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インシデント管理ツール比較27選|タイプ別の選び方と料金・提供形態を解説

インシデント管理ツール 比較27選のサムネイル画像

システムの障害報告と問い合わせがメールとチャットに散らばり、誰がどこまで対応したのか追えなくなっていませんか。担当者の記憶と個人のメールボックスに履歴が閉じていると、対応の優先順位づけも引き継ぎもその人しかできなくなり、同じ障害が再発しても過去の対処法を掘り出せません。

この状態を解くのがインシデント管理ツールですが、同じ「インシデント管理ツール」という名前で呼ばれる製品の中身は大きく分かれています。問い合わせ窓口の効率化を出発点にしたもの、IT運用のプロセス全体を標準化するもの、開発の課題管理をそのまま障害対応に使うもの、監視アラートを起点に担当者を呼び出すもの。自社の運用はどれに当てはまるのでしょうか。

本記事では、インシデント管理ツール27サービスを4つのタイプに分けて比較・解説します。受付から解決までのどこをツールに任せられるかという機能の話に加えて、公式に公開されている料金の実額と課金単位、クラウド型・オンプレミス型・オープンソースという提供形態の違い、無料プランでどこまで運用できるかまで整理しました。自社に合うツールを判断するための材料としてご活用ください。

貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

インシデント管理ツールとは

インシデント管理ツールは、システムの障害や利用者からの連絡を1件ずつの記録として登録し、受付から解決までの担当者・対応状況・やり取りの履歴を1か所で追跡できるようにするツールです。メールやチャットに散らばっていた対応が、担当者とステータスを持つ「1件のチケット」として並ぶことで、いま誰が何を抱えているかが一覧で見えるようになります。

製品の出自は分かれていますが、共通して担うのは受付・記録・担当割り当て・進捗の追跡・履歴の再利用という一連の流れです。まずは、そこで扱う「インシデント」がどこまでを指すのかを整理します。

インシデント管理ツールが扱う「インシデント」の範囲

「インシデント」という語は、経済産業省のシステム管理基準(令和5年4月26日改訂)の用語集で次のように定義されています。

インシデント 情報システムが正常稼働しない状況となり、事業や業務活動の中断・阻害、損失、緊急事態又は危機が発生し得る状況を指す。

出典:システム管理基準(令和5年4月26日改訂)|経済産業省

この定義はシステムが正常に動かない状況を軸にしており、使い方の質問のような問い合わせは含んでいません。一方、実際の運用では「画面が開かない」という障害報告と「操作方法がわからない」という質問が同じ窓口に届きます。多くの現場では両方を同じ仕組みで受け、記録として残しているのが実情です。

そのため、ツールを選ぶ前に自社が何を管理対象にするのかを決めておくと、後段のタイプ選びが楽になります。障害だけを厳密に追うのか、問い合わせや依頼まで含めて一元化したいのかで、向く製品が変わるためです。

インシデント管理と問題管理・課題管理の違い

ツールの対応範囲を読むうえで、インシデント管理と問題管理の役割分担も押さえておく必要があります。同じシステム管理基準では、両者の目的が1文で整理されています。

利用部門と合意した目標内でインシデントを解決し、根本原因を特定して恒久的な対策を講じるために、インシデント管理及び問題管理の手順を定めて体系的に管理する。

出典:システム管理基準(令和5年4月26日改訂)Ⅱ.5.5|経済産業省

この定義に沿えば、インシデント管理は「合意した目標の中で、目の前の障害を解決してサービスを戻すこと」を担い、問題管理は「その障害を起こした根本原因を特定し、再発しないようにすること」を担います。同基準の管理活動の例でも、問題管理は「インシデントの発生防止又は再発防止の措置を講じる」手順として位置づけられています。

ITIL(ITサービス管理の実践知をまとめた体系)の権利元であるPeopleCertも同じ役割分担を採っており、インシデント管理を「中断のあとに通常のサービス運用を速やかに回復させること(restoring normal service operations swiftly following disruptions)」と説明しています。

問題管理は「再発を防ぐためにインシデントの根本原因を特定し管理すること(identifying and managing the root causes of incidents to prevent recurrence)」と説明されています。

開発現場で使われる「課題管理」は、この2つとは別の切り口です。課題管理はバグや改修要望を含めた開発タスクを追う枠組みで、障害対応をその中の1種類として扱います。障害と改修を同じボードで追いたい組織では、この枠組みがそのままインシデント管理として機能します。

インシデント管理・問題管理・課題管理の役割の違いを3つ並べた図解。インシデント管理は合意した目標の中で障害を解決しサービスを通常の状態に戻す、問題管理は根本原因を特定して再発を防ぐ、課題管理はバグや改修要望を含む開発タスクを追い障害対応もその1種類として扱う

ツールによって、インシデント管理だけを持つもの、問題管理・変更管理まで持つもの、課題管理の枠組みで両方を兼ねるものに分かれます。この違いが、後述するタイプ分けの土台になります。

出典・参考資料(3件)

インシデント管理ツールの主な機能

ここからは、どの製品にもおおむね共通する機能を見ていきます。製品ごとにどこまで自動化できるかは差がありますが、まず全体像を押さえておくと、後段の比較表と選び方が読みやすくなります。

受付・チケット化(メール・電話・チャット・監視アラートの一元受付)

専用のメールアドレスに届いた連絡、Webフォームからの申請、SlackやMicrosoft Teamsへの投稿、監視ツールが発報したアラートを、それぞれ1件のチケットとして自動登録する機能です。受付の入口が複数あっても記録の置き場が1つになるため、「メールで受けた件がチャットで進んで、どちらにも結論が残っていない」という状態を防げます。

どの入口に対応しているかは比較表の「主な受付チャネル」列にまとめています。

分類・優先度づけとエスカレーション

登録されたチケットに種別・影響範囲・緊急度を付けて並べ替え、対応の順番を決める機能です。あらかじめ条件を設定しておけば、特定のキーワードや送信元を含む連絡を自動で高優先度に振り分けたり、担当グループへ割り当てたりできます。

エスカレーションは、一定時間動きがないチケットを上位の担当者や別チームへ自動的に引き上げる仕組みです。夜間や休日に受けた重大な連絡を取りこぼさないための安全網として働きます。

進捗の可視化とSLA管理

未対応・対応中・保留・解決済みといった状態でチケットを一覧表示し、いま誰が何件抱えているかを見えるようにします。利用部門と合意した応答時間や解決時間の目標(SLA:Service Level Agreement)を設定しておくと、期限が近いチケットが色や通知で知らされます。

チケットの状態をどう分けるか、期限をどう知らせるかは製品によって設計が違います。比較表の「優先度づけ・エスカレーション・SLA」列で、製品ごとにどこまで自動化できるかを確認できます。

対応履歴・ナレッジの蓄積と再利用

1件のチケットに、受付から解決までのやり取り・調査メモ・添付ファイルがまとまって残ります。過去の似た事象を検索して対処法を引き出せるため、同じ問い合わせに毎回ゼロから調べ直す必要がなくなります。

解決した内容をFAQやナレッジ記事として公開できる製品では、利用者が自分で答えにたどり着けるようになり、そもそも問い合わせが減っていきます。

レポート・分析(MTTRなどの指標)

件数の推移、担当者ごとの処理数、種別ごとの発生傾向を集計する機能です。運用の改善点を見つけるほか、増員や体制変更を社内に説明するときの材料にもなります。

復旧までの時間を測る指標としてよく使われるのがMTTR(平均修復時間)です。国際電気通信連合の勧告ITU-T E.800では、MTTRは統計的に有意な数の修復についての、障害が報告された瞬間から顧客が使える状態にサービスが復旧する瞬間までの修復時間の期待値と定義されています。通常は算術平均で表されます。

起点が「報告された瞬間」で、終点が「利用者が使える状態に戻った瞬間」である点は押さえておく価値があります。ベンダーの資料では復旧作業を始めてから終わるまでを指すこともあり、同じ略語でも測っている区間が違うことがあるためです。

このほか、受付から一次応答までの時間や、障害の発生から検知までの時間を測る製品もあります。レポートの数字を運用改善に使うなら、その数字がどこからどこまでを測っているかを、導入前に確認しておくと解釈のずれを防げます。

出典・参考資料(1件)

ワークフローの自動化と外部システム連携

承認を挟む依頼を決まった順路で回したり、特定の条件を満たしたチケットに定型のアクションを実行したりする機能です。監視ツール・チャット・認証基盤・人事システムとの連携に対応していれば、既に使っている仕組みの中にインシデント管理を組み込めます。

連携できる先の数は製品によって大きく異なります。公表している製品では数百から3,000以上まで幅があり、そもそも連携数を公表していない製品も少なくありません。製品ごとの公表値は、下の各製品の説明に記載しています。自社が既に使っている監視ツールやチャットに標準で対応しているかは、導入後の定着を左右する要素です。

インシデント管理ツールの4つのタイプ

「インシデント管理ツール」として並ぶ製品は、もともと何のために作られた道具かによって、得意なことがはっきり分かれます。ここでは、自社の運用を当てはめやすいよう、使う目的で4つに分けて整理します。

インシデント管理ツールの4つのタイプを示した図解。届いた連絡をどう捌くかに重心がある3タイプ(問い合わせ窓口の対応を一元化、IT運用プロセスごと標準化、開発の課題管理と同じ場所で扱う)と、誰をどう呼ぶかに重心がある監視アラート起点で対応チームを招集するタイプ

問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプ

メール・電話・チャットなど複数の窓口に届く連絡を1つの画面にまとめ、担当者の割り当てと返信の品質を揃えることに主眼を置いたタイプです。問い合わせ管理システムやメール共有ツールを出自とする製品が中心で、二重返信を防ぐロック機能、返信テンプレート、対応状況の一覧表示といった、窓口業務で効く機能が充実しています。

社内ヘルプデスクやカスタマーサポートのように、人からの申告が入口になる運用に向きます。問題管理・変更管理・構成管理といったIT運用プロセスの機能は持たないことが多いものの、社内IT向けの製品ラインを別に用意していて、問題管理・変更管理・IT資産管理まで扱えるものもあります。

どこまで持つかは製品ごとに違うので、比較表の「対応する管理プロセス」列で確かめてください。

IT運用プロセスごと標準化するタイプ

インシデントの記録に加えて、問題管理・変更管理・構成管理(CMDB)・ナレッジ管理までを1つの仕組みで扱うタイプです。ITサービスマネジメント(ITSM)製品を出自とし、ITILに沿った運用プロセスの標準化を掲げているものが多く見られます。

障害を解決するだけでなく、根本原因の追跡や構成変更の記録まで同じ仕組みに載せたい組織、複数部門で運用ルールを揃えたい組織に向きます。その分だけ設定項目は多く、導入時に自社の運用フローを整理する手間がかかります。

開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプ

障害を開発タスクと同じチケット・同じボードで扱い、原因調査から修正のリリースまでを一続きで追うタイプです。プロジェクト管理ツールや課題管理ツール、ノーコードの業務アプリ基盤を出自としています。

自社でシステムを開発・保守しているチームや、すでに同じツールで開発タスクを回している組織では、新しくツールを増やさずにインシデント管理を始められます。ただし、複数の窓口から届く連絡を自動でまとめる機能や、応答時間を数値で管理する機能は限定的なことが多く、窓口業務の効率化には別の工夫が必要になります。

監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプ

障害が人からの申告ではなく監視ツールの検知から始まる運用に向けたタイプです。アラートを受けてインシデントを立ち上げ、オンコール(時間外の呼び出し当番)のスケジュールとエスカレーションの規則に従って担当者を呼び出し、対応中のやり取りをタイムラインとして自動で記録し、収束後の振り返りまでを回します。

自社サービスを24時間動かし続ける必要がある事業者や、夜間・休日の呼び出し体制を整えたいチームで第一の選択肢になります。前の3つのタイプが「届いた連絡をどう捌くか」の道具であるのに対し、こちらは「誰をどう呼ぶか」に重心があります。

4つのタイプの違い早見表

それぞれのタイプが向く運用体制と、得意なこと・苦手なことを並べると次のとおりです。

← 横にスクロールできます →
タイプ問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプIT運用プロセスごと標準化するタイプ開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプ監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプ
向いている運用体制社内ヘルプデスク・カスタマーサポートなど、人からの申告が入口になる窓口複数部門・大規模組織でIT運用のルールを揃えたい情報システム部門自社でシステムを開発・保守し、すでに課題管理ツールを使っているチーム自社サービスを24時間動かし、夜間・休日の呼び出し体制が要るチーム
得意なこと複数チャネルの連絡を1画面にまとめる
二重対応の防止と返信品質の平準化
インシデントから問題・変更・構成管理までを1つの仕組みで扱う
ITILに沿った運用への対応
障害の記録から修正のリリースまでを同じチケットで追う
ツールを増やさずに始められる
アラートからのインシデント宣言と担当者の自動招集
対応タイムラインの自動記録と振り返り
苦手なこと問題管理・変更管理・構成管理など運用プロセス全体の管理設定項目が多く、小規模チームには過剰になりやすい複数チャネルの自動一元化と、応答時間の数値管理利用者からの問い合わせ受付・返信業務
該当する主なサービスZendesk、楽楽自動応対、Re:lation、メールワイズ などLMIS、ServiceNow IT Service Management、Jira Service Management、Senju/SM などRedmine、Backlog、Jira、kintone などPagerDuty、WebSAM Cloud、Waroom

