IT資産管理ツールの設定画面や製品の機能一覧で「インベントリ収集」という言葉を見かけて、正確な意味があいまいなまま検討を進めていませんか。社内のPCやサーバが増えるほど、どの端末にどんなソフトが入っているかを手作業で把握するのは難しくなります。
インベントリ収集は、その「どの端末に何が入っているか」を自動でそろえるための仕組みです。ただし集め方にはいくつかの方式があり、方式を取り違えると「導入したのに一部の端末が拾えない」といったつまずきにつながります。
本記事では、インベントリ収集の意味と、集まる情報の種類、手作業・エージェント方式・エージェントレス方式という3つの収集方式の違いと向き不向きを、特定の製品に寄らない形で整理します。そのうえで、自社に合うツールを見極める観点と、収集方式を持つ主なサービスを紹介します。
目次
インベントリ収集とは(IT資産管理での意味)
インベントリ収集とは、社内の各PC・サーバから、インストールされているソフトウェアやハードウェアの構成情報を自動で集めて、一覧(目録)としてまとめることです。IT資産管理では、この集めた情報を土台に、資産台帳の作成やライセンスの過不足の把握、セキュリティ更新の状況確認などを行います。
「インベントリ(inventory)」という英単語は、もともと「現有資産を一つずつ並べた一覧=目録」や「棚卸しという行為」を意味します。IT資産管理で使うときは、この「目録化」の意味合いが中心です。
同じ「インベントリ」でも、物品の在庫数を指す「在庫管理」の意味で使われることもあります。本記事で扱うのはIT資産の文脈で、対象は物品の数量ではなく、端末に入っているソフトやハードの構成情報です。検索した文脈がどちらなのかで読み分けるとよいでしょう。
収集の基本的な流れは、各端末(クライアント)から情報を集め、管理サーバ側に集約して一覧化する、というものです。たとえばMicrosoftの構成管理ドキュメントでも、クライアントからハードウェアとソフトウェアのインベントリを収集するという形で、この仕組みが説明されています。手作業の棚卸しを自動化し、常に最新の状態に近づけることが、インベントリ収集の狙いです。

従来は社内のPC・サーバが主な対象でしたが、クラウドサービスの利用が広がった近年は、SaaS上のアカウントやライセンスといったクラウド資産まで収集の対象に含める製品も増えています。
インベントリ収集で集まる情報の種類
ここからは、インベントリ収集で実際にどんな情報が集まるのかを見ていきます。大きくは、ハードウェア構成とソフトウェアの情報が中心で、製品によってはライセンスや操作ログまで範囲が広がります。
| 情報の種類 | ハードウェア情報 | ソフトウェア情報 | ライセンス情報 | 操作ログ(製品による) |
|---|---|---|---|---|
| 集まる項目の例 | CPUの種類、メモリ、ディスクの空き容量、OSとバージョン、IPアドレス、周辺機器など、端末のシステム情報 | インストール済みのアプリケーション、特定のファイルの種類やバージョンなど | 収集したソフトウェア情報をもとにした、保有ライセンス数とインストール数の突き合わせ | ファイル操作や外部デバイスの接続などの記録。IT資産管理・エンドポイント管理製品の付加機能として提供される範囲 |
ハードウェア情報では、ディスクの空き容量やプロセッサの種類、OSといった端末のシステム情報が集まります。メモリや周辺機器まで含めて取得できる製品もあり、収集した情報から、老朽化した端末の洗い出しや更新計画に役立てられます。
ソフトウェア情報では、各端末にインストールされているアプリケーションや、ファイルの種類・バージョンが対象です。ここで集めたソフトウェアの情報を、保有しているライセンス数と突き合わせることで、ライセンスの不足や余りを把握できます。ライセンス管理そのものは、ソフトウェア情報の収集を土台にした運用と考えるとわかりやすいでしょう。
操作ログの収集は、すべてのツールに共通する機能ではありません。ファイル操作やUSBデバイスの接続履歴などは、IT資産管理と情報漏洩対策を兼ねる製品の付加機能として提供されることが多く、インベントリ収集の中核(ハード・ソフト構成の目録化)とは切り分けて考えます。
出典・参考資料(2件)
