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建設業の工事台帳ソフトを比較|クラウド・インストール別に料金・経審対応で選ぶ

建設業の工事台帳ソフトを比較 クラウド・インストール別に選ぶのサムネイル画像
クラウド会計ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

工事台帳をExcelや手書きで管理していると、月次の原価集計に時間がかかり、担当者ごとに様式がバラバラで属人化しやすくなります。現場と事務所でリアルタイムに情報を共有できず、経営事項審査(経審)のたびに帳票を作り直す負担も見過ごせません。工事台帳ソフトは、こうした課題を解消し、工事別の原価と利益をリアルタイムに把握するための仕組みです。

ただし、工事台帳ソフトはクラウド型とインストール型で費用や運用が異なり、経審用の帳票への対応度も製品によって差があります。自社の規模(一人親方から中堅ゼネコンまで)や業務範囲に合う製品を選ぶには、どのような観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、建設業向けの工事台帳ソフトを提供形態別に比較・解説します。基本機能や費用相場に加え、提供形態(クラウド/インストール)ごとの選び方、料金体系、経営事項審査への対応という建設業に特有の選定観点を整理しました。工事会社の経営者や事務・経理担当者が、自社に合う製品を判断するための材料としてご活用ください。

また、自社の規模や運用体制に合う製品を最短で見つけられるよう、「工事台帳ソフト選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、建設業で使う工事台帳・工事別原価管理に対応した製品を、一人親方から中堅・ゼネコンまでの規模別に整理します。施工管理が主でも工事別原価・工事台帳を自製品で備える製品は比較対象に含み、原価管理を外部連携でしか行えない(自製品で工事台帳・原価管理を持たない)製品は対象外とします。

建設業向けの絞り込みを外し、会計ソフト全般から自社に合う製品を探したい場合や、建設業に限らない汎用のクラウド会計を検討したい場合は、規模・タイプ別に選び方と料金をまとめた次の記事もあわせてご覧ください。

工事台帳ソフトとは

ここからは、工事台帳ソフトの役割と基本機能、そしてExcelや紙での管理が抱える限界について整理します。

工事台帳の役割と基本機能

工事台帳は、工事案件ごとに契約金額・実行予算・実際にかかった原価・入金状況などを記録し、工事別の採算を管理するための台帳です。建設業では、材料費・労務費・外注費・経費といった原価を工事単位で集計し、完成工事原価や完成工事総利益を把握する必要があります。この工事別原価管理の中心になるのが工事台帳です。

工事台帳ソフトは、この台帳作成を軸に、見積・発注・請求・入金の管理や、原価の自動集計、各種帳票の出力までを一元化するITツールです。製品によって、見積作成や写真・現場管理まで含む業務管理型、原価管理に特化した型、会計処理まで一体で行う建設業会計型など、カバーする範囲が異なります。

建設業会計に固有の勘定科目は、国土交通大臣の告示で科目区分が定められています。完成していない工事にかかった原価を資産計上する「未成工事支出金」は、次のように定義されています。

未成工事支出金 完成工事原価に計上していない工事費並びに材料の購入及び外注のための前渡金及び手付金等

出典:建設業法施行規則別記様式第15号及び第16号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類を定める件(昭和57年建設省告示第1660号、最終改正 令和4年国土交通省告示第473号)|(一財)建設業情報管理センター

Excel・紙管理では何が限界になるか

工事台帳はExcelや紙でも作成できますが、工事件数が増え、現場が複数同時に動くようになると管理が追いつかなくなります。よく挙がる限界は次のとおりです。

  • 担当者ごとに様式が異なり、記入ルールが属人化して引き継ぎが難しくなる
  • 月次の原価集計を手作業で行うため、締めに時間がかかり、赤字工事の発見が遅れる
  • 現場で発生した原価が事務所にリアルタイムで反映されず、進行中の採算が見えにくい
  • 経営事項審査に使う工事経歴書や財務諸表を、そのつど手作業で作り直す必要がある

工事台帳ソフトは、入力したデータを原価集計や帳票出力に自動で反映し、現場と事務所で同じ情報を共有できるようにすることで、これらの手間とミスを抑えます。

工事台帳ソフトを導入するメリット

工事台帳ソフトを導入すると、工事別原価をリアルタイムに把握して利益率の改善につなげられます。締め作業を待たずに進行中の工事の採算が見えるため、赤字の兆候に早く気づき、追加の原価が発生する前に手を打てるようになります。

あわせて、見積・請求・原価集計といった書類作成が自動化され、現場と事務所の情報がリアルタイムで共有されます。データが一元管理されることで属人化のリスクも下がり、担当者の異動や退職があっても過去の工事情報を引き継ぎやすくなります。経営事項審査で必要になる工事経歴書や完成工事原価報告書の作成を支援する機能を備えた製品を選べば、審査対応の負担も軽くできます。

工事台帳ソフトの選び方(失敗しない5つのポイント)

ここからは、自社に合う工事台帳ソフトを選ぶための5つの観点を解説します。それぞれを自社の状況に当てはめて判断してください。

クラウド型かインストール型か(規模・運用体制で判断)

工事台帳ソフトは、大きくクラウド型とインストール型に分かれます。現場と事務所でリアルタイムにデータを共有したい、複数拠点で使いたい、スマホやタブレットから現場入力したいという場合はクラウド型が向いています。初期費用を抑えて月額で始められる製品が多く、小〜中規模の事業者に選ばれています。

一方、自社サーバーやPC内でデータを完結して管理したい、独自の帳票を細かくカスタマイズしたい、買い切りで長期的なコストを抑えたいという場合はインストール型が向いています。社内ネットワークで運用でき、経審用帳票の作り込みに強い製品もあります。まず提供形態を決めることで、比較対象を絞り込めます。

工事台帳ソフトの提供形態をクラウド型とインストール型で比較した図解。クラウド型は現場と事務所のリアルタイム共有・スマホ入力・初期費用を抑えた月額課金で小〜中規模向き、インストール型は自社サーバーやPC内でデータを完結・独自帳票のカスタマイズ・買い切りで長期コストを抑えやすく経審帳票に強い製品もあることを示す。

