広告で新規顧客を集め続けても売上が安定しない、SNSやキャンペーンを単発で打っても成果が続かない——こうした手応えのなさから、既存の顧客やファンとの関係づくりに軸足を移す企業が増えています。その具体策が、商品やブランドのファンを育てて購入と発信の両面で支えてもらう「ファンマーケティング」です。
とはいえ、言葉の説明だけでは「自社で何をすればよいのか」は見えてきません。先に知りたいのは、どの企業が・どんな施策で・どんな成果を出したのかという実例のはずです。
本記事では、ワークマンやヤッホーブルーイング、スターバックスなど7社のファンマーケティング成功事例を、施策と公表されている成果とともに紹介します。そのうえで事例に共通する成功の型、代表的な施策、自社で始める第一歩、そして施策を一度きりで終わらせず続けるための仕組みまでを整理しました。自社のファンマーケティングを設計する判断材料としてご活用ください。
目次
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ファンマーケティングの成功事例【一覧で比較】
まず、本記事で取り上げる7社の事例を一覧で俯瞰します。業種・施策・公表されている成果を並べました。自社に業種や課題が近い事例から、次の章の詳しい解説に進んでください。
| 成功事例 | ワークマン(作業服・アウトドアウェア小売) | ヤッホーブルーイング(クラフトビール) | スターバックス コーヒー ジャパン(カフェ) | ベースフード(D2C〈消費者への直接販売〉・完全栄養食) | スノーピーク(アウトドア用品) | 良品計画/無印良品(生活雑貨) | ネスカフェ(ネスレ日本/食品飲料・BtoBtoC) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な施策 | 公式アンバサダー制度・製品の共同開発 | ファンイベント「超宴」の開催 | 会員プログラム「Starbucks® Rewards」 | 継続購入(サブスク)とファンコミュニティ | ユーザー参加型キャンプイベント「Snow Peak Way」 | 顧客共創プラットフォーム「IDEA PARK」 | 職場向けアンバサダー制度 |
| 主な成果・取り組み | 無償アンバサダー約50人、全プライベートブランド品の3分の1が共同開発品 | ファンイベント「超宴」を10年以上継続。2025年は約1,100人が参加、満足度85.3% | 2017年9月開始、2021年9月に会員800万人を突破 | 定期購入者数21万人超(2024年6月末)、累計販売2億袋・前年同月比約1.6倍 | 1998年開始、社員とユーザーが直接交流する場として約30年継続 | 顧客の声を商品開発・改善に反映する共創の場を運営 | 「ネスカフェ アンバサダー」応募17万人突破(2015年3月時点) |
※成果は各社の発表時点の数値です。詳細と出典は次章を参照してください。
企業別のファンマーケティング成功事例(施策と成果)
ここからは7社の事例を、どんな課題に対して・どんな施策を打ち・どんな成果が公表されているかの順で解説します。業種も施策の起点もさまざまなので、自社の状況に重ねながら読み進めてください。
ワークマン|ファンを製品開発に巻き込み、既存品をヒットさせる
作業服で培った機能性を一般向けに広げる過程で、ワークマンは自社だけでは気づきにくい使い方や改善点をどう集めるかという課題に向き合いました。そこで取り入れたのが、製品を愛用するインフルエンサーを「アンバサダー」として製品開発に迎える施策です。
アンバサダーは無償で開発に参加し、完成した製品を自身の発信で広めます。公式発表によると、このアンバサダーは約50人にのぼり、共同開発品のヒット率は高く、現在はプライベートブランド品全体の3分の1を占めるまでになりました。年間3,000着ほどの特殊用途品だった「綿かぶりヤッケ」が、アンバサダーの発信を起点に「コットンキャンパー」として40万着を超えるヒット品へと変わった例もあります。
出典・参考資料(1件)
ヤッホーブルーイング|ファンイベントで熱量を高め、満足度で測る
「よなよなエール」などで知られるヤッホーブルーイングは、ファンと直接つながる場として野外イベント「よなよなエールの超宴」を続けています。大規模な広告に頼らず、ファンの熱量とつながりを深めることで支持を広げる狙いがあります。
