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保険代理店のDXとは?何から始めるかを業務別に整理|顧客・契約管理から募集記録・保全まで

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保険代理店システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要21サービスの料金・機能を無料で一覧比較

保険代理店システム比較表(2026年版)

保険代理店の現場では、顧客名簿はExcel、契約は各保険会社の代理店システム、募集時の意向把握や比較推奨の記録は紙とメモ、というように情報が分かれて管理されている代理店が少なくありません。更新漏れや担当者ごとの属人化が積み重なると、日々の事務負担が増え、監査や引き継ぎのたびに大きな手間がかかります。

そうした状況を変える手段として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を目にする機会は増えました。ただ、DXは意味の幅が広く、自社の場合は具体的にどの業務をどうデジタル化する話なのかが、いまひとつ像を結ばないという声もよく聞かれます。

本記事では、保険代理店のDXを「顧客・契約管理」「募集記録・意向把握・比較推奨」「保全・満期更改」「募集人の提案・育成」といった業務領域ごとに整理し、それぞれで何が変わり、何から着手すればよいのかを解説します。あわせて、つまずきやすいポイントと乗り越え方、保険業法の改正との関係、業務を担うシステム領域までを俯瞰し、自社の課題に合う打ち手の当たりをつけられる状態を目指します。

保険代理店のDXとは?──どの業務をデジタル化する話か

DXは、経済産業省のガイドラインではデータとデジタル技術を活用して業務やプロセス、組織のあり方まで変革することと説明されています。ただ、保険代理店にとって大切なのは、この抽象的な定義そのものよりも「自社のどの業務が対象になるのか」を具体的に押さえることです。

保険代理店の日々の業務は、大きく次の領域に分かれます。顧客情報と契約内容を管理する「顧客・契約管理」、募集時に意向を確認して記録し複数商品を比較して推奨する「募集記録・意向把握・比較推奨」、契約後のフォローや満期更改を行う「保全・満期更改」があります。

さらに、保険会社ごとの手数料を計算する「精算・手数料計算」、募集人が提案を組み立てる「募集人の提案・育成」、Webやアプリ経由で加入を受け付ける「オンライン募集」も、DXの対象となる業務領域です。

これらの多くは、いまも紙・Excel・各社の代理店システムを行き来しながら、担当者の経験と記憶に頼って回っている代理店が少なくありません。保険代理店のDXとは、こうした業務のどれをデジタルに置き換え、記録や情報共有を仕組みで支えるかという話にほかなりません。次章では、業務領域ごとに「デジタル化で何が変わるか」と「それを担うシステム領域」を一覧で見ていきます。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:デジタルガバナンス・コード(旧 DX推進ガイドライン)|経済産業省(リンク)

代理店DXで変わる業務領域と打ち手(俯瞰マップ)

ここからは、保険代理店の業務領域ごとに「紙・Excel・属人で回すと起きること」「デジタル化で変わること」「対応するシステム領域」を一覧で整理します。自社でいちばん困っている領域から読み、どの打ち手が当てはまるかの当たりをつけてみてください。

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業務領域顧客・契約管理募集記録・意向把握・比較推奨保全・満期更改精算・手数料計算募集人の提案・育成オンライン募集・新チャネル
紙・Excel・属人だと起きること顧客情報がExcelや各社の代理店システムに分散し、名寄せができず更新漏れが起きる意向把握や比較推奨の記録が紙やメモに残り、記入漏れや後からの確認に手間がかかる満期や更改のフォローが担当者の記憶頼みで属人化し、対応漏れのリスクがある保険会社ごとの手数料計算や入出金管理を手作業で集計している提案の質やヒアリングの進め方が募集人ごとにばらつく対面中心で、Webやアプリ経由で加入できる動線がない
デジタル化で変わること顧客・契約情報を1か所に集約し、担当者が代わっても履歴をたどれる記録項目を画面で標準化し、入力履歴や証跡を自動で残せる満期・更改の時期や対応状況を自動で可視化し、抜け漏れを防ぐ入出金や精算を一元管理し、計算ミスと集計の工数を減らす提案の流れを型化し、経験の浅い募集人でも一定の品質で提案できる自社サイトやアプリに保険の申込みを組み込み、非対面でも加入まで完結できる
対応するシステム領域顧客・契約管理システム(保険代理店向けCRM)業務品質管理・意向把握記録システム保全・満期更改の管理機能精算・出納管理システム提案支援・ライフプランニングツール組込型保険(デジタル保険)プラットフォーム

