店舗にクレジットカードやQRコード決済を導入したいと考えたとき、最初に気になるのが端末代とレジ回りの初期費用です。数万円から十数万円という見積もりを前に、「補助金で戻ってくるなら使いたい」と調べ始めた方も多いはずです。国内のキャッシュレス決済比率は2025年に58.0%まで上がり、店舗側の対応も当たり前になりつつあります。
出典・参考資料(1件)
ただ、補助金は制度名も金額も毎年のように変わります。数年前に話題になった「端末が実質タダ」の事業はすでに終了しており、いま使える制度は名前も要件も別物です。この記事では、2026年度に実際に使える補助金・助成金を、補助率・上限額・締切がひと目で分かる形で一覧にしました。
あわせて、多くの人がつまずく「決済端末単体では対象外」という大原則、自社が対象になるかの線引き、申請の流れと落とし穴、そして補助金に頼らず端末0円で始める選択肢までを順に解説します。まずは、今いくら助かって・いつまでに動けばよいのかを確かめてください。
金額や締切は公募のたびに更新されるため、申請前には必ず各制度の公式ページで最新の回次を確認してください。
目次
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【2026年最新】キャッシュレス決済導入に使える補助金一覧
ここでは、キャッシュレス決済端末・POSレジの導入に使える主な制度を、補助率・上限額・対象・締切でまとめます。自社の規模や導入したいものに近い制度から、次章の要点解説を読み進めてください。
金額や締切は2026年9月時点で公表されている内容で、補助金は年度・回次ごとに条件が見直されます。各制度の詳しい要点は、この表の下で順に解説します。
| 制度名(所管) | 補助率 | 補助上限額 | 主な対象・端末との関係 | 2026年度の受付・締切 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(旧IT導入補助金) | ソフト2/3〜4/5、ハード1/2 | ソフト最大350万円/PC・タブレット10万円/レジ・券売機20万円 | 決済機能付きの登録ソフトが主役。決済端末(カードリーダー等)は単体では対象外で、POSレジ・券売機の付属品として申請 | 回次制。直近の締切は2026年9月29日17時(以降も追加予定) | IT導入支援事業者経由・GビズID必須 |
| 中小企業省力化投資補助金〈カタログ注文型〉(中小機構) | 1/2以下 | 従業員5名以下200万円/6〜20名500万円/21名以上1,000万円(賃上げ達成で増額) | カタログ登録済みの券売機・自動精算機・セルフレジが対象。カードリーダー型の決済端末単体は想定外 | 随時受付(公募期間内) | 事務局・GビズID必須 |
| 業務改善助成金(厚生労働省) | 3/4〜4/5 | 最大600万円(賃上げ額・人数で変動) | 最低賃金の引き上げとセットの生産性向上投資。POSレジ導入が対象経費の例に明記 | 令和8年9月1日〜。締切は地域別最低賃金の発効日前日または11月30日の早い方 | 都道府県労働局 |
| 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉(中小企業庁) | 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4) | 50万円(インボイス特例で計100万円、賃金引上げ特例で計200万円、併用で計250万円) | 販路開拓の取り組みの一部として、機械装置等費で端末・POSレジを申請 | 第20回は2026年11月5日受付開始〜12月15日17時締切(様式4は12月4日締切) | 商工会議所・GビズID必須 |
| 自治体のキャッシュレス支援制度 | 制度による | 制度による | 都道府県・市区町村ごとに端末・機器の導入費を補助。内容は毎年変わる | 年度・予算により変動(予算消化で早期終了あり) | Jグランツ・各自治体窓口 |
導入費用の相場——結局いくら払うのか
ここからは、補助金でどのくらい負担が軽くなるのかを掴むために、キャッシュレス決済の導入費用の相場を整理します。費用は、導入時にまとめてかかる「初期費用(端末代)」、決済ごとにかかる「決済手数料」、月々の「運用コスト(月額利用料や通信費など)」の3つに分かれます。
初期費用は端末の種類で幅があります。スマートフォンやタブレットに接続するカードリーダー型は、通常価格でおおむね2万〜4万円ほど、キャンペーンで0円になることもあります。レシートプリンター一体型のオールインワン端末や据置型は、数万円から十数万円が目安です。POSレジと一体で導入すると数十万円になる場合もあります。
