広告による新規顧客の獲得コストが上がり続けるなか、既存顧客との関係を深めてリピートや口コミにつなげる「ファンコミュニティ」に取り組む企業が増えています。
とはいえ、自社で立ち上げるとなると「どの企業が、どんな基盤で、何をして、どんな成果を出したのか」という具体的な事例がなければ、企画も基盤選びも進みません。
本記事では、無印良品・LEGO・森永製菓・カインズなど国内外11社のファンコミュニティ成功事例を、使っている基盤・施策・成果の数値とともに整理します。
さらに、成功している事例に共通する要因、自社に合う基盤の選び方、立ち上げの進め方とつまずきやすい落とし穴まで解説します。自社でファンコミュニティを始める・育てるための検討材料としてご活用ください。
目次
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ファンコミュニティの成功事例11選
はじめに、国内外のファンコミュニティ成功事例11社を一覧で紹介します。業種・基盤のタイプ・主な施策・成果を並べているので、自社に近い業種ややってみたい施策から探してみてください。各事例の詳しい解説は次のセクションにあります。
| ファンコミュニティの成功事例一覧 | 無印良品(IDEA PARK) | LEGO(LEGO IDEAS) | スターバックス(My Starbucks Idea) | アテニア(Attenirコミュニティ) | 森永製菓(エンゼルPLUS) | カインズ(CAINZ DIY Square) | COHINA | カゴメ(&KAGOME) | ベースフード(BASE FOOD Labo) | スノーピーク(Snow Peak Way ほか) | Salesforce(Trailblazer Community) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 業種 | 生活雑貨・小売 | 玩具メーカー | 飲食 | 化粧品 | 食品 | ホームセンター・小売 | アパレル(D2C) | 食品・飲料 | 食品(D2C) | アウトドア用品 | IT(法人向け) |
| 基盤タイプ | 自社サイト・アプリ型 | 専用プラットフォーム型 | 専用プラットフォーム型 | 専用プラットフォーム型 | 自社サイト・アプリ型 | 専用プラットフォーム型 | SNS併用型 | 自社サイト・アプリ型 | 専用プラットフォーム型 | イベント・会員制度型 | 専用プラットフォーム型 |
| 主な施策 | 商品への要望・アイデアを会員から集め、採用して商品化 | ファンが考えた製品アイデアを投票で集め、製品化 | 顧客の改善アイデアを投稿で集めて実装(2008〜2018年に運営) | 会員の声(インサイト)を起点にした商品の共同開発 | 会員との継続的な交流・商品開発・ファン化 | DIY作品の共有・交流によるファンどうしのつながり | 毎日のインスタライブで顧客と対話しながら商品開発 | 少数のコアファンとの交流・共創、アクション率を重視 | 商品開発・改善へのフィードバック収集と交流 | ファンと社員が一緒に過ごすキャンプイベント+ポイント会員制度 | 利用者どうしの学び合い・サポートによるスキル向上 |
| 成果(時点) | 累計リクエスト8万件超(2026年時点) | 登録メンバー100万人超・製品化23件(2019年時点) | アイデア投稿15万件超・実装277件(2013年時点) | 登録者20万人超・売上前年比19.6%増(2022年時点) | 会員75万人超(2023年時点) | 会員10万人超(2025年時点)・会員交流で購買額が1.8倍に | 創業1年で月商5,000万円(2019年時点) | 会員約5万人(2021年時点) | 会員5万人突破(2024年時点) | ポイント会員77.9万人(2022年末時点) | メンバー1,100万人(2026年時点の公式サイト掲載値) |
※ 成果の数値は各社の公式発表・プレスリリース・大手メディアの報道に基づく各時点の値です。出所は各事例の解説に出典として記載しています。
施策タイプ別の事例詳細
