予算管理や予実管理を、いまもエクセルで運用している企業は少なくありません。慣れた操作で自由に表を組めるため、少人数のうちは十分に機能します。ところが部門や拠点が増えてくると、各シートの集計や転記に時間がかかります。担当者しか中身を触れない状態になったり、数式の上書きによる集計ミスが起きたりと、運用の負担がじわじわと膨らんでいきます。
本記事では、エクセルでの予算管理表・予実管理表の作り方と無料テンプレートの入手先から、運用を続けるうちに直面しやすい課題、予算管理システムへの移行を検討すべきタイミング、そしてエクセルの資産を活かせる移行先までを整理して解説します。「まだエクセルで十分か、それともシステムに移るべきか」を判断する材料としてご活用ください。
目次
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エクセルで予算管理・予実管理をする方法
ここからは、エクセルで予算管理・予実管理を行うときの基本的な進め方と、表の作り方を確認します。専用ソフトを導入しなくても、表計算ソフトの標準機能だけで予算の策定から実績との比較までを一通り運用できます。
予算管理・予実管理とは(おさらい)
予算管理とは、売上や費用、利益について一定期間の計画(予算)を立て、その計画に沿って事業を運営していく一連の活動を指します。予実管理は、その予算と実際の数値(実績)を突き合わせ、差異が生じた原因を分析して次の行動につなげる取り組みです。
両者は切り離せない関係にあります。予算を立てるだけでは計画倒れになりやすく、実績と比べて初めて「どこが計画通りに進み、どこがずれているのか」が見えてきます。エクセルで運用する場合も、予算表と予実管理表をセットで用意しておくのが基本です。
予算の立て方(トップダウンとボトムアップ)
予算の立て方には、大きく分けて2つのアプローチがあります。経営層が全社目標から各部門へ数値を割り振るトップダウン型と、現場の各部門が積み上げた数値を集約するボトムアップ型です。
実務では、経営目標を出発点に置きつつ、現場の実現可能性をすり合わせる折衷型を採る企業が多く見られます。エクセルで作る場合は、まず勘定科目(売上高・売上原価・販管費など)を縦軸、月を横軸に置いた年間の予算表を用意し、部門ごとにシートを分けて入力・集約する形が扱いやすいでしょう。
予実管理表の作り方
予実管理表は、予算表に「実績」「差異」「達成率」の列を加えた構成が基本です。勘定科目を縦軸、月を横軸に取り、各月について「予算・実績・差異(実績−予算)・達成率(実績÷予算)」を並べておくと、計画とのずれが一目で把握できます。
月次で実績を入力し、差異が一定額・一定率を超えた項目を重点的に確認していくと、月次の締めから振り返りまでの流れがつくりやすくなります。部門別・拠点別に管理したい場合は、部門ごとのシートを用意し、全社シートで合算する構成にします。

具体的には、次のようなレイアウトが予実管理表の基本形です(数値は記入例、単位は千円)。
| 勘定科目 | 売上高 | 売上原価 | 販売費及び一般管理費 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|
| 予算 | 10,000 | 6,000 | 2,500 | 1,500 |
| 実績 | 9,200 | 5,600 | 2,650 | 950 |
| 差異 | -800 | -400 | +150 | -550 |
| 達成率 | 92% | 93% | 106% | 63% |
※数値は記入例です(単位:千円)。差異=実績−予算、達成率=実績÷予算で算出しています。
差異・達成率の計算に使う関数
差異や達成率は、単純な四則演算に加えて、条件付きの集計関数を組み合わせると自動化できます。よく使うのは、複数条件に合致する数値を合計するSUMIFS関数と、条件によって表示を切り替えるIF関数です。
たとえば、実績データを別シートに一覧で持っておき、部門と勘定科目を指定して合計するには、=SUMIFS(実績!金額, 実績!部門, "営業部", 実績!科目, "売上高") のようにSUMIFS関数を使います。
達成率は =IF(予算=0, "", 実績/予算) と書けば、予算がゼロの行でエラー表示(#DIV/0!)を避けられます。こうした関数を組んでおくと、実績を入力するだけで差異と達成率が自動で更新され、毎月の手計算を減らせます。
予実管理表そのものの作り方や、差異が出たときの分析の進め方をもう一歩踏み込んで知りたい場合は、次の記事で予実管理の流れを5つのステップに分けて解説しています。
無料テンプレートの入手先