決済手数料は、売上に対して決済ごとにかかる費用で、クレジットカードでおおむね2%台後半から3%台が中心です。手数料率はサービスや決済ブランドによって異なり、特定の優遇プランではこれを下回るサービスもあります。補助金の多くは初期の設備費(端末・POSレジ代)が対象で、月々の決済手数料そのものは補助の対象になりません。
補助金で軽くできるのは、主に「導入時にまとまってかかる端末・レジ代」です。金額は補助率と上限額をセットで見るのが目安で、たとえばレジ・券売機は補助率2分の1・上限20万円なので、対象経費40万円までに最大20万円が補助され、自己負担はおよそ半分になります。自社の導入予定額を対象経費として当てはめると、実際にいくら軽くなるかがつかめます。
制度別の要点(補助率・上限・締切・端末との関係)
ここからは、一覧の各制度を要点で深掘りします。まず、すべての制度に共通して多くの人がつまずく「決済端末単体では対象外」という大原則を先に押さえてから、制度ごとに見ていきます。
【大原則】決済端末「単体」では対象外——登録ソフトとセットが原則
最初に知っておきたいのは、キャッシュレス決済で中心的な「デジタル化・AI導入補助金2026」では、決済端末(カードリーダー)だけを買っても補助の対象にならない、という点です。補助の主役は「会計」「受発注」「決済」の機能を持つ登録ソフトウェアで、ハードウェアはそのソフトとあわせて申請する必要があります。
公募要領では、POSレジ・券売機などが対象になり、カードリーダーはそれらの「付属品」として認められる、と明記されています。

大分類Ⅳ「ハードウェア」を補助対象経費として申請する場合は、そのハードウェアが大分類Ⅰ「ソフトウェア」の使用に資するものであり…(中略)…なお、POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機の付属品として、(a)キャッシュドロワ、(b)カスタマーディスプレイ、(c)レシートプリンタ、(d)自動釣銭機、(e)カードリーダ、(f)バーコード・QRコードリーダ、(g)Wi-Fi ルータ…に限り対象とする。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(インボイス枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局
この原則があるため、「カードリーダーだけを補助金で無料にしたい」という使い方はできません。決済ソフトやPOSレジとセットで導入する前提で、対象になる構成を選ぶ必要があります。他の制度でも「設備単体でなく、目的(生産性向上・販路開拓・賃上げ)に沿った投資か」が問われる点は共通します。
逆に言えば、レジやソフトを増やさず決済端末だけを安く入れたい場合は、補助金より端末0円プランのほうが近道になることもあります。補助金は交付決定を待つ・立て替える・実績報告をするといった手間もかかるため、この記事の後半で低コストで始める選択肢とあわせて比べてみてください。
出典・参考資料(1件)
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金・インボイス枠)
従来の「IT導入補助金」が2026年度から名称を変えた制度で、キャッシュレス関連ではインボイス枠が中心になります。決済機能を持つソフトウェアが主対象で、そのソフトの利用に必要なPOSレジ・券売機・カードリーダー等をあわせて申請します。
補助率と上限額は、ソフトウェアとハードウェアで分かれます。ソフトウェアは、補助額50万円以下の部分が3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円を超える部分が2/3以内で、機能数に応じて上限は50万円または350万円です。ハードウェアは補助率1/2以内で、PC・タブレットが上限10万円、レジ・券売機が上限20万円です。
・補助額50万円以下の部分は補助率3/4以内にて算出する。ただし、小規模事業者については補助率4/5以内にて算出する。・補助額50万円超の部分は、事業者規模によらず、補助率2/3以内にて算出する。(中略)ハードウェア購入費(補助率は1/2以内)… PC・タブレット等:下限なし〜10万円/レジ・券売機:下限なし〜20万円
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(インボイス枠)|中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局
