事業資金を申し込んだ銀行から融資を断られても、担当者から「今回は難しい」としか伝えられず、何が原因だったのか分からないまま悩むケースは少なくありません。銀行が審査落ちの具体的な理由を明示することは原則としてなく、自社の状況と照らし合わせて原因を推測する必要があります。
審査に通らない原因の多くは、「返済能力が不足している」と判断されたことに行き着きます。赤字や税金の滞納、信用情報の問題など、原因を特定できれば改善して再び申し込む道が見えてきます。改善に時間がかかる場合や、支払い期日が目前に迫っている場合には、借入を増やさずに資金を確保する手段も選択肢になります。
本記事では、銀行の事業融資審査に通らない主な理由と、理由ごとの改善策・再申込の進め方を整理します。あわせて、日本政策金融公庫や制度融資、売掛金を早期に現金化するファクタリングなど、銀行以外の資金調達手段についても、審査の対象やコストの違いを比較しながら解説します。
目次
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銀行が融資を断る根本は「返済能力が不足」と判断されたこと
個別の理由を見る前に、銀行が何を基準に融資の可否を決めているかを押さえておくと、自社のどこが引っかかったのかを位置づけやすくなります。
銀行が審査で見ているのは、突き詰めれば「貸したお金を期日までに返せるか」という一点です。民間の銀行は貸し倒れを避けるため、決算の内容・資金の使いみち・返済の原資・過去の返済履歴といった客観的な事実から、返済能力を評価します。赤字や税金の滞納、信用情報の問題が審査落ちの理由になるのは、いずれも「返済に不安がある」というサインとして受け取られるためです。
この視点に立つと、審査に通らない理由はいずれも、財務・返済計画・信用情報のどこかで「返済に不安がある」というサインに行き着きます。次の章で、具体的な理由を一覧で確認していきます。
銀行融資の審査に通らない主な理由【一覧表】
銀行が事業融資を断る主な理由を、銀行が見ているポイントと基本的な対策とあわせて一覧にまとめました。自社のケースがどれに当てはまりそうかを確認してください。複数の理由が重なっていることも珍しくありません。
| 赤字決算が続いている | 債務超過に陥っている | 税金・社会保険料を滞納している | 信用情報に延滞などの記録がある | 自己資金が不足している | 他社からの借入が多い | 返済遅延・リスケジュールの履歴がある | 事業計画書の内容が不十分 | 融資の使いみちが不明確 | 銀行内の格付けが低い | 担保・保証を用意できない | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 銀行が見ているポイント | 本業で利益を生めているか。営業赤字は返済原資の不足とみなされやすい | 資産より負債が多く、返済余力が乏しいと判断される | 公的な支払い義務を果たしていない企業は信用できないとみなされる | 過去のローンやクレジットの延滞・事故情報は返済姿勢の判断材料になる | 特に創業期は、計画的に準備してきたかを測る指標とされる | 返済負担が重く、さらなる返済に耐えられないと判断される | 既存の返済を約束どおり履行できていない点が重く見られる | 売上や返済の根拠が乏しく、計画の実現性に疑問を持たれる | 資金使途が曖昧だと、後ろ向きの資金(赤字補填など)を疑われる | 決算書をもとにした内部格付けが低いと、融資の条件が厳しくなる | 信用力を補う担保や保証が乏しいと、保全の観点で慎重になる |
| 主な対策 | 赤字の要因(一時的な設備投資か、構造的な営業赤字か)を説明できる資料を用意し、黒字化の計画を示す | 増資や役員借入金の資本への振り替えなどで純資産を改善してから申し込む | 融資の相談より前に完納を最優先する。分納中の場合はその事実と完納の見込みを示す | 信用情報機関に自身の情報を開示請求して状況を把握し、記録が消えるまで期間を空けることも検討する | 通帳で積み立ての経緯を示せる資金を厚くする。事業規模を見直して必要額を抑える | 金利の高い借入から整理・返済を進め、借入全体の残高を圧縮する | まず既存融資の返済を正常化する。リスケ中は新規融資が難しい点を理解しておく | 売上の積算根拠・資金使途・返済原資を数字で具体的に示し、計画を作り直す | 設備投資・運転資金など使途を明確にし、見積書などの裏づけ資料を添える | 自己資本比率や債務償還年数などの指標が見られるため、決算内容の改善を重ね、試算表や資金繰り表で足元の状況を継続的に共有する | 信用保証協会の保証付き融資(制度融資)を活用し、保全面を補う |