ここからは、一覧で挙げた事例を施策のタイプ別に詳しく見ていきます。ファンコミュニティの施策は、大きく「常設コミュニティ型」「共創・アイデア投稿型」「イベント・SNS型」に分けられます。どのやり方がどんな成果につながっているかを、各社の数値とあわせて確認してください。

常設コミュニティ型|会員が日常的に集まる「場」を育てる
自社で会員が交流する常設の場を用意し、長く運営してファンを増やしていくタイプです。会員数の規模が成果として表れやすく、商品開発やサポートにも広がります。
食品業界の森永製菓「エンゼルPLUS」は、2013年に開設した会員制のファンサイトです。会員との継続的な交流や商品開発を重ねてきた結果、会員数は75万人を超えるまでに拡大しました(2023年時点)。会員との交流を長く積み重ね、ファンづくりの定番事例として知られています。
カゴメ「&KAGOME(アンドカゴメ)」は、2015年に開設した自社運営のコミュニティサイトで、会員数は約5万人と報告されています(2021年時点)。SNSとは分けて運用し、会員数そのものよりも「アクション率」(ログイン・いいね・投稿といった行動)を重視している点が特徴です。
全体のうち約2.5%にあたる熱量の高いコアファンに注目し、その声を交流や共創に生かしています。
ホームセンターのカインズ「CAINZ DIY Square」は、DIY好きの会員が作品や作り方を共有し合うコミュニティです。会員数は10万人を超え(2025年時点)、コミュニティでの会員交流を通じて購買額が1.8倍に伸びたと報じられています。日常的な交流が購買にもつながっている事例です。
食品D2Cのベースフード「BASE FOOD Labo」は、商品開発や改善へのフィードバックを会員から集める場として運営されています。発足当初は約100名からスタートし、会員数は5万人を突破しました(2024年時点)。
法人向けIT分野では、Salesforce「Trailblazer Community」のように、利用者どうしが学び合い・教え合うことでスキル向上と製品活用を支えるコミュニティもあり、公式サイトでは1,100万人規模のメンバーが示されています(2026年時点)。
出典・参考資料(7件)
- 出典:森永製菓のコミュニティサイト「エンゼルPLUS」が10年で会員数75万人まで拡大できた理由|DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
- 出典:SNSとは別に5万人ファンサイト カゴメ、共創に生かす|日本経済新聞
- 出典:カゴメが築く「ファンを夢中にさせる」戦略 わずか2.5%のユーザーに注目したワケ|ITmedia
- 出典:会員数10万人突破!DIY好きがつながるオンラインコミュニティ「CAINZ DIY Square」をリニューアル|株式会社カインズ
- 出典:会員交流で購買額1.8倍 カインズが育てた「売れる」コミュニティー|日経クロストレンド
- 出典:オンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」が会員数5万人を突破|コミューン株式会社(PR TIMES)
- 出典:What is the Trailblazer Community?|Salesforce公式ブログ
共創・アイデア投稿型|ファンの声を商品やサービスに生かす
ファンから商品やサービスへのアイデア・要望を集め、実際の開発や改善に反映するタイプです。投稿数や製品化の件数が成果として見えやすく、商品力そのものを高める効果が期待できます。
無印良品「IDEA PARK」は、良品計画が運営する、商品への「こんなものが欲しい」という要望やアイデアを会員から募る場です。寄せられたリクエストは累計で8万件を超え(2026年時点)、実際に多くの商品の見直しや開発に反映されてきました。投稿した会員にはポイントが付与される仕組みも用意されています。
玩具メーカーのLEGO「LEGO IDEAS」は、ファンが考えた製品アイデアを投稿し、一定の支持(投票)を集めたものを製品化する共創プラットフォームです。公式発表によると、10周年を迎えた2019年時点で登録メンバーは100万人を超え、寄せられたアイデアは2万6,000件以上、実際に製品化されたセットは23件にのぼります。
