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請求書の保管義務とは?原本・控えの保存期間・起算点と紙の破棄条件を解説

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取引先から受け取った請求書の原本や、自社が発行した請求書の控えは、法律で一定期間の保存が義務付けられています。2023年10月のインボイス制度の開始と、2024年1月からの電子取引データ保存の本格化により、「原本を何年とっておけばよいのか」「紙のまま保管すべきか、電子化して原本を捨ててよいのか」を、あらためて確認したい場面が増えています。

本記事では、受け取った請求書の原本と自社が発行した控えについて、法人・個人事業主・インボイス発行事業者の立場別に保存期間と起算点を、根拠となる条文とともに整理します。あわせて、紙のまま保管する場合と電子保存する場合の扱い、スキャナ保存の要件を満たせば紙原本を破棄できる条件、電子で受け取った請求書の保存方法までを解説します。

さらに、保存義務を守らなかった場合にどのような不利益があるかを整理し、電子帳簿保存法の要件を満たした保存を無理なく続けるための電子帳票システムについてもご紹介します。自社の保管ルールを決めるための材料としてご活用ください。

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請求書の原本・控えの保存期間は何年?【立場別一覧表】

受け取った請求書の原本や自社が発行した控えは、事業者の立場によって保存が必要な期間が変わります。まずは自社が当てはまる立場の保存期間を、下の一覧表で確認してください。年数だけでなく、いつから数えるかという起算点も、破棄してよい時期を判断するうえで欠かせません。

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立場法人法人(欠損金の繰越がある事業年度)個人事業主(消費税は免税・所得税のみ)個人事業主(消費税の課税事業者)インボイス発行事業者(交付した適格請求書の控え)
保存期間7年10年
(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年)
5年
(受け取った請求書などの書類)
7年7年
起算点確定申告書の提出期限の翌日(事業年度終了日の翌日から2か月を経過した日)確定申告書の提出期限の翌日翌年3月15日の翌日課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日
根拠法令法人税法施行規則59条・67条国税庁No.5930(法人税法施行規則)所得税法施行規則63条消費税法施行令50条消費税法57条の4・消費税法施行令70条の13

※2026年9月時点の各法令・国税庁公表情報にもとづきます。帳簿や決算関係書類は上表と保存期間が異なる場合があります。

法人が受け取った請求書などの書類は、原則として7年間の保存が必要です。国税庁は保存期間について、次のように示しています。

その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。

出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

個人事業主が受け取った請求書などの書類は、所得税の扱いでは原則5年間の保存で足ります。ただし、消費税の課税事業者やインボイス発行事業者は、仕入税額控除や控えの保存の要件として7年間の保存が必要なため、実務上は長いほうの7年に合わせて保管しておくと確実です。

また、会社法は会計帳簿とその事業に関する重要な資料を10年間保存すると定めています。請求書などの証憑をこの重要な資料に含めて考える立場もあり、法人の場合は税務上の7年より長い10年を目安に保管しておくと、より確実です。

出典・参考資料(5件)

保存期間の起算点はいつから?

保存期間は、請求書を受け取った日や発行した日からではなく、税ごとに定められた起算点から数えます。ここを取り違えると、まだ保存が必要な書類を早く捨ててしまう恐れがあるため、自社に関わる税の起算点を正確に押さえておくことが大切です。

法人税では、起算点は確定申告書の提出期限の翌日です。法人税の確定申告書の提出期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内とされているため、法人税法施行規則でも起算日を次のように定めています。

前項に規定する起算日とは、帳簿についてはその閉鎖の日の属する事業年度終了の日の翌日から二月(…)を経過した日をいい、書類についてはその作成又は受領の日の属する事業年度終了の日の翌日から二月を経過した日をいう。

出典:法人税法施行規則 第59条第2項|e-Gov法令検索

たとえば3月末決算の法人であれば、確定申告書の提出期限は5月末、その翌日である6月1日が起算点です。ここから7年後の5月末までが保存期間となります。

個人事業主の所得税では起算点が異なり、書類を作成または受領した年の翌年3月15日の翌日から数えます。たとえば2026年中に受け取った請求書なら、2027年3月16日から5年後(消費税の課税事業者は7年後)までが保存期間です。消費税では課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日が起算点となり、法人税・所得税とはさらに別の数え方になります。

出典・参考資料(3件)

受け取った請求書は紙のまま保管?電子保存で原本を捨てられる?