※上記は業務領域ごとの一般的な傾向を整理したものです。実際に必要な機能は自社の業務や取扱商品によって異なります。

ひとつのシステムがすべての領域をカバーするとは限らず、顧客・契約管理を軸に据えつつ、募集記録や精算、提案支援を必要に応じて足していく形が現実的です。まずは自社の一番の困りごとがどの領域にあるかを見極めることが、打ち手選びの出発点になります。

保険代理店のDXは何から始める?──着手ステップ

DXと聞くと大がかりな変革を思い浮かべがちですが、実際には効果が出やすい業務から順に進めるのが現実的です。ここでは、少人数の代理店でも着手しやすい順序を3つのステップで整理します。

保険代理店のDX着手を3ステップで示した図解。ステップ1は顧客・契約データを1か所に集めて同じ履歴を追える土台をつくる、ステップ2は紙とExcelの作業を減らして記録項目を標準化する、ステップ3は業務そのものを無くす・減らす・変えるかたちで組み直す、という順序を矢印で示している。

ステップ1:顧客・契約データを1か所に集める

最初の一歩は、Excelや各社の代理店システムに散らばった顧客・契約情報を1か所に集約することです。名寄せができていない状態では、募集も保全も担当者の記憶に頼ることになり、他の業務のデジタル化も進みません。顧客・契約管理システム(保険代理店向けCRM)に情報を集め、誰が見ても同じ履歴を追える土台をつくることが、後続のすべての打ち手の前提になります。

ステップ2:紙とExcelの作業を減らす

次に、意向把握の記録や募集時の書類、満期案内など、紙やExcelで手作業になっている業務をデジタルに置き換えます。記録項目を画面で標準化すれば、記入漏れが減り、後から証跡をたどるのも容易になります。すべてを一度に変えるのではなく、件数が多く手間のかかっている作業から着手すると効果を実感しやすくなります。

ステップ3:業務そのものを「無くす・減らす・変える」

データと記録の土台が整ったら、業務の流れ自体を見直します。二重入力を無くす、確認作業を減らす、承認の流れを変えるといった具合に、システムを前提に業務を組み直す段階です。ここまで来ると、募集人が事務作業に取られていた時間を顧客対応に回せるようになり、DXの効果が数字にも表れやすくなります。

少人数の代理店であれば、いきなり全領域を対象にする必要はありません。ステップ1の顧客・契約データの集約から小さく始め、効果を確かめながら対象を広げるスモールスタートが、無理なく定着させるコツです。

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DX推進のつまずきどころと乗り越え方

代理店DXが途中で止まる原因は、多くの場合いくつかの決まった「壁」に集約されます。ここでは、人・コスト・データの3つの壁と、それぞれの乗り越え方を整理します。

人の壁:現場の抵抗とITリテラシーの差

長く紙とExcelで回してきた現場では、新しいシステムへの切り替えに抵抗が生まれやすく、募集人ごとのITリテラシーの差も定着を妨げます。この壁は、全機能を一度に使わせようとするほど高くなります。

まずは顧客検索や記録入力など、日々の負担がすぐ軽くなる機能から使い始め、成功体験を積んでもらうと受け入れられやすくなります。音声入力や選択式の記録に対応したシステムを選べば、入力が苦手な募集人の負担も下げられます。あわせて、現場に一人でも使いこなす推進役を置き、困りごとをすぐ聞ける状態をつくると、周囲への定着が進みやすくなります。

コストの壁:投資に見合うか判断できない

導入費用や月額料金に見合う効果があるのか判断できず、二の足を踏むケースも多く見られます。ここでも、最初から大規模なシステムを入れるのではなく、効果が見えやすい領域から段階的に導入することでコストを抑えられます。