申請はIT導入支援事業者と一緒に進める形で、事前にGビズIDプライムの取得が必要です。締切は回次制で、2026年9月時点では9月29日17時の締切分が公表され、以降も追加される見込みです。申請前に事務局のスケジュールページで次回の締切を確認してください。
中小企業省力化投資補助金(券売機・セルフレジ向け)
人手不足の解消に向けた省力化投資を支援する制度です。カタログ注文型では、あらかじめ登録された製品カタログの中から選んで導入する仕組みで、キャッシュレス関連では券売機・自動精算機・セルフレジが対象カテゴリに含まれます。
補助上限額は従業員数で分かれ、2026年3月の制度改定後は、5名以下が200万円、6〜20名が500万円、21名以上が1,000万円です。賃上げ要件を達成すると上限が引き上げられます。補助率は1/2以下です。
補助上限額 従業員数5名以下 200万円(300万円)/従業員数6〜20名 500万円(750万円)/従業員数21名以上 1,000万円(1,500万円)/補助率 1/2 以下/賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ
出典:中小企業省力化投資補助金 カタログ注文型「補助率及び補助上限額」|独立行政法人中小企業基盤整備機構
カウンターで店員が対応するカードリーダー型の決済端末は、この制度の直接の対象にはなりにくく、無人化・省力化につながる券売機やセルフレジを検討する場合に向いています。具体的にどの製品が対象になるかは登録製品によって変わるため、申請前に公式の製品カタログで確認してください。
出典・参考資料(1件)
業務改善助成金(賃上げとセットで設備投資する場合)
事業場内で最も低い賃金を50円以上引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資を行った場合に、その費用の一部を助成する厚生労働省の制度です。POSレジシステムの導入が、対象経費の例として公募案内に明記されています。
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
出典:令和8年度業務改善助成金のご案内|厚生労働省
助成率は事業場内最低賃金の水準によって3/4または4/5で、賃上げ額(50円・70円・90円)と対象労働者数に応じて助成上限額が決まり、最大は600万円です。従業員がいない事業者は、賃金の引き上げが前提になるため対象になりません。
令和8年度の申請受付は9月1日からで、締切は適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または11月30日のいずれか早い日です。ここでも、交付決定の前に設備を導入すると助成の対象外になる点に注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
小規模事業者持続化補助金(販路開拓とあわせて)
小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む際の費用を支援する制度です。キャッシュレス決済端末やPOSレジは「機械装置等費」として、あくまで販路開拓の取り組みの一部という位置づけで申請します。端末の導入そのものが目的の制度ではない点が特徴です。
通常枠の補助上限は50万円、補助率は2/3です。インボイス特例の対象事業者は50万円が上乗せされて計100万円、賃金引上げ特例の対象事業者は150万円が上乗せされて計200万円、両方に該当すると計250万円まで上限が広がります。
○補助上限:50 万円 ※上記金額に、インボイス特例対象事業者は 50 万円の上乗せ、賃金引上げ特例対象事業者は 150 万円の上乗せ ○補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は 3/4)
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回受付締切回 公募要領(第7版)
申請には、GビズIDプライムに加えて、商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必要です。第20回受付締切回は、2026年11月5日に受付を開始し、締切は12月15日17時、様式4の発行受付締切は12月4日です。計画書の発行には日数がかかるため、早めの相談が安全です。
自治体のキャッシュレス支援制度(探し方が要)
国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自にキャッシュレス端末・機器の導入費を補助していることがあります。金額や対象は自治体ごとに大きく異なり、年度ごとに内容が変わるうえ、予算がなくなり次第終了するものも多いのが特徴です。