※上記は各タイプにおける一般的な機能の傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

実務では、利用者からの申告も監視ツールの検知も両方あって、どれか1つに当てはめきれないこともあります。その場合は記録の入口として件数が多いのはどちらかで主となる型を決め、足りない側は連携で補うのが現実的です。

たとえば、窓口対応が主で監視アラートも受けたいなら、問い合わせ窓口型やIT運用プロセス型のうち監視アラートを受付チャネルとして持つ製品が候補になります。逆に監視起点が主で問い合わせも受けるなら、監視アラート起点の製品にチャットやメールからの起票を足す形になります。比較表の「主な受付チャネル」列が、この判断の材料になります。

もう1つ、同じ「問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプ」でも、社内の情報システム部門の窓口を想定した製品と、社外の顧客からの問い合わせを想定した製品が混在します。比較表の「主な想定用途」列で切り分けられるようにしているので、自社がどちらの窓口を主に運用するかを先に決めておくと候補が絞りやすくなります。

インシデント管理ツールの選び方

自社の型が見えたら、同じ型の中から1社に絞り込む段階です。ここでは、比較表を読むときの観点として8つを挙げます。

管理したい範囲はインシデントだけか、問題・変更・構成まで含むか

最初に決めるのは、いま記録として残したい対象の範囲です。障害の受付と解決までを追えれば十分なのか、根本原因の追跡(問題管理)、システム変更の記録(変更管理)、機器やソフトウェアの構成情報(構成管理)まで同じ仕組みに載せたいのかで、候補が大きく絞れます。

判断の目安は、いま困っていることがどこにあるかです。「誰がどこまで対応したかわからない」が主な悩みならインシデント管理だけで足ります。「同じ障害が繰り返し起きる」「変更を入れた翌日に別の障害が出る」が悩みなら、問題管理・変更管理まで持つ製品が候補になります。

比較表の「対応する管理プロセス」列は、この範囲を製品ごとに示したものです。「〜のみ」と書かれている製品は、機能が劣っているという意味ではなく、その範囲に絞って作られていると読んでください。

ここでいう構成管理は、障害の原因を切り分けるために機器やソフトウェアの構成情報を参照する仕組みを指します。「どの端末を誰に貸与し、ライセンスが何本残っているか」を台帳として整え、棚卸しまで回すことが主な目的であれば、その用途に特化したIT資産管理ツールの比較記事のほうが判断の材料になります。

反対に、インシデントの記録だけでなく、問題管理・変更管理まで含めてIT運用のプロセス全体を1つの仕組みに載せたい場合は、ITSMツールと呼ばれる製品群が検討の対象になります。

先に挙げた「IT運用プロセスごと標準化するタイプ」と重なる領域で、インシデント管理はその中の1プロセスという位置づけです。運用の仕組みごと見直すつもりであれば、こちらの製品群の機能範囲と料金を以下の記事で確認できます。

将来ITILに沿った運用へ広げるとき、いま選ぶツールが足かせにならないか

いまはインシデント管理だけで足りていても、監査対応や部門展開をきっかけに、問題管理・変更管理へ広げる場面は訪れます。そのときに製品を乗り換えると、蓄積した履歴とナレッジを引き継ぐ作業が発生します。数年先まで見るなら、上位プランで機能が増える製品か、いま必要な範囲だけを持つ製品かを意識して選ぶ価値があります。

この観点でよく参照されるのがITILです。ITILは法令や規格ではなく、ITサービス管理のベストプラクティスをまとめた体系です。権利元のPeopleCertは「global best practice framework for digital product and service management」と説明しています。

準拠が義務づけられるものではなく、運用プロセスの共通言語として使われるものだと捉えてください。

気をつけたいのは、「ITIL準拠」という表記の重みが製品ごとに違うことです。PeopleCertは、ツールのITIL準拠を公式に確認できるのは自社と自社が認定したアセッサーだけだとしています。

This means that PeopleCert and its accredited Tool Vendor assessors are the only organizations in the world legitimate to confirm that a particular software product is ITIL compatible, as ITIL is a trademark owned by PeopleCert.

出典:FAQ|PeopleCert Accredited Tool Vendors

「ITILはPeopleCertが保有する商標であるため、ある製品がITILに適合していると正式に確認できるのは、PeopleCertと同社が認定したアセッサーだけである」という趣旨です。その公式の認定がAccredited Tool Vendor(ATV)です。

審査では各プラクティスに必須項目と任意項目が設けられ、必須項目をすべて満たし、審査対象プラクティスの全基準の70%以上を満たすと認定されます。認定は2年ごとの再審査が必要で、レベルはPlatinum・Gold・Silver・Bronzeの4段階です。

本記事で紹介する27サービスのうち、ATVの公式一覧(2026年8月21日時点)に掲載されているのは3製品です。どの製品がどのレベルで何プラクティスの認定を受けているかは、比較表の「ITIL準拠の認定・表記」列に記載しています。

ATVは申請制のため、一覧にないことは準拠していないことを意味しません。各社が公式に掲げている表記とあわせて、どの根拠に基づく「準拠」なのかを確認してください。

出典・参考資料(4件)

受付チャネルと、監視ツール・チャットとの連携に対応しているか

いま連絡が届いている入口をそのまま受けられるかを確かめておくと、候補が絞れます。メールとWebフォームはほとんどの製品が対応していますが、電話・SlackやMicrosoft Teams・監視ツールのアラートは製品によって分かれます。

特に監視ツールとの連携は、障害の検知からチケット化までを人手を介さずつなげるかどうかを決めます。ここが自動化されていないと、監視画面を見た担当者が手作業でチケットを起こすことになり、記録の抜けが生まれます。

連携先の監視ツールを名指しで公式に挙げている製品もあり、監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプは、幅広い監視ツールからの受信を前提に設計されています。公式に連携先の記載がない製品でも、専用アドレスへのメール転送で起票できることが多いので、自社の監視ツールがどの方式で通知を出せるかとあわせて確認してください。

既に使っているチャットに通知を流せるかも確認しておきたい点です。担当者が普段見ている場所に通知が届かないと、ツールを開く習慣がつかず、記録が更新されないまま終わりがちです。

優先度づけ・エスカレーション・SLAを自動化できるか

件数が増えると、優先順位づけと引き上げを人の判断だけで回すのが難しくなります。条件に応じた自動振り分け、一定時間で上位担当へ引き上げるエスカレーション、応答時間・解決時間の期限設定が使えるかどうかが分かれ目です。

ここで分かれるのが、期限を数値で設定して超過を検知できる製品と、経過時間を色分けで示すだけの製品です。利用部門と応答時間を約束している場合や、報告のために達成率を集計したい場合は、数値で管理できる製品が候補になります。

夜間・休日の呼び出しまで自動化したい場合は、オンコールのスケジュール機能を持つ製品が必要です。標準で備えているのは監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプが中心ですが、IT運用プロセスごと標準化するタイプにも、オンコール機能を自製品に統合したものがあります。対応状況は比較表の「優先度づけ・エスカレーション・SLA」列で確認できます。

クラウド型・オンプレミス型・オープンソースの自社構築、どれが自社に合うか

提供形態は3つに分かれます。クラウド型は申し込んですぐ使い始められ、バージョンアップも提供元が行います。オンプレミス型は自社の環境に置くため、外部にデータを出せない要件や既存システムとの密な連携がある場合に選ばれます。オープンソースを自社構築する場合はライセンス費用がかからない代わりに、サーバーの用意と保守を自社で担います。

本記事で紹介する製品の多くはクラウド型のみの提供です。

クラウドとオンプレミスの両方を選べるのは27サービス中7製品で、エンタープライズ向けプランやData Center版に限って選べるものも含まれます。どの製品がどの形態に対応するかは、比較表の「提供形態」列で確認できます。

このうち1製品は、両方を組み合わせるハイブリッド構成にも対応すると英語版の公式サイトで案内しています(日本語版のページに同じ記載は確認できません)。段階的にクラウドへ移す前提がある場合は選択肢に入るので、比較表の「提供形態」列で該当する製品を確認してください。

オープンソースとして自社構築できる製品も1つあり、有償のホスティングサービスを使えばクラウド型としても利用できます。どの製品かは比較表の「提供形態」列に記載しています。

オンプレミスやオープンソースを検討する場合、費用はライセンス費だけでは決まりません。サーバーの調達・OSやミドルウェアの更新・障害時の切り分けを誰が担うかまで含めて見積もると、比較の土台が揃います。

日本語のサポートを誰から受けられるか

このカテゴリは海外製の製品が半数近くを占めます。障害対応が止まっているときに問い合わせる先が、開発元なのか国内の代理店なのか、そもそも日本語で受けてもらえるのかは、復旧までにかかる時間を左右します。

見るべき点は3つあります。

  • 窓口の主体: 日本法人を持つ製品は開発元から直接サポートを受けられますが、日本法人がない場合は総代理店や販売代理店が契約と問い合わせの窓口を兼ねます。
  • 対応時間: 平日の日中のみと明記している製品もあれば、公式サイトに記載がない製品もあります。
  • プランやエディションによる差: 無償版や下位プランを日本語サポートの対象外としている製品があります。

夜間・休日に障害対応をする体制なら、その時間帯に問い合わせられるかまで契約前に確認しておくと、運用が始まってからの想定違いを避けられます。製品ごとの窓口と対応時間は、下の各製品の説明に記載しています。

課金単位を含めた総額が予算に合うか

同じ月額でも、何に対して課金されるかで総額は変わります。インシデント管理ツールの課金単位は主に4種類です。

  • 対応する担当者(エージェント/オペレーター/テクニシャン)の人数で課金する方式です。
  • 閲覧者を含む利用者全員の人数で課金する方式です。
  • 人数に関わらず定額で、チケット件数や通数に応じて従量課金する方式です。
  • 人数にも件数にもよらず、機能の範囲(プラン)で課金する方式です。

担当者課金の製品は、対応する人が数名なら安く収まりますが、部門展開で担当者が増えると比例して上がります。逆に定額制の製品は、少人数だと割高に見えても、人数が増えるほど1人あたりの負担が下がります。判断は「いま何人で使うか」ではなく「2〜3年後に何人が触っているか」で見るのが現実的です。

インシデント管理ツールの課金単位による総額の伸び方の違いを示した図解。担当者課金は数名なら安く収まり担当者が増えると比例して上がる、定額制は少人数だと割高に見えても人数が増えるほど1人あたりの負担が下がる

実額とレンジは後述の料金相場と課金単位で整理します。

現場の担当者が迷わず使えるか

機能が揃っていても、日々チケットを触る担当者が使いにくいと感じれば記録は残りません。無料トライアルの期間中に、実際に対応する担当者が受付から解決までを一度通しで操作してみるのが確実です。

確認するのは、1件のチケットを開いてから返信するまでの手数、過去の似た事象を探すときの検索のしやすさ、スマートフォンから状況を確認できるかといった日常動作です。設定画面の作り込みやすさは情報システム部門の関心事ですが、定着を決めるのは現場の操作感です。

ここまでの8つの観点を踏まえても、自社がどのタイプに当てはまるか判断が難しいこともあります。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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【比較表】インシデント管理ツール27サービスをタイプ別に比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なインシデント管理ツール27製品を4つの目的別(タイプ別)に分類してご紹介します。提供形態・受付チャネル・対応する管理プロセス・料金の実額と課金単位・無料枠を同じ並びで比べられるようにしています。

