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仮想通貨の税金が計算できない原因と解決策|取得価額が分からない・履歴が散らばった場合の進め方

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暗号資産(仮想通貨)会計・税務・損益計算ツール比較表(2026年版)

暗号資産(仮想通貨)で利益が出たかもしれないのに、取引履歴が複数の取引所やウォレットに散らばっていたりします。あるいは、何年も前に買った分の取得価額が分からなかったりして、確定申告に使う所得金額を自分では出せずに手が止まってしまう。こうした状態は、複数の取引所やDeFi(分散型金融)・NFTを数年にわたって使ってきた人ほど起こりやすいものです。

「計算できない」と感じる原因は、いくつかの型に分かれます。そして、その型ごとに申告できる数字へたどり着く方法があります。取得価額が分からないときには、売却価額の5%を取得価額とみなす取扱いも用意されています。

本記事では、なぜ計算できないのかを原因ごとに切り分けたうえで、取得価額が不明なときの計算方法、取引履歴・年間取引報告書の集め方、総平均法・移動平均法での所得金額の出し方、そして自力・損益計算ツール・計算代行という3つの選択肢までを整理します。

自分に合った方法を1つ選び、確定申告に使える数字までたどり着くための手がかりとしてご活用ください。

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仮想通貨の税金が「計算できない」よくある理由

「計算できない」と一口に言っても、その原因はいくつかの型に分かれます。まず自分がどの型に当てはまるのかを見きわめると、遠回りせずに解決策へ進めます。よくある原因は、次の5つです。

これらは特別なケースではなく、暗号資産の取引を続けてきた人に実際によく起こる詰まりです。自分がどれに当てはまるか(複数に当てはまることもあります)を確かめたうえで、対応する章から読み進めてください。

どの型に当てはまる場合も、申告に使える数字までは大きく次の流れで進みます。

暗号資産の税金が計算できないときに確定申告へたどり着く全体の流れの図。ステップ1で各取引所の年間取引報告書・取引履歴CSVを集め、ステップ2で総平均法・移動平均法により所得金額を計算し、ステップ3で確定申告書等作成コーナーなどで申告する。ステップ2の計算方法は、国税庁の無料の計算書を使う自力、取引所連携やCSVで自動集計する損益計算ツール、データを送って専門スタッフに任せる計算代行・税理士の3つから選ぶ。

取得価額が分からないときの計算方法(売却価額の5%を取得価額とみなす取扱い)

ここからは、多くの人がつまずく「取得価額が分からない」ケースの解決方法を解説します。暗号資産の所得は、原則として「売却価額 − 取得価額 − 必要経費」で計算しますが、この取得価額が分からないと計算そのものが進みません。国税庁は、こうした場合に売却価額の5%相当額を取得価額としてよい、という取扱いを示しています。

売却価額の5%を取得価額とみなす計算式と数値例

取得価額が分からない場合、売却価額の5%相当額を取得価額とみなして所得を計算できます。計算式は「売却価額 −(売却価額 × 5%)= 所得」です。国税庁のFAQは、この取扱いを次のように示しています。

なお、売却した暗号資産の取得価額については、売却価額の5%相当額とすることが認められます。例えば、ある暗号資産を500万円で売却した場合において、その暗号資産の取得価額を売却価額の5%相当額である25万円とすることが認められます。【関係法令等】所基通達48の2-4

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(令和7年12月)問2-7|国税庁

例にならえば、500万円で売却した暗号資産の取得価額が分からない場合、取得価額を25万円(500万円 × 5%)とみなし、所得は475万円(500万円 − 25万円)と計算できます。実際に納める税額は、この所得を他の所得と合算した総合課税で決まります。

ただし、ここでいう5%は、土地・建物や株式などの譲渡所得で使われる「概算取得費」(売った金額の5%を取得費とみなす措置)とは別の取扱いです。暗号資産の利益は原則として雑所得に区分され、この5%は所得税基本通達48の2-4にもとづく、雑所得・事業所得の必要経費の計算上の取扱いにあたります。結果として使う数字(売却価額の5%)は同じでも、根拠となる制度が異なる点に注意してください。

