コンプライアンス研修を計画するとき、「何を・誰に・どう教えればいいのか」の全体像はすぐには結びにくいものです。コンプライアンスという言葉は法令遵守だけを指すのか、扱うテーマはハラスメントや情報漏洩以外にもあるのか、対象は全社員でよいのか——決めることが多く、企画のたたき台すら立てにくいのが実情です。
この記事では、コンプライアンス研修とは何かという定義から、扱う主なテーマの一覧、対象者ごとの内容、実施方法、企画から効果測定までの進め方までを順番に整理します。それぞれのテーマには対応する法律やリスクを添えているため、社内に必要性を説明する材料としても使えます。
まずは全体像を押さえ、自社に合わせた研修計画のたたき台づくりに役立ててください。
目次
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コンプライアンス研修とは
コンプライアンス研修とは、従業員が法令や社会規範、企業倫理に沿って行動できるようにするための社内教育です。ここでいうコンプライアンスは「法令遵守」と訳されることが多いものの、実際には法律を守ることだけを指すわけではありません。
法律で明文化されていなくても、社会から求められる規範や、自社が掲げる企業倫理・行動規範に反すれば、企業は信頼を失います。そのため近年のコンプライアンス研修は、法令の知識を伝えるだけでなく、ハラスメントの防止や情報の適切な取り扱いなど、社会規範・倫理を含めた広い範囲を対象にするのが一般的です。
コンプライアンス研修は、「違反しないための知識」を配るだけでなく、従業員一人ひとりが判断に迷う場面で適切に行動できる状態をつくることを狙いにしています。次章では、その研修で具体的にどんなテーマを扱うのかを見ていきます。
コンプライアンス研修で扱う主なテーマ
ここからは、コンプライアンス研修で扱われることの多い代表的なテーマを一覧で紹介します。自社でどれを取り上げるか判断できるよう、各テーマに「なぜ必要か(対応する法律・リスク)」を添えました。
| テーマ | 主な内容 | なぜ必要か(対応する法律・リスク) |
|---|---|---|
| ハラスメント防止 | パワハラ・セクハラ・カスハラ等の類型と、してはいけない言動・相談対応 | 労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法が事業主に防止のための措置を義務づけ、指針は措置の一つとして研修の実施を求めている |
| 情報セキュリティ・情報漏洩 | 個人情報・機密情報の取り扱い、端末やメールの管理、SNSへの機密情報の投稿防止 | 個人情報保護法が安全管理措置と従業者の監督を義務づけており、漏洩は損害賠償や信用失墜につながる |
| 不正・横領・情報の持ち出し | 会社資産の私的利用、経費の不正、営業秘密の持ち出しの禁止 | 営業秘密の持ち出しは不正競争防止法、金銭の着服は刑法(業務上横領罪)や就業規則違反に該当する |
| 取引の適正化(旧・下請法) | 発注書面の交付、代金の減額・受領拒否などの禁止行為 | 中小受託取引適正化法(取適法。旧・下請法)が委託側の禁止行為を定め、違反は公正取引委員会の勧告・指導対象になる |
| 景品表示法・広告表示 | 優良誤認・有利誤認となる表示の禁止、表示管理体制の整備 | 景品表示法が不当な表示を禁じ、事業者に表示を適正に管理する措置を義務づけている |
| 著作権・SNS | 他者の著作物の無断利用、業務での引用ルール、SNSでの不適切投稿の防止 | 無断転載は著作権法違反となり、不適切投稿は炎上や信用失墜を招く |
| 内部通報(公益通報) | 通報窓口の使い方、通報者を保護する仕組みの周知 | 公益通報者保護法が体制整備を求めている(常時使用する労働者が300人を超える企業は義務、300人以下は努力義務) |
特にハラスメント防止は、研修の実施そのものが法律に基づく措置として位置づけられている点で他のテーマと異なります。厚生労働省の指針は、事業主が講じるべき措置の一つとして、次のように研修・講習の実施を明記しています。
職場におけるパワーハラスメントの内容及びその発生の原因や背景並びに職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を労働者に対して周知・啓発するための研修、講習等を実施すること。
出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)|厚生労働省
このように、テーマによっては研修の実施が法令上の措置に直結します。自社の業種や取引形態に照らして、優先度の高いテーマから組み立てるとよいでしょう。
出典・参考資料(9件)