中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)のような公的な補助制度を活用できる場合もあります。補助対象や公募スケジュールは年度で変わるため、最新の要件は公式サイトで確認してください。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:デジタル化・AI導入補助金2026|独立行政法人中小企業基盤整備機構(リンク)

データ整備・連携の壁:情報がつながらない

各保険会社の代理店システムに契約データが分かれていると、名寄せや二重入力の解消が難しく、DXが道半ばで止まりがちです。この壁に対しては、保険会社の契約データを取り込める仕組みを持つシステムを選ぶことが効果的です。

各保険会社の契約データを一括で受け取れる業界共通の連携基盤である共同ゲートウェイ(共同GW)との連携や、Excelからの一括取り込みに対応したシステムを使えば、手入力の負担を減らしながらデータを一元化できます。

これらの壁を自社だけで乗り越えるのが難しい場合は、すべてを自前で抱え込む必要はありません。導入や活用のコンサルティング・伴走支援を受けたり、データ入力や記録といった一部の業務を外部に委託(BPO)したりして進める方法もあります。

まずは負担の大きい業務を切り出し、自社で回す部分と外部に頼る部分を分けて考えると、少人数の代理店でも着手のハードルを下げられます。

保険業法改正とDX──意向把握・体制整備・比較推奨にどう備えるか

保険代理店のDXを後押しする現実的な理由のひとつが、法令対応です。意向把握や比較推奨、業務品質の点検といった業務は記録と証跡の管理が欠かせず、システムで支える意義が大きい領域です。ただし、何がいつから求められるのかは論点ごとに時期が異なるため、混同しないよう整理して押さえておく必要があります。

先に全体像を示すと、DXで備える論点は施行時期で3つに分かれます。①意向把握・意向確認は保険業法第294条の2による既存の義務で今般の改正の対象外、②体制整備・自己点検の強化は2026年6月施行、③比較推奨販売の記録・証跡の強化は2028年3月施行です。以下で順に見ていきます。

保険業法改正とDXの関係を、対応時期の違いで整理した図解。意向把握・意向確認は保険業法第294条の2で定められた既存の義務で今般の改正の対象外、体制整備・自己点検の強化は2026年6月施行で主な対象は特定大規模・大規模な乗合代理店、比較推奨販売の記録・証跡の強化は2028年3月施行、という3つの時期を左から時系列で並べている。

意向把握・意向確認は既存の義務

顧客の意向を把握し、それに沿った提案・説明を行い、意向と契約内容が合っているかを顧客が確認する機会を設けることは、保険業法第294条の2で定められた既存の義務です。金融庁も、意向把握義務は今般の保険業法改正の対象外であると明示しています。したがって、これは新たに始まる義務ではなく、もともと求められている意向把握・意向確認の記録を、DXで正確かつ効率的に残せるようにするという位置づけになります。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:保険業法 第294条の2(顧客の意向の把握等)|e-Gov法令検索(リンク)
  • 出典:令和7年保険業法改正に係る内閣府令及び監督指針改正案等のパブリックコメント結果等の公表|金融庁(リンク)

体制整備・自己点検の強化(2026年6月施行分)

保険募集人には、業務の適切な運営を確保するための体制整備義務が保険業法第294条の3で定められています。2026年6月1日に施行された改正では、この体制整備義務の強化や過度な便宜供与の禁止などが盛り込まれましたが、その主な対象は特定大規模乗合代理店や大規模な乗合代理店であり、中小の乗合代理店に新たな義務が直接及ぶ範囲は限定的です。

もっとも、業務の実施状況を定期的に確認・検証する体制づくり自体はすべての代理店に関わるため、記録や履歴を残せる仕組みを整えておくことが、自己点検を無理なく回すことにつながります。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:保険業法 第294条の3(業務運営に関する措置)|e-Gov法令検索(リンク)
  • 出典:「保険業法の一部を改正する法律」等の施行に伴う内閣府令等の整備|金融庁(リンク)

比較推奨販売の記録・証跡の強化(2028年3月施行分)

複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店では、商品を比較して説明する比較説明や、顧客の意向に沿って商品を選別して推奨する推奨販売(業界で「ロ方式」と呼ばれる方式)の場面があります。この比較推奨販売について、金融庁の監督指針の改正では、適切性を確認・検証するための記録や証跡の保存と、その効率的な確認・検証を求める内容が示されています。監督指針の該当箇所では、次のように記されています。

