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医療同意書は電子化できる?法的効力を保つ条件と実現方法・システムを解説

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手術や検査、輸血の説明に使う同意書が紙のまま積み上がり、印刷や押印の回収、保管スペース、過去分の検索に手間を感じている医療機関は少なくありません。電子カルテは導入済みでも、同意書だけは紙で運用が続いているという声もよく聞かれます。

そこで気になるのが、「医療同意書を電子化して、法的・制度的に問題はないのか」という点ではないでしょうか。同意書は患者の自己決定の記録であり、万一の際には医療機関の説明を証明する書類にもなります。だからこそ、便利さより先に「電子でも紙と同じ効力が認められるのか、その根拠は何か」をはっきりさせたいところです。

この記事では、医療同意書を電子化してよいかという可否と、電子でも効力を保つための条件を、電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)や医療法、厚生労働省のガイドラインの該当箇所(原文)とともに整理します。そのうえで、電子化の具体的な方法、システムの選び方と主要サービスの比較、費用相場まで、導入の判断材料になる形でまとめました。

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医療同意書は電子化できる?可否と「紙と同じ効力を保つ条件」

まず結論から示します。医療同意書は電子化できます。一定の条件を満たせば、紙の同意書と同じように扱える形で電子的に取得・保存できます。電子カルテと同様に、書面での作成・保存が求められる医療文書についても、電子的に作成・保存してよいことが法令とガイドラインで枠づけられています。

ただし「電子にすれば何でも同じ」ではありません。紙と同じ効力を保つには、次の条件を満たす必要があります。

  • 本人特定性:その同意が誰によるものかを示せること(電子署名などで担保)
  • 改ざん防止:署名後に内容が書き換えられていないと確認できること(電子署名・タイムスタンプで担保)
  • 保存性・見読性:定められた期間、読み出せる状態で保存できること(文書の種類ごとの保存年限を満たす)
  • 説明義務の履行:同意書の前提となる患者への説明と理解の取得が、電子でも変わらず行われること

これらがなぜ必要で、どの法令・ガイドラインに根拠があるのかを、次の章で原文とともに確認します。

電子同意書(医療同意書の電子化)とは

電子同意書とは、これまで紙で取得していた同意書を、タブレットやスマートフォンなどの端末上で電子的に取得・保存する仕組みを指します。医療の現場では、手術・検査・輸血・麻酔などの説明に用いる同意書を、対面ではその場の端末で、遠方の家族などにはリンクを送って本人のスマートフォンから、といった形で取得できます。

単に紙をスキャンしてPDFにするだけとは異なり、誰が同意したか(本人特定性)と、その後で内容が変えられていないか(改ざん防止)を担保する仕組みを備える点が、効力を保つうえでの分かれ目になります。

ここからは、電子でも紙と同じ効力が認められる根拠を、条文やガイドラインの原文とともに確認します。導入判断の根拠としてそのまま使えるよう、根拠の所在をあわせて示します。まず、冒頭で挙げた4つの条件と、それぞれを支える法令・ガイドラインの対応を俯瞰しておきます。

医療同意書を電子でも紙と同じ効力で扱うための4条件と、それぞれの根拠法令の対応図。本人特定性は電子署名法第2条1号・第3条、改ざん防止は電子署名法第2条2号とタイムスタンプ、保存性・見読性はe-文書法と厚生労働省令およびガイドラインの3要件、説明義務の履行は医療法第1条の4第2項が根拠となることを示す。

本人特定性・改ざん防止を満たせば電子でも「真正に成立」と推定される

電子署名法による真正な成立の推定(第2条・第3条)

電子文書に効力を持たせる中心となる法律が、電子署名及び認証業務に関する法律(以下、電子署名法)です。同法は電子署名を、本人が作成したものであることを示し、かつ内容が改変されていないかを確認できる措置と定義しています。

この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(略)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