経営事項審査に対応した帳票が出せるか

公共工事の入札を予定している場合は、経営事項審査で使う帳票への対応が選定の分かれ目になります。経審では工事経歴書や財務諸表(完成工事原価報告書を含む)の提出が求められるため、工事台帳ソフトがこれらの作成をどこまで支援できるかが確認のポイントです。

ただし、経審への対応可否は製品によって公式に明記されている場合とそうでない場合があり、後述の比較表でも対応が明確な製品と要問い合わせの製品が混在します。公共工事を狙うなら、導入前に提供元へ経審帳票の対応範囲を必ず確認しましょう。

自社の規模・業務範囲に合っているか

製品は想定する企業規模や業務範囲が異なります。一人親方や数名規模なら、低コストで工事台帳と原価管理に絞った製品が使いやすく、中小工務店なら見積・請求・顧客管理まで含む業務管理型が候補になります。中堅・ゼネコン規模では、会計や基幹システムと連携する建設業会計型やERP型が視野に入ります。

自社が扱う工事の種類(元請中心か下請中心か、リフォームか土木か)や、必要な機能の範囲を洗い出したうえで、過不足のない製品を選ぶことが失敗を避ける近道です。

現場担当者でも使える操作性か

工事台帳ソフトは、事務担当だけでなく現場の職人や監督が入力に関わることが少なくありません。ITに不慣れな担当者でも入力できる画面設計か、スマホ対応があるか、無料トライアルやデモで実際の操作感を確かめられるかを確認します。特に現場からの原価・出来高入力を想定する場合、モバイル対応と入力のしやすさが定着を大きく左右します。導入前にトライアルで実機を触り、現場担当者の意見を聞いておくと失敗が減ります。

料金体系・サポート・費用対効果

料金はクラウド型の月額課金か、インストール型の買い切りかで総コストの見え方が変わります。月額料金だけでなく、初期費用・アカウント数・オプション費用・保守料まで含めた総額で比較することが大切です。あわせて、導入時の設定支援や操作指導、導入後のサポート体制も確認しましょう。

安さだけで選ぶと、必要な機能が足りずに買い直しになることもあります。削減できる工数や早期に把握できる採算といった効果と、費用のバランスで判断することが大切です。

工事台帳ソフトの費用相場と料金体系

工事台帳ソフトの費用は提供形態で傾向が分かれます。クラウド型は初期費用を抑えやすく、月額数千円〜3万円程度の製品が中心です(原価管理に絞った製品では月5,000〜1万円前後から使えるものもあります)。アカウント数や機能範囲で料金が変わり、利用人数が増えるほど月額も上がります。

インストール型(買い切り)は、数万円台の低価格な製品から、機能が充実した数十万円規模の製品まで幅があり、別途で保守料や更新費がかかる場合があります。中堅・大規模向けのERP型は個別見積が一般的です。

正確な料金は利用人数・必要機能・経審対応の有無で変わるため、候補を数製品に絞ったうえで、それぞれの見積を比較することをおすすめします。各製品の具体的な料金は後述の比較表にまとめています。

無料・フリーソフトで足りるか(有償ソフトとの違い)

「工事台帳 フリーソフト」で検索すると、無料のExcelテンプレートやフリーソフトが見つかります。工事件数が少なく、原価管理も簡易で足りる段階では、無料の選択肢から始めるのも現実的です。ただし、業務用として長期運用できる完全無料のソフトはほとんどなく、複数人での同時利用・データの自動集計・経審用帳票の出力・サポートといった面では有償ソフトに分があります。

多くの有償ソフトは14日〜2か月程度の無料トライアルを用意しています。まずは無料の範囲やトライアルで運用感を確かめ、業務量の増加に応じて有償ソフトへ移行する進め方が無理がありません。

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【比較表】工事台帳ソフトを横並び比較

ここからは、工事台帳ソフトを提供形態別に横並びで比較します。主な機能・料金・経営事項審査への対応・対象企業規模・会計機能を、クラウド型とインストール型に分けて整理しました。経審対応の欄は、公式に対応を明記している製品と、要問い合わせの製品が混在する点にご注意ください。

クラウド型の工事台帳ソフト比較

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サービス名勘定奉行クラウド 建設業編サクミルANDPADAnyONEアイピアuconnect使えるくらうど工事台帳らくらく!工事台帳 Web版KAKUSAAnymore施工管理工事台帳アシストAIアーキLinkBUILDY NOTEPCAクラウド 建設業会計注文分譲クラウドDX
提供形態クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型(Windows専用)クラウド型クラウド型クラウド型(買い切り)クラウド型(Web版)クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型(ERP)
主な機能建設業会計+工事別原価管理
経審書類作成(iSシステム)
案件〜見積・原価〜工事台帳〜請求
出面管理・スマホ入力
施工管理+引合粗利管理(ERP)
実行予算・原価・請求
工務店向け基幹管理
工事台帳を自動作成
見積・原価・工事台帳・工程
建築/リフォーム特化
工事台帳・粗利台帳を自動作成
見積・請求・会計連携
日報〜工事台帳〜原価〜請求
重機管理・工事経歴書PDF出力
工事台帳・原価管理
標準帳票15種
見積〜実行予算〜原価〜請求
日報・出面を自動集計
施工管理+実行予算・見積・発注・請求
LINE連携
請求書/納品書をAIで読取
工事台帳を自動作成
案件〜見積・原価〜請求〜経営分析
建材サーチ連携
見積〜工程〜原価〜受発注〜請求
ODB帳票・出面管理
建設業会計+工事台帳・原価管理
経審シミュレーション
住宅事業者向けERP
工事原価台帳・土地台帳
料金初期50,000円〜(税抜。iBは60,000円、iSは70,000円)
月額27,500円〜(税抜。経審書類作成は最上位iSシステム・上位料金)
初期0円
月額9,800円〜(税別・20アカウント込)
初期・月額とも要問い合わせ
(個別見積)
初期は要相談
月額16,000円〜(公式サイト参考値)
初期120,000円〜(税抜)
月額10,000円〜(5ユーザー・税抜)
初期0円
月額7,920円〜(税込)
買い切り型
要問い合わせ
初期90,000円〜(税別・1ユーザー/360日)
月額表記なし
初期50,000円〜(税別)
月額5,000円〜(税別)
初期0円
月額15,000円〜(従量課金)
初期・月額とも要問い合わせ
(金額非公開)
要問い合わせ
(アカウント数で変動)
初期・月額とも要問い合わせ
(3プラン)
初期0円
月額19,200円〜(税抜・建設業会計のみ)
初期・月額とも要問い合わせ
経審対応●(書類作成)
工事経歴書・完成工事原価報告書の作成に対応(最上位iSシステム)
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ●(評点シミュレーション)
総合評点を試算
要問い合わせ
対象企業規模中小企業(中堅・上場は要問い合わせ)一人親方〜中小規模工務店〜ゼネコン(幅広い規模)一人親方〜中小の工務店・リフォーム中小の工務店・リフォーム会社一人親方〜年商10数億円規模中小規模(公式の明示なし)公式の明示なし従業員1〜30名程度の中小中小の建設・住宅会社小規模〜大規模(建設業特化)中小(従業員50名未満が目安)中小の建設・工事会社(明示なし)建設業(規模の明示なし)住宅会社(注文・分譲)に特化
会計機能・会計ソフト連携会計一体型(建設業会計)会計ソフト連携の記載なし会計ソフト連携可(連携先の明記なし)会計ソフト連携の記載なし会計連携プランあり(別途料金)freee・マネーフォワード・弥生会計と連携会計連動機能(仕訳データ出力)会計ソフト連携の記載なし(連動版は別製品)CSV出力に対応(会計連携の明記なし)CSV出力で会計ソフト連携(連携先の明記なし)CSV出力で外部連携(会計ソフトの明記なし)会計ソフト連携の記載なし会計ソフト連携の記載なし会計一体型(建設業会計)会計ソフト連携の記載なし
詳細情報詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金・機能・経営事項審査への対応は各社の公式サイト等の公開情報にもとづく(2026年9月時点)。経審対応欄は、公式に対応を明記している製品のみ「●」とし、明記のない製品は「要問い合わせ」としています。最新の料金・仕様は各サービスの公式サイトでご確認ください。

