社内でのファイル共有を、USBメモリの受け渡しやメール添付、あるいは長年使ってきたファイルサーバーで回している企業は少なくありません。しかし、拠点の増加や在宅勤務の広がりで「外出先から同じファイルにアクセスできない」「誰が最新版を持っているか分からない」といった不便が目立つようになりました。誤送信や紛失といったセキュリティ面の不安も、無視できなくなっています。
社内のファイル共有には、PCの共有フォルダー機能からファイルサーバー、NAS、クラウドストレージまで複数の手段があり、それぞれ得意な場面とコスト、運用の手間が異なります。自社の規模や働き方に合わない方法を選ぶと、かえって管理の負担や情報漏えいのリスクが増えてしまいます。
本記事では、社内でファイルを共有する主な手段を一覧で整理し、それぞれのメリット・デメリットと向き不向き、安全に運用するための注意点、そして自社に合った方法・サービスの選び方までを解説します。手段を比較したうえでクラウドストレージという選択肢を検討したい方に向けて、主要なサービスの比較も掲載しました。
目次
社内のファイル共有とは|まず押さえる主な手段の全体像
社内のファイル共有とは、業務で作成した文書・表計算・画像などの電子ファイルを、部署やチームのメンバーが同じデータにアクセスして閲覧・編集・受け渡しできる状態にすることを指します。共有の仕組みをきちんと整えると、最新版の取り違えや二重作成が減り、担当者が不在でも他のメンバーが必要なファイルを取り出せるようになります。
社内でファイルを共有する手段は、大きく次の7つに分けられます。まずはそれぞれがどういう仕組みかを押さえ、このあとの章で自社に合うものを見極めていきましょう。
- PCの共有フォルダー機能:WindowsやmacOSに標準搭載された機能で、同じネットワーク上のPCのフォルダーを他の端末から参照できるようにする方法です。
- ファイルサーバー:ファイル保管専用のサーバーを社内に設置し、複数のメンバーがネットワーク経由でアクセスして共有する方法です。
- NAS(ネットワーク接続ストレージ):ネットワークに直接つないで使う外付けストレージ機器で、ファイルサーバーより手軽に共有環境を構築できます。
- USBメモリ・記憶媒体:USBメモリや外付けHDDにファイルを保存し、物理的に受け渡す方法です。
- メール添付・ファイル転送サービス:ファイルをメールに添付する、または大容量のファイルをアップロードして相手にダウンロードURLを知らせる方法です。
- クラウドストレージ:インターネット上のストレージにファイルを保管し、社内外のメンバーが場所を問わずアクセス・共有できるサービスです。
- チャット・Web会議ツール:ビジネスチャットやWeb会議ツールのファイル送信機能を使って、やり取りの流れの中でファイルを共有する方法です。
これらは「社内のネットワーク内で共有するもの」と「インターネット経由で場所を問わず共有できるもの」に大きく分かれます。次章では、それぞれのメリット・デメリットと向き不向きを一覧で比較します。
7つのファイル共有方法を比較|メリット・デメリット早見表
まずは7つの手段を、コスト・容量・社外との共有・セキュリティ・運用の手間といった観点で一覧にしました。全体像をつかんだうえで、各手段の詳しい特徴を続けて確認できます。
| PCの共有フォルダー機能 | ファイルサーバー | NAS(ネットワーク接続ストレージ) | USBメモリ・記憶媒体 | メール添付・ファイル転送サービス | クラウドストレージ | チャット・Web会議ツール | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 導入コストの目安 | 追加費用なし(既存PCの機能) | サーバー機器・構築費用が必要 | 機器購入費(数万円〜) | 媒体の購入費のみ(数百円〜) | 無料〜。法人向けは有料プランあり | 月額課金(ユーザー数・容量に応じる) | 無料〜。法人向けは有料プランあり |
