものを違法とする制度ではなく、金融機関が手形帳・小切手帳の発行や代金取立の受付を段階的にやめていくことで、結果として使えなくなっていくという構図です。だからこそ「まだ罰則はないから大丈夫」と先送りにするのではなく、取引金融機関の対応時期に合わせて計画的に切り替えを進める必要があります。
そもそも約束手形・小切手とは
廃止の話に入る前に、約束手形と小切手がどのような支払い手段なのかを簡単に確認します。両者は似た紙の証券ですが、支払いのタイミングが大きく異なります。
約束手形は、記載した支払期日に代金を支払うことを約束する証券です。振り出す側(買い手)は、実際の支払いを数十日から数か月先の期日まで延ばせるため、手元資金に余裕がない時期でも取引を続けやすくなります。受け取る側(売り手)は、期日まで待てば代金を受け取れますが、その間は資金が入ってこない状態が続きます。
一方の小切手は、受け取った側が銀行に持ち込めば、原則としてすぐに現金化できる証券です。支払いを先延ばしにする機能は持たず、現金の持ち運びを避けるための手段という性格が強いといえます。今回の廃止は、この約束手形と小切手の両方が対象です。
なぜ約束手形は廃止されるのか(理由・背景)
約束手形が廃止に向かう背景には、支払いを受ける側の資金繰りへの負担、紙の証券を扱う事務の非効率、そして利用そのものの減少があります。
まず、手形は支払期日まで代金が入らないため、受け取る中小企業の資金繰りを圧迫しやすい支払い手段です。期日前に資金化するには手形割引で手数料を負担する必要があり、振り出した企業が倒産すれば不渡りで回収できなくなるリスクも抱えます。政府が下請取引の適正化の一環として手形の見直しを進めてきたのは、こうした受け取り側の負担を軽くする狙いがあります。
紙の証券ならではの非効率もあります。手形の作成・郵送・保管や銀行への持ち込みには手間がかかり、金額に応じた収入印紙の負担も生じます。こうした紙のやり取りをなくす狙いから、政府と金融界は電子的な決済への移行を進めてきました。
実際の利用も大きく減っています。全国銀行協会によると、手形・小切手の利用枚数はピーク時から約20分の1にまで減少し、代替手段の一つであるでんさいの利用は2019年からの5年間で約2.5倍に増えています。使う企業が減り続けている現状も、廃止に向けた動きを後押ししています。
出典・参考資料(2件)
約束手形の廃止が企業に与える影響
手形の廃止は、企業にプラスとマイナスの両面の影響をもたらします。立場や資金繰りの状況によって受け止め方は変わるため、両面を押さえたうえで自社への影響を見極めることが大切です。
廃止で企業が得られるメリット
代金を受け取る側にとって最も大きいのは、資金化のタイミングが早まりやすいことです。手形のように期日まで待つ必要が減れば、キャッシュフローが安定し、手形割引の手数料負担も避けられます。
事務面の効果も見込めます。紙の作成・郵送・保管や収入印紙の貼付がなくなり、電子的な決済に一本化すれば、経理の手間や紛失・盗難のリスクを抑えられます。決済データが電子的に残るため、入金確認や消込の効率化にもつながります。
廃止で生じるデメリット・注意点
支払う側にとっては、手形が持っていた「支払いを期日まで延ばせる」機能が失われる点が課題になります。これまで手形のサイトで確保していた支払い猶予がなくなると、その分だけ資金繰りを前倒しで用意する必要が生じます。
また、取引先を含めた切り替えには一定の準備期間がかかります。代替手段の選定や社内フローの見直し、取引先との条件のすり合わせが必要になるため、期限間際に慌てて対応すると取引に支障が出かねません。特に手形の利用が根強い業種では、取引先の対応状況を確認しながら段階的に進めることが求められます。
支払サイトは原則60日以内へ(下請法の運用見直し)
手形の廃止と並行して、下請取引の支払条件についても見直しが進んでいます。公正取引委員会は、下請代金の支払いに用いる手形等のサイト(手形期間・決済期間)を短縮する方針を示し、2024年11月1日から下請法の運用を改めました。
令和6年11月1日以降、親事業者が下請代金の支払手段として、サイト(手形期間又は決済期間をいいます。以下同じです。)が60日を超える長期の手形等を交付した場合、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」といいます。)の割引困難な手形の交付等に該当するおそれがある
出典:(令和6年10月1日)手形等のサイトの短縮について|公正取引委員会
ここでいう「手形等」には、手形のほか一括決済方式やでんさい(電子記録債権)も含まれます。対象は下請法上の親事業者と下請事業者の取引で、すべての企業間取引が一律に規制されるわけではありません。