特定の自治体の金額は毎年変わるため、探し方を押さえておくのが確実です。国・自治体の補助金を横断検索できる電子申請システム「Jグランツ(jGrants)」や、各自治体の公式サイトで、店舗所在地の制度と募集期間・予算状況を確認しましょう。Jグランツの利用にもGビズIDプライムが必要です。
また、観光地やインバウンド需要のある地域では、観光庁や自治体が「訪日外国人旅行者の受入環境整備」としてキャッシュレス・多言語対応の導入を補助することがあります。年度によって公募の有無や金額が変わるため、対象になりそうな場合は観光庁や地元自治体の公募情報を確認してください。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:Jグランツ(jGrants)|デジタル庁
自社は対象になる?対象者・目的別の逆引き
ここからは、「自社が対象になるか」「何を導入したいか」から制度を引けるように整理します。まず対象者の線引きを確認し、次に導入したいものから使える制度を逆引きします。
対象者の線引き(中小企業・小規模事業者・個人事業主)
ここで挙げた制度の多くは、中小企業・小規模事業者を対象にしており、個人事業主も要件を満たせば申請できます。中小企業や小規模事業者の範囲は、業種ごとに資本金や従業員数で定義されています。たとえば小売業では、資本金5,000万円以下または従業員50人以下が中小企業、従業員5人以下が小規模事業者の目安です(業種で基準が異なります)。
注意したいのは、制度によって「従業員の有無」が効いてくる点です。業務改善助成金は、賃金の引き上げが前提になるため、従業員がいない事業者は対象になりません。一方、デジタル化・AI導入補助金や持続化補助金は、従業員のいない個人事業主でも要件を満たせば申請できます。
中小企業・小規模事業者の基準額は業種ごとに違います。飲食・小売・サービス業・クリニック・観光施設など、自社が該当するかは、業種を選んで確認できるJグランツや各制度の公募要領で照らし合わせてください。
これから開業する方や創業直後の方は、申請時点で事業の実態(開業届や事業計画など)を求められる制度が多く、開業前だと申請できない場合があります。制度や年度によっては創業予定者・創業間もない事業者向けの枠や要件が用意されることもあるため、開業のタイミングと使いたい制度の要件を早めに公式ページで確認しておくと安心です。
導入したいものから選ぶ(目的別の逆引き)
何を導入したいかによって、向いている制度が変わります。下の対応表を出発点に、自社の目的に近い制度から詳細を確認してください。
| 導入したいもの・目的 | 向いている制度 | ポイント |
|---|---|---|
| 決済端末+POSレジ・決済ソフト | デジタル化・AI導入補助金2026 | 登録ソフトとセットが前提。端末単体は不可 |
| 券売機・セルフレジ・自動精算機(無人化) | 中小企業省力化投資補助金 | カタログ登録製品から選ぶ。省力化効果が要件 |
| 賃上げとあわせた設備投資 | 業務改善助成金 | 最低賃金の引き上げが前提。POSレジも対象例 |
| 販路開拓の一環としての決済導入 | 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓の取り組みの中で機械装置等費として申請 |
| 地域限定の端末導入支援 | 自治体のキャッシュレス支援制度 | Jグランツ・自治体公式で最新の募集を確認 |
申請の流れと申請前に押さえる落とし穴
ここでは、補助金申請の大まかな流れと、多くの制度に共通する落とし穴を先に押さえます。制度ごとに細部は違いますが、基本の順序と注意点は共通しています。
大まかな流れは、事前準備(GビズID取得・対象製品や支援事業者の選定・事業計画の作成)、申請、審査、交付決定、設備の導入・支払い、実績報告、補助額の確定・入金、という順に進みます。多くの制度で、補助金が実際に振り込まれるのは設備を導入して支払いを済ませた後です。

ここで特に間違えやすいのが、次の落とし穴です。
- 交付決定の前に契約・購入すると対象外:先に端末を発注・支払いしてしまうと、その費用は補助されません。必ず交付決定を待ってから発注します。
- 補助金は後払い(立て替えが必要):導入費用はいったん全額を自己資金で支払い、後から補助額が入金されます。当面の資金繰りを見込んでおく必要があります。
- 審査があり、採択は保証されない:申請すれば必ず受かるわけではありません。事業計画の内容が問われます。
- 予算がなくなり次第終了することがある:予算消化型の制度や自治体補助は、締切前でも受付が終わる場合があります。