請求書の保管方法は、紙で受け取ったか電子データで受け取ったかで扱いが分かれます。紙で受け取った請求書は原本の保存が原則ですが、要件を満たせば電子化して紙を破棄できます。一方、電子データで受け取った請求書は、電子のまま保存することが義務付けられています。それぞれの条件を順に確認します。

受け取った請求書の保存方法の分岐図。紙で受け取った請求書は原本の保存が原則で、スキャナ保存の要件(真実性の確保・可視性の確保)を満たせば紙原本を破棄できる。電子データで受け取った請求書は電子取引に該当し、電子データのまま保存することが義務で、紙に印刷して保存するだけでは要件を満たさない。

紙で受け取った請求書:スキャナ保存の要件を満たせば原本を破棄できる

紙で受け取った請求書は、そのまま原本を保存するのが原則です。ただし電子帳簿保存法では、一定の要件を満たしてスキャンし電子データとして保存する「スキャナ保存」を行えば、紙原本の保存に代えることが認められています。

…保存義務者は、国税関係書類(…)の全部又は一部について、当該国税関係書類に記載されている事項を財務省令で定める装置により電磁的記録に記録する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えることができる。

出典:電子帳簿保存法 第4条第3項|e-Gov法令検索

「財務省令で定めるところにより」とあるとおり、紙原本を破棄してよいのは、あくまで要件を満たした場合に限られます。国税庁が示すスキャナ保存の主な要件は、大きく真実性の確保と可視性の確保に分けられます。

  • 真実性の確保:入力期間内にタイムスタンプを付与する、または訂正・削除の履歴が残る(もしくは訂正・削除ができない)システムで保存する
  • 可視性の確保:14インチ以上のカラーディスプレイ・カラープリンタ・操作説明書を備え、整然とした形式で速やかに出力できるようにする。取引年月日・取引金額・取引先で検索できる検索機能を確保する

これらの要件を満たしたうえでスキャナ保存を行えば、紙の請求書原本は破棄できます。要件を満たさないまま紙を捨てると保存義務を果たしたことにならないため、導入時には要件への適合を確認しておくことが重要です。

真実性・可視性のそれぞれには、入力期間やタイムスタンプ、検索項目など細かな条件が定められています。紙原本を破棄してよいかを要件ごとに確認したい場合は、スキャナ保存の要件一覧と原本廃棄の条件をまとめた以下の記事もあわせてご覧ください。

出典・参考資料(3件)

電子で受け取った請求書:電子データのまま保存が義務

メールに添付されたPDFや、取引先のシステムからダウンロードした請求書など、電子データでやり取りした請求書は「電子取引」に該当します。電子取引で受け取った請求書は、電子帳簿保存法により電子データのまま保存することが義務付けられており、紙に印刷して保存するだけでは要件を満たしません。

申告所得税・法人税に関して帳簿・書類を保存する義務のある方が、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。

出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(電子取引データの保存)|国税庁

電子取引データを保存する際は、紙のスキャナ保存と同様に、改ざんを防ぐ措置とあとから探し出せる検索性の両方を満たす必要があります。国税庁が示す主な要件は次のとおりです。

  • 改ざん防止の措置:タイムスタンプの付与や、訂正・削除の履歴が残る(もしくは訂正・削除ができない)システムでの保存、または訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する
  • 検索機能の確保:取引年月日・取引金額・取引先で検索できるようにする
  • 見読可能性の確保:ディスプレイ・プリンタ・操作説明書を備え、画面や書面に整然と速やかに出力できるようにする

この電子取引データの保存義務は、2022年1月から2023年12月までは書面出力での保存を認める経過措置がありましたが、2024年1月以降は本格的に適用されています。

ただし、令和5年度の税制改正で新たな猶予措置が設けられました。対応が間に合わない相当の理由があると税務署長が認め、かつ税務調査の際にデータのダウンロードの求めや書面の提示に応じられる場合には、検索機能などの要件を満たさなくても電子データの保存が認められます。国税庁は相当の理由について次のように説明しています。

例えば、システム等の整備が間に合わない場合など、原則的なルールに従って電子取引データの保存を行うための環境が整っていない事情がある場合が該当します。ただし、システム等の整備が整っていて原則的なルールに従って電子取引データの保存ができるにもかかわらず、資金繰りや人手不足等の特段の事情がなく、電子取引データをルールに従って保存していない場合には、相当の理由があるとは認められませんので、猶予措置の適用は受けられません。

出典:電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】|国税庁

猶予措置はあくまで例外的な取り扱いであり、原則は電子データのまま保存することです。電子で受け取った請求書を印刷して原本扱いにするのではなく、保存要件を満たした形で電子的に残す運用を整えておくのが安全です。

出典・参考資料(2件)

発行した請求書の控えにも保存義務はある?

