SIEM(Security Information and Event Management:セキュリティ情報イベント管理)の導入を決めたものの、要件定義や検知ルールの設計、導入後の24時間監視まで自社だけでこなせるか不安を感じていませんか。製品を選ぶ以前に、「どこまでを・誰に任せられるのか」が見えず、依頼先の検討が進まないという担当者は少なくありません。
SIEMの導入支援サービスは、会社によって任せられる範囲が大きく異なります。要件定義から構築までを支援して運用は自社に引き継ぐタイプもあれば、導入後の監視・運用まで一体で請け負うタイプもあります。この違いを押さえないまま相談を始めると、「構築はしてくれたが運用で行き詰まった」という失敗につながりやすくなります。
本記事では、SIEMの導入・構築・運用を支援する主要なサービスを比較し、支援の範囲・費用相場・依頼先の選び方を解説します。「構築だけ任せたいのか、運用監視まで任せたいのか」という軸で整理し、自社の体制と予算に合う支援先を見極めるための材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて適した支援タイプを最短で確かめられるよう、「30秒でわかるSIEM導入支援タイプ診断」もご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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SIEM導入支援とは
SIEM導入支援とは、SIEMの要件定義・設計・構築から、場合によっては導入後の監視・運用までを、専門の事業者が代わりに、あるいは伴走して担うサービスです。SIEM製品そのものを売るのではなく、「製品を自社の環境で使いこなせる状態にする」ことを支援する点に特徴があります。
SIEMは、サーバーやネットワーク機器、セキュリティ製品、クラウドサービスなど社内の各所に分散したログを一か所に集め、横断的に突き合わせて分析することで、単体のログでは気づけない攻撃の兆候を検知する仕組みです。
複数のログから共通する項目を抽出して相関を取るのが中核の働きで、この相関分析を正しく機能させるには、自社の環境に合わせた検知ルールの設計とチューニングが欠かせません。導入支援は、この設計・構築の専門性を補う役割を担います。
SIEMと、PC操作ログの取得や資産管理を主目的とする一般的なログ管理システムは、集めるログの範囲や得意な用途が異なります。両者の違いやログ管理製品の選び方から整理したい場合は、以下の記事もご覧ください。
ログ管理システムとは?タイプ別の違い・選び方とおすすめ製品を比較
「誰が、いつ、どのファイルを持ち出したのか」を後から追えないまま、内部不正や情報漏えいのリスクを抱えていないでしょうか。PC・サーバー・ネットワーク機器の操作記録=ログを集めて保管・分析するのがログ管理システムですが、製品によって集められる…
どこまで任せられるか(支援範囲のフェーズ)
SIEM導入支援でどこまで任せられるかは、次のフェーズのうち「どこからどこまでを依頼するか」で決まります。会社によって、構築までで区切る場合と、運用監視まで続けて請け負う場合があります。
| フェーズ | 主な作業内容 | 一般的な担い手 |
|---|---|---|
| 要件定義 | 守りたい対象・検知したい脅威の整理、機能・非機能要件の洗い出し | 支援会社+自社 |
| 監視設計・検知ルール設計 | 監視対象のログ・機器の選定、検知ルールやダッシュボードの設計 | 支援会社 |
| 構築・試験 | SIEM基盤の構築・設置、検知ルールの実装、動作試験 | 支援会社 |
| 運用設計・引き継ぎ | 運用手順書の作成、運用トレーニング、自社への引き継ぎ | 支援会社+自社 |
| 運用監視 | 24時間365日の監視、アラートの分析・対応、検知ルールの継続調整 | 自社、または運用まで請け負う支援会社 |
要件定義から構築・試験までは、多くの支援会社が標準的に対応します。分かれ目になるのは運用監視のフェーズで、ここを自社で担うのか、支援会社に継続して任せるのかが、依頼先選びの最初の分岐点になります。この違いは後述の「2つのタイプ」で整理します。
導入の進め方と期間の目安
導入は、ヒアリング・環境調査から要件定義、設計・構築、試験、運用開始支援へと段階的に進むのが一般的です。重要度の高いログや機器から対象にして、段階的に監視範囲を広げる「スモールスタート」の進め方を採る会社もあり、初期の負荷を抑えながら早期に運用を始められます。
導入から運用開始までの期間は、各社が公表する実績をみると、おおむね2か月から4か月程度が一つの目安です。監視対象の範囲が広く、扱うログの種類や量が多いほど、設計・試験に時間がかかり、規模によっては半年程度を要する場合もあります。標準的な構成をパッケージ化して期間を短縮する支援もあるため、急ぐ場合は導入期間の実績を確認するとよいでしょう。