インベントリ収集の3つの方式と選び分け
ここからは、判断に最も影響する「どうやって集めるか」を整理します。インベントリ収集の方式は、大きく手作業・エージェント方式・エージェントレス方式の3つに分かれます。まず全体像を表で示し、続けて各方式の仕組みと向き不向きを解説します。
| 収集方式 | 手作業 | エージェント方式 | エージェントレス方式 |
|---|---|---|---|
| 仕組み | 各端末の情報を自己申告やExcel、担当者の巡回で集める | 各端末に常駐プログラム(エージェント)を入れ、端末内から構成情報を自動収集する | 端末にプログラムを入れず、Active Directoryやネットワーク経由で情報を探索・収集する |
| メリット | ツール導入が不要で、少数なら始めやすい | ソフトの詳細やファイル単位まで深く・自動で集められる | 端末ごとの導入作業が不要で、機器の存在をまとめて把握しやすい |
| デメリット | 台数が増えると工数が膨らみ、記入漏れや古い情報が残りやすい | 全端末へのエージェント導入・維持が必要。未導入の端末は拾えない | 取得できるのは基本情報が中心で、ソフトの中身までは深く採りにくい |
| 向くケース | 端末が数台〜数十台程度で、変更が少ない環境 | 端末内のソフトまで正確に把握したい、規模の大きい環境 | 導入負荷を抑えたい、ネットワーク機器まで含めて棚卸ししたい環境 |
手作業(自己申告・Excel・巡回)
手作業は、各利用者にソフトの利用状況を申告してもらったり、担当者が端末を巡回したりして、Excelなどの台帳に記入する方法です。ツールの導入費用がかからず、端末が少ないうちは手軽に始められます。
一方で、台数が増えるほど棚卸しの工数は膨らみます。記入漏れや、更新されないまま古くなった情報が残りやすく、正確さを保つのが難しくなります。端末が数十台を超えたあたりが、自動収集への切り替えを検討する一つの目安です。
ただし判断材料は台数だけではありません。拠点や在宅勤務で端末が分散している、新規配布・入れ替えや人事異動で構成が頻繁に変わる、といった環境では、台数が少なくても手作業では最新の状態を保ちにくく、自動収集が向きます。
エージェント方式(各端末に常駐プログラムを入れて収集)
エージェント方式は、管理したい各端末に「エージェント」と呼ばれる常駐プログラムを入れ、その端末の内部から構成情報を自動で集める方法です。ログイン時など決まったタイミングで動き、収集した情報を管理サーバへ送ります。
端末の内側から情報を取るため、インストール済みソフトやファイル単位の情報まで、深く正確に集められるのが強みです。たとえばWindowsでは、WMI(Windows Management Instrumentation)という標準の管理機構やレジストリに問い合わせて、ハードウェアの構成やOSの情報を取得します。
注意点は、管理対象のすべての端末にエージェントを入れ、動かし続ける必要があることです。エージェントが入っていない端末は収集の対象から外れるため、導入漏れがそのまま把握漏れにつながります。
エージェントレス方式(Active Directory・ネットワーク経由で探索)
エージェントレス方式は、端末にプログラムを入れず、ネットワークやディレクトリの仕組みを使って情報を集める方法です。代表的なものに、Active Directory(AD)との連携とネットワークスキャンがあり、クラウドサービスとAPIで連携してSaaS上のアカウントやデバイス情報を集めるやり方も、この方式に含まれます。
AD連携では、ADに登録された情報から、コンピュータ名・OSとバージョン・IPアドレスといった端末の基本情報を把握します。
ネットワークスキャンでは、ネットワークの構成をたどってIPアドレスを持つ機器を発見し、SNMP(ネットワーク機器の管理情報をやり取りする業界標準のプロトコル)などで問い合わせて情報を得ます。端末ごとの導入作業が不要で、ルーターやハブといったネットワーク機器まで含めて存在を把握しやすいのが利点です。
ただし、探索で得られるのは基本情報が中心で、端末内のソフトの中身まではエージェント方式ほど深く採れません。SNMPで情報を得るには対象機器側でSNMPが有効になっている必要があるなど、機器の対応状況にも左右されます。導入負荷の軽さと、集められる情報の深さは、トレードオフの関係にあります。