保存義務は、受け取った請求書だけでなく、自社が発行した請求書の控えにもあります。特にインボイス制度の適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写し(控え)を保存することが義務付けられています。消費税法では、次のように定めています。

適格請求書、適格簡易請求書若しくは適格返還請求書を交付し、又はこれらの書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を提供した適格請求書発行事業者は、政令で定めるところにより、これらの書類の写し又は当該電磁的記録を保存しなければならない。

出典:消費税法 第57条の4第6項|e-Gov法令検索

この写しの保存期間は7年間で、交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から数えます。区分記載請求書等保存方式の時代には、発行した請求書の写しの保存を直接求める規定はありませんでしたが、インボイス制度では控えの保存が発行事業者の義務として明確に定められました。受け取った請求書(買い手側)と発行した控え(売り手側)の双方に保存義務がある点を押さえておきましょう。

出典・参考資料(2件)

保存義務を守らないとどうなる?違反時の不利益

請求書の保存義務を守らなかった場合、税務上の不利益を受ける可能性があります。ここでは代表的な3つの不利益を、根拠となる規定とともに整理します。

青色申告の承認が取り消される可能性がある

帳簿書類の保存が法令で定められた方法で行われていない場合、税務署長は青色申告の承認を取り消すことができます。法人・個人それぞれに規定があり、法人については法人税法で次のように定めています。

その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第一項に規定する財務省令で定めるところに従つて行われていないこと

出典:法人税法 第127条第1項第1号|e-Gov法令検索

個人事業主についても、所得税法第150条第1項第1号に同様の規定があります。いずれも「取り消すことができる」という規定で、軽微な不備で直ちに取り消されるとは限りませんが、帳簿書類の保存が定められた方法で行われていない状態は取消しの対象になり得ます。青色申告の承認が取り消されると、青色申告特別控除や欠損金の繰越しといった特典を受けられなくなり、影響は取り消された年度にとどまりません。

出典・参考資料(2件)

消費税の仕入税額控除が否認される

消費税の課税事業者にとって、受け取った請求書などの保存は仕入税額控除を受けるための要件です。保存がない場合、その分の仕入税額控除は認められません。

…事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等(…)を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れ(…)に係る課税仕入れ等の税額については、適用しない。

出典:消費税法 第30条第7項|e-Gov法令検索

仕入税額控除が否認されると、その分だけ納付すべき消費税額が増えます。災害その他やむを得ない事情で保存できなかったことを証明した場合を除き、保存漏れは直接的な税負担の増加につながります。

電子データの改ざんには重加算税が加重される

スキャナ保存した電子データや電子取引データについて、記録された事項に隠蔽・仮装があり重加算税の対象となった場合には、通常の重加算税に10%が加算されます。

重加算税の額は、これらの規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、(…)百分の十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

出典:電子帳簿保存法 第8条第5項|e-Gov法令検索

この加重の対象は、スキャナ保存された電子データや電子取引データに記録された事項に隠蔽・仮装があった場合に限られます。紙の書類一般に一律で適用されるものではありませんが、電子化を進めるほど、データの正確性と保存要件の遵守が重要になります。

出典・参考資料(2件)

電子帳簿保存法の要件を満たす保存を仕組みで担保する

保存年数や起算点、電子保存の要件を人の手だけで守り続けるのは負担が大きく、担当者ごとの運用のばらつきも生まれやすくなります。請求書の受領・発行・保存を担う電子帳票システムを使えば、電子帳簿保存法の要件(真実性・可視性)を満たした保存を仕組みとして続けられます。ここでは、受け取った請求書の保存や発行した控えの保存に対応する主なサービスを紹介します。

