拠点やサーバー、ネットワーク機器が増えるにつれ、手作業のPing確認や目視では障害の検知が追いつかなくなります。夜間や休日の突然のダウンに気づけず、原因の切り分けに時間を取られる——そうした運用の限界から、ネットワーク監視ツールの導入や見直しを検討する情報システム部門は少なくありません。
一方で、いざ選ぼうとすると「無料のOSS・商用・SaaSは何が違うのか」「どの監視方式が必要なのか」で迷い、ネットワークだけでなくサーバーまで見るべきかと、判断の入口でつまずきがちです。製品を横に並べて比べる前に、まず自社が向かうべき方向を定める必要があります。
本記事では、ネットワーク監視ツールの基礎(監視対象・監視方式)を押さえたうえで、無料OSS・商用(オンプレミス)・SaaS・クラウドという提供形態の分かれ目と、監視規模・対象範囲に応じた選び方を整理します。主要ツールをタイプ別に紹介し、比較表で機能・料金・対応監視方式も一覧できます。自社の検討方向と候補を絞り込む材料としてご活用ください。
また、自社に合うタイプを最短で見つけられるよう、選定診断ツールもご用意しています。いくつかの質問に答えるだけで候補を絞り込めるので、あわせてご活用ください。
目次
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ネットワーク監視ツールとは?
ネットワーク監視ツールとは、ネットワーク機器やサーバー、回線などの稼働状態や通信状況を継続的に監視し、障害や性能の劣化を検知して管理者に通知するソフトウェア・機器です。あらかじめ設定したしきい値を超えたり、機器が応答しなくなったりすると、メールやチャットでアラートを飛ばし、担当者が異常に早く気づけるようにします。
手作業でのPing確認や目視監視では、監視対象が数十・数百と増えるほど抜け漏れが生じ、障害の発見が遅れます。ネットワーク監視ツールは、こうした監視を自動化し、どこで何が起きているかを可視化することで、安定運用を支える役割を担います。
一方、不正アクセスや脅威の検知を主目的とする「ネットワークセキュリティ監視(NDR・SIEMなど)」は、本記事で扱う稼働・性能監視とは目的が異なる別カテゴリのツールです。本記事では、機器やサーバーが正常に動いているか、通信に問題がないかを見る運用監視のツールを対象とします。
稼働・性能の監視ではなく、不正アクセスや情報漏えいから社内を守るセキュリティ対策を検討したい場合は、端末・ネットワーク・ID・データ・監視運用といった「守る対象」別にタイプと代表サービスを整理した以下の記事が参考になります。
何を監視するのか(NW機器・サーバー・回線・クラウドと監視項目)
ここからは、ネットワーク監視ツールが具体的に何を監視するのかを整理します。監視対象は大きく、ネットワーク機器・サーバー・回線・クラウドに分かれます。
- ネットワーク機器:ルーター、スイッチ、ファイアウォール、無線LANアクセスポイントなどの稼働状態やトラフィック
- サーバー:物理・仮想サーバーのCPU・メモリ・ディスク使用率、プロセスやサービスの稼働状況
- 回線・通信:拠点間やインターネット回線の帯域使用率、通信の遅延やパケットロス
- クラウド:クラウド上の仮想マシンやサービスの稼働状況(対応するツールの場合)
監視項目としては、機器が応答するかどうかの「死活(稼働)」、CPUやメモリなどの「リソース使用率」、通信量を示す「トラフィック・帯域」、応答速度を示す「遅延(レイテンシ)」などがあります。どの対象を、どこまで細かく監視するかは、ツールの対応範囲と自社の運用要件によって決まります。
ネットワーク監視ツールを導入するメリット
続いて、導入によって運用現場の何が変わるのかを見ていきます。効果は大きく3つに整理できます。
1つ目は、障害検知の自動化です。機器のダウンやしきい値超過を検知すると自動でアラートが飛ぶため、夜間や休日でも異常に早く気づけます。利用者からの申告で初めて障害を知る、という後手の対応を減らせます。
2つ目は、原因特定の迅速化です。ネットワーク全体の構成や通信量を可視化することで、どの機器・どの区間で問題が起きているかを切り分けやすくなります。トポロジーマップやグラフで状況を俯瞰できると、復旧までの時間短縮につながります。
3つ目は、運用の属人化の解消です。監視の設定やアラートの基準をツール上に集約すれば、特定の担当者しか状況を把握できない状態を避けられます。監視履歴が残るため、トラフィックの傾向分析やキャパシティ計画にも活用できます。
ネットワーク監視の方式(SNMP・フロー・死活)とエージェント型/エージェントレス型
ツールを選ぶうえで避けて通れないのが、監視方式の理解です。何をどう見るかによって、必要なツールも変わります。ここでは、代表的な3つの監視方式と、監視データの集め方によるエージェント型・エージェントレス型の違いを整理します。
監視方式(SNMP・フロー・死活)で何が見えるか
監視方式は、SNMP・フロー・死活の3つを押さえておくと、ツールが「何を見られるか」を判断しやすくなります。それぞれ取得できる情報と向く用途が異なります。