- 出典:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の2|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132)
- 出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf)
- 出典:個人情報の保護に関する法律 第23条・第24条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057)
- 出典:不当景品類及び不当表示防止法 第5条・第22条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134)
- 出典:公益通報者保護法 第11条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000122)
- 出典:中小受託取引適正化法(旧・下請代金支払遅延等防止法)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000120)
- 出典:不正競争防止法 第2条(営業秘密の定義)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000047)
- 出典:刑法(業務上横領罪ほか)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045)
- 出典:著作権法|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048)
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コンプライアンス研修の目的と行わない場合のリスク
ここでは、なぜコンプライアンス研修を行うのか、そして行わなかった場合に何が起きるのかを整理します。社内で必要性を説明する際の材料として使えるよう、リスクは公的な統計とあわせて示します。
コンプライアンス研修を行う目的
研修の目的は、従業員に「やってはいけないこと」を知らせるだけではありません。判断に迷う場面で適切に行動できるようにし、結果として違反そのものを未然に防ぐことが最大の狙いです。
あわせて、ハラスメント防止や情報管理のように、事業主に対して防止措置が法律で義務づけられている領域では、研修の実施が義務を果たす手段にもなります。従業員を守り、企業を守り、法的な義務にも応える——この三つを同時に満たせる点が、コンプライアンス研修に取り組む意義です。
違反が招くリスク
コンプライアンス違反が起きると、企業は行政処分や損害賠償だけでなく、取引先や顧客からの信頼を失い、事業の継続そのものが危うくなります。実際に、違反をきっかけとした倒産は増加傾向にあります。
帝国データバンクの調査によると、2024年度の「コンプライアンス違反倒産」は379件で、4年連続で前年度を上回り過去最多を更新しました。これは倒産全体の3.8%を占め、法令違反や社会規範・倫理に反する行為が経営を直撃していることを示しています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2024年度)|株式会社帝国データバンク(2025年4月15日)(https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250415-compliance/)
リスクは金額の大きい不正だけではありません。たとえば個人情報の漏えいは損害賠償や行政からの指導につながり、従業員の不適切なSNS投稿は炎上や取引停止を招くこともあります。こうした事態は一人の従業員の行動から起こり得るため、全社員で日常の判断基準をそろえておくことが求められます。
誰に何を教えるか(対象者別の研修内容)
ここからは、対象者ごとに教える内容の違いを整理します。全社員に共通して押さえる基礎と、立場に応じて上乗せする内容を分けて考えると、企画が組み立てやすくなります。
全社員共通の基礎として教える内容
役職や部署を問わず全員が理解しておくべきなのは、コンプライアンスの基本的な考え方と、日常業務に潜む身近なリスクです。ハラスメントの基礎知識、個人情報や機密情報の取り扱い、SNSでの発信の注意点、困ったときの相談・通報先などが該当します。
これらは「知らなかった」では済まされない領域であり、新入社員からベテランまで定期的に確認する意味があります。
階層別(新入社員/中堅/管理職)で上乗せする内容
基礎に加えて、立場ごとに求められる役割は変わります。新入社員には社会人としての基本行動やビジネスマナーに近い規範を、中堅には自分の業務に関わる法令(取引・契約・表示など)を、管理職にはハラスメントの相談対応や部下の管理監督責任を重点的に伝えるのが効果的です。