比較推奨販売の適切性等の確認・検証に必要となる記録や証跡等の保存期間等を社内規則等にて定めた上で、比較推奨販売の適切性に関して、効率的かつ効果的に確認・検証しているか。

出典:「保険会社向けの総合的な監督指針」Ⅱ-4-2-9(5)(令和10年3月1日施行)|金融庁

この比較推奨販売に関する内閣府令および監督指針の改正は、令和10年(2028年)3月1日から施行・適用されます。2026年6月の施行分とは時期が異なるため、「2026年からすぐに比較推奨の記録が義務化される」と早合点しないよう注意が必要です。

記録・証跡を紙で残すのは負担が大きく、募集記録をシステム上で標準化し、いつ・誰が・どの項目を記録したかを自動で残せる仕組みは、この確認・検証態勢を無理なく整える打ち手になります。施行時期や適用範囲の詳細は、金融庁の公表資料で確認してください。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について|金融庁(リンク)
  • 出典:保険業法施行規則等の改正後の内閣府令・監督指針の公表(令和10年3月1日施行)|金融庁(リンク)

本章ではDXとの関わりに絞って改正のポイントを整理しました。比較推奨販売のルールの見直しを含め、保険業法改正そのものの実務対応とシステムでの備え方を詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しています。

保険代理店DXの事例と効果イメージ

DXで代理店の業務がどう変わるのか、具体的なイメージを持っておくと、自社での着手を判断しやすくなります。ここでは、システム提供各社が公表している機能や効果から、代表的な変化を紹介します。

募集記録・意向把握の領域では、記録項目を画面で標準化し、入力履歴や証跡を自動で残す仕組みが広がっています。こうした仕組みを備えたシステムでは、記録漏れや判定ミス、説明不足のリスクをシステム側で防ぎ、内部監査や自己点検での確認工数を削減できると各社が公表しています。

担当者の手作業に依存していた確認業務を仕組みで支えることが、DXの効果の一例といえます。

提案・面談の領域では、AIによる面談レポートの自動作成が業務時間の短縮につながった例も報告されています。募集人が面談ごとに手作業で残していた記録を自動化することで、記録作業に取られていた時間を別の商談に回せるようになる、という変化です。

面談レポートのAI自動作成が実際にどの程度の時短につながるのか。MCエキスパートクラウドを提供する株式会社Wizleapへの独自インタビューでは、次のような具体的な事例が語られました。

木太久氏
株式会社Wizleap CTO
木太久氏
独自インタビューより

わかりやすい事例を1つご紹介します。1日平均6.6件の面談をこなしている募集人の方だったのですが、面談のログを残すのに1件あたり15分から20分かかっていて、6件だと1日2時間近くかかっていました。それがAIオプションを契約していただいたことで、1件あたり2分から4分、1日15分程度まで削減されました。おおよそ10分の1になり、空いた時間をもう1件別の商談に回せるようになったという声をいただいています。

効果の大きさは代理店の規模や取り組む領域によって変わりますが、共通しているのは、記録・確認・入力といった手作業を仕組みに置き換えることで、募集人が顧客と向き合う時間を増やせるという点です。次章では、これらの打ち手を担う主要なサービスを具体的に見ていきます。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:クラウド型保険代理店システム「hokan®」、意向把握・比較推奨機能を大幅アップデート|株式会社hokan(PR TIMES)(リンク)

面談レポートの自動作成をはじめ、保険代理店でのAI活用について、導入事例や費用、始め方まで詳しく知りたい方は、以下の記事でまとめて解説しています。

DXの打ち手となるサービス

ここからは、これまで見てきた業務領域の打ち手となる主要なサービスを紹介します。顧客・契約管理を軸に業務全体を支えるもの、募集記録や業務品質管理に強いもの、オンライン募集を組み込むもの、募集人の提案力を高めるものと、得意領域はサービスごとに異なります。自社が優先したい領域に合わせて比較してください。

