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回線冗長化の方式を比較|光+モバイル・異キャリア2回線などの違いと費用・選び方を解説

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光回線が突然切れて、Web会議やクラウド業務、店舗のキャッシュレス決済が止まってしまった経験はありませんか。インターネット回線は普段意識されませんが、一度止まると業務全体が連鎖的に停止します。

こうした停止を防ぐ手段が「回線の冗長化(二重化)」です。ただし、副回線に何を使い、どう切り替えるかによって方式はいくつかに分かれ、守れる障害の範囲も費用も変わります。「二重化すればよい」と聞いても、どの方式が自社に合うのかは判断しづらいのが実情です。

本記事では、回線を二重化する主な方式を横並びで比較し、守れる障害範囲・切替の仕組み・費用感の違いを整理します。あわせて、方式ごとの選び方と、二重化したつもりでも同時に止まってしまう落とし穴、実際に導入できるサービスまで解説します。自社の回線をどう守るかを決める材料としてご活用ください。

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回線を二重化する主な方式(全体像)

回線の冗長化とは、主回線が止まったときに通信を引き継ぐ副回線(バックアップ回線)を用意しておくことです。副回線に何を使うかで、主に次の4つの方式に分かれます。それぞれの仕組みを押さえましょう。

  • 別の事業者の光回線を2本にする(マルチホーミング):主回線とは異なる通信事業者の光回線を副回線にします。1社の通信網で障害が起きても、もう一方の事業者の回線で通信を継続できます。異なる事業者の複数回線を使うこの構成はマルチホーミングと呼ばれます。
  • 同じ事業者の光回線を2本にする:同一事業者で回線を2本契約し、ONU(回線終端装置)やルーター、宅内配線の故障に備えます。手配はしやすい一方、その事業者の通信網そのものが止まると両方が同時に影響を受けます。
  • 光回線にモバイル回線を足す:光回線を主回線とし、LTEや5Gのモバイル回線(複数キャリアから自動で選ぶクラウドSIMを含む)を副回線にします。今の光回線はそのままに、切替装置を挟むだけで導入できる構成が多く、有線の障害に強いのが特徴です。
  • 専用線・閉域網を別経路で二重化する:拠点とデータセンターやクラウドをつなぐ専用線・閉域網を、異なる経路で冗長化します。経路まで分離すれば信頼性は最も高くなりますが、費用も大きくなります。

複数の通信経路の使い方には2通りあります。2本を常時使って負荷を分散するリンクアグリゲーションと、片方を待機させておき主回線が落ちたら副回線へ切り替えるフォールトトレランスです(機器側で複数の接続を束ねる技術はNICチーミングとも呼ばれます)。

いずれも上記の方式と組み合わせて使う考え方です。リンクアグリゲーションは平常時から2本とも使うため副回線を遊ばせず負荷を分散できますが、1本が落ちるとその分の容量は失われます。フォールトトレランスは普段は主回線だけで動かし、障害時に待機していた副回線へ自動で切り替えます。どちらを選ぶかは、平常時から2本を使いたいか障害時の切り替えを重視するか、そして守りたい内容・コストに応じて決めます。

方式の横並び比較表(守れる範囲・切替・費用で比べる)

ここからは、4つの方式を「守れる障害範囲」「切替方式」「副回線の種類」「今の回線を変えずに足せるか」「月額費用の目安」「切替・復旧の速さ」で横並びに比較します。自社が何を守りたいか、どこまで費用をかけられるかを照らし合わせてください。

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比較項目守れる障害範囲切替方式副回線の種類今の回線を変えずに足せるか月額費用の目安切替・復旧の速さ
別の事業者の光回線を2本宅内機器から通信事業者の網まで広くカバー。1社の通信障害・局地的な障害にも強い自動(SD-WAN機能つきルーター等で切替)別事業者の光回線△(回線をもう1本契約・敷設する)月+2〜5万円程度(回線料が二重にかかる)自動なら数秒〜
同じ事業者の光回線を2本ONU・ルーター・宅内配線の故障が中心。事業者の網全体の障害は同時に影響自動同一事業者の光回線△(同一事業者で回線を追加する)月+4,000〜6,000円程度自動なら数秒〜
光回線+モバイル回線光回線側の障害・有線の切断に強い。モバイルの電波状況には依存自動(切替装置が障害を検知して切替)モバイル回線(LTE/5G・クラウドSIM)◎(今の光回線はそのまま、装置を挟むだけの構成が多い)月+3,000〜8,000円程度自動なら数秒〜
専用線・閉域網の冗長経路まで分離すれば物理障害・広域災害にも強い(構成次第)自動・手動(構成により異なる)別経路の専用線・閉域網×(回線構成の見直しが必要)数万円〜(最も高い・構成による)構成による(自動なら速い)

