契約書や請求書、帳簿を電子データで扱う場面が増えるなかで、「認定タイムスタンプを付与する必要がある」「電子帳簿保存法に対応するには認定タイムスタンプが要る」といった言葉を目にする機会が増えています。ところが検索してみると、認定するのは総務大臣だと書くページと、日本データ通信協会だと書くページが混在し、認定を受けた事業者の数もページによって食い違っていて、全体像がつかみにくいのが実情です。
認定タイムスタンプとは、総務大臣の認定を受けた時刻認証業務の事業者が発行するタイムスタンプで、電子データがある時点に存在し、それ以降改ざんされていないことを証明する仕組みです。通常のタイムスタンプと同じ技術を使いますが、国の認定という裏づけがある点が異なります。
この記事では、認定タイムスタンプの定義、認定する主体と審査を担う機関の役割分担、認定を受けた事業者の最新の一覧、通常のタイムスタンプとの違いを整理します。あわせて、電子帳簿保存法・電子署名法での位置づけと、自社での使い方までを解説します。自社が認定タイムスタンプに対応できているか、どう使い始めればよいかを判断できるようにまとめました。
目次
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認定タイムスタンプとは
認定タイムスタンプとは、総務大臣の認定を受けた時刻認証業務の事業者が発行するタイムスタンプのことです。タイムスタンプは、電子データがある時点に存在していたことと、その時点から改ざんされていないことを証明する技術で、認定タイムスタンプはそのうち国の認定制度の要件を満たした事業者が発行するものを指します。日本データ通信協会は、認定タイムスタンプを次のように説明しています。
「時刻認証業務の認定に関する規程」(令和3年総務省告示第146号)の要件を満たす時刻認証事業者を総務大臣が認定しており、その認定事業者が発行するタイムスタンプを「認定タイムスタンプ」といいます。
出典:認定タイムスタンプを利用する事業者に関する登録制度|一般財団法人日本データ通信協会(https://www.dekyo.or.jp/touroku/)
タイムスタンプそのものの働きは、通常のタイムスタンプと変わりません。総務省は、タイムスタンプを「ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術」と説明しています。認定タイムスタンプは、この技術を提供する事業者が国の認定を受けている点に特徴があります。誰が認定し、誰が審査しているのかを次に整理します。
認定タイムスタンプは誰が認定するのか(認定制度と審査機関)
認定タイムスタンプをめぐっては、「総務大臣が認定する」という説明と「日本データ通信協会が認定する」という説明が混在しがちです。結論として、認定を行うのは総務大臣で、日本データ通信協会はその審査(調査・確認)と、認定タイムスタンプを利用するサービスの登録を担う機関です。両者は役割が異なり、認定そのものを下すのは総務大臣です。まず全体像を表で整理します。
| 役割 | 認定(時刻認証業務を認定する) | 審査(認定のための調査・確認) | 利用サービスの登録(登録マークの付与) |
|---|---|---|---|
| 担い手 | 総務大臣 | 一般財団法人日本データ通信協会(指定調査機関) | 一般財団法人日本データ通信協会(登録制度の運営者) |
| 根拠・位置づけ | 時刻認証業務の認定に関する規程(令和3年総務省告示第146号)にもとづき、確実かつ安定的にタイムスタンプを発行する時刻認証業務を認定する | 告示第146号 第12条にもとづく指定調査機関として、認定に必要な調査等・確認の全部を担う(指定日 2021年〈令和3年〉6月24日) | 認定タイムスタンプを利用するサービス・業務を登録し「登録マーク」を付与する協会独自の制度。認定そのものとは別の仕組み |
※2026年(令和8年)3月時点の総務省・日本データ通信協会の公表情報にもとづく。
認定するのは総務大臣(総務大臣認定制度・告示令和3年第146号)
認定タイムスタンプの認定制度は、2021年(令和3年)に総務省告示第146号「時刻認証業務の認定に関する規程」として整備されました。認定を行う主体は総務大臣です。総務省は報道資料で、制度の仕組みを次のように示しています。
時刻認証業務の認定に関する規程(令和3年総務省告示第146号。以下「総務省告示」という。)において、総務大臣は確実かつ安定的にタイムスタンプを発行する時刻認証業務を認定時刻認証業務として認定することができるとされています。