SIEMは導入より運用が難しい|導入支援・運用委託が必要になる理由
SIEMは、導入して稼働させれば終わりではありません。むしろ運用を始めてからが重要で、ここでつまずく企業が多いのが実情です。導入支援や運用委託が必要とされる背景には、次のような運用面の難しさがあります。
第一に、アラートのチューニングです。導入直後のSIEMは、正常な通信まで脅威として検知する誤検知(過検知)が多く発生します。これを自社の環境に合わせて調整し、本当に対応すべきアラートだけが上がる状態にするには、ログと攻撃手法の両方に関する専門知識が必要です。
第二に、監視体制の確保です。攻撃は深夜や休日も止まらないため、検知したアラートを分析し対応につなげるには、24時間365日の監視体制が欠かせません。扱うログの種類が多いほど分析は複雑になり、どのアラートを優先するかを判断するスキルも求められます。専任のアナリストを自社で確保・育成し続けるのは、多くの企業にとって負担が大きいのが現実です。
第三に、守るべき脅威の変化です。IPA(情報処理推進機構)が公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威として「ランサム攻撃による被害」が1位、「機密情報を狙った標的型攻撃」が5位に挙げられています。
こうした巧妙化する攻撃を検知し続けるには、検知ルールの最適化を継続する必要があります。導入時に組んだルールを放置すると、SIEMが形骸化して「入れたのに使えていない」状態になりかねません。
出典・参考資料(1件)
こうした運用の難しさがあるため、構築までを支援会社に任せて運用は自社で担うか、運用監視まで含めて委託するかを、導入の計画段階で決めておくことが重要になります。
SIEM導入支援の2つのタイプ(どこまで任せるか)
SIEM導入支援は、任せる範囲によって大きく2つのタイプに分けられます。「構築まで任せて運用は自社で担うのか」「運用監視まで一体で任せるのか」という軸で、自社に合うタイプを見極めましょう。先ほどの5つのフェーズのうち、どこまでを支援会社に任せるかを2タイプで示すと次のとおりです。

| タイプ | 導入・構築を任せるタイプ(運用は自社・内製化) | 運用監視まで任せるタイプ(マネージドSIEM/MSS) |
|---|---|---|
| 任せる範囲 | 要件定義〜監視設計〜構築・試験まで。運用は自社で担うか、内製化支援で引き継ぐ | 導入に加え、24時間365日の監視・アラート分析・チューニング・運用代行まで継続 |
| 向いている企業 | 自社に運用の体制・人材があり(または育てたく)、構築の専門性だけを補いたい企業 | 監視・運用の人手が足りず、検知後の対応まで含めて外部に任せたい企業 |
| 該当する主なサービス | NTTデータ先端技術、日立ソリューションズ、SCSKセキュリティ、EY、クラスメソッド、ソフトクリエイト | NRIセキュア、ラック、伊藤忠テクノソリューションズ、クレスコ、PFU、三井物産セキュアディレクション |
※上記は各タイプの一般的な傾向です。会社ごとの実際の支援範囲や対応製品は、後述の比較表と各社の情報をご確認ください。
どちらのタイプでも、対応するSIEM製品が特定の製品に限られる会社と、製品を選ばず複数のSIEMに対応する会社があります。すでに導入する製品が決まっている場合は、その製品に対応・特化しているかが重要な確認点になります。製品との関係は「対応SIEM製品で選ぶ」で後述します。
SIEM導入支援の費用相場
SIEM導入支援には、すべての会社に当てはまる一律の費用相場を示しにくい事情があります。費用が、収集するログの量・監視対象の機器の種類・利用するSIEM製品・既存の設定状況によって変わるため、多くの会社が料金を公表せず個別見積もりとしているためです。
そこで、相場の数字そのものよりも、費用がどんな項目で構成されるかを押さえておくと、見積もりを比較しやすくなります。費用は大きく次の2つに分かれます。
- 初期費用:要件定義・監視設計・構築・試験にかかる費用。構築までを任せるタイプではここが中心になります。
- 継続費用:SIEM製品のライセンス、ログを保管するストレージ、運用監視を委託する場合の月額費用。運用監視まで任せるタイプでは、この月額が継続的に発生します。
構築までのタイプは初期費用が中心になる分、その後の運用コスト・人材コストを自社で見込む必要があります。運用監視まで任せるタイプは月額の運用費がかかりますが、自社で24時間365日の監視チームを抱える人件費と比べて検討できます。