| 容量の目安 | PCのディスク容量に依存 | 搭載ストレージに応じて拡張可 | 搭載HDD容量。増設・交換で拡張 | 媒体の容量に依存 | 添付は数MB〜数十MB。転送は数GB規模も | プランに応じて拡張。容量無制限のサービスも | サービス・プランに依存 |
| 社外との共有 | 基本的に不可(社内ネットワーク内) | VPN等がなければ社外からは不可 | 機種により社外アクセス対応(設定要) | 手渡し・郵送で可能だが即時性は低い | 得意(社外への送付が主用途) | 得意(共有リンク・ゲスト招待に対応) | 参加メンバー間で可能 |
| セキュリティ・権限管理 | 簡易な共有設定のみで管理は限定的 | アカウント単位の権限管理が可能 | 機種により権限設定・アクセス制御 | 紛失・盗難・持ち出しのリスクが高い | 誤送信リスクあり。都度の送信で継続共有には不向き | 権限管理・アクセスログ・暗号化に対応するサービスが多い | 会話の流れに紛れて版・所在の管理が難しい |
| 運用・管理の手間 | 小規模なら手軽。台数が増えると煩雑 | 保守・バックアップ・更新の運用負荷が大きい | ファイルサーバーより手軽だが機器管理は必要 | 手軽だが版管理・所在管理が難しい | 都度送信のため蓄積・一元管理には向かない | サーバー保守が不要で運用負荷を抑えやすい | 即時共有は容易だがファイルの保管庫には不向き |
※上記は各手段の一般的な傾向です。具体的な容量・機能・料金は利用する製品やプランによって異なります。
PCの共有フォルダー機能
WindowsやmacOSに標準搭載された機能で、追加費用なしにすぐ始められるのが最大の利点です。同じ社内ネットワークにつながった数台のPC間でファイルをやり取りする、小規模なチームに向いています。
一方で、共有元のPCが電源オフだとアクセスできず、外出先や別拠点からは利用できません。台数や人数が増えると権限やフォルダー構成の管理が煩雑になりやすく、本格的な全社共有の基盤には力不足です。
ファイルサーバー
ファイル保管専用のサーバーを社内に置き、部署ごと・フォルダーごとにアクセス権限を細かく設定できる、社内共有の定番です。大容量のデータを一元管理でき、アカウント単位でアクセスを制御できるため、一定規模以上の組織で広く使われてきました。
ただし、導入時のサーバー機器・構築費用に加え、OSの更新やバックアップ、障害対応といった保守運用の負担が続きます。標準では社外からアクセスできず、テレワークや複数拠点での利用にはVPNなどの追加の仕組みが必要です。
NAS(ネットワーク接続ストレージ)
NASは、ネットワークに直接つないで使う外付けストレージ機器です。ファイルサーバーを一から構築するより手軽に、共有フォルダーを用意できるのが魅力で、中小規模のオフィスで導入しやすい選択肢といえます。
機種によっては社外からのアクセスや簡易なバックアップにも対応します。とはいえ機器そのものの故障や容量不足、経年による交換は避けられず、機器の管理は自社で担う必要があります。
USBメモリ・記憶媒体
USBメモリや外付けHDDにファイルを保存して手渡す方法は、ネットワーク環境がなくても使え、特別な準備がいりません。一時的に大きなファイルを渡したい場面では今も便利です。
反面、紛失や盗難による情報漏えいのリスクが高く、複数人での継続的な共有には向きません。誰が最新版を持っているか分からなくなりやすく、日常的な社内共有の主軸にするのは避けたい方法です。
メール添付・ファイル転送サービス
メール添付は、社外の取引先へファイルを送る場面で最も手軽な方法です。数十MBを超える大きなファイルは、ファイル転送サービスにアップロードしてダウンロードURLを知らせる形が一般的で、数GB規模のデータも送れます。
ただし、いずれも「その都度送る」やり取りのため、ファイルを蓄積して一元管理する用途には不向きです。宛先の打ち間違いによる誤送信のリスクもあり、送信方法の運用ルールを決めておく必要があります。
クラウドストレージ
クラウドストレージは、インターネット上のストレージにファイルを保管し、社内外のメンバーが場所や端末を問わずアクセスできるサービスです。共有リンクの発行やゲスト招待で社外との共有もしやすく、複数拠点・在宅勤務を抱える組織の課題に合致します。