特に管理職は、ハラスメント相談の一次対応者になったり、部下の情報管理を監督したりと、法令上の措置と直接関わる立場です。全社員向けの内容に、管理職固有の責任を上乗せする設計が有効です。
対象 × 教える内容の対応表
対象者と教える内容の関係を一覧にすると、次のようになります。自社の階層に合わせて過不足を確認する際の目安として使えます。
| 対象者 | 基礎として共通に教える内容 | その立場で上乗せする内容 |
|---|---|---|
| 全社員共通 | コンプライアンスの基本/ハラスメント基礎/情報の取り扱い/SNS・著作権/相談・通報先 | — |
| 新入社員 | 上記の基礎 | 社会人としての基本行動、報連相と就業規則の理解 |
| 中堅社員 | 上記の基礎 | 担当業務に関わる法令(取引適正化・契約・景品表示など)の実務 |
| 管理職 | 上記の基礎 | ハラスメント相談の一次対応、部下の情報管理・労務管理の監督責任 |
コンプライアンス研修の実施方法と進め方
ここでは、研修をどの形式で実施するか、そして企画から効果測定までをどう進めるかを整理します。実施形式には主にeラーニング・集合研修・外部講師の3つがあり、それぞれ向く場面が異なります。
実施方法の比較(eラーニング/集合研修/外部講師)
3つの形式は、どれか一つが優れているというより、目的と体制に応じて組み合わせるのが現実的です。コスト・受講管理・更新のしやすさ・向く場面で比べると、次のように整理できます。
| 実施方法 | コスト感 | 受講管理 | 内容の更新 | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| eラーニング | 受講者数に応じた比較的低コスト | 受講状況を自動で記録・追跡しやすい | 教材の差し替えで更新しやすい | 全社員へ均質に配信し、受講漏れなく徹底したい |
| 集合研修(社内) | 会場・講師の準備に工数がかかる | 出欠・理解度を対面で把握 | 資料の作り直しが必要 | ディスカッションや事例検討で深く学ばせたい |
| 外部講師・専門会社 | 1回あたりの費用は高め | 委託先が管理する場合が多い | 最新の法改正に対応した内容を得やすい | 専門性の高いテーマを短期で整備したい |
全社員に基礎を漏れなく徹底するならeラーニング、管理職向けに事例検討を深めたいなら集合研修や外部講師、というように、対象と目的で使い分けると無理がありません。
企画から効果測定までの進め方
研修は、実施して終わりではなく、企画から振り返りまでを一つのサイクルとして回すと定着しやすくなります。おおまかな進め方は次のとおりです。

- 自社のリスクを把握する(業種・取引形態・過去の指摘事項から、優先すべきテーマを洗い出す)
- 対象者と内容を決める(全社員共通の基礎と、階層別に上乗せする内容を切り分ける)
- 実施形式を選ぶ(eラーニング・集合研修・外部講師を、対象と目的に応じて組み合わせる)
- 実施し、受講状況を管理する(受講率・修了状況を記録し、未受講者に働きかける)
- 振り返り・効果測定を行う(理解度テストやアンケートで定着を確認し、次回の内容に反映する)
このサイクルを毎年回すことで、形だけの研修に終わらせず、法改正や自社の状況変化にも合わせて内容を更新できます。
研修を形骸化させないための効果測定と法改正対応
ここでは、研修を実施した後の運用を扱います。せっかく研修をしても、受けただけで終わり形骸化してしまうと、違反の予防にはつながりません。定着と更新の二つの視点が欠かせません。
研修後も違反が起きる背景には、内容が現場の業務と結びついていない、一方的な講義で記憶に残らない、実施が一度きりで風化する、といった要因があります。テストで誤答の多かった項目を次回の重点に回す、受講後に現場からの相談件数の変化を見るなど、受けた後の行動の変化まで追うと、研修が実務に根づいているかを確かめられます。
実施の頻度に法律で定められた一律の基準はありませんが、一般的には年1回以上の実施と、内容の定期的な更新が運用の目安とされています。特に法改正があった領域は、その都度内容を見直す必要があります。
たとえば、カスタマーハラスメント対策は、改正労働施策総合推進法により2026年(令和8年)10月1日から、企業規模を問わず全事業主に雇用管理上の措置が義務づけられます。こうした改正に合わせて研修のテーマを追加・更新していくことが、形骸化を防ぐうえでも重要です。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662576.pdf)
コンプライアンス研修をeラーニングで実施・受講管理する
ここまで見てきた運用上の課題——全社員への均質な配信、受講状況の記録、法改正に合わせた更新——は、eラーニングを使うことで負担を減らせます。ここでは、eラーニングで解決できることと、主なサービスを紹介します。