2021年に出された「おおむね3年以内に60日以内へ」という要請の目標時期と、下請法の指導対象となる2024年11月1日という施行時期は別の話なので、混同しないよう整理しておきましょう。手形を廃止して振込などに切り替える際は、支払う側としてこのサイト短縮も併せて意識しておく必要があります。
支払サイトの数え方や30日・60日といったサイトの意味、下請法や資金繰りへの具体的な影響は、以下の記事で詳しく解説しています。
手形をやめて何に切り替える?代替手段と支払手形・受取手形それぞれのやめ方
手形をやめたあとの支払い・回収をどうするかは、廃止対応の中心となる論点です。全国銀行協会は、切り替え先として「でんさい等の電子記録債権やインターネットバンキングによる振込等」を挙げています。ここでは主な代替手段を役割で整理したうえで、支払う側・受け取る側それぞれのやめ方を確認します。
代替手段の役割マップ(何が手形の代わりになるか)
手形が担っていた機能は、大きく「支払いの手段」と「支払いを先延ばしにする(信用を供与する)機能」に分けられます。代替手段によって得意な役割が異なるため、自社が手形の何を代替したいのかを起点に選ぶと判断しやすくなります。
| 代替手段 | でんさい(電子記録債権) | インターネットバンキング振込 | ファクタリング | 請求書カード払い | 掛け払い・請求代行 |
|---|---|---|---|---|---|
| 主な役割 | 手形に近い後払い決済を電子化。支払期日を設定して代金を支払う | 期日に口座間で送金する。最も導入しやすい基本の手段 | 売掛債権を売却して早期に資金化する(資金調達) | 買い手がクレジットカードで支払い、支払期日を延ばす | 売り手に代わり与信・請求・回収・保証を代行し、後払いを提供 |
| 手形の代わりになる場面 | 支払期日を設けた取引を、印紙や紙のやり取りなしで続けたいとき | 支払いサイトを短くし、シンプルな振込に切り替えたいとき | 受け取り側が入金を待たずに資金を確保したいとき | 支払う側が支払い猶予を確保したいとき | 受け取り側が取引先への後払いを続けつつ回収負担を減らしたいとき |
※各手段の一般的な役割の傾向です。実際の対応可否や条件は各サービス・金融機関の情報をご確認ください。
代替手段の中核「でんさい(電子記録債権)」とは
公的な案内で手形の切り替え先として最初に挙げられるのが、でんさい(電子記録債権)です。でんさいは、株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が取り扱う電子記録債権で、手形が抱えていた課題を解消しつつ、手形に近い後払いの仕組みを電子的に実現します。
でんさいとは、株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称 でんさいネット)が取り扱う電子記録債権を指します。電子記録債権は、手形・指名債権(売掛債権等)の問題点を克服した金銭債権です。
出典:でんさいとは|株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)
でんさいには、手形にはない利点があります。紙の証券を発行しないため収入印紙が不要で、郵送や保管の手間もかかりません。さらに、債権を分割して譲渡したり割り引いたりできるため、必要な分だけ早期に資金化するといった使い方もできます。
支払期日を設定して代金を支払う点は手形と共通するので、手形の後払い機能をそのまま電子化したい場合の有力な選択肢です。導入には、取引する双方がでんさいネットに参加している金融機関を通じて利用登録を行う必要があります。登録時には取引金融機関の審査を経て事業者ごとに「利用者番号」が付与され、以後はこの番号で債権の発生や譲渡を記録します。
自社が使えるかどうかは、取引金融機関がでんさいネットに参加しているかで決まります。まずは取引銀行に確認し、あわせて金融機関ごとに所定の利用料や記録手数料がかかる点も把握しておきましょう。
支払手形をやめる方法
手形を振り出して支払っていた側は、支払い手段を切り替えると同時に、手形で確保していた支払い猶予をどう扱うかを考える必要があります。単純に振込へ替えると支払いサイトが短くなり、資金繰りの前倒しが必要になるためです。
支払期日を設けた取引をそのまま続けたい場合は、でんさいへの切り替えが基本の選択肢になります。手形と同じく支払期日を決めて支払え、収入印紙も不要です。支払いサイトが短くなっても差し支えない取引なら、インターネットバンキングによる振込に替えるのが最もシンプルです。
