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【2026年12月改正対応】内部通報制度とは?企業の義務・内部告発との違い・導入手順を解説

内部通報制度とは?企業の義務・内部告発との違い・導入手順のサムネイル画像

内部通報制度とは、社内の不正や法令違反を従業員などからの通報として受け付け、通報者を守りながら調査・是正する社内の仕組みです。公益通報者保護法では正式に「内部公益通報対応体制」と呼ばれ、常時使用する労働者が300人を超える事業者にはその整備が義務づけられています。

制度の名前は知っていても、「自社に整備義務があるのか」「義務として具体的に何をそろえればよいのか」「2026年12月に施行される改正法で何が変わるのか」まで正確に押さえるのは簡単ではありません。内部告発や公益通報といった似た言葉との違いも、混同したまま検討を進めると判断を誤ります。

この記事では、内部通報制度の定義と目的から、公益通報者保護法上の義務の有無を判定する基準、義務の中身、違反時の罰則、2026年12月施行の改正内容、導入手順、そして通報窓口を社内に置くか外部に委託するかの選び方までを扱います。いずれも法令名・条文・施行時期の裏づけとともに整理し、制度理解から窓口の用意という次の一歩までを一続きで判断できる状態を目指します。

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内部通報制度とは?

内部通報制度は、社内で起きた不正・法令違反やその疑いを、従業員や役員などからの通報として社内の窓口で受け付け、通報者の秘密と立場を守りながら調査・是正する社内の仕組みです。行政機関や報道機関といった社外に問題が持ち出される前段で、まず組織の内部が自ら受け止めて正すための入口にあたります。

公益通報者保護法(平成16年法律第122号)では、この仕組みを「内部公益通報対応体制」と呼びます。法律は事業者に対し、通報に対応する担当者を定めること、そして通報に適切に対応するために必要な体制を整えることを求めています。消費者庁の指針の解説も、この体制整備が法の柱であることを明示しています。

公益通報者保護法(平成16 年法律第122 号。以下「法」という。)第11 条第1項及び第2項は、公益通報対応業務従事者を定めること及び事業者内部における公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとることを事業者(国の行政機関及び地方公共団体を含む。)に義務付けています。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説|消費者庁

内部通報制度の目的・意義

公益通報者保護法は第1条で、通報者の保護を図るとともに、国民の生命・身体・財産などにかかわる法令の遵守を図り、国民生活の安定と社会経済の健全な発展に資することを目的に掲げています。制度は通報者を守る仕組みであると同時に、社会全体の法令遵守を支える仕組みでもあります。

企業の側から見た意義は、大きく次の3点に整理できます。第一に、不正や法令違反を早い段階で把握し、被害が広がる前に手を打てること。第二に、問題を外部に持ち出される前に自ら正す自浄作用が働くこと。第三に、こうした体制を備えていること自体が、取引先・顧客・金融機関からの信頼につながることです。

通報を受け付ける窓口を用意しないまま不正が社外へ持ち出されれば、企業は事後対応と信用の回復に大きな労力を割くことになります。内部通報制度は、そのリスクを未然に下げるための投資として位置づけられます。

出典・参考資料(1件)

内部通報・内部告発・公益通報の違い

混同されがちな「内部通報」「内部告発」「公益通報」は、通報がどこに向かうか(通報先)で線を引くと整理しやすくなります。公益通報者保護法は、公益通報の通報先を3つの類型に分けています。事業者の内部に対する通報(第1号通報)、権限を持つ行政機関への通報(第2号通報)、報道機関など外部への通報(第3号通報)です。

この整理でいえば、内部通報は事業者内部の窓口に対する第1号通報にあたります。一方で内部告発は法律上の用語ではなく、一般に行政機関や報道機関など社外への通報(第2号・第3号通報にあたるもの)を指す通称として使われます。公益通報は内部・外部を問わず法の保護対象となる通報全体を指す法律上の言葉で、そのうち事業者内部への通報を消費者庁は「内部公益通報」と呼びます。

