取引先との契約期間を延長することになり、延長の覚書や変更契約書を作る段になって、収入印紙を貼るべきか手が止まる場面は少なくありません。金額の変更をともなわず「期間だけ」を延ばす合意でも印紙が要るのか、要るならいくらか、貼らずに済ませられないのか。判断の分かれ目は、もとの契約書が「継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)」なのか「請負に関する契約書(第2号文書)」なのかにあります。
この記事では、国税庁のタックスアンサーと質疑応答事例をもとに、契約期間を延長する文書に収入印紙が必要かどうかと具体的な金額を、号ごとに整理します。あわせて、印紙が不要になるケース(短縮・3か月以内の延長・電子契約)と、覚書の書き方によって税額が変わる注意点までを扱います。
自社の契約に当てはめて、貼るべき収入印紙の額を判断できるよう整理しています。
目次
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契約期間を延長する文書に収入印紙は必要?結論と金額
継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)の契約期間を延長する場合、その延長を定める文書には原則として収入印紙が必要で、税額は一律4,000円です。金額の変更をともなわず期間だけを延ばす合意であっても、課税の対象になります。国税庁は質疑応答事例で、この取り扱いを次のように示しています。
基本契約書で定められている契約期間が終了する場合などに、契約期間についてだけ改めて延長することの契約を結ぶ場合がありますが、このような方法による契約期間の延長は、新たに第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)を作成するのと同様の効果をもつものですから、重要な事項を変更するものとして、第7号文書に該当します(基通別表第二5(2))。
出典:質疑応答事例「基本契約書の契約期間を延長する契約書」|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/15/22.htm)
一方、もとの契約書が請負に関する契約書(第2号文書)の場合は、税額の決まり方が変わります。また、延長ではなく「短縮」する場合や、延長する期間が3か月以内で更新の定めがない場合など、印紙が不要になるケースもあります。以降で、号ごとの金額と例外を順に見ていきます。
なぜ契約期間の延長に収入印紙が必要なのか
ここからは、期間の延長が課税対象になる理由を、印紙税の判定の枠組みから説明します。
印紙税がかかる「重要な事項の変更」とは
すでに締結した契約の内容を後から変える文書(変更契約書・覚書など)に印紙が必要かどうかは、その文書が「重要な事項」を変更しているかどうかで判定します。国税庁のタックスアンサーは、次のように整理しています。
これらの文書(以下「変更契約書」といいます。)が課税文書に該当するかどうかは、その変更契約書に「重要な事項」が含まれているかどうかにより判定することとされています。すなわち、原契約書により証されるべき事項のうち、重要な事項を変更するために作成した変更契約書は課税文書となり、重要な事項を含まない場合は課税文書に該当しないことになります。
出典:No.7127「契約内容を変更する文書」|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7127.htm)
何が「重要な事項」に当たるかは、印紙税法基本通達の別表第二「重要な事項の一覧表」に号ごとに定められています。文書のタイトルが「覚書」でも「念書」でも、この重要な事項を変更していれば課税文書として扱われる点に注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
契約期間の延長が「重要な事項の変更」に当たる理由
継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)では、別表第二の一覧で「契約期間」が重要な事項に挙げられています。契約期間だけを延長する合意でも、新たに第7号文書を作成するのと同じ効果を持つため、重要な事項の変更として課税文書になります。冒頭に引用した質疑応答事例が、この考え方を明確に示しています。
