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レピュテーションマネジメントの方法|平常時の予防と炎上後の対応を手順で解説

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SNSや口コミサイトへの書き込みが一瞬で広がる今、企業の評判をどう守り、育てていくかは経営に直結するテーマになりました。レピュテーションマネジメントという言葉は知っていても、「では実際に何から始め、どう続ければよいのか」という手順の部分でつまずく担当者は少なくありません。

本記事では、レピュテーションマネジメントの具体的な進め方を、平常時に取り組む予防・維持の手順と、炎上や風評被害が起きた後の対応手順に分けて解説します。あわせて、自社でどこまで対応し、どこから監視ツールや専門業者に任せるべきかの切り分け、ツールの選び方、費用の目安までを整理しました。自社の評判管理を前に進めるための実践的な手引きとしてご活用ください。

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レピュテーションマネジメントとは

レピュテーションマネジメントとは、企業やブランドに対する世の中の評判(レピュテーション)を継続的に把握し、良い評判を育てながら、評判を損なうリスクの芽を早期に摘み取っていく一連の取り組みを指します。「評判管理」と訳されることもあります。

ここで扱う評判は、顧客・取引先・株主・従業員・求職者・地域社会・メディアといった、企業を取り巻くさまざまな相手からの見られ方の総体です。商品やサービスの品質だけでなく、経営者や従業員の言動、SNSでの発信、取引先とのやり取りまでが評判を形づくります。

評判は一度損なわれると、売上の減少や取引の停止、採用への悪影響、株価の下落など、事業に幅広い形で跳ね返ります。だからこそ、問題が起きてから慌てて対処するのではなく、平常時から評判を見守り、育て、守る仕組みをつくっておくことが重要になります。次章から、その具体的な進め方を見ていきます。

評判を損なう原因や、実際に評判リスクが表面化した企業の事例を先に押さえておきたい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

レピュテーションマネジメントの進め方

ここからは、レピュテーションマネジメントの進め方を全体像から解説します。取り組みは、大きく「平常時」と「発生後」の2つの局面に分けて考えると整理しやすくなります。

平常時にやることは、評判を守り育てるための予防と維持です。自社に関する投稿を継続的に見守り、火種を早期に見つけられる状態をつくると同時に、誠実な情報発信や従業員教育を通じて、そもそも評判を落とさない土台を整えます。

発生後にやることは、炎上や風評被害といった問題が表面化したときの対応と回復です。事実を確認し、必要に応じて説明や謝罪を行い、権利を侵害する投稿には削除依頼などの手段で対処し、最後に再発防止へつなげます。

この2つは切り離されたものではありません。平常時の監視で火種を早く見つけられれば、発生後の対応も小さく済みます。逆に、平常時の備えがないまま炎上を迎えると、初動が遅れて被害が広がりやすくなります。まずは平常時にやるべきことから、順番に見ていきましょう。

レピュテーションマネジメントの進め方を平常時と発生後の2局面に分けて示した図。平常時(予防・維持)はモニタリング、情報発信、従業員教育、体制づくりの4手順。発生後(対応・回復)は事実確認、説明・謝罪、削除依頼、再発防止の4手順。

平常時にやること(予防・維持の手順)

ここでは、評判を損なわないために平常時から取り組む4つの手順を紹介します。順番に整えていくことで、火種を早く見つけ、そもそも火種を生みにくい体質をつくれます。

1. 自社に関する投稿を継続的にモニタリングする

最初の一歩は、自社・ブランド・商品・経営者や従業員に関する投稿を、SNSや口コミサイト、掲示板、ニュースのコメント欄などで継続的に見守ることです。評判は目に見えないところで形づくられるため、まず「今どう言われているか」を可視化するところから始めます

小規模であれば、自社名や商品名で定期的に検索する(いわゆるエゴサーチ)だけでも状況はつかめます。ただし、監視対象のメディアが増え、投稿量が多くなるほど、人手だけで漏れなく見続けるのは難しくなります。どこまでを自分たちで見て、どこから監視ツールや代行に任せるかは、後半の章で改めて整理します。

モニタリングの目的は、単に投稿を集めることではなく、炎上や風評につながりうる「火種」を早い段階で見つけることにあります。急な投稿数の増加や、特定の否定的なキーワードの出現をいち早く捉えられれば、被害が広がる前に手を打てます。

