パワーハラスメント防止の措置が2022年4月に中小企業を含む全企業で義務となり、2026年10月1日からはカスタマーハラスメント対策も事業主の義務に加わりました。自社でハラスメント防止研修を実施する必要に迫られたものの、「社内に教えられる人がいない」「そもそも誰に頼めばよいのか分からない」と感じていないでしょうか。
外部講師に頼むといっても、依頼先は弁護士や社会保険労務士、研修会社、講師紹介会社、公的な団体まで幅広く、得意分野も費用の相場も大きく異なります。全社員向けのリテラシー教育なのか、管理職の対応力強化なのか、相談窓口担当者の実務なのか。対象者や目的に合う依頼先を、どう見極めればよいのでしょうか。
本記事では、ハラスメント防止研修の外部講師の依頼先を6つのタイプに分け、それぞれの特徴・費用相場・選び方を整理します。講師を招く方法と、eラーニングで全社員に受講させる方法の使い分けや、依頼から当日までの流れもあわせて解説します。自社の目的と予算に合う依頼先を絞り込むための材料としてご活用ください。
また、目的・対象者・予算から自社に合う手段を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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ハラスメント研修の講師を外部に依頼するには
ハラスメント防止研修は、企業が法令上の措置義務を果たすうえで中心的な取り組みの一つです。労働施策総合推進法にもとづき、2020年6月に大企業、2022年4月1日からは中小企業を含むすべての企業で、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務づけられました。
さらに2026年10月1日には同法の改正が施行され、顧客や取引先などからのカスタマーハラスメントについても、事業主が相談体制の整備などの措置を講じることが義務となっています。
ただし、法令が事業主に求めているのは相談体制の整備や方針の周知などの措置であり、研修の実施そのものが直接の義務とされているわけではありません。研修は、これらの措置を実効性のあるものにするための中心的な取り組みとして、全社員や管理職を対象に実施する企業が増えています。研修の講師を社内でまかなえない場合、外部の専門家に依頼するのが一般的な選択肢です。
外部講師の依頼先は、大きく次の6つに分けられます。法的な正確さを重視するなら弁護士・弁護士会、就業規則や労務制度と一体で設計したいなら社会保険労務士、企画から運営まで任せたいなら研修会社です。
多くの登録講師から条件に合う人を探したいなら講師紹介会社、信頼性の高い教材を低コストで使いたいなら公的団体・公的教材が候補です。講師を招く代わりに全社員へ繰り返し受講させたいなら、eラーニングでの内製という方法もあります。次章以降で、それぞれの特徴と向く企業を具体的に見ていきます。
ここで前提とした法令上の措置義務や施行時期は、以下の公的資料で確認できます。
出典・参考資料(3件)
ハラスメントに限らず、情報管理や下請法などコンプライアンス教育全体を、eラーニングでまとめて全社員に受講・管理させたいケースもあります。その場合は対象を広げて、次の記事もあわせてご覧ください。コンプライアンス研修eラーニングを料金や教材テーマで横断的に比較しています。
コンプライアンス研修eラーニングおすすめ比較29選!料金・教材テーマ・選び方を解説
コンプライアンス研修を全社員に行き渡らせたいのに、集合研修では日程調整や会場手配が追いつかず、受講記録の管理も煩雑になっていませんか。ハラスメント防止や情報セキュリティ、個人情報保護など扱うべきテーマは年々増え、法改正のたびに教材を作り直す…
依頼先タイプ別の特徴と得意分野
ここからは、ハラスメント防止研修の外部講師を頼める6つの依頼先について、得意分野・向く対象者・費用感・注意点を整理します。自社がどこに頼むべきかを判断する手がかりとしてご覧ください。まずは6タイプの得意分野と向く対象者を一覧で示します。