問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプの比較表

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サービス名Zendesk楽楽自動応対Re:lationメールワイズFreshdeskAgentforce ServiceyaritoriWEBCAS mailcenterCarePlus CloudSolutionDesk
主な想定用途社内・社外の両方社外の顧客対応向け社外の顧客対応向け社外の顧客対応向け社外の顧客対応向け社内・社外の両方社外の顧客対応向け社外の顧客対応向け社外の顧客対応向け社外の顧客対応向け
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウド/オンプレミスクラウド公式サイトに記載なし
主な受付チャネルメール/Webフォーム/電話/チャット(Slack・Microsoft Teams)/SNS/APIメール/電話/LINE/ECモール(楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon)メール/Webフォーム(連携)/電話(オプション)/チャット/LINE/SMSメール(電話・訪問は履歴の記録のみ)メール/Webフォーム/電話/チャット/SNS/APIメール/チャット/SMS/WhatsAppメールメール/Webフォームメール(他チャネルは公式サイトに記載なし)Webフォーム/チャット
対応する管理プロセスインシデント(問い合わせ)管理/問題管理/変更管理/IT資産管理/ナレッジ管理インシデント(問い合わせ)管理のみインシデント(問い合わせ)管理のみインシデント(問い合わせ)管理のみインシデント(問い合わせ)管理/ナレッジ管理(問題管理・変更管理は姉妹製品のFreshservice)インシデント(問い合わせ)管理/ナレッジ管理インシデント(問い合わせ)管理のみインシデント(問い合わせ)管理のみインシデント(問い合わせ)管理/サービス要求管理/ナレッジ管理インシデント(問い合わせ)管理/ナレッジ管理
優先度づけ・エスカレーション・SLA条件による自動振り分け(トリガーと自動化)に対応。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし条件による担当者の自動振り分けと返信期限のアラート通知に対応。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし条件によるラベルの自動付与と対応遅れアラートに対応。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし返信の目安日時を区切り線で表示するのみ。優先度づけ・エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし優先度の自動付与・スキルベースの自動割り当てとSLA期限の数値管理に対応。エスカレーションは公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なしメールの自動振り分けと受信からの経過時間の色分け表示のみ。優先度づけ・エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし公式に記載なしエスカレーションのみ。優先度づけ・SLA期限の数値管理は公式に記載なし
ITIL準拠の認定・表記明示なし明示なし明示なし明示なし明示なし明示なし明示なし明示なしITILのインシデント管理・サービス要求管理に特化と公式表記明示なし
初期費用公式に記載なし非公開(要問い合わせ)公式に記載なし0円公式に記載なし公式に記載なし0円30,000円〜(ASP型)/500,000円〜(SaaS型)/4,200,000円〜(オンプレミス型のパッケージライセンス)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)
月額費用(課金単位)19〜115ドル(1担当者(エージェント)あたり・年払い、公式サイトに税の表記なし)。最上位のSuite Enterprise + Copilotは要問い合わせ非公開(要問い合わせ。ユーザー数・保存通数により変動)0円(フリープラン)。有償プランの実額は公式サイトに記載なし(ユーザー数・ストレージにより変動)600円・1,800円(1ユーザーあたり・税抜、最低5ユーザー)19〜89ドル(1担当者(エージェント)あたり・年払い、公式サイトに税の表記なし)3,000〜66,000円(1ユーザーあたり、公式サイトに税の表記なし)。AIエージェントの利用は別建ての消費型課金1,980円〜(1ユーザーあたり・最低2ユーザー、公式サイトに税の表記なし)5,000円〜(ASP型)/100,000円〜(SaaS型)。従量(月間メール送受信通数)でユーザー数無制限(公式サイトに税の表記なし)非公開(要問い合わせ。用途・ユーザー権限により変動)非公開(要問い合わせ。課金単位も公式サイトに記載なし)
無料プラン・無料トライアル無料トライアル14日間無料トライアル14日間無料プランあり(1ユーザー・ストレージ100MB)/無料トライアル10日間無料トライアル30日間無料プランあり(2担当者まで・6か月限定)/無料トライアル14日間無料トライアル30日間(Starter Suite〜Unlimited。Agentforce 1 Serviceは公式に記載なし)無料トライアル7日間(無料プランは公式サイトに記載なし)公式サイトに「無料お試し」の案内あり(期間・条件の記載なし)無料トライアル30日間(AI機能を除く)公式サイトに記載なし
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している情報をもとにまとめています。料金・機能・提供形態は変更される場合があるため、検討時は各社の公式情報をご確認ください。米ドル建ての金額は各社グローバル公式サイトの表示によるものです。ITIL準拠の欄は、PeopleCertのAccredited Tool Vendor(ATV)一覧に掲載がある製品はその認定レベルとプラクティス数を、掲載がない製品は各社の公式表記を記載しています。ATVは申請制のため、一覧にないことは準拠していないことを意味しません。PinkVERIFYは、PeopleCertとは別団体のPink Elephant社による認証です。

IT運用プロセスごと標準化するタイプの比較表

← 横にスクロールできます →
サービス名LMISServiceNow IT Service ManagementJira Service ManagementFreshserviceManageEngine ServiceDesk PlusSenju/SMSmartStage ServiceDeskIvanti Neurons for ITSM
主な想定用途社内・社外の両方社内IT向け社内・社外の両方社内IT向け社内IT向け社内IT向け社内IT向け社内IT向け
提供形態クラウドクラウドクラウド/オンプレミス(Data Center版)クラウドクラウド/オンプレミスオンプレミス/クラウド(mPLAT/SMP)クラウドクラウド/オンプレミス/ハイブリッド
主な受付チャネルメール/Webフォーム/セルフサービスポータル/監視アラート/APIWebフォーム(セルフサービスポータル)/チャット(Virtual Agent・Slack)/APIメール/Webフォーム(ヘルプセンター・Webウィジェット)/チャット(Slack・Microsoft Teams)/監視アラート/APIメール/Webフォーム/電話/チャット(Slack・Microsoft Teams・Chatwork・LINE WORKS)/APIメール/Webフォーム(ポータル)/電話/チャット(Slack・Microsoft Teams)メール/Webフォーム/チャット/APIメール/Webフォーム・チャット(API連携)/電話(代理でのチケット作成)/監視アラートWebフォーム(セルフサービスポータル)/チャット(バーチャルエージェント)
対応する管理プロセスイベント管理/インシデント(問い合わせ)管理/サービス要求管理/問題管理/変更管理/リリース管理/構成管理インシデント(問い合わせ)管理/リクエスト管理/資産・コスト管理/構成管理(CMDB)/ナレッジ管理。問題管理・変更管理(Advanced階層以上)インシデント(問い合わせ)管理/リクエスト管理/資産管理/構成管理/ナレッジ管理。問題管理・変更管理(Premiumプラン以上)インシデント(問い合わせ)管理/ナレッジ管理(全プラン)。資産管理・構成管理(CMDB)(Growthプラン以上)、問題管理・変更管理・リリース管理(Proプラン以上)インシデント(問い合わせ)管理/ナレッジ管理(全エディション)。IT資産・購買・契約管理(Professionalプラン以上)、問題管理・変更管理・リリース管理・構成管理(CMDB)(Enterpriseプラン)サービスリクエスト/インシデント(問い合わせ)管理/問題管理/変更・リリース管理/構成管理/サービスレベル管理サービスリクエスト/インシデント(問い合わせ)管理/問題管理/変更管理/リリース管理/構成管理(CMDB)/IT資産管理/ナレッジ・FAQ管理インシデント(問い合わせ)管理/問題管理/変更管理/リリース管理/構成管理/イベント管理/ナレッジ管理/IT資産管理
優先度づけ・エスカレーション・SLA優先度の設定に対応。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし優先度づけに対応。エスカレーション(オンコール管理)はAdvanced階層以上。SLA期限の数値管理は公式に記載なしオンコールスケジュールとエスカレーションポリシー(JSM Operations)に対応。SLA期限の数値管理は公式に記載なし優先度の設定に対応。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし依頼者・部署・カテゴリー別のSLAルールを自動適用し、違反の前後でエスカレーションを自動起動。担当者の自動割り当てにも対応サービスレベル管理の機能あり。優先度づけ・エスカレーション・SLA期限の設定仕様は公式に記載なし公式に記載なしチケットの自動分類・振り分けに対応し、対応プロセスにサービスレベル管理を含む。SLA期限の設定仕様・エスカレーションは公式に記載なし
ITIL準拠の認定・表記ITIL準拠(公式表記)明示なしATV認定 Gold(10プラクティス)ATV認定 Gold(14プラクティス)ATV認定 Silver(14プラクティス)PinkVERIFY ITIL 4 認証取得(2021年)ITIL®準拠(公式表記)PinkVERIFY認証で14のITIL 4プロセスに対応(英語版公式表記)
初期費用300,000円(税別)非公開(要問い合わせ)公式に記載なし公式に記載なし年間ライセンス費用に含む(クラウド版。オンプレミス版はサーバー調達費が別途)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ。初期費用無料のプランありと公式表記)非公開(要問い合わせ)
月額費用(課金単位)120,000円〜(25ユーザーの基本プラン・税別。26ユーザー目以降は1ユーザーあたり4,800円)非公開(要問い合わせ)25.00ドル・57.30ドル(1担当者(エージェント)あたり・月次契約、1〜15ユーザー帯、公式サイトに税の表記なし)19〜99ドル(1担当者(エージェント)あたり・年払い、公式サイトに税の表記なし)。Enterpriseは要問い合わせ月額換算4,850〜12,250円(1担当者(エージェント)あたり・税別。5担当者の年額291,000〜735,000円を換算。依頼するエンドユーザー数は無制限)非公開(要問い合わせ。課金単位も公式サイトに記載なし)80,000円・100,000円(ユーザー数無制限、公式サイトに税の表記なし)。月300チケットを超えると従量で加算非公開(要問い合わせ。課金単位も公式サイトに記載なし)
無料プラン・無料トライアル無料トライアルあり(期間は公式サイトに記載なし)なし(開発者向けの無料インスタンスと製品デモのみ)無料プランあり(担当者数の上限は公式サイトに記載なし)/無料トライアルあり(期間は公式サイトに記載なし)無料トライアル14日間無償エディションあり(クラウド版5担当者・オンプレミス版1担当者まで)/無料トライアル30日間無料トライアルあり(期間は公式サイトに記載なし)無料トライアルあり(簡易版・完全版の2種類。期間は公式サイトに記載なし)なし(デモ動画の視聴と問い合わせのみ)
詳細情報詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している情報をもとにまとめています。米ドル建ての金額は各社グローバル公式サイトの表示によるものです。ITIL準拠の欄は、PeopleCertのAccredited Tool Vendor(ATV)一覧に掲載がある製品はその認定レベルとプラクティス数を、掲載がない製品は各社の公式表記を記載しています。ATVは申請制のため、一覧にないことは準拠していないことを意味しません。PinkVERIFYは、PeopleCertとは別団体のPink Elephant社による認証です。

開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプの比較表

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サービス名RedmineBacklogJiraAsanamonday.comkintone
主な想定用途公式に明示なし公式に明示なし公式に明示なし社内IT向け社内IT向け社外の顧客対応向け
提供形態自社構築(オープンソース)/クラウド(My Redmine)クラウド/オンプレミス(エンタープライズプラン)クラウド/オンプレミス(Data Center版、2029年3月28日サポート終了)クラウドクラウドクラウド
主な受付チャネルWebフォーム(チケット作成画面)/メールメール/チャット(Slack)Webフォーム(課題作成画面)。依頼者向けの受付ポータルはJira Service Management側Webフォーム(フォーム機能)/メール(Gmail・Outlook連携)/チャット(Slack・Microsoft Teams)/APIWebフォーム(Service Portal)/チャット(Slack・Microsoft Teams連携)メール(メール共有)/Webフォーム(連携)
対応する管理プロセスインシデント(問い合わせ)管理のみ(課題チケットとして扱う。問題管理・変更管理を分けたモジュールはなし)インシデント(問い合わせ)管理のみ(課題チケットとして扱う。問題管理・変更管理・構成管理の記載なし)インシデント(問い合わせ)管理のみ(課題チケットとして扱う。問題管理・変更管理はJira Service Management側)インシデント(問い合わせ)管理のみ(ITチケット管理テンプレート。問題管理・変更管理・構成管理の記載なし)インシデント(問い合わせ)管理のみ(リクエスト管理として提供。問題管理・変更管理・構成管理の記載なし)インシデント(問い合わせ)管理のみ(自作アプリまたはサンプルアプリによる。標準のインシデント管理機能はなし)
優先度づけ・エスカレーション・SLA優先度と期日の設定のみ。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし公式に記載なし優先度の設定のみ。エスカレーション・SLA期限の数値管理は公式に記載なし優先度の設定とSLAタイマー(対応時間・解決時間の追跡)に対応。エスカレーションは公式に記載なしリクエストの自動振り分けとエスカレーションに対応。SLA期限の数値管理は公式に記載なし公式に記載なし
ITIL準拠の認定・表記明示なし明示なし明示なし明示なし明示なし明示なし
初期費用0円(OSS本体)/My Redmineは公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし0円
月額費用(課金単位)0円(OSS本体・自社構築)/My Redmineは10,000〜40,000円(税別・契約単位の定額。スタンダードは1,000ユーザーまで)2,700〜75,000円(税別・契約単位の定額、月払い。スタンダードプラン以上はユーザー数無制限)1,085円・1,987円(1ユーザーあたり、公式サイトに税の表記なし)。Enterpriseは年間契約のみで要問い合わせ1,200円・2,700円(1ユーザーあたり・年払い、公式サイトに税の表記なし)。Enterpriseは要問い合わせ31ドル・45ドル(1ユーザーあたり・年間契約、最低3ユーザー、公式サイトに税の表記なし)。Enterpriseは要問い合わせ1,000〜3,000円(1ユーザーあたり・税抜。最低契約はライト・スタンダードが10ユーザー、ワイドが1,000ユーザー)
無料プラン・無料トライアルOSS本体は無料/My Redmineは無料お試しあり(申込受付日の翌月末まで)無料プランあり(10ユーザー・1プロジェクトまで)/無料トライアル30日間無料プランあり(10ユーザーまで)/無料トライアル7日間無料プランあり(2ユーザーまで)/無料トライアルは公式サイトに記載なし無料プランなし(monday service)/無料トライアル14日間無料トライアル30日間
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している情報をもとにまとめています。いずれも汎用の課題・タスク管理ツールのため、対応する管理プロセスの欄は公式サイトで確認できた範囲を記載しています。米ドル建ての金額は各社グローバル公式サイトの表示によるものです。ITIL準拠の欄は、PeopleCertのAccredited Tool Vendor(ATV)一覧に掲載がある製品はその認定レベルとプラクティス数を、掲載がない製品は各社の公式表記を記載しています。ATVは申請制のため、一覧にないことは準拠していないことを意味しません。PinkVERIFYは、PeopleCertとは別団体のPink Elephant社による認証です。

