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電子契約を取引先から求められたら?受ける前の確認点と、相手に負担をかけない進め方

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電子契約システム比較表(2026年版)のプレビュー

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電子契約システム比較表(2026年版)

取引先から「契約を電子契約でお願いしたい」と求められたとき、あるいは自社から取引先に電子契約を提案したいとき、紙とハンコで契約してきた担当者ほど「そのまま受けてよいのか」「自社や相手に費用やアカウント登録の負担が出ないか」と迷いがちです。

確認すべきことは、自分が「取引先から求められた側」なのか「自社から求める側」なのかで変わります。それぞれの立場でやるべきことを、順に整理します。

本記事では、両方の立場それぞれの確認点と、電子契約が紙と同じ法的効力を持つ根拠、受けた後の収入印紙・電子帳簿保存法の実務までを、電子署名法や国税庁の文書を引用しながら解説します。相手にアカウント登録やアプリ導入を強いずに締結する方法も、あわせて取り上げます。

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まず自分の立場を確認|取引先に「求められた側」か「求める側」か

電子契約とは、紙の契約書と押印・郵送に代えて、Web上で電子署名とタイムスタンプ(いつ締結されたかを証明する時刻の記録)を付与し、契約の締結から保管までをオンラインで完結させる仕組みです。やるべきことは、自分が取引先から求められた側か、自社から求める側かで分かれます。まず自分の立場を確認してから、必要な章へ進んでください。

電子契約の進め方を立場別に示した図。取引先から求められた側は、受ける前に5つを確認、費用やアカウント登録の負担を確認、紙と同じ法的効力を確認、締結後の収入印紙とデータ保存、の順。自社から求める側は、相手の負担が小さい締結方法を選ぶ、法的効力やセキュリティの懸念をやわらげる説明、渋られたら折衷案で段階的に進める、の順。費用や登録の負担と法的効力は、どちらの立場でも共通で確認する。

取引先から電子契約を求められた側がやること

相手が電子契約の送信者で、自社が受信して署名する立場です。まず受ける前に確認する5つのポイントで受けてよいかを判断し、自社に費用やアカウント登録の負担が出るか、紙と同じ法的効力があるかを押さえます。締結したら収入印紙と電子データの保存まで確認すれば、受けて終わりの状態を避けられます。

自社から取引先に電子契約を求める側がやること

自社が送信者で、取引先に受けてもらう立場です。相手に余計な負担をかけない締結方法を選び、同意を得る進め方が中心になります。依頼するときの進め方・説明の仕方と、渋られたときの落としどころを参考にしてください。費用・アカウント登録の負担と法的効力は、求められた側と共通なので締結方式別の早見表と法的効力の章が両方の立場で役立ちます。

取引先から電子契約を求められたら?受ける前に確認する5つのチェックポイント

ここからは、取引先から電子契約を求められた側が、署名ボタンを押す前に確認したい5つのポイントを解説します。ほとんどの契約は電子で問題ありませんが、例外や社内手続きを先に押さえておくと、後戻りを防げます。

取引先から電子契約を求められたとき、受ける前に確認する5つのチェックポイントの図。1つ目は電子化できる契約文書か。公正証書が必要な契約は通常の電子契約サービスだけでは締結を完結できない。2つ目は社内規程や承認フロー上の問題はないか。押印規程や決裁ルールに沿うか、誰が電子署名の権限を持つかを決めておく。3つ目は当事者型と立会人型のどちらで署名するか。当事者型で求められた場合は自社側にも電子証明書の準備が必要になる。4つ目は契約書の文言が電子契約に合っているか。記名押印のうえなど紙前提の文言が残っていないかを確認する。5つ目は締結後にどう保存するか。電子データのまま、改ざん防止と検索できる状態で保存する。

1. 電子化できる契約文書か

売買・業務委託・秘密保持(NDA)・賃貸借など、企業間で交わす契約の多くは電子契約で締結できます。一方で、公証人が関与する公正証書でしなければならないと法律で定められた契約は、取引先との通常の電子契約サービスだけでは締結を完結できません。代表的なものは次の3つです。