実際の製品では、これらの方式を組み合わせて使うものもあります。1つの製品でも、端末内のファイル走査、OSが持つインストール情報、ネットワーク経由の探索などを併用し、収集の抜けを減らしています。
出典・参考資料(3件)
インベントリ収集でつまずく落とし穴と運用の注意点
ここからは、実際に運用してみると悩みやすい落とし穴を整理します。方式の特性を踏まえておくと、導入後の「思ったより拾えない」を減らせます。
まず、電源が入っていない端末や、社外に持ち出されてネットワークにつながっていない端末は、収集のタイミングで拾えないことがあります。テレワークの端末が多い環境では、いつの情報が反映されているのかを意識しておく必要があります。
エージェント方式では、エージェントが入っていない端末は最初から対象外になります。新しく配布した端末や、部門ごとに個別調達した端末にエージェントを入れ忘れると、その分だけ台帳に穴が空きます。導入時だけでなく、端末が増えるたびにエージェントの適用状況を確認する運用が欠かせません。
端末数が多い環境では、キッティング(初期設定)の段階でエージェントを自動で組み込む運用にすると、入れ忘れを抑えやすくなります。
エージェントレス方式では、探索で分かるのは基本情報が中心なので、ソフトの詳細まで管理したい場合は情報が足りないことがあります。ネットワーク機器の情報をSNMPで集める場合は、機器側でSNMPが有効になっていないと拾えない点にも注意します。
自動収集した情報だけでは、購入したものの一度も接続されていない端末や、私物の端末までは把握しきれません。購買記録や資産台帳と突き合わせて、収集結果に現れない資産がないかを定期的に確認すると、実態とのズレを抑えられます。収集は一度きりではなく、情報を定期的に更新し続けることで価値が保たれます。
インベントリ収集に対応したツールの選び方
ここからは、自社に合うツールを見極める観点を整理します。収集方式の特性を踏まえて、自社の環境や運用体制に合うかどうかを確認していきましょう。
自社の収集対象と収集方式が合っているか
まず、何を管理したいかで必要な方式が変わります。端末内のソフトやファイルまで正確に把握したいなら、エージェント方式に強い製品が向きます。導入の手間を抑えつつネットワーク機器まで含めて棚卸ししたいなら、エージェントレスの探索に対応した製品が候補になります。SaaSのアカウントやライセンスを中心に管理したい場合は、クラウドサービスとのAPI連携で情報を集めるエージェントレス型が適しています。
なかでもSaaSのアカウントやソフトウェアライセンスの棚卸しを主目的にする場合は、その用途に絞った選び方を整理した『ソフトウェアライセンス管理ツール比較|SaaS管理型と統合IT資産管理型の違いと選び方』もあわせて参考になります。
提供形態はクラウドかオンプレミスか
サーバの構築・運用を自社で抱えたくない場合は、クラウド型が導入しやすい選択肢です。既存の社内システムやセキュリティポリシー上、自社環境で完結させたい場合はオンプレミス型が向きます。両形態を用意し、規模や要件に応じて選べる製品もあるため、将来の拡張も含めて確認しておくと安心です。
対応OS・端末の範囲は足りるか
管理対象にWindows以外のMacやモバイル端末が含まれるなら、それらのOSに対応しているかを確認します。対応OSが狭いと、一部の端末だけ別の方法で管理することになり、台帳が分散してしまいます。拠点や在宅勤務の端末まで一元的に見たい場合は、対応範囲を選定の軸に据えるとよいでしょう。
集めた情報を運用に活かせる機能があるか
インベントリ収集はあくまで出発点で、集めた情報をどう使うかで効果が変わります。ライセンスの過不足の把握、セキュリティ更新の適用状況の確認、資産台帳としての活用など、自社が解決したい課題に必要な機能がそろっているかを見ます。操作ログやデバイス制御まで一体で運用したいなら、その範囲をカバーする製品を選ぶと管理が一本化できます。
主なインベントリ収集対応サービスの比較
ここからは、インベントリ収集に対応した主なサービスを、収集方式や提供形態などの軸で比較します。自社の環境に近いものを見つける手がかりとしてご覧ください。