2. 誠実で一貫した情報発信を続ける

評判は、外からの書き込みを監視するだけでは守れません。自社から発信する情報の質と一貫性も、評判を形づくる大きな要素です。公式サイトやSNS、プレスリリースを通じて、事業の姿勢や価値観を誠実に、継続して伝えることが、平常時の評判を底上げします。

ここで大切なのは、発信内容が実態と食い違わないことです。実態を超えた表現や、場面によって主張がぶれる発信は、かえって不信を招き、後の炎上の火種になります。日頃から一貫したメッセージを積み上げておくと、いざ問題が起きたときにも「普段からきちんと説明してきた企業だ」という信頼が支えになります。

発信前のチェックとしては、事実に基づいているか、誇張や断定が過ぎていないか、多様な受け手への配慮を欠いていないか、過去の発信と矛盾しないか、といった観点を確認すると、火種になりにくい発信を続けられます。

3. 従業員教育とガイドラインを整える

評判を損なうきっかけは、外部からの誹謗中傷だけでなく、従業員自身の不用意な言動から生まれることもあります。個人のSNSでの不適切な投稿や、業務上の情報の取り扱いミスが、企業全体の評判を揺るがす事例は後を絶ちません。

そこで、SNS利用に関するガイドラインを整備し、何を書いてよく何が問題になるのかを具体的に示したうえで、定期的な研修で周知することが予防につながります。禁止事項を並べるだけでなく、なぜそれがリスクになるのかを理解してもらうことで、現場での判断力が育ちます。

ガイドラインには、たとえば会社や顧客の非公開情報を投稿しない、勤務先が特定される形での不適切な言動を避ける、業務で知り得た情報の撮影・公開の可否、私的な発信と会社としての立場の切り分け、といった項目を具体例とともに盛り込みます。判断に迷いやすい場面を先回りして示しておくと、現場が自分で判断できるようになります。

4. 危機管理体制とマニュアルをつくる

平常時のうちに、問題が起きたときの対応体制を決めておくことも欠かせません。誰が情報を受け取り、誰が判断し、誰が対外的に発信するのか。この役割分担があいまいなまま炎上を迎えると、初動が遅れて被害が広がります。

連絡経路・判断基準・想定される投稿への対応方針をマニュアルとしてまとめ、関係者で共有しておきましょう。実際に対応が必要になる場面はある日突然訪れるため、平常時に「何が起きたら、誰が、どう動くか」を決めておくことが、次章で扱う発生後対応の土台になります。

ここで挙げた予防・維持の4つの手順を実際に自社へ落とし込むには、抜け漏れを点検できるチェックリストや、教育・仕組み・監視を組織に根づかせる段取りが手元にあると進めやすくなります。炎上を防ぐためのチェック項目や、炎上しない組織をつくる手順、従業員個人アカウント起因の炎上事例まで整理した資料も参考になります。

炎上・風評が起きたときの対応手順

ここからは、炎上や風評被害が実際に表面化したときの対応手順を解説します。以下は法令が定めた公的な手続きではなく、実務で広く採られている一般的な流れです。慌てて個別の投稿に反応する前に、この順序を意識すると対応がぶれにくくなります。

1. 事実を確認する

最初にやるべきは、何が起きているのかを正確に把握することです。どのような投稿が、いつ、どこで、どの程度広がっているのか。指摘されている内容は事実なのか、誤解や事実無根の風評なのかを見極めます。

ここを見誤ったまま発信すると、対応を誤って被害を広げかねません。感情的な反応を避け、まず事実関係の確認に徹することが出発点になります。

具体的には、問題となった投稿のURLや画面キャプチャ、拡散の起点や件数、寄せられている指摘の中身を、担当者が個別に抱えるのではなく一か所に集約し、時系列で整理します。関係部署から必要な情報を集めて事実関係を突き合わせておくと、この後の発信で判断がぶれにくくなります。