  • 事業用定期借地権の設定契約:借地借家法第23条第3項が「公正証書によってしなければならない」と規定
  • 任意後見契約:任意後見契約に関する法律第3条が「法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない」と規定
  • 企業担保権の設定・変更契約:企業担保法第3条が「公正証書によつてしなければならない」と規定

近年は電子公正証書の制度も整備され、公正証書そのものを電子データで作成できる場合もありますが、いずれも公証人の関与が必要なため、これらの契約は取引先とサービス上で署名して終わり、とはなりません。ただし、定期借地権や定期建物賃貸借は、借地借家法が電磁的記録を書面とみなすため、電子契約で締結できます。

出典・参考資料(3件)

2. 社内規程・承認フロー上の問題はないか

紙と押印を前提にした押印規程や決裁ルールが残っている場合は、電子契約で締結してよいかを社内で確認しましょう。誰が電子署名の権限を持つか、代表者印に代わる承認を誰が行うかを決めておくと、締結後に「社内手続きを踏んでいない」と問題になる事態を防げます。

電子契約サービスには、送信前に上長や決裁権者の承認を必須にできる承認フロー機能を持つものもあります。都度の承認漏れが心配な場合は、こうした機能で社内ルールをシステム側に組み込む方法も検討できます。押印規程のような明文のルールが無い小規模な会社でも、電子契約を誰が承認して締結するかだけ決めておけば十分です。

3. 自社が当事者型・立会人型のどちらで署名するか

電子署名には、サービス提供事業者が当事者の指示にもとづいて署名する立会人型(事業者署名型)と、契約当事者本人が電子証明書で署名する当事者型があります。取引先が立会人型のサービスで送ってきた場合、受ける側はメールの認証だけで署名でき、電子証明書を用意せずに済むことが一般的です。

一方、当事者型で署名を求められた場合は、自社側でも電子証明書の準備が必要になります。電子証明書は、本人であることを電子的に証明する印鑑証明書のようなもので、認証局から取得する手続きや費用がかかります。

もっとも、取引先が送ってくる方式は受信側の負担が小さい立会人型が主流のため、当事者型の準備を迫られる場面は多くありません。どちらの方式で自社にどんな準備が要るのかを、受ける前に確認しておきましょう。方式ごとの費用・アカウント登録の負担は、次章の締結方式別の早見表で詳しく示します。

4. 契約書の文言が電子契約に合っているか

契約書に「記名押印のうえ」「本書2通を作成し各自1通を保有する」など、紙と押印を前提にした文言が残っていないかを確認しましょう。電子契約では原本が電子データになるため、こうした条項は電磁的記録で締結する前提の表現に合わせておくと、締結方法と契約書の記載が食い違いません。

相手から送られてきた契約書にこうした紙前提の文言が残っている場合は、署名前に相手方へ確認し、必要なら文言の修正を依頼するとよいでしょう。

5. 締結後にどう保存するか

立会人型では、受信側がメールの案内から内容を確認して承認すれば署名は完了します。双方の署名がそろうと、署名済みの契約書PDFがメールで届く、またはサービスの画面からダウンロードできるのが一般的で、これを自社で保存します。

電子契約で受け取った契約書は、電子データのまま保存する義務があります。改ざん防止の措置や、後から取引内容を検索できる状態の確保が必要になるため、受ける前に自社の保存方法を確認しておきましょう。具体的な要件は受けた後の実務の章で解説します。

取引先や自社に費用・アカウント登録の負担は出る?締結方式別の早見表

ここからは、締結方式ごとに、受信する側(取引先、または求められた側の自社)に費用やアカウント登録の負担が出るかを早見表で示します。求められた側は「自社に負担が出るか」、求める側は「相手に負担をかけないか」を、同じ表で判断できます。

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締結方式立会人型(事業者署名型)当事者型(本人型)
署名する人当事者の指示にもとづき、サービス提供事業者が署名契約当事者本人が電子証明書で署名
受信側のアカウント登録不要なことが一般的必要なことが多い
受信側の費用負担かからないことが一般的電子証明書の取得費用などが発生
受信側が用意するものメールを受信できる環境電子証明書