ゼロから表を組むのが難しい場合は、無料で配布されているテンプレートを土台にする方法があります。Microsoftは、Excel向けの予算テンプレートを公式に無料配布しており、月次予算や家計・プロジェクト向けなど用途別の雛形をダウンロードして使えます(2026年9月時点)。
配布元によって項目の粒度や対応バージョンが異なるため、自社の勘定科目や管理単位に合わせて列構成を調整して使うのが前提です。テンプレートはあくまで出発点として、自社の運用に合わせた形に整えていきましょう。
出典・参考資料(1件)
- 出典:カスタマイズできる無料の予算テンプレート|Microsoft Excel(2026年9月時点)
エクセルで予算管理を続けるときの課題・限界
エクセルでの予算管理は手軽に始められる一方、組織や取り扱うデータが大きくなると、運用の負担や正確性の面で限界が見えてきます。ここでは、実務で挙がりやすい課題を6つの観点から整理します。
集計・分析の工数が増える
部門ごとのシートやファイルを一つにまとめる作業は、対象が増えるほど手間がかかります。会計システムから実績を書き出し、貼り付けて予算と突き合わせ、差異を確認するという流れを毎月繰り返すと、集計そのものに多くの時間を取られ、肝心の差異分析に手が回らなくなりがちです。
担当者しか保守できず属人化する
複雑な数式やマクロを組み込んだファイルは、作成した本人にしか全体の構造が分からなくなりやすいものです。担当者の異動や退職を機に、誰も中身を修正できない・引き継げないという事態に陥ることがあります。ファイルの仕様が個人の頭の中にある状態は、事業継続の面でも不安が残ります。
入力・転記・上書きのミスが起きやすい
手作業での入力や転記が多いと、桁の間違いやセルのずれ、数式の意図しない上書きといったミスが避けられません。参照先がずれた数式に気づかないまま報告に使ってしまうと、誤った数値をもとに意思決定が進むおそれもあります。エクセルには入力値を厳密に制御する仕組みが乏しく、チェックは目視に頼りがちです。
リアルタイムでの共有が難しい
ファイルをメールやチャットでやり取りする運用では、最新版がどれか分からなくなりやすく、複数人が同時に編集すると内容が競合します。経営層が数値を確認したいタイミングと、担当者が集計を終えるタイミングにずれが生じ、意思決定に使える最新の数字がすぐに手元にそろわない場面も出てきます。
部門・拠点をまたいだ集計が難しい
部門や拠点ごとにファイルの様式がばらばらだと、全社で合算する際に形式をそろえる作業が発生します。配布したファイルを回収し、様式の違いを吸収しながら統合していく手間は、拠点数が増えるほど大きくなります。子会社やグループ会社を含めた集計になると、さらに煩雑になります。
内部統制・更新履歴の管理が弱い
誰がいつどの数値を変更したのかを、エクセルの標準機能で正確にたどるのは容易ではありません。承認の流れや編集権限を細かく設定する仕組みも限られるため、数値の根拠や修正の経緯を求められる監査対応の場面では、証跡の確保に苦労することがあります。上場準備企業では、この点が特に課題になりやすいところです。
予算管理システムへ移行を検討すべきタイミング
エクセルでの運用が悪いわけではありません。判断のポイントは、前章で挙げた課題が「工夫で吸収できる範囲か、それとも仕組みの限界に達しているか」の見極めにあります。次のような状況に複数当てはまるなら、予算管理システムへの移行を具体的に検討する段階といえます。
- 月次の集計・突合に何日もかかり、差異分析や見込みの更新に手が回らない
- 予実管理ファイルの構造を、特定の担当者しか把握・修正できない
- 部門・拠点・子会社が増え、様式の統一と合算に手間がかかっている
- 経営層が求めるタイミングで、最新の予実データをすぐに提示できない
- 上場準備や監査対応で、数値の変更履歴・承認の証跡を求められるようになった
逆に、単一部門で予算項目が少なく、担当者間で運用ルールが共有できているうちは、エクセルで十分に回せます。集計の負担が数時間で収まり、属人化や証跡の懸念がないのであれば、無理にシステムを導入する必要はありません。移行の判断は、機能の多さではなく、自社の運用が抱える具体的な困りごとを起点に考えるのが確実です。

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予算管理システムにすると何が変わるか
予算管理システムは、予算の策定から実績の取り込み、予実の突合、レポート作成までを一つの基盤で扱うためのツールです。前章までに挙げたエクセルの課題が、システムではどう解消に向かうのかを対応づけて整理します。