インストール型の工事台帳ソフト比較

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サービス名どっと原価NEOレッツ原価管理Go2JDL IBEX原価管理・工事台帳JSI工事台帳lite工事原価ProGalileopt DX 工事大将建設大臣NXスイート建設会計
提供形態インストール型(オンプレ/LAN。クラウドは別製品)パッケージ+クラウド版インストール型(買い切り・Windows専用)インストールクラウド(ハイブリッド)オンプレミス+クラウド版オンプレミス/クラウド(ERP)オンプレミス(クラウドオプション)インストール(パッケージ/Ver.2はサブスク)
主な機能実行予算〜発注〜原価〜出来高査定
工事台帳・会計連携
見積〜受発注〜支払〜請求
伝票リレー・工事経歴書出力
工事台帳・原価明細・実行予算比較
JDL会計と仕訳連携
弥生会計連携の工事台帳作成
工事経歴書・科目別集計
見積連動型の原価管理
工事台帳・会計連携
中堅ERPの工事原価管理
実行予算・ワークフロー連携
建設業会計+工事台帳・原価帳票
経審シミュレーション(NX/Super)
建設業会計+工事台帳・原価集計
出面管理連携
料金買い切り850,000円〜(税別・NEO LT)
EXはオープンプライス
パッケージ660,000円〜(スタンドアロン)
クラウド版は年264,000円/ユーザー〜(税込)
買い切り38,000円(税抜)
月額課金なし
年額22,000円(税込)
初期費用の記載なし
オンプレは要問い合わせ
クラウド版 年額171,600円〜(税込)
初期・月額とも要問い合わせ
(個別見積)
買い切り792,000円〜(税込。参考価格。経審シミュは上位グレード NX/NX Super)
+年間保守(DMSS)
買い切り275,000円(税込)目安
最新価格は要公式確認
経審対応要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ●(書類作成)
工事経歴書・工事台帳を出力(経審の添付書類として利用可)
要問い合わせ要問い合わせ●(評点シミュレーション)
上位グレード NX/NX Super
要問い合わせ
対象企業規模小規模〜中規模(3グレード)すべての建設業(規模不問)小〜中小規模(単一PC前提)中小零細の建設工事業中小〜中堅(明示なし)中堅企業(年商50〜500億円)小規模〜中堅(グレード制)建設業(規模の明示なし)
会計機能・会計ソフト連携勘定奉行クラウド・弥生会計と連携(会計は外部)弥生・PCA・奉行クラウドと連携JDL IBEX会計・出納帳と仕訳連携弥生会計と自動連携弥生・PCA・奉行クラウドと連携財務大将(会計)と連携(同一ERP)会計一体型(大蔵大臣NXベース)会計一体型(建設業会計)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金・機能・経営事項審査への対応は各社の公式サイト等の公開情報にもとづく(2026年9月時点)。経審対応欄は、公式に対応を明記している製品のみ「●」とし、明記のない製品は「要問い合わせ」としています。最新の料金・仕様は各サービスの公式サイトでご確認ください。

工事台帳ソフトおすすめ(サービス個別紹介)

ここからは、各製品の特徴・料金・対象規模・経審対応を提供形態別に紹介します。まずは現場とのリアルタイム共有に強いクラウド型から見ていきます。

クラウド型の工事台帳ソフト

1. 勘定奉行クラウド 建設業編(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウド 建設業編の公式サイト画面

汎用クラウド会計「勘定奉行iクラウド」に、工事別の原価管理機能を加えた業種特化エディションです。株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供し、仕訳・決算・消費税申告といった会計処理をベースに、工事ごとの原価計算や配賦、収支の見える化までを一体で扱えます。

料金は基本機能のiAシステムが月額27,500円(税抜)・初期費用50,000円(税抜)からで、多角的分析のiB、管理会計のiSと3段階に分かれます。中堅・上場企業やグループ企業向けの料金は要問い合わせです。

経営事項審査に必要な技術職員名簿・工事経歴書・経営規模等評価申請書などの書類作成は、最上位のiSシステムに含まれます。会計から経審書類までを社内で完結させたい建設業者に向いており、30日間の無料体験を用意しています。

2. サクミル(株式会社プレックス)

サクミルの公式サイト画面

案件管理・見積・実行予算・原価管理・請求・工事台帳・出面管理までを一つにまとめた、建設業・設備工事業向けのクラウドサービスです。株式会社プレックスが提供し、現場の日報・写真・図面をスマートフォンからも入力・共有できます。