出典:時刻認証業務の認定(令和5年2月16日 報道資料)|総務省(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00157.html)
この総務大臣認定制度が始まる前は、日本データ通信協会が民間の立場で認定を行う「タイムビジネス信頼・安心認定制度」(2005年〈平成17年〉2月開始)が運用されていました。国の制度としての枠組みは2021年(令和3年)の告示第146号で整えられ、最初の総務大臣認定は2023年(令和5年)2月16日に行われています。
「以前はデータ通信協会の認定だった」という説明と「いまは総務大臣認定」という説明は、この移り変わりを指しています。
審査・登録を担うのは日本データ通信協会
日本データ通信協会は、総務大臣認定制度のなかで2つの役割を担っています。1つは、認定のための調査・確認を行う「指定調査機関」としての役割です。総務省は指定調査機関について、次のように示しています。
「時刻認証業務の認定に関する規程(令和3年総務省告示第146号)」第12条第1項に規定する指定調査機関の一覧は以下のとおりです。(令和8年3月現在)/一般財団法人日本データ通信協会/指定日 令和3年6月24日/範囲 時刻認証業務の認定に関する規程第12条第1項に規定する調査等及び確認の全部
出典:タイムスタンプについて(指定調査機関一覧)|総務省(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/ninshou-law/timestamp.html)
もう1つは、認定タイムスタンプを利用するサービス(ASP事業者などが提供する電子契約・電子保管サービス)を登録し、「登録マーク」を付与する登録制度の運営者としての役割です。協会はこの制度を、登録基準に適合した事業者の申請にもとづき、認定タイムスタンプを利用するサービスや業務を登録して登録マークを付与するものと説明しています。
認定を下すのはあくまで総務大臣であり、協会は審査と利用サービスの登録を担う、という整理になります。
認定タイムスタンプの認定事業者一覧(2026年3月時点・6社)
認定を受けた時刻認証業務の事業者(TSA:Time Stamping Authority)は、2026年(令和8年)3月時点の総務省の一覧で6社です。同じ6社が日本データ通信協会の一覧(2025年〈令和7年〉12月26日現在)でも確認できます。
制度が始まった2023年(令和5年)2月に認定されたのは3社で、その後の追加認定により2026年(令和8年)3月時点で6社になっています。以下は総務省の一覧にもとづく6社です。
| 時刻認証業務(サービス名) | セイコータイムスタンプサービス | タイムスタンプサービス DiaStamp(2026年〈令和8年〉1月13日までの名称:MINDタイムスタンプサービス) | アマノタイムスタンプサービス3161 | 認定タイムスタンプ byGMO | タイムスタンプサービス iScign | ウイングアークタイムスタンプサービス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供事業者 | セイコーソリューションズ株式会社 | 三菱電機デジタルイノベーション株式会社 | アマノ株式会社 | GMOグローバルサイン株式会社 | サイエンスパーク株式会社 | ウイングアーク1st株式会社 |
| 認定日 | 2023年(令和5年)2月16日 | 2023年(令和5年)2月16日 | 2023年(令和5年)2月16日 | 2024年(令和6年)3月18日 | 2025年(令和7年)8月8日 | 2025年(令和7年)8月8日 |
※総務省「タイムスタンプについて」認定事業者一覧(2026年〈令和8年〉3月現在)にもとづく。日本データ通信協会の認定事業者一覧(2025年〈令和7年〉12月26日現在)でも同じ6社を確認できる。
認定日を見ると、セイコーソリューションズ・三菱電機デジタルイノベーション・アマノの3社は制度開始時の2023年(令和5年)2月に、GMOグローバルサインは2024年(令和6年)3月に、サイエンスパークとウイングアーク1stは2025年(令和7年)8月に認定されています。認定事業者は今後も増える可能性があるため、最新の一覧は総務省または日本データ通信協会の公式ページで確認するのが確実です。