※上記は一般的な審査の傾向を整理したものです。実際の審査基準は金融機関により異なります。
税金の滞納や赤字のように解消まで時間がかかる理由に当てはまり、その間の資金が必要な場合は、原因の改善と並行して、売掛金を使うなど借入に頼らない調達(後述)も検討できます。
このうち信用情報の記録については、延滞や事故情報がいつまで残るのかが気になるところです。指定信用情報機関のCIC(シー・アイ・シー)では、延滞や破産などの「異動」を含むクレジット情報の保有期間を「契約期間中および契約終了後5年間」と定めています。
日本信用情報機構(JICC)でも、2019年10月1日以降の契約は「契約継続中及び契約終了後5年以内」とされており、機関や情報の種類によって残る期間が異なります。
創業前と既存事業で見られる理由はどう違うか
同じ「審査に通らない」でも、事業がどの段階にあるかで銀行が重く見るポイントは変わります。自分がどちらに当てはまるかで、確認すべき理由を絞り込めます。
創業前や創業直後は、過去の売上や利益という実績データがありません。そのため銀行は、自己資金を計画的に準備してきたか、事業を遂行できる経験やノウハウがあるか、必要な許認可を取得しているかといった、準備状況から将来の返済能力を推し量ります。自己資金の不足や経験不足が、審査落ちの中心的な理由になりやすい段階です。
一方、事業を続けている企業では、現在の業績そのものが評価されます。赤字や債務超過といった決算内容の悪化、既存借入の返済遅延、資金使途が後ろ向きであることなどが主な理由になります。計画書の不備・税金の滞納・信用情報の問題は、どちらの段階にも共通する要因です。
自己資金・見せ金はどう見られるか
創業期や個人事業主がつまずきやすいのが、自己資金の扱いです。「いくら用意すれば通るのか」を気にしがちですが、公的な融資機関の考え方は少し異なります。
日本政策金融公庫は、創業支援に関するQ&Aで、自己資金は重要な要素の一つとしながらも、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要だと説明しています。金額の目安としては、同公庫の「新規開業実態調査」で、創業資金総額に占める自己資金の割合が平均2割程度だったと示されています。これは形式的な要件ではなく、実態としての平均値である点に注意が必要です。
自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります。…自己資金の目安については、公庫が融資先の創業企業を対象として実施した調査(「新規開業実態調査」)によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度となっています。
出典:創業支援 よくあるご質問|日本政策金融公庫
実務では、自己資金として評価されやすいのは、通帳で少しずつ積み立ててきた経緯を確認できる資金です。申込の直前に一時的に口座へ入れたまとまった資金は、出所が不透明だと判断され、自己資金として扱われない場合があります。見かけの金額を増やすより、準備の経緯を説明できる状態にしておくことが大切です。
断られた理由を改善して再申込する手順
審査に落ちた原因を特定できたら、改善してから再び申し込む道があります。やみくもに再申請するのではなく、順を追って進めることが大切です。
最初のステップは、断られた理由をできるだけ具体的に把握することです。銀行が謝絶の理由を明確に伝えてくれるとは限りませんが、金融庁の「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」では、金融機関が顧客の知識や経験に応じて、その理解と納得を得ることを目的とした説明を行う態勢を整えるよう求めています。
担当者に「どこを改善すれば次の審査で可能性が出るか」を遠慮なく尋ねてかまいません。こうした説明態勢が求められていることが、その後押しになります。
出典・参考資料(1件)
次に、特定した理由を一つずつ解消します。税金や社会保険料の滞納があれば完納を最優先し、債務超過なら増資や役員借入金の資本振り替えで純資産を立て直します。赤字が理由であれば、黒字化の計画を立ててから申し込むほうが説得力を持ちます。改善には数か月から年単位の時間がかかることもあるため、資金が必要な時期と見合うかを見極める必要があります。
