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EC売上・市場規模の推計方法|2024年の最新統計と競合・モール売上の見積もり方

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EC分析(EC市場調査)比較表(2026年版)

EC事業の戦略を立てるとき、あるいは新規参入や投資を検討するときに、「EC市場全体はいまどのくらいの規模なのか」「競合や他社のEC売上はいくらぐらいなのか」を数字で押さえたい場面は少なくありません。市場全体の規模は公的な統計で確認できますが、特定のモールや競合1社の売上は公表されていないことが多く、外部から推計する必要があります。

そこで問題になるのが、「どの数字を根拠に、どの方法で推計すればよいか」という点です。公的統計で分かる範囲と、推計に頼らざるを得ない範囲を切り分けないまま数字を扱うと、実績値と推計値が混ざり、判断を誤りかねません。

本記事では、経済産業省の最新調査にもとづく2024年のEC市場規模とEC化率を整理したうえで、競合・モール単位の売上を推計する4つのアプローチ、推計値を扱う際の注意点、そして推計に使えるEC分析ツールまでを解説します。市場全体の把握から自社・競合の売上の見積もりまで、一貫した判断材料としてご活用ください。

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【2024年最新】日本のEC市場規模とEC化率(分野別内訳まで)

まず、EC売上を推計する土台となる市場全体の規模を押さえます。ここでは、経済産業省が2025年8月26日に公表した「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2024年を対象)の確定値を、出所とともに整理します。

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区分BtoC-EC(消費者向け)BtoB-EC(企業間)CtoC-EC(個人間・推計値)
2024年の市場規模26.1兆円514.4兆円2兆5,269億円
前年比5.1%増10.6%増1.82%増
EC化率9.8%43.1%

以下では、それぞれの区分と分野別の内訳を詳しく見ていきます。

BtoC-EC市場規模とEC化率(26.1兆円/9.8%)

消費者向けのBtoC-EC市場規模は、2024年に26.1兆円となりました。前年の24.8兆円、前々年の22.7兆円から拡大が続いており、前年比では5.1%の増加です。物販系分野を対象に算出されるBtoC-ECのEC化率は9.8%で、前年から0.4ポイント上昇しています。

BtoB-EC市場規模とEC化率(514.4兆円/43.1%)

企業間取引のBtoB-EC市場規模は514.4兆円で、BtoCの約20倍の規模があります。前年の465.2兆円から10.6%増加し、EC化率も43.1%(前年比3.1ポイント増)と高い水準です。EC市場というと消費者向けが注目されがちですが、金額規模では企業間取引が大きな割合を占めています。

CtoC-EC市場規模(2兆5,269億円)

フリマアプリやネットオークションなどの個人間取引にあたるCtoC-EC市場規模は、2兆5,269億円(前年比1.82%増)と推計されています。この数値は経済産業省の調査でも「推計されました」と明記されており、実測ではなく推計にもとづく値である点は押さえておく必要があります。

また、フリマアプリなどには事業者の出品も混在するため、CtoC取引には実際にはBtoBやBtoCの取引も含まれている点に留意が必要で、本市場規模はそれらを含んだ数値とされています。

EC化率とは(計算方法)

EC化率とは、すべての商取引金額に対して電子商取引が占める割合を指します。市場規模の絶対額だけでなく、その分野の商取引がどの程度オンラインに移行しているかを示す指標です。算出対象は区分ごとに定められており、経済産業省の調査では次のように定義されています。

本調査におけるEC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を指します。EC化率の算出対象は、BtoC-ECにおいては物販系分野とし、BtoB-ECにおいては業種分類上「その他」以外とされた業種としています。

出典:令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

BtoC-ECのEC化率9.8%は物販系分野を分母に算出された値であり、旅行などのサービス系やデジタル系を含めた全体の割合ではない点に注意すると、数値を正しく読み取れます。

分野別(物販系・サービス系・デジタル系)の市場規模とEC化率

BtoC-ECは、物販系・サービス系・デジタル系の3分野に分けて集計されています。自社が扱う商材がどの分野にあたるかで、市場の大きさと成長のスピードは大きく異なります。