出典・参考資料(2件)

5%特例を使うときの注意点(実際の取得費が5%を超えると不利になる)

この5%の取扱いは便利ですが、必ずしも得になるわけではありません。実際の取得価額が売却価額の5%を上回っていた場合、5%で計算すると取得価額を低く見積もることになります。その分、所得が大きくなって税額も増えます。

たとえば500万円で売却した暗号資産を、本当は100万円で取得していたのなら、実際の取得価額100万円を使えば所得は400万円ですが、5%(25万円)を使うと所得は475万円に膨らみます。

5%はあくまで「取得価額がどうしても分からないとき」の最終手段です。実際の取得価額が分かる、または後述する年間取引報告書や口座記録から確認できる場合は、そちらを使うほうが有利になることが多くなります。取得価額を確認する手順は、次の章で解説します。

ここまでの取得価額の考え方を整理すると、進め方は次のようになります。

暗号資産の取得価額が分からないときの進め方を示す判断フロー図。まず実際の取得価額が分かる場合は実額で計算する(売却価額から取得価額と必要経費を差し引く)。分からないときは、年間取引報告書や口座記録、銀行の入出金記録、取引所が公表する取引相場から確認する。それでも不明なときの最終手段として、売却価額の5%を取得価額とみなして所得を計算する。ただし実際の取得価額が売却価額の5%を上回ると所得が大きくなり不利になるため、5%は確認できないときだけの手段である。

取引履歴・年間取引報告書の集め方

ここでは、散らばった取引履歴を集めて計算に使える状態にする手順を解説します。取得価額や損益を正確に出すには、まず各取引所からの記録を手もとにそろえることが出発点です。

取引所から年間取引報告書・取引履歴をダウンロードする

国内の暗号資産交換業者の多くは、1年間の取引をまとめた「年間取引報告書」を交付しています。これは国税庁が交換業者に交付を依頼しているもので、年始・年末の数量、年中の購入・売却の数量と金額、支払手数料などが記載されています。手もとに見当たらない場合は、利用していた交換業者に交付(または再交付)を依頼してください。

年間取引報告書がそろえば、国税庁ホームページの「暗号資産の計算書」に必要な項目を入力するだけで、所得金額を計算できます。国税庁のFAQも、この手順を次のように案内しています。

年間取引報告書の太枠(赤字)部分及び太字点線枠(青字)部分について、国税庁ホームページに掲載している「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力すれば、簡便に所得金額を計算することができます。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(令和7年12月)問2-8|国税庁

具体的には、国税庁ホームページから「暗号資産の計算書(総平均法用)」のExcelをダウンロードし、通貨ごとに次の項目を入力します。

  • 年始・年末に保有する数量
  • その年に購入した数量と金額
  • その年に売却した数量と金額
  • 支払った手数料

これらは年間取引報告書の太枠(赤字)部分・太字点線枠(青字)部分に対応しており、入力すると計算書がその通貨の所得金額を自動で計算します。複数の通貨を扱っている場合は、通貨ごとに計算書を作成します。

交換業者のマイページからは、年間取引報告書のほかに、より細かい取引履歴(CSV形式など)もダウンロードできることが一般的です。損益計算ツールに取り込む場合はこのCSVを使うため、報告書とあわせて取得しておくとスムーズです。

ただし、報告書やCSVを集めても、そこからが本番です。国税庁の「暗号資産の計算書」は1通貨ずつ手入力する前提のため、同じ通貨を複数の取引所で売買していると、通貨ごとに取引所をまたいで数量・金額を手集計する必要があります。取引件数が多いと、この手集計は現実的にかなりの負担になります。

そのため、取引所やウォレットが多い場合は、集めた履歴を損益計算ツールに取り込んで自動で集約・計算するのが有効です。ツールなら通貨ごとの通算やCSVの取り込みを自動で処理でき、手集計の手間と計算ミスを減らせます(ツールの選び方は後述の3つの選択肢で解説します)。

出典・参考資料(2件)