SNMP監視(機器の状態・トラフィック・リソースを取得)
SNMP(Simple Network Management Protocol)は、ネットワーク機器やサーバーの状態監視に広く使われる標準的なプロトコルです。監視サーバーが対象機器へ定期的に問い合わせる「ポーリング」で、稼働状態・トラフィック量・CPUやメモリなどのリソース情報を取得します。異常時は機器側から自発通知する「トラップ」が補助的に使われます。
SNMPはインターネット技術の標準化団体IETFが定めたプロトコルで、現在はセキュリティを強化したSNMPv3が標準アーキテクチャ(STD 62)として維持されています。多くのネットワーク機器が標準で対応しているため、機器へのソフトウェア導入なしに幅広い対象を監視できるのが特徴です。
出典・参考資料(2件)
- 出典:RFC 1157「A Simple Network Management Protocol (SNMP)」|IETF(https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc1157.txt)
- 出典:RFC 3411「An Architecture for Describing SNMP Management Frameworks」(STD 62)|IETF(https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc3411.txt)
フロー監視(通信量・通信先の内訳を可視化)
フロー監視は、通信を「フロー」——送信元・宛先・ポートなど共通の属性を持つパケットのまとまり——の単位で集計し、「いつ・どこと・どれだけ通信したか」の内訳を可視化する方式です。帯域を圧迫している通信や、想定外の通信先を特定したいときに役立ちます。
代表的な技術に、Cisco由来のNetFlowや、スイッチ・ルーターのトラフィックをサンプリングして監視するsFlowがあり、いずれも広く使われています。これらのフロー技術を標準化したものとしては、IETFが定めたIPFIX(STD 77)があります。SNMPが「機器の状態」を見るのに対し、フロー監視は「通信の中身の傾向」を見る点が違いです。
出典・参考資料(3件)
- 出典:RFC 3954「Cisco Systems NetFlow Services Export Version 9」|IETF(https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc3954.txt)
- 出典:RFC 3176「InMon Corporation’s sFlow」|IETF(https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc3176.txt)
- 出典:RFC 7011「Specification of the IP Flow Information Export (IPFIX) Protocol」(STD 77)|IETF(https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7011.txt)
死活監視(到達性・稼働をシンプルに確認)
死活監視は、対象の機器やサーバーが「生きているか(応答するか)」をシンプルに確認する方式です。よく使われるPingは、監視する側から対象へICMPのEcho要求(Echo Request)を送り、対象がEcho応答(Echo Reply)を返せば「到達=稼働している」と判定するユーティリティです。この仕組みはIETFが定めたICMP(RFC 792)のEcho機能を利用しています。
設定が容易で対象を選ばない一方、分かるのは「応答するかどうか」までで、機器内部の負荷や通信の中身までは把握できません。死活監視で稼働の有無を押さえ、詳しい状態はSNMP、通信の内訳はフローで補う、という組み合わせが一般的です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:RFC 792「Internet Control Message Protocol」|IETF(https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc792.txt)
エージェント型とエージェントレス型の違い(導入・運用負荷にどう効くか)
監視データの集め方には、監視対象に専用ソフトを入れる「エージェント型」と、入れない「エージェントレス型」があります。この違いは、導入の手間と取得できる情報の深さに直結します。