- 事前手続きに時間がかかる:GビズIDプライムの取得や、持続化補助金の様式4発行には日数がかかります。締切から逆算して早めに動き、直近の締切に間に合わなくても、回次制の制度なら次の締切を狙えます。
受給後・併用の実務(併用可否・課税・財産処分)
ここでは、申請が通った後に効いてくる実務のポイントを整理します。見落とすと、対象外になったり返還が必要になったりすることがあるため、申請前に把握しておくと安心です。
端末無料キャンペーンとの併用:決済サービス各社の「端末0円」キャンペーンと補助金は、同じ端末代について両方から補助を受けることは基本的にできません。すでに実質0円で導入した端末代は、自己負担が発生していないため補助の対象になりません。POSレジやソフトの利用料など、別の対象経費であれば補助を受けられる場合があります。
受け取った補助金の課税:補助金は原則として課税対象です。法人なら法人税、個人事業主なら所得税の計算上、収益(雑収入など)として計上する必要があります。
財産処分の制限:補助金で購入した一定額以上の設備は、一定期間、自由に売却・廃棄できない「財産処分制限」がかかります。無断で処分すると返還を求められることがあります。
証拠書類の保管:見積書・発注書・契約書・納品書・請求書・振込明細書などは、一連の取引が分かるようにすべて保管します。実績報告で書類の不足や、日付・金額の食い違いがあると、その経費が対象外になることがあります。
「もう使えない」終了済み制度の仕分け
「キャッシュレス端末が実質タダになる」と聞いて調べ始めた方のために、すでに終了した制度をはっきり整理しておきます。以下の制度は現在は申請できません。
マイナポイント事業に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業:決済事業者が加盟店へ端末を無償提供する事業を支援するもので、補助率1/2以内・上限5万円でした。この制度は2021年9月30日で終了しています。
※マイナポイント事業実施に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業は、2021年9月30日をもちまして終了しました。
出典:令和2年度マイナポイント事業実施に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業について|一般社団法人キャッシュレス推進協議会
キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業):2019年10月の消費税率引き上げにあわせ、中小・小規模店舗でのキャッシュレス決済に最大5%を還元した事業です。こちらは2020年6月30日で終了しています。
いまキャッシュレス決済を導入するなら、この記事の前半で紹介した2026年度の制度を軸に検討してください。端末を無償で受け取る形の支援は現在なく、初期費用を抑える手段は「使える補助金を申請する」か「端末0円プランなど低コストのサービスを選ぶ」かのいずれかになります。
補助金なしでも低コストで始める選択肢と端末の選び方
ここまで補助金を見てきましたが、キャッシュレス決済は補助金に頼らなくても、初期費用を抑えて始められる選択肢があります。補助金は交付決定を待つ・立て替える・実績報告をするといった手間がかかるため、急いで導入したい場合や小規模な導入では、端末0円プランのほうが現実的なこともあります。
ただし「端末0円」をうたうプランは、無料になる条件や最低利用期間、途中解約時の違約金がサービスごとに異なります。0円で導入できる条件や、月額・決済手数料まで含めた実質コスト、解約金の見極め方は、以下の記事で整理しています。
多くのサービスがカードリーダーの初期費用0円プランや、初期費用無料の月額パッケージを用意しています。補助金申請の手間・立て替えと、こうした低コストプランを天秤にかけて、自社に合う入り方を選ぶとよいでしょう。
以下の比較表では、端末タイプ・初期費用・決済手数料・入金サイクル・POSレジ連携という、低コストで始めるときに効く観点で代表的なサービスを並べています。どのサービスが補助金の申請サポートに対応するか(IT導入支援事業者かどうかなど)は制度や時期で変わるため、実際に使うときは各社の公式情報で確認してください。
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| サービス名 | アルファポータブル | Square(スクエア) | Airペイ | STORES 決済 | stera pack |
|---|---|---|---|---|---|