閉鎖・サービス終了した取引所の履歴が取れないときの対処

使っていた取引所が閉鎖・サービス終了してログインできず、履歴をダウンロードできないケースもあります。この場合でも、制度上の裏づけがある確認方法が用意されています。

国外の交換業者や個人間で取得した暗号資産については、国税庁のFAQが、銀行口座の出金・入金の状況や、取引所が公表する取引相場から取得価額・売却価額を確認する方法を示しています。それでも分からないときの最終手段が、前章の売却価額の5%を取得価額とみなす取扱いです。

制度上の裏づけがある方法とは別に、実務上の当たりとしては、当時受け取った取引所からのメール(取引通知・入出金通知)や、ウォレットアドレスが分かる場合のブロックチェーン上の記録をたどる方法もあります。これらは国税庁が定めた確認手段ではありませんが、記録を再構成する手がかりになることがあります。

手がかりが得られない場合は、無理に推測で数字を作らず、銀行口座の記録や取引相場での確認、それでも不明なら売却価額の5%を取得価額とみなす取扱いに切り替えるのが現実的な進め方です。

出典・参考資料(1件)

来年以降、同じ詰まりを繰り返さないための履歴管理

「取得価額が分からない」「履歴が集められない」という詰まりの多くは、記録が後追いになったことが原因です。翌年以降に同じ苦労を繰り返さないためには、取引の都度、年間取引報告書やCSVをダウンロードして保管しておく習慣が有効です。損益計算ツールを取引所と連携させておけば、履歴が自動で集約され、年をまたいでも取得価額が引き継がれるため、申告時期にまとめて集める負担を減らせます。

総平均法・移動平均法での所得金額の出し方

まず、集めた履歴をもとに所得金額を出す2つの計算方法を確認します。暗号資産の所得計算では、1単位あたりの取得価額の求め方として「総平均法」と「移動平均法」の2つがあります。国税庁のFAQをもとに要点を整理すると、次のとおりです。

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計算のしかた手間位置づけ
総平均法年初時点で保有する暗号資産の評価額と、その年に取得した取得価額の総額とを合計し、これらの総量で割って1単位あたりの取得価額を求める年に一度まとめて計算でき、手計算でも比較的取り組みやすい評価方法の届出をしない場合に適用される方法
移動平均法暗号資産を取得するたびに、その時点で保有する簿価の総額を数量で割って平均単価を求め直す取得のたびに計算し直すため手間はかかるが、取得時点ごとの損益に近い届出をした場合に選択できる方法

※2026年9月時点の国税庁公表情報にもとづく

どちらを使うか迷う場合、多くの個人は総平均法になります。国税庁のFAQは、評価方法の届出書を提出していない場合の扱いを次のように定めています。

(注)2 評価方法の届出書の提出がない場合には、評価方法は「総平均法」になります。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(令和7年12月)問2-5|国税庁

移動平均法を使いたい場合は、初めて暗号資産を取得した年分の確定申告期限までに「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を税務署へ提出します。届出をしなければ総平均法で計算し、いったん選んだ方法は継続して適用するのが原則です。計算自体は、国税庁が無料で配布する「暗号資産の計算書」(総平均法用・移動平均法用のExcel)に年間取引報告書の数字を入力すれば進められます。

総平均法の計算は、簡単な例で見るとイメージしやすくなります。たとえば同じ通貨を2回に分けて購入し、1BTCを300万円、別の時期にもう1BTCを500万円で取得したとします。総平均法では、1単位あたりの取得価額を(300万円+500万円)÷2BTC=400万円/BTCと求めます。

この状態で1BTCを600万円で売却すると、所得は600万円−400万円=200万円と計算できます。届出をしていなければ、この総平均法が法定の評価方法として適用されます(問2-4・問2-5)。

一方、移動平均法は取得のたびに平均単価を計算し直す方法です。1BTCを300万円で取得したあと、さらに1BTCを500万円で取得した場合、2回目の取得の時点で平均単価を(300万円+500万円)÷2BTC=400万円/BTCに更新し、以後も取得のたびに、保有する簿価(帳簿上の取得価額)の合計を保有数量で割って計算し直します。

