取引先とのやり取りで「注文書」と「注文請書」という2つの書類が登場し、どちらを自社が出すのか、そもそも何が違うのかで手が止まる場面は少なくありません。名前も役割も似ているうえに、「注文請書には収入印紙が必要」という話も聞こえてきて、貼るべきか・いくらか・貼らずに済ませられないのかまで気になってきます。
2つの書類の違いは、発行する人と、そこに込められた意思表示にあります。注文書は発注する側が「この内容で注文します」と伝える申込みの書類、注文請書は注文を受けた側が「その注文を確かに引き受けました」と返す承諾の書類です。この関係をつかめば、自分がどちら側のどの書類を扱っているのかが判断できます。
この記事では、注文書と注文請書の違いを発行者・意思表示・役割の対比で整理したうえで、記載事項・受発注の流れ・保管期間、そして最大の関心である収入印紙の要否と金額、電子契約で印紙そのものを不要にする方法までを解説します。自社の受発注書類を正しく作成・運用でき、印紙の扱いに迷わない状態を目指せる内容です。
目次
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注文書と注文請書の違い(発行者・意思表示・役割の一覧)
注文書と注文請書は、発行する人と意思表示の向きが逆の、対になる書類です。まず結論として、両者の違いを項目ごとに整理します。
| 項目 | 発行する人 | 意思表示 | 主な役割 | 別名 | 発行の位置づけ | 収入印紙 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 注文書 | 発注する側(買い手) | 申込み(この内容で注文します) | 発注の内容と意思を正式に伝える | 発注書 | 取引の申込みとして先に出す | 原則不要 |
| 注文請書 | 注文を受けた側(売り手) | 承諾(その注文を引き受けます) | 注文を確かに受けたことを示し、証拠として残す | 発注請書・請書 | 注文書を受けて、承諾として返す | 請負契約なら必要(売買契約は原則不要) |
民法および国税庁の資料にもとづき作成。収入印紙の要否は2026年9月時点の取り扱い。
この対比の根っこにあるのが、契約は「申込み」と「承諾」が合致したときに成立するという民法の考え方です。注文書が申込み、注文請書が承諾に当たり、両者がそろうことで注文の内容について当事者の合意が成り立ちます。民法は契約の成立について次のように定めています。
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百二十二条第一項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)

ここから、それぞれの書類の定義と役割、そして収入印紙の要否まで順に見ていきます。
注文書・注文請書とは(それぞれの定義と役割)
ここからは、注文書と注文請書がそれぞれ誰から誰へ・何のために出す書類なのかを定義し、契約書との違いまで整理します。
注文書とは(発注者が出す申込みの書類)
注文書は、商品やサービスを発注する側が「この内容で注文します」という意思を相手に正式に伝える書類です。発注書とも呼ばれ、品目・数量・単価・納期・支払条件などを記載します。口頭やメールだけでも発注は成り立ちますが、書面にしておくことで、何をいくつ・いくらで・いつまでに頼んだのかを双方で確認でき、後からの認識違いを防げます。
注文請書とは(受注者が出す承諾の書類)
注文請書は、注文を受けた側が「その注文を確かに引き受けました」と返す書類です。発注請書・請書とも呼ばれ、発行によって、注文の内容について受注者が承諾したことを形に残せます。注文書側の申込みに対する承諾に当たり、この2枚がどう契約に結びつくかは次で説明します。
申込みと承諾で契約が成立する仕組み(法的効力)
注文書と注文請書が対になるのは、契約が「申込み」と「承諾」の合致で成立するためです。発注側が注文書という申込みを出し、受注側が注文請書という承諾を返すと、その注文の内容について合意が成り立ちます。民法は、契約の成立に原則として特別の方式を求めていません。
契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百二十二条第二項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
注文請書を発行しなくても契約そのものは成立し得ますが、それでも実務で交わすのは、次に述べる「発行する目的」があるためです。
発行する目的と、発行しない場合のリスク
注文請書を発行する目的は、承諾の意思と合意内容を証拠として残すことにあります。発行しないと承諾の書面が残らず、「頼んだ・頼んでいない」「この条件だった・違う」といった食い違いが起きたときに、双方の言い分を確かめる拠り所が乏しくなります。