以下は、ご紹介する電子帳票システムの比較表です。

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サービス名マネーフォワード クラウド債務支払マネーフォワード クラウド請求書PlusTOKIUMインボイスinvox受取請求書
主な対応業務受領・保存発行・保存受領・保存受領・保存
電帳法対応スキャナ保存・電子取引に対応電子取引・電子書類に対応スキャナ保存・電子取引に対応スキャナ保存・電子取引に対応
JIIMA認証スキャナ保存・電子取引ソフト認証電子取引・電子書類ソフト認証JIIMA認証取得スキャナ保存ソフト認証(invox電子帳簿保存)
インボイス対応
原本保管の代行受領代行(BPO)オプションで対応×発行側のため対象外紙原本を追加費用なしで保管×原本は自社側で保管・破棄
料金体系初期費用0円
月額2,480円〜(税抜・年払い。会計など12サービスを含むマネーフォワード クラウドのパッケージ料金)
中堅以上は要見積もり
初期費用・月額とも要問い合わせ
(発行件数・従業員数に応じて設定)
初期費用1万円〜/月
基本料金+請求書件数の従量課金
初期費用0円
月額980円〜(税抜)
+データ化1件50円〜
詳細情報オンライン相談を予約オンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。料金は税抜で、プランや請求書の件数により変動します。JIIMA認証は公益社団法人日本文書情報マネジメント協会による認証です。

どのサービスが向くかは、自社が抱える業務によって変わります。受け取った請求書の保存を効率化したいなら受領・保存に対応するサービス、発行した控えの保存を仕組み化したいなら発行に対応するサービスが軸になります。紙原本の保管も外部に任せたい場合は、原本の代行保管に対応するサービスが選択肢です。

ここで取り上げるのは、請求書の受領・発行・保存に対応する電子帳票システムの一部です。帳票の作成・配信から保管・管理まで幅広く見比べ、自社に合うものを選びたい場合は、以下の記事で選び方や機能、料金の考え方を詳しく解説しています。

1. マネーフォワード クラウド債務支払(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド債務支払のウェブサイト

株式会社マネーフォワードが提供する、請求書の受領から支払までを一連で扱う債務管理システムです。受け取った請求書をAI-OCRでデータ化し、社内の承認や振込データの作成、会計データとの連携までをオンラインで完結できます。

電子帳簿保存法への対応として、JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の「電帳法スキャナ保存ソフト認証」と「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しています。受け取った請求書の原本を要件に沿って電子保存する手段として活用でき、少人数の法人向けプランも用意されています。

2. マネーフォワード クラウド請求書Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド請求書Plusのウェブサイト

自社が発行する請求書の作成・送付を担うクラウド型の請求書発行システムで、成長企業やIPO準備企業向けと位置付けられています。発行した請求書の控え(写し)を電子帳簿保存法に対応した形で保存できるため、発行側の保存義務への対応手段になります。

公式の機能ページでは、JIIMAの「電子取引ソフト法的要件認証」と「電子書類ソフト法的要件認証」の2種類を取得していることが示されています。インボイス制度にも対応しており、適格請求書の発行と、その控えの保存を一つの仕組みで管理できます。

3. TOKIUMインボイス(株式会社TOKIUM)

TOKIUMインボイスのウェブサイト

郵送・メール添付・FAX・取引先サイトからのダウンロードなど、あらゆる形式で届く請求書を、TOKIUMが企業に代わって受領・スキャン・データ化する請求書受領サービスです。原本保管の観点で特徴的なのは、受領した紙の請求書原本を、TOKIUMが代理で保管する仕組みを備えている点です。

電子帳簿保存法についてはJIIMA認証を取得しており、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の管理、検索機能を備えています。紙原本の受け取りや保管の手間を自社で抱えたくない場合に、受領から保存までを外部に委ねられる選択肢となります。

4. invox受取請求書(株式会社invox)

invox受取請求書のウェブサイト

紙・メール・PDF・電子インボイスなど、届いた形式を問わず受け取った請求書をデータ化し、受領から入力・支払・仕訳までを自動化するクラウド型の請求書受領システムです。AI-OCRとオペレーターの入力を組み合わせてデータ化する仕組みで、インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しています。

付随する「invox電子帳簿保存」はJIIMAの「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得しています。従量課金のプランがあり、請求書の枚数が多くない小規模な事業者や個人事業主でも導入しやすい料金体系になっています。