取得と売却が交互に起きると、両者に差が出ます。たとえば1BTCを300万円で取得後に0.5BTCを売却し、次に1BTCを500万円で取得すると、移動平均法では残る0.5BTC(簿価150万円)と新規取得500万円を合計し、1.5BTCで割って約433万円/BTCに更新します。総平均法は年間の取得をまとめて平均するため、売却時に使う単価が変わり所得も変わります。

出典・参考資料(3件)

自分で計算できないときの3つの選択肢(自力・損益計算ツール・計算代行/税理士)

ここまでの手順を踏んでも自力での計算が難しい場合、方法は大きく3つに分かれます。

  • 自力で計算する:無料の国税庁計算書を使う
  • 損益計算ツールで自動集計する
  • 計算代行や税理士に任せる

1つ目(自力)の具体的な手順は、これまでの章(履歴の集め方・総平均法・移動平均法・取得価額が不明なときの5%)で解説したとおりです。取引件数が少なく、履歴もそろっているなら、国税庁の無料の計算書で十分に対応できます。

取引所やウォレットが多い、DeFi・NFT・海外取引所を含む、といった場合は、履歴の集約と計算を自動化できる損益計算ツールが現実的です。取引が複雑で自分では手に負えない、あるいは顧問税理士に暗号資産の計算を断られたといった場合は、専門スタッフに計算を任せる代行という選択肢もあります。それぞれの向き・不向きと費用感を見ていきます。

ここでの説明は個人の確定申告を前提としています。法人の場合は、期末に保有する暗号資産の時価評価や、会計ソフトとの連携・仕訳データの作成といった論点が加わり、進め方が個人とは異なります。法人は、会計ソフト連携や仕訳データ納品に対応したツール・計算代行を選ぶとよいでしょう。

自力・損益計算ツール・計算代行の比較

以下は、損益計算を自動化・委託できる主なサービスの比較表です。あわせて、国税庁の無料の計算書(自力)も同じ判断材料として検討してください。

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サービス名自力(国税庁の暗号資産の計算書・無料)クリプタクト(cryptact)クリプトリンク暗号会計RIKYUクリプトリンク損益計算代行
料金無料無料プランあり
有料 6,600〜77,000円/年(税込)
個人 3,960円〜/年(税込)
法人 19,800円〜/年(税込)
個人 無料〜11,000円/年(税込)
法人 2,480円〜/月(税込)
個人 143,000円〜/年(税込)
法人 198,000円〜/年(税込・1期・取引データ20,000件まで)
対応取引所・チェーン数手入力(各取引所の年間取引報告書・CSVを自分で集計)188の取引所・
ブロックチェーン
国内外の取引所・
ウォレットに対応(数は要確認)
66以上の取引所・
ブロックチェーン
海外取引所80以上
(Ethereum・Solana等)
自動連携なし取引所API・CSV・
ウォレット連携
取引所API・CSV・
ウォレット連携
ウォレット・取引所
連携
データを送付
(自動連携なし)
確定申告用レポート計算書で所得金額を算出(申告書は別途作成)●損益計算結果を出力●収支計算報告書を出力●税務レポート(個人プレミアム)●収支計算報告書を納品
DeFi・NFT対応手入力で可能だが煩雑●ウォレット登録で自動識別●ステーキング・レンディングも対応●スワップ・ブリッジ等に対応●ウォレットデータを送付して対応
形態自力(無料)ツール型
(損益計算ツール)
ツール型
(損益計算ツール)
ツール型
(会計クラウド)
計算代行型
(データ送付で委託)

※2026年9月時点の各社公式情報にもとづく

損益計算ツールで自動集計する

損益計算ツールは、取引所のAPI連携・CSVアップロード・ウォレットアドレス登録から取引履歴を自動で集約し、総平均法・移動平均法で損益を計算します。取引所やウォレットが多い人、DeFi・NFTを含む人ほど、手作業に比べて負担を減らせます。ここでは代表的なツールを紹介します。