監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプの比較表

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サービス名PagerDutyWebSAM CloudWaroom
主な想定用途社内IT向け社内IT向け社内IT向け
提供形態クラウドクラウドクラウド
主な受付チャネル監視アラート/API/チャット(Slack・Microsoft Teams)監視アラート(メールの取り込み)チャット(Slack)/管理UI
対応する管理プロセスインシデント(問い合わせ)管理/オンコール管理(問題管理・変更管理・構成管理の記載なし)インシデント(問い合わせ)管理/リクエスト管理(Proプラン以上)、問題管理・変更管理・構成管理(Businessプラン以上)インシデント(問い合わせ)管理のみ(宣言からポストモーテムまで。問題管理・変更管理・構成管理の記載なし)
優先度づけ・エスカレーション・SLAオンコールスケジュールとエスカレーションポリシーによる担当者の自動招集に対応。SLA期限の設定仕様は公式に記載なし平日・休日や日勤・夜勤のシフトを踏まえた電話などでの自動エスカレーションに対応。優先度づけ・SLA期限の数値管理は公式に記載なし重大度の設定に対応。オンコールでの呼び出しは追加オプション。優先度づけ・SLA期限の数値管理は公式に記載なし
ITIL準拠の認定・表記明示なし明示なし明示なし
初期費用公式に記載なし非公開(要問い合わせ)公式に記載なし
月額費用(課金単位)25ドル・49ドル(1ユーザーあたり・月払い、公式サイトに税の表記なし。年払いは21ドル・41ドル)。Enterpriseは要問い合わせ非公開(要問い合わせ。Free/Pro/Business/Enterpriseの4プラン制で、課金単位も公式サイトに記載なし)90,000円・180,000円(契約単位の定額でユーザー数による課金ではない、公式サイトに税の表記なし)。オンコールオプションは月36,000円
無料プラン・無料トライアル無料プランあり(5ユーザーまで)/無料トライアル14日間公式カタログにFreeプラン(電話通報・メール通報のみ)の掲示あり。一部項目は「coming soon」表示で提供状況は要確認/無料トライアル1か月(Business相当。公式表記は「1か月間」)無料トライアル1か月(プロプラン。公式表記は「1ヶ月」)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している情報をもとにまとめています。PagerDutyの料金はグローバル公式サイトの米ドル建て表示によるもので、日本円建ての価格は公表されていません。ITIL準拠の欄は、PeopleCertのAccredited Tool Vendor(ATV)一覧に掲載がある製品はその認定レベルとプラクティス数を、掲載がない製品は各社の公式表記を記載しています。ATVは申請制のため、一覧にないことは準拠していないことを意味しません。PinkVERIFYは、PeopleCertとは別団体のPink Elephant社による認証です。

インシデント管理ツールおすすめ27選

比較表で気になった製品について、提供元・対応範囲・料金の実額と課金単位・無料枠を個別に見ていきます。

問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプ

人からの申告を受ける窓口の効率化を出発点にした10製品です。複数チャネルの一元化と返信品質の平準化に強みがあります。

1. Zendesk(Zendesk, Inc.)

Zendeskのウェブサイト

米国のZendesk, Inc.が開発するクラウド型のカスタマーサービス基盤で、日本語版は2012年5月から提供されています。メール・Webフォーム・電話・メッセージング・SNS・APIからの問い合わせを、1つのワークスペースにまとめて扱います。

社内のIT部門向けにはZendesk for Employee Serviceが用意されており、依頼・インシデント・タスク・資産を同じ画面で管理できます。問題管理と変更管理、IT資産のライフサイクル管理、AIによるナレッジ記事の生成までを対象としますが、構成管理(CMDB)やリリース管理への言及、ITIL準拠を掲げる表記は公式サイトに見当たりません。

料金は年払いの場合、1エージェントあたり月額19ドル(Support Team)からです。Suite Teamが55ドル、Suite Professionalが115ドル、最上位のSuite Enterprise + Copilotは要問い合わせになります。公式サイトは年払いで20%オフと案内しています。マーケットプレイスでは1,800以上のアプリ連携が提供され、無料トライアルは14日間です。

2. 楽楽自動応対(株式会社ラクス)

楽楽自動応対のウェブサイト

メールディーラーの名称で提供されてきたサービスが、2025年10月23日から楽楽自動応対へ改称されました。提供元は株式会社ラクスで、同社の発表によれば改称に伴う契約条件・料金体系の変更はありません。

メール・電話・LINE公式アカウントに加え、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonの問い合わせもまとめて扱えます。未対応・対応中といったステータスの自動整理と、件名や送信元アドレスを条件にした担当者の振り分けで、返信漏れと二重対応を防ぐ仕組みです。累計導入社数は9,000社を超えると同社は発表しています(2025年10月時点)。

料金は初期費用・月額とも実額が公開されておらず、要問い合わせです。公式FAQでは月額のサブスクリプションと一部データの従量課金という説明にとどまり、利用ユーザー数や保存通数に応じて変動するとされています。無料トライアルは14日間で、申し込みがない限り有料へ自動で移行することはありません。

3. Re:lation(株式会社インゲージ)

Re:lationのウェブサイト

株式会社インゲージが提供するクラウド型の顧客対応プラットフォームです。メール・LINE・チャット・SMSに加え、オプションのクラウド電話まで同じ画面で受けられます。導入は6,000社以上と同社は発表しています(トライアル利用を含む、2025年12月時点)。

対応中のメールにはロックがかかって編集できなくなるため、二重返信が起きません。担当者や件名を条件にラベルとコメントを自動で付けて優先順位を整理でき、期日を知らせるスヌーズと、対応漏れのチケットを通知するアラートで放置を防ぎます。数値で応答期限を設定・計測する機能は公式サイトに記載がありません。

プランはフリー(1名・ストレージ100MB)・スターター(1名)・ビジネス(5名)・プロ(10名)・エンタープライズ(要相談)の5段階で、フリープランは0円のまま使い続けられます。有償プランの月額はユーザー数とストレージ量によって変わります。電話を使う場合は、基本費用が月額18,000円(税別)からのクラウド電話が別料金で加わります。無料トライアルは10日間です。

4. メールワイズ(サイボウズ株式会社)

メールワイズのウェブサイト

サイボウズ株式会社が社内のサポート部門で使っていた仕組みを製品化したメール共有システムで、2003年から提供されています。問い合わせメールを1通単位で扱い、担当者・確認者・処理状況を設定して複数人で分担します。

メールアドレスごとに過去のやり取りを時系列で並べる対応履歴、引き継ぎ用のコメント、電話や訪問の記録を残す機能を備えます。同社のkintoneと連携すれば、kintone側の顧客データにメールの送受信履歴を紐づけられます。パッケージ版は2026年1月30日にサポートを終了しており、現在はクラウド版のみの提供です。

料金はスタンダードコースが1ユーザーあたり月額600円(税抜)、プレミアムコースが1,800円(税抜)で、初期費用はかかりません。契約は5人から、1ヶ月単位で可能です。登録できるメールアドレスはスタンダードが10個まで、11個以上を扱うならプレミアムを選びます。無料お試しは30日間です。

5. Freshdesk(Freshworks Inc.)

Freshdeskのウェブサイト

Freshworks Inc.は用途の異なる2つのヘルプデスク製品を持っており、Freshdeskは社外の顧客からの問い合わせに対応する側です。メール・Webフォーム・電話・チャット・SNSからの問い合わせをチケット化し、担当者・ステータス・優先度・SLA期限を追跡します。

ITIL準拠をうたい、問題管理・変更管理・資産管理(CMDB)まで扱うのは姉妹製品のFreshservice側で、社内IT運用のプロセス標準化が目的ならそちらが検討対象になります。Freshdesk側は複数のSLAポリシー設定と達成状況のダッシュボード、優先度の自動付与、スキルベースの自動割り当てを備えます。日本国内では代理店経由での提供です。

料金は年払いで1エージェントあたり月額19ドル(Growth)、Proが55ドル、Enterpriseが89ドルです。いずれもドル建てで、日本円建ての公式価格は示されていません。無料枠のFree Programは最大2エージェントを6か月間に限って使える形で、期間経過後または3人目からは有料プランへ移ります。無料トライアルは14日間です。

6. Agentforce Service(株式会社セールスフォース・ジャパン)

Agentforce Serviceのウェブサイト

公式サイトで「Agentforce Service(旧称Service Cloud)」と表記されている、Salesforceのカスタマーサービス製品です。日本での提供は株式会社セールスフォース・ジャパンが担い、顧客対応・フィールドサービス・従業員向けサービスを1つのプラットフォームでつなぐ位置づけになっています。

問い合わせはケースとして記録し、Service Consoleでの対応とAIによる支援(Service Rep Assistant)を組み合わせます。SMS・WhatsApp・メール・チャットでの受付、記事のレコメンドを含むナレッジ管理、役割別のAIエージェントを備える一方、問題管理・変更管理・構成管理(CMDB)にあたる機能とITIL準拠の記載は公式の機能紹介ページに見当たりません。

料金は1ユーザーあたり月額3,000円(Starter Suite)から始まります。Pro Suiteが12,000円、Enterpriseが21,000円、Unlimitedが42,000円、Agentforce 1 Serviceが66,000円です。AIエージェントの利用にはFlex Creditsという別建ての消費型課金が必要で、単価は公開されていません。

無料トライアルはStarter SuiteからUnlimitedまでが30日間で、Agentforce 1 Serviceについては公式ページにトライアルの記載がありません。

7. yaritori(Onebox株式会社)

yaritoriのウェブサイト

最低2人から契約でき、初期費用がかからないメール共有・問い合わせ管理ツールです。提供元は2020年設立のOnebox株式会社で、導入は250社を超えると2026年6月に発表しています。

複数のメールアドレスを1画面にまとめ、未対応・対応済みといったステータスは自社の運用に合わせて作り替えられます。2026年6月には、送信前に上長の確認を挟む承認機能と、1件のメールに複数の担当者を設定する機能が加わりました。返信文の作成・クレーム検出・翻訳・丁寧語変換をAIが担い、Slack・Chatwork・Salesforceとの連携にも対応します。

料金は初期費用0円・1ユーザーあたり月額1,980円からで、最低契約期間の縛りはありません。プランごとの機能差は公式サイトでは公開されておらず、資料での確認が必要です。無料トライアルは7日間、クレジットカードの登録は不要です。導入支援は無償で、電話とチャットのサポートは平日10:00〜17:00に受け付けています。

8. WEBCAS mailcenter(株式会社WOW WORLD)

WEBCAS mailcenterのウェブサイト

課金の単位が担当者数ではなく月間のメール送受信通数という点が、株式会社WOW WORLDが提供するこのシステムの特徴です。全プランでオペレーター数は無制限のため、窓口に人を増やしても月額は変わりません。

問い合わせは未対応・編集中・承認中・対応済・ゴミ箱の5段階で自動的にステータスが変わり、返信前に最大3段階の承認を挟めます。受信からの経過時間を5段階の色分けで示す機能もあります。受付はメールと、同社のフォーム作成システムと連携したWebフォームで、電話やチャットからの受付は公式サイトに記載がありません。