支払い猶予をできるだけ確保したい場合は、請求書カード払い(買い手がクレジットカードで支払い、カード会社の締め日まで支払期日を延ばせる仕組み)を使う手もあります。いずれの手段でも、取引先がその方法に対応できるかを事前にすり合わせることが欠かせません。
受取手形をやめる方法
手形を受け取っていた側は、廃止をきっかけに資金化を早められる一方で、悩みも生じます。取引先の中には「これまで手形で支払っていたのだから、支払いは従来どおり後払いにしてほしい」と希望する先があるためです。取引先との関係を保つには、手形はやめても後払い(請求書払い)自体は続けたい、という場面が出てきます。
後払いを続けると、今度は取引先の与信管理や、代金の回収・入金消込・督促、そして貸し倒れのリスクを自社で抱えることになります。この負担をどう軽くするかが、受け取る側の切り替えの鍵です。こうした与信や回収の負担を外部に任せながら後払いを続けられる手段が掛け払い・請求代行で、記事の後半で詳しく紹介します。
廃止に向けて企業が今からやるべき準備
手形の廃止への対応は、代替手段を選ぶだけでは終わりません。取引先との合意形成や社内フローの見直しも含めて、順を追って進めることが大切です。次の手順を目安に準備を進めてください。
- 現状の把握:手形・小切手をどの取引先と、どの程度の金額・件数でやり取りしているかを洗い出します。あわせて取引金融機関の最終振出期限や取扱い終了時期を確認します。
- 取引先との協議:支払う側・受け取る側のどちらの立場でも、切り替える手段と時期を取引先とすり合わせます。相手の対応状況によって選べる手段が変わるため、早めの相談が有効です。
- 代替手段の選定・導入準備:でんさい・振込・掛け払いなど、自社が手形の何を代替したいかに合わせて手段を選び、金融機関やサービスへの利用登録を進めます。
- 資金繰り計画と社内フローの見直し:支払いサイトが変わることで生じる資金繰りへの影響を試算し、経理・支払・回収の業務手順やシステムを新しい決済手段に合わせて更新します。
準備には取引先との調整期間も含めて数か月単位の時間がかかることが多く、期限間際では選択肢が狭まります。自社の状況を早めに棚卸しし、余裕を持って切り替えを進めましょう。
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受取手形をやめても取引先への後払い(請求書払い)は続けられる|掛け払い・請求代行という選択肢
受取手形をやめる際に「取引先への後払いは続けたいが、与信や回収の負担は増やしたくない」という悩みに応えるのが、掛け払い(企業間後払い)・請求代行サービスです。これらは売り手に代わって、取引先の与信審査・請求書の発行・代金回収・入金消込・督促までを代行し、審査を通過した売掛金の未回収リスクを保証する仕組みを備えています。
手形をやめても取引先には従来どおりの請求書払い(掛け払い)を提供でき、売り手は与信や回収、貸し倒れのリスクから解放されます。以下は、この分野の主なサービスを比較した表です。
| サービス名 | 請求まるなげロボ | NP掛け払い | Paid(ペイド) | GMO掛け払い | マネーフォワード 掛け払い |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社ROBOT PAYMENT | 株式会社ネットプロテクションズ | 株式会社ラクーンフィナンシャル | GMOペイメントサービス株式会社 | マネーフォワードケッサイ株式会社 |
| 未回収リスク保証 | 100%保証(与信通過した適格債権) | 100%保証(規約所定の除外事由を除く) | 100%保証 | 100%保証(債権譲渡型・与信通過債権) | 100%保証(入金保証つきプラン・所定条件下) |
| 代行範囲 | 与信・請求書発行・代金回収・入金消込・督促 | 与信・請求書発行・代金回収・入金消込・督促 | 与信・請求書発行・代金回収・入金消込・督促 | 与信・請求書発行・代金回収・入金消込・督促 | 与信・請求書発行・代金回収・入金消込・督促 |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円(入金保証つきプラン) |
| 手数料 | 1.0%〜 | 個別見積もり | 保証料0.5〜3.5%+事務手数料125円/件 | 個別見積もり | 委託金額の0.5〜3.5% |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
ここからは、掛け払い・請求代行サービスの中から代表的な例を紹介します。