再申込のタイミングにも注意が必要です。断られた直後に理由が変わらないまま再申請しても、結果が覆る可能性は高くありません。再申込までどの程度の期間を空けるべきかは金融機関の運用によって異なり、実務上は半年から1年程度を目安とする解説が多く見られます。
また、短期間に複数の金融機関へ同時に申し込むと、信用情報機関に照会の記録(CICでは保有期間6か月間の申込情報)が残り、かえって不利になることがあります。
出典・参考資料(1件)
再申込はどこに出すか(銀行以外の融資先の選び方)
再申込の相手は、断られた銀行だけではありません。事業者向けの融資には、民間銀行より柔軟に対応してもらいやすい公的な選択肢があります。
日本政策金融公庫は、国が全額出資する政府系の金融機関で、民間金融機関を補完する役割を担っています。創業期や小規模な事業者が利用しやすく、民間銀行に断られた場合でも相談する価値があります。地域に根ざした信用金庫・信用組合も、中小企業や小規模事業者向けの融資を主要業務としており、対面での相談に応じています。
信用保証協会の保証を付ける制度融資も有力な選択肢です。信用保証協会は、中小企業が金融機関から事業資金を調達する際に保証人となり、融資を受けやすくする公的機関です。創業関連の保証では、事業を始める前の段階から利用でき、保証限度額は3,500万円とされています。経営者の個人保証を不要とするスタートアップ創出促進保証のような制度も用意されています。
制度の詳細や運用は各信用保証協会によって異なるため、地域の協会や金融機関に確認してください。

銀行以外の資金調達という選択肢
資金が必要になるまで猶予がない場合や、改善に時間がかかる場合は、断られた銀行以外の調達先も視野に入ります。前の章で触れた日本政策金融公庫や制度融資などの公的な融資先に加え、借入ではないファクタリングや手形割引まで含めて、審査の対象・入金スピード・コストで横並びに整理します。このうち借入を増やさずに調達できるのは、ファクタリングと手形割引です。
| 日本政策金融公庫 | 信用金庫・信用組合 | 制度融資(信用保証協会付き) | ビジネスローン(ノンバンク) | ファクタリング | 手形割引 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 審査の主な対象 | 事業の計画性・返済能力(創業期は準備状況) | 決算内容・事業の将来性・地域での取引関係 | 信用保証協会の保証審査+金融機関の審査 | 自社の信用力・財務状況 | 売掛先の信用力・売掛金の実在性 | 手形の振出人の信用力 |
| 入金までの目安 | 数週間〜1か月程度 | 数週間程度 | 1か月以上かかることもある | 最短即日〜数日 | 最短即日 | 数日程度 |
| コスト | 比較的低い金利 | 比較的低い金利 | 金利+信用保証料 | 金利は高め | 手数料(2社間は高め・3社間は低め) | 割引料 |
| 向くケース | 創業期や、民間銀行に断られた小規模事業者 | 地域に根ざして事業を続ける中小企業 | 担保や信用力を保証で補いたい事業者 | 少額・短期を手早く借りたい事業者 | 売掛金があり、借入を増やさず早期に資金化したい事業者 | 受取手形を保有している事業者 |
※入金までの目安やコストは一般的な傾向です。実際の条件は各調達先により異なります。
表のうち手形割引は、取引先から受け取った約束手形を支払期日より前に金融機関などへ譲渡し、額面から割引料を差し引いた金額を受け取る方法です。審査で主に見られるのは手形の振出人(支払う側)の信用力で、自社の赤字や債務超過は直接の判断材料になりにくいとされます。ただし利用できるのは受取手形を保有している場合に限られ、約束手形による支払いは減少傾向にあるため、使える事業者は限られます。
この中で、自社の信用力ではなく売掛先の信用力で審査される点が特徴的なのがファクタリングです。保有している売掛債権(請求書)をファクタリング会社へ譲渡して期日前に現金化する仕組みで、借入ではないため借入残高を増やさずに資金を確保できます。赤字や税金の滞納で銀行融資が難しい場合でも、売掛金があれば利用できる可能性があります。
借入ではないという性質は、審査で見られる情報の違いにも表れます。ファクタリングを提供する事業者は、銀行融資との違いを次のように説明しています。