クラウドのASP型は、ライトプランが初期費用30,000円・月額5,000円(5,000通まで、超過分は1通3円)、スタンダードプランが初期費用50,000円・月額19,000円(10,000通まで、超過分は1通1円)です。SaaS型は初期費用500,000円・月額100,000円から、オンプレミス型はパッケージライセンスが4,200,000円からとなります。

9. CarePlus Cloud(SCSK株式会社)

CarePlus Cloudのウェブサイト

メーカー・委託先・代理店・技術部門・営業部門と関係者が多いBtoBのサポート業務に対象を絞った問い合わせ管理システムです。SCSK株式会社が提供しており、公式サイトでは、ITILのうち顧客との接点にあたるインシデント管理とサービス要求管理に絞って効率化する製品だと説明されています。

権限をテナント管理者・サポート担当者・参照ユーザ・一般ユーザに分け、顧客企業の中でも情報を共有できるようにしています。問い合わせと対応履歴をサービス単位で追うQA機能、対応漏れを防ぐタスク一覧、FAQとドキュメントのナレッジ管理、全文検索、スマートフォン向けの画面を備えます。Microsoft Entra IDなどとのSAML連携によるシングルサインオンにも対応します。

料金は初期費用・月額とも非公開で、用途とユーザー権限によって変わるため見積もりでの確認が必要です。無料トライアルはAI機能を除く全機能を30日間試せます。SCSK自身がプラットフォーム事業のヘルプデスクで使った事例では、一次解決率が20%向上したと公表されています。

10. SolutionDesk(アクセラテクノロジ株式会社)

SolutionDeskのウェブサイト

富士通のベンチャー起業制度により2001年に設立されたアクセラテクノロジ株式会社が、2022年から販売している問い合わせ管理プラットフォームです。チケット管理とナレッジベースを連動させ、対応の履歴をそのままナレッジとして蓄積・再利用する設計を前面に置いています。

Webフォームで受けた問い合わせを一元管理し、チャットボットが一次対応して解決しないものはライブチャットや担当者へ引き継ぐ流れを組めます。過去の対応履歴や社内ナレッジから生成AIがFAQを作成・更新する機能、音声で応対を支援するボイスエージェントも用意されています。メール・電話・APIからの受付や、問題管理・変更管理への対応は公式サイトに記載がありません。

プランはエントリー・スタンダード・プレミアムの3段階に加え、大規模導入・複数部門での利用に向けたものが用意されています。ただし料金の実額と課金単位はいずれも公開されておらず、見積もりでの確認が必要です。無料トライアルの有無についても公式サイトに記載はありません。

IT運用プロセスごと標準化するタイプ

インシデントから問題・変更・構成管理までを1つの仕組みで扱う8製品です。ITILに沿った運用の標準化を掲げるものが多く含まれます。

11. LMIS(株式会社ユニリタ)

LMISのウェブサイト

株式会社ユニリタが「ITILに準拠したサービスマネジメントプラットフォーム」として提供するクラウド型のツールです。イベント管理・インシデント管理・サービス要求管理・問題管理・変更管理・リリース管理の6つのプロセスを1つの基盤で扱い、Salesforce Platform 上に構築されています。

料金は初期登録費用300,000円(税別)と、25ユーザーの基本プランで月額120,000円(税別)です。26ユーザー目以降は1人あたり月額4,800円(税別)が加算されます。契約は年単位で、最小ユーザー数は25ユーザーです。

受付は画面入力・メールの自動取り込み・セルフサービスポータルに加え、ZabbixやHinemosといった監視ツールが送るアラートメールを自動で取り込んでインシデントとして登録できます。公式発表による導入組織数は300組織以上(2026年7月時点)で、無料体験版は申し込み後すぐ利用できると案内されています。

12. ServiceNow IT Service Management(ServiceNow Japan合同会社)

ServiceNowの公式ドキュメントサイト

米ServiceNow, Inc.が開発し、日本ではServiceNow Japan合同会社が窓口となるITサービス管理プラットフォームです。同社のNow Platform上で動くアプリケーション群として提供されており、インシデント管理はその中の一機能という位置づけになります。

インシデント・問題・変更・リクエストの各管理に加え、構成管理データベース(CMDB)、ナレッジ管理、チャットボットのVirtual Agent、チケットの自動分類を担うPredictive Intelligenceを備えます。受付として公式に確認できるのはセルフサービスポータル・Virtual Agent・REST APIで、Slackは公式アプリからチケットの通知と操作が行えます。

料金は公開されておらず、個別見積もりです。自己申込み型の無料トライアルもなく、試すには開発者向けの無料インスタンス(Personal Developer Instance)を使うか、製品デモを申し込むことになります。国内では日立ソリューションズや富士通などのパートナーが導入・構築を支援しています。

13. Jira Service Management(アトラシアン株式会社)

Jira Service Managementのウェブサイト

課題管理のJiraやナレッジ共有のConfluenceと同じアトラシアン製品群に属するITSMツールで、開発チームのバックログと運用側のチケットを同じ基盤に載せられます。

リクエスト管理・インシデント管理・問題管理・変更管理に、資産管理(Assets)と構成管理、ナレッジ管理が加わる構成です。PeopleCertのAccredited Tool Vendor一覧には、Gold(10プラクティス)として掲載されています。

料金はStandardが1エージェントあたり月額25.00ドル、Premiumが同57.30ドル(いずれも月次契約・1〜15ユーザー帯、2025年10月15日改定後の公式価格)で、無料のFreeプランも用意されています。ただし問題管理・変更管理と重大インシデント対応の機能は、2024年10月の提供体系の見直しでPremium・Enterpriseに集約されました。

受付チャネルはメール・ヘルプセンター・Webウィジェット・Slack・Microsoft Teams・APIに対応します。

オンコール管理ツールのOpsgenieは2025年6月4日に新規販売を終了し、アラートとオンコールスケジュールの機能は本製品のJSM Operationsへ統合されました(Opsgenie自体は2027年4月5日に停止予定)。オンプレミス環境向けにはData Center版が別ラインで提供されています。

14. Freshservice(Freshworks Inc.)

Freshserviceのウェブサイト

米Freshworks Inc.が開発するITSMツールで、日本国内の販売・導入支援・サポートはOrangeOne株式会社が総代理店として担っています。Freshworksは日本法人を持たないため、契約と問い合わせの窓口はOrangeOneに一本化されます。PeopleCertのAccredited Tool Vendor一覧には、Gold(14プラクティス)として掲載されています。

受付はメール・Webフォーム・電話を標準チャネルとし、SlackやMicrosoft Teams、Chatwork、LINE WORKSとも連携します。機能はプランごとに段階的に広がる設計で、資産管理(CMDB)とサービスカタログはGrowth以上、問題管理・変更管理・リリース管理はPro以上で利用できます。

公式の料金は1エージェントあたり月額19ドル(Starter・年払い)からで、Growthが49ドル、Proが99ドルです。OrangeOneは円建ての参考価格(Starter 3,100円など)も示していますが、為替の変動により変わると注記しています。無料トライアルは14日間で、クレジットカードの登録は不要です。

15. ManageEngine ServiceDesk Plus(ゾーホージャパン株式会社)

ManageEngine ServiceDesk Plusのウェブサイト

ゾーホージャパン株式会社が国内提供するITSMツールで、クラウド版とオンプレミス版を同じ料金体系で選べます。エディションは、インシデント管理を担うStandard、IT資産・購買・契約管理まで含むProfessional、問題管理・変更管理・リリース管理とCMDB・プロジェクト管理まで揃うEnterpriseの3種類です。

PeopleCertのAccredited Tool Vendor一覧には、Silver(14プラクティス)として掲載されています。

年間ライセンスは5オペレーターの場合、Standardが291,000円、Professionalが383,000円、Enterpriseが735,000円です(いずれも税別)。課金の基本単位は対応するオペレーター数で、依頼するエンドユーザーの人数は無制限です。Professional以上では管理対象のノード数も費用に関わります。

SLAのルールは依頼者・部署・カテゴリー別に設定してリクエストへ自動適用され、違反の前後でエスカレーションが起動します。機能をインシデント管理・ナレッジ管理・セルフサービスポータル・レポートに絞った無償エディションもあり、登録できるオペレーターはクラウド版5名・オンプレミス版1名まで、日本語サポートは対象外です。

16. Senju/SM(株式会社野村総合研究所)

Senju/SMのウェブサイト

株式会社野村総合研究所が1994年から提供する運用管理製品「千手」の系譜にあるサービスデスクツールです。オンプレミス版がSenju/SM、2014年に登場したクラウド版がmPLAT/SMPで、公式サイトでは両者を提供形態の違いとして並記し、機能のコンセプトは共通と説明しています。

備える機能はサービスリクエスト、インシデント管理、問題管理、変更・リリース管理、構成管理、サービスレベル管理の6区分です。2021年9月16日にはSenju/SM 2021がPink Elephant社のPinkVERIFY™ ITIL 4認証を取得し、インシデント管理・問題管理・変更コントロール・リリース管理が対象と公式に発表されています。

料金は初期費用・月額とも公開されておらず、要問い合わせです。受付はメール・Webフォーム・チャットツール連携・API経由に対応し、スマートフォンから緊急時のインシデント確認や承認も行えます。問い合わせ窓口の対応時間は平日10:00〜17:00です。

17. SmartStage ServiceDesk(株式会社クレオ)

SmartStage ServiceDeskのウェブサイト

2023年5月29日に株式会社クレオが提供を開始したSaaS型のITSMツールです。ノーコードのプラットフォーム上に構築されており、既存の業務フローを変えずに運用の変化へ対応できる点を公式サイトが訴求しています。

料金は利用ユーザー数に依存せず、ベーシックが月額80,000円、プロフェッショナルが月額100,000円の定額制です(エンタープライズは別途見積もり)。ただし新規登録できるチケットは各プラン月300件までで、超過すると300件ごとに月額費用の10%分(ベーシック8,000円、プロフェッショナル10,000円)が加算されます。

管理プロセスはサービスリクエスト・インシデント・問題・変更・リリースの5つで、FAQ管理と構成管理(CMDB)、IT資産管理も備えます。メール取り込みとWebAPI連携によりフォームやチャットからの自動起票に対応し、機器監視装置や運用自動化ツールとの連携も可能です。

2025年7月には、クローズ済みチケットからFAQ草案を自動作成する機能や、電話・チャットでの問い合わせをその場でチケット化する機能が追加されました。

18. Ivanti Neurons for ITSM(Ivanti Software株式会社)

Ivanti Neurons for ITSMのウェブサイト

米Ivanti, Inc.が開発し、日本ではIvanti Software株式会社が窓口となるITサービス管理ツールです。インシデント管理・問題管理・変更管理・リリース管理・構成管理・イベント管理・ナレッジ管理・IT資産管理などを扱い、クラウド・オンプレミス・両者を組み合わせたハイブリッドのいずれの形態でも導入できます。

英語版の公式サイトは、Pink Elephant社のPinkVERIFY認証を根拠に14のITIL 4プロセスへ対応すると記載していますが、日本語版のページに同じ記載はなく、対応プロセス名の列挙にとどまります。外部連携はIvanti Neurons iPaaS経由で1,000以上のコネクタが用意され、生成AIによるチケット要約や、解決済みインシデントからのナレッジ記事の自動生成も備えます。

料金は公開されておらず、個別見積もりです。ライセンスはPremium、Enterprise Premiumといった階層に分かれますが、金額や課金単位は公表されていません。自己申込み型の無料トライアルもなく、デモ動画の視聴と問い合わせが検討の入口になります。日本語でのテクニカルサポートの範囲も公式サイトに記載がないため、導入前に確認しておく必要があります。

開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプ

障害を開発タスクと同じチケットで追う6製品です。すでに同じツールで開発を回している組織なら、追加の導入なしで始められます。

19. Redmine(オープンソース/My Redmine提供元: ファーエンドテクノロジー株式会社)

Redmineのウェブサイト

オープンソースのプロジェクト管理・課題管理ツールです。チケットごとにトラッカー(種類)・ステータス・担当者・優先度・期日・進捗率を設定でき、ガントチャートやカレンダー、プロジェクト別のWiki、Git・Subversion等との連携、REST APIを標準で備えます。受信メールからチケットを自動起票する機能も本体の標準機能です。

本体はGNU General Public License v2で公開されており、ライセンス費用はかからない一方、サーバーの構築と保守は自社で負担します。最新の安定版は7.0.0(2026年6月30日リリース)で、5.1.13・6.0.10・6.1.3といった旧系列も同年6月15日に更新されています。

サーバーを持たずに使う選択肢が、ファーエンドテクノロジー株式会社のクラウドホスティング「My Redmine」です。スタンダードプランは月額10,000円(税別)で1,000ユーザー・200GBまで、上位はミディアムが14,000円、エンタープライズが28,000円、ディスク1.5TBのエンタープライズ1.5TBが40,000円です(いずれも税別)。