エージェントレス型は、前述のSNMPやPingのように、監視対象へソフトを常駐させずに外部から情報を集めます。導入が手軽で、多数の機器をまとめて監視しやすい反面、取得できる情報は対象が公開している範囲に限られます。ネットワーク機器の監視はこの方式が中心です。
エージェント型は、サーバーなどにソフト(エージェント)を導入し、内部の詳細な情報を取得します。プロセス単位の状態やアプリケーションの動作まで踏み込んで監視できますが、対象ごとにエージェントの導入・更新が必要で、運用の手間は増えます。サーバーやアプリケーションを細かく監視したい場合に向く方式です。
ネットワーク監視ツールの選び方(提供形態・監視方式・規模で選ぶ)
基礎を押さえたところで、本記事の核心である選び方に入ります。ネットワーク監視ツール選びで最初に分かれるのが「無料OSS・商用・SaaSのどれにするか」という提供形態の判断で、そこに監視規模・監視対象範囲・運用体制が絡みます。順に見ていきましょう。
無料OSS・商用(オンプレ)・SaaS・クラウドの向き・不向きは?
提供形態は、費用と運用負荷のバランスで選ぶのが基本です。それぞれの向き・不向きを整理します。
無料のOSSは、ライセンス費用がかからず、監視項目を柔軟に組める自由度が魅力です。ただし、サーバーの構築や設定、障害時の対応を自社で担う必要があり、扱える人材とその工数が前提になります。コストを抑えたい、または監視を作り込みたい技術力のある組織に向きます。
商用(オンプレミス導入型)は、ベンダーが提供する製品を自社環境に導入する形態です。ライセンス費用や保守費用はかかりますが、サポートや導入支援を受けられ、機能もパッケージとして整っています。中規模以上の環境や、ネットワークとサーバーをまとめて監視する統合監視を、安定して運用したい場合に向きます。
SaaS・クラウド型は、クラウド上のサービスを契約してすぐに使い始められる形態です。監視サーバーの構築・保守が不要で、初期の立ち上げが速く、クラウド環境の監視とも相性が良いのが特徴です。月額・従量の費用は監視対象が増えるほど積み上がるため、規模拡大時のコストは事前に試算しておくと安心です。小〜中規模や、インフラをクラウドへ移している組織に向きます。
費用感の目安としては、OSSはライセンス費0円(構築・運用の人件費は別途)、商用オンプレはライセンス・保守で年額数十万円〜、SaaSは監視対象数に応じた月額・年額課金が中心です。具体的な金額は後述の比較表で確認してください。
必要な監視方式で絞る(死活だけか、SNMP・フローまで要るか)
提供形態と並んで、自社に必要な監視方式を要件として決めておくと、候補を早く絞り込めます。機器が動いているかの確認だけで足りるなら死活監視中心のツールで十分です。
一方、機器のCPU・メモリやトラフィック量まで把握したいならSNMP対応、拠点間や外部との通信の内訳・帯域の逼迫まで見たいならフロー(NetFlow/sFlow)対応が要件になります。サーバー内部のプロセスやアプリケーションまで踏み込むなら、エージェント型への対応も確認しておきましょう。
自社に必要な方式が決まったら、後述の比較表の「対応監視方式」列で各ツールの対応状況を照らし合わせると、要件を満たす候補だけに絞り込めます。
監視対象範囲で選ぶ(NW単独かサーバー横断・統合監視か)
次に、どこまでを1つのツールで見るかを決めます。監視対象範囲は、選ぶツールの性格を大きく左右します。
ネットワーク機器の死活・トラフィックだけを見たいのか、サーバーのリソースやアプリケーションまで横断して監視したいのか、さらにクラウド上のリソースまで含めるのか。監視対象が広がるほど、複数の対象を1画面で扱える統合監視型のツールが候補になります。
逆に、監視したいのがネットワーク機器の稼働確認だけであれば、多機能な統合監視ツールはオーバースペックになりがちです。将来サーバーやクラウドまで広げる見込みがあるなら、監視対象範囲の拡張性を最初から確認しておくと、後の乗り換えを避けられます。
拠点が多い場合は、拠点間やインターネット回線の帯域・遅延を追えるか(フロー監視やSNMPでの回線監視)も確認しておきたいところです。また、無人拠点や遠隔地の機器の死活確認に加えて、応答が止まったときの自動復旧まで求めるなら、こうした特化用途の製品を選ぶ道もあります。
運用体制・必要スキルで選ぶ(専門知識がなくても運用できるか)
ツールの機能だけでなく、それを自社で運用し続けられるかも重要な選定軸です。とくに無料OSSを検討する際は、この点の見極めが導入の成否を分けます。
OSSは自由度が高い反面、監視サーバーの構築、監視設定のチューニング、バージョンアップや障害対応まで自社で担います。専任者や、Linux・ネットワークの知識を持つ担当者がいるかどうかで、運用の現実味は変わります。人材が限られる場合は、設定がGUIで完結しサポートを受けられる商用ツールやSaaSのほうが、結果的に総コストを抑えられることもあります。
導入後にかかる工数(初期設定・監視項目のチューニング・バージョンアップ・アラート対応)まで含めて、自社の体制で無理なく回せるかを基準に判断すると、機能の多さに惑わされずに済みます。
日本語サポート・国内提供実態で選ぶ(国産/海外)
海外製のツールを検討する場合は、日本での提供実態も確認しておきたいポイントです。トラブル時の対応が、選定の見落としがちな分岐点になります。
海外ベンダーの製品は機能面で先行することもありますが、日本法人や国内代理店の有無、日本語のサポート窓口・ドキュメントの充実度は製品によって差があります。障害時に日本語で迅速に相談できるかは、運用の安心感に直結します。国産ツールは日本語サポートや国内の導入実績で選びやすく、海外ツールを選ぶ場合は国内代理店経由でのサポート体制を確認しておくとよいでしょう。
タイプ別に見るネットワーク監視ツール(無料OSS/商用/SaaS・クラウド)
ここからは、提供形態のタイプごとに主なツールの顔ぶれを俯瞰します。各タイプの特徴と、該当する代表的なツールは次のとおりです。詳しい機能・料金は比較表と個別紹介で確認できます。
| タイプ | 特徴(費用・運用) | 向く企業・規模 | 該当する主なツール |
|---|---|---|---|
| 無料のOSS監視ツール | ライセンス費用が無く、SNMP・フロー・死活を柔軟に組める。構築・運用のスキルと工数が前提 | コストを抑えたい/監視を作り込みたい。Linux・ネットワークの知識を持つ担当者がいる組織 | Zabbix/Nagios Core/Prometheus/Pandora FMS/Hinemos/Icinga 2 |
| 商用(オンプレミス導入型) | ベンダー提供のパッケージを自社環境に導入。サポート・実績があり、中規模以上や統合監視に向く | 中規模以上/統合監視を安定運用したい。自社データセンター・オンプレ資産が中心の組織 | パトロールクラリス/ManageEngine OpManager/PRTG Network Monitor/System Answer G3/X-MON/WebSAM/WhatsUp Gold/InterMapper/NetKids iMark(+死活監視・自動再起動に特化したReboot Guard) |
| SaaS・クラウド型 | クラウドで即時利用・保守不要。月額・従量課金で立ち上げが速い | 小〜中規模/立ち上げを急ぐ。クラウド移行中・マルチクラウドを監視したい組織 | Datadog/Site24x7/LogicMonitor/Mackerel |
おおまかな方向が定まったら、次の診断ツールで自社の状況に合う候補を絞り込んでみてください。
30秒でわかる|ネットワーク監視ツール選定診断
自社の監視規模・対象範囲・運用体制に合うタイプを、いくつかの質問で絞り込めます。気になるサービスは、資料請求や公式サイトで詳しく確認してみてください。
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【比較表】主要ネットワーク監視ツールの機能・料金・対応監視方式
ここでは、主要なネットワーク監視ツールを、提供形態・対応監視方式・監視対象範囲・料金・日本語サポートの観点で一覧にまとめました。自社の条件に照らして候補を絞り込む際にご活用ください。