表には、収集方式の異なる2タイプを並べています。エージェント方式で端末内まで深く集める従来型のIT資産管理ツールと、ディレクトリやSaaSとのAPI連携で集めるエージェントレス型(クラウド上のアカウント・ライセンスの棚卸しに強い)です。
どちらもインベントリ収集を担いつつ得意な対象が異なるため、自社が主に管理したい対象(端末内のソフト・ハードか、クラウド上のアカウントか)に近いものから見ていくと選びやすくなります。
| サービス名 | マネーフォワード Admina | JumpCloud | SS1 | AssetView | SKYSEA Client View | ManageEngine Endpoint Central |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 収集方式 | エージェントレス(API・ディレクトリ連携) | エージェント+クラウドディレクトリ連携 | エージェント方式 | エージェント方式 | エージェント方式 | エージェント方式 |
| 主な収集対象 | SaaSアカウント・利用状況、従業員・デバイス情報 | デバイスのHW/SW情報、ID・アカウント | PC・サーバのHW/SW情報、操作ログ | PCのHW/SW情報、操作ログ、ライセンス | PC・ネットワーク機器のHW/SW情報、操作ログ | PC・サーバ・モバイルのHW/SW資産 |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | オンプレミス/クラウド | オンプレミス/クラウド | オンプレミス/クラウド | オンプレミス/クラウド |
| 対応OS | 端末OSに依存しない(SaaS・デバイス連携中心) | Windows / macOS / Linux / iOS / iPadOS / Android | Windows / Mac | Windows / Mac | Windows(iOS・AndroidはMDM対応) | Windows / macOS / Linux / iOS / Android / ChromeOS |
| 対象規模 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業・官公庁 | 中小〜大企業(最大5万台) | 中小〜大企業(50〜1万台) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※各社公式サイトの公開情報にもとづく(2026年9月時点)。「対象規模」は各社が公表する想定規模の目安で、上限台数の明記があるものはその値を、明記がないものは公表上の対象企業規模を記載しています。最新の仕様・対応範囲は各公式サイトでご確認ください。
収集方式にとどまらず、資産台帳やライセンス管理まで含めてIT資産管理ツール全体を見比べたい場合は、以下の記事で機能範囲別の選び方と課金モデル別の料金相場を詳しく解説しています。導入を検討される方は、あわせてご覧ください。
インベントリ収集対応サービスの特徴
ここからは、比較表で取り上げたサービスの特徴を、収集方式に注目して紹介します。
1. マネーフォワード Admina(マネーフォワードi株式会社)

「情シス向け業務OS」を掲げるマネーフォワード Adminaは、SaaSアカウントを軸にIT資産を可視化するプラットフォームです。エージェントを端末に常駐させるのではなく、Google WorkspaceやMicrosoft 365、Azure ADなどと連携し、誰がどのSaaSを使っているかを集めて棚卸しします。
入退社にともなうアカウントの発行・停止(オフボーディング)や、情報システム部門が把握していないシャドーITの検知、SaaSのコスト管理までを一元化できます。PCやスマートフォンといったデバイスの情報も従業員情報と連携して台帳化でき、Public API経由でのデータ取得にも対応します。クラウド上のアカウントやライセンスの棚卸しを主眼に置く企業に向いた製品です。
2. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