超宴は500人規模での初開催から回を重ね、2018年には東京・お台場で5,000人を集める大規模開催も実現しました。その後も会場や形式を変えながら毎年続き、開催10周年を迎えた2025年は約1,100人が参加し、雨天にもかかわらず参加者の満足度は85.3%と公表されています。
規模の大小だけを追うのではなく、10年以上にわたってイベントを続け、参加者の高い満足度を保っている点に、ファンとの関係づくりの成果が表れています。
出典・参考資料(1件)
スターバックス|会員プログラムで来店とつながりを継続させる
スターバックスは、一杯ごとの体験に加えて、来店を続けたくなる仕組みとして会員プログラム「Starbucks® Rewards」を提供しています。買い物のたびにStarを貯めて特典と交換できる仕組みで、顧客との接点を継続的に持ち、来店動機を保つ役割を担います。
Starbucks® Rewardsは2017年9月に始まり、4周年を迎えた2021年9月には会員数が800万人を突破したと発表されました。日常的に利用する顧客を会員としてつなぎとめ、関係を積み重ねていく施策の規模がうかがえます。
ベースフード|継続購入とコミュニティでファンを定着させる
完全栄養食を手がけるベースフードは、単発購入では続きにくい食習慣を、継続購入(サブスク)とユーザー同士が食べ方を共有するコミュニティで支える設計をとっています。買って終わりではなく、続けて食べてもらうこと自体がファン化につながる構造です。
公式発表によると、定期購入者数は2024年6月末時点で21万人を突破し、累計販売袋数は前年同月比の約1.6倍となる2億袋を超えました。継続して買い支えるファンの広がりが、販売の伸びに表れています。
出典・参考資料(1件)
スノーピーク|社員とユーザーが直接交流する場を続ける
アウトドア用品のスノーピークは、製品を売るだけでなく、ユーザーと社員が同じ場で過ごし直接語り合うことを大切にしてきました。その象徴が、ユーザー参加型のキャンプイベント「Snow Peak Way」です。
Snow Peak Wayは社員がまだ40名ほどだった1998年に始まり、約30年にわたって続いています。経営層を含む社員とユーザーが焚き火を囲んで直接つながるこの取り組みは、長く続く共創と対話の場としてファンとの関係を支えています。
出典・参考資料(1件)
無印良品|顧客の声を商品開発に取り込む共創の場
無印良品を展開する良品計画は、顧客の声を商品開発や改善に反映する共創の仕組みとして「IDEA PARK」を運営しています。顧客からアイデアや意見を受け取り、対話を通じてモノづくりを進める場として位置づけられています。
一方的に作った商品を届けるのではなく、顧客を開発の参加者として巻き込むことで、使う人の視点が反映された商品が生まれ、参加した顧客自身のブランドへの愛着も深まります。顧客を「意見の送り手」として迎える姿勢が、ファンとの関係づくりの土台になっています。
出典・参考資料(2件)
ネスカフェ|職場の代表者をアンバサダーにして接点を広げる
ネスレ日本が展開する「ネスカフェ アンバサダー」は、職場にコーヒーマシンを置き、その職場の代表者(アンバサダー)が運用を担う仕組みです。企業と個人の間に職場の代表者を置くことで、一人ひとりに直接売り込まなくても、職場単位でブランドとの接点が広がります。
ネスレ日本の発表によると、「ネスカフェ アンバサダー」の応募は2015年3月時点で17万人を突破しました。製品を使う人自身が運用と小さな推奨の担い手になることで、ブランドが広がっていく施策です。
成功事例に共通する「成功の型」
7社の施策は業種も手法も異なりますが、うまくいっている取り組みにはいくつかの共通した型が見えてきます。自社で再現するための手がかりとして整理します。

顧客を「受け手」ではなく「参加者」にしている
ワークマンのアンバサダーによる製品開発、無印良品のIDEA PARKはいずれも、顧客を受け手ではなく、作る過程に関わる参加者として迎えています。ネスカフェが職場の代表者を運用の担い手に迎えたのも、顧客を受け手から参加者へ変える同じ発想です。参加した顧客は自分が関わった取り組みに愛着を持ち、発信の担い手にもなります。企業側も、自社だけでは得にくい現場目線の改善点を受け取れます。