| サービス名 | Zabbix | Nagios Core | Prometheus | Pandora FMS | Hinemos | Icinga 2 | Reboot Guard | パトロールクラリス | ManageEngine OpManager | PRTG Network Monitor | System Answer G3 | X-MON | WebSAM(NEC) | WhatsUp Gold | InterMapper | NetKids iMark | Datadog | Site24x7 | LogicMonitor | Mackerel |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 無料OSS (オンプレ/セルフホスト) | 無料OSS (オンプレ/セルフホスト) | 無料OSS (オンプレ/セルフホスト) | 無料OSS版 +商用/SaaS版 | 無料OSS版 +有償サブスク | 無料OSS +有償サブスク | 商用(専用ハードウェア機器) | 商用(オンプレ) クラウドテンプレート対応 | 商用(オンプレ/Windows・Linux) | 商用(オンプレ) Hostedクラウド版あり | 商用(オンプレ/クラウド/マルチテナント) | 商用(ソフト/アプライアンス/クラウド等5形態) | 商用(オンプレ) | 商用(オンプレ/クラウド) | 商用(オンプレ/Win・Mac・Linux) | 商用(オンプレ/Windowsベース) | SaaS・クラウド(Agent導入) | SaaS・クラウド | SaaS・クラウド | SaaS・クラウド(国産/Agent導入) |
| 対応監視方式 | SNMP(v1/2c/3) エージェント/ICMP(死活) Web・API合成監視 | 死活(Ping)・ポート サービス監視 SNMP等はプラグイン | SNMP(exporter経由/v1/2c/3) 死活(ICMP/TCP/HTTP) メトリクス収集(pull) | SNMP・WMI エージェント/エージェントレス 死活(Ping) | SNMP・Ping・ポート リソース・ログ プロセス監視 | SNMP・死活(Ping) サービス監視 分散監視(master/satellite/agent) | 死活(Ping)・ポート監視 +AC電源の自動再起動 | エージェントレス 死活(PING)・SNMP リソース・ログ・Web・DB | SNMP・WMI・NetFlow 死活・自動ディスカバリ トポロジーマップ | SNMP・WMI・SSH フロー・パケット 死活(Ping)・ポート | SNMPマネージャ中核 WMI・Syslog API連携・自動設定 | 死活・サービス監視 リソース・トラフィック SNMPトラップ・Syslog | SNMP・死活監視 SNMPトラップ・Syslog フロー分析は連携製品 | 死活(Ping)・SNMP・WMI SSH・フロー L2/L3自動探索 | SNMP(v1/v2c/v3) ネットワークマップ自動生成 フロー解析はオプション | エージェントレス Ping・リソース・HTTP/HTTPS SNMPデータ取得(トラップはオプション) | SNMP・SNMPトラップ NetFlow/IPFIX/sFlow 自動デバイス検出 | SNMP・フロー分析 (NetFlow/sFlow等) トポロジマップ自動作成 | SNMP・NetFlow agentless collector 自動ディスカバリ・トポロジ | 死活(Ping)・SNMP(v2c) プラグインでNW監視を追加 ※サーバー監視が主軸 |
| 監視対象範囲 | サーバー・NW機器 アプリ・クラウド | サーバー・NW機器 (スイッチ・ルーター) | サーバー・NW機器 (exporterで構成) | NW機器・サーバー アプリ・クラウド | サーバー・NW機器 クラウド・VM | サーバー・NW機器 アプリ・クラウド | NW機器の死活監視 ルーター・IPカメラ等 | サーバー・NW機器 クラウド(AWS/Azure/GCP) | NW機器・サーバー 仮想・クラウド | NW機器・サーバー 仮想・クラウド・OT | NW機器・サーバー DC・クラウド・仮想 | サーバー・NW機器 クラウド | NW機器・サーバー (NetvisorPro V) | NW機器・サーバー 仮想・クラウド | NW機器 (IP機器のマッピング) | サーバー・NW機器 仮想環境(Hyper-V/VMware/AWS/Azure) | NW機器・クラウド間 サーバー・アプリ | NW機器・サーバー Web・クラウド・アプリ | NW機器・サーバー マルチクラウド・アプリ | サーバー中心 NW機器はプラグイン対応 |
| 料金の目安 | ソフトは無料 商用サポートは要問い合わせ | 無料(GPL v2) 商用版XIは100ノード$2,595〜 | 無料(Apache 2.0) インフラ費用は別 | OSS版無料 商用SaaSは月51,500円〜(10agents・税抜) | OSS版無料 サブスクは年100万円〜(Essential) | OSS版無料 有償サポートは年約12,000ドル〜(Asia) | 要問い合わせ | 初年度836,000円〜 2年目以降336,000円(ポイント制) | 年間ライセンス168,000円〜 永久571,000円〜(税別) | センサー数課金(サブスク) 公式500センサー月$200〜 | 要問い合わせ | ソフト版10ノード98,000円〜 Standard 980,000円(税抜) | 要問い合わせ | 年額サブスク(デバイス数) 米国公式50台$1,229/年〜 日本円は要問い合わせ | 要問い合わせ (デバイス数ベース) | 要問い合わせ (公式は0円からも提供) | NDM デバイス$7/月〜 CNM ホスト$5/月〜(年払い) | 月2,500円〜 (プランによる) | 要問い合わせ | Free 0円 Standard 月2,180円/ホスト〜(税込) |
| 無料版・トライアル | 無料OSS版(機能制限なし) | 無料OSS版 | 無料OSS版 | 無料OSS版(50agentsまで) 試用ライセンスあり | 無料OSS版 AWS上で試用可 | 無料OSS版 有償版は60日試用 | — | 評価版あり | 30日間(全機能) 終了後3デバイスまで無償 | 100センサー無料版 30日トライアル | 無料デモあり | 90日間トライアル | — | 無料トライアルあり (期間は要確認) | 無料トライアルあり (期間は要確認) | 無償版あり(小規模向け) 無料トライアルあり | 14日間トライアル | 30日間トライアル 無料プランあり | 14日間トライアル | 無料プラン(5台まで) 2週間トライアル |
| 日本語サポート | あり(日本法人) | コミュニティ中心 | コミュニティ中心 | あり(アールワークス) | あり(国内提供元) | コミュニティ中心 | あり(提供元) | あり(提供元) | あり(ゾーホージャパン) | あり(国内代理店) | あり(提供元) | あり(提供元) | あり(NEC) | あり(日本法人窓口) | あり(国内パートナー) | あり(提供元・平日) | あり(日本法人) | あり(ゾーホージャパン) | あり(国内販売元・要確認) | あり(国産/はてな) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年9月時点の各社公式情報等をもとに作成。料金・機能・提供形態・サポート内容は変更される場合があるため、最新の詳細は各社の公式情報をご確認ください。一部のサービスは公式に公開されている情報が限られるため、料金・監視方式に留保があります。
主要ネットワーク監視ツールの個別紹介
比較表で気になったツールについて、提供形態のタイプ別に、機能・料金・対応監視方式・向くケースを紹介します。まずは無料のOSS監視ツールから見ていきましょう。
無料のOSS監視ツール
ライセンス費用をかけずに導入でき、監視項目を柔軟に組めるオープンソースのツールです。構築・運用を自社で担える体制があれば、有力な選択肢になります。
1. Zabbix(Zabbix LLC)