料金は初期費用0円・月額9,800円(税別)からで、この料金に20アカウント分の利用が含まれます。機能ごとの追加課金がない単一プランのため、小規模事業者でも導入コストを見積もりやすい設計です。

一人親方から数十名規模の建設・設備工事業者を主な対象とし、2ヶ月間の無料トライアルを利用できます。経営事項審査用の帳票出力については、公式サイトに明記がありません。

3. ANDPAD(株式会社アンドパッド)

ANDPADの公式サイト画面

株式会社アンドパッドが提供するクラウド型の建設・建築プロジェクト管理サービスです。工程・写真・図面などの現場管理を担う「ANDPAD施工管理」と、見積・実行予算・原価/粗利・請求を扱う「ANDPAD引合粗利管理」を組み合わせ、工事台帳が扱う契約から精算までの原価情報をカバーします。

「建設業マネジメントクラウドサービス市場」で導入企業数8年連続シェアNo.1と発表しています(デロイト トーマツ ミック経済研究所「ミックITリポート2025年12月号」、2025年12月時点)。利用社数は27.9万社に達します。

初期費用・月額費用はいずれも非公開で、プランに応じた個別見積もりとなり、無料トライアルは提供していません。インボイス制度・電子帳簿保存法に対応し、工務店からゼネコンまで幅広い業種・規模での導入実績があります。

4. AnyONE(エニワン株式会社)

AnyONEの公式サイト画面

工務店・リフォーム会社の業務フローに合わせた基幹業務管理システムです。エニワン株式会社が提供し、顧客管理から見積・実行予算・発注、工事・施工スケジュール管理、入出金、アフター管理までを一元化します。見積・発注・支払データはボタン一つで工事台帳へ集約されます。

導入企業数は4,300社超(2026年6月時点)、継続率99.2%と公表しています。Excelに近い操作感を訴求しており、他システムからのデータ移行支援が標準で提供されます。

クラウド型ですが対応OSはWindows専用で、Macで利用する場合は仮想化ソフトが必要です。月額はランディングページ上で16,000円からと案内され、実際の費用は事業規模に応じた個別見積もりとなります。

5. アイピア(株式会社アイピア)

アイピアの公式サイト画面

株式会社アイピアが自社開発する、中小規模の工務店・リフォーム会社向けのクラウド業務管理システムです。顧客管理・積算/見積・原価/発注・請求/入金・工程管理・工事台帳作成・集計分析までを1つのシステムに集約しています。

見積で作成した情報が原価管理や工事台帳にそのまま反映される設計で、工事ごとの利益状況を現場と経営の両面から確認できます。相見積機能や写真台帳など、建築業に特化した機能を備えます。

料金はライトプランが初期費用120,000円(税抜)・月額10,000円(税抜、5ユーザーまで)からで、ユーザー追加は1名2,000円です。リモート研修は無料・回数制限なしで受けられます。

6. uconnect(株式会社unlimited)

uconnectの公式サイト画面

案件・工事ごとに売上と原価を入力すると、工事台帳と粗利集計が自動で更新されるクラウドソフトです。株式会社unlimitedが提供し、見積・請求・入金・支払管理に加え、freee会計・マネーフォワード・弥生会計との会計連携に対応します。

初期費用は無料で、月額は基本料6,600円(税込)に1ユーザー1,320円(税込)を加えた最小構成7,920円からです。30日間の無料トライアルをクレジットカード登録なしで試せます。

一人親方から年商10数億円規模まで、土木・電気・内装・設備・リフォームなど40以上の業種区分を対象に掲げています。工事に物販を併営する事業者向けや、工務店向けの上位プランも用意されています。

7. 使えるくらうど工事台帳(アサクラソフト株式会社)

使えるくらうど工事台帳の公式サイト画面

アサクラソフト株式会社が提供する、日報入力から工事台帳・原価管理・見積・発注・請求・労務管理までを一気通貫で扱う業務支援システムです。ブラウザ・タブレット・スマートフォンから使えるクラウド型ですが、課金は月額制ではなく買い切り型です。

見積データを実行予算に転用し、原価・発注・仕入・支払・請求・入金を工事単位で一元管理できます。重機マスタに損料を設定し、稼働時間に応じて自動集計する重機管理機能を持つ点も特徴です。

料金は基本システム・オプション・保守を組み合わせた個別見積もりで、金額は要お問い合わせです。工事完成が確定した工事は、工事経歴書としてPDF帳票で出力できます。

8. らくらく!工事台帳 Web版(株式会社ウィズ)

らくらく!工事台帳 Web版の公式サイト画面

クラウド型(Web版)の工事台帳作成システムで、インターネット接続があれば現場・事務所を問わず複数のPCから同時にアクセスできます。株式会社ウィズが提供し、工事ごとの原価管理(材料費・労務費・外注費・経費)、仕入・支払、請求・入金の管理を行えます。

工事一覧表・工事台帳総括表・工事原価明細表など、標準15種類の帳票を出力できます。リモートサポートは朝7時から夜22時まで、土日祝も事前調整のうえ対応します。

料金は日数単位の契約設計で、1ユーザー版の新規契約(360日)が90,000円(税別)からです。14日間の無料体験で、製品版と同等の機能を試せます。

9. KAKUSA(アクティブシステム株式会社)

KAKUSAの公式サイト画面

従業員5〜30名程度の中小建設工事業者を主な対象とする、クラウド型の工事原価管理・工事台帳システムです。アクティブシステム株式会社が提供し、見積・工事受注・実行予算・原価管理・日報出面・発注仕入支払・請求入金を工事番号単位で連結します。

スマートフォンから日報を入力すると、現場の出面・勤怠・労務費を自動計算します。2025年には経済産業省管轄の「IT導入補助金2025」の対象ツールに認定されています。

料金は初期費用50,000円(税別)・月額5,000円(税別)からで、必要な業務範囲に応じた個別提案の形をとります。小規模事業者が低コストで始めやすい価格帯です。

10. Anymore施工管理(Anymore株式会社)

Anymore施工管理の公式サイト画面

Anymore株式会社が2024年11月に提供を開始した、中小規模の建設会社・住宅会社向けのクラウド型施工管理アプリです。案件・工程・写真管理などの現場機能に加え、実行予算・見積・発注・請求といった工事台帳・原価管理に相当する機能を備えます。