加えて、一定の委託取引では、発注側に取引条件を明示する義務があります。これは中小受託取引適正化法(取適法。2026年1月1日施行の改正前は下請代金支払遅延等防止法〔下請法〕)による義務です。委託事業者は、給付の内容・代金の額・支払期日・支払方法などを、書面または電磁的方法で明示しなければなりません。
委託事業者は、中小受託事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより、中小受託事業者の給付の内容、製造委託等代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法(略)により中小受託事業者に対し明示しなければならない。
出典:中小受託取引適正化法(昭和三十一年法律第百二十号)第四条第一項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000120)
自社の取引がこの義務の対象になる場合は、注文書の交付が実務上欠かせません。従来「下請法の3条書面」と呼ばれてきた明示義務は、法改正により名称・条番号が変わっている点にも注意してください。
契約書との違い
注文書・注文請書と混同しやすいのが契約書です。注文書と注文請書は、個々の注文について申込みと承諾をやり取りする書類であるのに対し、契約書は当事者双方が署名・押印して合意内容を1つの文書にまとめたものです。
継続的に取引する相手とは、取引全体に共通する条件を「基本契約書」で定めたうえで、個々の発注は注文書と注文請書でやり取りする運用がよく使われます。この形なら、発注のたびに契約書を作り直す必要がなく、基本契約書で決めた条件のもとで注文だけを重ねられます。注文書・注文請書と契約書は、どちらか一方だけを使うものではなく、取引の性質に応じて組み合わせて使い分けます。
受発注の流れの中での注文書・注文請書の位置づけ
注文書と注文請書が取引のどの場面で登場するのかを、受発注の一般的な流れに沿って確認します。

取引は多くの場合、次の順序で書類をやり取りしながら進みます。
- 見積書:受注者が価格や納期の条件を提示する。
- 注文書:発注者が見積内容を確認し、正式に発注する(申込み)。
- 注文請書:受注者が注文を確認し、引き受けたことを返す(承諾)。ここで注文の内容について合意が成立する。
- 納品書:受注者が商品・成果物を納める際に添える。
- 検収書:発注者が納品物を確認し、問題がないことを示す。
- 請求書・領収書:代金の請求と、支払い後の受領を記録する。
この流れの中で、注文書と注文請書は「合意を形づくる入り口」に位置します。見積で条件をすり合わせ、注文書と注文請書で発注と承諾を交わし、以降の納品・検収・請求はその合意にもとづいて進みます。注文請書を省くと、合意が成立した証拠が注文書だけになり、受注側が承諾した事実を書面で示せなくなる点が、流れの中での注文請書の意味です。
注文書・注文請書の記載事項
注文書と注文請書に何を書くのかを、実務で通用する項目に沿って整理します。
注文書には、発注の内容を過不足なく伝えるための項目を記載します。おおむね次のような項目です。
- 発行日・注文書番号
- 発注者・受注者の名称
- 品目・仕様・数量・単価・合計金額
- 納期・納品場所
- 支払条件(支払期日・支払方法)
注文請書には、どの注文を引き受けたのかを特定できる情報を記載します。注文書と対応づけられるよう、おおむね次のような項目を書きます。
- 発行日
- 対応する注文書の番号・発行日
- 発注者の名称・受注者の名称(受注者名を明記)
- 品目・数量・金額(注文書と同じ内容にそろえる)
- 納期・納品場所
取適法などで取引条件の明示が求められる取引では、明示すべき事項が記載事項に関わってきます。
記載例(書き方のポイント)
注文請書は、対応する注文書とセットで読めるように書くのが基本です。たとえば「注文書番号◯◯、◯年◯月◯日付の注文について、下記のとおりお引き受けします」と書き出し、品目・数量・金額・納期を注文書と同じ内容で記載したうえで、受注者名と発行日を添えます。書式の定型はありませんが、あとから注文書と突き合わせて確認できる形にしておくと、社内の検収や経理の処理がスムーズになります。
実際の記載例は、たとえば次のようになります(架空の例)。
注文請書
株式会社〇〇 御中
発行日:2026年10月1日下記のご注文(注文書番号 PO-2026-0158/2026年9月28日付)について、次のとおりお引き受けいたします。
・品目:△△部品
・数量:500個
・単価:600円
・金額:300,000円(税抜)
・納期:2026年11月20日
・納品場所:貴社△△倉庫株式会社□□ 営業部 (担当者名)