多くのサービスがアクセス権限の設定・操作ログ・暗号化に対応し、サーバー機器の保守が不要なため運用負荷を抑えられます。月額のランニングコストはかかりますが、ファイルサーバーやNASの代替として導入する企業が増えています。
チャット・Web会議ツール
ビジネスチャットやWeb会議ツールのファイル送信機能を使えば、会話の流れの中でその場のファイルを素早く渡せます。打ち合わせ中の資料共有など、即時性が求められる場面で重宝します。
ただし、ファイルが会話に埋もれて後から探しにくく、版管理や長期保管には向きません。あくまで一時的な受け渡し手段と位置づけ、保管はストレージ側に任せる使い分けが現実的です。
社内でファイルを共有するときのセキュリティ・運用上の注意点
共有方法を決めたら、情報漏えいや紛失を防ぐための運用も同時に整えることが欠かせません。ここでは「誰が使えるか」「データをどう守るか」「送信方法」「運用ルール」の順に、押さえておきたい注意点を整理します。
アクセス権限とアクセスログで「誰が使えるか」を管理する
ファイルへのアクセス権限は、業務で必要な範囲に絞って付与するのが基本です。全員がすべてのフォルダーを見られる状態は、内部からの持ち出しや誤操作による漏えいの温床になります。誰がいつどのファイルを操作したかを記録するアクセスログを併せて活用すると、不正や事故の早期発見につながります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、重要情報を扱う担当者や利用範囲を決めてアクセス権限を管理し、利用状況を記録・確認することが対策として挙げられています。
アクセス権限の管理にとどまらず、社内の情報セキュリティ対策を全体として整えたい場合は、いま挙げたIPAのガイドラインの構成や取り組みの進め方をまとめた次の記事も参考になります。
バックアップと暗号化でデータを守る
機器の故障や操作ミス、ランサムウェアなどによるデータ消失に備え、重要なファイルは定期的にバックアップを取ることが大切です。IPAが公開する「情報セキュリティ6か条」でも、「バックアップを取ろう」が基本的な対策の一つとして示されています。
また、通信経路や保存データの暗号化に対応した手段を選ぶと、万一データが外部に渡っても中身を読み取られにくくなります。クラウドストレージの多くは通信・保存データの暗号化に対応しており、ファイアウォールやウイルス対策と組み合わせて多層的に守るのが望ましい形です。
どのデータをどこにどう退避させるかを含め、バックアップの仕組みを本格的に整えたい場合は、法人向けのクラウドバックアップサービスを対応範囲や料金で比較した次の記事が参考になります。
脱PPAP|パスワード付きZIPメールをやめる
ファイルを共有する際、暗号化したZIPファイルをメールで送り、そのパスワードを別のメールで送る「PPAP」と呼ばれる慣行が長く使われてきました。しかし、同じ経路を通る2通のメールでは盗聴時に両方が漏れるうえ、受信側のウイルスチェックをすり抜けやすいことから、見直しが進んでいます。
2020年11月、内閣府・内閣官房は中央省庁でのこの方式を廃止する方針を示しました。当時のデジタル改革担当大臣は記者会見で、次のように説明しています。
セキュリティ対策の観点からも、受け取る側の利便性の観点からも、適切なものではない
出典:平井大臣記者会見要旨(令和2年11月24日)|内閣府
この方針はその後、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)とも連携して政府全体へと広がりました。社内・社外を問わず、ファイルの受け渡しには共有リンクにアクセス制限やパスワードを設定する、クラウドストレージのゲスト共有を使うといった、より安全な方法へ切り替えることが望まれます。
ファイルの整理・命名ルールを決める
共有の仕組みを整えても、フォルダー構成やファイル名が場当たり的だと、目的のファイルにたどり着けず共有の効果が薄れます。フォルダーの階層や命名の規則をあらかじめ決め、日付や版数を含めた分かりやすいファイル名で運用すると、最新版の取り違えや重複作成を防げます。