1. クリプタクト(cryptact)

クリプタクト(cryptact)のウェブサイト

株式会社pafinが運営するクリプタクトは、取引所のAPI連携・CSV・ウォレットアドレス連携から取引履歴を自動集計し、総平均法・移動平均法で損益を計算する暗号資産の損益計算・確定申告支援ツールです。公式の機能紹介ページによると、188の国内・海外の取引所・ブロックチェーン、33,833銘柄に対応しています(2026年9月時点)。

ウォレットアドレスを入力するだけで、スワップ・レンディング・ステーキングなどのDeFi取引やNFT取引を自動で識別・分類できる点が特徴です。料金は初期費用0円で、無料プランのほか、有料プランは年額6,600円から77,000円(いずれも税込)まで取引件数に応じて用意されています。

無料プランでも海外取引所やDeFiの自動計算が使えますが、損益計算結果を表示できるのは年間50件以下の取引に限られるため、取引が多い場合は有料プランが前提となります。

2. クリプトリンク(CryptoLinC)

クリプトリンクのウェブサイト

クリプトリンク株式会社が提供するクリプトリンクは、複数の取引所・ウォレットの取引履歴を集約し、個人向けには確定申告用の収支計算報告書を出力する損益計算ツールです。個人向けの基本プランは年額3,960円(税込・取引件数500件まで、月換算で約330円)と低価格帯で、少額から取引する人でも導入しやすい設定になっています。取引件数が多い場合は、上位のオプションプランで上限を拡張できます。

総平均法・移動平均法の両方に対応し、DeFi・NFT・ステーキング・レンディングといった取引種別も計算対象です。DeFiの対応チェーンとしてはEthereum・BNB Chain・Polygonなどが公表されています。法人向けには弥生会計へ仕訳データを連携する機能があり、個人から法人まで同じブランドで対応できる点も特徴です。

3. 暗号会計RIKYU

暗号会計RIKYUのウェブサイト

暗号会計RIKYUは、株式会社RIKYUが提供する暗号資産・NFT・ステーブルコインの会計クラウドサービスです。ウォレットアドレスを登録するだけでオンチェーンの取引データを自動取得できる設計で、公式サイトによると66以上の取引所・ブロックチェーン・会計ソフトに対応しています。総平均法・移動平均法を選択でき、DeFi(スワップ・ブリッジ・ステーキング)やNFTの取引にも対応します。

個人向けには、無料のフリープランと、確定申告用の税務レポートを作成できるプレミアムプラン(年額11,000円)が用意されています。会計ソフトとの連携では、freee会計とはAPI連携、マネーフォワード クラウド会計・XeroとはCSVでの連携に対応しており、法人の決算業務まで見据えて使える点が特徴です。

料金やプラン体系は今後見直しが予告されているため、申し込み前に公式サイトで最新情報を確認してください。

計算代行・税理士に任せる

取引があまりに複雑で自分では手に負えない、そもそもツールを操作する時間がない、という場合は、計算そのものを専門スタッフに任せる計算代行という選択肢があります。取引データを送るだけで損益計算まで代行してもらえるため、DeFi・NFT・複数チェーンが絡む取引でも自分で集計する必要がありません。暗号資産の会計に対応できる税理士事務所に相談する方法もあります。

4. クリプトリンク損益計算代行

クリプトリンク損益計算代行のウェブサイト

クリプトリンク損益計算代行は、クリプトリンク株式会社が提供する、自分で操作するツールではなく専門スタッフが損益計算・仕訳作成を代行するサービスです。取引所やウォレットのデータをまとめて送付すると、法定通貨換算・損益計算が代行され、個人向けには収支計算報告書、法人向けには会計ソフトにインポートできる仕訳データが納品されます。

「取引が複雑で自分では計算できない」「顧問税理士に暗号資産の計算を断られた」といった層を主な対象としています。

料金は、個人プランのスタンダードが143,000円、法人プランのスタンダードが198,000円(いずれも取引データ20,000件までが基本対応範囲)です。さらに、提携する税理士事務所による確定申告書の作成・提出まで一括で委託できる「計算代行+確定申告代行パッケージ」(基本料金187,000円〜)も用意されています。計算だけでなく申告書の提出まで丸ごと任せたい場合の選択肢になります。