一度きりで終わらせず、続く接点をつくっている
スターバックスの会員プログラムやベースフードの継続購入、スノーピークが約30年続けるイベントに共通するのは、関係が一度の購入やイベントで途切れない設計になっている点です。貯まる特典、続けて届く仕組み、毎年集う場——形はさまざまでも、顧客と継続的に接点を持ち続けることが、ファンの定着につながっています。
ファン同士・社員との直接のつながりを生んでいる
ヤッホーブルーイングの超宴やスノーピークのイベントは、企業と顧客の縦のつながりだけでなく、ファン同士、そして社員との横のつながりを生みます。同じ商品を好きな人と直接出会える場は、満足度を押し上げ、ブランドへの帰属意識を強めます。ヤッホーブルーイングが満足度を指標に据えているように、つながりの質を測りながら続けている点も参考になります。
事例に登場した代表的なファンマーケティング施策
ここでは、事例に登場した施策を種類ごとに整理します。それぞれがどの事例で何に効いたのかとあわせて見ると、自社で使えそうな施策が見つけやすくなります。

ファンコミュニティ
顧客同士、あるいは顧客と企業が交流する場をつくる施策です。ベースフードのように食べ方や工夫を共有する場は、顧客の継続利用を後押しし、企業にとっては生の声を集める場にもなります。どんな基盤でコミュニティを運営するかは、後半の「施策を続ける仕組み」で具体的に取り上げます。
アンバサダー制度
製品を愛用する個人や、職場の代表者を「アンバサダー」として起用し、発信や運用を担ってもらう施策です。ワークマンは製品開発に巻き込むことでヒット品を生み、ネスカフェは職場の代表者を通じて接点を広げました。熱量の高いファンの発信は、広告とは異なる説得力を持ちます。
ファンミーティング・イベント
ファンが直接集まる場をつくる施策です。ヤッホーブルーイングの超宴やスノーピークのSnow Peak Wayのように、顧客と企業、ファン同士が顔を合わせる機会は、オンラインだけでは得にくい強いつながりと満足度を生みます。
会員プログラム・会員限定の仕組み
特典やポイントで継続利用を促す施策です。スターバックスの会員プログラムのように、利用を続けるほど得られる仕組みは、来店や購入の動機を保ち、顧客との接点を途切れさせません。会員だけの情報や体験を用意することで、特別感も生まれます。
UGC・共創企画
顧客が自ら作る投稿(UGC)や、商品開発への参加を促す施策です。無印良品のIDEA PARKのように顧客の声を開発に取り込む取り組みは、商品の質を高めると同時に、参加した顧客の愛着を深めます。顧客の発信は、新しい顧客が購入を判断する際の後押しにもなります。
サブスク・継続課金
継続して購入・利用してもらう仕組みです。ベースフードの定期購入のように、続けて使うこと自体が習慣とファン化につながる設計は、売上の安定にも寄与します。続ける理由を用意し、やめにくさではなく満足で続いてもらうことが大切です。
ファンマーケティングとは?成果につながる理由と注目される背景
事例と施策を見てきたところで、改めてファンマーケティングがなぜ成果につながるのか、なぜいま重視されるのかを整理します。ファンマーケティングとは、自社の商品やブランドのファン(熱心な支持者)との関係を深め、継続的な購入や口コミによる発信を通じて事業の成長につなげる考え方です。
背景には、新規顧客だけに頼りにくくなった市場環境があります。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、国内の総人口は2020年の1億2,615万人から2070年には8,700万人へと、現在の約7割に減少すると見込まれています(出生中位・死亡中位推計)。市場が縮小するなかでは、新規顧客を追い続けるよりも、既存の顧客に長く支持してもらうことの価値が高まります。
出典・参考資料(1件)
ファンマーケティングで得られる効果(メリット)
ファンマーケティングに取り組むことで、まず継続購入による売上の安定が期待できます。ベースフードの定期購入者の広がりやスターバックスの会員数のように、繰り返し購入してくれる顧客の層が厚くなるほど、売上は広告出稿の増減に左右されにくくなります。