請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、企業間取引の請求業務に特化したアウトソーシングサービスです。与信審査・請求書の発行と送付・代金回収・入金消込・督促までを代行し、自社審査で適格債権と判断され与信を通過した売掛金については100%保証します。
与信を通過した取引分は、取引先からの入金を待たずに指定営業日に支払われ、未入金時の督促は弁護士法人による対応まで代行します。与信を通過しなかった取引先分も、同じ管理画面で請求書発行や入金消込を一元管理できる点が特徴です。手数料は取り扱う商材や取引条件に応じて算出され、公式サイトでは1.0%〜と案内されています。
NP掛け払い(株式会社ネットプロテクションズ)

企業間取引専業の後払い決済・請求代行サービスで、株式会社ネットプロテクションズが2011年から提供しています。買い手企業の与信審査から請求書発行・代金回収・入金管理・督促、買い手からの問い合わせ対応までを売り手に代わって担い、未回収リスクを保証します。
同社は個人向けの後払い決済で培った与信の仕組みを企業間取引に展開しており、公式サイトでは与信通過率99%(2026年3月末時点)、累計取扱高1兆円突破(2025年7月時点)と公表しています。料率は取り扱う商材や販売方法に応じた個別提案で、買い手はコンビニ払い・銀行振込・口座振替などから支払方法を選べます。
ここで挙げた以外にも掛け払い・請求代行サービスは複数あり、未回収リスクの保証範囲や手数料、入金サイクルはサービスごとに異なります。各社を横断して比較し、自社の取引条件に合う一社を選びたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
紙の約束手形・小切手は、2026年度末(2027年3月末)を目途に廃止され、金融機関によってはそれより早く最終振出期限が設定されます。これは法律による一律の禁止・罰則ではなく、金融機関が取扱いを終了することによる事実上の廃止であり、自社の取引金融機関の対応時期に合わせた計画的な切り替えが求められます。
切り替え先は、でんさいやインターネットバンキング振込が基本となり、支払う側・受け取る側で取るべき対応は異なります。特に受け取る側で「手形はやめても後払いは続けたい」という場合は、与信・請求・回収・保証を代行する掛け払い・請求代行サービスが選択肢になります。現状の把握と取引先との協議を早めに始め、余裕を持って準備を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 約束手形の廃止とは何ですか?
A. 約束手形の廃止とは、紙の約束手形・小切手が2026年度末(2027年3月末)を目途に使えなくなることを指します。全国銀行協会が運営する電子交換所での手形・小切手の交換枚数を2026年度末までにゼロにし、2027年度初から交換そのものを廃止する方針が示されています。
法律で一律に使用が禁じられるのではなく、金融機関が手形帳・小切手帳の発行や代金取立の受付を段階的に終了することによる、事実上の廃止です。
出典・参考資料(2件)
Q. 約束手形・小切手はいつから使えなくなりますか?
A. 紙の約束手形・小切手は、2026年度末にあたる2027年3月末までに廃止される予定です。ただし全国一律とは限らず、金融機関によっては手形・小切手の最終振出期限を独自に設定しており、2025〜2026年ごろから手形帳・小切手帳の発行や振出が順次終了します。自社にとっての実質的な期限は取引金融機関の対応時期になるため、いつまで振出・取立に対応するかを早めに確認しておくことが大切です。
出典・参考資料(1件)
Q. 手形の最終振出期限とは何ですか?
A. 手形の最終振出期限とは、金融機関が独自に定める、手形・小切手を振り出せる最後の期限のことです。この期限を過ぎると、原則としてその金融機関の当座勘定から手形・小切手による支払いができなくなり、受け取った手形が資金化できない場合もあります。2027年3月末という全国的な目途より前に期限を設定している金融機関もあるため、取引金融機関の対応時期を個別に確認しておく必要があります。
Q. 約束手形の廃止は法律で禁止され、罰則もありますか?
A. 約束手形の廃止は、法律で使用を一律に禁止して罰則を科す制度ではなく、金融機関が取扱いを終了することによる事実上の廃止です。全国銀行協会も「これまでどおりの手形・小切手の利用ができなくなる可能性がある」という書きぶりで案内しており、手形そのものを違法とするものではありません。
ただし罰則がないからと先送りにすると、取引金融機関の取扱い終了に間に合わなくなるおそれがあるため、対応時期に合わせた計画的な切り替えが求められます。
出典・参考資料(1件)