eラーニングで解決できること
eラーニングは、拠点や勤務形態が分かれていても、全社員へ同じ内容を一度に配信できます。誰がどこまで受講したかがシステム上で記録されるため、受講率の管理や未受講者へのリマインドも手作業に頼らずに済みます。
教材の差し替えで内容を更新できる点も、法改正が続くコンプライアンス領域と相性がよい特徴です。比較する際は、料金体系・扱えるテーマの範囲・受講管理機能の3点を軸にすると、自社に合うものを絞り込みやすくなります。次に、自社での実施を検討する際に候補となる主なサービスを見ていきます。
主なコンプライアンス研修eラーニングの比較
| サービス名 | OneCompliance | JMAM eラーニングライブラリ | BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE | Schooビジネスプラン | AirCourse |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | コンプライアンス特化型 eラーニング | 受け放題型 (コンプラ特別パッケージ) | 教材コンテンツ型 (自社LMS・集合研修等に組込) | 受け放題型 (総合・録画9,000本超) | 受け放題型LMS (コース内製も可) |
| 主なコンテンツ範囲 | 法務・労務・ハラスメント・ 情報セキュリティ等(26コース) | CSR・法務・情報セキュリティ・ ハラスメント・労務の5領域25コース | パワハラ・セクハラ・マタハラ・ カスハラ・内部通報等(全50種類以上) | コンプラ・個人情報保護・ハラスメント等の テーマ別パッケージ+ビジネス全般 | ハラスメント・情報セキュリティ・ 法令遵守等の標準コース |
| 料金体系 | 受講者数に応じた従量課金 (初期費用・単価とも要問い合わせ) | 初期費用0円/100名 年396,000円 (1名月330円相当)〜 | 1本あたり60万円(税抜) ※付属資料込み・グループ展開は別途見積り | 初期費用110,000円(税抜)/ 1ID 月1,650円(税抜)〜(最少20ID) | 初期費用0円/1ライセンス 月300円 (税抜)〜(ベーシック・年間一括) |
| 受講管理機能 | 進捗ダッシュボード・CSV出力・ 自動リマインド・確認テスト | 必須/推奨コース設定・フォローメール・ CSV出力・修了証自動発行 | コンテンツごとに確認テスト (受講管理は掲載先LMSに依存) | 進捗可視化・CSV出力・レポート提出・テスト (修了証の発行はなし) | 進捗レポート・組織/グループ管理・ 一斉割当・CSV一括管理・テスト |
| 無料トライアル | あり | あり (最大30日間) | 公式に記載なし | あり | あり (フリープランで試用可) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービスページを見る | サービスページを見る | サービスページを見る | サービスページを見る |
※2026年9月時点の各社公式情報をもとに作成。最新の料金・機能は各社の公式情報をご確認ください。
ここで取り上げた5サービスは候補の一例です。料金体系や教材のテーマ範囲、受講管理機能まで含めてより多くのサービスを見比べたい場合は、コンプライアンス研修eラーニングをタイプ別に比較し、選び方まで整理した以下の記事も参考になります。
コンプライアンス研修eラーニングおすすめ比較29選!料金・教材テーマ・選び方を解説
コンプライアンス研修を全社員に行き渡らせたいのに、集合研修では日程調整や会場手配が追いつかず、受講記録の管理も煩雑になっていませんか。ハラスメント防止や情報セキュリティ、個人情報保護など扱うべきテーマは年々増え、法改正のたびに教材を作り直す…
主要サービスの個別紹介
1. OneCompliance(株式会社Oyster)

OneComplianceは、コンプライアンス領域に特化したeラーニングプラットフォームです。汎用の学習システムではなく、法務・労務・ハラスメント・情報セキュリティなどのコンプライアンス研修に絞って26コースを揃え、専門家の監修のもとで法改正や違反事例に応じた更新を掲げています。
1コンテンツが数分単位のマイクロラーニング形式で、PC・スマートフォンのどちらでも受講でき、確認テストで受講完了を担保します。インサイダー取引規制やマネーロンダリング対策など金融機関のニーズに重なる領域も持ち、上場・IPO準備企業を主な対象として訴求している点が特徴です。料金は受講者数に応じて変動し、無料トライアルも用意されています(具体的な単価は要問い合わせ)。