飲食業のスターバックス「My Starbucks Idea」は、2008年から2018年まで運営された、顧客の改善アイデアを投稿で集めるサイトです。5周年の2013年時点で、寄せられたアイデアは15万件を超え、実装された改善は277件に達したと公式に発表されています。現在は終了していますが、顧客の声を製品・サービスの改善に生かす共創型の先駆的な事例として知られています。
化粧品のアテニアは、ファンコミュニティに集まる会員の本音(インサイト)を起点に商品を開発しています。コミュニティの声から生まれた薬用美白・エイジングケアライン「ドレススノー」などがその例です。公式発表では登録者数は20万人以上(2022年時点)、同時期の売上は前年同期比19.6%増の148億4,900万円と過去最高を記録しています。
出典・参考資料(4件)
イベント・SNS型|リアルな体験や日々の発信でつながる
専用サイトを持たずに、リアルイベントやSNSを中心にファンとの関係を深めるタイプです。既存のSNSや自社の会員制度を生かせるため、比較的始めやすいのが特徴です。
アウトドア用品のスノーピークは、ファンと社員が一緒にキャンプをして過ごす体験イベント「Snow Peak Way」を長年続けています。あわせて自社のポイント会員制度を運営しており、公式のIR資料によると、ポイント会員数は77.9万人(2022年12月末時点)で、5年で約2.7倍に増えています。体験の場と会員制度の両輪で顧客基盤を広げてきた事例です。
アパレルD2CのCOHINAは、小柄な女性向けのブランドで、Instagramを中心にファンとの関係を築いています。毎日インスタライブを配信し、顧客の声を聞きながら商品を開発する手法で、創業から約1年で月商5,000万円に達したと報じられています(2019年時点)。SNSを軸にファンと直接つながり、商品開発に生かした事例です。
成功事例に共通する3つの要因
ここまで見てきた事例には、業種や施策が違っても共通する要因があります。自社で運営するときの指針として押さえておきたいポイントを3つに整理します。
1つ目は、ファンの声を実際に商品やサービスへ反映していることです。無印良品やLEGO、スターバックスのように、寄せられたアイデアを形にして「意見が反映された」と会員が実感できると、参加の動機が続きます。集めた声を使わずに放置すると、投稿は次第に減っていきます。
2つ目は、短期的な売上や会員数だけを目標にしないことです。森永製菓のように10年単位で会員を育てた事例や、カゴメのように会員数より日々の「アクション率」を重視する事例が示すように、ファンとの関係づくりには時間がかかります。開設直後に成果が出ないからと打ち切ると、それまでの蓄積も失われます。
3つ目は、売り込みの場ではなく、交流が生まれる場をつくることです。カインズのDIY作品の共有や、スノーピークの体験イベントのように、ファンどうしやファンと企業が自然に関わり合える仕組みがあると、熱量が高まります。コミュニティ内で商品を売り込みすぎると、ファンは離れてしまいます。
ファンコミュニティとは?SNS・ファンクラブとの違い
ここで、これから立ち上げる方に向けて、ファンコミュニティの基本を簡単に整理しておきます。ファンコミュニティとは、企業やブランドのファンが集まり、企業とファン、あるいはファンどうしが双方向に交流する場のことです。商品やサービスへの愛着を高め、継続的な購入や口コミ、商品開発への協力につなげることを目的とします。
SNSマーケティングとの違い
SNSマーケティングは、不特定多数へ情報を広く届け、新規の認知や拡散を狙う手法です。一方のファンコミュニティは、すでに関心を持つ人が集まる閉じた、または半ば閉じた場で、関係を深めることに重きを置きます。SNSが「広く浅く」届けるのに対し、ファンコミュニティは「狭く深く」つながる点が違いです。COHINAのように、SNSを入り口にしてファンとの関係を深める組み合わせ方もあります。
ファンクラブとの違い
ファンクラブは、会費を払った会員に限定特典やコンテンツを提供する、企業からファンへの一方向の関係が中心です。ファンコミュニティは、ファンどうしの交流や、ファンから企業への提案といった双方向のやり取りが生まれる点が異なります。会員からの意見を商品開発に生かせるのは、この双方向性があるためです。