立会人型は、サービス提供事業者が当事者の指示にもとづいて署名する方式です。受信側はメールで届いた契約書を確認して承認するだけのため、アカウント登録や費用がかからないことが一般的です。取引先に負担をかけたくない場合は、立会人型のサービスが選択肢になります。

当事者型は、契約当事者本人が電子証明書を使って署名する方式で、本人性の証明が強い反面、受信側にも電子証明書の準備が必要になります。どちらの方式が使われているかは、相手から届いた案内や、サービスの署名画面で確認できます。

ただし、受信側に費用やアカウント登録が不要という点は法律ではなくサービスの運用や料金体系によるため、実際に契約する前に相手のサービスの案内で確かめておくと安心です。方式の仕組みそのものは、下記の政府見解で確認できます。

出典・参考資料(1件)

結論として、電子契約で締結した契約は、紙に押印した契約と同じく有効に成立し、裁判でも証拠として扱われます。社内や取引先に説明するときの根拠になるよう、「契約が有効に成立する根拠」と「電子署名が証拠として働く根拠」を分けて押さえておきましょう。

そもそも契約は、申込みと承諾の意思表示が合致すれば成立し、書面の作成は原則として必要ありません。これは民法第522条が定めており、紙の契約書がなくても、電子データのやり取りで契約は有効に成立します。

民法 第522条 第1項 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
第2項 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

民法(明治29年法律第89号)第522条|e-Gov法令検索

第2項の「法令に特別の定めがある場合を除き」が、先に挙げた公正証書が必要な契約(チェックポイント1)につながります。これらの例外に当たらなければ、書面によらず電子で締結しても契約は有効です。

証拠としての効力は、電子署名法が支えています。本人による電子署名が行われた電子文書は「真正に成立したものと推定する」と定められており、これは紙の文書で本人の押印が証拠上の推定を受けるのと同じ位置づけです。

電子署名及び認証業務に関する法律 第3条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第3条|e-Gov法令検索

この推定は「本人による電子署名」が条件です。立会人型(事業者署名型)でも、利用者の意思にもとづく一定の要件を満たせば同じ推定が及びうるとの見解を、法務省・デジタル庁が示しています。契約の有効性(民法)と、証拠としての推定(電子署名法)は役割が違うため、「電子署名があれば自動的に紙と同じ」と一括りにせず、両方を根拠として押さえておくと説明に説得力が出ます。

出典・参考資料(1件)

電子契約を受けた後の実務|収入印紙と電子データの保存義務

ここからは、電子契約を締結した後に押さえておきたい、収入印紙と保存の実務を解説します。受けて終わりにせず、税務と保存の落とし穴を先に潰しておきましょう。

電子契約なら収入印紙は原則不要

電子データの送受信だけで契約を締結した場合、収入印紙は必要ありません。国税庁(福岡国税局)の文書回答事例では、契約書を電子化して電子メールで送信しても、現物(紙)の交付がなされない以上、課税文書を作成したことにはならず、印紙税の課税原因は発生しないとされています。

注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。

請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について(平成20年10月24日・福岡国税局)|国税庁

注意したいのは、電子で送った後に同じ契約書を紙に印刷して相手へ交付すると、その紙は課税文書に当たり印紙税が課される点です。印紙を不要にするには、電子データのまま完結させる運用が前提になります。また、この回答は一つの国税局の見解であり、個別の取扱いは所轄の税務署へ確認しておくと安心です。

工事請負契約書や注文請書のように、紙で取り交わした場合に印紙税がいくらかかるのかを具体的に知りたい場合は、契約金額ごとの印紙額や軽減措置を次の記事で一覧にまとめています。

電子取引データは電子のまま保存する義務がある

電子契約で受け取った契約書は、電子帳簿保存法により電子データのまま保存する義務があります。2024年1月以降、電子取引でやり取りした契約書や請求書などは、紙に印刷して保存するのではなく、電子データとして要件を満たして保存しなければなりません。

申告所得税・法人税に関して帳簿・書類を保存する義務のある方が、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。