このとき第7号文書には「記載金額」という概念がなく、税額は契約金額の大小にかかわらず一律4,000円です。金額を書いていない期間延長の覚書であっても、第7号文書に該当すれば4,000円がかかります。
出典・参考資料(1件)
第7号文書と第2号文書の違い
同じ「期間の延長」でも、もとの契約書がどの号に当たるかで税額の決まり方が変わります。実務でよく登場するのは次の2つです。
- 第7号文書(継続的取引の基本となる契約書):売買取引基本契約書・業務委託基本契約書・特約店契約書など、継続する取引の基本条件を定める契約書。記載金額の概念がなく、該当すれば一律4,000円。
- 第2号文書(請負に関する契約書):工事・製造・保守などの請負契約書。契約金額(記載金額)に応じて税額が決まる。
1つの契約書が第2号文書と第7号文書の両方の性質を持つこともあります。たとえば清掃請負の基本契約書のように、継続的な取引の基本を定めつつ個々の請負も含む契約書です。この場合は印紙税法の通則3によって所属が決まり、契約金額の記載がなければ第7号文書として扱われます。清掃請負基本契約書などの具体例は、国税庁のタックスアンサーNo.7127で示されています。
自社の契約がどちらの号かは、継続する取引全体の基本条件(取引先・目的物の種類・取引数量・単価・支払方法など)を定める基本契約なら第7号文書、特定の仕事の完成を約束する請負契約なら第2号文書を目安に見分けられます。契約書のタイトルではなく、定めている中身で判断します。
継続的取引の基本契約にも請負にも当たらない契約(単発の準委任契約や建物の賃貸借契約など)は、そもそも印紙税の課税文書に当たらないことが多く、この場合は期間を延長しても収入印紙は不要です。自社の契約が第7号文書・第2号文書のどちらでもない可能性もふまえて確認してください。
【早見表】原契約の号×変更内容別の印紙税額
ここでは、自社のケースに当てはめて貼付額を確認できるよう、原契約の号と変更内容の組み合わせごとに印紙税額を整理します。まずは判定の流れを図で押さえ、続く早見表で詳細を確認してください。

| 原契約の号と変更内容 | 第7号文書(継続的取引の基本契約)/期間の延長のみ | 第7号文書/既存の7号を引用した延長で延長期間3か月以内・更新の定めなし | 第7号文書/期間の短縮 | 第2号文書(請負契約)/期間の延長・短縮のみ(金額の記載なし) | 第2号文書/延長+契約金額の増額 | 第2号文書/延長+契約金額の減額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 収入印紙 | 4,000円(一律) | 非課税(0円) | 非課税(0円) | 200円 | 増加額に応じた税額 | 200円 |
| 根拠となる考え方 | 重要な事項の変更として第7号文書に該当。記載金額の概念なし | 第7号文書から除外される要件(引用・3か月以内・更新の定めなし)を満たす | 第7号の重要な事項は「延長」に限定。短縮は重要な事項の変更に当たらない | 重要な事項の変更だが契約金額の記載がなく「記載金額のない文書」 | 増加金額が記載金額になる | 減額のときは記載金額のない文書として扱う |
国税庁のタックスアンサー・質疑応答事例・印紙税法基本通達をもとに作成。税額は2026年9月時点。
継続的取引の基本契約(第7号文書)の期間延長=一律4,000円
もとの契約書が第7号文書で、契約期間だけを延長する覚書・変更契約書を作る場合は、契約金額の大小に関係なく4,000円です。第7号文書は記載金額の概念を持たないため、金額を書いても書かなくても税額は変わりません。
請負契約(第2号文書)の期間延長=記載金額で決まる
もとの契約書が第2号文書(請負)の場合、税額は契約金額(記載金額)で決まります。期間の延長だけで契約金額を書かなければ「記載金額のない文書」として200円です。延長にあわせて金額も変える場合は、変更のしかたで記載金額が変わります。
- 契約金額を増額する場合:増加する金額が記載金額になります。
- 契約金額を減額する場合:その変更契約書の記載金額はないものとして扱い、200円です。