実額を公表している会社はごく一部です。数少ない例として、国産SIEMとID認証基盤(IDaaS)をパッケージ化した構成で、初期費用312万5,000円から、年額費用432万5,000円からという参考価格が公表されています(利用者500ID、クラウド版で1日あたり5GBのログ取得を前提とした場合。2026年10月時点)。
ただしこれは認証基盤を含む特定構成の一例で、SIEM導入支援そのものの費用目安として一般化できる数字ではありません。見積もりを取る際は、どのログを・どれだけ・どの製品で扱う前提なのかを揃えて比較することが大切です。
SIEM導入支援・依頼先の選び方
ここからは、SIEM導入支援の依頼先を絞り込むための確認観点を解説します。自社の状況に当てはめながら読み進めてください。
対応SIEM製品で選ぶ(製品に紐づく支援か・製品非依存で任せられるか)
支援会社は、特定のSIEM製品に特化した会社と、製品を選ばず複数のSIEMに対応する会社に分かれます。導入する製品がすでに決まっている場合は、その製品の導入・構築に実績のある会社を選ぶと、設計の勘所を踏まえた支援を受けやすくなります。一方、製品選定から相談したい、あるいは自社に最適な製品を中立的に提案してほしい場合は、複数製品に対応する製品非依存の会社が候補になります。
製品選びと支援会社選びは連動します。製品を先に決めてしまうと支援会社の選択肢が狭まり、逆に支援会社を先に決めると扱える製品に縛られることもあります。どちらを先に決めるかは、自社のこだわり(特定製品の指定があるか)と、提案をどこまで任せたいかで判断するとよいでしょう。
支援範囲と運用体制で選ぶ(構築まで任せるか/運用監視まで任せるか)
最も重要な確認点が、どこまで任せるかです。自社に運用できる人材がいるか、24時間365日の監視体制を自前で持てるかを基準に、構築までを依頼するのか、運用監視まで委託するのかを決めることが重要です。運用の手が足りない場合は、運用監視まで一体で請け負うタイプを選ぶと、導入後の対応まで任せられます。
将来的に自社で運用したい場合は、運用設計や運用トレーニング、内製化支援に対応しているかを確認しましょう。構築して引き渡すだけでなく、自社の担当者がルールの調整やダッシュボードの見方を習得できるよう支援する会社であれば、導入後に運用が形骸化するリスクを抑えられます。検知ルールのチューニングに継続して対応してもらえるか、相談窓口があるかも、運用でつまずかないための確認点です。
実績・資格・サポート体制で選ぶ
SIEMの設計・運用には高度な専門性が求められるため、支援会社の実績と体制も確認します。自社と同じ業種・規模での導入実績があるか、対象製品の設計・構築の経験が豊富かは、提案の具体性に表れます。運用監視まで任せる場合は、監視を担うアナリストの専門資格や、SOC(セキュリティ監視を担う専門組織)の運用実績が、検知・対応の質を左右します。
加えて、問い合わせへの対応時間帯や、重大なインシデントが起きたときの連絡・対応の流れも確認しておくと安心です。契約前に、どのような報告(月次・四半期のレポートなど)を受けられるかを具体的に聞いておくと、導入後のギャップを防げます。
とはいえ、構築まで任せるか運用監視まで任せるか、自社にどちらが向くか迷うこともあります。いくつかの質問に答えるだけで、自社に合う支援タイプの見当をつけられる診断を以下にご用意しました。候補を絞り込む出発点としてお使いください。
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【比較表】SIEM導入支援サービスを横並びで比較
ここからは、自社の支援範囲・予算に合わせた比較・選定ができるよう、主要なSIEM導入支援サービスを、任せる範囲で分けた2つのタイプ別に比較します。対応SIEM製品・支援範囲・提供形態・費用の目安・導入期間を横並びで確認できます。
導入・構築を任せるタイプの比較
| サービス名 | INTELLILINK SIEMセキュリティ監視・運用サービス (NTTデータ先端技術) | データ分析プラットフォーム Splunk (日立ソリューションズ) | FortiSIEM導入支援サービス (SCSKセキュリティ) | CrowdStrike Falcon LogScale/Next-Gen SIEM導入・運用支援 (EY) | Splunk Cloud導入支援 (クラスメソッド) | SIEM導入スタートパック for HENNGE (ソフトクリエイト) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応SIEM製品 | 明記なし (要お問い合わせ) | Splunk (Splunk Enterprise Security) | FortiSIEM | CrowdStrike Falcon LogScale/Next-Gen SIEM | Splunk Cloud | ALog(網屋) +HENNGE One(IDaaS) |