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分野物販系分野サービス系分野デジタル系分野3分野合計
2024年の市場規模15兆2,194億円8兆2,256億円2兆6,776億円26兆1,225億円
前年比3.70%増9.43%増1.02%増
EC化率9.78%

物販系分野の主なカテゴリーの市場規模とEC化率は以下のとおりです。上位4カテゴリーはそれぞれ2兆円を超え、EC化率は商材によって大きく差があります。

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カテゴリー食品、飲料、酒類衣類・服装雑貨等生活家電・AV機器・PC・周辺機器等生活雑貨、家具、インテリア書籍、映像・音楽ソフト
2024年の市場規模3兆1,163億円2兆7,980億円2兆7,443億円2兆5,616億円
EC化率43.03%32.58%56.45%

EC化率は「書籍、映像・音楽ソフト」が56.45%と最も高く、生活家電は4割、生活雑貨も3割を超えます。自社が扱う商材のカテゴリーを起点に市場規模とEC化率を確認すると、自社領域の桁感を掴みやすくなります。

サービス系分野では「旅行サービス」が3兆5,249億円と大きな割合を占め、デジタル系分野では「オンラインゲーム」が1兆2,553億円で最大ですが、前年比はマイナス0.58%とほぼ横ばいでした。自社領域の市場規模を掴むときは、この分野・カテゴリー単位の数字を出発点にすると精度が上がります。

出典・参考資料(2件)

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EC売上を推計する4つのアプローチ|市場全体から自社・競合まで

市場全体の規模は公的統計で分かりますが、「特定のモールがいくら売っているか」「競合1社の売上はどのくらいか」は公表されていないことがほとんどです。ここでは、市場全体から自社・競合までEC売上を見積もる代表的な4つのアプローチを、それぞれ何が分かって何が分からないかとあわせて整理します。

4つは答える対象が分かれています。①は市場全体を掴む土台、②と③が自社にない競合・モール単位の売上を推計する手段、④が自社ECの売上を予測する方法です。

EC売上を推計する4つのアプローチを答える対象で整理した図解。①公的統計は市場全体・分野別の規模を確定値で把握する土台。②公表決算・IRは上場モールや大手ECの売上規模を読む(流通総額か自社売上高か指標の定義に注意)。③EC分析ツールは決算のない競合や店舗・商品単位の売上を推計する(実測ではなく推計値)。④自社ECの予測は自社データで売上を予測し、外部は①〜③で補う。

①公的統計の読み方(市場全体の規模を掴む)

最初の土台になるのが、前章で見た経済産業省の市場調査などの公的統計です。市場全体・分野別・カテゴリー別の規模を確定値で把握でき、出所も明確なため、事業計画や投資判断の前提として最も信頼できます。一方で、公的統計が示すのは市場や分野の合計額であり、個別のモールや競合1社の売上までは分かりません。まずは公的統計で「市場全体の桁感」を掴み、そこから個別の推計に進むのが基本の流れです。

市場全体の規模を掴んだあと、その数字を競合・商品単位まで広げて新規参入や商品企画の可否をどう判断するかは、手順に落としておくと社内でも説明しやすくなります。市場・競合・商品の3階層でデータを見る進め方や、市場規模・成長率・モール別動向・価格帯別の流通額といった市場を見る視点、参入可否を採点する判断の型は、以下の資料で具体的に確認できます。

②公表決算・IRからの逆算(モール流通総額・自社ECの売上を読む)

上場企業が運営するモールや大手EC事業者であれば、決算資料やIR(投資家向け情報)から売上規模を読み取れます。ただし、各社が公表する指標は同じではないため、単純に横並びで比較すると誤読します。実際に主要モールの公表値を見比べると、その違いがよくわかります。

  • 楽天市場:楽天グループは2024年度の国内EC流通総額を5兆9,550億円(前年同期比1.5%減)と公表しています。これは取扱高(流通総額、GMV)ベースの数字で、楽天トラベルなどを含む国内ECサービス全体の流通額です。
  • Amazon(日本):Amazon.comの年次報告書(Form 10-K)では、地域「Japan」の2024年の売上高(Net sales)が274億100万米ドル(1ドル150円換算で約4兆1,000億円)と開示されています。これはAmazon自社の売上高であり、第三者出品者の流通分を含む流通総額(GMV)ではありません。円換算額は為替レートで変動します。
  • Yahoo!ショッピング:運営元のLINEヤフーは、Yahoo!ショッピング単独の取扱高を独立した名目では開示しておらず、公表しているのはZOZOやトラベルなどを含むコマース事業全体の取扱高です。比較記事などで見かける「Yahoo!ショッピング単独でおよそ数兆円規模」といった数字は、各社がコマース事業全体から切り出して再計算した推計値である点に注意が必要です。