| 端末タイプ | 持ち運び型オールインワン (レシート印字内蔵) | カードリーダー型+オールインワン型 (端末不要のスマホ決済も) | カードリーダー型 (iPad/iPhoneに接続) | カードリーダー型 (スマホ/タブレットに接続) | 据置オールインワン型 (レシート印字内蔵) |
| 初期費用(端末代) | 0円 (端末代はキャンペーンで0円、定価74,800円) | 0円〜 (スマホでタッチ決済0円、Square リーダー4,980円) | 0円〜 (0円スタートプログラムで端末無償、通常27,720円) | 0円〜 (スタンダード年間契約は端末1台無料、通常27,720円) | 0円 (端末はレンタル込みで購入不要) |
| 月額費用 | 0円 | 0円 | 0円 | フリープラン0円 (スタンダードは3,300円/月) | 1年目0円 (2年目以降3,300円/月、累計売上3,000万円以上で永年無料) |
| 決済手数料(クレジット) | 3.24%〜 (中小支援プラン適用で2.48%) | 3.25%〜 (SMBプログラム適用で2.5%) | 3.24% (中小事業者向けディスカウントで2.48%) | 1.98%〜 (スタンダードのVisa/Mastercard。フリープランは2.48%) | 1.98%〜 (スモールビジネスプランのVisa/Mastercard。JCB等は2.48%) |
| 対応決済 | クレジット・電子マネー・QR・タッチ決済 (70種類以上) | クレジット・電子マネー・QR (対面で全43種以上) | クレジット・電子マネー・交通系IC・QR・ポイント (92種) | クレジット・交通系電子マネー・QUICPay+/iD・QR (QRは20種以上) | クレジット・電子マネー・QR (30種類以上) |
| 入金サイクル | 月1〜8回から選択 | 最短翌営業日 (三井住友・みずほ。他行は週1回) | 月6回 (みずほ/三菱UFJ/三井住友。他行は月3回) | 最短翌々日 (手動入金。自動は翌月20日) | 最短2営業日後 (毎日〜月2回締めから選択) |
| POSレジ連携 | スマレジ連携に対応 | 無料のSquare POSレジ込み | Airレジ連携に対応 | STORES レジ・外部POS(スマレジ等)連携 | stera market経由でPOSアプリ追加 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
ここからは、比較表で取り上げた各サービスの特徴を個別に見ていきます。自社の店舗形態や導入したい決済ブランドに合うものを確認してください。
1. アルファポータブル(アルファノート株式会社)

アルファポータブルは、クレジットカードから電子マネー、QRコード決済までを1台でカバーする持ち運び型の決済端末です。国内で流通するキャッシュレスブランドのうち70種類以上に対応し、Wi-Fiが届きにくい環境でも通信回線を使えるため、店内のほか屋外イベントや出張先での利用にも向いています。
提供元のアルファノートは決済代行会社として事業を始めた経緯があり、持ち運び型端末を業界でも早い段階から手がけてきました。強みは審査のハードルを柔軟に設定している点で、幅広い業種・業態でキャッシュレス決済を導入しやすくしています。書類が揃っていれば、急ぎの案件は翌日〜翌々日に使える状態で届けられる体制も整えています。
補助金は交付決定を待ってからでないと発注できず、入金も後払いのため、導入を急ぐ店舗には時間がかかります。端末を実際に使えるようになるまでの流れについて、提供元のアルファノートは独自インタビューで次のように説明しています。

お申し込みに必要な書類が揃っていれば、当社の社内審査と、その後のカード会社側の審査を経て端末をお届けする流れになります。本来カード会社側の審査は早くても1週間程度かかるのですが、当社はこのプロセスをスピーディーにできるスキームを持っていますので、急ぎの案件はそのスキームを活用して翌日〜翌々日にはご利用いただける状態でお届けしています。
2. Square(Square株式会社)

スマートフォンやタブレットに接続するカードリーダー型の「Square リーダー」から、レシートプリンター内蔵のオールインワン端末「Square ターミナル」まで、幅広い端末を揃えるのがSquareです。専用端末を買わずにスマホ単体でタッチ決済を受け付ける機能もあり、小規模な店舗から段階的に拡張しやすいのが特徴です。
初期費用・月額固定費・振込手数料がいずれも0円で、決済ごとの手数料のみという料金体系を採ります。対面とオンラインの売上を1つのアカウントで統合管理でき、申し込みから利用開始までの手続きの手軽さもあり、まず低コストで始めたい店舗に向いています。