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サービス名hokanMCエキスパートクラウドFusionPocket FP Pro
主な対応領域顧客・契約管理を軸に
募集記録・保全まで統合
業務品質管理・募集記録
(意向把握・保全)
オンライン募集・新チャネル
(組込型保険)
募集人の提案支援・育成
(提案支援ツール)
提供形態クラウド型(SaaS)クラウド型(SaaS)組込型保険基盤
(API連携)
クラウド型ツール(SaaS)
意向把握・比較推奨の記録●△意向把握記録に対応。比較推奨(ロ方式)は提供予定対象領域外対象領域外
保険会社データ連携(共同GW等)●共同GW連携・Excel一括取込●共同GW経由で成約データ連携対象領域外対象領域外
料金要お問い合わせ要お問い合わせ
(利用人数・プランで変動)
要お問い合わせ
(カスタマイズ内容で変動)
月額3,300円(税込)
初期費用0円・初月無料
向くケース業務全体を1つの基盤で
デジタル化したい代理店
募集記録の標準化と
コンプラ対応を強めたい代理店
自社アプリ・Webに保険の
加入動線を組み込みたい事業者
募集人の提案力育成・
教育体制を強化したい代理店
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約

※上記は2026年9月時点で各社の公式サイト・公表資料をもとに作成しています。料金・機能は改定される場合があるため、最新の内容は各社の公式資料でご確認ください。

ここで取り上げた4サービスは、DXの打ち手を業務領域ごとにイメージできるよう主要なものに絞って紹介しています。保険代理店システムをより多くの選択肢から、機能や選び方まで含めて比較検討したい方は、以下の記事で主要サービスを徹底比較しています。

1. hokan(株式会社hokan)

hokanのウェブサイト

hokanは、保険代理店業務に特化したクラウド型の顧客・契約管理システムです。顧客情報・契約管理・意向把握・比較推奨・保全・満期更改に加え、入出金や精算を扱う出納機能までを単一のプラットフォームでカバーし、乗合代理店で起きがちな情報の分断や属人化の解消を主眼に設計されています。汎用のCRMではなく代理店業務に合わせた機能を備え、業務全体をデジタル化する土台になりやすい点が特徴です。

大手保険会社の契約データを取り込む共同ゲートウェイ連携や、Excelからの一括取り込みに対応し、手入力の負担を抑えながらデータを一元化できます。2026年1月には意向把握・比較推奨機能を強化し、高齢者顧客の自動判定や対応記録の必須化、入力履歴の自動保存、意向把握から社内承認までを一画面で確認できる監査対応レポートなどを追加しました。

募集記録の標準化と証跡の保持を重視する代理店に向いています。料金は利用規模に応じて変わるため、公式資料での確認が必要です。

2. MCエキスパートクラウド(株式会社Wizleap)

MCエキスパートクラウドのウェブサイト

MCエキスパートクラウドは、株式会社Wizleapが提供する保険代理店向けの業務品質管理クラウドシステムです。同社は生命保険協会の業務品質評価基準を満たした認定代理店「マネーキャリア」を自ら運営しており、その実務で使うレポート項目や業務フローをそのままシステムに反映している点を特徴として訴求しています。

募集記録・意向把握・保全管理といったコンプライアンス寄りの業務を効率化したい代理店に向くサービスです。

音声などから面談レポートをAIが自動作成する機能や、当初の意向と最終的な契約内容の差異をチェックする仕組みを備えます。2026年には、AIが文字起こしした面談テキストから健康状態などの機微情報を除去するマスキング機能や、法定提出書類の事業報告書作成を支援する機能を公表しました。

比較推奨販売の商品絞込フローに対応する機能も案内されていますが、公式サイト上は提供予定の表記のため、導入検討時に最新の提供状況を確認しておくと安心です。料金は利用人数や導入プランに応じて変わります。

3. Fusion(リードインクス株式会社)

Fusionのウェブサイト

事業会社が自社のアプリやWebの中で保険商品を販売できるようにする、組込型保険(デジタル保険)のプラットフォームがFusionです。提供元はソフトバンクの子会社であるリードインクス株式会社で、既存の購買・予約の動線に保険加入を組み込む方式と、アプリ内に保険コーナーを設けて複数商品を並べる方式の両方に対応しています。