ここで取り上げた4サービスは代表例で、損益計算ツールは対応取引所・チェーン数やDeFi・NFTへの対応範囲、料金、法人対応の有無がサービスごとに大きく異なります。より多くのツールを同じ観点で見比べて選びたい場合は、以下の記事で主要な仮想通貨の損益計算ツールを対応取引所・料金・法人対応から比較しています。

出した数字を確定申告につなげる

所得金額を出せたら、次はそれを確定申告に落とし込みます。ここでは、申告が必要になる基準、暗号資産特有の注意点、実際の申告手順、そして申告しなかった場合のペナルティを整理します。

いくらから確定申告が必要か(20万円ルールと雑所得・総合課税)

暗号資産取引で生じた利益の区分について、国税庁のFAQは次のように示しています。

暗号資産取引により生じた利益は、所得税の課税対象になり、原則として雑所得(その他雑所得)に区分されます。ただし、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合には、次の所得に区分されます。・暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がある場合・・・原則として、事業所得・暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がない場合・・・原則として、雑所得(業務に係る雑所得)

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(令和7年12月)問2-2|国税庁

多くの個人投資家の利益は原則として雑所得にあたり、給与など他の所得と合算して税額を計算する総合課税の対象です。総合課税では所得が大きいほど税率が上がる累進課税が適用されます。

所得税の税率は、課税される所得金額に応じて5%から45%までの7段階です。税額は、次の速算表で該当する税率を掛けて控除額を差し引くと求められます。暗号資産の所得だけで決まるのではなく、給与など他の所得と合算した課税所得全体に対してこの税率がかかる点に注意してください。

課税される所得金額税率控除額
1,000円〜1,949,000円5%0円
1,950,000円〜3,299,000円10%97,500円
3,300,000円〜6,949,000円20%427,500円
6,950,000円〜8,999,000円23%636,000円
9,000,000円〜17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

※国税庁「No.2260 所得税の税率」にもとづく(2026年9月時点)。表の税率は所得税のみで、このほかに復興特別所得税(所得税額の2.1%)と住民税が別途かかります。

申告が必要になる基準として広く知られるのが「20万円ルール」です。国税庁のタックスアンサーによると、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象となる会社員などは、給与・退職所得以外の各種の所得金額の合計が20万円を超える場合に確定申告が必要になります。

ただし、このタックスアンサーには「確定申告をすれば税金が還付される人は除きます」との記載があります。医療費控除などで確定申告をする場合や、他の理由で申告義務がある場合は、20万円以下の所得も申告に含める必要がある点に注意してください。

また、この20万円の基準は、主に給与を受けている会社員を想定したものです。個人事業主や給与のない人などは、所得が基礎控除などの各種控除を超えるかどうかで申告の要否が決まり、20万円という基準がそのまま当てはまらない場合があります。自分がどの立場にあたるかで判断が変わる点に注意してください。

また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が別途必要になる場合があります。住民税は地方税で自治体ごとに取り扱いが異なるため、詳細はお住まいの自治体の案内をご確認ください。

出典・参考資料(4件)

暗号資産の利益は損益通算・繰越控除ができない

暗号資産の取引で損失が出ても、給与など他の所得と相殺(損益通算)することはできません。国税庁のFAQは、雑所得の損失の扱いを次のように示しています。

雑所得の金額の計算上生じた損失については、給与所得など他の所得から差し引く(通算する)ことはできません。所得税法上、他の所得と通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じた損失に限られます。雑所得については、これらの所得に該当しませんので、雑所得の金額の計算上生じた損失がある場合であっても、他の所得から差し引く(通算する)ことはできません。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(令和7年12月)問2-11|国税庁

さらに、雑所得の損失は損益通算の対象にならないため、その損失を翌年以降に繰り越す繰越控除もできません。株式やFXのように「今年の損を来年の利益と相殺する」ことはできない、という点は、暗号資産の申告で特に押さえておきたい注意点です。