2. 説明・謝罪など、状況に応じた発信を行う

事実確認の結果、自社に非がある場合は、経緯の説明と誠実な謝罪を、適切なタイミングと窓口で行います。一方、事実無根の風評であれば、感情的に反論するのではなく、事実を淡々と示す発信が有効な場合もあります。いずれも、平常時に決めた体制(誰が判断し、誰が発信するか)に沿って進めることで、対応の一貫性が保てます。

発信にあたっては、誰が意思決定し、どの窓口(公式サイト・SNS・報道対応など)から、どの順番で伝えるかをあらかじめ決めておきます。あわせて、想定される質問と回答(想定問答)を事前に用意しておくと、問い合わせが集中しても回答がぶれず、担当者ごとに説明が食い違う事態を防げます。

実際に、発信の仕方が評価を分けた例は少なくありません。株式会社スープストックトーキョーは2023年、全店での離乳食の無料提供をめぐって「一人客が入りづらくなる」といった賛否がSNSで広がりました。同社は翌日に声明を出し、安易に謝罪するのではなく、特定の顧客だけを優遇する考えはないことや「食のバリアフリー」という取り組みの趣旨を説明しました。この毅然とした姿勢がかえって支持を集めています。

一方、事実無根の情報への対応では、株式会社龍角散が2026年7月、商品が「発注停止」になるとの情報がSNSで拡散しました。同社は公式Xで「在庫は十分ございます」と伝え、商品リニューアルに伴うJANコードの切り替えという事実を示して、消費者の不安を早期に打ち消しました。

出典:

出典・参考資料(2件)

3. 権利を侵害する投稿には削除依頼を検討する

投稿の中に、名誉毀損やプライバシー侵害など、自社や関係者の権利を侵害する内容が含まれる場合には、削除を依頼するという手段があります。総務省は、権利侵害にあたる情報への対処について、次のように説明しています。

インターネット上に自身の権利を侵害するような情報(プライバシー侵害、名誉毀損等)があった場合には、本人もしくは代理人(未成年者であれば親などの保護者、弁護士)からサイトの管理者等に対して削除の依頼をすることが可能です。

出典:インターネット上の違法・有害情報に関してお困りの方へ|総務省

ここで注意したいのは、削除依頼という手段が対象とするのは、あくまで名誉毀損やプライバシー侵害といった「権利を侵害する情報」に限られるという点です。単なる批判や低評価、事実に基づく合法的な範囲の口コミは対象になりません。

削除の専用フォームが用意されていないサイトについては、民間団体(情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会)が策定した送信防止措置の書式を活用して依頼する方法もあり、手続きに迷う場合は総務省の支援事業「違法・有害情報相談センター」に相談できます。

投稿者への損害賠償請求など、法的措置まで見据える場合には、サイトの管理者等に対して発信者情報の開示を請求する制度もあります。ただし、これは弁護士への相談を前提とした踏み込んだ選択肢であり、日常の評判管理では、まず削除依頼の可否を検討するのが現実的です。

こうした削除依頼や逆SEO(検索結果で不利な情報を目立ちにくくする対策)、弁護士との連携を専門に代行する会社もあります。権利侵害への削除・法的対応を外部に任せることを検討する場合は、対応の手段ごとに会社を比較した以下の記事が参考になります。

4. 再発防止につなげる

対応が一段落したら、なぜその問題が起きたのかを振り返り、再発を防ぐ仕組みに反映します。原因が社内の運用にあったのなら手順やチェック体制を見直し、発信内容にあったのなら発信のルールを改めます。ここで得た学びを平常時のガイドラインやマニュアルに戻すことで、評判管理は一度きりの対応で終わらず、継続的に回る取り組みになります。

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自社で対応する範囲と、専門業者・ツールに任せる範囲

ここでは、これまで見てきた手順のうち、どこまでを自社で行い、どこから外部のツールや専門業者に任せるかの切り分けを整理します。すべてを自前で抱える必要も、丸ごと外注する必要もありません。

レピュテーションマネジメントで自社対応と外部委託をどう切り分けるかを示した図。自社で対応するのはエゴサーチ、公式SNSでの情報発信、従業員教育とガイドライン整備、社内の危機管理体制づくり。外部に任せるのは24時間365日の継続モニタリング、炎上時の初動対応・沈静化コンサル、権利侵害への削除・法的対応。判断や方針が問われる部分は内部、網羅性・即時性・専門性が問われる部分は外部。