次に、ファンの発信による新規顧客の獲得です。総務省が2016年に公表した情報通信白書によると、インターネットで商品を買う際にレビュー(口コミ)を「かなり参考にする」「まあ参考にする」と答えた人は、どの年代でも合わせて6割強にのぼります。やや前の調査ですが、口コミが購買の判断に影響する傾向を示しており、ファンが自発的に発信する評価や体験談は、広告よりも新しい顧客の購入判断を後押ししやすいといえます。
さらに、顧客の声を事業に活かせる点も見逃せません。ワークマンや無印良品の事例のように、ファンとの対話は商品開発や改善の具体的なヒントになり、使う人の視点が反映された商品づくりにつながります。
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自社でファンマーケティングを始める第一歩
事例のような大規模な施策は、いきなり真似できるものではありません。自社で始めるなら、まずは「誰を自社のファンと呼ぶのか」を具体的に決めることからです。購入頻度や継続期間、発信の有無などで、特に大切にしたい顧客像をはっきりさせると、打つべき施策が絞られます。
次に、その顧客と継続的に接点を持てる小さな場をひとつ用意します。既存顧客向けのメールやSNSの交流から始め、反応を見ながらイベントやコミュニティ、共創企画へ広げていくのが現実的です。
本記事で紹介した企業も、はじめから大規模だったわけではありません。ネスカフェは職場という単位から、ベースフードは定期購入とユーザー同士のコミュニティという身近な単位から関係づくりを積み上げています。最初から大きく作り込むよりも、続けられる規模で始めて育てていく進め方が、事例にも共通しています。
よくある失敗パターンと注意点
ファンマーケティングでつまずきやすい点は、事例の裏返しとして見えてきます。第一に、既存ファンだけを優遇して新しい顧客が入りにくい「囲い込み」になってしまうことです。新規のファンも楽しめる設計にしておかないと、コミュニティが閉じて先細りします。
第二に、短期的な売上だけを追ってしまうことです。ファンとの関係づくりは成果が出るまでに時間がかかります。目先の売上を求めて売り込みを強めると、ファンは「大切にされていない」と感じて離れていきます。関係を育てる姿勢と、それを測る指標(満足度や継続率など)を持つことが欠かせません。
第三に、ファンとの距離感を見誤ることです。企業からの発信が一方的になったり、逆に過度に踏み込んだりすると、信頼を損ないます。ファンの声に耳を傾け、対話を重ねる姿勢が土台になります。
ファンマーケティングを続ける仕組み(基盤の選択肢)
事例が示すように、ファンマーケティングは一度のイベントやキャンペーンで終わらせず、続けることで成果につながります。しかし、会員情報・交流の場・購買データ・顧客の声がバラバラのツールに分散すると、運用の手間が増え、ファンの動きも見えなくなります。
こうした運用を一つにまとめ、ファンとの関係を継続的に築くための基盤が、ファンコミュニティ基盤・ファンエンゲージメント基盤と呼ばれるサービスです。会員管理・交流・データ分析などをまとめて担い、施策を続ける土台になります。
事例で見た会員プログラムやコミュニティ運営、ポイント施策も、関わるファンが増えるほど、こうした基盤で支える企業が少なくありません。ここでは、アプローチの異なる3つのサービスを紹介します。自社に合うタイプを見極める参考にしてください。
| サービス名 | 24karatマーケティングプラットフォーム | commmune(コミューン) | coorum(コーラム) |
|---|---|---|---|
| 基盤のタイプ | ファンエンゲージメント基盤 (ブロックチェーン活用) | 顧客コミュニティ基盤 (VoC・CRMまで拡張) | ロイヤル顧客基盤 (VoC分析を軸に) |
| 主な機能 | ノーコードの管理コンソール デジタル特典・ポイント配布 ファン向けアプリ「24k ZAP」 | コミュニティ運営(掲示板・イベント) 顧客の声(VoC)の構造化・CRM連携 LINE連携 | ノーコードのコミュニティ構築 本音データ(VoC)の収集・分析 オリジナルブランドアプリ化 |