出典:電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条|e-Gov法令検索

この第1号が「本人特定性」、第2号が「改ざん防止」にあたります。冒頭で挙げた効力を保つ条件は、この定義に対応しています。そのうえで同法第3条は、本人による電子署名が行われた電子文書は真正に成立したと推定する、と定めています。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

出典:電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第3条|e-Gov法令検索

「真正に成立した」とは、その文書が本人の意思で作られたと扱われることを意味します。紙の署名・押印が果たしてきた役割を、電子署名が担うわけです。ここで注意したいのは、第3条の推定が働くのは「本人による電子署名」、つまり本人自身が署名する当事者署名型(当事者型)が想定されている点です。事業者が当事者の指示で署名を付す立会人型(事業者署名型)の扱いは後述します。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)|e-Gov法令検索(条文)

電子署名とタイムスタンプで本人特定性・改ざん防止をどう担保するか

電子署名が担うのは、主に「誰が」と「改ざんされていないか」です。これに「いつ」の証明を加えるのがタイムスタンプで、ある時刻にその電子データが存在し、それ以降変更されていないことを示します。電子署名で本人特定性と改ざん検知を、タイムスタンプで存在時刻と非改ざんを担保する組み合わせが、電子同意書の一般的な作り方です。

厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」も、電磁的記録による保存の要件として、見読性・真正性・保存性の3つを求めています。現行版は第7.0版(令和8年6月)で、その企画管理編(令和8年5月)は、真正性の確保について次のように定めています。

真正性の確保 電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中における当該事項の改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じ、かつ、当該電磁的記録の作成に係る責任の所在を明らかにしていること。

出典:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 企画管理編|厚生労働省

ここでの「改変又は消去の事実の確認」が改ざん防止に、「作成に係る責任の所在」が本人特定性に対応します。電子署名とタイムスタンプは、この2点を技術的に満たす手段として位置づけられます。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(令和8年6月)|厚生労働省(版一覧・各編PDF)

医療法の説明義務とインフォームド・コンセント(第1条の4第2項)

同意書は、患者への説明と、それに対する患者の理解・同意(インフォームド・コンセント)を証明する書類です。この説明の前提は、医療法が医療の担い手に求めています。

医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。

出典:医療法(昭和23年法律第205号)第1条の4第2項|e-Gov法令検索

条文は「努めなければならない」という努力義務の形をとっています。電子化はこの説明と理解の取得のあり方を変えるものではありません。むしろ、説明動画や図解を組み合わせて患者の理解を助ける機能を持つシステムもあり、説明義務の履行を支える方向で使えます。紙か電子かにかかわらず、この説明と理解の取得は同意書の土台であり続けます。

電子での文書同意を認める制度上の裏づけ

電子で作成・保存してよいという枠組みは、電子署名法だけでなく、書面保存を電磁的記録で代替できることを定めた法律とガイドラインでも支えられています。

e-文書法と厚生労働省令による電磁的保存の枠組み

民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(e-文書法)は、他の法令で書面保存が求められる文書について、主務省令の定めるところにより電磁的記録での保存に代えられるとしています。

民間事業者等は、保存のうち当該保存に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないとされているもの(主務省令で定めるものに限る。)については、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、書面の保存に代えて当該書面に係る電磁的記録の保存を行うことができる。

出典:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)第3条|e-Gov法令検索

医療分野については、この主務省令にあたる厚生労働省令(平成17年厚生労働省令第44号)が定められています。e-文書法本体と厚生労働省令、そして先の医療情報システムの安全管理に関するガイドラインが定める3要件(見読性・真正性・保存性)を満たすことで、紙保存が求められてきた医療文書を電磁的記録で保存・作成できる枠組みが成り立っています。なお、厚生労働省のガイドラインと、下記の経済産業省・総務省のガイドラインは、あわせて「3省2ガイドライン」と呼ばれ、医療情報を扱うシステムの安全管理の指針として参照されます。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)|e-Gov法令検索(条文)
  • 参考資料:医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン|経済産業省・総務省(ページ)