銀行や消費者金融などの金融機関は、融資の申し込みがあった際に信用情報を通じて個人や企業様の情報を見て対応します。一方でファクタリングは融資ではなく、売掛債権という権利の売買・譲渡ですので、借入れではない分、決算書には影響が出づらい場合もあります。信用情報や決算に影響を及ぼしづらいというところが、お客様にとって大きなメリットだと思います。
売掛先の信用力が審査の中心とはいえ、自社のどの点が確認され、どのような場合に通らないのかは気になるところです。審査で実際に見られる項目と通過の条件は、以下の記事で詳しく解説しています。
一方で、ファクタリングには手数料という負担があります。特に売掛先に通知せず利用できる2社間ファクタリングは、売掛先の承諾を得る3社間ファクタリングより手数料が高くなる傾向があります。資金化のスピードと手数料のバランスを見て判断することが大切です。また、金融庁は、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在に注意を呼びかけています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。…ファクタリング業者から受け取る金銭(債権の買取代金)が、債権額に比べて著しく低額であるといったケースは、偽装ファクタリングの疑いがありますので、ヤミ金融を利用しないよう、十分注意してください。
出典:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁
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銀行に断られた事業者でも、売掛金があれば使えるのがファクタリングです。手数料の水準や審査のスピード、個人事業主への対応可否はサービスによって差があるため、ここからは主なサービスをそれぞれの特徴とあわせて紹介します。以下は、本記事で紹介するサービスの比較表です。
| サービス名 | ビートレーディング | Mentor Capital | PAYTODAY | 入金前払いシステム(JTC) |
|---|---|---|---|---|
| 手数料率 | 2社間4%〜 3社間2%〜 | 2%〜 | 1%〜9.5% | 3社間1.2%〜 2社間5%〜(目安) |
| 買取可能額 | 1万円〜上限なし | 最大1億円 | 10万円〜上限なし | 100万円〜上限なし |
| 最短入金 | 最短即日 | 最短即日 | 最短即日 | 最短即日 |
| 取引方式 | 2社間・3社間 | 2社間・3社間 | 2社間 | 2社間・3社間 |
| 個人事業主の利用 | ● | ● | ● | ×(法人のみ) |
| 医療・介護報酬債権 | ● | ● | 公式に記載なし | ×(医療・介護報酬は対象外) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
ビートレーディング(株式会社ビートレーディング)

2012年創業のファクタリング専業会社で、全国5拠点で事業を展開しています。2社間・3社間のファクタリングに加え、注文書や診療報酬・介護報酬を対象とした買取にも対応しています。
手数料は2社間が4%から、3社間が2%からと公式サイトで下限を明示しています。審査では売掛先の経営状況や売掛金の実在性を主に見ており、申込者自身の信用情報よりも売掛先の信用力を重視する方針が公式FAQから読み取れます。必要書類は通帳の入出金明細と売掛金に関する書類の2点で、個人事業主も2社間ファクタリングを利用できます。
取引社数は9万1,000社以上、累計買取額は1,824億円に達しています(いずれも2026年3月時点)。
出典・参考資料(1件)
Mentor Capital(株式会社Mentor Capital)

赤字や債務超過、税金を滞納中の企業や、創業1年未満の事業者も対象とする点を公式に掲げているファクタリング会社です。自社の信用力を理由に銀行融資を断られた事業者にとって、相談先の候補になります。
手数料は2%からで、買取金額は最大1億円まで対応しています。2社間・3社間の両方式に対応し、個人事業主も利用できます。審査結果は最短30分で連絡があり、最短即日での資金化を訴求しています。審査では売掛先の支払い実績や取引の継続性を中心に、債権の実在性まで総合的に判断していると、公式インタビューで説明しています。
出典・参考資料(1件)