Q. 手形を廃止せず使い続けるとどうなりますか?
A. 手形を切り替えずにいると、取引金融機関が取扱いを終了した時点で、これまでどおりの手形・小切手の利用ができなくなる可能性があります。全国銀行協会によると、多くの金融機関は2027年3月を待たずに手形帳・小切手帳の発行終了や代金取立受付の終了を進めており、切り替えには時間がかかる場合があります。
受け取った手形が資金化できなくなる事態を避けるためにも、早期に電子的な決済手段への切り替えを検討することが推奨されています。
出典・参考資料(1件)
Q. 約束手形の廃止は誰がどんな根拠で決めたのですか?
A. 約束手形の廃止は、政府の成長戦略を起点に、全国銀行協会など金融界が自主行動計画として進めているものです。2021年6月に閣議決定された成長戦略実行計画で「5年後の約束手形の利用廃止」に向けた取り組みが示され、これを受けて全国銀行協会が2026年度末までに電子交換所での交換枚数をゼロにする目標を掲げました。金融庁も、政府方針に沿った当局の位置づけとして手形・小切手の電子化を案内しています。
出典・参考資料(2件)
Q. 廃止の対象は約束手形だけですか、小切手も含まれますか?
A. 今回の廃止は約束手形だけでなく、小切手も対象です。約束手形が支払期日に代金を支払う後払いの証券であるのに対し、小切手は受け取った側が銀行に持ち込めばすぐに現金化できる証券ですが、いずれも電子交換所での交換が2027年3月末を目途に廃止されます。為替手形も同様に電子化の対象に含まれます。
出典・参考資料(1件)
Q. 個人事業主や小規模な事業者も手形廃止の対象になりますか?
A. 手形・小切手を利用しているのであれば、企業の規模や個人事業主かどうかにかかわらず廃止の影響を受けます。廃止は特定の業種や規模を狙った規制ではなく、金融機関が手形・小切手の取扱いそのものを段階的に終了していく仕組みだからです。現在、手形・小切手で支払いや代金回収を行っている事業者は、規模を問わず代替手段への切り替えを検討する必要があります。
Q. 約束手形の代わりになる決済手段には何がありますか?
A. 手形の主な代替手段は、でんさい(電子記録債権)とインターネットバンキングによる振込で、このほかファクタリング・請求書カード払い・掛け払い(請求代行)などがあります。全国銀行協会は切り替え先として「でんさい等の電子記録債権やインターネットバンキングによる振込等」を挙げています。
手形の「支払いを先延ばしにする機能」を代替したいのか、「受け取り側の資金化」を早めたいのかなど、自社が手形の何を代替したいかを起点に選ぶと判断しやすくなります。
出典・参考資料(1件)
Q. でんさいと銀行振込の違いは何ですか?
A. でんさいは支払期日を設定して後払いできる電子記録債権で、期日に口座間で送金する銀行振込よりも手形に近い使い方ができる点が違いです。でんさいは紙の証券を発行しないため印紙税が不要で、債権を分割して譲渡・割引できるため、必要な分だけ早期に資金化することもできます。一方の銀行振込は最も導入しやすい基本の手段で、支払いサイトを短くしてシンプルに切り替えたい場合に向きます。
出典・参考資料(1件)
Q. 手形の受け取りをやめても、取引先への後払い(請求書払い)は続けられますか?
A. 受取手形をやめても、掛け払い(企業間後払い)・請求代行サービスを使えば、取引先への後払いを続けられます。これらのサービスは売り手に代わって取引先の与信審査・請求書の発行・代金回収・入金消込・督促を代行し、審査を通過した売掛金の未回収リスクを保証します。手形をやめても取引先には従来どおりの請求書払いを提供でき、売り手は与信や回収、貸し倒れの負担から解放されます。
Q. 今から準備を始めて廃止に間に合いますか?
A. 現状の棚卸しと取引先との協議を早めに始めれば、廃止までに切り替えを間に合わせることは十分可能です。ただし代替手段の選定・利用登録や取引先との条件のすり合わせには、調整期間を含めて数か月単位の時間がかかることが多く、期限間際になるほど選べる手段は狭まります。まずは手形・小切手の利用状況と取引金融機関の対応時期を把握し、余裕を持って準備を進めることが大切です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