自社で対応しやすいのは、自社名や商品名での定期的な検索、公式SNSや自社サイトの発信、従業員教育やガイドラインの整備、社内の危機管理体制づくりといった領域です。これらは自社の実態や方針を最もよく理解している内部だからこそ、精度高く進められます。

検索も、手作業のエゴサーチだけでなく、無料で使える仕組みを組み合わせると負担を抑えられます。Googleアラートは、自社名やブランド名などのキーワードを登録しておくと、それに触れたWebページやニュースが公開されたときにメールで知らせてくれる無料サービスで、日々の巡回を自動化できます。Xでの言及をつかむなら、ログイン不要で投稿を検索できるYahoo!リアルタイム検索も手軽な手段です。

まずはこうした無料ツールで監視対象のキーワードを決めて回し、人手で追いきれなくなった範囲を外部のツールや監視代行に移す、という進め方が現実的です。

出典:

出典・参考資料(2件)

一方、外部に任せることで負担が軽くなり、精度も上がりやすいのは、次のような領域です。監視対象のメディアが多く、24時間・365日の見守りが必要な継続的なモニタリングは、人手だけでは漏れが生じやすく、監視ツールや監視代行が効果を発揮します。

また、炎上が起きたときの初動対応や沈静化のコンサルティング、権利侵害への削除・法的対応は、経験と専門知識が結果を左右するため、専門業者の支援が現実的な選択になります。

外部の力を借りるかどうかを考えるうえでは、投稿を検知した後の判断でつまずく企業が多いという実情も踏まえておくと役立ちます。株式会社クラッドの時田氏は、リスクを検知した後の進め方についてこう述べています。

時田氏
株式会社クラッド 営業部 部長
時田氏
独自インタビューより

多くのお客様がつまずくのは、「リスク検知後に何をすべきか判断できない」という点です。当社ではまず、SNS上の論調分析と、なぜ拡散されたのかの原因分析が必要と考えております。分析を行った後、リリース発信など具体的な対策を行うべきか、静観すべきかといった対処の方向性を決める運びとなります。

切り分けの目安は、自社の判断や方針が問われる部分は内部で持ち、網羅性・即時性・専門性が問われる部分は外部の力を借りるという考え方です。次章では、この外部に任せる部分を担う監視サービス・ツールの選び方と、具体的なサービスを見ていきます。

監視を仕組み化するサービス・ツールの選び方と活用

ここからは、評判の監視を継続的に回すためのサービス・ツールについて、選び方の見どころと具体的なサービスを紹介します。自社に合うものを選ぶには、次の観点で各サービスを見比べると判断しやすくなります。

選び方の見どころ

1つ目は監視の方式です。AIが投稿を自動で検知・分類するツール型、専門のオペレーターが目視で判断する有人監視型、その両方を組み合わせたハイブリッド型があります。投稿量が多く効率を重視するならツール型、日本語特有のニュアンスや動画・画像まで正確に見極めたいなら有人を含む方式が向きます。

2つ目は監視できる対象範囲です。X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSに加え、掲示板・口コミサイト・動画・ニュースコメントまで、自社の評判が語られる場をどれだけカバーできるかが、選ぶ際の観点になります。

3つ目は炎上時の対応範囲です。検知して報告するだけなのか、初動のアドバイスや沈静化のコンサルティング、削除・法的対応まで踏み込めるのかで、任せられる範囲が変わります。4つ目は体制で、24時間365日の監視や緊急時の連絡体制があるかを見ます。そして5つ目が費用で、多くのサービスは要問い合わせですが、参考価格を公開しているものもあり、比較検討のしやすさにつながります。