※上記は各方式における一般的な傾向です。実際の守れる範囲・切替動作・費用は、契約する事業者や構成により異なります。

上記の月額費用は一般的な目安で、実際の金額は構成や事業者により変わります。別の光回線をもう1本引く方式は回線料が二重にかかるぶん割高になりやすく、光回線にモバイル回線を足す方式は比較的抑えられます。料金を公開している例では、モバイル回線を副回線にするサービスで単体プラン月2,200円・セットプラン月1,650円(いずれも税込)という水準もあり、目安より手頃に導入できる場合もあります。

どの方式でも、切り替えの瞬間には数秒程度の通信断が生じ、進行中のWeb会議・通話・VPN接続は一度切れて再接続が必要になることがあります。切り替えの速さだけでなく、進行中の通信が切れても支障のない業務か、切れると困る業務かも踏まえて方式を選ぶとよいでしょう。

冗長度のグラデーション(どこまで二重化するか)

同じ「回線の二重化」でも、どこまでを二重にするかで信頼性とコストは段階的に変わります。守りたい範囲を見極めると、過不足のない構成を選びやすくなります。

もっとも手軽なのは、プロバイダ(接続事業者)だけを2系統にする構成です。接続事業者側の障害には対応できますが、光回線やONU、ルーターは1台のままなので、これらが故障すると通信は止まります。次の段階として、光回線とONUも二重にすると、回線の切断やONUの故障にも耐えられます。さらにルーターまで二重化すれば、宅内機器のどこが壊れても通信を継続できます。

最も堅牢なのは、回線が通る経路そのものを分離する構成です。後述するように、2本の回線を引いても同じ経路・同じ設備を通っていれば同時に落ちる可能性があるため、経路の分離は信頼性を大きく高めます。ただし、二重にする範囲を広げるほど費用と運用の手間は増えます。自社の業務が止まったときの損失と見比べ、どこまで備えるかを決めることが大切です。

回線冗長化の度合いを4段階で示した図。下から順に、プロバイダだけを2系統にする構成(接続事業者側の障害に対応するが光回線・ONU・ルーターは1台のまま)、光回線とONUも二重化する構成(回線の切断やONUの故障に耐える)、ルーターまで二重化する構成(宅内機器のどこが壊れても通信を継続)、経路そのものを分離する構成(同じ経路・設備による同時障害も避けられ信頼性が最も高い)。上にいくほど信頼性が高まる一方、費用と運用の手間も大きくなる。
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自社に合う方式の選び方(条件分岐)

どの方式が適しているかは、自社の状況によって変わります。次の観点から、自社に当てはまる条件を確認してください。

今の回線を変えずに、手早く備えたいか

すでに使っている光回線を変えたくない、工事や契約の手間を抑えたい場合は、光回線にモバイル回線を足す方式が有力です。今の回線はそのままに、ONUとルーターの間に切替装置を挟むだけで導入できる製品が多く、既存のネットワーク設定を変えずに始められます。

モバイル回線を副回線にするサービスには、月額2,200円(税込、単体プランの場合)から導入できるものもあり、初期費用と合わせても比較的小さな負担で回線を二重化できます。

1社の通信障害や広域の障害にも備えたいか

通信事業者側の大規模障害まで想定するなら、別の事業者の光回線を副回線にする方式が安心です。1社の通信網が止まっても、もう一方の事業者の回線で通信を続けられます。さらに、自然災害や局地的な停電まで考えるなら、回線が通る経路を分離した構成が選択肢になります。守れる範囲が広がるぶん費用は大きくなるため、止まったときの損失と見比べて判断してください。