対面中心の募集に、非対面のオンラインチャネルを新たに加えたい代理店や事業会社に向くサービスです。

自社チャネル内の顧客情報を使い、個人情報を再入力せずに加入まで完結できる設計が特徴で、複数の保険会社の商品を同じ画面で提供できます。PayPayほけんでは提供開始から累計の加入件数が1,000万件を超えたと公表されているほか、日本航空やりそなホールディングスのアプリなど、大規模なチャネルでの採用が続いています。料金は要件に応じた見積方式のため、公式資料での確認が必要です。

4. Pocket FP Pro(SBIインシュアランスラボ株式会社)

Pocket FP Proのウェブサイト

Pocket FP Proは、SBIインシュアランスラボ株式会社が提供する、ファイナンシャルプランナーや保険募集人向けの提案支援ツールです。顧客の資産を安全性・流動性・成長性という性質で整理し、いつまでに・何のために・いくら準備するかをシンプルな画面で共有できるように設計されています。必要保障額を計算するだけでなく、提案の組み立て方そのものを型として提供する点に特徴があります。

募集人ごとにばらつきがちなヒアリングや提案の質を平準化し、経験の浅い担当者でも一定の流れで面談を進められるようにする狙いのツールです。開発者自身によるロールプレイングの公開や、提案の方向性を示すAIアドバイス機能も用意されています。

料金は1アカウント月額3,300円(税込・年払いは36,300円)で、初期費用は無料、初月無料で試せます。募集人の教育体制を強化したい代理店に向いています。

そもそも募集人ごとの提案品質のばらつきは、なぜ生まれるのか。開発元であるSBIインシュアランスラボへの独自インタビューでは、業界の現状が次のように語られています。

森氏
SBIインシュアランスラボ株式会社 CAIO兼プロダクト推進部長
森氏
独自インタビューより

一般のお客様がお金の相談をする相手として、ファイナンシャルプランナーや保険募集人、保険ショップのスタッフなど、さまざまな窓口があります。しかし、同じような商品を取り扱っていても、担当者によって提案の品質に大きな差が生じているのが現状です。商品知識の違いだけでなく、一度きりの相談で終わってしまうケースもあれば、ライフプラン全体を踏まえて長期的に伴走するケースもあり、経験や考え方によって対応にばらつきが生まれています。

まとめ

保険代理店のDXは、「変革」という一般論ではなく、顧客・契約管理や募集記録、保全、精算、提案といった自社の業務のどれをデジタル化するか、という具体的な話です。まずは業務領域ごとに何が変わるかを俯瞰し、いちばん困っている領域から当たりをつけることが出発点になります。

着手は、顧客・契約データを1か所に集めるところから小さく始め、紙とExcelの作業を減らし、業務そのものを組み直す順で進めると無理がありません。人・コスト・データの壁は、段階的な導入と補助制度の活用、データを取り込める仕組みの選択で乗り越えられます。意向把握や比較推奨、自己点検といった法令対応も、記録・証跡を残せる仕組みがあれば負担を抑えられます。

自社の課題に合うシステム領域の当たりがついたら、各サービスの資料を取り寄せて、機能や料金、サポート体制を具体的に比べてみてください。以下から、保険代理店向けサービスの資料をまとめて請求できます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 保険代理店のDXとは何ですか?

A. 保険代理店のDXとは、顧客・契約管理や募集記録・意向把握、保全・満期更改、精算、提案といった日々の業務のどれをデジタルに置き換え、記録や情報共有を仕組みで支えるかという取り組みです。「変革」という一般論ではなく、紙・Excel・各保険会社の代理店システムに分散して属人化した業務を、データと記録の面から整理し直すことを指します。

まずは自社で一番困っている業務領域を見極めることが、打ち手選びの出発点になります。

Q. 保険代理店のDXは何から始めればよいですか?

A. 保険代理店のDXは、Excelや各社の代理店システムに散らばった顧客・契約データを1か所に集約するところから始めるのが現実的です。名寄せができた土台がないと、募集も保全も担当者の記憶頼みになり、ほかの業務のデジタル化も進みません。そのうえで紙とExcelの手作業を減らし、二重入力や確認作業といった業務そのものを無くす・減らす・変える、という順で広げると無理なく効果を実感できます。