以下は、これらの観点で主なサービスを比較した表です。

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サービス名AI-mining(クラッド)Webリスクモニタリング(エルテス)Web/SNSモニタリング(シエンプレ)インターネットモニタリング(アディッシュ)投稿監視・ネットパトロール(イー・ガーディアン)
監視方式AIツール中心
+有人監視代行(オプション)
AI+有人のハイブリッド
(専門家が目視判定)
有人中心
(監視+論調分析+
沈静化コンサル)
AI×ヒトの
ハイブリッド
AI×人のハイブリッド
(Kotonashi/ROKAで自動抽出)
監視対象X・掲示板・口コミ・評価サイト等
約2,000メディア
(YouTube・Instagram等は有人監視代行)
X・Instagram・Facebook・TikTok・
YouTube・5ch等の掲示板・
ブログ・ニュースメディア
X・口コミ・Web上の投稿
(風評・ダークウェブ等は
別ソリューション)
企業SNSアカウントへのコメント・
自社コミュニティ/掲示板・
動画/コメント・本人確認 等
自社SNS・掲示板・EC/口コミレビュー・
画像・企業メール/外部SNS・ブログ・
動画の横断監視(風評調査)
体制(24時間365日)24時間365日
(有人監視オプション)
24時間365日緊急アラートは
24時間365日自動
(電話受付は平日9-18時)
24時間365日
有人体制
24時間365日
有人体制
(月間2,000万件以上の実績)
炎上時の対応範囲追加料金なしで専門コンサルが
分析・助言・沈静化支援
炎上保険付帯(上限300万円)
緊急通知→初期対応サポート→
沈静化コンサル→評判回復
専任コンサルが対応判断・
沈静化コンサルティング
リスク検知・日報/
即時エスカレーション・緊急連絡
(削除・法的対応は要問い合わせ)
「SNSリスク即時検知」で
「10分以内」報告・初動アドバイス
(なりすまし・違法投稿検知)
料金要問い合わせ
(キーワード数に応じた変動制、
基本1〜3キーワードで月額17万5,000円〜)
要問い合わせ
(個別見積・無料相談あり)
要問い合わせ
(公式に料金非公開)
要問い合わせ
(参考価格: SNS監視
初月10万円〜・月額8万円〜)
要問い合わせ
(公式に料金非公開)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※上記は各社公式情報に基づく(2026年9月時点)。料金・機能の詳細や最新の提供内容は各社にご確認ください。

ここからは、上の表で取り上げたサービスを個別に紹介します。

1. AI-mining(株式会社クラッド)

AI-mining(AIマイニング)の公式サイト

AI-miningは、2000年提供開始の「e-mining」を2025年にフルリニューアルしたデジタルリスク監視・分析ツールで、株式会社クラッドが提供しています。AIの自然言語処理で投稿の文脈を読み取り、約2,000以上のメディアからリスク投稿を自動で検知・分類する点が中核です。

ダッシュボードで投稿状況や論調をリアルタイムに可視化し、投稿数の急増や特定キーワードの出現をメールで知らせるアラート機能も備えます。YouTube・Instagramなど機械抽出が難しいメディアは有人監視代行(オプション)でカバーするハイブリッド体制をとり、契約プランに応じて炎上時の専門コンサルタントによる支援や炎上保険が付帯する点も特徴です。累計1,500社以上の導入実績を公式に掲げています。

2. Webリスクモニタリング(株式会社エルテス)

Webリスクモニタリング(エルテス)の公式サイト

デジタルリスクマネジメントを手がける上場企業(東証グロース)の株式会社エルテスが提供するのが、Webリスクモニタリングです。2007年からソーシャルリスクマネジメント事業を続け、1,000社以上の導入実績を公式に掲げています。

監視方式は、AIによる高速なスクリーニングと、デジタルリスクに精通した専門家による目視判定を掛け合わせたハイブリッド体制です。ツール単独では難しい日本語の文脈判断や誤検知の抑制を、人の目で補う設計を強みとしています。

X・Instagram・TikTok・YouTube・匿名掲示板など幅広いメディアを24時間365日体制で監視し、重大なリスク投稿を検知すると緊急通知を行い、初期対応から沈静化のコンサルティングまで一気通貫で支援します。

3. Web/SNSモニタリング・モニタリングDX(シエンプレ株式会社)

Web/SNSモニタリング・モニタリングDX(シエンプレ)の公式サイト

「デジタル・クライシス対策」を専門とするシエンプレ株式会社は、監視から一歩踏み込んで、対応までを重視したサービスを展開しています。通常のモニタリングに、論調分析と炎上防止のコンサルティングを組み合わせた「深層モニタリング」が特徴です。