Zabbixは、サーバー・ネットワーク機器からアプリケーションまでを対象とする、オープンソースの統合監視ソフトウェアです。ソフトウェア本体はライセンス費用がかからず、機能制限なく利用できます(バージョン7.0以降はAGPLv3、6.4以前はGPLv2)。
監視方式は、SNMP(v1/2c/3)のポーリングとトラップ、エージェント型、ICMPによる死活監視、Web・APIを使った合成監視を単一の製品で扱えます。自動ディスカバリーやプロキシによる分散監視、高可用性構成も備え、監視項目を柔軟に組み立てられます。
開発元はラトビアのZabbix LLCで、日本法人のZabbix Japan LLCが平日9〜18時の日本語サポートやトレーニングを提供します。商用サポートは4段階のプランがあり、価格はサーバー数や構成に応じて認定パートナー経由の見積もりとなります(時間外は英語対応)。
2. Nagios Core(Nagios Enterprises, LLC)

Nagios Coreは、1999年の登場以来、監視エンジンとして広く使われてきたオープンソースの監視ソフトウェアです。GPL v2のもとでライセンス費用はかからず、Linuxサーバーへ自前で導入して使うセルフホスト型です。
Webサイト・サーバー・スイッチ・ルーター・ファイアウォール・ポート・アプリケーションなどの死活や状態を監視し、機能はプラグインで追加していく構成です。設定はテキストファイルで行うため、監視内容を細かく作り込めます。
構築・設定・障害対応を自社で担う前提のため、Linuxやネットワークの知識を持つ担当者がいる体制に向きます。同じ開発元からは、GUI設定や自動ディスカバリを備えた商用版のNagios XI(100ノードで2,595ドルから)も提供されています。サポートはコミュニティ中心で、日本語サポートの有無は公式では確認できません。
3. Prometheus(Prometheus Authors/CNCF)

Prometheusは、クラウドネイティブ環境で広く使われる、メトリクス収集を軸としたオープンソースの監視ツールキットです。CNCF(Cloud Native Computing Foundation)が運営する卒業(Graduated)プロジェクトで、全コンポーネントがApache License 2.0で配布されます。
監視サーバーが対象からHTTPでメトリクスを収集するpull方式を基本とし、PromQLという専用言語で柔軟に集計やアラート条件を定義できます。ネットワーク機器の監視は、SNMPに対応するsnmp_exporterや、ICMP・TCP・HTTPなどの疎通を確認するblackbox_exporterを組み合わせて構成します。
ソフトウェア自体は無償ですが、監視サーバーやストレージなどのインフラ費用と運用は利用者側の負担です。ネットワーク監視の完成品ではなく、exporterやAlertmanager、可視化用のGrafanaなどを組み合わせて構築する監視基盤にあたり、公式の商用サポート窓口はなくコミュニティ中心の運用が前提になります。
4. Pandora FMS(Ártica Soluciones Tecnológicas)

Pandora FMSは、スペインで2004年に生まれた統合監視・オブザーバビリティ基盤です。無償のOSS(Community)版に加え、有償のEnterprise版とSaaS版があり、ネットワーク機器・サーバー・アプリケーション・クラウドまでを監視対象にできます。
監視方式は、エージェント型とエージェントレス(SNMP・WMI)、その併用に対応し、Pingによる死活監視やネットワークスキャンも行えます。無償のOSS版は、コミュニティサポートのもとで50エージェントまで利用できます。
国内では公式開発パートナーの株式会社アールワークスが、Enterprise版・SaaS版の販売と日本語サポート(平日10〜18時)を担います。SaaS版は初期費用無料で、月額は10エージェントあたり5万1,500円(税抜)から、Enterprise版のオンプレミス料金は規模に応じた見積もりとなります。
5. Hinemos(株式会社NTTデータ先端技術)

Hinemosは、株式会社NTTデータ先端技術が開発する国産の統合運用管理ソフトウェアです。監視機能とジョブ管理機能を1つのパッケージで提供する点が特徴で、無償のOSS版と有償の「Hinemosサブスクリプション」が用意されています。
監視面では、SNMP・ping・ポート監視・リソース監視・ログ監視・プロセス監視に対応し、ジョブの実行やスケジューリングまで同じパッケージで扱えます。日本語UIと日本語ドキュメントを備え、金融・製造・通信・官公庁での利用が公式に挙げられています。
OSS版はGitHubで公開され無償で利用でき、有償のサブスクリプションはEssentialが年額100万円、Standardが150万円、Premiumが225万円です(管理対象の規模に依存しない課金体系)。開発元による日本語の製品サポートやトレーニングを受けられるため、国産ツールで国内サポートを重視する場合の候補になります。
6. Icinga 2(Icinga GmbH)

Icinga 2は、Nagiosから派生して開発された、ドイツのIcinga GmbHによるオープンソースの監視システムです。本体はGPLv3以降で配布され、ホスト数・サービス数の上限なく無償で利用できます。
死活監視(ping系)やSNMP系のチェックでネットワーク機器を監視でき、Nagios互換のプラグインを呼び出す方式をとります。master・satellite・agentの3階層による分散監視に対応し、複数拠点にまたがる監視構成を組めます。
構築・運用は利用者側が担い、有償のサブスクリプション(リポジトリ提供・サポートなど)はIcinga GmbHがアジア地域向けにも用意していますが、日本円での価格や国内の販売体制は公式では確認できません。日本語UIや国内サポートは公式には提供されておらず、導入・運用は自社またはSIer経由での対応が前提になります。
商用(オンプレミス導入型)
ベンダーのサポートを受けながら、自社環境で安定して運用できる商用ツールです。中規模以上の環境や、ネットワークとサーバーの統合監視に向きます。はじめに、無人拠点の死活監視・自動復旧という特定用途に特化した1製品を紹介し、その後に汎用の統合監視ツールを見ていきます。
7. Reboot Guard(株式会社フーバーブレイン)

Reboot Guardは、ネットワーク機器の死活監視と、フリーズ時のAC電源による自動再起動を組み合わせたハードウェア型の製品です。トラフィックやSNMP、ログを扱う汎用のネットワーク監視ツールとは性格が異なり、機器が「生きているか」の確認と、止まったときの物理的な復旧に特化しています。
監視はPing監視とポート監視で行い、対象機器への専用ソフト導入は不要です。フリーズを検知すると本体がAC電源をいったん切って入れ直すため、OSの再起動コマンドを受け付けない機器でも復旧できます。ルーター・IPカメラ・デジタルサイネージ・産業用PCなど、無人拠点で常時稼働させる機器の業務継続を主な用途としています。
障害の発生と復旧の状況はメールで通知されます。担当者が現地に駆けつけなくても、遠隔地の機器を無人で再起動できる点が、常駐者のいない拠点の運用に向く理由です。料金は公開されておらず、導入構成に応じて要お問い合わせとなります。
8. パトロールクラリス(株式会社コムスクエア)