ルールは作って終わりにせず、簡単なマニュアルとして共有し、新しいメンバーにも引き継げる状態にしておくことが、長く使える共有環境につながります。
自社に合ったファイル共有方法・サービスの選び方
ここからは、これまで見てきた手段の中から自社に合うものを選ぶための判断軸と、状況別の当てはめ方を整理します。まず5つの判断軸で自社の要件を言語化し、次にケース別の目安と照らし合わせると選びやすくなります。
選ぶときにチェックする5つの判断軸
共有方法やサービスを比べるときは、次の5つの軸で自社の要件を確認すると、候補を絞り込みやすくなります。
- 企業規模・利用人数:利用者が数人か数十人以上かで、権限管理やアカウント管理のしやすさの重要度が変わります。ユーザー数無制限で容量に応じて課金するサービスは、人数の増減が読みにくい組織に向きます。
- 拠点数・働き方:複数拠点や在宅勤務があるなら、社外から安全にアクセスできることが前提になり、クラウドストレージが適します。逆に単一拠点で社内からしか使わないなら、ファイルサーバーやNASでも十分にまかなえます。
- 社外との共有の要否:取引先とのファイル授受が多いなら、共有リンクやゲスト招待、権限付きの外部共有に対応しているかを確認します。
- 情報システム部門の運用負荷:保守や障害対応に割ける人手が限られるなら、サーバー管理が不要で、権限やログの管理を画面上で完結できるサービスが負担を抑えられます。
- 予算・コスト構造:初期費用を抑えたいのか、月額の運用コストを見込めるのかを整理します。機器を買い切るNAS・ファイルサーバーと、月額課金のクラウドストレージではコストのかかり方が異なります。
ケース別|自社に合う手段の見つけ方
5つの軸を踏まえ、代表的な状況ごとに向いている手段の目安を整理します。自社に近いケースから当てはめてみてください。
- 少人数・単一拠点で、社外アクセスが不要:PCの共有フォルダー機能やNAS・ファイルサーバーで十分にまかなえます。導入コストを抑えつつ社内で完結できるため、無理にクラウドへ移す必要はありません。将来的に社外アクセスやバックアップまで見据えるなら、その時点でクラウドストレージへの移行を検討します。
- 複数拠点・在宅勤務があり、どこからでもアクセスしたい:場所を問わずアクセスでき、権限やログも管理しやすいクラウドストレージが適します。既存のファイルサーバーの操作感を保ちたい場合は、ドライブとして使えるタイプが移行しやすいでしょう。
- 取引先など社外とのやり取りが多い:共有リンクやゲスト招待、外部共有の権限設定に対応したクラウドストレージが向きます。脱PPAPの観点でも、都度のメール添付より安全な共有ができます。
- 機密性が高く、ガバナンスを重視したい:細かな権限管理・操作ログ・国内データセンター・第三者認証(ISMS/ISO27001など)に対応したサービスを軸に比較すると安心です。
クラウドストレージで解決する社内ファイル共有
ここまで見てきたように、複数拠点・在宅勤務からのアクセス、社外との安全な共有、サーバー保守の負担軽減といった課題に幅広く応えられるのがクラウドストレージです。ここでは、社内のファイル共有基盤として使える主なサービスを比較し、それぞれの特徴を紹介します。
より多くのクラウドストレージを機能・料金・容量の観点から幅広く比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【2026年最新】法人向けクラウドストレージ比較17選|料金・容量・セキュリティで選ぶ
社内のファイル共有や外出先からのデータ活用、取引先との受け渡しを見直すなかで、「自社に合った法人向けクラウドストレージをそろそろ本格的に導入・刷新したい」と考えていないでしょうか。サービスは数多く、料金体系もセキュリティも横並びで見えにくい…