増額の場合、記載金額(増加分)に応じた第2号文書の税額は次のとおりです(本則税率の主な区分)。たとえば増加分が250万円なら1,000円、400万円なら2,000円です。
- 100万円以下:200円
- 100万円超200万円以下:400円
- 200万円超300万円以下:1,000円
- 300万円超500万円以下:2,000円
- 500万円超1,000万円以下:1万円
建設工事の請負契約については、記載金額が100万円を超える場合に軽減税率が適用されます。金額の大きい工事請負契約書の税額は、この記事の末尾で紹介する関連記事で確認できます。
7号の延長と2号請負の延長を混同しないための整理
もう一つ迷いやすいのが、請負契約(第2号文書)の契約期間を延長する定めの扱いです。期間の延長があると第7号文書になりそうに見えますが、この延長は契約の更新に関する定めと位置づけられ、記載金額には影響しません。そのため、もとの請負契約と同じ第2号文書として、記載金額に応じた税額(金額を書かなければ200円)になります。第7号文書の延長が一律4,000円なのとは分かれる点です。
このように、「継続的取引の基本を定める第7号文書か」「個別の請負を定める第2号文書か」で、同じ期間延長でも金額の考え方が分かれます。自社の原契約がどちらの号かを先に確認することが、正しい貼付額にたどり着く近道です。
自社の原契約が工事などの請負契約(第2号文書)だった場合は、変更契約書だけでなく、そもそもの請負契約書自体にいくらの印紙がかかるか、建設工事の請負契約に適用される軽減措置の対象になるかもあわせて確認しておくと安心です。次の記事で金額の一覧と軽減措置を整理しています。
収入印紙が不要になるケース
期間を変える文書でも、収入印紙が不要になる場合があります。代表的な3つを見ていきます。
契約期間を短縮する変更契約書(第7号は非課税・第2号は200円)
第7号文書では、重要な事項として挙げられている「契約期間」は延長するものに限られています。そのため、契約期間を短縮する変更は重要な事項の変更に当たらず、非課税(0円)です。同じ理由で、第7号文書に該当しない軽微な変更だけの覚書も課税されません。
ただし、もとの契約が第2号文書(請負)の場合は事情が異なります。第2号文書では「契約期間」が延長・短縮を問わず重要な事項とされているため、短縮の変更契約書も課税文書になり、契約金額の記載がなければ200円です。号によって短縮の扱いが変わる点に注意してください。
延長期間が3か月以内・更新の定めなしは第7号から除外
第7号文書の期間延長でも、一定の要件を満たすものは第7号文書から除外され、非課税になります。国税庁の質疑応答事例は、除外される要件を次のように示しています。
なお、第7号文書に該当する文書を引用して契約期間を延長するもののうち、延長する期間が3か月以内であり、かつ、更新の定めのないものは除かれます。
出典:質疑応答事例「基本契約書の契約期間を延長する契約書」|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/15/22.htm)
逆に、延長する期間が3か月を超える場合や、更新の定めがある場合は、この除外に当てはまらず第7号文書として4,000円がかかります。もともと第7号文書は、契約期間が3か月を超えるか更新の定めがあるものを対象とする文書です。これに満たない短期の延長だけを引用の形で定めるものが除外される、という限られた場面で使える例外です。
電子契約で作成すれば課税対象外
紙で作成する場合と異なり、電子契約(電磁的記録)で延長の合意を締結すると、印紙税はかかりません。印紙税は課税文書を「作成」したことに対して課税されますが、電磁的記録を電子メールなどで送信する行為は、課税文書の「作成」に当たらないと考えられているためです。国税庁(福岡国税局)の文書回答事例は、注文請書を電子メールで送信した事例について、照会者の次の見解を是認しています。
注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。
出典:文書回答事例「請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について」(平成20年10月24日)|国税庁(https://www.nta.go.jp/about/organization/fukuoka/bunshokaito/inshi_sonota/081024/01.htm)