このように、楽天は流通総額、Amazonは自社売上高、Yahoo!ショッピングはコマース事業全体の取扱高と、各社で「何を測った数字か」が異なります。決算・IRから逆算するときは、それぞれの指標が流通総額(GMV)なのか自社売上高なのかを確認し、指標を揃えないまま順位づけしないことが正確な把握の第一歩です。

出典・参考資料(3件)

③外部データ・EC分析ツールによる競合・モール単位の推計

決算・IRを公表していない事業者や、モール内の特定の店舗・商品単位の売上を知りたい場合は、公開データを収集・分析するEC分析ツールを使います。モール上の公開情報(価格・ランキング・レビュー数など)を統計的なアルゴリズムで分析する仕組みです。決算からは読み取れない店舗・商品単位の販売個数や売上まで、モールをまたいで推計できるのがこのアプローチの範囲です。

ツールが示すのは推計値であり実測の売上ではないため、絶対額そのものより競合との規模の差やトレンドの把握に向きます(詳しくは次章)。具体的なツールは後半の章で紹介します。

競合の売上だけでなく、売れ筋商品や販売価格まで含めて数字で競合を調べる具体的な手順は、以下の記事で無料ツールも交えて解説しています。

④自社ECの売上予測・シミュレーション

自社ECの将来の売上を見積もる場合は、社内に蓄積したデータを使えます。EC売上は一般に「アクセス数×購入率×平均客単価」に分解でき、それぞれの実績値と改善見込みを掛け合わせることで、施策後の売上を予測できます。市場全体の成長率(前章の分野別の前年比など)を掛け合わせれば、市場の伸びを織り込んだ見通しも立てられます。

自社データにもとづく点で最も精度を高めやすい一方、外部の競合や市場全体の規模は別途①〜③で補う必要があります。

推計値と実数の違い・数字を誤用しないための注意点

EC売上の推計では、扱う数字が「実測された実数」なのか「推計された値」なのかを見分けることが欠かせません。この区別を曖昧にしたまま資料に載せると、意思決定を誤る原因になります。数字を扱ううえで押さえておきたい注意点を整理します。

第一に、外部から競合1社の売上を正確に把握することはできません。決算を公表していない事業者の売上や、モール内の特定店舗の売上は、公開データからの推計に頼らざるを得ず、実額と完全に一致する保証はありません。第二に、EC分析ツールが示す販売個数や売上は統計的な推計値であり、実測値ではありません。

そのため、絶対額を1円単位で信じるのではなく、競合との相対的な規模の差や、時系列での増減トレンドをつかむ用途に向いています。

第三に、公的統計であっても推計を含むものがあります。前述のCtoC-EC市場規模は経済産業省の調査でも「推計」と明記されており、実測の合計ではありません。そして最後に、決算・IRの数字も指標の定義に注意が必要です。前章で見たとおり、流通総額(GMV)と自社売上高は測っている対象が異なり、モール単独の取扱高が各社の切り出しによる推計である場合もあります。

数字を引用するときは、必ず「いつ時点の・どの主体が・何を測った値か」を出所とともに確認することが、誤用を避ける最も確実な方法です。

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EC分析ツールで競合・モール単位の売上を補う

公的統計や決算・IRだけでは見えない、競合店舗やモール内の商品単位の売上は、公開データを収集・推計するEC分析ツールで補えます。ここでは、競合・モール単位の売上推計に使える主なツールを紹介します。対応するモール(国内3モール横断かAmazon中心か)や、推計できる指標が異なるため、自社が把握したい対象に合わせて選ぶことが大切です。