切替は自動か、手動でよいか

店舗のレジや予約システム、Web会議など、数分の停止も避けたい業務には、障害を検知して自動で副回線へ切り替わる構成が向いています。切替時間や、復旧後に主回線へ自動で戻るか(自動切り戻し)も確認するとよいでしょう。短時間の停止を許容できる業務なら、予備のモバイルルーターを障害時に手動でつなぎ替える簡易な構成でも運用でき、固定費を抑えられます。

運用・監視の手間をかけられるか

複数拠点を持つ企業や、情報システムの担当者が限られる企業では、回線の状態を常時監視し、障害時にメールで通知してくれる仕組みがあると運用が楽になります。導入後の監視・保守を自社で担えるか、事業者のサポートに任せたいかも、方式とサービスを選ぶうえでの判断材料になります。

回線やサーバーの停止そのものを検知して管理者へ知らせる役割は、専用の監視ツールが担います。監視の方式(ping・ポートなど)や通知手段、停止時の自動復旧の有無から製品を比べたい場合は、以下の記事が参考になります。

二重化したつもりで同時障害する落とし穴(SPOF・ラストワンマイル)

回線を2本にしても、それだけで安心とは限りません。2本の回線が同じ経路や同じ設備を通っていると、1つの原因で両方が同時に止まることがあります。冗長化を設計するうえで見落としやすい2つの落とし穴を押さえておきましょう。

回線を2本に増やしても経路や設備を共有すると同時に止まることを示す対比図。左は同じ経路・同じ設備を共有する場合で、主回線と副回線が同一の電柱・管路・局舎(ラストワンマイル=単一障害点)を通るため、1箇所の故障や災害で2回線とも停止する。右は別の経路・別の設備に分ける場合で、主回線を光回線、副回線をモバイル回線や別事業者の回線にして経路を別系統にすると、1本が止まってももう片方で通信を継続できる。

ラストワンマイル(同一局舎収容・共有管路で2回線が同時に落ちる)

「ラストワンマイル」とは、通信事業者の設備から自社の拠点までをつなぐ最終区間を指します。別々の回線を契約しても、この区間で同じ電柱・同じ地下の管路を通っていたり、同じ通信事業者の局舎に収容されていたりすると、その箇所の故障や災害で2回線がまとめて止まります。

これを避けるには、副回線に有線とは別系統のモバイル回線を使う、あるいは異なる事業者・異なる経路の回線を選ぶといった工夫が有効です。契約を2本に増やすだけでなく、「その2本が物理的に別の道を通っているか」まで確認することが、同時障害を防ぐ鍵になります。

構成図に見えない単一障害点(SPOF)とキャリア同一設備

単一障害点(SPOF:Single Point of Failure)とは、そこが壊れるとシステム全体が止まってしまう箇所のことです。論理的な構成図の上では冗長に見えても、2本の回線が同じ通信事業者の同じ設備を経由していれば、その設備の障害が共通の原因となって同時に通信が止まります。

実際に、冗長な構成でも共通の原因で同時に障害が起きた例があります。2021年9月2日に発生したAWS Direct Connectの東京リージョンの障害では、多数の冗長なネットワーク機器を備えていました。それでも、機器のOSの潜在的な不具合という共通の原因で、同じネットワーク層の複数の機器が同時に障害を起こしています。AWSはこの事象を次のように説明しています。

Direct Connect サービスは、AWS がお客様と相互接続する Direct Connect ロケーションから、それぞれに多数の冗長ネットワークデバイスがある複数のネットワークレイヤーを介して AWS リージョンにトラフィックを転送することで、お客様のデータセンターと VPC 間のプライベート接続を提供します。これらのアラームは、Direct Connect ネットワークの単一レイヤー内のいくつかのデバイスの障害によって事象が引き起こされたことを特定しました。

(中略)この事象は、ネットワークデバイスのオペレーティングシステム内の潜在的な問題によって引き起こされたことを確認しました。

出典:東京リージョン(AP-NORTHEAST-1)で発生したAWS Direct Connectの事象についてのサマリー|Amazon Web Services

この障害では、午前7時30分ごろから接続の問題が始まり、完全な解決は午後1時42分と、およそ6時間にわたって影響が続きました。機器を二重に備えていても、共通の原因があれば同時に止まりうることを示す例です。回線を冗長化するときは、副回線の種類だけでなく、経由する事業者や設備が主回線と分かれているかまで意識すると、より確実な備えになります。