自社に合うファンコミュニティ基盤の選び方
ファンコミュニティを始めるときは、どこに「場」を用意するかを決める必要があります。基盤は大きく「自社サイト・アプリ型」「SNS併用型」「専用プラットフォーム型」の3つに分けられます。スノーピークのように、リアルイベントや自社の会員制度を軸にする方法もあります。目的や社内の体制に合わせて選びましょう。

自社サイト・アプリ型
自社でコミュニティサイトやアプリを構築・運用する方法です。無印良品やカゴメ、森永製菓のように、デザインや機能を自社の世界観に合わせて自由に設計でき、会員データも自社で蓄積できます。一方で、構築や運用に一定の開発リソースと体制が必要になります。ブランドの世界観を大切にしたい企業や、会員データを自社の資産として活用したい企業に適しています。
SNS併用型
InstagramやX、LINEなど既存のSNSを中心に、ファンとの交流の場をつくる方法です。COHINAのように、すでに利用者が多いプラットフォーム上で始められるため、初期の負担が小さく、拡散も狙えます。ただし、会員データの蓄積や細かな機能のカスタマイズには制約があります。まず小さく始めたい企業や、SNSにファンが多い企業に向いています。
専用プラットフォーム型
コミュニティ運営に特化した専用のサービスを利用する方法です。投稿・交流・イベント・会員管理・分析といった機能が最初から用意されており、自社でゼロから開発しなくても、短期間で本格的なコミュニティを立ち上げられます。会員データの収集・分析や、商品開発への活用まで支援するサービスもあります。
先に挙げた事例では、LEGOの「LEGO IDEAS」やカインズの「CAINZ DIY Square」、アテニアのコミュニティなどがこのタイプにあたります。開発リソースをかけずに運営を始めたい企業や、会員の声を事業に生かす仕組みまで求める企業に向く方法です。自社で始めるための具体的なサービスは、このあと紹介します。
ファンコミュニティの立ち上げ・運営の進め方と失敗しないための注意点
最後に、ファンコミュニティを立ち上げて運営していくときの進め方と、つまずきやすい落とし穴を整理します。事例に共通する流れをなぞることで、遠回りを避けられます。
立ち上げ・運営の進め方
まず、コミュニティで何を実現したいか(目的)と、誰に集まってほしいか(ファン像)を決めます。商品開発に生かしたいのか、リピートや口コミを増やしたいのかで、設計も声のかけ方も変わります。次に、前のセクションで整理した基盤のタイプから、目的と体制に合う「場」を選びます。
場が決まったら、会員が参加したくなる企画やコンテンツを用意します。アイデアの募集、限定情報の発信、オフラインイベントなど、交流のきっかけをつくることが大切です。最後に、SNSや自社の顧客接点から参加者を集め、運営しながら会員の反応を見て改善を重ねます。立ち上げて終わりではなく、継続的に手を入れていく前提で体制を組みます。
つまずきやすい落とし穴・失敗要因
成功要因を押さえても、運営の進め方でつまずく企業は少なくありません。実務でとくに多い落とし穴を挙げます。
- 運営体制・担当者を決めずに始める:投稿への反応やイベントの企画には、担当者の継続的な関与が欠かせません。専任者や役割分担を決めずに始めると、更新が止まり、場が寂れてしまいます。
- ネガティブな声やトラブルへの対応方針がない:批判的な投稿や会員間のトラブルにどう対応するかを決めていないと、雰囲気の悪化や炎上を招きます。投稿のルールと対応の担当を事前に決めておきます。
- 会員数ばかりを指標にする:会員数だけを追うと、登録はされても誰も動かない「開店休業」の状態に気づけません。ログインや投稿といった行動の活発さ(アクション率)もあわせて見ます。
- 目的があいまいなまま運営する:何のための場かが決まっていないと、企画が場当たりになり、会員も居る意味を感じられなくなります。目的を定め、企画や指標をそこに結びつけます。
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自社で始めるためのファンコミュニティ基盤サービス