現場の職人や協力会社が使い慣れたLINEアプリから、予定確認・報告・写真提出・入退場管理を直接行える点が特徴です。外部メンバーの招待は、人数によらず追加費用がかかりません。

料金は初期費用0円・月額15,000円からで、ユーザー数による従量課金制です。全17機能を1ヶ月間無料で試せます。導入企業数は2,000社以上、継続率99%と公表しています(2025年11月時点)。

11. 工事台帳アシストAI(ネクスゲート株式会社)

工事台帳アシストAIの公式サイト画面

受領した請求書・納品書を撮影またはPDF化してアップロードすると、AIが内容を読み取ってデータ化し、工事台帳への転記・原価入力を代行するクラウドサービスです。ネクスゲート株式会社が提供し、建設業(専門工事会社を含む)の原価管理に特化しています。

現場(案件)ごとに原価を集計して粗利率を可視化し、経営者・工事部・経理部それぞれの原価管理業務を支援します。CSVダウンロードで、既存システムとの連携もできます。

利用できるID数・パソコンの台数は無制限です。初期費用・月額費用は公式サイトで金額が公開されておらず、資料請求・問い合わせでの確認が必要です。

アーキLinkの公式サイト画面

建設業・工務店・リフォーム会社・外構/エクステリア業者向けの、クラウド型オールインワン業務管理ツールです。株式会社Archi Villageが提供し、案件・顧客管理を起点に、見積・発注・請求の帳票作成、原価・入金管理、工程管理、写真・日報管理、経営分析までを1つのシステムに統合します。

現場作業者がスマートフォンで行う操作を、工事日報の入力と施工写真のアップロードに絞り込む設計で、ITツールに不慣れな現場でも運用しやすさを意図しています。自社運営の建材データベース「建材サーチ」と連携し、見積時に建材カタログを参照できます。

料金は要問い合わせで、利用アカウント数に応じて変動するとみられます。中小規模(従業員50名未満が目安)の工務店・リフォーム会社・外構業者を主な対象としています。

13. BUILDY NOTE(株式会社フィックス)

BUILDY NOTEの公式サイト画面

見積作成・工程管理・原価管理・電子受発注・請求/入金・支払管理・図面管理までを一つにまとめた、建設・工事会社向けの業務管理システムです。株式会社フィックスが「クラウド工事台帳」として提供し、現場とバックオフィスの情報を工事台帳・顧客台帳として一元管理します。

注文住宅・リフォーム・防水塗装・電気工事・解体・太陽光など、対応業種の幅が広いのが特徴です。カスタマイズ可能な帳票作成機能(ODB機能)を持ち、既存の業務フォーマットに合わせた帳票運用ができます。

「DXプラン」「施工管理プラン」「原価管理・受発注プラン」の3プラン構成で、機能範囲に応じて選びます。料金は従業員数や課題に応じた個別見積もりで、金額は要問い合わせです。

14. PCAクラウド 建設業会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 建設業会計の公式サイト画面

東証プライム上場のピー・シー・エー株式会社が提供する、建設業に特化したクラウド型の会計ソフトです。「工事」「工種」マスターを軸に、工事別の原価管理・工事台帳・経営事項審査への対応までを一体で扱えます。同社のオンプレミス版「PCA建設業会計シリーズ」のクラウド版にあたります。

公共工事の入札に必要な経営事項審査に対応し、財務データ・工事データから経審項目を自動集計して総合評点をシミュレーションできます。工事進行基準・工事完成基準・原価回収基準の複数の収益認識基準にも対応します。

料金は初期費用0円・月額19,200円(税抜、建設業会計のみ)からで、同時接続ユーザー数を基準に決まります。2ヶ月間の無料体験を利用できます。

15. 注文分譲クラウドDX(株式会社ダイテック)

注文分譲クラウドDXの公式サイト画面

注文住宅・分譲住宅を扱う住宅会社・ハウスメーカー・分譲事業者向けの、基幹業務(ERP型)クラウドシステムです。株式会社ダイテックが提供し、見込み客管理・見積・契約・実行予算・電子受発注・工事原価管理・アフターフォローまでを一元管理します。

発注・支払データが工事原価台帳に自動転記され、工種別・業者別に集計して実行予算と対比できます。分譲住宅向けには、土地の原価を管理する土地台帳や、区画数・販売価格から利益を試算する事業計画機能も用意されています。

対象は住宅会社(注文住宅・分譲住宅)に特化しており、土木・一般建築・リフォームなどを含む建設業全般向けの汎用工事台帳ソフトではありません。料金は初期費用・月額費用とも要問い合わせです。

インストール型の工事台帳ソフト

続いて、買い切りで社内完結の運用ができ、経審用帳票の作り込みに強いインストール型・パッケージの製品を紹介します。

16. どっと原価NEO(株式会社建設ドットウェブ)

どっと原価NEOの公式サイト画面

株式会社建設ドットウェブの工事原価管理システムで、実行予算・見積・発注・出来高査定・支払管理・工事台帳までを一元管理します。東京商工リサーチの調査(2025年2月調べ)では、建設業向け原価管理システムで2015〜2023年度の9年連続導入企業数第1位とされています。

汎用の会計ソフトではなく原価管理に特化した製品で、決算・申告は勘定奉行クラウドや弥生会計など外部の会計ソフトと連携する設計です。枝番工事の合算工事台帳や、出来高査定への調整額反映といった建設業特有の機能を備えます。

規模に応じてLT・ST・EXの3グレードがあり、料金はNEO LT(LAN版)のAセットで850,000円(税別)から、上位のEXはオープンプライス(要問い合わせ)です。クラウドで利用する場合は、別製品「どっと原価3」を選ぶ必要があります。

17. レッツ原価管理Go2(株式会社レッツ)

レッツ原価管理Go2の公式サイト画面

株式会社レッツが提供する建設業向けの原価管理・工事台帳ソフトです。1996年発売の「工事台帳」を源流に持ち、2023年8月時点で累計導入社数は5,000社を超えています。見積から受注・発注・仕入・支払査定・請求・入金までを一気通貫で管理します。

見積データを後工程へ複写する「伝票リレー機能」で二重入力を抑え、工事コード10桁+枝番2桁・3階層の工種管理で細かな原価集計ができます。計上基準に応じた工事経歴書の出力にも対応します。