通常のタイムスタンプとの違い
認定タイムスタンプと通常のタイムスタンプは、電子データの存在と非改ざんを証明するという基本の働きは同じです。違いは、時刻認証業務が総務大臣の認定を受けているかどうかにあります。認定を受けた事業者は、認定事業者であることを示す認定ロゴマーク(総務省が制定)を使用でき、その認定タイムスタンプを利用するサービスは日本データ通信協会の登録マークで識別できます。主な違いを整理します。
| 項目 | 証明できること | 国の認定 | 識別のためのマーク | 電子帳簿保存法での利用 | 費用 |
|---|---|---|---|---|---|
| 通常のタイムスタンプ | 電子データの存在時刻と、それ以降の非改ざん | 総務大臣の認定なし | 認定ロゴマーク・登録マークの対象外 | スキャナ保存の要件を満たさない(総務大臣認定の時刻認証業務のタイムスタンプが必要) | 無償で提供されるものもある |
| 認定タイムスタンプ | 電子データの存在時刻と、それ以降の非改ざん(同じ) | 総務大臣の認定を受けた時刻認証業務が発行 | 認定事業者は認定ロゴマークを使用でき、利用サービスは登録マークで識別できる | スキャナ保存でのタイムスタンプ要件を満たす | 認定事業者との契約、または付与機能を持つサービスの利用に費用が発生する |
※費用は事業者・サービスにより異なります。実際の料金は各事業者・各サービスの公式情報をご確認ください。
とくに実務で意味を持つのが、電子帳簿保存法への対応です。認定を受けていない通常のタイムスタンプでは、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たせない場面があります。その理由を、法令の条文で確認します。
認定タイムスタンプと法令(電子帳簿保存法・電子署名法上の位置づけ)
ここからは、認定タイムスタンプが法令上どのように位置づけられているかを整理します。認定タイムスタンプが実務で求められる直接の根拠は、電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)の施行規則にあります。
電子帳簿保存法のスキャナ保存で求められるタイムスタンプ
紙で受け取った書類をスキャンして電子データで保存する「スキャナ保存」では、真実性を確保する方法の1つとしてタイムスタンプの付与が定められています。電子帳簿保存法施行規則は、このタイムスタンプを次のように定めています。
当該国税関係書類の作成又は受領後、速やかに一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に総務大臣が認定する時刻認証業務(電磁的記録に記録された情報にタイムスタンプを付与する役務を提供する業務をいう。)に係るタイムスタンプ(次に掲げる要件を満たすものに限る。(略))を付すこと(当該国税関係書類の作成又は受領から当該タイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合にあっては、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに当該記録事項に当該タイムスタンプを付すこと)。
出典:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則 第3条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/410M50000040043)
条文が求めているのは「総務大臣が認定する時刻認証業務に係るタイムスタンプ」です。これはまさに認定タイムスタンプを指します。したがって、スキャナ保存でタイムスタンプによって真実性を確保する場合、認定を受けていない通常のタイムスタンプではなく、認定タイムスタンプが必要になります。
かつてこの規定は日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを求めていましたが、総務大臣認定制度への移行に合わせて参照先が改められました。冒頭で触れた「総務大臣認定かデータ通信協会か」という混乱は、この経緯からも生じています。
付与の時期は、条文では「作成又は受領後、速やかに」、事務処理規程を定めている場合は「通常の期間を経過した後、速やかに」と定められています。