内部通報・内部告発・公益通報の違いを通報先で整理した図。公益通報は法が保護する通報の全体で、通報先により第1〜3号に分かれる。第1号通報は事業者内部の窓口で内部通報(内部公益通報)にあたり、第2号通報は権限を持つ行政機関、第3号通報は報道機関など外部で、第2・3号にあたる社外への通報を内部告発と通称する。
用語主な通報先位置づけ
内部通報事業者内部の窓口公益通報者保護法の第1号通報(内部公益通報)にあたる社内向けの通報
内部告発行政機関・報道機関など社外法律上の定義語ではない通称。第2号・第3号通報にあたる社外への通報を指すことが多い
公益通報内部・行政機関・外部のいずれも法が定める保護対象の通報全体。通報先により第1〜3号に分かれる
出典・参考資料(1件)

公益通報者保護法で企業に課される義務

内部通報制度をめぐって企業が確かめたいのは、「自社に義務があるか」「義務として何をそろえるか」「守らないと何が起きるか」という3つの問いです。ここからは、この順に沿って公益通報者保護法上の義務を整理します。

自社に内部通報制度の義務はある?(常時使用労働者300人超の判定)

整備義務があるかどうかは、常時使用する労働者の数で決まります。300人を超える事業者は体制整備が義務、300人以下は努力義務です。この線引きは2022年(令和4年)6月1日から適用されています。

常時使用する労働者の数体制整備の位置づけ求められること
300人超(301人以上)法的義務従事者の指定と体制整備を必ず行う
300人以下努力義務整備に努める(未整備でも直ちに違法ではない)
人数に含める労働者の範囲扱い
正社員含む
パート・アルバイト・契約社員・非正規社員・出向者臨時的な雇用でなければ含む
派遣労働者派遣先・派遣元の双方で含む
繁忙期など一時的な雇用含まない
数える単位原則として事業者(法人)単位

公益通報者保護法は「300人超は義務」と直接書いているわけではありません。第11条第1項・第2項で従事者の指定と体制整備をすべての事業者の義務として定めたうえで、第11条第3項が300人以下の事業者について語尾を「努めなければならない」に読み替える構造をとっています。この読み替えにより、300人以下は努力義務に緩められる、と読むのが正確です。

3 常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者については、第一項中「定めなければ」とあるのは「定めるように努めなければ」と、前項中「とらなければ」とあるのは「とるように努めなければ」とする。

出典:公益通報者保護法 第11条第3項|e-Gov法令検索

判定でつまずきやすいのが、人数の数え方です。消費者庁のQ&Aによれば、繁忙期などに一時的に雇う場合を除き、常態として使用する労働者を数えます。パートタイム労働者・アルバイト・契約社員も、臨時的な雇用でなければ人数に含まれます。原則は事業者(法人)単位で数えます。

派遣労働者の扱いも見落とせません。消費者庁は「派遣先における派遣労働者については、派遣先及び派遣元の双方において、『常時使用する労働者』に含まれます」としています。派遣スタッフを多く受け入れている企業では、この双方カウントによって300人の線を超えることがあります。

出典・参考資料(3件)

義務として求められること

義務対象となる場合、そろえるべき要素は消費者庁の指針(令和3年内閣府告示第118号)と、その指針の解説で具体化されています。抽象的な努力目標ではなく、次のような措置を実際に整える必要があります。

  • 従事者の指定:通報を受け、調査・是正にあたる担当者を「公益通報対応業務従事者」として書面などで定める
  • 受付・調査・是正の体制整備:部門横断的に通報を受け付け、調査し、是正措置をとる窓口と手順を用意する
  • 独立性・中立性・公正性の確保:通報対象となりうる経営幹部などから独立して機能する仕組みにする
  • 不利益取扱いの防止:通報を理由とした解雇・降格・減給などが起きないよう防止する
  • 範囲外共有の防止(守秘):通報者を特定させる情報を、必要な範囲を超えて共有しないようにする
  • 実効性の確保:教育・周知、運用状況の点検・是正など、制度を形だけにしない取り組みを継続する

これらは指針の解説の柱立てに沿った項目で、窓口を「設置して終わり」にしないための要件です。とくに独立性と守秘は、通報者が安心して声を上げられるかどうかを左右する要になります。

出典・参考資料(1件)

違反した場合の罰則・リスク

「守らないと何が起きるか」を意思決定の材料として押さえておきましょう。現行の公益通報者保護法で刑事罰が定められているのは、従事者の守秘義務違反です。通報者を特定させる情報を正当な理由なく漏らした従事者は、30万円以下の罰金に処されます。

第十二条 公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務従事者であった者は、正当な理由がなく、その公益通報対応業務に関して知り得た事項であって公益通報者を特定させるものを漏らしてはならない。
第二十一条 第十二条の規定に違反して同条に規定する事項を漏らした者は、三十万円以下の罰金に処する。