口コミをネガティブ・ポジティブ・ニュートラルの3段階に分類し、接客・施設・価格といったカテゴリ別に増減と要因を分析してレポートします。

問題投稿が発生した際は24時間365日の自動アラートに加え、専任コンサルタントが「対応すべきか、どう対応すべきか」の方針まで助言する点が、監視ツールの通知だけでは判断しづらいという課題に応えます。取引実績は10,000社を超え、警察庁のサイバーパトロール業務を複数年度受託した実績も掲げています。

4. インターネットモニタリング(アディッシュ株式会社)

インターネットモニタリング(アディッシュ)の公式サイト

アディッシュ株式会社の「インターネットモニタリング」は、青少年保護やネットいじめ対策を起点に育ってきた投稿監視代行サービスです。同社が最初に手がけたサービスがモニタリングであり、長年の運用ノウハウを土台にしています。

「AI×ヒト」のハイブリッド方式で、AIが一次抽出した投稿を専属オペレーターが文脈で判断します。企業のSNSアカウントへのコメント監視から、自社コミュニティサイトの監視、本人確認、動画・コメント監視まで幅広く対応し、運用実績は800サービスを超えます。

多くの監視代行が料金を非公開とするなか、SNS監視で初月10万円・月額8万円からといった参考価格を公式サイトで公開しており、費用のイメージを持ちやすい点も比較検討では役立ちます。

5. 投稿監視・ネットパトロール(イー・ガーディアン株式会社)

投稿監視・ネットパトロール(イー・ガーディアン)の公式サイト

東証プライム上場のイー・ガーディアン株式会社は、月間2,000万件以上の監視実績を持ち、投稿監視・ネットパトロールを中核事業とする企業です。創業以来20年以上にわたって蓄積した監視ノウハウを掲げています。

監視方式は自社開発のAI(Kotonashi・ROKA SOLUTION)で不適切なテキストや画像を自動抽出し、専門オペレーターが文脈を踏まえて最終判断する「AI×人」のハイブリッドです。

強みは炎上の初動対応で、外部のSNS・ブログ・動画・口コミを横断監視してリスク投稿を検知し、およそ10分以内に報告する「SNSリスク即時検知サービス」を備えます。炎上対策で重要となる最初の数時間をサポートする体制を打ち出しており、なりすましアカウントや違法アップロードの検知にも対応します。

ここで取り上げたのは、監視を仕組み化する選択肢の一部です。AI型・有人型を含めた主要な監視サービスを、選び方や機能、費用まで横断的に比較したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

レピュテーションマネジメントにかかる費用の目安

ここでは、監視サービス・専門業者を利用する場合の費用の考え方を整理します。多くのサービスは監視対象や件数、体制によって費用が変わるため、公式には料金を非公開とし、個別見積もりとしています。

費用を左右する主な要素は、監視するメディアや投稿の件数、監視の頻度、24時間体制かどうか、AIツールだけか有人監視を含むか、炎上時のコンサルティングや削除対応まで含むか、といった点です。監視の範囲と体制を厚くするほど費用は上がる関係にあります。

公開されている参考価格は多くありませんが、記事内で紹介したサービスの中には、SNS監視で初月10万円・月額8万円からと示すものがあります。また、キーワード数に応じた変動制で、基本1〜3キーワードなら月額17万5,000円からと示すものもあります。ただしこれらは一例で、実際の費用は監視の対象や体制によって変わります。

一方、平常時の予防・維持を自社で担う場合は、外部への支払いこそ発生しませんが、担当者の工数という形でコストがかかる点も見落とせません。エゴサーチやGoogleアラート等での投稿確認、SNSガイドラインの整備・研修、危機管理体制の文書化といった業務は、多くの企業で広報や総務の担当者が他業務と兼務で担います。

監視対象が自社名や主要商品名など少数にとどまるうちは、1日あたり数十分程度の確認から始められる規模感ですが、監視すべきメディアや投稿量が増えるほど必要な工数は膨らみます。目安として、自社の担当者がこの作業に割ける月あたりの時間と、外部委託した場合の費用とを見比べ、人手で追いきれなくなった段階で外注に切り替えると、無理なくコストを配分できます。