令和2年度診療報酬改定による明確化

制度運用の面でも、電磁的記録による同意を認める整理が進みました。令和2年度診療報酬改定では、文書による患者の同意を要件とするものについて、電磁的記録でもよいことが明確化されています。

文書による患者の同意を要件としているものについて、電磁的記録によるものでもよいことを明確化する。

出典:令和2年度診療報酬改定の概要(医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進)|厚生労働省保険局医療課

この一文が直接の対象とするのは、診療報酬の算定要件として文書同意を求めているものです。あらゆる医療同意書が電子で有効になると読むより、電子でも有効といえる土台は電子署名法とe-文書法にあり、この改定はそれを制度運用の面から後押しした、と押さえるのが正確です。

診療録・諸記録の保存年限(電子でも何年保存するか)

電子化しても、文書の保存年限そのものは変わりません。同意書のように患者ごとに残す医療文書は、根拠となる法令によって保存すべき年数が分かれます。単一の年数にまとめず、文書の種類で確認するのが安全です。

診療録(カルテ)は、医師法により5年間の保存が求められます。

前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、五年間これを保存しなければならない。

出典:医師法(昭和23年法律第201号)第24条第2項|e-Gov法令検索

一方、保険診療に関する諸記録は、保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)により、完結の日から3年間の保存とされています(診療録は5年間)。さらに病院の「診療に関する諸記録」については、医療法施行規則が2年間の保存を定めています。

同意書がどの区分に該当するかは運用によりますが、判断に迷う場合は最も長い5年に揃えて保存すれば、いずれの根拠法令の年限も満たせます。実務上は、手術・検査の同意書を診療録と一体で管理し5年で運用する医療機関もあります。いずれの期間中も、電子化後は真正性・見読性・保存性を保った状態で読み出せるようにしておく必要があります。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:医師法(昭和23年法律第201号)第24条|e-Gov法令検索(条文)
  • 出典:保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第9条|e-Gov法令検索(条文)
  • 出典:医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第20条第10号|e-Gov法令検索(条文)

医療同意書ならではの注意点(一般の契約書電子化と違う論点)

ここからは、一般の契約書のペーパーレス化とは異なる、医療同意書ならではの論点を整理します。取引先との契約と同じ感覚で進めると、現場で行き詰まりやすい点です。

説明と理解の取得が前提になる。契約書は署名が主眼ですが、医療同意書は署名の前に、医師が手術・検査の内容やリスクを説明し、患者の理解を得るプロセスが土台になります。電子化するなら、この説明の場が省略されないこと、必要なら説明動画や図解で理解を助けられることが、単なる署名機能より重要になります。

家族・代理人のリモート署名となりすまし防止。患者本人が署名できない、あるいは遠方の家族の同意が要る手術などでは、その場での対面署名だけでは完結しません。家族のスマートフォンからリモートで同意を得る場合は、その同意が本当に本人・家族のものかを、生年月日など本人しか答えられない情報の入力で確かめるなど、なりすましを防ぐ作り込みが欠かせません。

署名方式による効力の担保の違い。前章のとおり、本人自身が署名する当事者型は電子署名法第3条の推定が働きやすい方式です。事業者が当事者の指示で署名を付す立会人型は導入のハードルが低い一方、同条の推定がそのまま及ぶかは論点があります。

もっとも、厚生労働省のガイドライン第7.0版は、医療文書に施す電子署名について、立会人型も含めて電子署名法第2条第1項の電子署名として扱えるとしており、真正性の確保という枠組みの中では選択肢になります。どの方式を選ぶかは、後述の比較で確認してください。

紙で取得済みの同意書やスキャン文書の扱い。これまで紙で集めた同意書をどう電子化して残すかも論点です。スキャナ保存に対応し、取り込んだ文書にタイムスタンプを付与できるシステムであれば、過去分と新規分を一元管理しやすくなります。

医療同意書を電子化する3つの方法と、効力を保つ条件をどう満たすか

ここからは、医療同意書を電子化する代表的な3つの方法を、それぞれが効力を保つ条件をどう満たすかとあわせて解説します。自院の紙運用がどう置き換わるかをイメージしながら読み進めてください。