同じ電子帳簿保存法でも、メールやWebで受け取る請求書などの電子取引データの保存では、タイムスタンプの付与は真実性を確保する手段の一つで、必須ではありません。訂正・削除の履歴が残るシステムでの保存や、訂正削除を防ぐ事務処理規程の整備でも要件を満たせます。タイムスタンプを使う場合は、スキャナ保存と同じく総務大臣認定の時刻認証業務のタイムスタンプ(認定タイムスタンプ)が求められます。
スキャナ保存でも、訂正や削除の履歴が残るシステムで保存し、事務処理規程を整備するなど一定の条件を満たすと、タイムスタンプの付与自体を省ける場合があります。タイムスタンプを付けずに要件を満たす方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
電子署名法との関係(署名は「誰が」、タイムスタンプは「いつ」)
電子契約では電子署名と認定タイムスタンプがセットで語られることが多いため、両者を混同しがちですが、根拠となる制度は別です。電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)が対象とするのは電子署名と認証業務、すなわち「誰が」その文書を作成・承認したかを証明する仕組みです。
総務省は電子署名法について、一定の条件を満たす電子署名が手書き署名や押印と同等に通用することや、認証業務のうち一定水準を満たすものへの認定制度を規定している、と説明しています。
一方、タイムスタンプ(「いつ」存在し、それ以降改ざんされていないか)は、電子署名法ではなく総務省告示第146号の総務大臣認定制度が根拠です。電子署名が「誰が」を、タイムスタンプが「いつ・改ざんされていないか」を担い、両者を組み合わせることで、電子文書の真正性を長期にわたって確認できる状態(長期署名)をつくります。
認定タイムスタンプは、この「いつ・非改ざん」の部分を国の認定という裏づけとともに担う仕組みだと理解すると、電子署名との役割の違いが整理できます。
認定タイムスタンプは、多くの電子契約サービスに標準で付与されます(次章で紹介します)。自社が対応できているか、どう進めるかは、対応するサービスの資料をまとめて取り寄せて比べると判断しやすくなります。
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認定タイムスタンプの使い方(自社での2経路)
自社で認定タイムスタンプを使う方法は、大きく2つに分かれます。認定事業者(TSA)と直接契約して自社のシステムに組み込む方法と、認定タイムスタンプの付与機能を備えた電子契約サービスなどを利用する方法です。日本データ通信協会も、この2つの利用形態があることを示しています。
タイムスタンプを利用する形態としては、利用企業が認定事業者と直接契約してタイムスタンプサービスを利用する形態に加え、昨今ではASP事業者(アプリケーション・サービス・プロバイダ)により提供される「認定タイムスタンプ」を付す機能が組み込まれたクラウドサービスも増えています。
出典:認定タイムスタンプを利用する事業者に関する登録制度|一般財団法人日本データ通信協会(https://www.dekyo.or.jp/touroku/)
自分で認定事業者(TSA)と直接契約する
1つ目は、認定事業者一覧にある時刻認証業務の事業者と直接契約し、自社のシステムやワークフローにタイムスタンプ付与を組み込む方法です。大量の文書に自社基準で付与したい場合や、既存の文書管理システムに組み込みたい場合に向いています。料金や導入の要件は事業者ごとに異なるため、認定事業者一覧の各社に個別に問い合わせて確認する必要があります。
一方、契約締結の文書にタイムスタンプを付けたいだけであれば、次に述べる電子契約サービスに任せる方法のほうが、時刻認証業務の契約や運用を自社で持たずに始められます。自前で組み込む必要があるか、サービスに任せられるかが、2つの方法を選ぶ際の分かれ目になります。
電子契約サービスに任せる(多くが標準で付与)
2つ目は、認定タイムスタンプの付与機能を備えた電子契約サービスを利用する方法です。多くの電子契約サービスは、契約を締結すると認定タイムスタンプを自動で付与するため、利用する側が認定事業者と個別に契約する必要はありません。自社で時刻認証業務の契約や運用を持たずに、認定タイムスタンプを使い始められるのがこの方法の利点です。