3. Airペイ(株式会社リクルート)

Airペイは、iPadまたはiPhoneに専用カードリーダーをBluetooth接続して使うカードリーダー型の決済サービスです。クレジットカード・電子マネー・QRコード決済・各種ポイントに1台で対応し、店頭の対面決済を主な用途とします。POSレジアプリ「Airレジ」と連携し、会計金額がAirペイに自動反映される点も使い勝手を高めています。
カードリーダーには「0円スタートプログラム」があり、新規申し込みで所定の条件を満たすと1台目が無償になります。入金サイクルは、みずほ・三菱UFJ・三井住友の口座を登録すると月6回と早く、資金繰りを重視する店舗にも向いています。
4. STORES 決済(STORES株式会社)

「お店のキャッシュレス決済の導入をかんたんに」をうたうSTORES 決済は、中堅・中小規模の店舗向けに、カードリーダー型端末とスマホ・タブレットアプリで対面のキャッシュレス決済を提供します。1台でクレジットカード・電子マネー・QRコード決済を集約でき、導入のハードルを下げた分かりやすさが特徴です。
ネットショップ開設やPOSレジ、オンライン予約など、同社の店舗デジタル化サービスと組み合わせやすい点も強みです。無料で始められるプランや資料ダウンロードが用意されており、まず情報を集めて比較したい段階の店舗でも検討しやすいサービスです。
5. stera pack(SMBC GMO PAYMENT株式会社)

決済端末「stera terminal」のレンタルと決済処理、アプリストア、サポートを月額パッケージにまとめたのがstera packです。端末単体を購入するのではなく、初期費用無料・端末レンタル込みの月額利用料で始められる形態を採ります。
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など30種類以上のブランドに対応し、据置型のオールインワン端末でレジ周りをすっきり整えたい店舗に向いています。据置型を軸にPOS機能まで一体で拡張したい場合の選択肢になります。
ここで取り上げた以外にも決済端末は数多く、端末の種類(持ち運び型・据置型・カードリーダー型)や手数料、入金サイクルは製品ごとに幅があります。補助金の要否とあわせて端末そのものを種類・手数料・選び方から幅広く比べたい場合は、以下の記事で主要な端末を横断的に比較しています。
クレジットカード決済端末おすすめ15選を比較|種類・手数料・選び方を解説
店舗で「クレジットカードは使えますか」と聞かれて断り、そのまま会計を逃した経験はありませんか。キャッシュレス比率が上がるなかで、現金しか扱えない店舗は来店客の選択肢から外れやすくなっています。一方で、決済端末は据置型・オールインワン・モバイ…
まとめ|自社に合う補助金を1〜2本に絞って動く
キャッシュレス決済の導入に使える補助金は、2026年度ではデジタル化・AI導入補助金2026、中小企業省力化投資補助金、業務改善助成金、小規模事業者持続化補助金、そして自治体の支援制度が中心です。いずれも「決済端末単体では対象外」「交付決定前の購入は不可」「補助金は後払い」という共通の注意点があります。
まずは自社の規模・目的に合う制度を1〜2本に絞り、公式ページで最新の補助率・上限・締切を確認するのが近道です。あわせて、補助金を待たずに端末0円プランなどで始める選択肢も比較すると、自社にとって現実的な入り方が見えてきます。
導入する端末・サービスを具体的に比べたいときは、料金・対応ブランド・入金サイクルなどを資料でまとめて確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. デジタル化・AI導入補助金2026とは何ですか?
A. デジタル化・AI導入補助金2026は、従来の「IT導入補助金」が2026年度から名称を変えた、中小企業・小規模事業者のソフトウェア導入などを支援する国の補助金です。キャッシュレス決済ではインボイス枠が中心で、決済機能を持つ登録ソフトウェアと、その利用に必要なPOSレジ・券売機・カードリーダー等をあわせて申請します。
Q. キャッシュレス決済端末は補助金の対象になりますか?
A. キャッシュレス決済端末は、カードリーダー単体では対象にならず、POSレジや決済ソフトとセットで導入する場合に補助の対象になります。デジタル化・AI導入補助金2026では、補助の主役は会計・受発注・決済の機能を持つ登録ソフトウェアで、カードリーダーはPOSレジ・券売機の付属品として認められる構成が原則です。「端末だけを補助金で無料にする」という使い方はできません。