作成・交付時の注意点
注文請書を作成・交付するときは、注文書との整合を確認しておきましょう。品目・数量・金額・納期が注文書と食い違っていると、どちらの内容で合意が成立したのかがあいまいになります。条件を変更して引き受ける場合は、変更点を明示し、発注者の再確認を得たうえで交付します。
発行後に数量や納期を変えたいときは、口頭やメールだけで済ませず、変更内容を書面で残しておくと、変更後の合意内容を確認できます。紙で作成する場合は、後述する収入印紙の要否もあわせて確認しておきましょう。
注文書・注文請書の保管方法と保管期間
作成・受領した注文書・注文請書は、法律で定められた期間の保管が必要です。保管方法と保管期間を整理します。
法人が事業に関して作成・受領した注文書・注文請書は、帳簿書類として保存する義務があります。国税庁は、保存すべき「書類」の例として注文書・契約書などを挙げ、原則7年間の保存を求めています。
法人は、帳簿を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。
出典:No.5930「帳簿書類等の保存期間」|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm)
この保存期間は根拠となる法律によって異なります。法人税では原則7年(欠損金が生じた事業年度などは10年)、会社法では会計帳簿や重要な資料を10年間保存することとされています。どちらの期間も満たせるよう、実務では長い方の期間に合わせて保管する例が多く見られます。
メール添付のPDFや電子契約で受け渡した注文請書は、電子取引の取引情報に当たり、電子帳簿保存法により電子データのまま保存することが義務づけられています。紙に印刷して保存する方法は原則として認められません。
所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
出典:電子帳簿保存法(平成十年法律第二十五号)第七条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000025)
電子データの具体的な保存要件(改ざん防止のためのタイムスタンプや訂正・削除履歴の残るシステムの利用、検索できる状態での保存など)は、財務省令に委ねられています。要件の詳細は国税庁の電子帳簿保存法Q&Aで確認できます。こうした保存要件への対応をシステム側で満たせる点が、後述する電子契約サービスの利点の一つです。
出典・参考資料(3件)
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注文請書の収入印紙はいくら?売買・請負での要否と税額
注文書と注文請書で迷いやすいのが、収入印紙をどちらに・いくら貼るのかです。ここでは、要否の判定から具体的な税額、貼り忘れたときの扱いまでを整理します。

注文書は原則不要/注文請書は請負なら課税・売買なら原則非課税
収入印紙は、印紙税法で定められた課税文書にだけ必要です。注文書は、発注の申込みを伝える書類であり、通常は課税文書に当たらないため原則として収入印紙は不要です。ただし、注文書でも双方の署名押印があるなど契約の成立を証する内容になっている場合は課税されることがあり、名称ではなく中身で判断される点に注意が必要です。
一方、注文請書は請負契約についてのものなら課税文書(第2号文書)に当たり、収入印紙が必要です。ここで重要なのが、同じ「請書」でも、中身が請負か売買かで扱いが分かれる点です。国税庁は、売買を内容とする注文請書について次のように示しています。
第2号文書(請負に関する契約書)に該当するかどうかの判断は、その文書の表題が「請書」になっているかどうかにかかわらず、契約の内容が請負であるか、物品の譲渡契約であるかどうかによって判断することになります。ご質問の文書の場合には、カタログ商品の売買契約を内容としていますから、物品の譲渡契約に該当し、第2号文書には該当しません。
出典:質疑応答事例「物品販売の注文請書」(印紙税)|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/12/11.htm)
工事や製造、保守、システム開発のように「仕事の完成」を目的とする請負の注文請書は課税文書になり、物品の売買を内容とする注文請書は原則として収入印紙が不要です。請負か売買かは、契約当事者の意思が仕事の完成に重きを置いているか、物の所有権の移転に重きを置いているかで判断されます。
迷いやすいのは、既製品を購入するのか、仕様を指定して作らせるのかが分かれるケースです。カタログ品をそのまま買うなら売買、図面や仕様を渡して製作させるオーダーメイド品なら請負というように、「物」に払うのか「仕事の完成」に払うのかで見分け、自社の注文請書がどちらに当たるかを契約の中身から確認してください。