どの認定タイムスタンプが付与されるかは、サービスによって異なります。各サービスは付与に使う認定事業者(TSA)を公式サイトやヘルプで公表しているので、付与元が認定事業者一覧にある事業者かどうかで、総務大臣認定のタイムスタンプであることを確かめられます。
自社が認定タイムスタンプに対応できているかの確認方法
自社が使っている(または検討している)電子契約サービスが認定タイムスタンプに対応しているかは、2つの方法で確認できます。1つは、サービス公式サイトやヘルプの記載です。認定タイムスタンプに対応しているサービスは、付与に使う認定事業者名や、日本データ通信協会の公式サイトで照合できる登録番号を公表していることが多く、その記載から確かめられます。
もう1つは、日本データ通信協会の登録制度です。協会は、認定タイムスタンプを利用するサービスに「登録マーク」を付与しており、登録されたサービスの一覧を公式サイトで公開しています。サービス名や登録番号でこの一覧を照合すれば、自社が使うサービスが認定タイムスタンプに対応しているかを確かめられます。
認定タイムスタンプを標準付与する電子契約サービス
ここからは、認定タイムスタンプを標準で付与する主な電子契約サービスを紹介します。いずれも締結した文書に認定タイムスタンプを付与でき、自社で時刻認証業務を契約せずに認定タイムスタンプを使い始められます。
クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。書類のアップロード・送信から電子署名・タイムスタンプの付与、契約書の保管・検索までをオンラインで完結できます。標準の署名方式は事業者署名型(立会人型)で、同社の電子署名と認定タイムスタンプを付与します。マイナンバーカードで契約当事者本人が署名する当事者署名型(マイナンバーカード署名)にも対応します。
締結した書類には、アマノ株式会社の「アマノタイムスタンプサービス3161」による認定タイムスタンプが付与されます。認定タイムスタンプによって電子署名の有効性を検証できる期間が延長され、長期署名にも対応します。無料で試せるフリープランでも、ユーザー数や月あたりの送信件数に制限はあるものの、電子署名とタイムスタンプを利用できます。
タイムスタンプの付与には、「アマノタイムスタンプサービス3161」を利用しています。
出典:タイムスタンプ・長期署名とは|クラウドサイン ヘルプ(https://help.cloudsign.jp/ja/articles/2151317)
電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

契約印タイプ(事業者署名型/立会人型)と実印タイプ(当事者署名型)を1つのサービスで使い分けられるのが、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社の提供する電子契約サービスです。締結文書には長期署名・認定タイムスタンプを付与できます。同グループのGMOグローバルサイン株式会社は、認定事業者一覧に含まれる時刻認証業務の認定事業者です。
料金ページの比較表では、認定タイムスタンプは無料のお試しフリープランを含む全プランで利用できると示されています。10年を超える契約に備えて証拠力の検証可能期間をさらに延長する「延長タイムスタンプ」は有料プランで提供されます。低コストで導入しやすく、幅広い署名方式に対応したい企業に向いています。
かんたん電子契約 for クラウド(セイコーソリューションズ株式会社)

提供元のセイコーソリューションズ株式会社は、2001年からタイムスタンプ事業を手がけ、認定事業者一覧にも掲載されている時刻認証業務の認定事業者です。かんたん電子契約 for クラウドは、契約の申し込み・依頼から締結・保管までをWebブラウザ上で完結できるクラウド型の電子契約・電子保管サービスで、タイムスタンプの付与・検証を中核機能に据えています。
署名方式は事業者署名型(立会人型)を標準とし、当事者署名型はオプションで提供されます。最大30名までの多者間契約に対応する点も特徴です。認定タイムスタンプを発行する事業者自身が提供する電子契約サービスを選びたい場合の選択肢になります。
電子取引サービス@Sign(アットサイン)(三菱電機デジタルイノベーション株式会社)

契約の締結に加えて、見積書・請求書などの検印・発行・受取・管理までをオンラインで完結できる電子契約サービスです。提供元は三菱電機デジタルイノベーション株式会社で、電子帳簿保存法(電子取引・スキャナ保存)とインボイス制度に対応します。電子文書に電子署名と認定タイムスタンプを自動で付与し、文書の存在証明と非改ざんの証明を行います。