弁護士・弁護士会に依頼する
弁護士は、裁判例や法令にもとづいてハラスメントの線引きを解説できる点に強みがあります。どこからが違法なハラスメントにあたるのか、適正な業務指導との境界はどこかといったグレーゾーンの判断を、具体的な事案に即して示せます。管理職向けの研修や、相談窓口の担当者に判断基準を身につけてもらいたい場面に適した依頼先です。
依頼先としては、法律事務所に直接申し込む方法と、弁護士会の紹介制度を使う方法があります。弁護士会の制度では、ハラスメント問題に詳しい弁護士を紹介・派遣してもらえるため、自社に顧問弁護士がいない場合でも利用しやすいのが特徴です。一方で、研修の運営や教材のカスタマイズまでを一括で任せたい場合は、次に挙げる研修会社のほうが適することもあります。
社会保険労務士に依頼する
社会保険労務士は、就業規則やハラスメント防止規程、相談窓口の整備といった労務管理と一体で研修を設計できる点が強みです。研修を単発で終わらせず、再発防止の社内体制づくりまで見据えたい企業に適します。顧問契約を結んでいる社労士がいれば、自社の実情を踏まえた内容にしやすいでしょう。
法的な論点の深掘りよりも、日々の労務実務や制度運用に引き寄せた解説を得意とする傾向があります。裁判例の詳細な解釈まで踏み込みたい場合は、弁護士との役割分担を検討するとよいでしょう。
研修会社に依頼する(企画・運営・教材まで任せる)
研修会社は、自社でプログラムを設計・実施し、企画から当日の運営、教材やワークの準備までを一括で引き受けます。対象者別のコース設計やeラーニングとの組み合わせなど、実施の運用をまとめて任せたい企業の第一候補になります。全社員向けと管理職向けを分けて実施したい、事例をもとにしたグループワークを取り入れたいといった要望にも対応しやすいのが特徴です。
講師の指名ができるか、オンラインに対応しているか、内容をどこまでカスタマイズできるかは会社によって幅があります。複数社から提案を取り、対象者や目的への合致を見比べて選ぶとよいでしょう。
講師紹介会社(講演依頼サービス)に依頼する
講師紹介会社は、多数の登録講師の中から、テーマや予算、対象者に合う講師を仲介します。弁護士・社会保険労務士・元アナウンサー・研修講師など幅広い経歴の講師が登録しており、知名度のある講師や特定の切り口に強い講師を探しやすいのが特徴です。研修会社が自社プログラムを提供するのに対し、講師紹介会社は講師と企業のマッチングを担う点が違いです。
「誰に頼めばよいか固まっていない」段階から相談できる窓口が多く、候補の提示から日程調整までを仲介してもらえます。ただし研修内容そのものは講師個人に依存するため、教材のカスタマイズや事後フォローの範囲は、候補講師ごとに確認が必要です。
公的団体・公的教材を使う(無料の教材を含む)
厚生労働省をはじめとする公的機関や公益団体は、ハラスメント対策の研修教材や動画、セミナーを提供しています。公的なポータルサイトには、事業主向け・相談窓口担当者向け・カスタマーハラスメント対策など、対象者別の研修動画や資料を無料で利用できるものもあります。予算が限られている、まずは基礎を押さえたいという企業にとって、信頼性の高い選択肢です。
公益団体の中には、登録講師を企業へ派遣して研修を実施する団体もあります。公的な教材は自社で進行役を立てて実施する前提のものが多いため、専門家による解説やグループワークまで求める場合は、有償の依頼先と組み合わせるとよいでしょう。
eラーニングで全社員に内製受講させる
講師を招く代わりに、eラーニングで全社員に受講させる方法もあります。受講のタイミングを社員ごとに分散でき、受講状況の記録や理解度テストの管理まで一つの仕組みで行えるのが利点です。講師の登壇費や日程調整の負担を抑えながら、毎年の義務的な研修を全社員に繰り返し定着させたい企業に適した方法です。
一方で、自社の具体的な事案に踏み込んだ議論や、受講者同士の対話を通じた気づきは、対面やオンラインの講師研修のほうが得やすい面があります。全社員の底上げはeラーニング、管理職や相談窓口の実践は講師研修、といった組み合わせも実務では多く見られます。両者の使い分けは後の章で詳しく整理します。
自社がどの依頼先・手段に適しているかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも最短で候補を絞り込めるよう、目的・対象者・予算に答えるだけの選定診断ツールを以下にご用意しています。ぜひご活用ください。
自社に合う依頼先を診断する
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依頼先・サービスを比較表で見比べる
ここからは、主要な依頼先・サービスを依頼先タイプ・提供形態・主な対象者・対応するハラスメント・費用の目安・カスタマイズの可否で比較します。自社の目的と予算に照らして、候補を絞り込む際の参考にしてください。
| サービス名 | 講演依頼.com | コーエンプラス | インソース | リスキル | 産業能率大学総合研究所(SANNO) | ピースマインド | 東京弁護士会(弁護士派遣) | デイライト法律事務所 | リーサス社労士事務所 | 21世紀職業財団 | あかるい職場応援団(厚労省) | OneCompliance | CAREERSHIP | manebi eラーニング |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 依頼先タイプ | 講師紹介会社 | 講師紹介会社 | 研修会社 | 研修会社 | 研修会社 | 研修会社 | 弁護士・弁護士会 | 弁護士・弁護士会 | 社会保険労務士 | 公的団体・公的教材 | 公的団体・公的教材 | eラーニング内製 | eラーニング内製 | eラーニング内製 |
| 提供形態 | 講師派遣(対面・オンライン) | 講師派遣(対面・オンライン) | 講師派遣・公開講座・eラーニング(対面/オンライン/オンデマンド) | 講師派遣・公開講座・動画講座(対面・オンライン) | 通信研修・公開セミナー・講師派遣(一部オンライン) | 講師派遣(対面・オンライン Zoom/Teams/Webex) | 弁護士派遣(対面・50〜100分。オンラインは要確認) | 講師派遣(相談はオンライン可。研修のオンラインは要確認) | 講師派遣(出張・オンライン、全国対応) | 講師派遣(オーダーメイド研修)・公開セミナー・養成講座 | eラーニング・動画・資料(無料、自社内製向け) | eラーニング(クラウド・PC/スマホ) | eラーニング(統合型LMS・大企業向け) | eラーニング(LMS型・見放題)+集合研修 |
| 主な対象者 | 全社員・管理職・相談員(講師による) | 全社員・管理職・経営層・相談担当・顧客対応部門(講師による) | 全社員・管理職・役員・相談員・顧客対応部門 | 全社員・管理職・相談窓口担当者 | 全社員(通信)・管理者(講師派遣)・官公庁 | 全社員・管理職・経営層・相談窓口/相談対応者 | 全社員・管理職 ほか(要望に応じ調整) | 全社員・管理職(分けた実施を推奨) | 全社員・管理職(介護福祉・教育機関向けあり) | 役員・管理職・全社員・相談担当者 | 全社員・事業主・相談窓口担当者 | 全社員・管理職 | 全社員(階層別:新入社員〜管理職) | 全社員・管理職 |
| 対応ハラスメント | パワハラ・セクハラ・カスハラ ほか | パワハラ・セクハラ・カスハラ ほか | パワハラ・セクハラ・カスハラ・フキハラ・ロジハラ・就活ハラ ほか | パワハラ・セクハラ・カスハラ・就活ハラ・インシビリティ | パワハラ・セクハラ・マタハラ・カスハラ | ハラスメント全般・カスハラ・インシビリティ(+メンタルヘルス) | パワハラ・セクハラ・マタハラ・育児介護ハラスメント | パワハラ・セクハラ・マタハラ(法的側面に強み) | パワハラ・セクハラ・カスハラ・アカハラ | ハラスメント全般・パワハラ・カスハラ ほか | パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・カスハラ・就活ハラ ほか | パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ・SOGIハラ・カスハラ ほか | パワハラ・セクハラ・スメハラ・リモハラ・カスハラ・SOGIハラ | パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・カスハラ |