この事例が扱っているのは注文請書ですが、根拠は「電磁的記録の送信は課税文書の作成に当たらない」という一般的な考え方にあります。したがって、契約期間を延長する覚書・変更契約書を電子契約で締結する場合にも、同じ理由で収入印紙は不要になります。
覚書・変更契約書を作成するときの注意点
紙で作成する場合に押さえておきたい、書き方と貼り忘れのポイントを整理します。
「延長後の期間」だけ書くか「契約金額」も書くかで税額が変わる
もとの契約が第2号文書(請負)の場合、覚書に何を書くかで税額が変わります。期間の延長だけを書き、契約金額に触れなければ「記載金額のない文書」として200円です。一方、延長にあわせて契約金額を書き加えると、その金額が記載金額として扱われ、増額なら増加分に応じた税額になります。必要以上の情報を書き込むことで税額が上がることもあるため、覚書に記載する事項は目的に沿って絞ることが実務上のポイントです。
第7号文書はもともと記載金額の概念がないため、金額を書いても書かなくても4,000円で変わりません。この違いも、原契約の号を先に確認しておく理由になります。
契約書を2通作成する場合は通数分の印紙が必要
延長の覚書・変更契約書を正本として2通作成し、自社と相手方がそれぞれ保管する場合は、各正本が課税文書となり、通数分の収入印紙が必要です。第7号文書を2通作れば合計8,000円になります。一方、一方の当事者が控えとして持つのが署名押印のない単なる写し(コピー)であれば、その写しには印紙は不要です。印紙代を抑えたい場合は、正本を1通だけ作成して一方が原本、他方がコピーを保管する方法もあります。
出典・参考資料(1件)
貼り忘れ・消印漏れと過怠税
課税文書に該当するのに収入印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額に加えてその2倍に相当する金額が徴収され、あわせて本来の税額の3倍を納めることになります。税務調査を受ける前に自主的に申し出た場合は、本来の税額とその10%の合計(1.1倍)に軽減されます。
また、貼った収入印紙には消印(けしいん)が必要です。文書と印紙の彩紋にかけて判明に印紙を消さなければならず、消印を怠ると、消されていない印紙の額面金額に相当する過怠税が徴収されます。収入印紙を貼り忘れても契約そのものが無効になるわけではありませんが、こうした過怠税の負担を避けるため、貼付と消印は確実に行いましょう。
出典・参考資料(1件)
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印紙が不要になる電子契約システム
ここまで見てきたとおり、契約期間を延長する文書は、紙で作成すると原則として収入印紙が必要です。一方、電子契約(電磁的記録)で締結すれば課税文書の「作成」に当たらず、印紙税はかかりません。契約の更新・延長が頻繁に発生する取引ほど、電子契約に切り替えることで印紙代と貼付・消印の管理から解放される効果は大きくなります。ここでは、締結を電子化して印紙を不要にできる代表的な電子契約サービスを紹介します。
| サービス名 | クラウドサイン | 電子印鑑GMOサイン |
|---|---|---|
| 提供会社 | 弁護士ドットコム株式会社 | GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 |
| 電子署名方式 | 立会人型(事業者署名型)が標準 当事者型(マイナンバーカード署名)にも対応 | 立会人型(契約印タイプ)・当事者型(実印タイプ) 両者を組み合わせるハイブリッド署名も可 |
| 電子署名法・タイムスタンプ | ●弁護士ドットコムの弁護士が電子署名法適合性を検証。全プランで総務大臣認定タイムスタンプを標準付与 | ●3省庁(デジタル庁・法務省・財務省)が適法性を確認。総務省認定タイムスタンプを標準付与 |
| 電子帳簿保存法対応 | ●認定タイムスタンプ標準付与・検索要件に対応(フリープランは一部を利用者側で個別対応) | ●JIIMA認証取得(契約印&実印プラン向け) |