| 支援範囲 | 企画・要件定義〜監視設計〜構築・試験〜運用導入支援(運用設計・定着化) | プラン検討〜PoC〜本番導入〜運用支援 | 設計・構築(運用支援は個別対応) | 設計・構築〜運用設計〜運用支援 | オンボーディング/構築/運用技術支援(必要なメニューを選択) | 要件定義〜設計・構築〜検知ルール適用〜チューニング |
| 提供形態 | 要お問い合わせ | オンプレミス/クラウド(両対応) | オンプレミス/VM/クラウド/SaaS | オンプレ・クラウドのログを集約 | クラウド(SaaS) | オンプレミス/クラウド(両対応) |
| 費用の目安 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 初期312万5,000円〜/年額432万5,000円〜 (参考価格・500ID/5GBログ前提) |
| 導入期間の目安 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 約3〜4カ月 (導入フェーズ。環境・ログ量で変動) | 要お問い合わせ | 標準構成で約2か月 (環境・要件で変動) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
運用監視まで任せるタイプの比較
| サービス名 | SIEM監視サービス (NRIセキュアテクノロジーズ) | JSOC xPDR Advanced (ラック) | CTC-MSS (伊藤忠テクノソリューションズ) | マネージドセキュリティサービス for SIEM/Creage SIEM+ (クレスコ) | セキュリティ運用サービス (PFU) | MBSD-SOC (三井物産セキュアディレクション) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応SIEM製品 | Splunk Enterprise/Splunk Cloud Platform/Cortex XSIAM/CrowdStrike Falcon Next-Gen SIEM | Splunk (ラック提供のクラウド型SIEM) | Microsoft Sentinel/CrowdStrike Falcon Next-Gen SIEM/Splunk (サービスにより異なる) | Sumo Logic/Microsoft Sentinel/Splunk (構築はSumo Logic・Sentinel) | 明記なし (SIEMは監視対象製品の一つ) | 非公開 (専用SIEM基盤に集約) |
| 支援範囲 | 導入・運用代行〜24時間365日監視 (AI+SOCアナリスト) | SIEM基盤・ライセンス提供〜24時間365日の監視・分析・対応支援 (基盤構築は不要) | 構築〜SOCによる監視・運用(24時間365日) | 構築(Creage SIEM+)+24時間365日の運用代行 (別サービスを組み合わせ) | 24時間365日のSOC監視・一次対処 (SIEM基盤構築は個別対応) | 要件定義〜オンボーディング〜運用(SOC監視) ※複数製品横断のSIEM相関分析はオプション(平日10:00〜17:00) |
| 提供形態 | 要お問い合わせ | クラウド(SIEMaaS) | クラウド(製品により異なる) | クラウド | 要お問い合わせ | マネージド (MBSD提供の専用基盤) |
| 費用の目安 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 導入期間の目安 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 約6か月 (導入事例での基盤構築〜運用開始の例) | 最短2か月で監視開始 (対象製品・要件で変動) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
各SIEM導入支援サービスの特徴
比較表で取り上げた各サービスについて、支援の範囲や対応製品、特徴を個別に解説します。自社が任せたい範囲に照らして、候補を具体的に検討する材料としてご覧ください。
導入・構築を任せるタイプのサービス
1. INTELLILINK SIEMセキュリティ監視・運用サービス(株式会社NTTデータ先端技術)

企画・要件定義から構築、運用導入支援までを一括で請け負うSI(システム構築)サービスです。提供元の株式会社NTTデータ先端技術はNTTデータの100%出資会社で、1997年から続くSOC運用の経験を持ち、官公庁や金融機関への提供実績があります(件数は非公表)。
支援範囲は、監視対象のリスク分析、検知ルールの設計・実装やカスタムパーサの作成を含む監視設計、構築・試験、そして運用設計・ドキュメント作成・簡易トレーニングによる運用の定着化まで及びます。導入前には、検知・分析の効果や機器のサイジングを確かめるPoC(試験導入)も位置づけられています。