| 費用の目安 | 要見積もり(予算区分30万円未満〜120万円以上) | 要見積もり(金額非公開) | 公開講座1名14,300円〜/講師派遣は要見積もり | 公開講座15,000円〜・動画講座950円/名/一社研修は要見積もり(料金一律) | 通信研修9,900円・13,200円(税込)/講師派遣は要見積もり | 要見積もり(金額非公開) | 要見積もり(講師料は紹介後に担当弁護士と協議) | 数万円〜数十万円(時間・回数で変動。要見積もり) | 全国版88,000円〜/半日165,000円〜/オンライン66,000円〜(税込) | 養成講座77,000円・認定試験11,000円(税込)/研修は要見積もり | 無料 | 初期費用なし/受講者数に応じた従量課金(10名〜、要見積もり) | 教材「まなびプレミアム」1,000ID 350円/月・人〜/LMS本体は要見積もり | 初期費用100,000円/月額19,800円〜(LITE・39ID定額。STANDARD 39,800円) |
| カスタマイズ可否 | 講師により異なる(要確認) | 可(講師が目的・対象に合わせ調整) | 可(対象者別設計・事例カスタマイズ) | 可(一社研修でアレンジ、料金一律) | 可(講師派遣はカスタマイズ/通信研修は既製) | 可(対象者別に自社設計、EAP連携) | 可(テーマ・内容を要望に応じ調整) | 可(時間・回数・内容を調整) | 可(業界別・時間別。就業規則・相談窓口と一体設計) | 可(企業向けオーダーメイド研修) | 不可(既製の無料教材・動画) | 可(独自コース作成・配信/既製コースは固定) | 可(教材制作ツールeStudioで自作配信/既製教材は固定) | 可(自社教材アップロード/既製教材は固定) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は各依頼先・サービスの一般的な傾向です。実際の提供内容・費用・対応形態は、各社の最新情報をご確認ください。
講師派遣とeラーニングはどう使い分ける
ハラスメント防止研修の実施手段は、大きく「外部講師を招く」方法と「eラーニングで全社員に受講させる」方法に分かれます。どちらを選ぶかは、依頼先選びの前提となる大きな分岐です。ここでは両者の向き・不向きを整理します。
外部講師を招く方法は、自社の事案に即した解説や、受講者同士の議論を通じた気づきを得やすいのが強みです。管理職の対応力強化や、相談窓口担当者の実務研修のように、判断や対話が求められる研修に向いています。一方で、講師の登壇費や日程調整が必要で、全社員に一度に受講させるには複数回の開催が要ることもあります。
eラーニングは、全社員が都合のよい時間に受講でき、受講状況や理解度を記録・管理しやすいのが利点です。毎年の義務的な研修を全社員に繰り返し定着させたい場合に適しています。ただし、自社固有の事案に踏み込んだ議論や、その場での質疑は対面やオンライン講師に比べて限られます。
実務では、全社員の底上げはeラーニングで、管理職や相談窓口の実践研修は講師を招いて、と組み合わせる企業も少なくありません。どちらか一方に決める必要はなく、対象者と目的ごとに手段を選ぶのが現実的です。
外部講師に絞らず、eラーニングや集合研修も含めてハラスメント研修そのものを受講対象や料金で見比べたい場合は、次の記事で選択肢を幅広く整理しています。
対象者・目的別の講師の選び方
講師を選ぶ際は、「誰に」「何を身につけてもらうか」を先に決めると、依頼先タイプや講師の経歴との相性を判断しやすくなります。ここでは対象者・目的の軸と、ハラスメントの種類の軸の2つから選び方を整理します。
対象者・目的で選ぶ(全社員・管理職・相談窓口)
全社員向けの研修では、ハラスメントの定義や具体例、禁止される言動の基礎を分かりやすく伝えることが目的になります。受講者が多いため、全社員に繰り返し受講させて記録も残せるeラーニング内製や、大人数向けの講義を運営できる研修会社が向きます。まず基礎を押さえたい段階や予算が限られる場合は、公的団体の無料教材から始める方法もあります。
管理職向けでは、適正な業務指導とハラスメントの線引き、部下からの相談への初期対応など、判断を伴う内容が中心です。裁判例や具体的な事案に即して解説できる弁護士・弁護士会や、管理職研修の実績が豊富な研修会社が第一候補になります。
相談窓口の担当者向けには、相談の受け方や事実確認の進め方、プライバシーへの配慮といった実務が必要です。就業規則や相談体制の整備と一体で設計できる社会保険労務士、相談対応に強いEAP・産業保健系の研修会社、公的団体の相談担当者向け講座が候補になります。
また、従業員が数十名から百名ほどの規模であれば、1名単位で申し込める公開講座や定額制のeラーニングが費用面で現実的な選択肢になります。対象者が多いほど、1人あたりの費用を抑えやすいeラーニング内製の利点が大きくなります。
ハラスメントの種類で選ぶ(パワハラ・セクハラ・カスハラ)
研修で扱うハラスメントの種類によっても、適した講師は変わります。パワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境が害されるものという3つの要素をすべて満たすものと定義され、身体的な攻撃や過大・過小な要求など6つの代表的な類型があります。適正な業務指導との線引きを扱うため、判断基準を具体例で示せる講師が適しています。
2026年10月1日に義務化されたカスタマーハラスメント対策は、顧客や取引先など社外からの言動が対象で、社内のハラスメントとは対応の考え方が異なります。厚生労働省は、カスタマーハラスメントを次のように説明しています。
カスタマーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものです。
出典:カスタマーハラスメント対策の義務化|厚生労働省
① 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う、
② 社会通念上許容される範囲を超えた言動により、
③ 労働者の就業環境を害すること。
小売・運輸・コールセンターなど顧客対応の多い業種では、カスタマーハラスメントに特化した対応研修の需要が高まっています。現場での切り返し方や組織としての対応方針まで扱える講師を選ぶとよいでしょう。
セクシュアルハラスメントは、男女雇用機会均等法にもとづく対価型・環境型の区別や、性的指向・性自認に関する言動まで扱うため、労務と法律の両面に通じた社会保険労務士や弁護士が適しています。妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントも含め、自社で課題となっている種類を軸に講師の得意分野を確認することが大切です。
とくにカスタマーハラスメント対策を優先課題にしている場合は、カスハラに絞って研修を比較すると選びやすくなります。次の記事では、カスタマーハラスメント研修をeラーニング・集合研修の形態別に、選び方や費用もあわせて比較しています。
カスタマーハラスメント研修のおすすめ16選|eラーニング・集合研修の選び方と費用を解説
顧客や取引先からの暴言・理不尽な要求といったカスタマーハラスメントで、現場のスタッフが疲弊していませんか。従業員を守るための対策(雇用管理上の措置)は、2025年(令和7年)6月に公布された改正法によってすべての事業主の義務となり、2026…
ハラスメント研修の講師の費用相場
ハラスメント研修の講師費用には、公的に定まった市場相場はありません。大まかな目安としては、全社員向けに1人あたり1,000円前後から受講できる動画講座・eラーニングから、講師を1回招く派遣型で1回あたり数万円〜数十万円程度まで、手段によって費用感は異なります。
ここでは本記事で紹介する依頼先が公開している料金をもとに、費用のイメージを整理します。実際の費用は、依頼先への見積もりで確認することが前提です。
弁護士に依頼する場合は、ある法律事務所が研修講師の費用を公式サイトで「数万円から数十万円」と示しています。講師を派遣する研修会社や講師紹介会社は金額を公開していないことが多く、講師の知名度によっては高額になる場合もあります。
出典・参考資料(1件)
社会保険労務士では、オンライン90分で66,000円から、半日(180分)で165,000円から(いずれも税込)といった料金を公開している事務所もあります。
1名単位で受講できる公開講座では、1人あたり14,000円前後からという価格帯が見られます。動画講座やeラーニングは1人あたり1,000円前後からと、人数が多いほど1人あたりの費用を抑えやすいのが特徴です。
費用を左右する主な要因は、講師の知名度や実績、研修時間(60分・90分・半日など)、受講人数、教材やワークのカスタマイズの度合い、そして講師の交通費・宿泊費などの実費です。多くの依頼先が個別見積もりを基本としているため、同じ条件で複数社から見積もりを取り、内容と費用のバランスを見比べることをおすすめします。
依頼の流れ(問い合わせから当日まで)
外部講師への依頼は、初めてでも次の流れで進められます。各段階で何を決め、何を伝えるかを押さえておくと、研修の質を高めやすくなります。