出典:公益通報者保護法 第12条・第21条|e-Gov法令検索

体制整備義務そのものに違反した場合は、直ちに罰金が科されるわけではありません。内閣総理大臣(消費者庁)が報告を求め、助言・指導・勧告を行い、勧告に従わなければその旨を公表できる、という段階を踏みます(第15条・第16条)。現行法に「命令」や「過料」の定めはありませんが、行政による公表は企業の信用に直接響きます。

通報者への報復も見過ごせません。公益通報を理由とする解雇は無効とされ(第3条)、降格・減給・退職金の不支給といった不利益な取扱いは禁止されています(第5条)。これらは民事上の効果と禁止規定であり、報復そのものへの刑事罰は現行法にはありません。ただし後述の2026年12月改正で、解雇・懲戒に対する直罰が新設される点は分けて理解しておく必要があります。

通報者への報復は、裁判でも違法・無効と判断されてきました。取引先社員の引き抜き行為を社内のコンプライアンス窓口へ通報した社員が、その後に配置転換を命じられた事案があります。東京高裁は2011年(平成23年)8月31日、配転に業務上の必要性はなく通報への報復の意図に基づくものだとして、人事権の濫用にあたり違法・無効と判断しました。

最高裁も2012年に会社側の上告を退け、判決は確定しています。通報を理由とする不利益取扱いは、法の禁止規定に反するだけでなく、裁判で人事措置そのものが無効と判断されることもあります。

出典・参考資料(2件)

【2026年12月改正】公益通報者保護法の改正で何が変わる

改正公益通報者保護法は令和7年(2025年)6月4日に成立し、同月11日に令和7年法律第62号として公布されました。施行は2026年(令和8年)12月1日で、2026年9月時点ではまだ施行されていません。現行法と改正法を取り違えると記述の信頼が崩れるため、時系列を分けて押さえます。

公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和7年法律第62号) 標記法律については、令和7年3月4日に国会に法案を提出し、同年4月24日に衆議院において修正議決され、同年6月4日に参議院において可決され、成立しました。その後、同月11日に令和7年法律第62号として公布されました。この法律は、令和8年12月1日から施行されます。

出典:公益通報者保護法と制度の概要(令和7年改正について)|消費者庁
公益通報者保護法の現行法と改正法の時系列を示した図。2022年6月1日に現行法の体制整備義務が適用され、常時使用する労働者300人超の事業者に体制整備が義務づけられた。2025年6月11日に改正法が令和7年法律第62号として公布され(同年6月4日成立)、2026年12月1日に施行予定でフリーランスの保護追加や解雇・懲戒への直罰などが効力を持つ。2026年9月時点では改正法は未施行で現行法が適用中。

改正で変わる主な点は次のとおりです。いずれも2026年12月1日の施行後に効力を持つ、これからの変更です。

観点現行法(2022年6月1日〜)改正法(2026年12月1日施行予定)
保護対象労働者・退職者・役員など特定受託業務従事者(いわゆるフリーランス)を追加
通報妨害・探索明文の禁止規定なし通報を妨げる行為の禁止、通報者を特定する目的の探索の禁止を新設
報復への刑事罰解雇は無効・不利益取扱いは禁止(刑事罰なし)公益通報を理由とする解雇・懲戒への直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)を新設。法人には両罰規定で3,000万円以下の罰金
行政措置助言・指導・勧告・公表勧告に従わない場合の命令、命令違反への30万円以下の罰金、立入検査を新設
立証の負担通報が理由であることの立証は通報者側の負担になりやすい通報から1年以内の解雇などは通報を理由とすると推定する規定を新設

とくに影響が大きいのが直罰の新設です。改正後は、公益通報を理由に解雇・懲戒などの不利益取扱いを行った個人に6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金が科され、法人にも両罰規定で3,000万円以下の罰金が及びます。あわせて、通報から1年以内の不利益取扱いは通報が理由と推定されます。

これらはいずれも2026年12月1日の施行後に効力を持つ、まだ施行されていない変更です。施行までに現行の体制を点検し、改正内容に合わせて見直しておくことが求められます。

出典・参考資料(1件)