対応するSIEM製品は公式サイトに明記がないため、特定の製品を前提に検討する場合は問い合わせで確認が必要です。料金は個別見積もりで公開されていません。
2. データ分析プラットフォーム Splunk(株式会社日立ソリューションズ)

SIEM専用の独立したサービス名は設けず、データ分析基盤「Splunk」の導入・運用支援としてSIEM構築に対応するのが株式会社日立ソリューションズです。セキュリティ用途では「Splunk Enterprise Security」を用い、設計・構築から運用までを支援します。
同社はSplunk社の最上位区分「エリートパートナー」の認定を受け、認定資格を持つエンジニアが在籍します(認定時期・保有者数は非公表)。運用支援では、2カ月に1回・リモート約1時間で、最新の攻撃手法に対応する分析ルールを提案します。加えて、月1回約8時間のログ取り込み・ダッシュボード作成支援もあり、オンサイト対応は首都圏に限られます。
Splunkのライセンスは1日あたりの取り込みデータ量で課金され、Splunk Cloudは1日5GB以上、Splunk Enterpriseは1GB以上から、最低契約期間は1年とされています。導入・運用支援そのものの費用は非公開で、問い合わせが必要です。
3. FortiSIEM導入支援サービス(SCSKセキュリティ株式会社)

Fortinet社のSIEM製品「FortiSIEM」の導入に特化した支援サービスで、SCSKセキュリティ株式会社が2026年4月から提供しています。顧客の課題や運用体制に合わせて設計・構築を行い、オンプレミス・仮想環境(VM)・パブリッククラウド・SaaSのいずれの基盤にも対応します。
導入にあたっては、重要なログから対象を段階的に広げるスモールスタート方式や、自社のベストプラクティスをパッケージ化して要件定義を簡略化し、短期間での導入・運用開始を図る標準化を打ち出しています。同社はプレスリリースで、20年以上にわたり多様な環境で培ったSIEM設計・導入の知見を挙げています(FortiSIEM単体ではなく、SIEM設計・導入全般の年数)。
FortiSIEMは、ログとアラートを一元化して相関分析で脅威を可視化し、検知ルールが脅威インテリジェンスに基づき自動更新される製品です。公式によれば、SQLベースのクエリとシンプルな画面で学習コストを抑えられるとされます。運用支援の内容や期間は顧客ごとの個別対応で、料金は非公開です。
4. CrowdStrike Falcon LogScale/Next-Gen SIEM導入・運用支援サービス(EY)

設計・構築から運用設計、運用支援までを一貫して担うコンサルティング型のサービスで、対象をCrowdStrike社のSIEM製品「Falcon LogScale」「Next-Gen SIEM」に絞っています。オンプレミスとクラウドのログを集約し、証跡の保全と脅威アラートの検知に用います。提供はEYが行います。
ログ選定では、ファイアウォールやActive Directoryといった主要デバイスに加え、EDR(端末の検知・対応)、ファイルサーバ、クラウドストレージを、顧客の環境と目的に応じて対象にします。設計・構築と運用設計からなる導入フェーズは、環境や対象ログの種類・数に応じて、おおむね3〜4カ月程度が目安です。
運用支援は、問い合わせ対応の件数や四半期報告の有無などを要件・予算に合わせて調整できます。四半期報告では、全体総評に加え、アラート件数の推移や発行アラートごとの推奨対策、最適化作業の実施内容が示されます。料金は公開されておらず、CrowdStrikeのライセンス費用が本サービスに含まれるかも公式ページに記載がないため、問い合わせでの確認が必要です。
5. Splunk Cloud導入支援(クラスメソッド株式会社)

AWSなどクラウド関連サービスを幅広く手がけるクラスメソッド株式会社が、SaaS型SIEM「Splunk Cloud」の導入を支援するメニューです。SIEM導入支援として独立したサービス名は設けておらず、Splunk Cloudの取扱サービスの中で導入支援を提供しています。
支援は、オンボーディング支援・構築支援・運用技術支援の3つで構成され、必要なものだけを組み合わせて利用できます。構築支援では要件定義・設計・環境設定からダッシュボード・アラート設定までを担いますが、データの取り込みは顧客自身が行い、構築物の保守は含まれません。
オンボーディング支援はハンズオン形式で、運用技術支援では定例会で課題をヒアリングしながら、ログ活用の方針や分析の提案、ダッシュボード作成などを中期的に支援します。導入事例では、ハンズオンを通じて顧客がアラート通知の内製化まで進めた例が公開されています。料金は非公開です。