| サービス名 | コワークストレージ | Fileforce | DirectCloud | 使えるファイル箱 | Box | Google Workspace | OneDrive for Business | Dropbox Business |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 国産 | 国産 | 国産 | 国産 | 外資(米国) | 外資(米国) | 外資(米国) | 外資(米国) |
| 月額費用 | 2,750円〜/月(税込) 最小プラン・5ID・100GB | 9,900円〜/月(税別) ID課金・10ID・100GB | 44,000円〜/月(税別) Standard・500GB | 25,520円〜/月(税込) スタンダード1TB・1年契約 | 要問い合わせ 公式に円建て月額の記載なし | 800円〜/月・1ユーザー(税別) Business Starter・年間プラン | 1,049円〜/月・1ユーザー(税別) Microsoft 365 Business Basic・年払い | 1,500円〜/月・1ユーザー(税別) Standard |
| 課金体系 | ID課金(プラン+ID追加) | ID課金/ユーザー数無制限 (プランで選択) | 容量課金・ユーザー数無制限 (新Team Businessはユーザー課金) | 容量課金・ユーザー数無制限 | ユーザー課金(ID単位) | ユーザー課金 | ユーザー課金 | ユーザー課金 |
| 容量の目安 | 100GB〜5TB(追加で最大20TB) | 100GB〜38TB(プランによる) | 500GB〜100TB(プランによる) | 1TB/3TB(1TB単位で追加) | 実質無制限(Businessプラン以上) | 30GB〜5TB/ユーザー(プールストレージ) | 1TB/ユーザー(上位は最大5TB) | 3TB〜/チーム(ライセンスごとに+1TB) |
| 権限管理・操作ログ | ●(階層別権限・操作ログ) | ●(権限継承・監査ログ1年保存) | ◎(7段階権限・DRM・250種操作ログ) | ●(権限設定・監査ログ・999世代) | ◎(7段階権限・Shield/Governance) | ●(管理コンソール・監査ログ/DLPは上位) | ●(Entra ID・DLP・監査ログ) | ●(管理コンソール・監査ログ・リモートワイプ) |
| 国内DC・主な認証 | 国内DC ISO27001・27017 | 国内DC ISO27001・27017/JIIMA | 国内DC(AWS東京) ISO27001・27017/Pマーク | 国内DC(長野2拠点) ISO27001認証DC | 国内保管オプションあり(Box Zones Japan) ISMAP・FedRAMP・PCI DSS | グローバル基盤 ISO27001系・SOC2 | 国内リージョン可 ISMAP・ISO27001・SOC | 海外拠点中心 ISO27001系・SOC・ISMAP |
| 無料トライアル | 30日間(5ID・100GB相当) | 30日間(機能制限なし) | 14日間(容量10GBまで) | 30日間(カード不要) | 14日間(法人向けプラン) | 14日間(最大10ユーザー・要カード) | 30日間(Business Basic) | 30日間(Standard/Advanced) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・容量・認証などは2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。税込・税別は各サービスの公式表記に準拠します。最新の詳細は各社公式サイトでご確認ください。
1. コワークストレージ(NTT東日本)

NTT東日本が提供する中小企業向けのクラウドストレージです。ドライブとしてマウントすれば社内ファイルサーバーやNASと同じ操作感で使え、複数拠点や在宅からのアクセス、階層別の権限設定・操作ログ、国内データセンターでの保管に対応します。
導入から運用までNTT東日本のサポートを受けられるため、はじめてファイルサーバーをクラウドへ移す中小企業がまず検討しやすい選択肢です。
2. Fileforce(ファイルフォース株式会社)