契約金額の段階別税額(第2号文書)
請負に当たる注文請書に貼る収入印紙の額は、記載された契約金額によって決まります。第2号文書(請負に関する契約書)の税額は次のとおりです。
| 記載された契約金額 | 1万円未満 | 1万円以上100万円以下 | 100万円を超え200万円以下 | 200万円を超え300万円以下 | 300万円を超え500万円以下 | 500万円を超え1,000万円以下 | 1,000万円を超え5,000万円以下 | 5,000万円を超え1億円以下 | 1億円を超え5億円以下 | 5億円を超え10億円以下 | 10億円を超え50億円以下 | 50億円を超えるもの | 契約金額の記載のないもの |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 印紙税額 | 非課税 | 200円 | 400円 | 1,000円 | 2,000円 | 1万円 | 2万円 | 6万円 | 10万円 | 20万円 | 40万円 | 60万円 | 200円 |
国税庁 No.7102「請負に関する契約書」の本則税率をもとに作成。2026年9月時点。
上の金額は本則税率です。建設工事の請負契約書(工事注文請書を含む)で契約金額が一定額を超え、令和9年3月31日までに作成するものには軽減措置が適用され、税額が異なります。建設工事の具体的な税額を確認する場合は、本則と軽減後を混同しないよう注意してください。
建設工事の請負契約書や工事注文請書について、契約金額ごとの軽減後の税額や変更契約書の扱いを一覧で確認したい場合は、以下の記事で整理しています。
出典・参考資料(3件)
収入印紙を貼らなかった場合の過怠税
課税文書に当たる注文請書に収入印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額だけでなく、その2倍に相当する金額が加わって徴収されます。国税庁は次のように示しています。
その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります。
出典:No.7131「印紙税を納めなかったとき」|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm)
ただし、税務調査を受ける前に、印紙税を納めていない旨を自主的に申し出た場合は、本来の税額とその10%の合計(1.1倍)に軽減されます。また、この過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入できないため、負担はさらに重くなります。収入印紙を貼り忘れても契約そのものが無効になるわけではありませんが、こうした負担を避けるため、請負に当たる注文請書には正しい額の収入印紙を確実に貼りましょう。
電子契約なら注文請書に収入印紙は不要
ここまで見てきたとおり、請負に当たる注文請書を紙で作成すると、契約金額に応じた収入印紙が必要です。一方、注文請書を電子契約(電磁的方法)で交付すれば、収入印紙はかかりません。印紙税は課税文書という「文書」に課される税ですが、電子データはこの文書に含まれないと考えられているためです。国税庁は次のように示しています。
印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。したがって、おたずねの電磁的記録に印紙税は課税されません。
出典:質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」(印紙税)|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/10.htm)
注文請書についても、電子メールで送信した事例について、国税庁(福岡国税局)が同じ考え方を認めた文書回答事例(請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について)があります。
したがって、注文請書の交付を電子契約に切り替えれば、収入印紙が不要になるだけでなく、印刷・押印・郵送の手間もなくせます。前述の電子帳簿保存法の保存要件も、電子契約サービスの側で満たせます。
ただし、電子でやり取りするには取引相手も電子での受け渡しに応じる必要があります。相手の同意を得られる取引から切り替えると導入しやすいでしょう。ここでは、印紙を不要にできる代表的な電子契約サービスを紹介します。
出典・参考資料(2件)
| サービス名 | クラウドサイン | 電子印鑑GMOサイン |
|---|---|---|
| 提供会社 | 弁護士ドットコム株式会社 | GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 |