| 多言語対応 | △英語・中国語(簡体字/繁体字)。有料プランLight以上・受信者側の署名画面/案内メールのみ | ●8言語(日本語・英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・タイ語・ミャンマー語・ベトナム語) |
| セキュリティ認証 | ISO/IEC 27001・27017 SOC2 Type1・ISMAP登録 | ISO/IEC 27001・27017 SOC2 Type2・ISMAP登録 |
| 無料プラン | あり(フリープラン) 月2件まで・1ユーザー 電子署名+タイムスタンプ利用可 | あり(お試しフリープラン) 月5件まで・1ユーザー 立会人型のみ・期間無制限 |
| 月額費用(有料プラン) | 無料〜 Light 11,000円/月(税抜)〜 | 無料〜 ライト 8,800円/月(税抜・年間契約)〜 |
| 送信料 | 220円/件(税抜・税込242円) | 立会人型100円/件(税抜・税込110円) 当事者型300円/件(税抜・税込330円) |
| 導入実績 | 導入250万社以上 累計送信4,000万件超(2024年度実績) | 導入350万社以上 累計送信5,000万件超 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。書類のアップロードから電子署名・認定タイムスタンプの付与、契約書の保管・検索までをオンラインで完結でき、印刷・押印・郵送を不要にします。標準は認証局での本人確認が不要な事業者署名型(立会人型)で、相手方の負担が軽く、期間延長の覚書のような相手先とのやり取りが多い場面でも導入しやすい方式です。
全プランで総務大臣認定のタイムスタンプを標準付与し、電子帳簿保存法の要件に対応します。確実な本人確認が求められる契約向けには、マイナンバーカードの電子証明書を使う当事者署名型も選べます。フリープランでも月2件まで有料プランと同じ電子署名・タイムスタンプを試せるため、まず自社の運用に合うかを確かめてから導入できます。契約更新・解約通知の期限に対するアラート機能もあり、更新漏れの防止にも役立ちます。
2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供するクラウド型の電子契約・電子署名サービスです。立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の2方式に対応し、両者を組み合わせるハイブリッド署名も利用できます。取引先には負担の軽い立会人型で送りつつ、自社側は実印相当の信頼性を確保するといった使い分けができます。
電子署名法についてデジタル庁・法務省・財務省の3省庁から適法性の確認を得ており、電子帳簿保存法にもJIIMA認証で対応しています。認定タイムスタンプや長期署名にも対応し、官公庁・自治体・上場企業での利用実績があります。期間無制限の無料プランで月5件まで契約書の送信を試せるほか、有料プランではユーザー数無制限の料金体系を採用しており、契約の延長・更新を扱う部署が広く使う運用にも向いています。
ここで取り上げたクラウドサイン・電子印鑑GMOサインは、印紙を不要にできる電子契約サービスの代表例です。料金体系やタイプ別の選び方まで含めて各社を見比べ、自社に合う一社を選びたい場合は、次の記事で電子契約システム全体を比較できます。
まとめ
契約期間を延長する覚書・変更契約書の収入印紙は、もとの契約書がどの号に当たるかで決まります。継続的取引の基本契約(第7号文書)の期間延長は、金額にかかわらず一律4,000円です。請負契約(第2号文書)の期間延長は記載金額で決まり、金額を書かなければ200円になります。
短縮する変更(第7号文書の場合)、延長期間が3か月以内で更新の定めがないもの、そして電子契約での締結は、収入印紙が不要です。自社の原契約の号と変更内容を確認したうえで貼付額を決め、判断に迷う場合は所轄の税務署に確認するのが確実です。印紙の管理そのものをなくしたい場合は、延長・更新の合意を電子契約に切り替える方法も選択肢になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 契約期間の延長のみを定める覚書でも収入印紙は必要ですか?