自社でファンコミュニティを始めるなら、運営に必要な機能がそろった専用プラットフォームを使うと、開発の負担をかけずに立ち上げられます。ここでは、コミュニティ運営やファンエンゲージメントを支援する主なサービスを紹介します。
事例で見たように、投稿や交流で会員を育てる常設コミュニティには交流機能の充実した基盤、顧客の声を商品開発に生かしたいなら顧客の声(VoC)を分析できる基盤、デジタル特典やポイントで参加を促したいならエンゲージメント基盤、というように、やりたい施策に合うサービスを選ぶのがポイントです。まずは機能や提供形態を一覧で比較してみてください。
| ファンコミュニティ基盤サービスの比較 | 24karatマーケティングプラットフォーム | OSIRO(オシロ) | commmune(コミューン) | coorum(コーラム) | QON(クオン) |
|---|---|---|---|---|---|
| 基盤の形(提供形態) | デジタル特典・ポイント型の ファンエンゲージメント基盤 (ファン向けアプリ+API) | デザイン重視の オウンド型コミュニティ基盤 | VoC・CRM連携まで備えた 統合型コミュニティSaaS | コミュニティ+VoC分析の ロイヤル顧客プラットフォーム | 自社サイト組み込み型の ファンコミュニティクラウド |
| 主な機能 | ノーコードの管理コンソール デジタル特典・ポイント・NFT配布 ファン向けアプリ・API連携 | 投稿・交流・イベント・配信 世界観に合わせたデザイン設計 専任プロデューサーの運営支援 | 掲示板・投稿・イベント・ポイント/バッジ VoCのAI構造化・LINE連携 CRM統合 | ノーコードのコミュニティ構築 ブランドアプリ版 VoCの収集・分析・CRM連携 | 自社サイトへのコミュニティ機能の組み込み AIによる運営シナリオのシミュレーション コミュニティモール「Beach」 |
| 向いている企業・用途 | デジタル特典でファンの参加を 促したい企業(リアル接点との連携も) | ブランドの世界観を重視した コミュニティを伴走支援付きで 立ち上げたい企業 | 顧客理解・VoC活用まで 踏み込みたい大手ブランド | 顧客の声を商品開発や 事業の意思決定に生かしたい企業 | 自社サイトと一体で長く運営する ファンコミュニティを築きたい企業 |
| 料金 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (初年度1年契約) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
1. 24karatマーケティングプラットフォーム(24karat株式会社)

24karat株式会社が提供する、ブランドやクリエイター向けのファンエンゲージメント基盤です。ブランド向けの管理コンソールと、ファン向けのアプリ、API群を組み合わせて、デジタルの特典やポイントを通じてファンとの関係を深められます。
エンジニアを介さずに特典やキャンペーンを設計できるノーコードの管理画面を備え、ファンは専用アプリやブランドのアプリから特典を受け取れます。特典やポイントを通じてファンが繰り返しブランドに関わる動機をつくり、その参加の積み重ねでファンとの関係を深めていく発想の基盤です。
上新電機・ロッテ・伊藤忠商事・エイベックスなど、業種を横断した大手企業への導入が公式に発表されており、店舗やイベントといったリアルの接点と組み合わせた展開実績もあります。掲示板型の交流よりも、デジタル特典でファンの参加とロイヤルティを高めたい企業に適した基盤です。
2. OSIRO(オシロ株式会社)

OSIRO(オシロ)は、クリエイター・アーティスト・企業など表現する側とファンをつなぐ、オウンド型のコミュニティプラットフォームです。独自の世界観に合わせてデザインを作り込める点を特徴に掲げています。
投稿・交流・イベント・コンテンツ配信といった機能を備え、独自の世界観に合わせたデザインでコミュニティを設計できる点が特徴です。導入にあたっては専任のコミュニティプロデューサーが、コンセプト設計から運営まで1〜2か月をかけて伴走します。ブランドの世界観を重視したコミュニティを、運営ノウハウの支援を受けながら立ち上げたい企業に向いています。
3. commmune(コミューン株式会社)