①既存のWord・PDFに電子署名を付与する

自院で使っているWordやPDFの同意書フォーマットをそのまま活かし、電子署名を付与する方法です。慣れた書式を変えずに済む利点があります。一方で、単にPDFにしてメールでやり取りするだけでは、本人特定性や改ざん防止が弱くなります。電子署名とタイムスタンプを組み合わせ、誰が・いつ・何に同意したかを担保する仕組みが別途必要です。

②タブレット等での手書き電子サイン

タブレット画面に患者が手書きでサインする方法で、対面での紙の署名フローに近く、患者にとって違和感が少ない点が特徴です。ただし、手書きサインの画像だけでは改ざんの検知が難しいため、署名したデータにタイムスタンプや電子署名を付けて、後から書き換えられていないことを確認できる形にしておく必要があります。

③電子契約・電子同意書システムを導入する

署名・タイムスタンプの付与、保存、電子カルテとの連携までを一体で提供するシステムを導入する方法です。本人特定性・改ざん防止・保存性といった効力を保つ条件を、システム側の仕組みでまとめて満たしやすいのが利点です。汎用の電子契約サービスを使う選択肢と、医療機関向けに特化した電子同意書システムを使う選択肢があり、次章で比較します。

3つの方法が、本人特定性・改ざん防止・保存性・説明義務という条件をどこまで満たしやすいかは、次のように整理できます。

← 横にスクロールできます →
電子化の方法①既存のWord・PDFに電子署名②タブレットの手書き電子サイン③電子契約・電子同意書システム
本人特定性・改ざん防止電子署名・タイムスタンプを別途組み合わせれば担保できる署名データに電子署名・タイムスタンプを付けて補う必要がある署名・タイムスタンプ・保存を一体で満たしやすい
保存性保管・検索の仕組みは別途用意する署名データの保管方法を別に整える必要がある定められた期間の保存・検索まで一体で対応しやすい
説明・理解の支援フォーマット次第(機能としては持たない)対面説明と相性がよい説明動画・図解など支援機能を持つ製品もある
向いている状況書式を変えず少量から始めたい対面中心・患者の違和感を抑えたい過去分も含め一元管理し運用を効率化したい

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医療向け電子同意書システムの選び方と主要サービス比較

ここからは、電子同意書システムを選ぶ際の基準と、主要なサービスを紹介します。医療機関向けに特化したシステムと、汎用の電子契約サービスの両方が選択肢になります。自院の紙運用に合うものを絞り込む手がかりにしてください。

署名方式(当事者型か立会人型か)は自院の要件に合うか

本人自身が署名する当事者型は電子署名法第3条の推定が働きやすい方式で、証拠としての強さを重視する場合に向きます。事業者が当事者の指示で署名を付す立会人型は、相手方の事前登録が不要で導入のハードルが低く、多くの相手・患者から手早く同意を得たい運用に向きます。両方式に対応し、文書ごとに使い分けられるサービスもあります。

電子カルテや文書管理システムと連携できるか

同意書は電子カルテと紐づけて管理できると、患者ごとの参照や保存の一元化がしやすくなります。既存の電子カルテや文書管理システムとAPIなどで連携できるか、連携が個別対応になるかは、導入後の運用負荷に直結する選定基準です。医療特化のシステムは、この連携を前提に設計されているものが多く見られます。

対面とリモートの両方で署名を得られるか

院内での対面署名に加え、遠方の家族へリモートで同意を求められるかは、医療現場では重要な要件です。メール・SMS・メッセージアプリでのリンク送付に対応し、家族のスマートフォンから署名できるか、その際の本人確認をどう担保するかも確認しておきたい点です。

紙で取得済みの同意書やスキャン文書を取り込めるか

過去に紙で集めた同意書を電子で一元管理したい場合は、スキャナ保存に対応し、取り込んだ文書にもタイムスタンプを付与できるかを確認しておきたい点です。新規分と過去分を分けて管理せずに済むかどうかで、運用の手間が変わります。