| エクセルで起きやすい課題 | 集計・分析の工数が増える | 担当者しか保守できず属人化する | 入力・転記・上書きのミスが起きやすい | リアルタイムでの共有が難しい | 部門・拠点をまたいだ集計が難しい | 内部統制・更新履歴の管理が弱い |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 予算管理システムでの解消 | 会計データの取り込みと予実の突合を自動化し、月次の集計作業を短縮できる | 入力様式や集計ロジックをシステム側で共通化し、権限設定と履歴で運用を引き継げる | データの取り込みと入力チェックで手作業を減らし、数式の破損や転記ミスを防ぐ | 複数人が同じデータを同時に編集でき、入力内容が集計へ即時に反映される | 部門・拠点・子会社のデータを一元管理し、様式をそろえる作業なく合算できる | 編集権限・変更履歴(ログ)・承認ワークフローで、数値の証跡を残せる |
※上記はエクセル運用で生じやすい課題と、予算管理システム一般での解消の方向性を整理したものです。個別の対応可否や機能の範囲は各サービスの情報をご確認ください。
集計や共有の負担が下がると、これまで手が回らなかった差異の要因分析や、着地見込みの更新に時間を充てられるようになります。数値をレポート形式で出力できる製品も多く、月次の経営報告資料をそのまま用意できる点も、エクセル運用との違いとして挙げられます。
一方で、システムへの移行には、要件の整理やデータの移し替え、操作の定着といった導入の手間と、初期費用・月額費用がかかります。費用はユーザー数や管理する部門・拠点の規模によって幅があり、実額は各社への資料請求や問い合わせで確認する形が一般的です。エクセルのフォーマットやデータを取り込める製品を選べば、現場の運用を大きく作り替えずに移行の負担を抑えられます。
エクセル資産を活かせる移行先とサービス
予算管理システムへの移行でためらいがちなのが、「これまで蓄積してきたエクセルの資産をどうするか」という点です。近年の製品には、既存のエクセルフォーマットやスプレッドシートをそのまま取り込めるもの、エクセルを入力画面として活かせるものがあり、現場の運用を大きく変えずに移行を進めやすくなっています。
| サービス名 | DIGGLE(ディグル) | X-KPI(クロスケーピーアイ) | Scale Cloud(スケールクラウド) | iFUSION | BizForecast | fusion place |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド・オンプレミス | クラウド | クラウド・オンプレミス |
| エクセル・スプレッドシート連携 | 見込データをExcel・スプレッドシートから連携。CSVインポートにも対応 | 会計ソフト・グループウェアとAPI連携(Excel・CSVの直接取り込みは公式に明記なし) | CSV・Googleスプレッドシートと連携し既存データを移行(乗り換え型) | 既存のExcelフォーマットをそのまま入力画面として活用 | 「活Excel」。Excelの入力・集計を残しExcel・CSVをインポート | Excel-LinkでExcelのセルと多次元DBを双方向連携(相互に即時反映) |
| 得意領域・特徴 | 予実管理特化。会計連携で予実突合を自動化 | KPIと予実を可視化し、差異・異常値を自動検知・通知 | PLとKPIを接続し、予算シミュレーションに対応 | データ収集・集計・レポート作成を自動化 | 予実管理から連結まで管理会計を一貫してカバー | 高速な多次元DBで修正を即時に集計反映 |
| 主な対象規模 | 複数部門で予実管理を行う企業 | 複数部門・拠点の中堅〜大企業 | 上場・上場準備企業、複数事業・子会社を持つ企業 | 上場企業を含む全規模(部門横断のExcel集計) | 上場〜中堅企業 | 小規模(3ユーザー)〜数千・数万ユーザー |
| 料金の目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額10万円〜(詳細は要問い合わせ) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 無料版あり(3ユーザーまで)/有償は要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
ここからは、エクセルの資産を活かせる、あるいはエクセル運用の限界を解消できる予算管理システムを紹介します。既存のフォーマットをそのまま取り込めるものから、会計データとの連携で既存の運用を活かしながら集計・共有を自動化するものまで、各サービスがエクセルとどう連携・補完し、どのような強みを持つのかを見ていきましょう。