提供形態はパッケージ(オンプレミス)とクラウド版の両方があり、機能は共通です。パッケージ版のスタンドアロンは初期費用660,000円(年間保守33,000円)から、クラウド版はユーザー数課金で45日間の無料トライアルを利用できます。

18. JDL IBEX原価管理・工事台帳(株式会社日本デジタル研究所)

JDL IBEX原価管理・工事台帳の公式サイト画面

会計システムで知られる株式会社日本デジタル研究所(JDL)の、買い切り型のインストール型ソフトです。新規購入価格は38,000円(税抜)で、月額課金が発生しません。工事ごとの原価・請求・入金状況を工事台帳として自動作成します。

材料費・労務費・外注費・経費の区分ごとに原価を自動集計し、実行予算比較表や工事管理月報を出力できます。JDL IBEX出納帳・JDL IBEX会計との仕訳連携や、インボイス(適格請求書)にも対応します。

クラウドには対応せず、Windows専用かつ単一PCでの利用が前提のため、複数拠点・複数人での同時利用やリモートアクセスはできません。顧問会計事務所とは「Web POSTBOX」を通じてデータをやり取りできます。

19. JSI工事台帳lite(株式会社ジャパンシステムイノベーション)

JSI工事台帳liteの公式サイト画面

株式会社ジャパンシステムイノベーションが中小零細の建設工事業向けに提供する、低価格の工事台帳作成ソフトです。料金は年額22,000円(税込)で、弥生会計と自動連携して総勘定元帳や未成工事支出金のデータを工事台帳に取り込めます。

公式サイトでは、経営事項審査(経審)の添付書類として使う工事経歴書・工事台帳の作成・出力に対応するとしています。科目別集計表や間接経費按分、過年度完成工事高(過去3年分)の連動管理など、経審に関連する帳票・機能を備えます。

提供形態は「インストールクラウド」で、ソフト本体はWindows PCにインストールし、入力データはクラウド上のデータセンターで管理します。複数拠点からアクセスでき、データは日次でバックアップされます。

20. 工事原価Pro(株式会社アイ・ジェイ・エス)

工事原価Proの公式サイト画面

株式会社アイ・ジェイ・エスが提供する、建設業・工事業向けの原価管理ソフトです。7階層の見積作成から実行予算、受注・発注・仕入、支払査定、入金管理までを連動させる「見積連動型」で、工事ごとの原価・利益を集計する工事台帳を中核に持ちます。

弥生会計・PCA会計・OBC勘定奉行クラウドと会計連携でき、弥生会計は認定連携製品として売上・仕入・完成工事振替などの仕訳をやり取りできます。差分仕訳の自動作成や二重処理防止など、連携時の整合性を保つ機能も備えます。

オンプレミス版とクラウド版(サーバー不要のSaaS方式)の両方から導入形態を選べます。クラウド版は年額171,600円(税込・1ライセンス)から、オンプレミス版の初期費用は要問い合わせです。

21. Galileopt DX 工事大将(株式会社ミロク情報サービス)

Galileopt DX 工事大将の公式サイト画面

株式会社ミロク情報サービス(MJS)の中堅企業向けERP「Galileopt DX」を構成する、建設業向けの工事原価管理モジュールです。Galileopt DXは年商50〜500億円規模の中堅企業を主な対象としています。

工事完成基準・工事進行基準・部分完成基準に加え、企業会計基準第29号の原価回収基準まで対応します。原価発生の種別ごとに入力画面を切り替える設計や、受注申請の承認で工事マスターが自動登録されるワークフロー連携、安全協力会費の自動計算などを備えます。

会計モジュール「財務大将」やワークフローと同じ基盤で運用でき、出面管理・損料/資材管理はオプションとして用意されます。料金は初期費用・月額とも非公開で、個別見積もり(要問い合わせ)です。

22. 建設大臣NX(応研株式会社)

建設大臣NXの公式サイト画面

応研株式会社の基幹業務パッケージ「大臣シリーズ」のうち、財務会計ソフト「大蔵大臣NX」をベースに建設業向け機能を加えた業種特化パッケージです。伝票入力時に現場を指定するだけで工事台帳が自動生成され、間接費の自動配賦や完成振替にも対応します。

「会計編」「NX」「NX Super」の3グレードがあり、上位の「NX」「NX Super」は経営事項審査(経審)のシミュレーション機能を備え、完成工事高や技術職員数の変更が総合評点に与える影響を試算できます。出面管理や出来高査定はグレードに応じて搭載されます。

提供形態はオンプレミス(買い切り)が基本で、「大臣NXクラウド」を追加契約するとAzure上の専有環境でも利用できます。標準価格は会計編スタンドアロンの792,000円からNX Superピア・ツー・ピアの1,716,000円まで(いずれも税込・参考価格)で、別途年間保守(DMSS)に加入します。

23. スイート建設会計(株式会社フォーラムエイト)

スイート建設会計の公式サイト画面

株式会社フォーラムエイトが、無料会計クラウド「円簿」を提供する円簿インターネットサービスとの協業で開発した、建設業向けの会計ソフトです(2018年リリース)。建設業特有の勘定科目に対応し、工事別の仕訳・原価集計・工事台帳作成・財務諸表作成を行えます。

工事完成基準・工事進行基準の両方で工事収益を計上でき、間接工事費の配賦や完成振替の自動仕訳にも対応します。姉妹製品「スイート給与計算-出面管理-」と連携すると、現場の出退勤データから労務費を工事別の直接費として計上できます。

設計・積算ソフト「UC-1 Engineer’s Suite積算」ともデータ連携でき、設計から会計までを同一ベンダー内でつなげます。料金は買い切りのパッケージ購入型で、最新の価格は公式サイトで確認が必要です。

経審用の工事台帳・完成工事原価報告書への対応

公共工事の入札を予定する建設業者にとって、経営事項審査(経審)への対応は工事台帳ソフト選びの重要な論点です。ここでは、経審で何が求められ、工事台帳ソフトがどう役立つかを整理します。