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サービス名Nint ECommerceOxcimSellerSpriteAMZScoutJungle ScoutHelium 10
対応モール楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング
(国内3モール横断)
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング
(国内3モール横断)
Amazon専用
(国内他モールは非対応)
Amazon専用
(国内他モールは非対応)
Amazon専用
(国内他モールは非対応)
Amazon・Walmart・TikTok Shop
(国内他モールは非対応)
推計できる主な指標市場規模・シェア、
商品・店舗単位の売上/販売個数
カテゴリー市場規模、
競合商品ランキング、自社KPI
商品・カテゴリー単位の市場規模、
競合の月間販売数/売上、キーワード
商品単位の月間販売数・売上・
BSR(売れ筋ランキング)推計
商品単位の売上推計、
カテゴリー市場・競合分析
商品単位の推計月間販売数・売上、
市場シェア・競合分析
料金(月額)要お問い合わせ
(公式非公開)
要お問い合わせ月額13,998円〜
(スタンダード、2026年7月時点)
月額59.99ドル〜
(公式PROページ表示、2026年7月時点)
月額49ドル〜
(Starter・月払い、2026年7月時点)
月額129ドル〜
(Platinum・月払い、2026年7月時点)
無料トライアル7日間無料お試しプランあり無料プラン+7日間無料ツールあり(期間要確認)×7日間返金保証機能限定の無料プラン
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上の表で挙げたツールを含め、EC分析ツールを対応モール・機能・料金から横断的に比較し、自社に合うツールの選び方まで詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

国内3大モールを横断して推計するツール

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの国内3モールを横断して、市場規模や競合の売上を推計できるタイプです。国内モールでの競合分析を重視する場合に適しています。

1. Nint ECommerce(株式会社Nint)

Nint ECommerceのウェブサイト

株式会社Nintが提供する、2014年に日本国内で始まった、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公開データを独自のクローリングと推計技術で分析するEC市場・競合分析ツールです。ジャンル・商品・ショップ・広告といった単位でデータを収集し、独自の推計技術で商品単位の販売個数や売上金額まで可視化できる点が特徴で、市場規模やシェア、競合の動向の把握に使われます。

導入実績は国内2,100社以上(2025年時点、公式)で、メーカーや小売の市場調査・商品企画・仕入れ判断で活用されています。

推計値がどのように算出され、その精度がどこから来るのかについて、株式会社Nintの担当者は次のように述べています。

株式会社Nint マーケティングディビジョン
上原氏
独自インタビューより

もう一つは、データの”蓄積”ですね。データは蓄積しながらアルゴリズムを改善して精度を上げていくものなので、どれだけ長くデータを持っているかが効いてきます。日本のEC市場データは2014年から収集・分析していて、最大10年分のデータ提供も可能です。

2. Oxcim(株式会社オプト)

Oxcimのウェブサイト

Oxcimは、広告・マーケティング支援の株式会社オプトが提供する、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングを1つの管理画面で横断分析できるツールです。商品カテゴリー単位の市場規模や競合商品ランキングを分析する機能に加え、自社のKPIの可視化や、コンサルタントによる施策の実行支援も組み合わせられます。

同社は3モールの売上規模がEC市場全体の約5割を占めると説明していますが、この「5割」の算出根拠は公開されていないため、カバー範囲は目安として捉えるのが安全です。

Amazonの売上を推計するツール(グローバル対応型)

Amazon上の商品・競合出品者の販売数や売上を推計するタイプです。海外Amazonを含めた分析に強みがある一方、楽天市場やYahoo!ショッピングなどの国内モールには対応しないものが多いため、Amazonを主戦場とする場合に向いています。

3. SellerSprite(成都云雅信息技术有限公司)

SellerSpriteのウェブサイト

Amazon専用の市場・競合分析に特化したのがSellerSprite(セラースプライト)です。商品リサーチやカテゴリー市場分析、競合分析、キーワードリサーチなどを、ブラウザ拡張機能とWebアプリで提供します。

日本を含む主要10市場のAmazonデータに対応し、日本語版サイトも用意されているため、日本のAmazon出品者が市場・競合の売上を外部から推計する用途に使えます。有料プランは月額13,998円(スタンダード、2026年7月時点)からです。

4. AMZScout(AMZScout)

AMZScoutのウェブサイト

米国フィラデルフィアを拠点とするAMZScout(アマゾスカウト)は、Amazon出品者向けの商品リサーチ・市場分析ツールです。ブラウザ拡張機能とWebアプリで、Amazon上の商品の月間販売数・売上・ランキング・レビューなどを推計し、有望な商品や参入余地のあるニッチの発見を支援します。