顧客との信頼関係をコミュニティで築くためのプラットフォームが、コミューン株式会社の「commmune(コミューン)」です。企業と顧客・従業員が双方向に交流することで、ファンの熱量を高め、共創や顧客ロイヤルティの向上、顧客の声(VoC)の活用につなげます。
掲示板・投稿・イベント・ポイントやバッジといったエンゲージメント機能を、ノーコードで構築・運営できます。コミュニティ本体に加えて、顧客の声をAIで構造化する機能やLINE連携、データ統合基盤まで、自社のプロダクト群で提供している点が特徴です。
日産・パナソニック・サントリーなど大手ブランドを横断した導入実績があり、戦略設計から運営代行までの伴走支援も受けられます。本記事で紹介したベースフードの「BASE FOOD Labo」も、このcommmuneを基盤に運営されています。顧客理解まで踏み込んでコミュニティを運営したい企業におすすめです。
4. coorum(株式会社Asobica)

株式会社Asobicaが提供するcoorum(コーラム)は、ロイヤル顧客プラットフォームです。顧客接点から本音のデータ(VoC)を集めて分析し、商品開発やCRMに活用することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化や口コミの創出、顧客理解を支援します。
ノーコードでコミュニティサイトを構築できるほか、iOS・Android向けのアプリ版を使って自社ブランドアプリとしてコミュニティを提供することもできます。コミュニティを単なる交流の場ではなく、本音データの収集・分析基盤として位置づけ、商品開発やCRMへ接続する設計が特徴です。
会員規模に応じた段階的なプランが用意されています。コミュニティから得た顧客の声を事業の意思決定に生かしたい企業に向いています。
5. QON(クオン株式会社)

企業のWebサイトにファンコミュニティ機能を組み込めるのが、クオン株式会社の「QON」です。ソーシャルメディアの機能を自社サイトに組み込み、企業と消費者が双方向につながるファンコミュニティを育てられます。前身の時代から長く企業向けのコミュニティ構築を手がけ、累計250社以上の導入実績があります。
自社サイトへの組み込み型で、既存のWebサイトと一体のファンコミュニティを約2か月で開設できます。これまで多数のコミュニティ運営で蓄積したデータをもとに、AIが運営シナリオをシミュレーションする独自機能や、複数のコミュニティを束ねるモール「Beach」も備えます。
本記事で紹介したアテニアのコミュニティも、このQONを基盤として運営されています。自社サイトと一体で、長く運営するファンコミュニティを築きたい企業に向く選択肢といえます。
ここで取り上げた以外にも、コミュニティ運営を支援するサービスは数多くあります。目的別の選び方や料金・機能をまとめて比較して自社に合う基盤を絞り込みたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
コミュニティツールおすすめ24選比較|目的別の選び方・料金・機能を徹底解説
既存顧客のLTVを伸ばしたい、SNSやレビューでは見えない生の声を製品開発に届けたい、熱量の高いファンに自社ならではの接点を用意したい——こうした課題を前に、無料SNSでは差別化しにくく、担当者の運営負荷ばかりが重くなっているのではないでし…
まとめ
ファンコミュニティの成功事例を見ると、業種や施策は違っても、ファンの声を商品やサービスに反映し、短期の成果を求めず、売り込みより交流を優先するという共通点がありました。無印良品やLEGOのように共創でヒット商品を生んだ事例、森永製菓やカインズのように長く会員を育てた事例など、自社に近いモデルが見つかったのではないでしょうか。
自社で始める際は、目的とファン像を決め、自社サイト型・SNS併用型・専用プラットフォーム型から合う基盤を選ぶことが出発点になります。開発の負担をかけずに本格的なコミュニティを立ち上げたい場合は、運営機能がそろった専用サービスの活用も検討してみてください。
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よくあるご質問(FAQ)