まとめ

請求書の原本と控えの保存期間は、立場によって変わります。法人は原則7年(欠損金の繰越がある事業年度は10年)、個人事業主は所得税で原則5年、消費税の課税事業者は7年、インボイス発行事業者は交付した控えを7年保存します。起算点は税ごとに異なるため、破棄してよい時期を判断するときは自社に関わる税の起算点を正確に確認しましょう。

紙で受け取った請求書はスキャナ保存の要件を満たせば原本を破棄でき、電子で受け取った請求書は電子データのまま保存することが義務です。保存義務を怠ると、青色申告の承認取消し・仕入税額控除の否認・重加算税の加重といった不利益につながります。電子帳簿保存法の要件を満たした保存を無理なく続けるために、請求書の受領・発行・保存を担う電子帳票システムの活用も検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 請求書の原本とは何ですか?保存義務の対象になるのはどれですか?

A. 請求書の原本とは、取引先から受け取った請求書そのもの(紙なら現物、電子データならそのデータ)を指し、保存義務の対象になるのは、受け取った請求書の原本と、自社が発行した請求書の控え(写し)の両方です。紙で受け取ったものは原則として紙の原本を、電子データで受け取ったものは電子データのまま保存します。買い手側(受領)と売り手側(発行)のどちらにも保存義務がある点を押さえておきましょう。

Q. 請求書の原本・控えは最低何年保管すればよいですか?

A. 請求書の保管期間は立場によって異なり、法人は原則7年(欠損金の繰越がある事業年度は10年)、個人事業主は所得税で原則5年・消費税の課税事業者は7年、インボイス発行事業者は交付した控えを7年保存します。平成30年4月1日前に開始した事業年度の欠損金は9年です。個人事業主でも消費税の課税事業者やインボイス(適格請求書)の発行事業者は、長いほうの7年に合わせて保管すると確実です。

出典・参考資料(2件)

Q. 請求書の保存期間は受け取った日から数えるのですか?(起算点)

A. 保存期間は請求書を受け取った日や発行した日からではなく、税ごとに定められた起算点から数えます。法人税は確定申告書の提出期限の翌日、所得税は翌年3月15日の翌日、消費税は課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日が起算点です。起算点を取り違えると、まだ保存が必要な書類を早く破棄してしまう恐れがあるため、自社に関わる税の起算点で数えることが大切です。

出典・参考資料(3件)

Q. 紙で受け取った請求書は、スキャンすれば原本を捨ててもいいですか?

A. 紙の請求書原本は、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たして電子データとして保存すれば、破棄できます。要件は、入力期間内にタイムスタンプを付与する(または訂正・削除の履歴が残るシステムで保存する)真実性の確保と、ディスプレイ・プリンタの備付けや取引年月日・取引金額・取引先での検索機能を備える可視性の確保に大きく分かれます。

要件を満たさないまま紙を捨てると保存義務を果たしたことにならないため、破棄前に要件への適合を確認しておくことが重要です。

出典・参考資料(3件)

Q. メールで受け取ったPDFの請求書は、印刷して紙で保管してもいいですか?

A. メールに添付されたPDFなど電子データでやり取りした請求書は電子取引に該当し、紙に印刷して保存するだけでは要件を満たさず、電子データのまま保存することが義務付けられています。この電子取引データの保存義務は、2022年1月からの経過措置を経て2024年1月以降に本格適用されています。

システム整備が間に合わない相当の理由が税務署長に認められ、税務調査時にデータのダウンロードや書面提示に応じられる場合の猶予措置はありますが、原則は電子データのまま保存する運用を整えるのが安全です。

出典・参考資料(2件)

Q. 請求書の保管義務を守らないとどうなりますか?

A. 請求書の保存義務を怠ると、青色申告の承認取消し・消費税の仕入税額控除の否認・電子データの隠蔽仮装に対する重加算税の10%加重といった税務上の不利益を受ける可能性があります。仕入税額控除の否認は納付すべき消費税額の増加に直結し、青色申告の承認取消しは青色申告特別控除や欠損金の繰越しといった特典を失うため、影響は保存を怠った年度だけにとどまりません。

重加算税の加重は、スキャナ保存や電子取引で保存した電子データに記録された事項に隠蔽・仮装があった場合が対象です。

出典・参考資料(4件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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