自社の課題に対してどこまでの範囲を任せるかを先に固めたうえで、複数のサービスから見積もりを取り、範囲と費用のバランスで比べるのが確実です。無料相談を受け付けているサービスも多いため、まずは自社の状況を伝えて概算を把握することから始めるとよいでしょう。

レピュテーションマネジメントで対応が分かれるポイント

ここでは、評判を守れるかどうかの分かれ目になりやすい3つのポイントを、起こりがちな場面に即して整理します。これまでの手順を「やっていたか・いなかったか」が、結果を大きく変えます。

1つ目は、火種を早期に検知できるかどうかです。たとえば従業員の不適切な投稿や商品への苦情がSNSに上がったとき、平常時からモニタリングしていれば、投稿の増加や否定的なキーワードを早い段階で捉え、小さいうちに事実確認と説明へ動けます。監視の仕組みがなく拡散してから気づくと、初動が遅れて被害が広がります。

2つ目は、発生後の初動の姿勢です。事実を確認したうえで、非がある場合に誠実な説明と謝罪を早く行えば、対応そのものが評価されて信頼回復につながることもあります。逆に、確認を欠いた感情的な反論や対応の先延ばしは、当初の問題以上に「対応のまずさ」が新たな批判を呼びます。SNSでは初動の数時間の遅れが拡散量を大きく左右します。

3つ目は、権利侵害への対処と再発防止に踏み込めるかどうかです。名誉毀損にあたる投稿には削除依頼、悪質な場合は発信者情報の開示という手段があります。対応後に原因を振り返って社内の仕組みを改善できた企業は、同じ問題を繰り返しにくくなります。共通するのは、特別な裏技ではなく、平常時の備えと手順を踏んだ発生後対応の積み重ねだけが評判を守るという点です。

レピュテーションマネジメントが重要になっている背景

最後に、なぜ今レピュテーションマネジメントの重要性が高まっているのか、その背景を整理します。大きな要因は、SNSの普及と、権利侵害への制度面の整備という2つの動きです。

前提として、評判はもはや企業価値そのものを左右する経営資源になっています。PR会社のウェーバー・シャンドウィックが2020年に世界22市場の経営層を対象に行った調査では、自社の市場価値のうち平均63%を評判が占めると経営層が回答しました。評判が企業価値の過半を左右するという認識が広がるなか、その評判を能動的に守り、育てる取り組みの必要性も高まっています。

出典:

出典・参考資料(1件)

1つ目は、SNSが幅広い世代に浸透したことです。総務省の調査によると、LINEの利用率は全体で2014年の55.1%から2024年には94.9%へと増加し、60代でも同期間に11.3%から91.1%へと伸びています。XやInstagramも2024年には全体の半数程度が利用しており、企業に対する評判が誰の目にも触れ、瞬時に拡散しやすい環境が広がっています。

出典:

出典・参考資料(1件)

2つ目は、SNS上の権利侵害への対処を、国が制度面で強化していることです。従来の「プロバイダ責任制限法」は2025年4月に改正法が施行され、「情報流通プラットフォーム対処法」(正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律)へと名称が変わりました。

この法律では、発信者情報の開示を請求する権利や、大規模なプラットフォーム事業者に対する削除対応の迅速化・運用状況の透明化などが定められています。

こうした制度の整備は、権利を侵害する投稿への対処手段が広がってきたことを意味します。SNSの普及で評判が可視化・拡散しやすくなる一方、権利侵害には制度で対処できる環境も整いつつある——この両面が、企業が能動的に評判を管理する必要性を高めています。

出典:

出典・参考資料(1件)

まとめ

レピュテーションマネジメントは、特別な裏技ではなく、平常時の予防・維持と、発生後の対応・回復を手順に沿って積み重ねる取り組みです。平常時には、自社に関する投稿のモニタリング、誠実で一貫した情報発信、従業員教育とガイドライン、危機管理体制の整備という4つを整えます。発生後には、事実確認、状況に応じた説明・謝罪、権利侵害投稿への削除依頼の検討、再発防止という順序で落ち着いて対応します。

これらのうち、網羅性や即時性、専門性が問われる継続的な監視や炎上時の対応は、監視ツールや専門業者の力を借りることで、負担を抑えながら精度を高められます。自社に合うサービスを選ぶ際は、監視方式・対象範囲・炎上時の対応範囲・体制・費用の観点で見比べ、複数の資料を取り寄せて比較検討を進めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. レピュテーションマネジメントは何から始めればよいですか?