Q. 保険代理店の顧客・契約管理の一元化はどう進めればよいですか?

A. 顧客・契約管理の一元化は、保険代理店向けの顧客・契約管理システム(CRM)に情報を集約し、担当者が代わっても同じ履歴をたどれる状態をつくることが基本です。契約データが各保険会社の代理店システムに分かれている場合は、共同ゲートウェイ(共同GW)連携やExcelからの一括取り込みに対応したシステムを使うと、手入力の負担を抑えながら名寄せと二重入力の解消を進められます。

Q. 小規模な保険代理店でもDXをスモールスタートできますか?

A. 小規模な保険代理店でも、全領域を一度に対象にせず、顧客・契約データの集約など効果の出やすい業務から小さく始めるスモールスタートが可能です。最初から大規模なシステムを導入する必要はなく、効果を確かめながら対象を広げていけば、少人数の体制でも無理なく定着させられます。

Q. ITが苦手な募集人が多くても保険代理店のDXは進められますか?

A. ITが苦手な募集人が多くても、日々の負担がすぐ軽くなる機能から使い始め、小さな成功体験を積んでもらうことでDXは進められます。全機能を一度に使わせようとするほど現場の抵抗は強くなります。音声入力や選択式の記録に対応したシステムを選べば、入力が苦手な募集人の負担も下げられ、定着しやすくなります。

Q. 保険代理店のDXにかかる費用の目安と、活用できる補助金はありますか?

A. 保険代理店向けシステムの多くは要問い合わせ方式で、利用人数や導入プランで料金が変わるため、複数社の資料を取り寄せて比較するのが確実です。導入費用を抑える手段として、中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)などの公的な補助制度を活用できる場合があります。

補助対象や公募スケジュールは年度で変わるため、最新の要件は公式サイトで確認してください。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:デジタル化・AI導入補助金2026|独立行政法人中小企業基盤整備機構(リンク)

Q. 保険代理店のDXは各社の代理店システムや共同ゲートウェイと連携できますか?

A. 各保険会社の契約データは、共同ゲートウェイ(共同GW)連携やExcelの一括取り込みに対応したシステムを選べば、まとめて取り込んで一元化できます。契約データが各社の代理店システムに分かれていると名寄せや二重入力の解消が難しく、DXが道半ばで止まりがちです。保険会社の契約データを取り込める仕組みを持つかどうかは、システム選定で確認しておきたい重要なポイントです。

Q. 募集記録や意向把握のデジタル化は、保険業法改正への対応になりますか?

A. 募集記録や意向把握をシステムで標準化し証跡を自動で残す仕組みは、既存の意向把握・意向確認義務や、順次施行される体制整備・比較推奨販売に関する記録・証跡の対応を、無理なく支える土台になります。ただし、何がいつから求められるかは論点ごとに時期が異なるため、混同しないよう注意が必要です。

意向把握義務は保険業法第294条の2で定められた既存の義務で、金融庁も今般の改正の対象外であると明示しています。

2026年6月施行の改正は主に特定大規模・大規模な乗合代理店の体制整備義務の強化などが中心で、比較推奨販売の適切性の確認・検証に必要な記録や証跡に関する内閣府令・監督指針の改正は令和10年(2028年)3月施行とされています。施行時期や適用範囲の詳細は、金融庁の公表資料で確認してください。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:保険業法 第294条の2(顧客の意向の把握等)|e-Gov法令検索(リンク)
  • 出典:令和7年保険業法改正に係る内閣府令及び監督指針改正案等のパブリックコメント結果等の公表|金融庁(リンク)

Q. 保険代理店のDXは効果が出るまでどのくらいかかりますか?

A. 効果が表れるまでの期間は取り組む範囲や代理店の規模によって変わりますが、契約処理や顧客管理など最初に効果を実感しやすい領域から着手すると、比較的早く手応えを得やすくなります。記録・確認・入力といった手作業を仕組みに置き換えるほど、募集人が顧客と向き合える時間が増え、DXの効果が数字にも表れやすくなります。小さく始めて効果を確かめながら広げることが、途中で止めない進め方です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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