無料お試しは申込受付日の翌月末までで、期間中の機能制限はありません。

ただし、インシデント管理・問題管理・変更管理を別々のモジュールとして分けた設計ではなく、トラッカーの種別やカスタムフィールドで表現する使い方になります。公式サイトにITIL準拠を掲げる記載もありません。

20. Backlog(株式会社ヌーラボ)

Backlogのウェブサイト

課題(チケット)単位で担当者とステータスを持たせ、ガントチャート・カンバンボード・バーンダウンチャートで進捗を追うプロジェクト・タスク管理ツールです。エンジニアに限らず職種を問わない利用を想定した設計で、有料契約件数は15,000件を超えています(2025年9月末時点、株式会社ヌーラボ発表)。

障害や問い合わせの起票では、プロジェクトごとに発行される専用メールアドレスへ転送するだけで課題を自動登録できます。Slack連携では通知の受信に加えてSlackからの課題追加にも対応します。2026年8月18日からは親課題・子課題・孫課題の3階層管理が順次提供されています。

料金は月払いでスタータープラン2,700円からプラチナプラン75,000円まで4段階です(いずれも税別)。ユーザー1人あたりではなく契約単位の課金で、スタンダードプラン以上はユーザー数が無制限になります(公式には安定運用の目安として最大10,000人までを推奨)。

最大10ユーザー・1プロジェクトの無料プランと、有料プランの30日間無料トライアルもあります。2027年1月1日からは4プランを3プランへ統合する改定が告知されています。

21. Jira(アトラシアン株式会社)

Jiraのウェブサイト

ソフトウェア開発チーム向けの課題管理ツールです。タスク・バグ・要望を課題として登録し、担当者・期限・優先度・ステータスを設定して、スクラムやカンバンのボード、バックログ、ロードマップで追跡します。ワークフローは基本の流れから承認プロセスや条件分岐を含むものまで組み替えられ、Slack・GitHubなど3,000以上の外部ツール連携に対応します。

検討時に注意したいのが、同社が別プロダクトとして展開するJira Service Managementとの守備範囲の違いです。依頼者向けの受付ポータル、インシデント管理・問題管理・変更管理、資産管理はJira Service Managementの機能ページに明記されている一方、Jira単体の機能ページにはこれらの記載がありません。

障害を開発の課題と同じボードで追うならJira、社内外からの依頼を窓口で受けるならJira Service Managementが検討対象になります。

料金はFreeが10ユーザーまで0円(ストレージ2GB)、Standardが1ユーザーあたり月額1,085円、Premiumが1,987円、Enterpriseは年間契約のみで要問い合わせです。無料トライアルはStandard・Premiumとも7日間です。自社ホスト型のData Centerも提供されていますが、サポートは2029年3月28日に終了すると公式に告知されています。

22. Asana(Asana, Inc.)

Asanaのウェブサイト

タスクとプロジェクトを管理する汎用ツールで、IT部門の対応業務には「ITチケット管理」テンプレートが用意されています。専用のインシデント管理製品ではなく、汎用の管理基盤をIT向けの構成で使う形です。

このテンプレートでは、新規・進行中・保留中・完了といったカスタムステータス、チケットID、優先度、担当者の割り当てを扱えます。受付はフォームで標準化し、連絡先・概要・技術情報をまとめて収集します。対応時間と解決時間を追うSLAタイマー、チケット数・応答時間・完了率を並べたダッシュボードも含まれます。

Zendesk・ServiceNow・Okta・Jira Cloudとの統合もテンプレートの説明ページに明記されており、既存のIT基盤と並行して使えます。料金はユーザー2人までのPersonalが無料、Starterが1ユーザーあたり月額1,200円、Advancedが2,700円(いずれも年払い時。月払いは1,475円・3,300円)、Enterprise以上は要問い合わせです。

23. monday.com(monday.com Ltd.)

monday.comのウェブサイト

monday.com Ltd. は汎用のWork Management、CRM、開発管理などを1つの基盤上で展開しており、そのうちサービス管理を担う製品ラインが「monday service」です。IT部門の依頼・障害対応を扱うのはこのmonday serviceにあたります。

依頼はセルフサービス型のService Portalで受け付け、Smart Intake & Triageが複数チャネルから届いたリクエストを自動で分類・要約して振り分けます。

承認フローや部署横断のアクションはWorkflow Builderで組み立て、AIが対応しきれない案件は履歴を保持したまま担当者へ引き継ぎます。導入企業のZopa Bankで、チケットの98%をAIが自動で優先度分けした事例が公式サイトに掲載されています。

monday serviceの料金はStandardが1席あたり月額31ドル、Proが45ドル(いずれも年間契約時)で、最小契約は3席からです。Enterpriseは要問い合わせで、無料トライアルは14日間です。汎用のWork Management側とは別の料金体系のため、見積もり時は製品ラインを取り違えないよう注意が必要です。

24. kintone(サイボウズ株式会社)

kintoneのウェブサイト

プログラミングの知識がなくても業務に合わせたアプリを作れる、ノーコードの業務改善プラットフォームです。インシデント管理は標準機能として用意されているわけではなく、公式のサンプルアプリ(問い合わせ管理・クレーム管理)を追加するか、必要な項目を自分で設定してアプリを作る形で運用します。

問い合わせ管理のサンプルアプリは、問い合わせ内容と対応履歴を記録して対応状況を見える化するひな形で、「問い合わせ日時」「担当者」「対応ステータス」といった項目を自由に設定できます。受付チャネルとして公式に挙げられているのはメール共有とWebフォーム連携で、電話・チャットの標準受付機能への言及はありません。アクセス権限の管理と操作ログは標準機能に含まれます。

料金は1ユーザーあたり月額で、ライトコース1,000円、スタンダードコース1,800円、ワイドコース3,000円(いずれも税抜)。最低契約はライト・スタンダードが10ユーザー、ワイドが1,000ユーザーからで、初期費用はかからず30日間の無料お試しがあります。外部サービス連携やプラグインによる拡張はスタンダードコース以上が対象です。

監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプ

監視の検知から担当者の招集、対応記録、振り返りまでを回す3製品です。夜間・休日の呼び出し体制を整えたいチームが対象になります。

25. PagerDuty(PagerDuty株式会社)

PagerDutyのウェブサイト

米国のPagerDuty, Inc.が開発し、日本では2022年設立のPagerDuty株式会社が窓口となるSaaSです。監視ツール、顧客からの問い合わせ、社内チームからのチケットといった複数のソースのアラートを受け取り、インシデントとして起票するところから対応が始まります。

起票されたインシデントは、システムやサービスごとに設定したオンコールスケジュールとエスカレーションポリシーに沿って、対応すべき担当者へ自動的に割り当てられます。連携先は750以上(時点の明記なし)で、Datadog・AWSなどの監視系、SlackやMicrosoft Teamsといったチャット系が含まれます。

料金は月払いでProfessionalが1ユーザーあたり25ドル、Businessが49ドル、Enterpriseは個別見積もりです。Freeプランは5ユーザーまで無料で、月100件の国際電話・SMS通知を含みます。無料トライアルは14日間です。ただし日本円建ての公式価格は公開されておらず、上記はグローバル公式サイトの米ドル建て表示によるものです。

26. WebSAM Cloud(日本電気株式会社)

WebSAM Cloudのウェブサイト

アラート判断の自動化、通報の自動化、対処の自動化という3段階で構成されるクラウド型のツールです。日本電気株式会社(NEC)が「インシデント管理高度化ソリューション」として位置づけており、監視の検知から記録までを一続きで扱う設計になっています。

各システムから届くアラートを集約してフィルタリングし、対応が必要なものだけを、平日・休日や日勤・夜勤のシフトを踏まえて担当者へ電話などで自動通報します。通報されたアラートは自動でチケット化され、対処に至るまでの情報共有を一元管理できます。

プランはFree・Pro・Business・Enterpriseの4種類で、金額は公式に公開されておらず要問い合わせです。差がつくのは機能と利用量の上限です。

公式カタログのFreeは電話通報・メール通報のみで、一部項目は「coming soon」表示のため提供状況は要確認です。インシデント管理とリクエスト管理はProプラン以上、問題管理・変更管理・構成管理はBusinessプラン以上が対象になります。

Business相当の機能を1か月試せる無料トライアルも用意されています。

27. Waroom(株式会社Topotal)

Waroomのウェブサイト

Slack上でインシデント対応を進めることを軸にしたインシデントマネジメントサービスで、2020年6月設立の株式会社Topotalが提供しています。公式サイトにはLuup、ビットキー、ログラス、UPSIDERなどのロゴが掲載されています。

対応の流れは、Slackコマンドまたは管理UIからのインシデント宣言に始まり、重大度やステータスの更新もSlack上で行います。対応中の判断や進行は時系列で自動的に記録され、その記録をもとにポストモーテム(対応後の振り返り記録)の下書きが生成されます。下書きはMarkdown形式で編集できます。

料金はユーザー数ではなくプラン単位の課金で、チームプランが月額90,000円、プロプランが月額180,000円です(年契約時はそれぞれ年額1,080,000円、2,160,000円)。プロプランではプライベートインシデント、カスタムロール、APIが使えます。プロプランの1か月無料トライアルがあり、その環境をそのまま実運用に移せます。

インシデント管理ツールの料金相場と課金単位

候補が絞れたら、次に見るのは費用の水準です。ここでは公式サイトで公開されている実額をタイプ別に並べ、課金単位の違いが総額にどう効くかを整理します。金額はいずれも2026年8月時点の各社公式情報によるもので、税別表記のものは各社の表記に従っています。

タイプ別・提供形態別の料金レンジ

問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプは、担当者1人あたり月額600円台から始められる製品があり、有料プランの下限は4つのタイプで最も低い層です。メールワイズはスタンダードコースが1ユーザーあたり月額600円(税抜)で最低5人から、yaritoriは初期費用0円・1ユーザーあたり月額1,980円で2人から利用できます。

海外製ではZendeskがSupport Teamで1エージェントあたり月額19ドル(年払い時)、Freshdeskが同19ドルからです。国内製で規模が大きくなると、WEBCAS mailcenterのASP型スタンダードプランが初期費用50,000円・月額19,000円(10,000通まで)といった水準になります。

IT運用プロセスごと標準化するタイプは桁が1つ上がります。LMISは初期登録費用300,000円・月額120,000円(25ユーザーの基本プラン、税別)で、26ユーザー目以降は1人あたり月額4,800円が加算されます。SmartStage ServiceDeskは利用ユーザー数無制限で月額80,000円(ベーシック)・100,000円(プロフェッショナル)です。

ManageEngine ServiceDesk Plusは年間ライセンス制で、5オペレーターのStandardが年額291,000円から、Enterpriseが735,000円からとなっています。

海外製ではJira Service Managementが1エージェントあたり月額25ドル(Standard・月次契約)、Freshserviceが1エージェントあたり月額19ドル(Starter・年払い)からです。

開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプは、無料から始められる製品が多いのが特徴です。Jiraは10ユーザーまで無料で、有料は1ユーザーあたり月額1,085円(Standard)からです。Backlogは月額2,700円(スタータープラン・30人まで、税別)から始まり、スタンダードプラン(月額16,000円・税別)以上はユーザー数が無制限になります。

kintoneは1ユーザーあたり月額1,000円(ライトコース)ですが最低10ユーザーからの契約になります。Redmineはオープンソースのため本体のライセンス費用はかからず、ホスティングを使う場合はMy Redmineのスタンダードプランが月額10,000円(税別、1,000ユーザーまで)です。

監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプは、製品によって考え方が分かれます。PagerDutyは1ユーザーあたり月額25ドル(Professional・月払い)で、5ユーザーまでの無料プランがあります。Waroomは人数ではなくプランで課金する方式で、チームプランが月額90,000円、プロプランが月額180,000円です。

実額が公開されていないのは、ServiceNow・Senju/SM・WebSAM Cloud・Ivanti Neurons for ITSM・SolutionDesk・CarePlus Cloud・楽楽自動応対の7製品です。いずれも問い合わせによる個別見積もりになります。

Re:lationも、0円のフリープランは公表されている一方、有償プランの実額は公式サイトに記載がありません。SmartStage ServiceDeskも初期費用の実額は公開されていません。

課金単位の違いで総額がどう変わるか

担当者課金と定額制では、人数が増えたときの伸び方が逆になります。同じIT運用プロセスごと標準化するタイプの中で見てみます。

ManageEngine ServiceDesk Plus(Standard)は担当者数で課金されます。5担当者で年額291,000円(月額換算 約24,250円)、10担当者で年額485,000円(同 約40,417円)、20担当者で年額796,000円(同 約66,333円)です。