Q. ファンコミュニティとは何ですか?
A. ファンコミュニティとは、企業やブランドのファンが集まり、企業とファン、あるいはファンどうしが双方向に交流する場のことです。商品やサービスへの愛着を高め、継続的な購入や口コミ、商品開発への協力につなげることを目的とします。不特定多数へ広く発信するSNSマーケティングや、企業からファンへ特典を提供する一方向のファンクラブとは、双方向の関係づくりに重きを置く点が異なります。
Q. ファンコミュニティの立ち上げには、どのくらいの費用がかかりますか?
A. ファンコミュニティの費用は、選ぶ基盤によって変わります。InstagramやLINEなど既存のSNSを使うSNS併用型は初期の負担を抑えて始められる一方、自社でサイトやアプリを構築する自社サイト型は開発・運用のリソースが必要です。
運営機能がそろった専用プラットフォーム型は、月額や年額の利用料で提供されることが多く、料金は会員規模や機能に応じた個別見積もりとなるサービスが一般的です。具体的な金額は、各サービスの資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。
Q. ファンコミュニティは立ち上げてからどのくらいで成果が出ますか?
A. ファンコミュニティの成果は、数か月で表れるものではなく、中長期で育てる前提で取り組む必要があります。本記事で紹介した森永製菓「エンゼルPLUS」は約10年かけて会員75万人規模に育っており、短期間で会員が増えないからと打ち切ると、それまでの蓄積も失われます。
開設初期は会員数そのものより、ログインや投稿といった参加の活発さを見ながら、交流が生まれる状態を地道につくっていくことが成果への近道です。
Q. 小規模な企業や少人数でもファンコミュニティを始められますか?
A. ファンコミュニティは、小規模でも、熱量の高いコアファンとの交流から始められます。本記事のカゴメは会員数そのものより行動の活発さ(アクション率)を重視し、約2.5%のコアファンに注目しています。ベースフードの「BASE FOOD Labo」も約100名からスタートしました。まず既存のSNSや少人数のファンから小さく始め、反応を見ながら広げていくやり方なら、大規模な投資がなくても取り組めます。
Q. ファンコミュニティの基盤は、自社サイト型・SNS併用型・専用プラットフォーム型のどれを選べばよいですか?
A. ファンコミュニティの基盤は、開発リソース・データ活用の深さ・立ち上げスピードの3点で選ぶとよいでしょう。自社の世界観を細かく作り込み、会員データを自社の資産にしたいなら自社サイト型、まず小さく早く始めたいならSNS併用型、開発の負担をかけずに本格的な機能で始めたいなら専用プラットフォーム型が向いています。
会員の声を商品開発まで生かしたい場合は、顧客の声(VoC)の分析機能を備えた専用プラットフォームが有力な選択肢になります。
Q. ファンコミュニティの成果は何を指標にして測ればよいですか?
A. ファンコミュニティの成果は、会員数だけでなく、会員の「行動」と「事業への貢献」の両面で測るのが効果的です。ログイン・いいね・投稿といった参加の活発さ(カゴメが重視するアクション率)、会員の購買単価(カインズでは会員交流を通じて1.8倍)、寄せられた投稿数や製品化の件数などが代表的な指標です。
目的が商品開発なら投稿・反映の件数、リピート促進なら購買単価や継続率、というように狙いに合わせて指標を選ぶと、施策の良し悪しを判断しやすくなります。
ファンコミュニティ基盤サービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、ファンコミュニティやファンエンゲージメントを支援するサービスの最新資料を無料で一括請求できます。機能・提供形態・支援体制を比べて、自社に合う基盤を選べます。
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MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