電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください(令和5年7月)|国税庁

保存にあたっては、改ざん防止のための措置をとること、「日付・金額・取引先」で検索できるようにすること、ディスプレイやプリンタ等を備え付けることが求められます。改ざん防止は、タイムスタンプの付与や訂正・削除の履歴が残るシステムでの保存のほか、事務処理規程を定めて守る方法でも対応できます。この保存義務は、契約書を受け取った側だけでなく、送った側にも課される点に注意してください。

多くの電子契約サービスは、タイムスタンプ付与や検索項目での管理など、電子帳簿保存法に対応した保存機能を備えています。自社で規程を整える負担を抑えたい場合は、こうした機能を持つサービスを使うと保存要件を満たしやすくなります。

自社から取引先に電子契約を依頼するときの進め方・説明の仕方

ここからは、自社から取引先に電子契約を求める側の進め方を解説します。相手に余計な負担をかけず、不安をやわらげる説明ができれば、同意を得やすくなります。

相手の負担が小さい締結方法を選んで伝える

取引先が電子契約に慣れていない場合、まず相手の負担が小さい締結方法を選ぶことが近道です。締結方式別の早見表のとおり、立会人型なら相手はアカウント登録や費用の負担なく署名できるのが一般的なので、立会人型に対応したサービスを選ぶと受け入れてもらいやすくなります。

依頼のときは、相手が迷わず署名できるよう、案内に次の項目を入れておくと親切です。相手に渡せる便益として、印紙税や郵送・保管のコストが双方で削減できる点も添えると、受け入れてもらいやすくなります。

  • 署名の手順(メールのリンクを開く→内容を確認→承認ボタンを押す)と、数分で終わる目安を示します。
  • アカウント登録やアプリのインストールは不要であることを明記します。
  • 電子契約でも紙と同じ法的効力があることと、その根拠となる法令を添えます。
  • 署名の期限と、不明点の問い合わせ先を記載します。

セキュリティ・法的効力の懸念をやわらげる説明

「電子契約は本当に有効なのか」「改ざんされないか」という懸念には、根拠を示して答えます。電子契約は電子署名とタイムスタンプで締結と非改ざんを担保でき、本人による電子署名があれば真正に成立したものと推定されること(電子署名法第3条)を伝えると、相手の法務担当も納得しやすくなります。

相手の社内規程で紙の契約書が必要とされているケースもあります。その場合は、次章で示すように、片方だけ電子にする、一部の契約から始めるといった折衷案を提示すると、話が前に進みます。

取引先が渋ったとき・自分が渋られたときの落としどころ

電子契約を提案しても相手が応じない、あるいは自分が求められて社内の合意が取れない場合でも、角を立てずに折り合える選択肢があります。契約は、片方だけが電子署名をしても、申込みと承諾が合致していれば有効に成立します(民法第522条)。無理に全面移行を迫らず、現実的な落としどころを探りましょう。

  • 片方だけ電子で署名する:自社は電子署名、相手は紙に押印、という形でも契約は成立します。相手の運用を変えずに自社の電子化を進められます。
  • 紙と電子を併用する:取引先ごとに紙と電子を使い分け、電子に応じてくれる相手から順に切り替えます。
  • 一部の契約から始める:NDAや発注書など、定型で量の多い契約から電子化し、相手の負担が小さいものから慣れてもらいます。
  • 相手が使いやすいサービスに合わせる:相手がアカウント登録を嫌う場合は、受信側に登録を求めない立会人型のサービスを選びます。

どの選択肢を取るにしても、相手の事情を尊重しながら、負担の小さい方法から段階的に進めるのが現実的です。

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取引先に登録の手間をかけずに使える電子契約サービス

ここからは、相手にアカウント登録やアプリ導入を強いずに締結できる電子契約サービスを紹介します。立会人型に対応したサービスは多数ありますが、ここでは受信側の負担が小さく、取引先にも名前が知られていて受け入れられやすい代表例として2つを取り上げます。