パトロールクラリスは、株式会社コムスクエアが開発・提供するエージェントレス型のサーバ・ネットワーク統合監視ソフトウェアです。監視対象にエージェントを導入せず、死活(PING)・SNMP・リソース・ログ・Web・データベースなど多様な監視を1製品でまかなえます。国内4,000社以上の導入実績があります。
オンプレミスでの提供に加え、AWS・Azure・Google Cloudの監視テンプレートを備え、障害時の自動復旧やAPI連携による運用自動化にも対応します。通知はメール・SNMPトラップ・コマンド実行から選べます。
料金はポイント制で、1ポイントが1監視項目に対応します。最小構成では初年度836,000円から、2年目以降は年間336,000円で、PING監視は無制限、監視対象の台数やOS種別にも制限がありません。評価版が用意され、サポートは平日9:00〜18:00に対応します。
9. ManageEngine OpManager(ゾーホージャパン株式会社)

ManageEngine OpManagerは、監視対象にエージェントを入れずにネットワーク機器・サーバー・仮想環境を1画面で監視する商用ツールです。提供元はZohoの日本法人であるゾーホージャパン株式会社で、WindowsまたはLinuxにインストールして使います。
SNMP・WMI・NetFlowによる監視と死活監視に対応し、10,000種類以上の装置テンプレートと自動ディスカバリーで監視対象を登録できます。検出した機器はネットワークトポロジーマップに自動で反映され、しきい値超過は重要度別にメール等で通知されます。
料金が公開されているのも特徴で、年間ライセンスは25デバイス168,000円から、永久ライセンスは50デバイス571,000円から(いずれも税別)です。30日間は全機能を試せる無料トライアルがあり、終了後もProfessionalは3デバイスまで無償で監視を継続できます。日本語のドキュメントと技術サポートが用意されています。
10. PRTG Network Monitor(Paessler GmbH)

PRTG Network Monitorは、ドイツのPaessler GmbHが開発する商用のネットワーク監視ツールです。ライセンスを監視項目の数を表す「センサー」単位で数えるのが特徴で、監視対象へインストールするオンプレミス版のほか、サーバー保守が不要なクラウド版(PRTG Hosted Monitor)も選べます。
SNMP・WMI・SSHのほか、Ping(死活・遅延)・ポート監視、NetFlow/sFlow/IPFIX/jFlowによるフロー分析、パケットスニッフィングまで幅広い監視方式に対応します。ネットワーク機器からサーバー・仮想環境・クラウド・産業機器(OT)まで、同じ画面で監視できます。
100センサーまでは無料版として利用でき、有償版も30日間はセンサー数無制限で試せます。Paessler公式の価格は500センサーで月200ドルから(年払い)で、日本円での価格や導入支援は国内代理店に問い合わせる形になります。日本ではジュピターテクノロジーがプラチナパートナーとして構築・サポートを提供しています。
11. System Answer G3(アイビーシー株式会社)

System Answer G3は、アイビーシー株式会社(IBC)が提供する国産の統合監視ツールです。SNMPマネージャ機能を中核に、ネットワーク機器・サーバー・データセンター・クラウド・仮想環境を監視します。公式には導入実績1,000社以上と記載されています。
オンプレミス(アプライアンス/ソフトウェア)を中心に、クラウド型やマルチテナント型の提供形態もあります。監視対象の自動設定機能や、ディスク・メモリなどが閾値に達する時期を予測するキャパシティ予知など、運用を効率化する機能を備えます。
料金は公式サイトに金額の掲載がなく、監視規模に応じて要お問い合わせとなります。導入前に試せる無料デモが用意されているため、自社の監視対象で操作感を確かめてから検討できます。問い合わせやサポートは平日の窓口で日本語対応します。
12. X-MON(株式会社エクストランス)

X-MONは、大阪の株式会社エクストランスが開発・提供する国産の商用監視ツールです。オープンソースのNagiosやRRDtoolをベースに開発されており、日本語UIと国内の電話サポート窓口を備えます。
監視項目は、ハードウェアの死活、HTTP・SMTPなどのサービス監視、CPU・メモリのリソース監視、トラフィック監視に対応し、SyslogやSNMPトラップも収集します。提供形態はソフトウェア・アプライアンス(X-MON BOX)・仮想アプライアンス・クラウド・レンタルの5種類から選べます。
ソフトウェア版の価格は、10ノード版が98,000円(税込107,800円)から、監視ノード数が無制限のStandard版が980,000円(税込1,078,000円)です(初年度のプロダクトサポート加入が必須)。導入前には90日間の無料トライアルを利用できます。
13. WebSAM(日本電気株式会社)

WebSAMは、日本電気株式会社(NEC)が提供する統合運用管理ソフトウェアのブランドで、ネットワーク監視は「WebSAM NetvisorPro V」が担います。マルチベンダーの機器に対応し、SNMPで構成・障害・性能を管理する国産のオンプレミス製品です。
機器の死活監視やSNMPトラップの受信、Syslog監視に加え、ネットワーク機器を自動検出して構成マップを自動作図します。通信量の内訳を見るフロー分析(NetFlow/IPFIX/sFlow)は、連携製品の「WebSAM Network Flow Analyzer」と組み合わせて単一画面で利用します。
動作環境はWindows/Linuxで、サーバーやアプリケーションまで含めた監視は同じWebSAMファミリの「SystemManager G」が担当します。価格は公式サイトでの一次確認ができていないため、NetvisorPro Vの製品体系や最新の価格は公式へ問い合わせて確認することをおすすめします。
14. WhatsUp Gold(Progress Software Corporation)