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内部通報制度の導入・整備の流れ

ここからは、内部通報制度を実際に整えるときの流れを整理します。消費者庁は内部規程の例や通報受付票の例、研修動画などをまとめた「内部通報制度導入支援キット」を公開しており、細目はこうした公式のひな形に沿って進められます。おおまかな手順は次のとおりです。

内部通報制度の導入・整備の流れを4ステップで示した図。STEP1は窓口と責任者を決める(社内に置くか外部委託か、義務対象は独立性も確認)、STEP2は対応にあたる担当者を公益通報対応業務従事者として書面で指定し守秘・手順を研修、STEP3は受付方法・調査手順・通報者保護・秘密保持・是正措置を内部規程に整備、STEP4は制度の使い方と通報しても不利益を受けないことを全社に周知する。
  1. 窓口の設置場所と責任者を決める:通報窓口を社内に置くか外部に委託するか、通報対応の責任者を誰にするかを決めます。義務対象なら、経営幹部などから独立して機能する体制にできるかもあわせて確認します。
  2. 従事者を書面で指定し、研修する:通報を受け調査・是正にあたる担当者を「公益通報対応業務従事者」として書面で定め、守秘義務や対応手順を研修で身につけてもらいます。
  3. 内部規程・対応マニュアルを整備する:通報対象の範囲・受付方法・調査手順・通報者保護と不利益取扱いの禁止・秘密保持・是正措置を規程に盛り込みます。消費者庁の導入支援キットに規程例や受付票の様式があります。
  4. 全社に周知する:制度の存在と使い方、そして通報しても不利益を受けないことを従業員・役員に周知し、誰もがいつでも使える状態にします。

整備で終わりにしないことも重要です。通報を受け付けたら、調査の要否を判断し、事実を確認し、必要な是正措置をとり、可能な範囲で通報者に結果を伝える運用を回します。通報が届いても放置される、あるいは通報者が特定されて不利益を受けるといったことが起きれば、制度は使われなくなり形骸化します。定期的な運用点検と教育の継続が、制度を機能させる条件です。

出典・参考資料(1件)

周知や教育は一度で終わらせず、繰り返し続けることで制度が定着します。全社への教育手段としてコンプライアンス研修のeラーニングを使う場合は、教材テーマ・料金・選び方を次の記事で比較しているので、教材選定の参考にできます。

通報窓口の種類と選び方

制度を理解したら、次の一歩は「窓口をどう用意するか」です。消費者庁のQ&Aは、窓口を事業者内部に置くほか、外部委託先や親会社などの外部に置くこと、内部と外部の双方に置くことも可能としています。これにより社内・社外・併用の3つの形が選べます。

設置形態メリット留意点
社内窓口自社の事情に通じ、初動が速い。コストを抑えやすい顔見知りへの通報となり、通報をためらう人が出やすい。独立性の確保が課題
社外窓口(外部委託)通報者が匿名性・中立性を感じやすく、受付の専門性が高い。多言語・夜間対応も委託できる委託費用がかかる。委託先との情報連携の設計が必要
社内外の併用通報者が相談しやすい方を選べ、通報の間口が広がる2系統の運用ルールと情報共有の整理が必要

外部委託先には、弁護士・法律事務所と、専門の通報窓口サービスの2つの流れがあります。選ぶときは、コスト、経営陣からの独立性、受付の専門性、多言語対応の有無、匿名通報への対応、受付後の調査助言まで含むかといった軸で比べると判断しやすくなります。

弁護士を窓口にする場合は、利益相反に注意が必要です。消費者庁のQ&Aは、顧問弁護士を内部公益通報の受付窓口とすることについて、「顧問弁護士等が事業者側に立つのではないかとの懸念等から、内部公益通報をすることを躊躇する者が存在し、そのことが通報対象事実の早期把握を妨げるおそれがあることに留意することが必要」と述べています。

通報対応の調査を外部委託する場合も、中立性・公正性や利益相反への留意が求められます。こうした利益相反を避けやすい点から、独立性を確保しやすい社外窓口として専門の通報窓口サービスが選択肢になります。

出典・参考資料(1件)

窓口を社内・社外・併用のどの形にするかは、自社の体制や独立性の確保しやすさによって最適解が変わります。以下の記事では、内部通報窓口の設置義務の考え方や、社内・社外・併用それぞれの向き・不向き、外部委託先の選び方をより詳しく掘り下げています。窓口の形を具体的に決めたい段階の方はあわせてご覧ください。