A. まず自社・ブランド・商品に関する投稿を継続的にモニタリングし、「今どう言われているか」を可視化するところから始めます。評判は目に見えないところで形づくられるため、現状の把握が最初の一歩になります。

小規模であれば自社名や商品名での定期的な検索(エゴサーチ)でも状況はつかめます。あわせて、誠実で一貫した情報発信、従業員向けのSNSガイドライン整備、問題発生時の危機管理体制づくりを平常時から進めておくと、火種を早く見つけられ、そもそも火種を生みにくい体質をつくれます。

Q. レピュテーションマネジメントは自社だけで対応できますか?専門業者やツールに任せるべき範囲はどこですか?

A. まず自社で始め、人手や専門性が追いつかなくなった範囲を段階的に外部へ移すのが現実的です。公式SNSでの発信、従業員教育やガイドラインづくり、社内の連絡・判断体制の整備は、方針が問われるため内部で進めるのが向いています。

外部委託で迷いやすいのが継続的なモニタリングで、監視すべきメディアや投稿量が人手で追いきれなくなった時点が、ツールや監視代行を入れる一つの目安です。炎上時の沈静化や権利侵害への削除・法的対応など、即時性と専門性が要る場面も委託の候補になります。

Q. 自社名の検索(エゴサーチ)だけでレピュテーションマネジメントとして十分ですか?

A. 小規模なうちはエゴサーチでも状況をつかめますが、監視対象のメディアが増え投稿量が多くなると、人手だけで漏れなく見続けるのは難しくなります

投稿の見落としは炎上の初動遅れに直結するため、SNS・掲示板・口コミサイト・ニュースコメントなど監視すべき場が広がってきた段階では、AIによる自動検知や有人監視代行を組み合わせた監視ツール・監視サービスの導入を検討するのが現実的です。急な投稿数の増加や否定的なキーワードの出現をアラートで捉えられれば、被害が広がる前に手を打てます。

Q. 中小企業でもレピュテーションマネジメントに取り組めますか?

A. レピュテーションマネジメントは、企業規模を問わず取り組めます。エゴサーチによる状況把握、SNS利用ガイドラインの整備、「何が起きたら誰がどう動くか」を決めた危機管理体制づくりは、費用をかけずに自社で始められる取り組みです。

まずはこうした平常時の予防・維持を自前で整え、監視すべきメディアや投稿量が増えて人手では回しきれなくなった段階で、監視ツールや監視代行の利用を検討するという順序が、規模に応じた無理のない進め方になります。

Q. レピュテーションマネジメントで削除依頼できる投稿の範囲はどこまでですか?

A. 削除を依頼できるのは、名誉毀損やプライバシー侵害など「権利を侵害する情報」に限られ、単なる批判や低評価、事実に基づく合法的な範囲の口コミは対象になりません。総務省も、権利を侵害する情報についてはサイトの管理者等へ削除を依頼できると案内しています。

削除の専用フォームがないサイトには、民間団体が策定した送信防止措置の書式を活用する方法もあり、手続きに迷う場合は総務省の相談窓口を利用できます。投稿者への損害賠償まで見据える場合は発信者情報の開示請求という制度もありますが、これは弁護士への相談を前提とした踏み込んだ選択肢です。

出典:

出典・参考資料(1件)

Q. レピュテーションマネジメントを外部に依頼する費用の目安はどのくらいですか?

A. レピュテーションマネジメントを外部に依頼する費用は、監視対象や件数・体制によって変わるため多くのサービスが要問い合わせとしており、公開情報の一例としてSNS監視で初月10万円・月額8万円からと示すサービスがあります。監視するメディアや投稿の件数、24時間体制かどうか、AIツールだけか有人監視を含むか、炎上時のコンサルティングや削除対応まで含むかによって費用は上下します。

自社の課題に対してどこまでの範囲を任せるかを先に固めたうえで、無料相談などを活用して複数社から見積もりを取り、範囲と費用のバランスで比べるのが確実です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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