1. DIGGLE(ディグル株式会社)

予算策定から予実突合、着地見込み管理、レポーティングまでをクラウド上で完結させるのが、予実管理に特化したDIGGLEです。会計システムとのAPI連携で実績データを取り込み、予算IDの単位で予実を突き合わせられるため、月初の突合作業を効率化できます。公式サイトでは「脱エクセルの予実管理」を掲げ、属人的なエクセル業務の解消を訴求しています。
着地見込みの管理では、直接入力に加えてエクセル・スプレッドシートからのデータ連携に対応します。予算・見込みの複数ユーザーによる同時編集や、細かな権限制御も備えており、複数部門が関わる予実管理の運用に向いています。freee会計やマネーフォワード クラウド、勘定奉行クラウドなどと連携できる点も特徴です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:DIGGLE公式サイト(2026年9月時点)
2. X-KPI(株式会社パブリックアイデンティティ)

X-KPIは、複数部門・拠点・プロジェクトのKPIと予実データをクラウド上で集約し、リアルタイムに可視化するツールです。予算と実績の差異や異常値を自動で検知し、原因とともにチャットツールへ通知する機能を備えており、差異のチェックを担当者の手作業だけに頼らない運用ができます。
KPI項目やレポート、ダッシュボードは専門知識がなくても設計・運用でき、管理部門から現場社員まで全社での利用を想定した設計です。エクセルのフォーマットを直接取り込む形ではありませんが、会計ソフトやグループウェアとのAPI連携で既存のデータ基盤を活かせます。エクセルでの集計・共有にかかっていた手間を自動可視化と差異検知に置き換えられる点が、エクセル運用からの移行先としての位置づけです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:X-KPI|株式会社パブリックアイデンティティ公式サイト(2026年9月時点)
3. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloudは、財務数値(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)と非財務指標(KPI)を関連づけて一元管理する経営管理クラウドです。KPIの数値をもとにPLをシミュレーションでき、複数パターンでの予算作成や着地見込みの更新がしやすい点が特徴です。勘定奉行クラウドやfreee会計、Salesforceなどとの連携に対応しています。
同社によれば、エクセルやスプレッドシートからの乗り換えで予実管理の工数が約6分の1になったケースもあるといいます。CSVやGoogleスプレッドシートとの連携を通じて、既存データを取り込みながら移行できます。上場企業・上場準備企業や、複数事業・子会社を持つ企業を主な対象としています。
そもそもエクセルから移行を検討する企業は、どのような目的で相談に訪れるのでしょうか。同サービスを提供する株式会社Scale Cloudの広瀬氏は、エクセルで管理している企業の相談が大きく2つのパターンに分かれると話しています。
相談内容のパターンとしては、まずExcelやスプレッドシートで管理している企業が大きく二つに分かれます。一つは、PLだけを管理していて、その作業が煩雑だからシステム化して効率化したいというケースです。(中略)もう一つは、PLの効率化だけでなく、KPIも統合管理したいというケースです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:導入事例|Scale Cloud公式サイト(2026年9月時点)
4. iFUSION(株式会社インプレス)

現場で使っているエクセルのフォーマットをそのまま入力インターフェースとして活かせるのが、株式会社インプレスのiFUSIONです。各部門に散らばったエクセルのデータをデータベース化して一元管理し、収集・エラーチェック・集計・レポート作成を自動化します。フォーマットや計算式は権限設定で保護できるため、様式を崩さずに運用できます。
アップロード時の検証ルールで入力チェックを行い、手戻りを抑えられる点も特徴です。承認ワークフローや権限設定、監査ログを備え、クラウドとオンプレミスのどちらでも導入できます。予算編成や予実・見込み管理など、エクセルを軸にした業務の効率化を想定した構成です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:iFUSION|株式会社インプレス公式サイト(2026年9月時点)