以下は、ご紹介する医療同意書の電子化に使えるサービスの比較表です。

← 横にスクロールできます →
サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサインDX-Signセイコーの電子同意サービスMediOS 電子同意書Symview 電子同意書
提供会社弁護士ドットコム株式会社GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社株式会社バルテックサインセイコーソリューションズ株式会社Contrea株式会社株式会社レイヤード
種別汎用電子契約汎用電子契約汎用電子契約医療特化医療特化医療特化
署名方式立会人型+当事者型立会人型+当事者型
(ハイブリッド可)
公式に方式の明示なし
(メール認証で署名)
公式に方式の明示なし立会人型公式に方式の明示なし
電子カルテ連携×××△院内システムとWeb-API連携(連携先は非公開)●電子カルテから発行・確認△WEB問診本体の機能(コピー&ペースト転記)
スキャン文書取り込み△書類インポート機能あり(取り込み代行「クラウドサイン SCAN」は別サービス)●スキャン文書管理機能あり●紙契約・既存PDFの取り込みに対応●スキャナ保存機能を搭載●既存の紙同意書をPDF化してアップロード可要確認
家族・リモート署名●メールで家族のスマホから署名可●メール送信でリモート署名可(SMSは有料オプション)●メール認証でリモート署名可●メール・SMS・LINEで家族のスマホから●患者スマホで自宅から署名可△事前学習はリモート・最終署名は来院時対面
料金無料プランあり
有料は月額11,000円〜(税抜)
無料プランあり
有料は月額8,800円〜(税抜)
無料プランあり
有料は要お問い合わせ
要お問い合わせ要お問い合わせ初期55,000円/月額5,000円〜(税込)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年9月時点の各社公式情報による。料金・機能は変動するため、導入時に各社の最新情報をご確認ください。

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインのウェブサイト

弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスがクラウドサインです。書類のアップロードから電子署名・タイムスタンプの付与、保管・検索までをオンラインで完結でき、印刷・押印・郵送を不要にします。

標準は相手方の事前登録が要らない事業者署名型(立会人型)で、導入のハードルが低いのが特徴です。2023年からは、マイナンバーカードの電子証明書を使って本人が署名する当事者署名型の機能も提供しています。

医療専用のサービスではありませんが、同意書を含む各種文書を電子で締結・保管する汎用的な基盤として使えます。累計送信件数は4,000万件を超え、まず汎用の電子契約から始めたい場合の選択肢になります。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインのウェブサイト

電子印鑑GMOサインは、立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方に対応し、両者を組み合わせたハイブリッド署名も選べる点が特徴の電子契約サービスです。同意書ごと、相手ごとに署名方式を使い分けられるため、証拠としての強さを重視する文書と、手早く同意を得たい文書を、1つのサービスで扱い分けられます。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供し、導入実績は350万社以上を掲げています。署名方式の選択肢を広く確保しておきたい医療機関に向く汎用サービスです。

3. DX-Sign(株式会社バルテックサイン)

DX-Signのウェブサイト

「シンプルで使いやすい電子契約」を掲げるDX-Signは、相手方がメール認証だけで事前登録なしに締結へ参加できる手軽さが持ち味です。電子署名・タイムスタンプの基盤にはサイバートラストの証明書・リモート署名サービスを採用し、無料のFreeプランを含む全プランで長期署名・タイムスタンプを自動付与すると公式に案内しています。

電子同意書の法的効力をテーマにした解説も自社で発信しており、同意書の電子化を検討する入口として使いやすいサービスです。月あたりの送信件数に上限のある無料プランがあるため、小さく試してから広げたい場合にも向きます。

4. セイコーの電子同意サービス(セイコーソリューションズ株式会社)