コンプライアンス研修をeラーニングで運用するうえでの前提について、提供元の株式会社Oysterは次のように述べています。

コンプライアンス研修は「学びたい人が自由に選ぶ」よりも、「管理者が指定して期限までに受けてもらう」運用が中心になります。そのため、当社は、その前提に合わせて管理側機能を設計しています。
2. JMAM eラーニングライブラリ(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)

日本能率協会マネジメントセンターが提供する、定額制(受け放題)型のeラーニングです。契約したライブラリ内のコースを契約期間中いつでも何度でも受講でき、このうちコンプライアンス向けには、CSR・ビジネス法務・情報セキュリティ・ハラスメント防止・労務の5領域25コースを束ねた特別パッケージが用意されています。
法令改正に合わせたコース更新、受講管理、修了証の自動発行までを含み、コンプライアンス領域を体系的に整備したい企業に向きます。累計導入1.8万社以上、総受講者数約440万人という長期の運営実績(2010年の定額制サービス開始以降の累計)を持ち、初期費用は0円です。
3. BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE(弁護士ドットコム株式会社)

弁護士ドットコムが「BUSINESS LAWYERS」ブランドの一環として提供する、ドラマ・漫画形式のコンプライアンス研修教材です。従業員が陥りやすい違反を事例ごとにショートドラマや漫画で学べる構成で、各コンテンツに確認テストが付きます。弁護士法人による監修のもとで制作されており、法律や規制官庁の見解に基づいた内容である点が特徴です。
自社で運用するLMSへの掲載や集合研修での活用など、教材コンテンツとして自社の研修基盤に組み込んで使える柔軟さがあります。ハラスメントを類型ごとに分けるなどテーマの細分化も進んでおり、事例で理解を促したい企業に向いています。
4. Schooビジネスプラン(株式会社Schoo)

Schooビジネスプランは、9,000本以上の録画授業を受け放題で提供する定額制のオンライン研修サービスです。コンプライアンス研修に限らず、ビジネス基礎からAI・DXまで幅広いテーマを同一のプラットフォームで学べるため、コンプライアンスと自己啓発・スキルアップをまとめてカバーしたい企業に向きます。
コンプライアンス研修や個人情報保護研修など、テーマ別に整理された研修パッケージを利用でき、ハラスメント研修は全社員向けと管理職向けでパッケージが分かれています。録画授業に加え、チャットで質問できる生放送授業がある点も特徴です。料金は1IDあたりの課金で、受講者数に応じて設計できます。
5. AirCourse(KIYOラーニング株式会社)

AirCourseは、動画研修が受け放題のクラウド型学習管理システム(LMS)です。ハラスメント・情報セキュリティ・法令遵守などの標準コースが整備されており、自社オリジナルのコース作成機能と組み合わせて使えるため、コンプライアンス研修の内製負荷を下げられます。
初期費用は0円で、年間契約一括払いの場合はベーシックプランが1ライセンス月額300円からと、低単価で始めやすい料金体系です。集合研修・オンライン研修も「研修コース」として作成でき、出欠管理やリマインド、資料配布までをシステム上で一括管理できます。法改正や実務ニーズに合わせた新規コースの追加も続いています。
扱うテーマのなかでも、情報セキュリティ・情報漏洩の教育を重点的に整えたい場合は、この分野に絞ったeラーニングを比較・解説した以下の記事が参考になります。標的型攻撃メール訓練の有無や、受講記録をPマーク(プライバシーマーク)・ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の証跡として残せるかなど、情報セキュリティ研修ならではの比較の観点を整理しています。
まとめ
コンプライアンス研修は、法令だけでなく社会規範・企業倫理まで含めた行動を従業員に根づかせるための教育です。ハラスメントや情報漏洩、取引の適正化、内部通報など扱うテーマは幅広く、テーマによっては研修の実施が法令上の措置に直結します。
まずは自社のリスクからテーマの優先順位を決め、全社員共通の基礎と階層別の上乗せを切り分けたうえで、eラーニング・集合研修・外部講師を目的に応じて組み合わせるとよいでしょう。実施後は効果測定と法改正への対応を毎年回し、形だけの研修に終わらせないことが、違反の予防につながります。
全社員への均質な配信と受講管理を効率化したい場合は、eラーニングの各サービスの資料を取り寄せ、自社の体制に合うものを比較してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. コンプライアンス研修とは何ですか?