内部通報窓口の受託運営・外部委託サービス

社外窓口を用意するなら、内部通報の受付を専門に担う外部委託サービスが選択肢になります。受付チャネル・多言語対応・匿名対応・受付後の助言範囲・セキュリティ認証はサービスごとに違うため、まず全体像を並べて比べてみましょう。以下では代表的なサービスを紹介します。

← 横にスクロールできます →
サービス名NAVEX One プラットフォーム企業倫理ホットライン(ダイヤル・サービス)リスクホットライン®(エス・ピー・ネットワーク)DQヘルプライン(ディー・クエスト)AI通報窓口(NaLaLys)
提供形態(窓口タイプ)グローバルGRC統合型
(内部通報を含む統合基盤)
内部通報・ハラスメント相談の
外部委託窓口
危機管理専門会社が運営する
第三者(社外)窓口
内部通報の第三者窓口
(Web匿名双方向システム)
AIによる内部通報の
一次受付窓口
受付チャネルWeb・電話ホットライン電話・WEB・チャット
(WEBは24時間365日)
電話・メール・Web
(平日9:00〜18:00)
Web・電話・メール
(24時間有人監視)
AIチャットボット
(24時間365日)
対応言語75言語以上
(AI翻訳含む)
電話7言語/WEB15言語以上要問い合わせWeb36言語以上/電話 英中韓要問い合わせ
匿名・秘匿対応
主な特徴内部通報にポリシー管理・研修・第三者リスク管理を統合したGRC基盤。グローバル13,000社以上・日本約100社が導入。2025年10月に日本オフィスを開設し日本語対応社労士・産業カウンセラー・公認心理師など有資格の相談員が対応。労働・人間関係の相談も受付。約3,000社が利用全案件に自社見解を付与し、通報後の危機管理対応まで支援。利用法人1,200社・年間受付2,292件(2023年度)Web匿名双方向システムで多言語・グローバル対応(GDPR対応)。2003年開始、3,200社が導入(2025年5月現在)通報の一次受付をAIチャットボットが担い、5W1Hで整理・ダッシュボードで案件管理。社内・社外・併用のいずれの設置形態にも対応
料金目安要問い合わせ
(個別見積もり)
要問い合わせ
(従業員規模等で見積もり)
要問い合わせ
(従業員数等で見積もり)
要問い合わせ
(Lite版あり)
要問い合わせ
詳細情報詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト
NAVEX One プラットフォーム公式サイト

NAVEX One は、グローバル拠点を持つ大企業やIPO準備企業に向く、米NAVEX Global社の統合型GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)プラットフォームです。内部通報のEthicsPointとWhistleBを中核に、ポリシー管理・第三者リスク管理・コンプライアンス研修・統合リスク管理までを単一基盤で扱います。

EthicsPointはNAVEXが世界初と説明する内部通報ホットラインとして登場し、150以上の国と地域で使われています。通報者の匿名性・秘匿性を守る設計で、氏名やIPアドレスを開示せずに通報でき、匿名のままでも担当者と追加のやり取りを続けられます。

2025年10月には日本オフィスを開設し、導入から運用・サポートまで日本語で対応できる体制を整えました。AI翻訳を含め75言語以上をカバーし、海外拠点を持つ企業の通報窓口を1つの基盤に集約できる点が特徴です。

グローバルで13,000社以上、日本国内では約100社の導入実績があり、日本の売上高上位100社のうち23社が採用しています。料金は個別見積もりで、通報単機能から段階的に導入することもできます。

2. 企業倫理ホットライン(ダイヤル・サービス)

企業倫理ホットライン(ダイヤル・サービス)公式サイト

ダイヤル・サービス株式会社は、1969年設立の相談窓口運営を専業とする会社です。同社が提供する企業倫理ホットラインは、内部通報とハラスメント相談を受け付ける外部委託窓口です。社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・公認心理師といった有資格の相談員が、実名・匿名いずれの通報にも対応します。不正や違反だけでなく、労働環境や人間関係の相談も受け付ける点が特徴です。

受付は、電話(フリーダイヤル)に加え、WEBが24時間365日、スマートフォンのチャットにも対応します。多言語は電話で7言語、WEBで15言語以上をカバーします。2021年7月からは、通報を受け付けたあとの企業側の対応を助言するサービスも追加しました。公式サイトには約3,000社の企業・大学が利用中と記載されています。料金は従業員規模などに応じた見積もりで、問い合わせが必要です。