経営事項審査は、建設業法にもとづき、公共工事を発注者から直接請け負う建設業者が受けなければならない審査です。

公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

出典:建設業法(昭和24年法律第100号)第27条の23|e-Gov 法令検索

ここで押さえておきたいのは、「工事台帳」そのものが経審の法定提出書類ではないという点です。経審で提出が定められているのは、工事経歴書(建設業法施行規則 別記様式第2号)や財務諸表(貸借対照表=様式第15号、損益計算書=様式第16号)であり、完成工事原価報告書は損益計算書に付随する建設業会計固有の帳票です。工事台帳は、これらの法定帳票を作成するための元になる社内台帳という位置づけになります。

したがって工事台帳ソフトに期待できるのは、日々の工事別原価・出来高の記録から、経審で必要になる工事経歴書や完成工事原価報告書の作成を支援することです。完成工事原価報告書は、材料費・労務費・外注費・経費の4区分で構成すると告示で定められています。

材料費 工事のために直接購入した素材、半製品、製品、材料貯蔵品勘定等から振り替えられた材料費(仮設材料の損耗額等を含む。)/労務費 工事に従事した直接雇用の作業員に対する賃金、給料及び手当等/外注費 工種・工程別等の工事について素材、半製品、製品等を作業とともに提供し、これを完成することを約する契約に基づく支払額/経費 完成工事について発生し、又は負担すべき材料費、労務費及び外注費以外の費用

出典:建設業法施行規則別記様式第15号及び第16号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類を定める件(昭和57年建設省告示第1660号、最終改正 令和4年国土交通省告示第473号)|(一財)建設業情報管理センター

工事台帳ソフトで原価をこの4区分に沿って集計しておけば、完成工事原価報告書や工事経歴書の作成がスムーズになります。前述のとおり経審対応の明記は製品によって差があるため、公共工事を狙う場合は、経審用帳票の出力可否を提供元に確認したうえで選ぶことが大切です。

工事台帳から経営事項審査(経審)提出までの帳票の流れを示した縦フロー図。工事台帳は工事別の原価・出来高を記録する社内台帳で経審の法定提出書類ではないこと、そこから経審で必要な工事経歴書(様式第2号)と完成工事原価報告書(材料費・労務費・外注費・経費の4区分)を作成すること、それらを公共工事を直接請け負う建設業者が受ける経営事項審査に提出することを3段階で示す。

経審への対応を公式に明記している製品は一部です。対応の中身は、工事経歴書・工事台帳など経審の添付書類を作成・出力するタイプと、総合評点をシミュレーションするタイプに分かれます。会計一体型のパッケージでは、経審対応が上位グレード・上位料金になることがあります。どの製品がどちらに対応し、必要なグレードや料金がいくらかは、比較表の「経審対応」欄で確認してください。

出典は以下のとおりです。

出典・参考資料(3件)

会計ソフト・工事原価管理システムとの違いと連携

工事台帳ソフトを検討すると、「工事原価管理システム」や「建設業会計ソフト」との違いが分かりにくくなりがちです。ここでは、それぞれの役割の違いと連携の考え方を整理します。

工事台帳ソフトと建設業会計ソフトの役割分担を示した図解。工事台帳ソフト・工事原価管理システムは工事別の原価・出来高・粗利を管理し単体では仕訳や決算・申告を行わないこと、建設業会計ソフトは建設業会計固有の勘定科目で仕訳・決算・財務諸表作成まで完結できることを対比し、別々に使う場合はデータ連携で二重入力を防げるか確認する旨を補足する。

工事台帳ソフト・工事原価管理システムは、工事別の原価・出来高・粗利を管理することが主な役割です。多くの製品は、単体では仕訳や決算・申告といった会計処理までは行わず、集計したデータを会計ソフトへ連携して使います。一方、建設業会計ソフトは、完成工事高・完成工事原価・未成工事支出金といった建設業会計固有の勘定科目にもとづく仕訳・決算・財務諸表作成まで会計処理を完結できる点が異なります。

建設業会計では、完成した工事の売上と原価を次のように扱います。

完成工事原価 完成工事高として計上したものに対応する工事原価/完成工事総利益 完成工事高から完成工事原価を控除した額

出典:建設業法施行規則別記様式第15号及び第16号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類を定める件(昭和57年建設省告示第1660号、最終改正 令和4年国土交通省告示第473号)|(一財)建設業情報管理センター

選び方としては、まず工事別の原価管理を強化したいなら工事台帳ソフト・工事原価管理システム、会計処理まで建設業会計で一体運用したいなら建設業会計ソフトが候補になります。工事台帳ソフトと会計ソフトを別々に使う場合は、両者がデータ連携できるか(二重入力を避けられるか)を必ず確認しましょう。

会計まで一体で運用したい場合は、工事台帳・工事別原価・経審関連帳票までカバーする建設業会計型の製品を選ぶと、システムをまたぐ手間を減らせます。

導入の流れ・Excelからのデータ移行と現場定着

工事台帳ソフトは、導入しても現場に定着しなければ効果が出ません。ここでは、導入の進め方とExcelからの移行、現場定着のポイントを整理します。

一般的な導入は、課題と必要機能の整理、無料トライアルやデモでの検証、契約・初期設定、既存データの移行、運用開始という流れで進みます。Excelで作った工事台帳のデータは、多くのソフトがCSVインポートや移行支援に対応していますが、項目名や粒度の調整が必要になることが多く、過去すべてではなく直近分から移行するのが現実的です。導入時に、移行の可否と作業工数を提供元へ確認しておくと安心です。

現場に定着させるには、入力する担当者を巻き込み、最初は入力項目を絞って運用を始めるとよいでしょう。ITに不慣れな担当者向けの操作指導やサポートを活用し、少しずつ入力範囲を広げていくと無理がありません。

デジタル化・AI導入補助金を活用できるか

工事台帳ソフトの導入費用には、補助金を活用できる場合があります。従来「IT導入補助金」として知られていた制度は、2026年度(令和7年度補正)から「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」に名称が変わりました。中小企業・小規模事業者の生産性向上を目的に、AIを含むITツールの導入を支援する補助金です。

建設業の場合、資本金3億円以下または従業員300人以下の会社・個人事業主が補助対象となり、多くの工事会社が該当します。補助対象経費にはソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費が含まれ、工事台帳ソフトの導入費用が補助の範囲に入ります。