署名方式は、契約当事者本人の電子証明書を使う当事者型(個人署名)と、サービス提供者の電子証明書を使う立会人型(事業者署名)の両方に対応し、併用も可能です。提供元の三菱電機デジタルイノベーションも、時刻認証業務の認定を受けた事業者です。
以下は、ここで紹介した認定タイムスタンプを付与できる電子契約サービスの比較表です。
| サービス名 | クラウドサイン | 電子印鑑GMOサイン | かんたん電子契約 for クラウド | 電子取引サービス@Sign |
|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 弁護士ドットコム株式会社 | GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 | セイコーソリューションズ株式会社 | 三菱電機デジタルイノベーション株式会社 |
| 付与する認定タイムスタンプ | アマノタイムスタンプサービス3161 (アマノ株式会社) | 認定タイムスタンプを全プランで付与 (提供元GMOグローバルサインは総務大臣認定の時刻認証事業者) | セイコーソリューションズの認定タイムスタンプを付与 (総務大臣認定・日本データ通信協会認定) | 認定タイムスタンプを自動付与 (提供元三菱電機デジタルイノベーションは総務大臣認定の時刻認証事業者) |
| 署名方式 | 立会人型(事業者署名型)標準 当事者型(マイナンバーカード署名)対応 | 立会人型・当事者型 (ハイブリッド署名可) | 立会人型(事業者署名型)標準 当事者型オプション | 当事者型(個人署名)・立会人型(事業者署名) (併用可) |
| 電子帳簿保存法対応 | ●認定タイムスタンプで真実性要件に対応 | ●認定タイムスタンプで真実性要件に対応 | ●認定タイムスタンプで真実性要件に対応 | ●認定タイムスタンプで真実性要件に対応 |
| 無料プラン | 無料プランあり 月2件まで・1ユーザー | 無料プランあり 月5件まで・1ユーザー・立会人型のみ | 体験版あり 1アカウントのみ(継続的な無料枠ではない) | 公式サイトに記載なし |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
認定タイムスタンプへの対応は、電子契約サービスを選ぶ際の一要素にすぎません。実際の導入では、署名方式(立会人型・当事者型)や料金、電子帳簿保存法への対応範囲なども比べて、自社に合う一社を選ぶことになります。以下の記事では、電子契約システムを料金やタイプ別の選び方から詳しく比較しています。サービスの導入を検討される方は、あわせてご覧ください。
まとめ
認定タイムスタンプは、総務大臣の認定を受けた時刻認証業務の事業者が発行するタイムスタンプで、電子データの存在と非改ざんを証明します。認定を行うのは総務大臣、審査と利用サービスの登録を担うのは日本データ通信協会という役割分担を押さえると、「総務大臣認定かデータ通信協会か」という混乱は解消できます。
認定を受けた事業者は2026年(令和8年)3月時点で6社あり、最新の一覧は総務省または日本データ通信協会の公式ページで確認できます。
電子帳簿保存法のスキャナ保存では、条文が「総務大臣が認定する時刻認証業務に係るタイムスタンプ」を求めており、通常のタイムスタンプでは要件を満たせない場面があります。自社で認定タイムスタンプを使うには、認定事業者と直接契約する方法と、認定タイムスタンプを標準で付与する電子契約サービスを利用する方法があり、多くの企業にとっては後者が導入しやすい選択肢です。
対応サービスの資料をまとめて取り寄せて、機能や費用を比べてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 認定タイムスタンプとは何ですか?
A. 認定タイムスタンプとは、総務大臣の認定を受けた時刻認証業務の事業者が発行するタイムスタンプです。電子データがある時点に存在していたことと、その時点から改ざんされていないことを証明する技術で、「時刻認証業務の認定に関する規程」(令和3年総務省告示第146号)の要件を満たした事業者が発行するものを指します。通常のタイムスタンプと技術的な働きは同じですが、国の認定という裏づけがある点が異なります。