まず、研修の目的・対象者・人数・希望日程・予算を整理し、依頼先に問い合わせます。この段階で「誰に何を身につけてもらいたいか」を具体的に伝えると、依頼先からの提案の精度が上がります。次に、依頼先から提案される講師の経歴や研修内容、見積もりを比較し、候補を数社に絞り込みます。
講師が決まったら、自社の業種や過去の事案、就業規則の内容などを共有し、研修内容をすり合わせます。事例やワークを自社の実情に合わせてもらうことで、「形だけ」で終わらない実効性のある研修になります。当日は研修を実施し、終了後はアンケートや理解度テストで効果を確認し、次年度以降の計画につなげるのが一般的な流れです。
紹介するサービス・依頼先
ここからは、依頼先タイプごとに主なサービス・依頼先を紹介します。自社の目的・対象者・予算に照らして、問い合わせ先の候補を具体的に検討する際の参考にしてください。
講師紹介会社(講演依頼サービス)の主なサービス
多数の登録講師から条件に合う講師を仲介する、講師紹介・講演依頼サービスです。
1. 講演依頼.com(株式会社ペルソン)

全ジャンルの講師・講演者を企業や自治体に紹介する講師紹介代理店が運営するサービスで、ハラスメント防止をテーマにした特集ページから講師を探せます。依頼者が目的や対象、希望する講師のイメージを相談すると、エージェントが条件に合う候補を提案する仕組みです。
公式ページによると、全ジャンル合計での登録講師は約9,700人、講演実績は累計36,700件にのぼります(いずれも運営会社による公表値)。ハラスメントのテーマを「組織・企業内ハラスメント対策」と「カスタマーハラスメント対策」に分け、弁護士・公認心理師・クレーム対応コンサルタントなど、依頼先タイプを横断して候補を見比べられます。
相談は無料で、気になる講師を最大10人までショートリスト化できます。講演料は講師ごとに異なり、公式ページでは予算区分(30万円未満〜120万円以上)が検索条件として示されるのみで、具体的な金額は候補講師ごとに見積もりで確認する必要があります。オンライン講演にも対応しています。
2. コーエンプラス(株式会社オフィス愛)