JumpCloudは、クラウドディレクトリを中核に、ID・アクセス管理とデバイス管理を1つのプラットフォームに統合した「オープンディレクトリ・プラットフォーム」です。米国JumpCloud社が提供し、国内では正規代理店経由で導入します。
Windows・macOS・Linux・iOS・iPadOS・Androidをクロスプラットフォームで管理でき、デバイス管理(MDM)とIT資産管理(ITAM)の機能で、ハードウェアとソフトウェアの棚卸しをまとめて行えます。シングルサインオンや多要素認証と同じコンソールで運用できるため、ID管理とデバイス管理を一つのコンソールでまとめたい場合の選択肢になります。
3. SS1(株式会社ディー・オー・エス)

株式会社ディー・オー・エスが提供するSS1(System Support best1)は、PC・サーバのハードウェア/ソフトウェア情報をエージェント方式で自動収集する国内のIT資産管理・ログ管理ツールです。5,100社(2026年1月時点)を超える導入実績があり、管理画面にはExcel風のインターフェースを採用しています。
提供形態は、自社サーバに構築するオンプレミス版と、サーバ構築が不要なクラウド版の2種類です。基本の機器管理・ソフトウェア管理・Windows Update配信に加え、操作ログ収集やUSB制御、リモートコントロールなどを必要に応じて組み合わせられます。端末内の情報まで深く自動収集したい組織に向いています。
4. AssetView(株式会社ハンモック)

AssetViewは、株式会社ハンモックが提供する統合型のIT資産管理ソフトウェアです。PCインベントリの自動収集を土台に、ソフトウェアライセンス管理・操作ログ・USB制御・リモートコントロールなどの機能を、目的別のモジュールとして選んで導入できます。
提供形態は、オンプレミス版・CLOUD版に加え、「ヒト」を軸に人事情報と連携して従業員・デバイス・SaaSを一元管理するAssetView Cloud+の3系統があります。中小企業から大企業・官公庁まで規模別の導入事例があり、必要な機能だけを選び、コストを抑えて導入したい企業に使いやすい構成です。
5. SKYSEA Client View(Sky株式会社)

Sky株式会社が開発するSKYSEA Client Viewは、資産管理から操作ログの収集・監視、外部デバイス制御までを1つの管理コンソールで扱えるクライアント運用管理ソフトウェアです。1990年代から提供が続く国内のオンプレ型IT資産管理・情報漏洩対策ソフトで、累計26,156社(2026年7月末時点)の導入実績があります。
社内のPCやネットワーク機器の資産管理(インベントリ収集)に加え、USBデバイスの制御やソフトウェアライセンス管理、リモート操作、モバイル機器管理(MDM)に対応します。自社でサーバを運用するオンプレミス版と、サーバ構築が不要なクラウド版があり、収集と情報漏洩対策を一体で運用したい企業に適しています。
6. ManageEngine Endpoint Central(ゾーホージャパン株式会社)

ManageEngine Endpoint Centralは、ゾーホージャパン株式会社が販売する統合エンドポイント管理(UEM)ソフトウェアです。PC・サーバ・モバイル端末のインベントリ自動収集を起点に、パッチ管理、ソフトウェア配布、リモートコントロール、モバイルデバイス管理までを1製品でカバーします。
収集は、各端末にエージェントを入れて構成情報を集める方式で行います。オンプレミス版とクラウド版があり、エディションによって対応機能が分かれます。インベントリ収集を含めて、端末運用の管理を一製品に集約したい企業に適した製品です。
まとめ
インベントリ収集は、社内の各端末からソフトウェアやハードウェアの構成情報を自動で集め、目録としてまとめる仕組みです。手作業・エージェント方式・エージェントレス方式の3つがあり、集められる情報の深さと導入・運用の負荷はトレードオフの関係にあります。
自社に合う方式やツールを選ぶには、何を管理したいか、対応OSや提供形態が自社の環境に合うか、集めた情報を運用に活かせるかを確認することが近道です。まずは各サービスの資料を取り寄せ、収集方式と対応範囲を見比べてみてください。
インベントリ収集に関するよくある質問(FAQ)