5. BizForecast(プライマル株式会社)

BizForecastは、「脱Excel」ではなく「活Excel」を掲げる経営管理システムです。エクセルの入力インターフェースや集計機能を維持しつつ、データをデータベースで一元管理する設計を採り、エクセル・CSVのインポート機能を備えています。使い慣れた操作感を残しながら、データの一元化を進めたい企業に向く構成です。
機能面では、予算編成から予実の差異分析、着地見込みの作成(ローリングフォーキャスト)、配賦処理までを一つのシステムでカバーします。予実管理・管理会計に加え、連結決算・連結会計や人事評価・目標管理のモジュールも用意されており、ERPや会計システムの標準機能で対応しきれない管理会計の領域を補う位置づけです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:BizForecast|プライマル株式会社公式サイト(2026年9月時点)
6. fusion place(株式会社フュージョンズ)

fusion placeは、ユーザーが設計したエクセルシートをフロントエンドとして使える経営管理システムです。Excel-Linkという機能で、エクセルのセルと多次元データベースのセルを連携させ、どちらを修正しても即時に反映されます。既存のエクセルシートをレイアウトそのままに、入出力や計算処理へ活用できる点が特徴です。
独自の高速な多次元データベースを核に、項目を修正すると集計結果へ瞬時に反映される仕組みを備えます。予算編成・予算管理や、月次報告(予実管理・差異分析)、グループ経営管理に対応し、クラウドとオンプレミスの両方で提供されます。全機能を3ユーザーまで使える無料版があり、導入前に検証しやすい点も押さえておきたいところです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:fusion place|株式会社フュージョンズ公式サイト(2026年9月時点)
まとめ:エクセルで続けるか、システムに移るか
エクセルでの予算管理・予実管理は、勘定科目と月を軸にした予算表・予実管理表を用意し、SUMIFSやIFで集計を自動化すれば、少人数のうちは十分に運用できます。無料テンプレートを土台にすれば、はじめての作成もそれほど難しくありません。
一方で、部門・拠点が増えて集計工数や属人化、転記ミス、リアルタイム性の欠如が課題になってきたら、予算管理システムへの移行を検討する段階です。移行を判断するときは、機能の多さではなく、自社の運用が抱える具体的な困りごとを起点に考えてください。まだエクセルで無理なく回せているなら、急いで移行する必要はありません。
移行を決めた場合も、既存のエクセルやCSVを取り込める製品を選べば、現場の運用を大きく変えずに進められます。まずは気になるサービスの資料を取り寄せ、自社のファイル構成に対応できるかを確かめるところから始めてみてください。
ここで紹介した6製品は、いずれもエクセルの資産を活かしながら移行できる予算管理システムです。対象規模や料金、機能まで含めて予算管理システム全体を見比べたうえで移行先を決めたい場合は、次の記事でタイプ別の選び方とあわせて確認できます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 予算管理システムとは何ですか?
A. 予算管理システムとは、予算の策定から実績の取り込み、予実の差異分析、レポート作成までを一つの基盤で一元管理するツールです。エクセルでは手作業になりがちな会計データの取り込みや部門をまたいだ集計を自動化し、複数人での同時編集や権限管理、変更履歴の記録にも対応します。エクセル運用で生じやすい集計工数の増大・属人化・転記ミスといった課題の解消を狙って導入されます。
Q. 予算管理と予実管理の違いは何ですか?
A. 予算管理は売上や費用、利益について一定期間の計画(予算)を立て、その計画に沿って事業を運営していく一連の活動を指し、予実管理はその予算と実際の数値(実績)を突き合わせ、差異が生じた原因を分析して次の行動につなげる取り組みを指します。両者は切り離せない関係にあり、エクセルで運用する場合も予算表と予実管理表をセットで用意しておくのが基本です。
Q. 予算管理はエクセルだけでどこまでできますか?
A. 予算管理は、専用ソフトを導入しなくても、エクセルの標準機能だけで予算の策定から実績との比較(予実管理)まで一通り運用できます。勘定科目を縦軸・月を横軸に置いた予算表と、実績・差異・達成率の列を加えた予実管理表を用意し、関数で集計を自動化すれば、月次の予実管理は十分に回せます。