回線冗長化を実現する具体的なサービス

ここからは、回線冗長化を実現する具体的なサービスを紹介します。ここで取り上げるのは、今の光回線を変えずに導入しやすい「光回線+モバイル回線」型のサービスで、いずれも主回線が止まったときに副回線のモバイル回線へ切り替えて通信を継続します。

別の事業者の光回線をもう1本引く方式や、専用線・閉域網を経路ごと分離する方式を検討する場合は、利用中の通信事業者や、広域イーサネット・閉域網・SD-WAN(複数回線を束ねて自動で切り替える仕組み)を提供する事業者に相談すると、自社の拠点構成に合った冗長化を設計してもらえます。

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サービス名DualLink GuardUSEN DUAL CONNECTT-Switch
提供形態専用端末(購入)+サービス契約専用ルーター(ハイブリッドLTEルーター)+月額サービス専用装置(レンタル/購入)+サービス
副回線の種類モバイル回線(LTE・クラウドSIM)モバイル回線(LTE)モバイル回線(LTE・クラウドSIM)
対応キャリアドコモ・au・ソフトバンク(クラウドSIMで自動選択)要お問い合わせ国内4キャリア(クラウドSIMで自動選択)
切替方式自動(障害検知後、数秒以内に切替。復旧後は自動で光回線に戻る)自動(光回線の切断を検知してLTEへ切替)自動(復旧時は自動で切り戻し)
障害時の通知メール通知(故障時・復旧時)要お問い合わせメール通知(切替時)
月額費用要お問い合わせ1,650円〜(セットプラン、税込)
単体2,200円(税込)
要お問い合わせ
初期費用要お問い合わせ33,000円(税込)
※別途、現場調査費11,000円(任意)
要お問い合わせ(購入プランは装置代が発生)
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト

1. DualLink Guard(株式会社フーバーブレイン)

DualLink Guardのサービス紹介ページ

DualLink Guardは、光回線の故障やプロバイダ側の通信障害を検知すると、端末内蔵のモバイル回線へ自動で切り替えるWAN回線バックアップシステムです。ONU(回線終端装置)と既存ルーターの間に専用端末を挟むだけで導入でき、既存ルーターの設定を変える必要がありません。

副回線にはクラウドSIMに対応したモバイル回線を使い、ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアから電波の強い回線を自動で選びます。主回線の通信状態を24時間365日監視し、障害を検知すると数秒以内にモバイル回線へ切り替え、光回線が復旧すると自動で元に戻ります。

端末が停止した際には自動で再起動して自律的に復帰する機能も備え、光回線の故障時・復旧時には登録したアドレスへメールで通知します。店舗のPOSレジ、オフィスのクラウドツール、クリニックのオンライン資格確認など、通信が止まると困る現場での利用を想定したサービスです。料金は要お問い合わせとなっています。

2. USEN DUAL CONNECT(株式会社USEN NETWORKS)

USEN DUAL CONNECTのウェブサイト

株式会社USEN NETWORKSが提供するUSEN DUAL CONNECTは、光回線の通信切断を自動で検知してLTE回線へ切り替える法人向けの回線冗長化サービスです。専用のハイブリッドLTEルーターを使い、有線の障害時にモバイル回線で通信を継続します。

料金は、USEN光 plusなどとのセットプランで月額1,650円、単体プランで月額2,200円(いずれも税込・2026年10月時点の公式情報)と公開されており、回線冗長化の費用感をつかみやすいサービスです。初期費用は33,000円(税込)で、別途、現場調査費が任意で発生します。

最低利用期間は24か月で、バックアップ以外の用途で1GBを超えた場合は550円/GBの通信料がかかります。1日1GBを超えるような大容量通信は対象外とされているため、常時の大量通信ではなく、障害時のバックアップ用途に向いた設計です。

3. T-Switch(テルウェル西日本株式会社)

T-Switch(ティースイッチ)のウェブサイト

光回線が切れたときにモバイル回線へ自動で切り替えるBCPソリューションが、テルウェル西日本のT-Switchです。専用装置とクラウドSIMを組み合わせ、光回線が復旧すると自動で切り戻し、切替の際にはお知らせメールが届きます。