WhatsUp Goldは、米国のProgress Software Corporationが提供する統合ネットワーク監視ソリューションです。公式サイトでは25,000社以上・1,200万台以上のデバイス監視・30年以上の歴史が示されており、オンプレミスとクラウドのどちらでも展開できます。
監視方式は、Ping(ICMP)による死活監視、SNMP・WMI・SSH、NetFlow/IPFIX/sFlow/jFlowのフロー監視、Syslogなどに対応します。レイヤ2/3のネットワークを自動探索し、機器の種別やベンダーをインベントリ化してトポロジーマップを自動更新します。
料金は米国公式サイトで年額サブスクリプションが公開されており、Businessエディションが50デバイスで年1,229ドルからです。日本円での価格や国内で販売中のエディション構成は公式日本語サイトに記載がないため、日本法人(プログレス・ソフトウェア・ジャパン)へ問い合わせて確認するとよいでしょう。無料トライアルが用意されています。
15. InterMapper(Fortra, LLC)

InterMapperは、Fortra, LLC(旧HelpSystems)が開発するネットワーク監視・マッピングツールです。IPアドレスを持つ機器の状態を色分けしたリアルタイムのネットワークマップを自動生成する点が中核の機能で、Windows・macOS・Linuxで動作するクロスプラットフォーム製品です。
監視はエージェント不要のサーバー型で、SNMP(v1/v2c/v3)に対応し、Pingベースの死活監視やアラート通知を行います。通信量を分析するフロー解析はオプションとして追加できます。日本国内では株式会社アンフェイクがパートナーとして、見積もり・設定代行・保守の窓口を担っています。
料金は監視対象デバイス数に応じたライセンス体系で、公式には金額が公開されておらず要お問い合わせとなります。無料トライアルが用意され、試用中に作成したマップはそのまま製品版へ引き継げます。国内の価格やサポートの詳細は、提供元のアンフェイクに確認する形になります。
16. NetKids iMark(株式会社アイ・エス・ティ)

NetKids iMarkは、株式会社アイ・エス・ティが開発する純国産のサーバ・ネットワーク機器監視ツールです。Windows上で動作するオンプレミス型で、官公庁・金融機関・教育機関などを中心に4,000ライセンス以上の導入実績があります。
監視はエージェントレスのポーリング方式で、Ping監視・リソース監視・HTTP/HTTPS監視・SNMPデータ取得に対応します。監視対象にエージェントを導入すれば100種類以上の監視が可能です。Hyper-V・VMware・Azure・AWSといった仮想環境でも特別な設定なしに稼働すると公式に記載されています。
エディションはPing版・10/50/100項目版・監視項目数が無制限の標準版に分かれ、買い切りとサブスクリプションを選べます。公式サイトでは「小規模であれば0円から」始められる無償版も案内されており、具体的な価格は要問い合わせで確認するのが確実です。自社開発・自社サポート体制で、受付は平日9:00〜17:30です。
SaaS・クラウド型
監視サーバーの構築・保守が不要で、すぐに使い始められるクラウド型のサービスです。クラウド環境の監視や、立ち上げの速さを重視する場合に向きます。
17. Datadog(Datadog, Inc.)

Datadogは、インフラ監視・アプリケーション性能管理(APM)・ログ管理を単一のSaaSプラットフォームで扱うオブザーバビリティ基盤です。ネットワーク監視はその一機能群(Network Monitoring)にあたり、ネットワーク単独の製品ではない点を押さえておく必要があります。
ネットワーク監視は、大きく2つの製品に分かれます。マルチクラウド/ハイブリッド環境のアプリケーション間トラフィックを可視化するCloud Network Monitoring(CNM)と、ルーター・スイッチ・ファイアウォールなどの機器を自動検出して監視するNetwork Device Monitoring(NDM)です。
SNMP・SNMPトラップに加え、NetFlow・IPFIX・sFlowでの監視に対応します。
データ収集はDatadog Agentを介して行い、サーバーやアプリケーションの監視データと関連付けて確認できます。料金は年払いでCNMがホストあたり月5ドル、NDMがネットワーク機器あたり月7ドルからで、14日間の無料トライアルがあります。日本法人(東京)があり、日本語での問い合わせに対応します。
18. Site24x7(ゾーホージャパン株式会社)

監視サーバーを構築せずに、Webサイト・ネットワーク機器・サーバー・クラウド・アプリケーションを1つの画面で監視できるSaaS型の統合監視サービスです。提供元はManageEngine製品を扱うゾーホージャパン株式会社で、公式サイトには「5分で始められる」と記載されています。
ネットワーク監視では、SNMPでCPU使用率・メモリ使用量・パケット破棄などを追跡し、NetFlowやsFlowなどによるフロー分析でトラフィックをアプリケーション・プロトコル・ポート別に分類できます。450を超えるベンダーの機器に対応し、レイヤ2/トポロジマップを自動で作成します。
料金は月額制で、Web Uptimeプランは月払い2,500円(年払いは月額換算2,250円)から始められます。各有料プランに30日間の無料トライアルがあり、終了後も5つのURLまたはサーバーの死活監視ができる無料プランへ移行できます。年払いは月額換算で約10%の割引になります。
19. LogicMonitor(LogicMonitor, Inc.)

自動ディスカバリーとトポロジーマップを備えるSaaS型の統合監視・オブザーバビリティサービスです。米国のLogicMonitor, Inc.が開発し、日本語の公式サイト(logicmonitor.jp)も用意されています。サーバー・ネットワーク・ストレージ・データベースから、AWS・Google Cloud・Azureなどのマルチクラウドまでを対象とします。
ネットワーク監視はSNMP・NetFlowに対応し、監視対象環境内のサーバーに導入するCollectorがデバイス情報を収集します。個々の機器へのエージェント導入は不要で、Collectorにデバイスを登録するとテンプレートが自動で適用されます。公式サイトには3,000を超える連携(integrations)が掲載されています。
料金は公式の料金ページに具体額の掲載がなく、導入規模に応じて要お問い合わせとなります。日本国内での提供条件やサポート内容もあわせて確認するとよいでしょう。無料トライアルは公式サイトから申し込めます。
20. Mackerel(株式会社はてな)