| 料金 | 要お問い合わせ (初期費用・月額とも非公開) | 要お問い合わせ (Light/Standard/Professionalの3プラン) | 要お問い合わせ (メンバー数に応じた段階プラン) |
| 向いている企業 | デジタル特典やポイントでファンの行動を可視化したい企業 | 消費財・メーカー系など大手BtoCのファンコミュニティ運営 | 顧客の声を商品開発に活かしたい企業 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト |
24karatマーケティングプラットフォーム(24karat株式会社)

24karatは、ファンに配布するデジタル特典やポイントを通じて、購入や参加といったファンの行動を可視化し、ロイヤルティ施策につなげるファンエンゲージメント基盤です。事例で見た会員プログラムやポイント施策を、デジタルで継続的に運用する土台として使えます。
こうした特典やポイントの仕組みはブロックチェーン技術で実現されており、ファン一人ひとりにウォレットが自動で用意される設計のため、ブランド側は専門知識を意識せずに運用できます。ブランド向けの管理コンソールと、ファンが使うアプリ「24k ZAP」を組み合わせて提供され、上新電機やロッテ、伊藤忠商事、エイベックスなど、事業ブランドへの導入が公式に紹介されています。
commmune(コミューン株式会社)

企業と顧客が双方向に交流する場を通じて信頼関係を築くのが、コミューン株式会社の顧客コミュニティプラットフォームcommmuneです。コミュニティ上でファンの熱量を高め、顧客の声(VoC)の収集やロイヤルティ向上、共創につなげる使い方を想定しています。
コミュニティ運営そのものに加え、顧客の声を構造化する機能やCRM連携など、顧客理解を深める周辺機能を自社のプロダクト群として備えています。日産やパナソニック、サントリーといった大手ブランドを含む幅広い業種での導入が公式サイトで紹介されており、消費財・メーカー系のファンコミュニティ運営に向いた選択肢です。
coorum(株式会社Asobica)

株式会社Asobicaが提供するcoorumは、集めた顧客の本音データ(VoC)を分析し、商品開発やCRMに活かすことに重きを置いています。ノーコードでコミュニティを構築・運営でき、オリジナルのブランドアプリとして提供することもできます。
コミュニティを単なる交流の場で終わらせず、集まった顧客の声を分析して商品開発や顧客理解につなげる設計が特徴です。メンバー規模に応じた段階的なプランが用意されており、顧客の声を事業に反映させながらファンとの関係を継続したい企業に向いています。
ここで取り上げた3サービスのほかにも、ファンコミュニティ基盤・ファンエンゲージメント基盤には目的や規模に応じた選択肢が数多くあります。料金や機能をまとめて見比べて自社に合う一本を選びたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
コミュニティツールおすすめ24選比較|目的別の選び方・料金・機能を徹底解説
既存顧客のLTVを伸ばしたい、SNSやレビューでは見えない生の声を製品開発に届けたい、熱量の高いファンに自社ならではの接点を用意したい——こうした課題を前に、無料SNSでは差別化しにくく、担当者の運営負荷ばかりが重くなっているのではないでし…
まとめ
ファンマーケティングの成功事例に共通するのは、顧客を受け手ではなく参加者として迎え、一度きりで終わらない接点をつくり、ファン同士や社員との直接のつながりを生んでいる点でした。業種や施策は違っても、既存の顧客を大切にして関係を続けるという軸は変わりません。
自社で始めるなら、大切にしたい顧客像を決め、続けられる小さな接点からスタートするのが現実的です。そして施策を一度きりで終わらせないためには、会員管理・交流・データ分析をまとめて担う基盤を活用し、ファンの動きを見ながら育てていく進め方が有効です。自社の課題に合う仕組みを選ぶことが、ファンマーケティングを成果につなげる近道になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. ファンマーケティングとは何ですか?