ハラスメント防止研修で依頼の多い外部講師を、目的や対象者別に整理して紹介しているのが、講師紹介代理店コーエンプラス(株式会社オフィス愛)のページです。弁護士・社会保険労務士・研究者・心理カウンセラー・元アナウンサーなど、タイプの異なる講師を一覧で見比べられます。
「全社員」「管理職」「相談担当者」「経営層」「顧客対応部門」といった対象者別の早見表と、目的・対象・予算の3軸で講師を絞り込む選び方が示されており、誰に何を頼めばよいか迷う段階からの相談も受け付けています。
講演料や研修費の具体的な金額は公式ページに記載がなく、講師の知名度や実績、研修時間(60分・90分・半日など)、交通費・宿泊費といった実費によって幅が出るとしています。相談は公式LINE・電話・問い合わせフォームから無料で行え、多くの講師がオンライン・オフラインの両方に対応します。
研修会社の主なサービス
企画から運営、教材の準備までを一括で引き受ける研修会社です。対象者別のコース設計や運用の代行を任せたい企業に向いています。
3. インソース ハラスメント防止研修(株式会社インソース)

東証プライムに上場する企業研修会社の株式会社インソースは、ハラスメント防止研修を、講師を派遣する一社研修・1名から参加できる公開講座・動画教材やeラーニングといった複数の形態で提供しています。企画から対象者別の設計、事例のカスタマイズ、運営までを研修会社として一括で引き受けられる点が、講師を仲介する紹介型とは異なります。
ハラスメント領域だけでも、基礎知識・管理職向け・役員向け・相談員向け・一般職向けのほか、業界別のカスタマーハラスメント対策やフキハラ(不機嫌ハラスメント)、ロジカルハラスメントなど、対象者やテーマごとにプログラムが分かれています。全社員から経営層、相談窓口の担当者まで、受講者に合わせて研修を組み立てられます。
講師派遣(一社研修)の料金は公式サイトに掲載がなく、見積もりで確認する形です。一方、公開講座は1名から受講でき、「管理職向けカスタマーハラスメント対策研修」は14,300円といった料金が示されています。人財育成スマートパックやマンデー割引、助成金の活用など、費用を抑える制度も用意されています。
4. リスキル ハラスメント研修(株式会社リスキル)

株式会社リスキルのハラスメント研修は、「どの研修でも、何人でも料金一律」という料金体系を掲げている点が目印です。参加人数や内容のアレンジによって追加費用が出にくく、受講者数がまだ固まっていない段階でも予算の見通しを立てやすくなっています。企画・運営は任せつつ、費用を読みやすくしたい企業に向く依頼先です。
一社研修には、半日で学ぶハラスメント対策研修、管理職向けの「ハラスメントにならない指導方法研修」、カスタマーハラスメント相談窓口担当者向けの相談の受け方研修などがあります。動画講座では、管理職向けのハラスメント対応研修や就活ハラスメント防止研修、インシビリティ研修も扱っています。
一社研修は講師派遣とオンラインのどちらにも対応し、個別の金額は見積もりで案内されます。受講形態ごとの料金として、1名単位で参加する公開講座は15,000円から、動画講座は1講座1名あたり950円と公式サイトに示されています。
5. 産業能率大学総合研究所(SANNO)のハラスメント研修(学校法人産業能率大学 総合研究所)