ただし部門・拠点が増えて集計が重くなったり、属人化や転記ミスが目立ってきたりすると、エクセルの構造的な限界が見えてきます。
Q. 予算管理に使うエクセル関数にはどのようなものがありますか?
A. 予算管理・予実管理でよく使うのは、複数条件に合致する数値を合計するSUMIFS関数と、条件によって表示を切り替えるIF関数です。SUMIFS関数は部門・勘定科目・月を指定した実績の集計に向き、IF関数は予算がゼロのときに達成率のエラー表示を避けるといった処理に使えます。これらを組んでおくと、実績を入力するだけで差異と達成率が自動で更新され、毎月の手計算を減らせます。
Q. エクセルでの予算管理は無料でできますか?
A. エクセルでの予算管理は、すでにExcelを利用していれば追加費用なく始められます。ゼロから表を組むのが難しい場合も、Microsoftが公式に無料配布している予算テンプレートを土台にできます(2026年9月時点)。導入コストがかからず誰でもすぐ始められる手軽さがエクセル運用の利点ですが、規模が大きくなると集計や共有にかかる人の工数という見えにくいコストが膨らむ点には注意が必要です。
Q. エクセルから予算管理システムへ移行を検討すべきタイミングはいつですか?
A. 移行を検討する目安は、エクセル運用の課題が工夫で吸収できる範囲を超え、仕組みの限界に達したときです。
月次の集計・突合に何日もかかる、予実ファイルを特定の担当者しか保守できない、部門・拠点・子会社が増えて様式の統一と合算に手間がかかる、経営層が求めるタイミングで最新の予実を出せない、上場準備や監査で変更履歴・承認の証跡を求められる——こうした状況が複数当てはまるなら検討の段階です。
逆に単一部門で予算項目が少なく、運用ルールが共有できているうちは、無理に移行する必要はありません。
Q. エクセルで作った予算・予実のデータは予算管理システムに移行できますか?
A. 多くの予算管理システムは、既存のエクセルやCSV、スプレッドシートのデータを取り込んで移行できます。近年の製品には、エクセルのフォーマットをそのまま入力画面として活かせるものや、エクセルのセルとシステムのデータベースを連携させられるものもあり、現場の運用を大きく変えずに移行を進めやすくなっています。
取り込みの粒度は製品によって差があるため、自社のファイル構成に対応できるかは各社の資料や問い合わせで確認するのが確実です。
Q. 予算管理システムを導入するとエクセルは使えなくなりますか?
A. 予算管理システムを導入しても、必ずしもエクセルを手放す必要はありません。クラウド上で完結させる「脱Excel」型の製品がある一方、エクセルの入力インターフェースや集計機能を残したまま、データだけをデータベースで一元管理する「活Excel」型の製品もあります。使い慣れたエクセルの操作感を維持したいのか、思い切って運用を刷新したいのかによって、自社に向く製品のタイプが変わります。
Q. 予算管理システムの費用(料金)はどのくらいですか?
A. 予算管理システムの費用は、製品のタイプや対象規模、機能範囲、利用ユーザー数によって幅があります。一般的には初期費用と月額(または年額)の利用料で構成され、無料版を用意する製品もあります。料金は変動し、個別見積りで公開されていない場合も多いため、複数社の資料を取り寄せ、自社の利用規模・機能要件に照らして比較するのが確実です。
Q. 予算管理システムは無料で試せますか?
A. 予算管理システムは、製品によって無料版・無料トライアル・デモが用意されており、導入前に操作感を確かめられます。たとえば本記事で紹介したfusion placeは、全機能を3ユーザーまで使える無料版を提供しています。移行の判断に迷う場合は、無料で試せる範囲やデモを活用して、自社のデータや運用フローに合うかを検証するとよいでしょう。
Q. 予算管理システムを導入すると具体的に何が変わりますか?
A. 予算管理システムを導入すると、手作業だった会計データの取り込み・予実の突合・部門横断の集計が自動化され、集計にかけていた時間を差異分析や着地見込みの更新に充てられるようになります。複数人での同時編集や権限管理、変更履歴・承認ワークフローによる証跡の確保も可能になり、月次の経営報告資料をそのまま出力できる製品も多くあります。
Q. 中小企業や少人数の会社でも予算管理システムは必要ですか?
A. 予算管理システムは、すべての企業に必須というわけではなく、エクセル運用が抱える困りごとの大きさで必要性が決まります。単一部門で予算項目が少なく、集計の負担が数時間で収まり、属人化や証跡の懸念がなければ、エクセルで十分に回せます。一方、少人数でも部門・拠点が増えてきた、担当者に依存している、上場準備で証跡が要る、といった状況なら、規模にかかわらず検討する価値があります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