日本のAmazon(Amazon.co.jp)を含む複数市場に対応し、拡張機能の日本語版も提供されています。楽天市場やYahoo!ショッピングなどの国内モールには対応していません。

5. Jungle Scout(JS Operating Company, LP)

Jungle Scoutのウェブサイト

商品リサーチ・キーワードリサーチ・売上推計・カテゴリー市場分析をまとめて備えるのが、Amazon特化型のデータプラットフォームJungle Scout(ジャングルスカウト)です。個人〜成長期のセラー向けの「Catalyst」から、エンタープライズ向けに競合市場を分析する「Cobalt」まで、規模に応じたラインナップがあります。

料金は米ドル建て(Starterプランで月額49ドル〜)で、公式サイトに日本語版は用意されていないため、英語での利用が前提となります。

6. Helium 10(Helium 10)

Helium 10のウェブサイト

Helium 10(ヘリウムテン)は、Amazonを中心に商品リサーチ・キーワードリサーチ・市場/競合分析・在庫管理・広告最適化までを1つにまとめたオールインワン型のツールスイートです。ブラウザ拡張機能「Xray」で、検索結果や商品ページ上に推計月間販売数・売上・ランキングなどを重ねて表示できます。

対応チャネルはAmazon・Walmart・TikTok Shopで、Amazon.co.jpにも対応し日本語版サイトも提供されています。料金は米ドル建てで、楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの国内モールには対応していません。

推計ツールの精度・市場カバー率の見方

EC分析ツールを選ぶときは、機能や料金だけでなく、推計の精度とカバー範囲を見極めることが重要です。これらのツールが示す売上や販売個数は、公開データをもとにした推計値であり、その精度は各社のデータ収集範囲・アルゴリズム・データの蓄積年数によって変わります。同じ商品でもツールごとに推計値が異なることは珍しくありません。

また、「市場のどの範囲をカバーしているか」という指標も、算出根拠が公開されていないことが多い点に注意が必要です。国内3モール横断型のツールでは、対象モールが市場に占める割合をカバー範囲の目安として示す例がありますが、その根拠となる対象期間やデータソースの詳細が明示されないケースがあります。数値の大小より、どこまでを対象にした推計かを確認することが大切です。

導入前に無料トライアルやデモを活用し、自社が把握したい商材・モールで推計値がどの程度実感と合うかを確かめておくと、数字の質を見極めやすくなります。

無料トライアルで推計値の精度をどのように見極めるかについて、株式会社Nintの担当者は次のように説明しています。

株式会社Nint マーケティングディビジョン
上原氏
独自インタビューより

無料トライアルでは、ご希望ジャンルのデータを実際に見ていただき、店舗をお持ちの方なら手元の実データとも照らし合わせながら、「推計値が意思決定に使える精度か」を確認してもらいます。目安として推計精度が7〜8割程度であれば”使えるね”という判断になることが多い印象です。

まとめ

EC売上の推計は、まず経済産業省の市場調査などの公的統計で市場全体・分野別の規模を確定値で押さえ、そのうえで競合・モール単位の売上を、決算・IRからの逆算やEC分析ツールで見積もる、という順序で進めると精度が高まります。2024年のBtoC-EC市場規模は26.1兆円、BtoB-ECは514.4兆円で、分野やカテゴリーによって規模も成長率も異なります。

推計にあたって最も大切なのは、扱う数字が実数か推計値かを見分け、決算・IRの指標の定義(流通総額か自社売上高か)まで確認することです。自社にない競合やモール単位の売上は、公開データを推計するEC分析ツールで補えます。国内3モールを横断したいのか、Amazonを中心に分析したいのかで適したツールが変わるため、対象モールと推計できる指標を確認し、無料トライアルで精度を確かめたうえで選んでください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 2024年の日本のEC市場規模はいくらですか?