署名方式や受信側の負担を軸に比較したうえで、各サービスの詳細を見ていきましょう。より多くのサービスを横断で比較したい場合は、この章の最後に案内する比較記事もあわせてご覧ください。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサイン
署名方式立会人型(事業者署名型)が標準
当事者型(マイナンバーカード署名)にも対応
立会人型(契約印タイプ)・当事者型(実印タイプ)に対応
両者を組み合わせたハイブリッド署名も可能
取引先のアカウント登録立会人型なら不要
メール認証で署名できる
立会人型なら不要
相手方のアカウント不要と公式に明記
取引先の費用負担立会人型なら負担なし
送信料は送信側が負担
立会人型なら負担なし
相手方に追加費用は発生しないと公式が案内
送信側の料金プランフリープラン無料(月2件まで・1ユーザー)
有料はLight 月額11,000円+送信料220円/件(税抜)
お試しフリープラン無料(月5件まで・1ユーザー・立会人型のみ)
有料はライト 月額8,800円+送信料 立会人型100円/件・当事者型300円/件(税抜)
補足当事者型はマイナンバーカードで本人確認
受信者の署名画面・案内メールは英語・中国語にも対応(有料プラン)
導入社数250万社以上
当事者型は電子証明書で本人確認(法人実印相当)
相手も当事者型で署名する場合は相手方も有料プラン・電子証明書が必要
導入事業者350万社以上

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインの公式サイト

クラウドサインは、弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。事業者署名型(立会人型)を標準とし、契約当事者の指示にもとづいて同社の電子署名と認定タイムスタンプを付与します。認証局での本人確認が不要なため、受信する取引先はメールで届いた契約書を確認するだけで、アカウント登録をせずに署名を完了できます。

導入社数は250万社以上、累計送信件数は4,000万件を超えます(公式サイト、2026年9月時点)。富士キメラ総研の調査(ソフトウェアビジネス新市場2025年版、2024年度実績)では電子契約ツール部門でシェア首位と公表されており、導入実績の多さから取引先にも名前が知られている一社です。

出典・参考資料(1件)

マイナンバーカードを用いた当事者署名型にも対応し、より厳格な本人確認が必要な契約にも使えます。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインの公式サイト

立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方に対応し、両者を組み合わせたハイブリッド署名も使えるのが、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社のクラウド型電子契約サービス、電子印鑑GMOサインです。立会人型で送れば、取引先はアカウント登録をせずに署名でき、公式サイトでも相手方に追加費用は発生しないと案内されています。

導入事業者数は350万社以上、累計送信件数は5,000万件を超えます(公式サイト。基準となる時点の記載はありません)。契約の重要度に応じて、手軽な立会人型と本人確認の強い当事者型を使い分けられるため、取引先ごとに締結方法を調整したい企業に向いています。初期費用0円で始められるプランもあり、小さく導入して段階的に広げたい場合にも選びやすいサービスです。

ここで紹介した2サービスのほかにも電子契約システムは数多くあり、料金体系や署名方式はサービスごとに異なります。相手の負担だけでなく自社の使い勝手や料金も含めて、タイプ別の選び方から自社に合う一社を比較したい場合は、次の記事を参考にしてください。

まとめ

取引先から電子契約を求められたら、まず電子化できる契約か・社内規程に沿うか・自社に負担が出るかを確認し、紙と同じ法的効力があること(民法第522条・電子署名法第3条)を押さえれば、安心して受けられます。締結後は、収入印紙が原則不要なこと、電子データのまま保存する義務があることも忘れないようにしましょう。

自社から求める側は、立会人型のように相手の負担が小さい方法を選び、手順と法的効力を具体的に説明することで、同意を得やすくなります。相手が渋る場合も、片方だけ電子にするなどの折衷案で段階的に進められます。相手に登録の手間をかけずに締結したい場合は、立会人型に対応したサービスの資料を取り寄せ、自社の取引に合うものを比較してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子契約とは何ですか?