Q. インベントリ収集とは何ですか?
A. インベントリ収集とは、社内の各PC・サーバから、インストール済みのソフトウェアやハードウェアの構成情報を自動で集めて、一覧(目録)としてまとめることです。IT資産管理では、ここで集めた情報を土台に、資産台帳の作成やライセンスの過不足の把握、セキュリティ更新の状況確認などを行います。手作業の棚卸しを自動化し、常に最新に近い状態を保つことが狙いです。
Q. インベントリ収集と在庫管理は何が違うのですか?
A. インベントリ収集は、IT資産管理の文脈では端末に入っているソフト・ハードの「構成情報」を集めることを指し、物品の「数量」を管理する在庫管理とは対象が異なります。「インベントリ(inventory)」という英単語自体は目録・棚卸し・在庫のいずれの意味でも使われるため、検索した文脈がIT資産と物品在庫のどちらなのかで読み分けるとよいでしょう。本記事で扱うのはIT資産の文脈です。
Q. インベントリ収集はエージェント方式とエージェントレス方式のどちらがよいですか?
A. インベントリ収集の方式は、端末内のソフトやファイルまで深く正確に集めたいならエージェント方式、導入の手間を抑えつつネットワーク機器まで含めて把握したいならエージェントレス方式が向きます。エージェント方式は各端末に常駐プログラムを入れるため深く集められる一方、未導入の端末は拾えません。エージェントレス方式は端末ごとの導入作業が不要な反面、得られるのは基本情報が中心です。
集められる情報の深さと導入・運用の負荷はトレードオフの関係にあり、両方式を併用できる製品もあります。自社が何を管理したいかを軸に選ぶとよいでしょう。
Q. インベントリ収集のエージェントレス方式ですべての端末を拾えますか?
A. エージェントレス方式で得られるのは、コンピュータ名・OS・IPアドレスといった基本情報が中心で、端末内のソフトの中身まではエージェント方式ほど深くは採れません。ネットワーク機器の情報をSNMPで集める場合は、対象機器側でSNMPが有効になっている必要があるなど、機器の対応状況にも左右されます。ソフトの詳細まで管理したい場合は、エージェント方式との併用を検討します。
Q. インベントリ収集は手作業とツールのどちらで行うのがよいですか?
A. インベントリ収集は、端末が数台〜数十台程度で変更が少なければ手作業でも始められますが、台数が増えるならツールによる自動収集が向きます。手作業はExcelなどに記入する方法で導入費用がかからない反面、台数が増えるほど工数が膨らみ、記入漏れや古い情報が残りやすくなります。端末が数十台を超えたあたりから、自動収集への切り替えを検討する企業が多くなります。
Q. インベントリ収集で集めた情報は何に使えますか?
A. インベントリ収集で集めた情報は、資産台帳の作成、ライセンスの過不足の把握、セキュリティ更新の適用状況の確認、老朽化した端末の洗い出しなどに使えます。収集はあくまで出発点で、集めた情報をどう活かすかで効果が変わります。製品によっては操作ログの収集やデバイス制御まで一体で運用でき、情報漏洩対策と兼ねて管理を一本化することもできます。
Q. インベントリ収集をしても把握できない端末はありますか?
A. インベントリ収集では、電源が入っていない端末、社外に持ち出されてネットワークにつながっていない端末、エージェント未導入の端末などは、収集のタイミングで拾えないことがあります。また、購入後に一度も接続されていない端末や私物の端末までは自動収集では把握しきれません。購買記録や資産台帳と定期的に突き合わせ、収集結果に現れない資産がないかを確認すると、実態とのズレを抑えられます。
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松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