A. 日本のEC市場規模は、2024年時点で消費者向けのBtoC-ECが26.1兆円、企業間のBtoB-ECが514.4兆円です。経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月26日公表)によると、BtoC-ECは前年比5.1%増、BtoB-ECは同10.6%増と、いずれも拡大が続いています。個人間取引のCtoC-ECは2兆5,269億円と推計されています。

出典・参考資料(1件)

Q. EC化率とは何ですか?

A. EC化率とは、すべての商取引金額に対して電子商取引(EC)が占める割合を示す指標です。市場規模の絶対額だけでなく、その分野の取引がどの程度オンラインに移行しているかを表します。2024年のBtoC-ECのEC化率は9.8%、BtoB-ECは43.1%です。

なお、BtoC-ECのEC化率は物販系分野を分母に算出される値であり、旅行などのサービス系やデジタル系を含めた全体の割合ではない点に注意すると、数値を正しく読み取れます。

出典・参考資料(1件)

Q. 競合や他社のEC売上はどうやって調べればよいですか?

A. 競合や他社のEC売上は、公表決算・IRからの逆算と、公開データを推計するEC分析ツールの2つが主な手段です。上場企業が運営するモールや大手EC事業者であれば、決算資料やIR(投資家向け情報)から売上規模を読み取れます。

決算を公表していない事業者や、モール内の特定店舗・商品の売上を知りたい場合は、価格・ランキング・レビュー数などの公開情報を統計的に分析するEC分析ツールで推計します。市場全体の規模は、経済産業省などの公的統計でまず確定値を押さえておくと精度が上がります。

Q. 競合のEC売上は正確に把握できますか?

A. 外部から競合1社のEC売上を正確に把握することはできません。決算を公表していない事業者の売上やモール内の特定店舗の売上は公開データからの推計に頼らざるを得ず、EC分析ツールが示す数値も統計的な推計値であって実測値ではありません。そのため、絶対額を1円単位で信じるのではなく、競合との相対的な規模の差や、時系列での増減トレンドをつかむ用途に向いています。

数字を引用するときは、実数か推計値かを必ず確認することが誤用を避けるポイントです。

Q. 楽天市場とAmazonのEC売上はどちらが大きいですか?

A. 両社は公表している指標が異なるため、単純に大小を比較することはできません。楽天グループは2024年度の国内EC流通総額(取扱高、GMV)を5兆9,550億円と公表している一方、Amazonは自社の売上高(第三者出品者の流通分を含まない)を開示しており、測っている対象が違います。

流通総額ベースでは楽天市場が国内最大級ですが、比較する際は流通総額(GMV)と自社売上高のどちらの数字かを揃えることが欠かせません。

出典・参考資料(1件)

Q. AmazonのEC売上を外部から推計できるツールはありますか?

A. Amazon特化型のEC分析ツールを使えば、商品単位の販売数や売上を推計できます。これらはAmazon上の公開データをもとに月間販売数・売上・ランキングなどを推計し、日本のAmazon(Amazon.co.jp)を含む複数市場に対応するものが多くあります。具体的なサービスは本記事の比較表を参照してください。

ただし楽天市場やYahoo!ショッピングなどの国内モールには対応しないものが多いため、Amazonを主戦場とする場合に向いています。楽天・Amazon・Yahoo!の国内3モールを横断して推計したい場合は、国内3モール横断型のEC分析ツールが適しています。

Q. 複数のモールに出店している場合、EC分析ツールは何を基準に選べばよいですか?

A. 複数モールに出店している場合は、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングを1つのツールで横断して分析できるか(対応モールの範囲)を最優先に選ぶとよいでしょう。モールごとに別々のツールを使うと、コストと運用負荷がかさむためです。そのうえで、推計できる指標の粒度(商品単位・店舗単位・カテゴリー単位)やデータの鮮度が、自社が把握したい対象に合っているかを確認すると、選定の失敗を避けられます。

Q. EC分析ツールの導入前にトライアルやデモは必要ですか?

A. 導入前の無料トライアルやデモの活用を強くおすすめします。EC分析ツールが示す売上や販売個数は推計値であり、その精度はデータの収集範囲やアルゴリズム、蓄積年数によって変わるため、同じ商品でもツールごとに推計値が異なることがあります。自社が把握したい商材・モールで推計値がどの程度実感と合うかを事前に確かめておくと、数字の質を見極めやすくなり、導入後のミスマッチを防げます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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