6. SIEM導入スタートパック for HENNGE(株式会社ソフトクリエイト)

IDaaS(クラウドのID認証基盤)の「HENNGE One Identity Edition」と、国産SIEM「ALog」(網屋)を組み合わせた構成の導入を、パッケージとして支援するサービスです。株式会社ソフトクリエイトが2025年12月に提供を開始しました。
支援範囲は、プロジェクト管理・要件定義から設計・構築、各システムとの連携や検知ルールの適用、アラートの分類・分析や誤検知の洗い出しによるチューニングまでを含みます。収集対象のログはOS・ネットワーク機器・ファイアウォール・クラウドサービスで、導入期間は標準的な構成で約2か月が目安です(環境・要件により変動)。
費用は参考価格として、初期費用312万5,000円から、年額費用432万5,000円からが公式サイトに示されています(HENNGE One IdP 500ID、ALogクラウド版で1日5GBのログ取得を前提とした場合)。公式サイトに税込・税抜の記載はなく、前提を超えるID数・ログ量の場合の料金は非公開です。
運用監視まで任せるタイプのサービス
このタイプには、SIEMの導入支援に加えて監視・運用まで請け負う会社と、SIEMを監視対象の一つとして扱う広めのSOC・運用サービスの会社が含まれます。SIEMの構築が標準メニューか個別対応かは会社によって異なるため、各社の支援範囲とあわせて確認してください。
7. SIEM監視サービス(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

NRIセキュアテクノロジーズが提供する、SIEMの導入・運用代行と24時間365日の監視を一体で担うマネージドセキュリティサービスです。独自のAIプラットフォームとSOCアナリストを組み合わせ、AIが一次分析と優先度付けを行い、アナリストが高度な脅威分析を担います。
対応するSIEM製品は、Splunk Enterprise・Splunk Cloud Platform・Cortex XSIAM・CrowdStrike Falcon Next-Gen SIEMの4製品です。WAF・EDR・ファイアウォールなど各種ITシステム向けの監視ルールが提供され、ルールを自作していなくても利用を開始できます。顧客環境に合わせたチューニングやカスタムルールにも対応します。
料金は個別見積もりで、SIEM製品・監視対象デバイスの種類・SIEMの設定状況によって変わります。危険度の高いアラートはリアルタイムで報告されます。
8. JSOC xPDR Advanced(株式会社ラック)

複数のセキュリティ製品のログ・アラートをSplunkのクラウド型SIEMに集約し、ラックの監視拠点JSOCが監視・分析・対応支援を行う統合SOCサービスです。SIEM基盤・ライセンス・運用保守をラックが提供するため、利用者側での基盤構築は不要です。
ラック独自の分析ルールとSplunkの分析ルールを組み合わせた相関分析で脅威を検知し、SIEM監視は24時間365日の体制です。アラート検知後の調査や初動対応の助言に加え、オプションで顧客環境のセキュリティ製品を使った隔離・調査の代行にも対応します。
監視拠点のJSOC全体では、2025年の実績として1日あたり約160億件のログ・アラートを取得し、官公庁・大手企業を中心に約740組織を監視しています(いずれもJSOC全体の数値)。提供開始は2026年10月1日で、料金は個別見積もりです。
9. CTC-MSS(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、SIEMの構築からSOCによる監視・運用までを扱うメニューを「CTC-MSS(CTC マネージド・セキュリティ・サービス)」として提供しています。遠隔監視拠点のCTC-SOCは2014年に開設され、24時間365日の体制で監視を担います。
対応するSIEM製品はサービスごとに分かれます。Microsoft Sentinelを用いるプライベートSOC構築支援サービス、CrowdStrike Falcon Next-Gen SIEMを連携し専任アナリストが24時間365日監視するCTC-SOCマネージドセキュリティサービス、そしてSplunkの構築・保守・運用の3系統があります。
このうちSplunkは2010年から取り扱い、最上位のEliteパートナーに認定され、24時間365日の自営保守を日本語で提供します(一部製品は対象外)。料金はいずれの系統も個別見積もりです。
10. マネージドセキュリティサービス for SIEM/Creage SIEM+(株式会社クレスコ)