Q. 認定タイムスタンプと通常のタイムスタンプは何が違いますか?
A. 認定タイムスタンプと通常のタイムスタンプの違いは、時刻認証業務が総務大臣の認定を受けているかどうかです。電子データの存在時刻と非改ざんを証明するという基本の働きは同じですが、認定を受けた事業者は認定ロゴマーク(総務省が制定)を使用でき、その認定タイムスタンプを利用するサービスは日本データ通信協会の登録マークで識別できます。
とくに電子帳簿保存法のスキャナ保存では認定タイムスタンプが求められ、通常のタイムスタンプでは要件を満たせない場面がある点が実務上の大きな違いです。
Q. 認定タイムスタンプを認定しているのは総務大臣と日本データ通信協会のどちらですか?
A. 認定タイムスタンプの認定を行うのは総務大臣で、日本データ通信協会はその審査(調査・確認)と、認定タイムスタンプを利用するサービスの登録を担う機関です。認定制度は「時刻認証業務の認定に関する規程」(令和3年総務省告示第146号)にもとづくもので、協会は同告示第12条の指定調査機関として認定に必要な調査等を担います。
「総務大臣認定」と「データ通信協会」の両方の説明が見られるのはこの役割分担によるもので、認定そのものを下すのは総務大臣です。
Q. 認定タイムスタンプの認定事業者は何社ありますか?
A. 認定タイムスタンプの認定事業者(TSA:時刻認証業務の認定事業者)は、2026年(令和8年)3月時点で6社です。セイコーソリューションズ、三菱電機デジタルイノベーション、アマノ、GMOグローバルサイン、サイエンスパーク、ウイングアーク1stの6社が総務省・日本データ通信協会の公的な一覧で確認できます。
認定事業者は制度開始時の3社から追加認定を経て6社に増えており、今後も増える可能性があります。最新の一覧は総務省または日本データ通信協会の公式ページで確認するのが確実です。
Q. 電子帳簿保存法のスキャナ保存には通常のタイムスタンプでは対応できないのですか?
A. 電子帳簿保存法のスキャナ保存でタイムスタンプによって真実性を確保する場合は、通常のタイムスタンプではなく認定タイムスタンプが必要です。電子帳簿保存法施行規則が、付与すべきタイムスタンプを「総務大臣が認定する時刻認証業務に係るタイムスタンプ」と定めているためで、これはまさに認定タイムスタンプを指します。
かつてこの規定は日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを求めていましたが、総務大臣認定制度への移行に合わせて参照先が改められました。
Q. 認定タイムスタンプを使うには、自分で認定事業者と契約しなければなりませんか?
A. 認定タイムスタンプの使い方は2通りあり、自分で認定事業者と契約しなくても、認定タイムスタンプを標準で付与する電子契約サービスを利用すれば使い始められます。日本データ通信協会も、利用企業が認定事業者と直接契約する形態に加え、認定タイムスタンプを付す機能が組み込まれたクラウドサービスが増えていることを示しています。
多くの電子契約サービスは契約締結時に認定タイムスタンプを自動で付与するため、自社で時刻認証業務の契約や運用を持たずに導入できるのがこの方法の利点です。
出典・参考資料(1件)
Q. 自社が使っている電子契約サービスが認定タイムスタンプに対応しているかは、どう確認できますか?
A. 認定タイムスタンプへの対応は、サービス公式サイトやヘルプの記載(付与に使う認定事業者名や登録番号)と、日本データ通信協会の登録制度(登録マーク・登録サービス)を照らし合わせて確認できます。多くのサービスは、付与に使う認定事業者名や、協会の公式サイトで照合できる登録番号を公表しています。
サービスの公式情報と協会の登録情報を突き合わせれば、対応状況を確かめられます。
Q. 認定タイムスタンプは無料で使えますか?
A. 認定タイムスタンプの利用には、認定事業者との契約や、付与機能を持つサービスの利用にあたって費用が発生するのが一般的です。ただし、電子契約サービスのなかには、送信件数などの制限はあるものの無料のプランで認定タイムスタンプを利用できるものもあります。
実際に無料で使える範囲や有料機能の内容はサービスごとに異なるため、各事業者・各サービスの公式情報で確認してください。無料で使える電子契約サービスを、無料枠の件数や数え方まで含めて広く比べたい場合は、『無料で使える電子契約システムおすすめ26選』もあわせてご参照ください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