契約期間の延長だけを定める覚書でも、もとの契約が継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)であれば、金額の変更をともなわなくても一律4,000円の収入印紙が必要です。国税庁の質疑応答事例は、契約期間だけを延長する契約は新たに第7号文書を作成するのと同様の効果を持ち、重要な事項の変更として第7号文書に該当するとしています(基通別表第二5(2))。
一方、もとの契約が請負に関する契約書(第2号文書)の場合は、契約金額を書かなければ「記載金額のない文書」として200円です。
Q. 契約期間の延長にあわせて契約金額を増額する場合、印紙税額はどうなりますか?
契約期間の延長とあわせて契約金額を増額する場合、もとの契約が請負に関する契約書(第2号文書)なら、増加する金額が記載金額となり、その金額に応じた税額になります。国税庁タックスアンサーNo.7123は、変更前の契約金額を増加させるときは増加金額が記載金額になるとしています。
これに対し、もとの契約が第7号文書の場合は記載金額の概念がないため、金額を書き加えても税額は一律4,000円のまま変わりません。原契約がどちらの号かで金額の考え方が分かれます。
Q. 契約期間を短縮する変更契約書に収入印紙は必要ですか?
契約期間を短縮する変更契約書は、もとの契約が第7号文書なら非課税(0円)です。第7号文書で重要な事項とされる「契約期間」は延長するものに限られており(基通別表第二5(2))、短縮は重要な事項の変更に当たらないためです。もとの契約が第2号文書(請負)の場合は、次のとおり扱いが変わります。
もとの契約が請負に関する契約書(第2号文書)の場合は短縮も課税対象で、契約金額を書かなければ200円です。第2号文書では契約期間が延長・短縮を問わず重要な事項とされている点が、第7号文書との違いです。
Q. 自動更新の契約について、あらためて契約期間を延長する覚書を作る場合は印紙が必要ですか?
自動更新条項によって契約が自動的に更新される場合は、あらためて文書を作成しないため課税文書が生じず、収入印紙は不要です。
一方、その自動更新とは別に契約期間を延長する覚書・変更契約書をあらためて作成すると、その文書がもとの契約と同じ号の課税文書として扱われ、第7号文書なら一律4,000円がかかります。国税庁の質疑応答事例は、契約期間を延長する契約は新たに第7号文書を作成するのと同様の効果を持つとしています。
また、既存の第7号文書を引用して延長する場合で、延長する期間が3か月以内かつ更新の定めがないものは、第7号文書から除外され非課税になります。
Q. 延長する期間が3か月以内なら収入印紙は不要ですか?
既存の第7号文書を引用して契約期間を延長する文書のうち、延長する期間が3か月以内で、かつ更新の定めがないものは第7号文書から除外され、非課税になります。国税庁の質疑応答事例が明示する例外です。
逆に、延長する期間が3か月を超える場合や、更新の定めがある場合は除外に当たらず、第7号文書として4,000円がかかります。既存の第7号文書を引用して短期間だけ延長する、という限られた場面で使える例外である点に注意してください。
Q. 電子契約で契約期間を延長すれば収入印紙は不要になりますか?
契約期間を延長する覚書・変更契約書を電子契約(電磁的記録)で締結する場合、収入印紙は不要です。印紙税は課税文書を「作成」したことに対して課税されますが、電磁的記録を電子メールなどで送信する行為は、課税文書の作成に当たらないと考えられているためです。
国税庁(福岡国税局)の文書回答事例(平成20年10月24日)も、注文請書を電子メールで送信した事例について、同じ考え方を認めています。延長・更新が頻繁に発生する取引ほど、電子契約への切り替えで印紙代と貼付・消印の管理をなくせる効果が大きくなります。
Q. 契約期間を延長する覚書に収入印紙を貼り忘れた場合はどうなりますか?
課税文書に該当するのに収入印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額に加えてその2倍が徴収され、合計で本来の税額の3倍を納めることになります(印紙税法第20条)。税務調査を受ける前に自主的に申し出た場合は、本来の税額とその10%の合計(1.1倍)に軽減されます。
また、貼った収入印紙には消印が必要で、消印を怠ると消されていない印紙の額面金額に相当する過怠税が徴収されます。収入印紙を貼り忘れても契約そのものが無効になるわけではありませんが、こうした過怠税の負担を避けるため、貼付と消印は確実に行いましょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