SIEMの構築と運用代行を別々のサービスとして用意しているのが、株式会社クレスコの特徴です。構築・ライセンス提供を担う「Creage SIEM+」と、運用代行を担う「マネージドセキュリティサービス for SIEM」を、同一ベンダーで組み合わせられます。
運用代行サービスは、Sumo Logic・Microsoft Sentinel・SplunkのSIEMに対応し、ログを24時間365日リアルタイムで分析して重要度に応じて通知します。月間の対応件数の上限を公式に明示している点が特徴で、検知ルール作成は最大3件、検知ルールのチューニングは最大10件、インシデント調査・対応支援は最大20件です(超過分はベストエフォート)。
構築サービスのCreage SIEM+は、Sumo LogicとMicrosoft Sentinelに対応し、要件定義から設計・実装・試験運用までを担います。ライセンス提供プランと、初期環境構築・技術サポートを加えたオンボーディングプランから選べ、料金はいずれも個別見積もりです。
11. セキュリティ運用サービス(株式会社PFU)

株式会社PFU(リコーグループ)のセキュリティ運用サービスは、SOCによる24時間365日の監視と一次対処を中心としたサービスです。UTM・EDR・SIEM・Proxyなど複数のセキュリティ製品のアラート・ログを相関分析し、危険性の高い事象の通報や、不正な通信・端末の遮断といった一次対処まで担います。
SIEMは監視対象の製品の一つという位置づけで、SIEM基盤の構築については製造業(従業員約3,000名)での導入事例が公開されています。この事例では、オープンソースを活用してSIEM基盤を顧客社内に構築し、基盤構築から本格的な運用開始までに約6か月を要したと記載されています。
経済産業省の「情報セキュリティサービス基準」に適合するサービスで、全国約100拠点・約800名のサービスエンジニア体制により、ITインフラ運用と一体で提供されます。料金は個別見積もりです。
12. MBSD-SOC(三井物産セキュアディレクション株式会社)

三井物産セキュアディレクション(MBSD)が提供するMBSD-SOCは、ログとアラートを専用のSIEM基盤に集約し、SOCアナリストが分析・通知を行うマネージドセキュリティサービスです。要件定義・オンボーディング・運用という三段階のプロセスで導入を進めます。
指定製品の監視は24時間365日の有人監視で、Tier1〜3の多層体制とダブルチェックを採用しています。一方、複数製品のログを横断するSIEM相関分析はオプションで、提供時間は平日10:00〜17:00です。緊急時の時間外対応の有無は公式サイトの記載が一定でないため、基本の製品監視と相関分析とで対応時間が異なる点は依頼前に確認しておきたいところです。
監視開始までの期間は最短2か月が目安で、対象製品や運用要件によって変わります。料金は個別見積もりで、資料請求または問い合わせで確認できます。
まとめ
SIEMの導入支援は、「構築まで任せて運用は自社で担うのか」「運用監視まで一体で任せるのか」という支援範囲の違いが、依頼先選びの最初の分岐点になります。SIEMは導入より運用が難しく、誤検知のチューニングや24時間365日の監視、検知ルールの継続的な見直しでつまずく企業が多いため、自社の運用体制を踏まえて任せる範囲を決めることが重要です。
依頼先を選ぶ際は、対応するSIEM製品、支援範囲と運用体制、実績・資格・サポート体制の3点を確認しましょう。費用は個別見積もりが中心で、ログ量・監視対象・製品によって変わるため、前提を揃えて比較することが大切です。自社に合う支援タイプと依頼先を見極め、SIEMを「導入して終わり」にしない運用につなげてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. SIEM導入支援とは何ですか?
A. SIEM導入支援とは、SIEMの要件定義・設計・構築から、場合によっては導入後の監視・運用までを、専門の事業者が代わりに、あるいは伴走して担うサービスです。SIEM製品そのものを売るのではなく、「製品を自社の環境で使いこなせる状態にする」ことを支援する点に特徴があります。
SIEMは社内に分散したログを一か所に集めて相関分析し、単体のログでは気づけない攻撃の兆候を検知する仕組みで、導入支援はこの検知ルールの設計・構築の専門性を補う役割を担います。
Q. SIEM導入支援ではどこまで任せられますか?
A. SIEM導入支援で任せられる範囲は会社によって異なり、要件定義〜監視設計〜構築・試験までを支援して運用は自社に引き継ぐタイプと、導入後の24時間365日の監視・運用まで一体で請け負うタイプに大きく分かれます。
要件定義から構築・試験までは多くの会社が標準的に対応し、分かれ目になるのは運用監視のフェーズです。「構築まで任せて運用は自社で担うのか」「運用監視まで一体で任せるのか」が、依頼先選びの最初の分岐点になります。