セイコーの電子同意サービス(COMPACT IN MEDICAL)のウェブサイト

セイコーソリューションズの電子契約・書類保管クラウド「COMPACT IN」をベースに、医療機関向けに整えた電子同意取得サービスです(2025年4月に医療機関向けプランとして正式リリース)。手術・検査・治療などの同意書を、対面での手書きサインでも、家族のスマートフォンからのリモート署名でも取得でき、スキャナ保存やタイムスタンプ付与まで一気通貫で行えます。

厚生労働省の医療情報システムの安全管理に関するガイドラインへの準拠を掲げ、同社が提供する総務大臣認定を受けたタイムスタンプ基盤を活用します。複数の同意書をまとめて確認して1回で署名する機能や、署名済み・確認中などのステータス管理も備え、医療の現場運用に寄せて設計されている点が汎用サービスとの違いです。

5. MediOS 電子同意書(Contrea株式会社)

MediOS 電子同意書のウェブサイト

Contrea株式会社が提供するMediOSは、医療現場の説明と同意に特化したプラットフォームで、電子同意書に加えて動画による事前説明や問診の機能を組み合わせられます。電子署名・タイムスタンプの基盤にはサイバートラストの電子証明書を用い、長期署名に対応します。

対面とリモートの両方の署名に対応し、電子カルテとの連携も想定されています。法令やガイドラインの解説を自社で丁寧に発信している点も特徴で、説明から同意、保存までを医療の文脈で一体的に扱いたい医療機関に向きます。

6. Symview 電子同意書(株式会社レイヤード)

Symview(シムビュー)電子同意書のウェブサイト

SymviewはWEB問診で知られる株式会社レイヤードの電子同意書で、患者が事前に説明内容を確認してから署名する流れを重視し、インフォームド・コンセントの強化を打ち出しています。弁護士監修のもとでサービスが設計されている点や、患者の理解度を可視化する仕組みが特徴です。

料金を公開している数少ないサービスで、初期費用と月額の目安を確認しやすい点も、予算を組む段階では利点になります。説明の質と患者理解を軸に電子同意書を検討する医療機関に向きます。

ここで取り上げた汎用の電子契約サービスは、医療同意書に限らず契約全般の電子化にも使えます。電子契約システムを料金やタイプ別の選び方から広く比較して自院に合う一社を絞り込みたい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

医療向け電子同意書システムの費用相場

ここからは、費用の目安を整理します。医療向けの電子同意書システムは料金を公開していないケースが多く、多くのサービスが要お問い合わせとしています。そのなかで公開されている実額を手がかりに、相場感をつかんでいきます。

公開されている実額を見ると、汎用の電子契約サービスは有料プランが月額8,800〜11,000円から(税抜)で、無料で始められるプランも用意されています。医療特化のサービスにも、初期費用55,000円・月額5,000円から(税込)に従量課金を組み合わせた料金を公開しているものがあります。各サービスの料金は比較表に整理しました。金額は変動するため、導入時に最新の条件を確認してください。

一方、医療特化のサービスには料金を公開していないものも多く、資料請求・問い合わせでの確認となります。医療機関ごとに文書量や連携要件が異なるため、個別見積もりの形をとるサービスが多いのが実情です。

見積もりを取る際は、電子化したい同意書の種類数、月あたりの取得件数、電子カルテなど連携したいシステムを伝えると、金額の目安が返ってきやすくなります。汎用サービスは料金が明快な反面、電子カルテ連携やスキャナ保存など医療特化の機能は別途の対応可否と費用を確認する必要があります。

まずは無料プランや公開料金で費用感をつかみ、医療特化の機能がどこまで要るかを見極めたうえで、複数のサービスの資料を見比べて自院の文書量に合う料金体系を選ぶとよいでしょう。

無料プランのある汎用の電子契約サービスから小さく試したい場合は、無料枠で処理できる件数やその数え方、上限を超えたときの費用に注目してまとめた以下の記事も、料金体系を見比べる手がかりになります。

医療同意書を電子化するメリット(紙運用の課題はどう解決されるか)