産業能率大学の教育機関である総合研究所(SANNO)は、ハラスメント関連の学びを、通信研修・公開セミナー・講師派遣(インカンパニー研修)の3つの形態で用意しています。全社員の基礎学習は自己学習型の通信研修、管理職向けは講師派遣、というように対象や予算に応じて形態を選び分けられます。
通信研修は受講料が公開されており、「1から学ぶ! セクハラ・パワハラ・マタハラ防止」が9,900円(税込)、「1から学ぶ! カスタマーハラスメント防止」が13,200円(税込、2026年4月開講)です。費用の見通しが立てやすいため、研修の予算が限られる場合の選択肢になります。
講師派遣では、「管理者が必ず知っておきたい パワーハラスメント防止研修」を官公庁・自治体職員向けに4時間で実施するなど、対象者に合わせてカリキュラムを組みます。2019年のパワーハラスメント関連法の改正や2026年のカスタマーハラスメント対策に対応した内容で、派遣型の料金は内容・時間・人数に応じた見積もりとなります。
6. ピースマインド ハラスメント対策研修(ピースマインド株式会社)

ピースマインド株式会社は、EAP(従業員支援プログラム)やメンタルヘルス支援を本業とし、その知見をもとにハラスメント対策研修を手がけています。研修は対面とオンライン(Zoom・Teams・Webex)の両方に対応しており、全国どこからでも参加できます。
ラインナップは、全社員向けの防止研修、管理者向け・経営層向けの研修、相談窓口・相談対応者向けの研修、行為者に個別対応するハラッサーコーチング、カスタマーハラスメント対応力向上研修など、対象者や目的ごとに分かれています。プログラムは心理学・行動科学の知見をもとに自社で設計されています。
研修後にストレスチェックやEAPの個別カウンセリングと連携してフォローでき、ハラスメント相談窓口の外部委託とあわせて運用できることが、研修を単発で依頼する依頼先との違いです。料金は公式サイトに掲載がなく見積もりとなり、2026年版のプログラムカタログ(PDF)も提供されています。
弁護士・弁護士会への依頼先
裁判例や法令にもとづく解説に強い、弁護士・弁護士会による研修の依頼先です。
7. ハラスメント防止研修・弁護士派遣(東京弁護士会)

東京弁護士会の弁護士紹介センターが、ハラスメント問題に詳しい弁護士を企業・労働組合・民間団体へ派遣する防止研修です。個別の講師名は事前に公開されず、申込後に弁護士会が条件に合う弁護士を紹介するマッチング型のため、自社に顧問弁護士がいなくても公的な窓口から依頼できます。
対象はセクハラ・パワハラ・マタハラ・育児介護ハラスメントで、基礎知識の解説に加え、弁護士の実務経験にもとづく具体的な事例や被害者の声を扱います。ロールプレイ・セルフチェック・クイズといった参加型の内容を組み込み、所要時間は50〜100分程度で、要望に応じて調整してもらえます。
申込はWEBフォームまたはFAX・郵送で年間を通して受け付けています。講師料は、紹介を受けた弁護士へ申込者が直接支払う建て付けで、公式サイトに金額の記載はありません。具体的な費用は、紹介後に担当する弁護士との間で確認することになります。
8. ハラスメント研修(弁護士法人デイライト法律事務所)

労働問題に注力する弁護士が外部講師を務める、弁護士法人デイライト法律事務所のハラスメント研修です。法律事務所へ直接申し込む形で、裁判例や使用者の義務といった法的な論点まで踏み込んだ内容を組み立てられます。セクハラ・パワハラ・マタハラそれぞれの研修ポイントを解説できる点が特徴です。
適正な業務指導とハラスメントの線引きなど、グレーゾーンの判断を実務経験にもとづいて示せることが強みといえます。企業向けの初回相談は60分無料で、電話または問い合わせフォームから24時間予約でき、オンライン相談にも対応します。
研修講師の費用について、同事務所は「数万円から数十万円」という幅広い相場を公式ページで示しています。具体的な料金は研修の時間・回数によって変わるため、担当弁護士への見積もり依頼が前提です。
出典・参考資料(1件)
社会保険労務士への依頼先
就業規則や相談窓口の整備と一体で研修を設計できる、社会保険労務士による依頼先です。
9. ハラスメント防止研修(リーサス社労士事務所)

社会保険労務士が直接講師を務める、講師派遣型のハラスメント防止研修です。リーサス社労士事務所が全国対応(出張・オンライン)で、パワハラ・カスハラ・セクハラ防止を管理職・一般職向けに提供しています。介護・福祉業界向けや教育機関向け(アカハラを含む)など、業界別のメニューも用意されています。
社労士が担う強みは、就業規則や相談体制の整備と一体で研修を設計できる点にあります。外部相談窓口の委託と研修をセット契約すると20%割引が適用されるなど、措置義務への対応をまとめて相談できます。内容は最新の法令・判例・事例にもとづく実務型です。
費用の見通しという点では、公式サイトに地域・時間別の料金を明示しています。全国版のおまかせコースは88,000円〜、オンライン研修(90分)は66,000円〜、半日研修(180分)は165,000円〜(いずれも税込)です。地域により交通費・宿泊費が別途かかる場合があるため、最新額は見積もりで確認が必要です。
公的団体・公的教材
信頼性が高く、無料または低コストで利用できる公的団体の研修・教材です。
10. ハラスメント防止研修・コンサルタント養成講座(公益財団法人21世紀職業財団)