一方、SmartStage ServiceDesk(ベーシック)は利用ユーザー数無制限で月額80,000円のため、人数が増えても金額は動きません。

担当者が20名の時点では、担当者課金が月額換算で約66,000円と定額制の80,000円をまだ下回ります。そこからさらに人数が増えると逆転します。担当者が数名なら担当者課金が明確に安く、部門展開で20名を超えて増えていく見込みがあるなら定額制が有利になる、という関係を踏まえると見積もりを読み解きやすくなります。

ただし定額制の製品にも上限があります。SmartStage ServiceDeskは各プランで月300チケットまでが新規登録の上限で、超過すると300チケットごとに月額費用の10%分(ベーシックで8,000円、プロフェッショナルで10,000円)が加算されます。人数ではなく件数が費用を押し上げる設計です。

WEBCAS mailcenterも同じく人数に依存しません。全プランでオペレーター数は無制限で、月間のメール送受信通数によって費用が決まります。ASP型のライトプランは初期費用30,000円・月額5,000円で5,000通まで、超過分は1通あたり3円が加算されます。

Waroomはユーザー数でも件数でもなく、プラン(機能とカスタマイズ性)で課金します。関わる人数が読めない障害対応では、人数に関わらず関係者を招集できます。

ManageEngine ServiceDesk Plusは、オペレーター数に加えてノード数(管理対象のIT資産数)も課金の要素になります。依頼するエンドユーザー数は無制限のため、対応する側の人数と管理対象の資産量の両方で見積もる必要があります。

初期費用・オプションで追加になりやすい費用

月額のほかに発生しやすいのが初期費用です。国内製では、LMISが初期登録費用300,000円、WEBCAS mailcenterがASP型で30,000円から50,000円、SaaS型で500,000円からとなっています。

一方、メールワイズとkintoneは公式に初期費用0円と明記しています。Backlog・Jira・Zendesk・Asanaなどは公式サイトに初期費用の記載がなく、申し込みから即日利用できる形です。

ストレージや資産管理の従量課金も見落としやすい項目です。SmartStage ServiceDeskはストレージ20GBまでが標準で、追加は5GBごとに5,000円です。Jira Service Managementの資産管理(Assets)は50,000オブジェクトまで無料で、超過分は1オブジェクトあたり月額0.02ドル(1〜10万オブジェクトの帯、2025年10月7日改定後)が加算されます。

オンプレミス型を選ぶ場合は、ライセンスとは別にサーバーの調達・構築費用が発生します。

ManageEngine ServiceDesk Plusのオンプレミス版には、年額課金とは別に初年度の保守サポート込みで買い切れる通常ライセンスがあり、Standard 10オペレーターで1,199,000円です。同じ構成の年額課金が485,000円なので、初年度は買い切りのほうが約2.5倍かかる計算になります。

オンプレミスの費用が最も大きいのはWEBCAS mailcenterで、パッケージライセンスは4,200,000円からです(保守費用は別途かかります)。クラウド型の月額と並べるときは、この初期投資を利用年数で割って比べると桁を見誤りません。

海外製の多くは米ドル建てで、日本円建ての公式価格が用意されていない製品もあります。Zendesk・Freshdesk・Freshservice・PagerDutyはいずれも公式の料金表がドル建てで、日本での請求通貨や為替換算の扱いは公式サイトに記載がありません。国内代理店経由で契約する場合は、請求時の円換算の条件を見積もり段階で確認しておくと、想定違いを避けられます。

無料プラン・オープンソースのインシデント管理ツールは実運用に耐えるか

予算を確保する前に、まず無料で始めたいという判断はよくあります。ここでは、無料で使える範囲がどこまでで、どこから足りなくなるのかを整理します。

無料プランで使える範囲と上限

期間の制限なく無料で使える製品は、人数の上限で線を引いているものがほとんどです。Jiraは10ユーザーまで、PagerDutyは5ユーザーまで(月100件の国際電話・SMS通知を含む)、Backlogのフリープランは10ユーザー・1プロジェクトまでです。Asanaのパーソナルプランは2人まで、Re:lationのフリープランは1名・ストレージ100MBまでとなります。

ManageEngine ServiceDesk Plusは無償エディションを恒久提供しています。機能はインシデント管理・ナレッジ管理・セルフサービスポータル・レポートに絞られ、登録できるオペレーター数はクラウド版5名・オンプレミス版1名までです。ただし日本語サポートの対象外で、英語のグローバルサポートフォーラムのみの利用となる点は押さえておく必要があります。

Jira Service ManagementにもFreeプランがありますが、エージェント数の上限は公式サイトに記載がありません。

期間で区切るタイプもあります。FreshdeskのFree Programは最大2エージェントまでを6か月間に限って無料とし、期間経過後または3人目からは有料プランへの移行が必要です。

人数以外の上限もあります。Re:lationのフリープランはストレージ100MBまで、Backlogのフリープランはプロジェクト1つまでです。件数の上限は無料枠ではなく有料プラン側に置かれることもあり、SmartStage ServiceDeskは各プランで月300チケットを超えると超過料金が加算されます。

無料枠で足りなくなる境目は、人数や保存量が上限に達したときと、機能の壁に当たったときの2つです。上限はプラン表を見れば分かりますが、機能の壁は使い始めてから気づきます。

Jira Service Managementの例では、2024年10月に提供体系が見直されました。対象はインシデント管理の高度な機能(会議招集や重大インシデント対応)・変更管理・問題管理で、Free・Standardプランから外れてPremium・Enterpriseに集約されています。無料や下位プランで始めた運用が、拡張の段になって上位プランを前提とすることは起こり得ます。

オープンソースを自社運用する場合に発生する構築・保守の負担

本記事で紹介する製品のうち、オープンソースとして自社構築できるのはRedmineです。GPL v2のもとで配布されており、ライセンス費用はかかりません。チケットにトラッカー・ステータス・担当者・優先度・期日を設定でき、メール受信からの自動起票も標準機能として備えています。

費用がゼロにならないのは、その先です。サーバーの調達と構築、OSやミドルウェアの更新、バックアップの設計と検証、脆弱性が公表されたときのバージョン追随を自社で担うことになります。これらは金額として請求されない代わりに、担当者の工数として発生します。Redmineの公式サイトにも構築・運用費用の代表額は示されておらず、環境によって幅が出る部分です。

この負担を避けつつRedmineを使う選択肢が、ホスティングサービスです。ファーエンドテクノロジーが提供するMy Redmineは、スタンダードプランが月額10,000円(税別)で1,000ユーザー・ディスク200GB・プロジェクト数無制限です。

エンタープライズプランは月額28,000円(税別)でIPアドレス制限数の拡大とSAML認証によるシングルサインオンに対応し、ディスク容量1.5TBのプランは40,000円(税別)になります。

自社構築の工数と、この月額のどちらが自社にとって現実的かを比べることになります。

無料から有料へ移る目安

無料枠のまま運用を続けるか、有料へ移るかの分かれ目は3つあります。1つ目は、対応する担当者が無料枠の上限に届いたときです。2つ目は、応答時間の管理・エスカレーション・監視ツール連携といった、上位プランでしか使えない機能が業務上必要になったときです。

3つ目は、サポートの必要性が高まったときです。無償エディションが日本語サポートの対象外である製品や、無料プランがコミュニティサポートのみの製品では、障害の切り分けに時間がかかったときに頼る先がありません。インシデント管理ツール自体が止まると障害対応そのものが止まるため、業務の基盤として使うなら有償サポートの有無が判断材料になります。

無料トライアルの期間は製品によって幅があります。kintone・メールワイズ・Backlog・Agentforce Service・CarePlus Cloud・ManageEngine ServiceDesk Plus(評価版)が30日間です。WebSAM CloudとWaroomは公式表記で1か月とされています。

Zendesk・Freshdesk・Freshservice・PagerDuty・monday serviceは14日間、Jiraとyaritoriは7日間と短めです。期間が短い製品では、試す項目を絞ってから申し込むと無駄がありません。

料金を公開していない製品は、トライアルの前に条件を確かめておくと比較が進みます。課金単位・最低ユーザー数・初期費用・超過分の単価の4点を揃えて聞くと、公開されている製品と同じ土俵で並べられます。

インシデント管理ツールを導入するメリット

導入で何が変わるのかを、まず日々の工程に沿って具体的に見てから、そこから得られることを整理します。

受付から解決・振り返りまで、ツールを入れると運用はどう変わるか

障害対応の流れは、受付と記録・分類と優先度づけ・担当割り当て・調査と対応・解決とクローズ・振り返りとナレッジ化の6つに分けられます。ツールを入れる前と後で、それぞれがどう変わるかを並べます。

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工程受付と記録分類と優先度づけ担当割り当て調査と対応解決とクローズ振り返りとナレッジ化
ツールを入れる前メール・電話・チャットで個別に受け、記録は担当者のメールボックスや手元のメモに残る受けた担当者が経験で判断し、判断の根拠は本人しか知らないその場にいる人が引き取り、不在時は誰も持っていない状態が生まれる過去の似た事象を探すには、当時の担当者に聞くか個人のメールを掘り返すしかない返信して終わり。何件が未解決のまま残っているかを把握できない件数も傾向も集計できず、再発防止の議論が印象論になる
ツールを入れた後どの入口から届いても1件のチケットとして自動登録され、記録の置き場が1つになる種別・影響範囲・緊急度を項目として付け、条件に応じて自動で振り分けられる担当者がチケットに紐づき、一定時間動きがなければ上位へ自動で引き上げられる過去のチケットを検索して対処法を引き出せ、調査の途中経過もチケットに残るステータスで未対応・対応中・解決済みが一覧でき、取りこぼしが見える件数・種別・所要時間を集計でき、解決内容をFAQやナレッジとして再利用できる

※導入前後の変化は一般的な運用例です。どの工程をどこまで自動化できるかは製品によって異なります。

属人化がなくなり、過去の対応履歴が次の対応に効く

記録が1か所に集まると、対応の手順が特定の担当者の記憶から切り離されます。受付・分類・担当割り当てがツールの項目として決まっているため、経験の浅い担当者でも同じ順序で進められます。

効果が大きいのは、過去の履歴を検索できるようになる点です。同じ事象が再発したとき、当時どう切り分けて何で直したかをチケットから引き出せます。担当者の異動や退職があっても、対応の知見が組織に残ります。

対応状況が可視化され、対応漏れ・重複対応が防げる

いま何件が未対応で、誰が何を抱えているかが一覧で見えると、期限が迫っている案件から手を付けられます。エスカレーションを設定しておけば、動きが止まったチケットは自動で上位に上がるため、誰も見ていない状態が続きません。

複数人で同じ連絡を受けたときの重複も減ります。対応中のチケットに他の担当者が入れないようロックする機能を持つ製品では、同じ相手に2通の返信が届く事故を仕組みで防げます。

導入・運用でつまずきやすい点

導入判断には、うまくいく話だけでなく、入れたあとに増える手間も材料として要ります。ここでは事前に見込んでおきたい負担と、定着させるために先に決めておくことを挙げます。

導入後に増える手間をどこまで見込むか

まず、月額費用以外に人の時間がかかります。自社の運用フローに合わせたステータス・カテゴリ・エスカレーション条件の設計は導入時の作業で、既存の運用が明文化されていない組織ほど時間を要します。IT運用プロセスごと標準化するタイプは設定項目が多く、その分だけこの工程が重くなります。

次に、現場が新しい画面に慣れるまでの学習の時間です。これまでメールで返していた担当者にとって、チケットを開いてステータスを更新する操作は追加の手数に感じられます。導入直後は一時的に処理件数が落ちることを見込んでおくと、社内の期待値を合わせやすくなります。

そして、ナレッジを維持する手間があります。解決内容を記事にして公開する運用は、書く人と更新する人を決めておかないと続きません。古い情報が残ったナレッジは参照されなくなり、蓄積した意味が失われます。誰が・いつ・どの粒度で書くかを、導入時のルールとして決めておくことが求められます。

導入したのに使われなくなるパターンと、定着させるために先に決めておくこと

使われなくなる典型は、受付の入口を絞らないまま導入したケースです。ツールを入れても従来どおり個人宛のメールやチャットで直接依頼が届き続けると、記録が残るものと残らないものが混在します。こうなると一覧の件数が実態と合わなくなり、現場は「見ても意味がない画面」として開かなくなります。

もう1つは、設定を作り込みすぎたケースです。細かい分類とワークフローを最初から用意すると、起票のたびに選択項目が増え、現場が入力を面倒に感じて記録を省くようになります。

定着を左右するのは、導入前に決めておく次の3点です。

  1. 依頼の入口をどこに統一するか: 専用の窓口以外で受けた依頼をどう扱うかまで決めておくと、記録の抜けが生まれにくくなります。
  2. 最初に用意する分類とステータスをどこまで絞るか: 運用しながら足す前提で、開始時は最小限に絞るのが現実的です。
  3. 記録されていない対応をどう扱うか: ツールを通していない依頼は正式な依頼として扱わない、といった運用のルールを明文化しておくのが有効です。