出典・参考資料(1件)

確定申告書等作成コーナー・会計ソフトでの申告手順

所得金額が出たら、実際の申告書を作成します。自力で進める場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うのが基本です。画面の案内に沿って金額を入力すると申告書が作成でき、そのまま電子申告(e-Tax)による提出まで進められます。暗号資産の所得は、雑所得の欄に入力します。

損益計算ツールを使っている場合は、算出された所得金額や内訳をもとに作成コーナーへ入力する流れになります。会計ソフト・申告ソフトを使えば、損益計算から申告書の作成まで一連の作業をまとめて進められます。いずれの場合も、根拠となる年間取引報告書や計算結果は手もとに保管しておきます。

出典・参考資料(1件)

申告しない場合のペナルティ(無申告加算税・過少申告加算税)

利益が出ているのに申告しなかったり、過少に申告したりすると、本来の税額に加えて加算税や延滞税がかかります。まず、期限までに申告しなかった場合の無申告加算税は、調査後の期限後申告等では、納付すべき税額に応じて次の割合がかかります(令和5年分以降)。

  • 50万円までの部分:15%
  • 50万円を超え300万円までの部分:20%
  • 300万円を超える部分:30%

ただし、税務署の調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合は、5%に軽減されます。

申告した金額が少なすぎた場合の過少申告加算税は、税務調査の事前通知の前に自主的に修正申告をすればかかりません。事前通知の後・調査の前に修正申告をした場合は5%(当初申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)、調査後の修正申告では10%(同じく超える部分は15%)がかかります。

これらに加えて、法定納期限の翌日から納付までの日数に応じた延滞税も課されます。延滞税は原則として納期限の翌日から2か月までが年7.3%、それ以降が年14.6%です。ただし、実際には各年の特例基準割合による低い割合が適用され、本記事執筆時点の令和8年(2026年)は年2.8%・年9.1%です。

延滞税や加算税の割合は年によって変わります。実際に計算するときは、国税庁の「No.9205 延滞税について」などで最新の割合を確認してください。

さらに、意図的に所得を隠したり事実を仮装したりした場合は、無申告加算税や過少申告加算税に代えて、より重い重加算税(35%、無申告に代えて課される場合は40%)が課されます。ペナルティを避けるためにも、利益が出た年は期限内の申告を心がけ、計算が間に合わない・難しい場合は前章で紹介したツールや計算代行の利用を検討してください。

出典・参考資料(4件)

まとめ

暗号資産の税金が「計算できない」原因は、履歴の散逸・取得価額の不明・取引所の閉鎖・計算方法が分からない・DeFiやNFTの複雑さといった型に分かれます。まず自分がどの型かを見きわめ、取得価額が分からないときは売却価額の5%を取得価額とみなす取扱いを使い、年間取引報告書や国税庁の無料の計算書で所得金額を出す、という順に進めれば、申告に使える数字までたどり着けます。

取引所やウォレットが多い、DeFi・NFTを含むなど、自力での集計が難しい場合は、損益計算ツールで自動集計するか、計算代行・税理士に任せる方法があります。自分の取引の複雑さと、かけられる手間・費用に照らして、無理のない方法を選んでください。利益が出た年は、期限内の申告を忘れないことも大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 仮想通貨で取得価額が分からないとき、売却価額の5%を取得価額にできる取扱いとは何ですか?