男女雇用機会均等法の施行を契機に1986年に設立された公益財団法人21世紀職業財団は、ダイバーシティ推進とハラスメント防止を主要事業に据えています。企業向けのオーダーメイド研修に加え、個人参加できる公開セミナーや資格認定制度も設けています。
研修メニューには、役員・管理職・全従業員を対象とするハラスメント全般研修(1.5〜3時間)、相談担当者向けの相談対応研修(3〜6時間)、カスタマーハラスメント対策研修などがあり、対象者や所要時間を選んで依頼できます。講師を招いて実施してもらう形が中心です。
これらの研修メニューの料金は公式ページに記載がなく要問い合わせですが、ハラスメント防止コンサルタント養成講座(受講料77,000円・税込、テキスト代別)と認定試験(受験料11,000円・税込)は実額が公開されています(2026年10月時点、公式サイト)。社内に相談・対応の専門人材を育てたい企業にも向きます。
11. あかるい職場応援団(厚生労働省)

もう一つの公的な選択肢が、厚生労働省が運営するポータルサイト「あかるい職場応援団」です。ハラスメント対策の研修動画や啓発資料を無料で入手でき、国の施策として提供されているため、民間サービスのような料金はかかりません。
研修動画は事業主向け・相談窓口担当者向けのほか、カスタマーハラスメント対策・就活ハラスメント対策のテーマが2026年3月に更新されています。改正労働施策総合推進法の施行に伴う説明資料(PDF)、宅配業などの業種別教材、オンライン研修講座、大学等向けの無料講師派遣もそろっています。
外部講師を招かず、自社内で研修教材として使いたい企業に向いた無料の選択肢です。動画や資料の一部はダウンロードにも対応しており、出典の明記などの利用条件を各ページで確認したうえで、社内の勉強会や研修に活用できます(2026年10月時点)。
eラーニングで内製受講できるサービス
講師を招かず、全社員に繰り返し受講させて受講状況まで管理できるeラーニングです。
12. OneCompliance(株式会社Oyster)

ハラスメント予防のコースを、管理職向け(約70分)と全従業員向け(約64分)に分けて用意しているのが、コンプライアンス研修特化型eラーニングのOneComplianceです。パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ・SOGIハラのほか、オンライン上のハラスメントまでを扱い、管理職向けには監督責任・安全配慮義務の解説も含みます。
2026年10月に義務化されたカスタマーハラスメントについても、「規制と事業者の義務」「事業者間のカスハラ」「クレーム・カスハラ対応」の3コースを別立てで提供しています。いずれも数分単位のマイクロラーニング形式で、PC・スマートフォンのどちらからでも受講でき、確認テストで理解度を確かめながら進められます。
受講状況は管理画面で一元的に把握でき、CSVでの出力や、期限までに終わっていない受講者への自動リマインドにも対応します。初期費用はかからず、受講者数に応じた料金で10名から利用でき、本契約前に機能を試せる無料トライアルも用意されています。講師を招かずに、毎年の研修を全社員へ繰り返し受講させたい企業に向く選択肢です。
13. CAREERSHIP(株式会社ライトワークス)

大企業向けの統合型LMS(学習管理システム)で、グループ会社を含む複雑な組織への配信・権限管理に対応します。運営は株式会社ライトワークス。eラーニングの定額教材「まなびプレミアム」と連携し、300タイトル・1,000本以上の教材を配信できる構成です。
この教材群のなかにハラスメント対策シリーズがあり、パワハラ・セクハラのほか、スメハラ・リモハラ・カスハラ・SOGIハラまで類型を広くカバーします。1教材あたり3〜5分のマイクロ形式で、新入社員から管理職まで階層別に、全社員への一括展開を前提とした運用ができます。
教材のまなびプレミアムは1,000ID規模で1人あたり月額350円からと大企業向けの価格設計で、1,000名以下の企業には別ラインのCAREERSHIP GROWTHが用意されています。LMS本体の料金は要問い合わせです。全社の教育基盤を一本化したうえで、ハラスメント研修もその中で運用したい企業に向きます。
14. manebi eラーニング(株式会社manebi)