PAYTODAY(Dual Life Partners株式会社)

AI審査により面談・来店が不要で、申込から現金化までオンラインで完結するファクタリングサービスです。法人だけでなく個人事業主・フリーランスも対象としています。
手数料は1%から9.5%までと上限を公式に明示しており、買取金額は10万円からと少額のニーズにも対応します。初期費用・月額費用は無料で、費用は手数料のみです。審査は売掛先の信用情報に加えて利用者自身の財務状況も加味して行われ、入金までの目安は書類提出後の最短1営業日以内(状況により最短30分)です。債権譲渡登記を行わない点も費用を抑える要素になっています。
出典・参考資料(1件)
入金前払いシステム(株式会社JTC)

株式会社JTCが2013年から提供するファクタリングサービスで、法人の高額な資金調達の相談を得意としています。買取金額は100万円から上限を設けず、過去には数億円規模の取引実績もあります。
手数料は契約形態で変わり、売掛先の承諾を得られる3社間契約で1.2%から、承諾を得ない契約では目安5%からとしています。急いで資金が必要な場面での利用に向き、取り扱いは法人中心で、個人事業主・フリーランスは対象外です。
また医療法人は取り扱わない方針のため、診療報酬・介護報酬の債権は扱えません。
銀行融資とファクタリングを使い分ける局面について、同社の池田氏は次のように語っています。
多いのは、「このままだと2〜3週間後の支払いに間に合わない」という局面です。銀行融資は申込みから1ヶ月〜2か月ぐらいかかることもあるので、時間が間に合わないとなったときに、ファクタリングを選ばれることが多いです。
出典・参考資料(1件)
ここで紹介した以外にも、ファクタリング会社は手数料や入金スピード、買取可能額、対応できる契約方式が会社によって大きく異なります。より多くの会社を横並びで比較し、自社に合う調達先を選びたい場合は、選び方とあわせて解説した以下の記事もご覧ください。
まとめ
銀行が事業融資を断る理由は、赤字や債務超過、税金の滞納、信用情報の問題など多岐にわたりますが、その多くは「返済能力が不足している」という判断に行き着きます。まずは自社がどの理由に当てはまるかを特定し、改善できるものは改善したうえで、日本政策金融公庫や信用金庫、制度融資といった別の融資先への再申込を検討するのが基本的な流れです。
改善に時間がかかる場合や、支払い期日が迫っている場合は、売掛金を活用して借入を増やさずに資金化するファクタリングも選択肢になります。手数料や審査のスピード、個人事業主への対応はサービスごとに異なるため、複数のサービスの資料を取り寄せて比較し、自社の状況に合った調達手段を選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 銀行に融資を断られた理由は教えてもらえますか?
A. 銀行には審査落ちの具体的な理由を開示する義務がなく、明確な理由は教えてもらえないのが一般的です。ただし、金融機関には顧客の知識や経験に応じて理解と納得を得るための説明を行う態勢が求められているため(金融庁の監督指針)、担当者に「どこを改善すれば可能性があるか」を尋ねること自体は有効です。あわせて、自分の信用情報は信用情報機関へ開示請求すれば確認でき、延滞などの記録の有無を自分で把握できます。
出典・参考資料(1件)
Q. 信用情報の延滞や事故の記録は何年残りますか?
A. 信用情報の延滞や金融事故の記録は、契約終了後おおむね5年間残ります。CIC(シー・アイ・シー)は延滞などの「異動」を含むクレジット情報を「契約期間中および契約終了後5年間」、JICC(日本信用情報機構)も2019年10月1日以降の契約は「契約継続中及び契約終了後5年以内」保有すると定めています。
記録が残る間は審査で不利になりやすいため、開示請求で自分の状況を確認したうえで、記録が消えるまで期間を空けることも検討します。
Q. 創業して間もない事業者でも事業融資は受けられますか?
A. 創業直後で決算の実績がない事業者でも、創業期に対応した公的な融資・保証制度を使えば資金調達は可能です。実績がないぶん民間銀行の通常の事業融資は通りにくいものの、日本政策金融公庫の創業向け融資や、信用保証協会の創業関連の保証(創業前の段階から利用でき、経営者の個人保証を不要とする制度もあります)が利用できます。
この段階では、自己資金を計画的に準備してきたかと、事業計画の具体性が評価の中心になります。
出典・参考資料(3件)