Q. SIEM導入支援の費用相場はどのくらいですか?なぜ個別見積もりが多いのですか?
A. SIEM導入支援の費用は、多くの会社が個別見積もり(非公開)としており、収集するログの量・監視対象の機器の種類・利用するSIEM製品・既存の設定状況によって変わるため、一律の相場を示しにくいのが実情です。
費用を実額で公表している会社はごく一部で、参考価格が出ている例も認証基盤を含む特定構成のものです。費用の内訳(初期費用と継続費用)や変動要因は本文の費用相場で解説しています。見積もりを取る際は、どのログを・どれだけ・どの製品で扱う前提なのかを揃えて各社を比較することが大切です。
Q. SIEM導入支援の導入期間はどのくらいかかりますか?
A. SIEMの導入から運用開始までの期間は、おおむね2か月から4か月程度が一つの目安です。監視対象の範囲が広く、扱うログの種類や量が多いほど設計・試験に時間がかかり、規模によっては半年程度を要する場合もあります。
重要度の高いログや機器から対象にして段階的に監視範囲を広げる「スモールスタート」や、標準構成のパッケージ化で期間を短縮する支援もあるため、急ぐ場合は導入期間の実績を確認するとよいでしょう。
Q. SIEM導入支援ではどのようなログを収集・監視できますか?
A. SIEMは、OS・ネットワーク機器・ファイアウォール・クラウドサービスなど、社内の各所に分散した幅広いログを収集・監視できます。
支援会社によっては、EDRやActive Directory、ファイルサーバ、クラウドストレージなども対象に加え、顧客の環境と目的に応じてログを選定します。どのログを対象にするかは検知したい脅威と直結するため、要件定義の段階で監視対象を整理することが重要です。
Q. SIEMはオンプレミス環境・クラウド環境のどちらにも対応できますか?
A. SIEMはオンプレミス・クラウドのいずれの環境にも対応でき、両方のログを集約して横断的に監視することも可能です。支援会社によって、オンプレミス・仮想環境(VM)・パブリッククラウド・SaaSのどの基盤に対応するかは異なります。自社のシステム構成(オンプレ中心か、クラウド活用が進んでいるか)を伝えたうえで、対応可能な基盤を確認するとよいでしょう。
Q. SIEMの導入支援を受けたあと、運用を自社で引き継ぐことはできますか?
A. 将来的に自社で運用したい場合は、運用設計・運用トレーニング・内製化支援に対応している会社を選べば、構築後に運用を自社へ引き継ぐことができます。
構築して引き渡すだけでなく、自社の担当者が検知ルールの調整やダッシュボードの見方を習得できるよう支援する会社であれば、導入後に運用が形骸化するリスクを抑えられます。引き継ぎ後も検知ルールのチューニングに継続して相談できる窓口があるかも、あわせて確認しておくと安心です。
逆に、すでにSIEMを運用していて監視・運用だけを任せたい場合も、その製品が支援会社の対応製品に含まれていれば、既存環境のまま運用を引き継いで代行してもらえるケースがあります。現在使っているSIEM製品を伝えて、対応可否を確認するとよいでしょう。
Q. 導入するSIEM製品が決まっていなくても相談できますか?
A. 製品が決まっていない場合は、製品を選ばず複数のSIEMに対応する「製品非依存」の支援会社に、製品選定の段階から相談できます。自社に最適な製品を中立的に提案してほしい場合はこうした会社が候補になります。
一方、導入する製品がすでに決まっている場合は、その製品の導入・構築に実績のある会社を選ぶと、設計の勘所を踏まえた支援を受けやすくなります。製品選びと支援会社選びは連動するため、特定製品の指定があるかと、提案をどこまで任せたいかで判断するとよいでしょう。
Q. 中小企業でもSIEM導入支援を依頼できますか?
A. 中小企業でもSIEM導入支援は依頼でき、監視対象を重要なログから絞るスモールスタートや、標準構成をパッケージ化したサービスを選べば、初期の負荷と費用を抑えて始められます。
費用はログ量や監視対象で変わるため、監視の範囲を必要なところに絞ることがコスト調整の鍵になります。自社に運用の人手が足りない場合は、運用監視まで一体で任せるタイプを選ぶと、専任のアナリストを自社で抱えずに検知後の対応まで任せられます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