ここまでの内容を踏まえ、電子化で紙運用の課題がどう解決されるかを整理します。冒頭で挙げた手間が、具体的にどう軽くなるかを確認してください。

印刷・配布・押印回収の手間が減る。同意書をその場の端末やリンクで取得できるため、印刷して配り、署名をもらって回収するという一連の作業が省けます。遠方の家族へも、来院を待たずにリモートで同意を求められます。

保管スペースと検索の負担が軽くなる。紙の同意書を保管する場所が不要になり、過去分を探す作業も、患者や日付での検索に置き換わります。保存年限のあいだ、決められた状態で読み出せる形を保ちやすくなります。

電子カルテとの連携で情報が一元化される。同意書を電子カルテや文書管理システムと紐づけられれば、患者ごとの記録が一か所にまとまり、部門間での参照もスムーズになります。スキャナ保存に対応するシステムなら、過去の紙の同意書も同じ仕組みで管理できます。

これらの効果の大きさは、文書量や既存システムとの連携状況によって変わります。自院でどの課題が重いかを見極めたうえで、それを解決できるサービスを選ぶことが、導入の満足度につながります。

まとめ

医療同意書は、本人特定性・改ざん防止・保存性を満たし、説明と理解の取得という土台を守れば、電子化しても紙と同じように扱える形で運用できます。その根拠は、電子署名法による真正な成立の推定、e-文書法と厚生労働省令による電磁的保存の枠組み、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの3要件、そして令和2年度診療報酬改定による制度上の明確化にあります。

保存年限は文書の種類ごとに異なるため、種類に応じた確認も欠かせません。

実現方法は、既存フォーマットへの電子署名、タブレットの手書きサイン、専用システムの導入の3通りがあり、効力を保つ条件をまとめて満たしやすいのは専用システムです。医療特化のシステムと汎用の電子契約サービスのどちらが合うかは、電子カルテ連携・署名方式・リモート署名・スキャン文書の扱い・費用といった軸で見比べて判断してください。

まずは複数のサービスの資料を取り寄せ、自院の紙運用に合うものを絞り込むところから始めてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子同意書(医療同意書の電子化)とは何ですか?

A. 電子同意書とは、これまで紙で取得していた手術・検査・輸血などの同意書を、タブレットやスマートフォンの端末上で電子的に取得・保存する仕組みです。単に紙をスキャンしてPDFにするだけとは異なり、誰が同意したか(本人特定性)と、その後で内容が変えられていないか(改ざん防止)を担保する仕組みを備える点が、紙と同じ効力を保つうえでの分かれ目になります。

Q. 医療同意書の電子化は違法ではないですか?

A. 医療同意書の電子化は違法ではなく、一定の条件を満たせば紙の同意書と同じように扱えます。書面での作成・保存が求められる医療文書を電磁的記録で保存・作成してよいことは、e-文書法とその厚生労働省令、厚生労働省のガイドラインが定める枠組みで認められています。

加えて令和2年度診療報酬改定でも、文書による患者の同意を要件とするものについて電磁的記録でよいことが明確化されています。ただし、本人特定性・改ざん防止・保存性・説明義務の履行という条件を満たす必要があります。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(e-文書法)|e-Gov法令検索
  • 出典:令和2年度診療報酬改定の概要(医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進)|厚生労働省保険局医療課
  • 出典:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版|厚生労働省

Q. 医療同意書は電子でも紙と同じ法的効力がありますか?

A. 本人による電子署名が行われた電子文書は、電子署名法第3条により真正に成立したものと推定され、紙の署名・押印と同じ役割を果たします。「真正に成立した」とは、その文書が本人の意思で作られたと扱われることを意味します。

ただし、この推定が想定するのは本人自身が署名する当事者署名型(当事者型)で、事業者が当事者の指示で署名を付す立会人型の扱いは論点があります。もっとも、厚生労働省のガイドライン第7.0版は、立会人型を含む電子署名も電子署名法第2条第1項の電子署名として扱えるとしています。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第3条|e-Gov法令検索
  • 出典:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版|厚生労働省