Q. 赤字決算でも融資や資金調達はできますか?
A. 赤字でも資金調達の道は残りますが、銀行の新規融資は不利になりやすく、赤字の性質によって見られ方が変わります。設備投資による一時的な赤字など合理的に説明できる場合は、要因と黒字化の計画を示すことで申込の余地があります。一方、本業の営業赤字が続いている場合は、改善してから申し込むほうが現実的です。改善を待てず資金が必要なときは、借入以外の調達手段も含めて検討することになります。
Q. 税金や社会保険料を滞納していても使える資金調達はありますか?
A. 税金や社会保険料の滞納があると銀行や公庫の融資は原則として難しく、まず完納(または分納の実行と完納見込みの提示)が前提になりますが、売掛金があればファクタリングを利用できる場合があります。ファクタリングは融資ではなく売掛債権の売却で、審査の中心が申込者自身ではなく売掛先の信用力にあるためです。滞納の解消に時間がかかり、その間の資金をつなぐ必要があるときの選択肢になります。
Q. 融資を断られた後、再申込まではどのくらい期間を空けるべきですか?
A. 断られた直後に同じ内容で再申込しても結果は覆りにくく、実務上は半年から1年程度を目安とする解説が多く見られます。ただし適切な期間は金融機関の運用や断られた理由によって異なり、一律ではありません。期間そのものよりも、断られた理由を改善してから申し込むことのほうが、再申込の結果を左右します。
Q. 複数の金融機関に同時に融資を申し込んでも問題ありませんか?
A. 複数の金融機関に申し込むこと自体は可能ですが、短期間に何件も申し込むと信用情報に照会の記録が残り、かえって不利になることがあります。CIC は融資などの申込情報を6か月間保有しており、短期間に多数の照会があると「資金繰りに窮している」と受け取られかねません。やみくもに同時申込するより、断られた理由を改善して申込先を絞るほうが得策です。
出典・参考資料(1件)
Q. 日本政策金融公庫や制度融資は銀行より審査に通りやすいですか?
A. 日本政策金融公庫や信用保証協会付きの制度融資は、民間銀行より中小・小規模事業者や創業期に柔軟に対応してもらいやすい傾向があります。公庫は民間金融機関を補完する役割を担う政府系機関で、信用保証協会は保証人となって融資を受けやすくする公的機関だからです。ただし「必ず通る」わけではなく、事業計画の具体性と誠実な面談対応が前提になる点は銀行と変わりません。
Q. ノンバンクのビジネスローンは銀行融資の代替になりますか?
A. ビジネスローンは審査が速く手早く借りられる一方、金利が高く返済負担が重くなりやすいため、緊急時を除けばまず公庫や信用金庫を優先するのが基本です。少額・短期の資金を急いで調達したい場面では有効ですが、借入である以上、返済が事業を圧迫しないかの見極めが欠かせません。借入残高そのものを増やしたくない場合は、売掛金を現金化するファクタリングなど、借入以外の手段とも比べて判断しましょう。
Q. ファクタリングは銀行融資を断られた事業者でも利用できますか?
A. ファクタリングは、赤字や税金の滞納で銀行融資を断られた事業者でも、売掛金があれば利用できる可能性があります。自社の財務や信用情報ではなく、売掛先の信用力と売掛債権の実在性が審査の中心になるためです。ただし手数料という負担があり、売掛先に通知しない2社間方式は、承諾を得る3社間方式より手数料が高くなる傾向があります。
また、債権額に比べて著しく低い金額しか受け取れない契約は偽装ファクタリング(ヤミ金融)の疑いがあると金融庁が注意を促しており、契約内容の確認が欠かせません。
出典・参考資料(1件)
Q. 個人事業主やフリーランスでも利用できる資金調達の手段はありますか?
A. 個人事業主やフリーランスでも、売掛金があればファクタリングを利用できるサービスが複数あります。本記事で紹介したビートレーディング・Mentor Capital・PAYTODAY は個人事業主の利用に対応しています(株式会社JTCの入金前払いシステムは法人中心で対象外です)。
対応可否や必要書類、手数料はサービスごとに異なるため、資料で条件を確認して比較すると、自社に合う調達先を見極めやすくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