エクスプローラーやFinderに統合して使える純国産のクラウドファイルサーバーです。既存のファイルサーバーやNASの共有フォルダー運用をほぼ変えずにクラウド化でき、Active DirectoryやSSO(シングルサインオン)連携、監査ログ、ランサムウェア対策まで備えます。
これまでの操作感を保ったままガバナンスを強化したい、ファイルサーバー移行を重視する企業に向いています。
3. DirectCloud(株式会社ダイレクトクラウド)

ユーザー数無制限の容量課金でファイルを一元管理できる国産サービスです。7段階の細かなアクセス権限、DRM(文書の持ち出し制御)、承認ワークフロー、専用ツールでのファイルサーバー移行に対応します。
利用人数が増減しても費用が読みやすく、権限や持ち出しを厳格に管理したい組織に適しています。
4. 使えるファイル箱(使えるねっと株式会社)

「社内のファイルサーバーをまるごとクラウドへ」を掲げる仮想ドライブ型のサービスです。エクスプローラーやFinderに統合でき、Active Directory連携に加え、最大999世代というバージョン管理の多さが特徴です。
誤上書きや削除からの復元を重視する企業や、国内のISO27001認証取得データセンターでの運用を求める企業に向いています。
5. Box(株式会社Box Japan)

容量無制限を打ち出すクラウドコンテンツ管理サービスで、ファイル共有からワークフロー、ガバナンスまでを一つのプラットフォームで担います。7段階の権限設定に加え、Box Shieldやガバナンス機能による高度な情報保護に対応します。
ISMAPやFedRAMPといった政府向けの認証にも対応しており、容量の上限を気にせず、厳格なガバナンスを求める大企業・官公庁の要件にも応えられる構成です。
6. Google Workspace(グーグル合同会社)

Google Driveを中核に、社内のファイル保管・共有・共同編集を一体で行えるグループウェアです。共有ドライブでチーム単位のファイルを一元管理でき、外部共有の制御や監査ログにも対応します。
ドキュメントやスプレッドシートの同時編集を日常的に使い、複数拠点・在宅での共同作業が多い組織で効果を発揮します。
7. OneDrive for Business(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft 365に含まれるオンラインストレージで、WordやExcelとの親和性が高く、Windows環境となめらかに連携します。SharePointと組み合わせれば、部署やプロジェクト単位の組織的なファイル共有も構築できます。
すでにMicrosoft 365を使っている企業なら、追加の仕組みを増やさずに社内共有を整えられる点が強みです。
8. Dropbox Business(Dropbox, Inc.)

ファイル同期・共有サービスの草分けとして広く使われてきた製品の法人向けプランです。必要なファイルだけを手元に置くスマートシンクや、バージョン履歴、監査ログを備え、大容量ファイルの共有もスムーズに行えます。
大きなファイルを日常的にやり取りするチームや、シンプルな操作感を重視する企業で使いやすい構成です。
まとめ
社内のファイル共有には、PCの共有フォルダー機能・ファイルサーバー・NAS・USBメモリ・メール添付やファイル転送サービス・クラウドストレージ・チャットツールと、複数の手段があります。それぞれコスト・容量・社外アクセスのしやすさ・セキュリティ・運用負荷が異なるため、自社の規模や働き方に合わせて選ぶことが大切です。
複数拠点や在宅勤務があり、社外との安全な共有やサーバー保守の負担軽減まで見据えるなら、クラウドストレージが有力な選択肢になります。まずは企業規模・拠点数・社外共有の要否・運用負荷・予算という判断軸で自社の要件を整理し、候補となるサービスの資料を取り寄せて比較してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 社内のファイル共有にはどのような方法がありますか?