A. これは、取得価額が分からないときに売却価額の5%を取得価額とみなす取扱い(所得税基本通達48の2-4)です。暗号資産の利益は原則として雑所得に区分され、この5%は同通達にもとづく必要経費の計算上の取扱いにあたります。株式や土地・建物の譲渡所得で使う「概算取得費」も同じ5%という数字ですが、根拠となる制度が異なる別物である点に注意してください。

Q. 仮想通貨の取得価額が分からなくても確定申告はできますか?

A. 仮想通貨の取得価額が分からなくても、確定申告に使える所得金額を出す方法は用意されています。まず取引所の年間取引報告書や口座記録、銀行の入出金記録、取引所が公表する取引相場から取得価額を確認します。それでもどうしても分からない場合の最終手段が、売却価額の5%を取得価額とみなす取扱いです。

ただし、実際の取得価額が売却価額の5%を上回るときは所得が大きくなり不利になるため、5%はあくまで確認できないときの手段と考えてください。

Q. 使っていた取引所が閉鎖して取引履歴が取れない場合はどうすればいいですか?

A. 取引所が閉鎖して履歴が取れない場合でも、銀行口座の入出金記録や取引所が公表する取引相場から取得価額・売却価額を確認できる場合があります。国税庁のFAQは、国外の交換業者や個人間で取得した暗号資産についてこの確認方法を示しています。それでも分からないときは、売却価額の5%を取得価額とみなす取扱いで計算します。

当時の取引通知メールやウォレットの記録も手がかりになりますが、これらは国税庁が定めた確認手段ではないため、補助的な位置づけとして扱ってください。

Q. 仮想通貨の損益計算で、総平均法と移動平均法はどちらを選べばいいですか?

A. 仮想通貨の損益計算では、評価方法の届出書を提出していなければ、自動的に総平均法が適用されます。多くの個人はこの届出をしていないため、総平均法で計算することになります。移動平均法を使いたい場合は、初めて暗号資産を取得した年分の確定申告期限までに「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を税務署へ提出する必要があります。いったん選んだ方法は継続して適用するのが原則です。

Q. 仮想通貨の利益が20万円以下なら確定申告は不要ですか?

A. 給与を1か所から受けている会社員などは、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。ただし、医療費控除やふるさと納税などで確定申告をする人は、20万円以下の暗号資産の利益も申告に含める必要があります(20万円ルールは、確定申告をして還付を受ける人などには及びません)。

また、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になる場合があるため、詳細はお住まいの自治体の案内を確認してください。

Q. 仮想通貨の損益計算は、損益計算ツールと計算代行のどちらを使うべきですか?

A. 自分で操作する時間が取れるなら損益計算ツール、操作する余裕がない・取引が複雑で手に負えないなら計算代行が向いています。損益計算ツールは取引所連携やCSV取込で履歴を自動集計でき費用も比較的抑えられますが、設定や確認は自分で行います。計算代行はデータを送るだけで損益計算まで任せられる分、費用は高めです。

取引件数が少なく履歴もそろっているなら、まず国税庁が無料で配布する「暗号資産の計算書」での自力計算も選択肢になります。

Q. 複数の取引所やウォレットに取引が散らばっていても損益計算できますか?

A. 複数の取引所やウォレットに取引が分かれていても、すべての取引所の年間取引報告書や取引履歴を集めれば、まとめて損益計算できます。暗号資産の所得は口座ごとに区切るのではなく、同じ種類の暗号資産を通算して計算します。取引所やウォレットの数が多い場合は、各社のAPI連携やCSV取込で履歴を自動集約できる損益計算ツールを使うと、集計の手間を減らせます。

Q. DeFiやNFTの取引も仮想通貨の損益計算に含める必要がありますか?

A. DeFiやNFTの取引も、利益が生じていれば暗号資産の損益計算に含めて申告する必要があります。スワップ・レンディング・ステーキングやNFTの売買など取引の種類が多く、自力での集計は複雑になりがちです。ウォレットアドレスを登録するだけでこれらを自動で識別・分類できる損益計算ツールを使うか、計算代行に任せると、漏れなく計算しやすくなります。

Q. 過去の年の仮想通貨の申告漏れに気づいた場合はどうすればいいですか?

A. 過去分の申告漏れに気づいたら、税務署の調査を受ける前に、できるだけ早く自主的に期限後申告や修正申告をするのが有利です。無申告だった場合、調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税は軽減されます。申告額が少なすぎた場合の修正申告も、事前通知の前であれば過少申告加算税はかかりません。いずれも納付までの延滞税は別途かかるため、気づいた時点で早めに対応してください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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