3. リスクホットライン®(エス・ピー・ネットワーク)

リスクホットライン®(エス・ピー・ネットワーク)公式サイト

通報を受け付けるだけでなく、案件ごとに危機管理会社としての見解や助言を付ける運用が持ち味の第三者(社外)窓口サービスです。運営元の株式会社エス・ピー・ネットワークは、反社対応・不祥事対応・危機管理広報を本業とする企業危機管理の専門会社で、2003年からこの窓口を運営しています。公式サイトでは「全案件に当社見解が付く」と説明しています。

受付チャネルは電話・メール・Webで、対応時間は平日9:00〜18:00です。匿名通報にも対応します。2023年度の実績として、利用法人数1,200社、年間の通報受付数2,292件、累計対応17,000件以上を公表しています。受付を代行するだけでなく、通報後の対応まで支援する運用を求める企業に向いています。料金は従業員数などに応じた個別見積もりです。

4. DQヘルプライン(ディー・クエスト)

DQヘルプライン(ディー・クエスト)公式サイト

Webを使った匿名双方向の通報システムを軸とし、2007年に特許も取得しているのがDQヘルプラインです。株式会社ディー・クエストが2003年から提供する内部通報の第三者窓口で、多言語・グローバル対応が強みです。Web窓口は36言語以上、電話窓口は英語・中国語・韓国語に標準対応します。2018年にドイツ・フランクフルトへ拠点を設け、GDPR(EU一般データ保護規則)など海外法制にも対応しています。

受付はWeb・電話・メールで、24時間365日の有人監視を敷いています。導入実績は3,200社(2025年5月現在)です。標準版のほかにLite版もあり、海外拠点や外国人従業員を抱える企業が、多言語で独立性のある通報ルートを一括で整えたい場合に候補になります。料金は要問い合わせです。

5. AI通報窓口(NaLaLys)

AI通報窓口(NaLaLys)公式サイト

「AIコンプライアンステック」を掲げる株式会社NaLaLys(2023年設立)が提供する、AIチャットボットによる内部通報の一次受付サービスです。従来は有人で担っていた通報の初回ヒアリングから内容整理、レポート作成までをAIが代替し、24時間365日の受付と対応品質の標準化を図る点が新しい発想です。通報内容は5W1Hで整理され、ダッシュボードで案件を一元管理できます。

記名・匿名のいずれでも通報者と継続的にやり取りでき、社内窓口としての利用、外部弁護士が設置する社外窓口としての利用、既存の顧問弁護士窓口との併用のいずれの形にも組み込めます。社内コミュニケーションを生成AIが解析して不正の兆候を検出する「AI不正検知」も別プロダクトとして提供しており、受動的な受付と能動的なモニタリングを同じベンダーで揃えられます。

データは国内サーバーで管理し、入力データを学習に利用しない方針を掲げています。料金は要問い合わせです。

他社の内部通報制度の整備状況

「他社はどこまで整備できているのか」は、自社の対応水準を測るうえで気になるところです。ここで示す数値は、いずれも消費者庁の同一調査(令和5年度実態調査・令和6年4月公表)によるもので、平成28年度の前回調査と比較した数字も含みます。この調査によれば、内部通報制度の整備は義務対象を中心に広がっています。

従業員数300人超の事業者(1,905者)の92%が制度を「導入している」と回答しており、平成28年度調査時(82%)と比べて、10%ポイント増加した。また、300人以下の事業者(1,488者)についても、47%が「導入している」と回答し、前回調査時(26%)から21%ポイント増加した。

出典:民間事業者の内部通報対応 ‐実態調査結果概要‐(令和6年4月)|消費者庁

同じ調査では、300人超の事業者のうち上場企業(996者)のほぼ全てが導入済みである一方、非上場事業者(907者)の17%は導入していないと回答しています。導入していても、窓口の年間受付件数が0件・1〜5件または把握していないと答えた事業者は全体(2,448者)の65%にのぼり、制度はあっても十分に使われていない実態がうかがえます。

義務対象であれば整備は当然の前提で、そのうえで通報が実際に届き機能する運用にできているかが、次の課題として浮かび上がります。

まとめ

内部通報制度は、社内の不正や法令違反を通報として受け付け、通報者を守りながら調査・是正する社内の仕組みです。常時使用する労働者が300人を超える事業者には、公益通報者保護法により体制整備が義務づけられ、従事者の指定・体制整備・守秘・不利益取扱いの防止などが求められます。守秘義務違反には30万円以下の罰金、義務違反には勧告・公表という現行のリスクがあります。