2,100コース・10,000本以上(オプション動画を含む)の教材を月額定額で見放題にできるのが、株式会社manebiのAI搭載LMS「manebi eラーニング」です。旧称はplayse.(プレース)ラーニングで、2024年5月に現名称へ変わりました。コンプライアンスからビジネススキルまで幅広い教材の一つとして、ハラスメント研修を含みます。
ハラスメント研修の講座では、ハラスメント基礎やセクハラ対策に加え、「厳しい指導か?パワハラか?」「カスハラ対応と対策」などを扱います。コンプライアンス研修ページでは、パワハラ防止対策が大企業で2020年6月、中小企業で2022年4月から義務づけられた点を明示し、「パワハラ防止法と企業が行うべき措置」の講座も用意しています。
全社員向けのeラーニング(40〜60分)に加え、2時間の集合研修や管理職向けコースもあり、対象者ごとに組み合わせられます。料金は初期費用100,000円、月額はLITEプランが19,800円・STANDARDプランが39,800円で、いずれも39IDまで定額で利用でき、導入前に試せる無料デモも用意されています。
まとめ
ハラスメント防止研修の外部講師は、弁護士・弁護士会、社会保険労務士、研修会社、講師紹介会社、公的団体・公的教材、そしてeラーニングでの内製と、依頼先によって得意分野も費用も異なります。まずは「誰に」「何を身につけてもらうか」を決め、対象者・目的・予算に合う依頼先を絞り込むのが近道です。
全社員の底上げにはeラーニング、管理職や相談窓口の実践には講師研修、というように手段を組み合わせる方法も有効です。複数の依頼先から見積もりと提案を取り、自社の実情に合わせたすり合わせができるかを確認して選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. ハラスメント防止研修の講師はどこに依頼できますか?
A. ハラスメント防止研修の講師の依頼先は、弁護士・弁護士会、社会保険労務士、研修会社、講師紹介会社、公的団体・公的教材、そしてeラーニングでの内製の大きく6つに分かれます。
法的な正確さを重視するなら弁護士、就業規則や相談体制の整備と一体で設計したいなら社会保険労務士、企画から運営まで任せたいなら研修会社が候補です。多くの登録講師から選びたいなら講師紹介会社、低コストで基礎を押さえたいなら公的団体・公的教材、全社員に繰り返し受講させたいならeラーニングが向いています。
Q. ハラスメント防止研修の講師費用の相場はどのくらいですか?
A. ハラスメント研修の講師費用に公的な市場相場はなく、依頼先への個別見積もりが基本です。金額は講師の知名度・実績、研修時間、受講人数、教材やワークのカスタマイズの度合い、交通費などの実費によって変わります。
1名から参加できる公開講座は1人あたり14,000円前後から、動画講座・eラーニングは1人あたり1,000円前後からと、人数が多いほど1人あたりの費用を抑えやすい傾向があります。同じ条件で複数社から見積もりを取り、内容と費用のバランスを見比べることをおすすめします。
Q. ハラスメント防止研修は弁護士と社会保険労務士のどちらに依頼すべきですか?
A. 法令や裁判例にもとづくグレーゾーンの線引きを重視するなら弁護士、就業規則や相談窓口の整備と一体で研修を設計したいなら社会保険労務士が向いています。弁護士は、適正な業務指導とハラスメントの境界を具体的な事案に即して示せるため、管理職向けや相談窓口担当者向けの研修に適します。
社会保険労務士は、日々の労務実務や制度運用に引き寄せた解説を得意とし、再発防止の社内体制づくりまで見据えたい企業に向いています。法的な論点の深掘りと労務制度との一体設計の両方を求める場合は、両者の役割分担を検討するとよいでしょう。
Q. 依頼する講師が決まっていなくても、ハラスメント防止研修の相談はできますか?
A. 「課題は感じているが、誰に頼めばよいか分からない」という段階からでも相談できます。多くの講師紹介会社や研修会社は、研修の目的・対象者・予算を伝えると条件に合う候補を提案する窓口を設けており、候補の提示から日程調整までを仲介してもらえます。問い合わせの前に「誰に何を身につけてもらいたいか」を整理しておくと、提案の精度が上がります。
Q. ハラスメント防止研修はオンラインでも実施できますか?
A. 多くの講師・研修会社が、オンラインと対面(集合研修)の両方に対応しています。Zoomなどを使うオンライン形式は、拠点が分散している企業や全国の従業員を対象にする場合に適しています。希望する実施形式は問い合わせの段階で伝えておくとスムーズです。
Q. ハラスメント防止研修の内容は自社に合わせてカスタマイズできますか?
A. 研修会社や多くの講師は、対象者の職種や自社の事案に合わせて、事例やワークの内容を調整できます。自社の業種・過去の事案・就業規則の内容を共有すると、「形だけ」で終わらない実効性のある研修になりやすくなります。ただし、カスタマイズできる範囲は依頼先や講師によって幅があり、公的な無料教材は自社で進行役を立てて使う前提のものが多いため、どこまで調整できるかを事前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 急ぎでもハラスメント防止研修の講師を手配できますか?
A. 講師のスケジュール次第ですが、まずは相談してみることをおすすめします。希望日程・対象者・人数を早めに伝えるほど、調整の余地は広がります。特定の講師にこだわらない場合は、定期的に開催されている公開講座を利用することで、自社都合の日程調整を待たずに受講できることもあります。
Q. 2026年10月に義務化されたカスタマーハラスメント対策には、どのような研修が必要ですか?
A. 2026年10月1日から、顧客や取引先など社外からのカスタマーハラスメントについても、事業主が相談体制の整備などの措置を講じることが義務となりました。カスタマーハラスメントは社内のハラスメントとは対応の考え方が異なるため、現場での切り返し方や組織としての対応方針まで扱える講師・教材を選ぶとよいでしょう。
小売・運輸・コールセンターなど顧客対応の多い業種では、カスタマーハラスメントに特化した対応研修の需要が高まっています。
Q. ハラスメント防止研修は、講師を招くのとeラーニングのどちらがよいですか?
A. 判断や対話が求められる管理職・相談窓口担当者には講師を招く研修、全社員への基礎知識の反復・定着にはeラーニングが向いており、両者を組み合わせる方法も有効です。講師を招く研修は、自社の事案に即した解説や受講者同士の議論を通じた気づきを得やすい一方、登壇費や日程調整が必要です。
eラーニングは、全社員が都合のよい時間に受講でき、受講状況や理解度を記録・管理しやすい反面、その場での質疑は対面やオンライン講師に比べて限られます。どちらか一方に決める必要はなく、対象者と目的ごとに手段を選ぶのが現実的です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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