Q. 個人事業主や従業員がいない事業者でもキャッシュレス決済導入の補助金を使えますか?
A. 個人事業主でも、要件を満たせばデジタル化・AI導入補助金2026や小規模事業者持続化補助金などに申請できます。ただし、業務改善助成金は賃金の引き上げが前提のため、従業員がいない事業者は対象になりません。制度ごとに「従業員の有無」が効いてくる点に注意してください。
Q. IT導入補助金はキャッシュレス決済の導入に使えますか?
A. IT導入補助金は、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」という名称に変わったうえで利用できます。キャッシュレス関連ではインボイス枠が中心で、決済ソフトと、その利用に必要なPOSレジ・端末をあわせて申請します。旧名称のまま案内している情報は年度が古い可能性があるため、申請前に事務局の公式ページで最新の回次・要件を確認してください。
Q. キャッシュレス決済導入の補助金は、交付決定の前に端末を購入しても対象になりますか?
A. キャッシュレス決済導入の補助金は、交付決定の前に契約・購入・支払いをすると対象外になります。多くの制度で、交付決定を待たずに発注した費用は補助されません。必ず交付決定を受けてから、端末やPOSレジを発注してください。
Q. キャッシュレス決済導入の補助金はいつ入金されますか?
A. キャッシュレス決済導入の補助金は、端末やPOSレジを導入して支払いを済ませた後に入金される「後払い」が基本です。申請→審査→交付決定→設備の導入・支払い→実績報告→補助額の確定という順に進み、導入費用はいったん全額を自己資金で立て替える必要があります。当面の資金繰りを見込んでおきましょう。
Q. 決済端末の0円キャンペーンと補助金は併用できますか?
A. 決済サービスの「端末0円」キャンペーンと補助金は、同じ端末代について両方から補助を受けることは基本的にできません。すでに実質0円で導入した端末代は自己負担が発生していないため、補助の対象になりません。ただし、POSレジやソフトの利用料など別の対象経費であれば、補助を受けられる場合があります。
Q. キャッシュレス決済導入の補助金の申請は自分だけでできますか?
A. キャッシュレス決済導入の補助金は、制度によって自分で申請できるものと、第三者の関与が必要なものがあります。デジタル化・AI導入補助金2026はIT導入支援事業者と一緒に手続きを進め、小規模事業者持続化補助金は商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必要です。これらは発行に日数がかかるため、締切から逆算して早めに動きます。
Q. 受け取った補助金に税金はかかりますか?
A. 受け取った補助金は、原則として課税対象です。法人なら法人税、個人事業主なら所得税の計算上、収益(雑収入など)として計上する必要があります。
Q. 決済手数料も補助金の対象になりますか?
A. 決済手数料は、多くの補助金で対象にならず、補助されるのは主に導入時の端末・POSレジ代です。補助金の多くは初期の設備費が対象で、売上に対して決済ごとにかかる月々の決済手数料そのものは補助の対象外です。
Q. 自治体のキャッシュレス補助金はどこで探せますか?
A. 自治体のキャッシュレス補助金は、国・自治体の補助金を横断検索できる「Jグランツ」や、店舗所在地の都道府県・市区町村の公式サイトで探せます。自治体の制度は金額・対象が地域ごとに異なり、予算がなくなり次第終了するものも多いため、募集期間と予算状況を早めに確認してください。
Q. キャッシュレス決済導入の補助金は必ず採択されますか?
A. キャッシュレス決済導入の補助金は、申請すれば必ず受かるわけではなく、審査があり採択は保証されません。事業計画の内容が問われるほか、予算消化型の制度では締切前でも受付が終わる場合があります。採択されなかった場合に備え、端末0円プランなど補助金に頼らない選択肢も並行して検討しておくと安心です。
Q. 券売機やセルフレジの導入に使える補助金はありますか?
A. 券売機やセルフレジの導入には、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)が向いています。あらかじめ登録された製品カタログから選ぶ仕組みで、券売機・自動精算機・セルフレジが対象です。一方、カウンターで店員が対応するカードリーダー型の端末はこの制度の直接の対象になりにくいため、無人化・省力化を目的とする場合に検討してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