| 電子署名方式 | 立会人型・当事者型の両方に対応 当事者型はマイナンバーカード署名 | 立会人型・当事者型の両方に対応 両者を組み合わせるハイブリッド署名も可 |
| タイムスタンプ | 総務大臣認定タイムスタンプを全プランで標準付与 | 総務大臣認定タイムスタンプを標準付与 |
| 電子署名法への対応 | 立会人型の法的有効性を確認(弁護士が適合性を検証) | 3省庁(デジタル庁・法務省・財務省)から適法性確認を取得 |
| 電子帳簿保存法対応 | 対応(認定タイムスタンプ・検索要件。フリープランは一部を利用者側で対応) | 対応(JIIMA認証、契約印&実印プラン向け) |
| 無料プラン | フリープランあり(月2件まで・1ユーザー、電子署名+タイムスタンプ利用可) | お試しフリープランあり(月5件まで・1ユーザー・立会人型のみ、期間無制限) |
| 月額費用(有料プラン最安) | Light 月額11,000円(税込12,100円)〜 | ライト 月額8,800円(税込9,680円、年間契約)〜 |
| 送信料 | 220円/件(税込242円) | 立会人型100円/件(税込110円) 当事者型300円/件(税込330円) |
| セキュリティ認証 | ISO/IEC 27001・27017 SOC2 Type1・ISMAP登録 | ISO/IEC 27001・27017 SOC2 Type2・ISMAP登録 |
| 導入実績 | 250万社以上 | 350万社以上 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
2026年9月時点の各社公式情報にもとづく。料金は税抜(税込)で記載。
1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

書類のアップロードから電子署名・認定タイムスタンプの付与、契約書の保管・検索までをオンラインで完結できる電子契約サービスで、弁護士ドットコム株式会社が運営します。注文請書のやり取りも印刷・押印・郵送なしで行えます。標準は認証局での本人確認が不要な事業者署名型(立会人型)で、相手方の負担が軽いため、多くの取引先と注文請書を交わす場面でも導入しやすい方式です。
全プランで総務大臣認定のタイムスタンプを標準付与し、電子帳簿保存法の要件に対応します。確実な本人確認が求められる契約向けには、マイナンバーカードの電子証明書を使う当事者署名型も選べます。フリープランでも月2件まで有料プランと同じ電子署名・タイムスタンプを試せるため、まず自社の受発注の運用に合うかを確かめてから導入できます。導入企業は250万社を超えます。
2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供するクラウド型の電子契約・電子署名サービスです。立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の2方式に対応し、両者を組み合わせるハイブリッド署名も利用できます。取引先には負担の軽い立会人型で注文請書を送りつつ、自社側は実印相当の信頼性を確保するといった使い分けができます。
電子署名法についてデジタル庁・法務省・財務省の3省庁から適法性の確認を得ており、電子帳簿保存法にもJIIMA認証で対応しています。総務大臣認定のタイムスタンプを標準付与し、官公庁・自治体・上場企業での利用実績があります。
期間無制限の無料プランで月5件まで送信を試せるほか、有料プランはユーザー数無制限の料金体系のため、受発注に関わる担当者が部署をまたいで使う運用にも向いています。導入企業は350万社を超えます。
ここで紹介した以外にも電子契約サービスは数多くあります。料金や署名方式、電子帳簿保存法への対応などをふまえて自社に合う一社を選びたい方は、以下の比較記事もあわせてご覧ください。
まとめ
注文書は発注する側が出す申込みの書類、注文請書は注文を受けた側が出す承諾の書類で、両者がそろうことで注文の内容についての合意が形になります。注文請書は発行が契約成立の絶対条件ではありませんが、承諾の証拠を残し、後の認識違いを防ぐために交わされます。
収入印紙は、注文書は原則不要、注文請書は請負契約なら契約金額に応じて必要で、売買契約なら原則不要です。貼り忘れると本来の税額の3倍の過怠税がかかる一方、注文請書を電子契約で交付すれば収入印紙そのものが不要になり、印刷・押印・郵送や電子データの保存もシステム側で完結できます。印紙や郵送の負担が大きい取引を抱えているなら、この機会に自社の受発注の書類を見直し、電子契約への切り替えを検討してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 注文請書とは何ですか?