副回線のクラウドSIMは国内4キャリアに対応し、電波状況に応じて回線を自動で選びます。利用状況や契約内容はカスタマーポータルで確認できます。料金プランは、5年または3年契約で月100GB分の通信を含むレンタルと、月3GB分を含む購入の2種類が用意されており、具体的な金額は要お問い合わせです。飲食店やフィットネス、クリニック、小売、社会福祉法人など、幅広い業種での導入事例が公開されています。

まとめ

回線の冗長化には、別の事業者の光回線を引く方式、同じ事業者で回線を増やす方式、光回線にモバイル回線を足す方式、専用線・閉域網を経路ごと分離する方式があり、守れる障害範囲・切替の仕組み・費用はそれぞれ異なります。今の回線を変えずに手早く備えたいなら光回線+モバイル回線、1社の通信障害や広域災害まで想定するなら別事業者の回線や経路分離、というように、自社が守りたい範囲と予算から選ぶのが基本です。

その際、回線を2本にするだけで安心せず、2本が同じ経路や設備を通っていないか(ラストワンマイル・単一障害点)まで確認すると、より確実な備えになります。自社の業務が止まったときの損失と照らし合わせ、過不足のない方式とサービスを選んでください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 回線冗長化とは何ですか?

A. 回線冗長化とは、インターネット回線を二重化し、主回線が止まったときに副回線(バックアップ回線)へ切り替えて通信を継続できるようにする備えのことです。副回線には別の事業者の光回線やモバイル回線などを用意し、障害が起きても業務が止まらないようにします。「二重化」とほぼ同じ意味で使われます。

Q. 回線冗長化はロードバランサーやVPNと何が違いますか?

A. 回線冗長化は複数の回線で通信経路を二重化して障害に備える仕組みで、通信負荷を分散するロードバランサーや、通信内容を暗号化して安全につなぐVPNとは目的が異なります。回線冗長化が狙うのは「回線が止まっても通信を続けられること」です。ロードバランサーやVPNと組み合わせて使われることもありますが、それぞれ役割は別物です。

Q. 回線冗長化は中小企業でも導入できますか?

A. 回線冗長化は中小企業でも導入できます。近年は、今の光回線を変えずにモバイル回線を副回線として足すだけの小規模向けサービスや、クラウドで一括管理できる製品が増えています。まずは「止まると困る業務」を洗い出し、そこを守れる最小限の構成から始めるとよいでしょう。

Q. 回線冗長化の副回線にはモバイル回線も使えますか?

A. 回線冗長化の副回線には、LTEや5G、クラウドSIMといったモバイル回線を使えます。有線の光回線が切れても電波で通信を継続できるため、ラストワンマイル(事業者設備から拠点までの最終区間)の障害に強いのが利点です。店舗や拠点のバックアップ回線、災害対策として広く利用されています。

Q. 回線冗長化の導入に専門知識は必要ですか?

A. 回線冗長化の導入に高度な専門知識が必ず要るわけではなく、構成によっては装置を挟むだけで始められます。光回線にモバイル回線を足す方式では、ONUと既存ルーターの間に切替装置を接続するだけで、既存のネットワーク設定を変えずに導入できる製品が多くあります。

一方、異なる事業者の回線を自動で切り替える構成や経路を分離する構成では設計が必要になるため、設定・運用支援の有無もサービス選びの比較ポイントになります。

Q. 回線を2本に増やせば回線冗長化として十分ですか?

A. 回線を2本にするだけでは不十分な場合があり、その2本が物理的に別の経路・別の設備を通っているかまで確認する必要があります。別々に契約した回線でも、同じ電柱や地下管路、同じ通信事業者の局舎を経由していると、その箇所の故障や災害で2回線がまとめて止まります(単一障害点)。

副回線に有線とは別系統のモバイル回線を使う、異なる事業者・経路の回線を選ぶなど、「2本が別の道を通っているか」まで意識すると同時障害を防げます。

Q. 回線冗長化の費用はどれくらいかかりますか?

A. 回線冗長化の費用は方式によって幅があり、光回線にモバイル回線を足す方式なら月額数千円程度から、別の事業者の光回線をもう1本引く方式では月数万円規模になることもあります。別の光回線を追加する方式は回線料が二重にかかるぶん割高になりやすく、モバイル回線を副回線にするサービスには月額2,000円前後から利用できるものもあります。

守れる障害範囲が広い構成ほど費用も上がるため、業務が止まったときの損失と見比べて選ぶのが基本です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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