補助額は、2026年度(令和7年度補正)時点で、ITツールのプロセス数が1〜3つまでで5万円〜150万円、4つ以上で150万円〜450万円です。補助率はおおむね1/2〜2/3で、枠や事業者区分によって異なるため、正確な率は公募要領で確認してください。

注意点として、どのソフトでも補助金が使えるわけではありません。事務局に登録されたITツールを、登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが要件です。製品を選ぶ際は、その製品が登録ITツールに該当するか、提供元が登録IT導入支援事業者かをあわせて確認するとよいでしょう。

出典・参考資料(2件)

まとめ:自社の規模・提供形態・経審要否で選ぶ

工事台帳ソフトは、まず提供形態(クラウド型/インストール型)を決めることで候補を絞り込めます。どちらが向くかは「選び方」で解説したとおり、現場との共有・運用体制・帳票のカスタマイズ要否で判断します。

そのうえで、自社の規模(一人親方・小規模/中小工務店/中堅・ゼネコン)に合う機能範囲か、公共工事を狙うなら経審用帳票への対応があるか、会計まで一体で運用したいかを確認して選び分けることが重要です。

方向性の目安は規模で整理できます。一人親方や小規模な事業者は無料〜低価格で始められるクラウド型やフリーソフト、経審や公共工事を見据える中小の工務店は経審用帳票を出せるクラウド型、原価管理や会計まで一体で管理したい中堅・ゼネコンはインストール型や統合型が候補になります。

判断に迷う場合は、規模と提供形態、経審の要否から候補を絞れる診断ツールと、提供形態別の比較表をご活用ください。気になる製品が見つかったら、資料請求や無料トライアルで具体的に比較することをおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

Q. 工事台帳ソフトとは何ですか?

A. 工事台帳ソフトとは、工事案件ごとに契約金額・実行予算・原価・入金を記録し、工事別の採算をリアルタイムに管理できるITツールです。材料費・労務費・外注費・経費といった原価の自動集計や、見積・請求・帳票出力までを一元化し、Excelや紙での管理で生じる様式の属人化や月次集計の遅れを解消します。

Q. 工事台帳ソフトの費用相場はどのくらいですか?

A. 工事台帳ソフトの費用は提供形態で分かれ、クラウド型は月額数千円〜3万円程度、買い切りのインストール型は数万円台〜数十万円規模が目安です。中堅・大規模向けのERP型は個別見積が一般的で、料金は利用人数・必要機能・経審対応の有無で変わります。候補を数製品に絞り、それぞれの見積を比較して選ぶのがおすすめです。各製品の具体的な料金は本記事の比較表にまとめています。

Q. 無料・フリーソフトの工事台帳で足りますか?

A. 工事件数が少なく原価管理も簡易で済む段階なら無料のExcelテンプレートやフリーソフトでも足りますが、業務用として長期運用できる完全無料のソフトはほとんどありません。 複数人での同時利用・原価の自動集計・経審用帳票の出力・サポートといった面では有償ソフトに分があります。

多くの有償ソフトは14日〜2か月程度の無料トライアルを用意しているため、まず試して業務量の増加に応じて移行する進め方が無理がありません。

Q. 経営事項審査(経審)に対応した工事台帳ソフトはどれですか?

A. 本記事の比較製品のうち一部が、経審への対応を公式に明記しています(比較表の「経審対応」欄を参照)。工事台帳そのものは経審の法定提出書類ではなく、工事経歴書や完成工事原価報告書といった帳票(財務諸表に含まれる)の作成を支援する位置づけです。

対応の中身は、工事経歴書・工事台帳など経審の添付書類を作成・出力するタイプと、総合評点をシミュレーションするタイプに分かれます。会計一体型のパッケージでは経審対応が上位グレード・上位料金になることがあるため、比較表で対応内容と料金を確認しましょう。

対応の明記がない製品でも出力できる場合があるため、公共工事を狙うなら導入前に提供元へ経審用帳票の対応範囲を確認しましょう。

Q. 工事台帳ソフトはクラウド型とインストール型のどちらを選ぶべきですか?

A. 現場と事務所のリアルタイム共有・複数拠点での利用・スマホからの現場入力を重視するならクラウド型、買い切りで社内完結の運用や帳票の作り込みを重視するならインストール型が向いています。 クラウド型は初期費用を抑えて月額で始めやすく小〜中規模の事業者に、インストール型は買い切りで長期コストを抑えたい事業者に選ばれています。まず提供形態を決めると、比較対象を絞り込めます。

Q. Excelで作った工事台帳のデータは移行できますか?

A. 多くの工事台帳ソフトがCSVインポートや移行支援に対応しており、Excelで作ったデータを移行できます。 ただし項目名や粒度の調整が必要になることが多く、過去すべてではなく直近分から移行するのが現実的です。導入時に、移行の可否と作業工数を提供元へ確認しておくと安心です。

Q. 一人親方や小規模事業者でも工事台帳ソフトは使えますか?

A. 使えます。月額1万円前後のクラウド型なら、一人親方や数名規模でも導入しやすい価格帯です。 月額料金に一定のアカウント数が含まれる定額プランや、少人数から使える製品もあります。スマホ対応の製品を選べば現場からの入力も無理なく始められます(具体的な製品と料金は比較表を参照)。

Q. 工事台帳ソフトと会計ソフト・工事原価管理システムは何が違いますか?

A. 工事台帳ソフトや工事原価管理システムは工事別の原価・粗利の管理が主な役割で、仕訳や決算などの会計処理は会計ソフトへの連携で補います。一方、建設業会計ソフトは建設業会計固有の勘定科目にもとづく仕訳・決算・財務諸表作成まで完結できる点が異なります。

工事別の原価管理を強化したいなら工事台帳ソフト、会計まで一体で運用したいなら建設業会計型の製品が候補になります。別々に使う場合は、両者がデータ連携できるか(二重入力を避けられるか)を確認しましょう。

Q. 工事台帳ソフトの導入にデジタル化・AI導入補助金は使えますか?

A. 工事台帳ソフトの導入費用は、条件を満たせばデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の対象になります。 ソフトウェア購入費やクラウド利用料などが補助対象経費に含まれ、資本金3億円以下または従業員300人以下の中小企業・個人事業主が対象です。

ただし事務局に登録されたITツールを、登録されたIT導入支援事業者と組んで申請することが要件のため、製品が登録対象か、提供元が支援事業者かを事前に確認してください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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