株式会社はてなが運営する国産SaaSのサーバー監視サービスで、監視対象にエージェントを導入して利用します。中心はサーバー・アプリケーション(APM)・マルチクラウドの監視で、ネットワーク監視はサーバー監視の基盤にSNMPやPingを足す形で対応する位置づけです。
ネットワーク監視は、到達性を確認する公式プラグインのcheck-pingや、機器のMIB値をメトリック化するmackerel-plugin-snmp(SNMP v2cに対応)で構成します。多数の機器を扱う場合は、トラフィックや遅延・パケットロスを収集するMackerel Labs提供のプラグインも利用できます。
料金は税込で、無料のFreeプラン(監視ホスト最大5台)と、スタンダードホスト1台あたり月額2,180円のStandardプランがあります。2週間の無料トライアルではStandard相当の機能を試せます。日本語のメールサポートは平日10:00〜19:00に対応します。
まとめ
ネットワーク監視ツールは、SNMP・フロー・死活といった監視方式で監視対象の状態や通信を把握し、障害検知の自動化・原因特定の迅速化・運用の属人化解消を支えるツールです。選ぶ際は、まず無料OSS・商用(オンプレミス)・SaaS・クラウドという提供形態の分かれ目を押さえ、監視規模・監視対象範囲・自社の運用体制に照らして方向を定めるのが近道です。
コストを抑えて作り込みたいならOSS、サポートを受けて統合監視を安定運用したいなら商用オンプレ、立ち上げの速さとクラウド監視を重視するならSaaS、というのが大まかな指針になります。自社の条件に合う候補を、比較表と診断ツールで具体的に絞り込んでみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. ネットワーク監視ツールとは何ですか?
A. ネットワーク監視ツールとは、ネットワーク機器・サーバー・回線などの稼働状態や通信状況を継続的に監視し、障害や性能の劣化を検知して管理者に通知するソフトウェア・機器です。あらかじめ設定したしきい値の超過や機器の応答停止を検知すると、メールやチャットでアラートを送り、担当者が異常に早く気づけるようにします。手作業のPing確認では追いきれない多数の対象を自動で監視できる点が特徴です。
Q. ネットワーク監視ツールの主な機能は何ですか?
A. ネットワーク監視ツールの主な機能は、機器やサーバーの死活(稼働)監視、トラフィック・帯域の監視、CPU・メモリなどのリソース監視、そして異常時のアラート通知です。これらに加え、ネットワーク構成を図で示すトポロジーマップや、監視データのグラフ化・レポート、ログ監視を備える製品もあります。どこまでの機能が必要かは、監視対象範囲や運用要件によって変わります。
Q. ネットワーク監視ツールの料金相場はどれくらいですか?
A. ネットワーク監視ツールの料金は提供形態で大きく異なり、無料のOSSはライセンス費0円、商用のオンプレミス型はライセンス・保守で年額数十万円〜、SaaS・クラウド型は監視対象数に応じた月額・従量課金が中心です。OSSは費用こそかかりませんが、構築・運用の人件費が別途必要になります。製品ごとの具体的な金額は、本記事の比較表で確認してください。
Q. 無料で使えるネットワーク監視ツールはありますか?
A. 無料で使えるネットワーク監視ツールはあり、オープンソース(OSS)のツールが代表的です。ライセンス費用はかかりませんが、監視サーバーの構築・設定や障害時の対応を自社で担う必要があり、扱える人材と工数が前提になります。コストを抑えたい、または監視を柔軟に作り込みたい技術力のある組織に向きます。
Q. ネットワーク監視ツールはどのようにネットワークの異常を検知しますか?
A. ネットワーク監視ツールは、主にSNMPで機器の状態やトラフィック・リソース情報を定期的に取得し、あらかじめ設定したしきい値を超えたり、機器が応答しなくなったりすると異常と判定します。機器が生きているか(到達性)はPing(ICMP)による死活監視で確認し、通信量の内訳はフロー監視で把握します。異常を検知すると、次のアラート機能で担当者へ通知します。
Q. ネットワーク監視ツールのアラートはどのように設定できますか?
A. ネットワーク監視ツールのアラートは、「CPU使用率が一定値を超えたら」「機器が一定時間応答しなかったら」といった条件(しきい値)を指定し、その条件を満たしたときに通知を送る形で設定します。通知手段はメールやチャット(Slack・Teamsなど)、電話連携など製品によって異なります。重要度に応じて通知先や再通知の間隔を変えられる製品もあり、対応の優先順位付けに役立ちます。
Q. ネットワーク監視ツールとサーバー監視ツールは何が違いますか?
A. ネットワーク監視ツールはルーターやスイッチなどのネットワーク機器・回線の稼働や通信を主な対象とし、サーバー監視ツールはサーバーのCPU・メモリ・プロセスなど内部リソースを主な対象とします。両者の監視領域は重なる部分もあり、近年はネットワークとサーバーをまとめて見られる統合監視型のツールも多くあります。両方を横断して監視したい場合は、統合監視に対応した製品を選ぶとよいでしょう。
Q. 無料OSSと商用ツールはどちらを選べばよいですか?
A. 技術者がいてコストを抑え作り込みたいなら無料OSS、サポートを受けて中規模以上や統合監視を安定運用したいなら商用が向きます。OSSはライセンス費0円ですが構築・障害対応の工数がかかります。人材が限られる場合は、設定がGUIで完結しサポートのある商用ツールやSaaSのほうが総コストを抑えられることもあります。
Q. エージェント型とエージェントレス型はどちらを選べばよいですか?
A. 機器を中心に手軽に多数を監視したいならエージェントレス型、サーバー内部のプロセスやアプリまで詳しく監視したいならエージェント型が向きます。エージェントレス型はSNMPやPingで外部から集めるため導入が手軽な反面、取得できる情報は対象が公開する範囲に限られます。エージェント型は導入の手間がかかる分、内部の詳細まで把握できます。
Q. ネットワーク監視ツールを導入するメリットは何ですか?
A. ネットワーク監視ツールを導入する主なメリットは、障害検知の自動化による早期対応、ネットワークの可視化による原因特定の迅速化、そして監視の集約による運用の属人化の解消です。夜間・休日でも異常を自動で検知して通知できるため、利用者からの申告で初めて障害に気づくような後手の対応を減らせます。監視履歴が残ることで、トラフィックの傾向分析やキャパシティ計画にも活用できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。