A. 注文請書とは、注文を受けた側(売り手)が「その注文を確かに引き受けました」と承諾の意思を示すために発行する書類です。
発注する側が出す注文書(申込み)に対して返す書類で、発注請書・請書とも呼ばれます。注文書と注文請書がそろうことで、その注文の内容について当事者の合意が成立したことを示す証拠になります。
Q. 注文書と注文請書は、どちらを自社が発行しますか?
A. 注文書と注文請書は、発注する側(買い手)が注文書を、注文を受けた側(売り手)が注文請書を発行します。
自社が商品やサービスを発注する立場なら「この内容で注文します」と伝える注文書を、注文を引き受ける立場なら「確かに承りました」と返す注文請書を出します。どちら側の書類かは、申込み(注文書)か承諾(注文請書)かで判断できます。
Q. 注文請書の発行は義務ですか?
A. 注文請書の発行は、契約成立の絶対条件ではなく、法律上も必ず発行しなければならないものではありません。
民法では契約は申込みと承諾の合致で成立し、書面の作成を必須としていないため、注文請書がなくても契約自体は成立し得ます。それでも交わすのは、承諾の事実と合意内容を証拠として残すためです。
ただし、中小受託取引適正化法(取適法。2026年1月施行の改正前は下請代金支払遅延等防止法〔下請法〕)の対象取引では、発注側に給付の内容・代金の額・支払期日などを書面または電磁的方法で明示する義務があり、この場合は注文書の交付が欠かせません。
Q. 契約書があれば注文書や注文請書は不要ですか?
A. 契約書があっても、個々の発注のたびに注文書と注文請書をやり取りする運用は一般的で、両者は役割が異なります。
契約書は取引全体に共通する条件を1つの文書にまとめたもの、注文書・注文請書は個別の注文について申込みと承諾を交わす書類です。継続的な取引では「基本契約書+個別の注文書・注文請書」という組み合わせがよく使われ、発注のたびに契約書を作り直さずに、決めた条件のもとで注文だけを重ねられます。
Q. 注文書に収入印紙は必要ですか?
A. 注文書は、原則として収入印紙は不要です。
注文書は発注の申込みを伝える書類で、通常は印紙税法上の課税文書に当たらないためです。ただし、双方の署名押印があるなど契約の成立を証する内容になっている場合は課税されることがあり、書類の名称ではなく中身で判断される点に注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
Q. 注文請書の収入印紙はいくらですか?
A. 注文請書の収入印紙は、請負契約についてのものなら契約金額に応じて200円から必要で、売買契約なら原則として不要です。
請負に当たる注文請書は印紙税法の第2号文書(請負に関する契約書)となり、契約金額が1万円未満は非課税、1万円以上100万円以下は200円というように、金額の段階に応じて税額が上がります。同じ「請書」でも、仕事の完成を目的とする請負か、物品の売買かで扱いが分かれるため、自社の注文請書がどちらに当たるかを契約の中身から確認してください。
Q. 注文請書に収入印紙を貼り忘れるとどうなりますか?
A. 課税文書に当たる注文請書に収入印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額とその2倍に相当する金額との合計、すなわち当初の税額の3倍の過怠税が徴収されます。
ただし、税務調査を受ける前に納めていない旨を自主的に申し出た場合は、本来の税額とその10%の合計(1.1倍)に軽減されます。過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入できず、負担はさらに重くなります。収入印紙を貼り忘れても契約そのものが無効になるわけではありません。
Q. 電子契約で交付した注文請書にも収入印紙は必要ですか?
A. 電子契約(電磁的方法)で交付した注文請書には、収入印紙は必要ありません。
印紙税は課税物件表に掲げられた「文書」に課される税ですが、電磁的記録は文書に含まれないとする国税庁の見解があり、請負契約の注文請書を電子メールで送信した事例でも印紙税は課税されないと認められています。紙をやめて電子契約に切り替えれば、印紙代に加えて印刷・押印・郵送の手間もなくせます。
出典・参考資料(2件)
Q. 注文書・注文請書の保管期間はどのくらいですか?
A. 注文書・注文請書は、法人税では原則7年間(欠損金額が生じた事業年度などは10年)、会社法では10年間の保存が必要です。
どちらの期間も満たせるよう、実務では長い方に合わせて保管する例が多く見られます。メール添付のPDFや電子契約で受け渡した注文請書は電子取引の取引情報に当たり、電子帳簿保存法により電子データのまま保存することが義務づけられており、紙に印刷しての保存は原則として認められません。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