Excel・メール運用の限界と、専用ツールへ切り替える目安

専用ツールを入れるかどうかは、いまのやり方を続けた場合と比べて判断することになります。ここでは、社内で提案するときに使える比較の観点を整理します。

対応がメール・チャットに散らばると何が起きるか

個人宛のメールとチャットで依頼を受けていると、記録がその人のメールボックスに閉じます。休暇や離席のあいだは進捗を誰も答えられず、引き継ぐには当人にスレッドを転送してもらう必要があります。

複数の担当者が同じ依頼を目にしたとき、互いに動いていることが見えないため、同じ相手に別々の回答が届くこともあります。逆に「誰かが対応しているだろう」と全員が判断して、誰も着手しないまま滞留するケースも起きます。

やり取りの本文が個人の受信箱にある以上、部門として何件抱えているか、どれが期限を過ぎているかを集計する手段もありません。

Excelの管理表でできること・できないこと

Excelの管理表を作れば、少なくとも件数と担当者は一覧できます。発生件数が少なく、対応する人も1〜2名に限られている段階では、これで足りることも多くあります。追加の費用がかからず、項目を自由に決められる点も利点です。

できないのは、受付と記録を連動させることです。メールで届いた依頼を管理表に転記する作業は人手のままなので、忙しいときほど転記が後回しになり、表と実態がずれていきます。

複数人での同時更新にも向きません。ファイルの取り違えや上書き、更新の反映漏れが起きやすく、誰の手元の版が正しいのかが分からなくなります。期限が近い案件を知らせる仕組みもないため、気づくかどうかは表を開いた人の注意力に依存します。

切り替えの目安と、社内で説明するときの比較の観点

切り替えを検討する目安になるのは、対応する人が3名以上になったとき、依頼の入口が2つ以上に増えたとき、転記や集計のために毎月まとまった時間を使うようになったときです。いずれも、記録を人手でつなぐコストが仕組みで解ける段階に来たサインです。

社内で提案するときは、ツールの機能を並べるより、いまのやり方で発生している時間と失敗を数字にする方が伝わります。転記と集計に月あたり何時間使っているか、直近半年で対応漏れや重複対応が何件あったか、担当者が不在のときに進捗を答えられなかった件数はどれだけあったか。これらを月額費用と並べると、比較の土台が揃います。

費用の面では、無料枠のある製品から始めて実績を作る進め方もあります。5〜10ユーザーまで無料で使える製品で小さく運用を回し、件数と削減時間を測ってから有料プランの検討に進めば、見込みではなく実測を根拠にできます。

まとめ

インシデント管理ツールを選ぶとき、最初に通るのは「自社の運用がどの型に当てはまるか」という分岐です。

  • 人からの申告を受ける窓口の効率化が主目的: 問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプ
  • 問題管理や変更管理まで含めて運用ルールを揃えたい: IT運用プロセスごと標準化するタイプ
  • 開発の課題管理と一緒に扱いたい: 開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプ
  • 監視の検知から担当者の招集までを回したい: 監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプ

型が決まったら、8つの観点のうち特に絞り込みに効く4点(管理したい範囲・受付チャネル・提供形態・課金単位)が出発点になります。ITILへの拡張余地・自動化の範囲・日本語サポートの窓口・現場の操作感は、候補が2〜3社になってから確かめても間に合います。

特に課金単位は、担当者数で課金する製品と人数無制限で定額の製品とで、数年後の総額が逆転することがあります。いま何人で使うかではなく、部門展開まで見た人数で見積もってください。

料金が非公開の製品も少なくないため、候補が2〜3社に絞れた段階で資料を取り寄せ、実額と契約条件を突き合わせるのが確実です。ぜひ各社の資料をご覧になって、自社の運用体制に合うツールの比較検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. インシデント管理ツールとは何ですか?

A. インシデント管理ツールとは、システムの障害や利用者からの連絡を1件ずつの記録として登録し、受付から解決までの担当者・対応状況・やり取りの履歴を1か所で追跡できるようにするツールです。

経済産業省のシステム管理基準は「インシデント」を、情報システムが正常稼働しない状況となり、事業や業務活動の中断・阻害、損失、緊急事態又は危機が発生し得る状況と定義しています。実際の運用では障害報告と使い方の質問が同じ窓口に届くため、両方を同じ仕組みで受けている現場が多く見られます。製品の出自は問い合わせ管理システム・ITSM製品・課題管理ツール・監視連携の4系統に分かれ、得意な領域も異なります。

Q. インシデント管理ツールの料金相場はどのくらいですか?

A. インシデント管理ツールの料金は、担当者1人あたり月額600円台から始められる製品と、ユーザー数無制限で月額8万〜18万円の定額制の製品があり、どのタイプを選ぶかで桁が変わります。

問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプは下限が低く、1ユーザーあたり月額600円台から2,000円弱で始められる製品があります。IT運用プロセスごと標準化するタイプは桁が上がり、25ユーザーの基本プランで月額12万円台、ユーザー数無制限の定額制で月額8万円台という水準です。

開発の課題管理と同じ場所で扱うタイプには10ユーザーまで無料という枠を持つ製品が多く、監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプは1ユーザーあたり月額25ドル前後か、人数によらない月額9万〜18万円のプラン制に分かれます。いずれも2026年8月時点の各社公式情報によるもので、製品ごとの実額は料金相場のセクションと比較表にまとめています。

Q. インシデント管理ツールは、少人数の情報システム部門や中小企業でも導入する意味がありますか?

A. インシデント管理ツールの要否は企業規模ではなく、対応する人が3名以上になったか、依頼の入口が2つ以上に増えたか、転記や集計に毎月まとまった時間を使っているかで判断できます。

対応者が1〜2名で件数も少ない段階なら、Excelの管理表でも運用は回ります。一方、上記に当てはまる場合は記録を人手でつなぐコストが仕組みで解ける段階です。

予算を確保しにくいときは、5〜10ユーザーまで無料で使える枠を持つ製品で小さく始め、削減できた時間を測ってから有料プランへ移る方法もあります。無料枠の有無と条件は比較表の「無料プラン・無料トライアル」列で確認できます。

Q. インシデント管理は、すでに使っている課題管理ツールで代用できますか?

A. 課題管理ツールでもインシデント管理は代用できますが、複数チャネルからの連絡を自動でまとめる機能と、応答時間を数値で管理する機能は限定的なことが多い点に注意が必要です。

自社でシステムを開発・保守していて、障害の記録から修正のリリースまでを同じチケットで追いたいチームなら、新しくツールを増やさずに始められる利点があります。反対に、メール・電話・チャットで届く問い合わせの窓口業務まで担うのであれば、問い合わせ窓口の対応を一元化するタイプを選ぶか、両者を連携させる形を検討することになります。

Q. インシデント管理ツールと監視ツールは何が違いますか?両方必要ですか?

A. 監視ツールは異常を検知して知らせるところまでを担い、インシデント管理ツールは検知や申告を受けたあとの記録・担当割り当て・解決までの追跡を担います。役割が重ならないため、システムを常時稼働させる運用では両方を連携させて使うのが一般的です。

連携させる際の要点は、監視ツールのアラートを直接受けてチケット化できるかどうかです。ここが自動化されていないと、監視画面を見た担当者が手作業でチケットを起こすことになり、記録の抜けが生まれます。夜間・休日の呼び出しまで含めて自動化したい場合は、監視アラートを起点に対応チームを招集するタイプが候補になります。

Q. インシデント管理ツールは、社内ヘルプデスクと社外向けサポートの両方を1つで扱えますか?

A. 1つのツールで両方を扱えるかは製品の想定用途によって分かれ、主要なベンダーは社内IT向けと社外顧客向けで製品を分けていることが多いため、どちらを主目的にするかを先に決める必要があります。

社外の顧客対応と社内IT運用のプロセス標準化を、同じベンダーが別々の製品として出しているケースが典型です。社外向けの製品ラインに、社内IT部門向けの別ラインを併設している例もあります。

両方を1本で賄いたい場合は、社内向けの依頼・インシデント・資産の管理まで想定されているかを公式の機能紹介で確認してください。比較表の「主な想定用途」列で、社内向け・社外向け・両方のどれを想定した製品かを見分けられます。

Q. インシデント管理ツールは、セキュリティインシデントの管理にも使えますか?

A. セキュリティ事故についても、受付・記録・担当割り当て・対応状況の追跡には使えますが、脅威の検知や端末の隔離、ログの分析そのものは対象外です。

検知や分析の部分は、EDR(端末の挙動監視)やSIEM(ログの相関分析)といったセキュリティ製品、あるいは監視の専門サービスが担う領域です。外部のアラートを受けてチケット化できる製品であれば、セキュリティ製品の検知を起点に起票し、その後の対応記録と報告をインシデント管理ツール側に集約する運用が組めます。

連携できる先は製品によって差があるため、いま使っているセキュリティ製品に対応しているかを確認してください。

Q. インシデント管理ツールはITILに準拠したものを選ばないといけませんか?

A. ITILは法令や規格ではなくITサービス管理のベストプラクティスをまとめた体系であり、準拠したツールを選ばなければならないという決まりはありません。

判断が要るのは、準拠しているかどうかより「その表記が何を根拠にしているか」です。公式の認定であるAccredited Tool Vendor(ATV)に載っている製品もあれば、別団体の認証名を掲げている製品、自社の公式サイトで「ITIL準拠」とだけ述べている製品もあります。根拠の種類と製品ごとの状況は選び方の節と比較表で整理しています。

社内で説明する場面では、この根拠の違いを分けて書くと通りやすくなります。監査対応や複数部門への展開が視野にある場合を除けば、ITILの準拠状況だけで候補を絞る必要はありません。

Q. オープンソースのインシデント管理ツールを本番運用しても安全ですか?

A. オープンソースのインシデント管理ツールの安全性は、ソフトウェアそのものよりも、脆弱性が公表されたときのバージョン追随やOS・ミドルウェアの更新、バックアップの設計と検証を自社で継続できるかによって決まります。

本記事で紹介する27サービスのうち、オープンソースとして自社構築できるのは1製品で、比較表の「提供形態」列で確認できます。GPL v2のもとで配布されておりライセンス費用はかかりませんが、サーバーの調達・構築から保守までは自社の工数として発生します。

インシデント管理ツール自体が止まると障害対応そのものが止まるため、保守に人手を割けない場合は、月額1万円台から使える有償のホスティングサービスと比べて判断してください。

Q. インシデント管理ツールを乗り換えるとき、過去の対応履歴は引き継げますか?

A. 引き継げるかどうかは製品によって異なるため、移行手段の有無と、コメント・添付ファイル・ステータスの変更履歴までどこまで移せるのかを、契約前に個別に確認する必要があります。

チケットの本文と担当者は移せても、やり取りの経緯や添付ファイルが同じ形で残るとは限りません。無料トライアルの期間中に実際のデータの一部で試し、移行後に検索して過去の事象を引き出せるかまで確認しておくと安全です。完全には移せない場合、旧ツールを一定期間は参照専用で残し、新しい記録だけを新ツールに積む進め方もあります。

Q. インシデント管理ツールは導入からどのくらいで使い始められますか?

A. クラウド型なら申し込み後すぐに画面を触れる製品が多い一方で、実際の運用に載せるには、ステータス・分類・エスカレーション条件の設計と、現場が新しい画面に慣れる時間が別に必要です。

既存の運用フローが明文化されていない組織ほど設計に時間がかかり、問題管理や変更管理まで扱うタイプは設定項目が多い分だけこの工程が重くなります。無料トライアルの期間は製品によって7日間から30日間まで幅があるため、試す項目を絞ってから申し込むと無駄がありません。オンプレミス型を選ぶ場合は、サーバーの調達と構築の期間が加わります。

Q. 料金を公開していないインシデント管理ツールは、どう比較すればよいですか?

A. 実額が非公開の製品は、「課金単位」「最低契約ユーザー数」「初期費用」「超過分の単価」の4点を揃えて問い合わせると、公開されている製品と同じ土俵で比べられます。

本記事で紹介する27サービスのうち7製品は、公式サイトに実額の記載がなく個別見積もりです。加えて、無料プランだけ実額を公表し、有償プランは公式サイトに記載がない製品もあります。どの製品が該当するかは、比較表の「月額費用(課金単位)」列で確認できます。

同じ月額でも、担当者の人数で課金するのか、ユーザー数無制限の定額なのか、チケット件数やメール通数で従量課金されるのかによって総額は逆転します。見積もりを依頼するときは、現在の人数だけでなく2〜3年後に部門展開したときの想定人数と月間の件数も伝えると、比較できる形の回答が得られます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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