Q. 電子化した医療同意書は何年保存すればよいですか?

A. 保存年限は電子化しても変わらず、文書の種類と根拠法令によって2年・3年・5年に分かれます。診療録(カルテ)は医師法により5年間、保険診療に関する諸記録は療担規則により完結の日から3年間、病院の「診療に関する諸記録」は医療法施行規則により2年間の保存が求められます。

同意書がどの区分に該当するかは運用によりますが、判断に迷う場合は最も長い5年に揃えて保存すれば、いずれの根拠法令の年限も満たせます。いずれの期間中も、真正性・見読性・保存性を保った状態で読み出せるようにしておく必要があります。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:医師法(昭和23年法律第201号)第24条|e-Gov法令検索
  • 出典:保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第9条|e-Gov法令検索
  • 出典:医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第20条第10号|e-Gov法令検索

Q. 電子同意書では、なりすましや本人確認はどう担保しますか?

A. 生年月日など本人しか答えられない情報の入力を署名手順に組み込むなど、システムごとの本人確認の仕組みで担保します。特にリモートで署名を得る場合は、その同意が本当に本人・家族のものかを確かめる作り込みが重要になります。送付先や本人確認項目の組み合わせは製品によって異なるため、なりすまし防止をどう実現しているかは選定時に確認しておきたい点です。

Q. 遠方の家族の同意も、医療同意書の電子化でリモートに取れますか?

A. メール・SMS・メッセージアプリでリンクを送り、家族のスマートフォンから同意を得られるシステムであれば、遠方の家族の同意もリモートで取得できます。患者本人が署名できない、あるいは遠方の家族の同意が要る手術などでは、その場での対面署名だけでは完結しません。

リモート署名に対応しているかどうかは、紙運用の遅れを解消できるかの分かれ目になるため、対面とリモートの両方に対応するかを確認するとよいでしょう。

Q. 紙で取得済みの医療同意書はどう扱えばよいですか?

A. スキャナ保存に対応し、取り込んだ文書にタイムスタンプを付与できるシステムを使えば、過去に紙で集めた同意書も新規分と一元管理できます。新規分だけを電子化して過去分を紙のまま残すと、二重管理の手間が残ります。過去分の電子化をどこまで行うか、スキャン文書にも真正性・保存性を確保できるかを選定時に確認しておくと、運用の手間を抑えられます。

Q. 電子同意書の当事者型と立会人型は何が違いますか?

A. 当事者型は本人自身が署名する方式で電子署名法第3条の推定が働きやすく、立会人型は事業者が当事者の指示で署名を付す方式で導入のハードルが低いという違いがあります。証拠としての強さを重視するなら当事者型、相手方の事前登録が不要で手早く多くの患者から同意を得たいなら立会人型が向きます。両方式に対応し、文書ごとに使い分けられるサービスもあります。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条・第3条|e-Gov法令検索

Q. 医療同意書の電子化は、医療特化システムと汎用の電子契約サービスのどちらを選ぶべきですか?

A. 電子カルテ連携・リモート署名・スキャン文書の取り込み・説明動画などを重視するなら医療特化システム、まず電子署名とタイムスタンプの基盤を低コストで導入したいなら汎用の電子契約サービスが向きます。医療特化システムは医療の現場運用に寄せて設計されている一方、汎用の電子契約サービスは料金体系が公開され無料プランを持つものも多くあります。

自院の文書量・既存システムとの連携要件・予算を軸に、複数のサービスの資料を見比べて絞り込むのが確実です。

Q. 電子同意書は電子カルテと連携できますか?

A. 多くの医療特化システムはWeb APIなどによる電子カルテ・文書管理システムとの連携を前提に設計されており、個別対応で連携できるサービスもあります。同意書を電子カルテと紐づけられれば、患者ごとの参照や保存の一元化がしやすくなります。連携がAPIで標準対応か個別対応かは導入後の運用負荷に直結するため、選定基準として確認しておきたい点です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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