A. 電子契約とは、紙の契約書への押印や郵送に代えて、Web上で電子署名とタイムスタンプを付与し、契約の締結から保管までをオンラインで完結させる仕組みです。取引先から電子契約を求められた場合も、多くは相手のサービス上で送られてきた契約書に署名する形で締結でき、自社があらためてソフトを契約する必要はありません。

Q. 電子契約を取引先から求められたら、そのまま受けても大丈夫ですか?

A. 電子契約は、電子化できる契約かと社内規程を確認すれば、取引先から求められてもそのまま受けて問題ありません。売買・業務委託・秘密保持(NDA)など企業間で交わす契約の多くは電子で締結でき、紙に押印した契約と同じ法的効力を持ちます。受ける前に、電子化できない契約に当たらないか、社内の押印規程に反しないか、自社に電子証明書の準備が要る方式かを確認しておくと安心です。

Q. 電子契約の受信に、取引先や自社の費用・アカウント登録の負担はかかりますか?

A. 電子契約を受信する側の負担は締結方式によって異なり、立会人型(事業者署名型)であれば、受信側はアカウント登録も費用負担も不要なことが一般的です。立会人型では、メールで届いた契約書を確認して承認するだけで署名でき、送信料は送信側が負担します。一方、当事者型(本人型)で署名を求められた場合は、受信側にも電子証明書の準備と取得費用が必要になります。

ただし、受信側に費用やアカウント登録が不要という点は法律ではなくサービスの運用や料金体系によるため、締結前に相手のサービスの案内で確認しておくとよいでしょう。

Q. 取引先と片方だけ電子契約(自社のみ電子署名)でも契約は有効ですか?

A. 契約は、片方が電子署名、もう片方が紙に押印という形でも、申込みと承諾が合致していれば有効に成立します。契約は書面の作成を原則として必要とせず、その方式は自由だと民法第522条が定めているためです。取引先が紙を希望する場合でも、自社だけ電子化を進めることができます。

出典・参考資料(1件)

Q. 電子契約で締結できない契約はありますか?

A. 電子契約は、公証人が関与する公正証書で作成しなければならないと法律で定められた契約は、取引先との通常の電子契約サービスだけでは締結を完結できません。代表例は、事業用定期借地権の設定契約(借地借家法第23条)・任意後見契約(任意後見契約に関する法律第3条)・企業担保権の設定契約(企業担保法第3条)です。

これらは電子公正証書の制度が整備された後も公証人の関与が必要です。一方、定期借地権や定期建物賃貸借などは電子契約で締結できます。

出典・参考資料(3件)

Q. 電子契約に収入印紙は必要ですか?

A. 電子契約は、電子データの送受信だけで締結した場合、収入印紙は必要ありません。国税庁(福岡国税局)の文書回答事例でも、契約書を電子化して電子メールで送信し、現物(紙)の交付がなければ課税文書を作成したことにはならず、印紙税は発生しないとされています。ただし、同じ契約書を紙に印刷して相手へ交付すると、その紙は課税文書に当たり印紙税が課されます。

出典・参考資料(1件)

Q. 電子契約で受け取った契約書は、どのように保存すればよいですか?

A. 電子契約で受け取った契約書は、電子帳簿保存法により、紙に印刷せず電子データのまま保存する義務があります(2024年1月以降)。保存にあたっては、改ざん防止の措置をとること、「日付・金額・取引先」で検索できるようにすること、ディスプレイやプリンタ等を備え付けることが求められます。この義務は、契約書を受け取った側だけでなく、送った側にも課されます。

出典・参考資料(1件)

Q. 取引先から電子契約を求められましたが、断ることはできますか?

A. 電子契約は法律で義務づけられているわけではないため、取引先から求められても、紙での契約を希望して断ること自体は可能です。ただし、相手にも電子化を進めたい事情があるため、頭から断るよりも、一部の契約だけ電子にする、自社は紙のまま相手だけ電子にする、といった折衷案を提案すると、関係を損なわずに折り合えます。社内規程で紙が必要な場合は、その事情を伝えたうえで段階的な移行を相談するのが現実的です。

Q. 契約期間が長期にわたる契約書も電子契約で締結してよいですか?

A. 電子契約は、長期署名に対応したサービスを選べば、契約期間が長期にわたる契約書の締結にも問題なく使えます。電子署名やタイムスタンプには有効期限があるため、期限が切れた後も有効性を検証できる長期署名の形式に対応したサービスを選ぶと、長期保存が必要な契約でも安心して締結できます。契約前に、利用するサービスが長期署名に対応しているかを確認しておきましょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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