A. コンプライアンス研修とは、従業員が法令だけでなく社会規範や企業倫理に沿って行動できるようにするための社内教育です。「法令遵守」と訳されることが多いものの、法律を守ることだけを指すのではなく、ハラスメントの防止や情報の適切な取り扱いといった、社会から求められる規範や自社の行動規範までを含めた広い範囲を対象にするのが一般的です。
Q. コンプライアンス研修ではどんなテーマ(ネタ)を扱いますか?
A. コンプライアンス研修で扱う主なテーマは、ハラスメント防止・情報セキュリティ/情報漏洩・不正/横領・取引の適正化(旧下請法)・景品表示法・著作権/SNS・内部通報(公益通報)などです。自社の業種や取引形態によってリスクの大きい領域は異なるため、すべてを一度に詰め込むより、優先度の高いテーマから組み立てるのが現実的です。各テーマに対応する法律・リスクは本文の一覧表にまとめています。
Q. コンプライアンス研修は法律で義務付けられていますか?
A. コンプライアンス研修そのものを一律に義務付ける法律はありませんが、一部の領域では研修の実施が事業主の措置義務の一つに位置づけられています。たとえばパワーハラスメント防止では、労働施策総合推進法に基づく厚生労働省の指針が、事業主が講じるべき措置の一つとして研修・講習の実施を求めています。自社に関わる義務があるかは、扱うテーマごとに根拠となる法令を確認するのが確実です。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の2|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132)
- 出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf)
Q. コンプライアンス研修はどのくらいの頻度で実施すればよいですか?
A. 実施頻度に法律で定められた一律の基準はありませんが、一般的には年1回以上の実施と、内容の定期的な更新が運用の目安とされています。特に法改正があった領域は、その都度内容を見直す必要があります。一度きりで終えると内容が風化しやすいため、毎年繰り返す前提で計画を立てると形骸化を防ぎやすくなります。
Q. 研修で扱うテーマはどうやって選べばよいですか?
A. テーマ選びは、自社で実際に起こりうる、リスクの大きい領域から優先順位をつけるのが基本です。過去に社内で指摘された事例、業界団体や行政が公表する違反事例、報道されている社会的なトレンドなどを手がかりにすると、自社に必要なテーマを洗い出せます。判断に迷う場合は、顧問弁護士など専門家の助言を得るのも有効です。
Q. コンプライアンス研修をしても違反が起きてしまうのはなぜですか?
A. 研修後も違反が起きる背景には、研修内容が現場の業務と結びついていない、一方的な講義で記憶に残らない、実施が一度きりで風化する、といった要因があります。理解度テストやアンケートで定着を確認し、自社で実際に起こりうる事例を題材にすると、知識が現場に根づきやすくなります。
Q. コンプライアンス研修を全社員に漏れなく受講させるにはどうすればよいですか?
A. 全社員への受講徹底は、誰がどこまで受講したかを記録・追跡できる仕組みを用意することが近道です。eラーニングを使えば、受講状況がシステム上で自動的に記録され、未受講者へのリマインドも手作業に頼らずに済みます。拠点や勤務形態が分かれていても同じ内容を一度に配信できるため、受講漏れを防ぎやすくなります。
Q. コンプライアンス研修は外部に委託すべきですか、自社で実施すべきですか?
A. どちらが良いかは目的と体制によって異なり、実務では複数の実施形式を組み合わせるのが現実的です。全社員に基礎を漏れなく届けたいならeラーニングでの内製、専門性の高いテーマを短期で整えたいなら外部講師や専門会社の活用が向きます。コスト・受講管理・内容の更新のしやすさを軸に、本文の比較表を参考に自社に合う形を選ぶとよいでしょう。
Q. 中小企業でもコンプライアンス研修は必要ですか?
A. 企業規模にかかわらず、コンプライアンス研修は必要です。ハラスメント防止のように全事業主に措置が求められる領域があり、カスタマーハラスメント対策も改正労働施策総合推進法により2026年(令和8年)10月1日から全事業主に義務づけられます。むしろ専任の管理部門を置きにくい中小企業ほど、eラーニングで効率的に基礎を徹底する意義は大きいといえます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662576.pdf)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