2026年12月1日に施行される改正法では、フリーランスの保護対象への追加、通報妨害・探索の禁止、解雇・懲戒への直罰の新設など、通報者保護が一段と強化されます。施行までに現行の体制を点検し、改正内容に合わせて見直しておくことが欠かせません。制度を整えたら、社内・社外・併用のどの形で窓口を用意するかを、独立性やコスト、多言語対応などの軸で判断し、必要に応じて外部委託サービスの活用を検討しましょう。

MCB FinTechカタログでは、内部通報窓口をはじめとするコンプライアンス支援サービスの資料をまとめて確認できます。自社の体制づくりの検討にお役立てください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 内部通報制度とは何ですか?

A. 内部通報制度とは、社内で起きた不正や法令違反(またはその疑い)を、従業員などからの通報として社内の窓口で受け付け、通報者を守りながら調査・是正する仕組みです。公益通報者保護法では「内部公益通報対応体制」と正式に呼ばれ、問題を報道機関など外部に持ち出される前に、組織が自ら把握して正すための入口にあたります。

Q. 内部通報制度の整備はすべての企業に義務づけられていますか?

A. 内部通報制度の整備義務は企業規模で分かれ、常時使用する労働者が300人を超える事業者は法的義務、300人以下の事業者は努力義務です(公益通報者保護法第11条)。この線引きは2022年6月1日から適用されており、300人以下の事業者も未整備で直ちに違法とはならないものの、体制の整備に努めることが求められます。

出典・参考資料(1件)

Q. 内部通報制度の300人の判定にはパートや派遣社員も含めますか?

A. 内部通報制度の義務判定に用いる「常時使用する労働者」には、繁忙期だけの一時的な雇用を除き、パートタイム労働者・アルバイト・契約社員も含まれ、派遣労働者は派遣先・派遣元の双方でカウントされます。派遣スタッフを多く受け入れている企業では、この双方カウントによって300人の線を超えることがあるため、正社員だけで判断しないよう注意が必要です。

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Q. 内部通報と内部告発はどう違いますか?

A. 内部通報と内部告発の違いは通報先にあり、内部通報は事業者内部の窓口に向けた通報、内部告発は行政機関や報道機関など社外に向けた通報を指します。公益通報者保護法は通報先を、内部(第1号)・権限を持つ行政機関(第2号)・報道機関など外部(第3号)の3類型に分けており、内部通報は第1号通報にあたります。

ただし「内部告発」は法律上の定義語ではなく、第2号・第3号通報にあたる社外通報を指す通称として使われます。

Q. 2026年12月施行の改正公益通報者保護法で何が変わりますか?

A. 2026年12月1日に施行される改正公益通報者保護法では、保護対象へのフリーランス(特定受託業務従事者)の追加、通報妨害や通報者を特定する探索行為の禁止、公益通報を理由とする解雇・懲戒への刑事罰(直罰)の新設などが行われます。2025年6月に令和7年法律第62号として公布された改正で、2026年9月時点ではまだ施行されておらず、現行法と取り違えないよう区別して押さえる必要があります。

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Q. 内部通報の通報窓口は社内と社外のどちらに設置すべきですか?

A. 内部通報の通報窓口は社内・社外・併用のいずれも選べ、通報者の独立性・匿名性を重視するなら社外(外部委託)窓口、初動の速さやコストを重視するなら社内窓口が向きます。消費者庁のQ&Aは内部・外部の双方に窓口を置くことも認めており、通報の間口を広げたい場合は併用も選択肢になります。

自社に合う形は、コスト・経営陣からの独立性・受付の専門性・多言語対応・匿名通報への対応といった軸で比べると判断しやすくなります。

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Q. 顧問弁護士を内部通報の窓口にしてもよいですか?

A. 顧問弁護士を内部通報の窓口にすること自体は可能ですが、通報者が「顧問弁護士は会社側に立つのではないか」と懸念して通報をためらい、不正の早期把握を妨げるおそれがある点に留意が必要だと消費者庁のQ&Aは述べています。通報対応の調査を外部委託する場合も中立性・公正性や利益相反への留意が求められるため、独立性を確保しやすい社外窓口として専門の通報窓口サービスが選択肢になります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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