A. PCの共有フォルダー機能・ファイルサーバー・NAS・USBメモリ・メール添付やファイル転送サービス・クラウドストレージ・チャットツールの主に7つの方法があります。社内ネットワーク内で共有するものと、インターネット経由で場所を問わず共有できるものに分かれ、コスト・容量・社外アクセス・セキュリティ・運用負荷が異なります。自社の規模や働き方に合った手段を選びましょう。
Q. 社内のファイル共有を無料で始める方法はありますか?
A. PCの共有フォルダー機能や、クラウドストレージ・チャットツールの無料プランを使えば、追加費用をかけずに始められます。ただし無料の手段は容量やアカウント数に上限があり、権限管理・アクセスログ・社外との安全な共有に制約があることが少なくありません。重要な情報を扱う場合や利用人数が増える場合は、管理機能の整った有料サービスへの切り替えが安全です。
Q. NAS(ネットワーク接続ストレージ)とクラウドストレージは何が違いますか?
A. NASは社内に設置した機器にファイルを保管して自社で管理する方式、クラウドストレージは事業者のストレージに保管して場所を問わずアクセスする方式です。NASは月額費用がかからない一方、機器の故障・容量不足・保守は自社の負担になります。クラウドストレージは月額費用がかかりますが、サーバー保守が不要で、複数拠点・在宅や社外との共有がしやすい点が違いです。
Q. 社内のファイル共有で最低限やっておくべきセキュリティ対策は何ですか?
A. 業務に必要な範囲へアクセス権限を絞り、操作を記録するアクセスログを活用し、定期的なバックアップと通信・保存データの暗号化を行うことが基本の対策です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のガイドラインでも、権限管理・利用状況の記録・バックアップの取得が挙げられています。ファイアウォールやウイルス対策も組み合わせ、多層的に守りましょう。
Q. 社外の取引先と社内のファイルを安全に共有するにはどうすればよいですか?
A. 社外とのファイル共有は、クラウドストレージの共有リンクにアクセス制限・パスワード・有効期限を設定する、または権限を絞ったゲスト招待を使う方法が安全です。あわせて、宛先の打ち間違いによる誤送信を防ぐ運用ルールを決めておきましょう。パスワード付きZIPをメールで送る従来のPPAPは見直しが進んでおり、都度のメール添付よりも、権限管理のできるクラウド経由の共有に切り替えるのが望ましい形です。
Q. 社内のファイル共有でPPAP(パスワード付きZIPメール)はなぜ避けるべきですか?
A. 暗号化ZIPとパスワードを同じメール経路で送るため、盗聴時に両方が漏れやすく、受信側のウイルスチェックもすり抜けやすいからです。2020年11月に内閣府・内閣官房が中央省庁での廃止方針を示し、その後NISCとも連携して政府全体へ広がりました。共有リンクにアクセス制限やパスワードを設定する、クラウドのゲスト共有を使うなど、安全な方法への切り替えが望まれます。
出典・参考資料(1件)
Q. 既存のファイルサーバーやNASからクラウドストレージへ移行できますか?
A. 既存のファイルサーバーやNASからクラウドストレージへの移行は可能で、多くのサービスが移行用のツールを用意しています。PCのエクスプローラーやFinderに仮想ドライブとして表示できるタイプを選べば、これまでの共有フォルダーに近い操作感のまま移行でき、利用者の負担を抑えられます。移行の際は、フォルダー構成やアクセス権限の見直し、移行前のバックアップをあわせて行うとスムーズです。
Q. 中小企業の社内ファイル共有にはどの方法が向いていますか?
A. 少人数・単一拠点なら共有フォルダー機能やNASで手軽に始められ、複数拠点や在宅勤務があるならクラウドストレージが向いています。社外とのやり取りが多い、サーバー保守に人手を割きにくい場合も、権限やログを画面上で管理でき保守が不要なクラウドストレージが負担を抑えやすい選択肢です。企業規模・拠点数・社外共有の要否・運用負荷・予算の5点で選ぶとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