A. ファンマーケティングとは、自社の商品やブランドのファン(熱心な支持者)との関係を深め、継続的な購入や口コミによる発信を通じて事業の成長につなげる考え方です。新規顧客を広告で集め続ける手法と対照的に、すでにいる顧客に長く支持してもらうことに軸足を置きます。
具体的な施策は、ファンコミュニティ・アンバサダー制度・ファンミーティング・会員プログラム・UGC(顧客による投稿)活用・継続購入などが代表的で、本記事で紹介した7社もこれらを単独または組み合わせて取り入れています。
Q. ファンマーケティングの成功事例に共通する型はありますか?
A. ファンマーケティングの成功事例には、顧客を受け手でなく「参加者」にする・一度きりで終わらせず続く接点をつくる・ファン同士や社員との直接のつながりを生む、という3つの共通した型が見られます。業種や施策が違っても、この軸は共通しています。
たとえば製品開発にファンを巻き込む、貯まる特典や継続購入で関係を途切れさせない、ファンが集う場を毎年続ける、といった形です。自社で取り入れる際は、まずこのどれか一つを小さく始めるのが現実的です。
Q. ファンマーケティングは自社で何から始めればいいですか?
A. ファンマーケティングは、「誰を自社のファンと呼ぶのか」を具体的に決め、その顧客と継続的に接点を持てる小さな場をひとつ用意することから始めるのが現実的です。購入頻度や継続期間、発信の有無などで大切にしたい顧客像をはっきりさせると、打つべき施策が絞られます。
最初から大規模なイベントやコミュニティを作り込む必要はありません。既存顧客向けのメールやSNSでの交流から始め、反応を見ながらイベントや共創企画へ広げていく進め方が、事例にも共通しています。
Q. ファンマーケティングの効果はどのように測ればいいですか?
A. ファンマーケティングの効果は、目先の売上だけでなく、継続率やリピート率、イベント・施策への参加者の満足度、口コミや発信の広がりといった「関係の質」を表す指標で測るのが適しています。成果が出るまでに時間がかかるため、短期の売上のみを指標にすると判断を誤りやすくなります。
本記事のヤッホーブルーイングが参加者の満足度を公表しているように、つながりの質を数値で把握しながら施策を続けている企業は、改善の手がかりを得やすくなります。自社でも、まず測る指標を一つ決めておくと施策の良し悪しを振り返れます。
Q. ファンマーケティングの施策は内製で運用するのと、基盤(ツール)を導入するのをどう使い分ければいいですか?
A. ファンマーケティングは、施策の規模が小さく接点も限られるうちは内製で始められますが、会員情報・交流の場・購買データ・顧客の声が複数のツールに分散して運用が回らなくなってきたら、基盤(ファンコミュニティ基盤・ファンエンゲージメント基盤)の導入を検討する分かれ目になります。
基盤は会員管理・交流・データ分析などをまとめて担うため、運用の手間を抑えながらファンの動きを一元的に把握できます。顧客の声を商品開発に活かしたい、継続的に関係を測りたいといった狙いがはっきりしてきた段階が、導入を具体的に比較し始める目安です。
Q. BtoB企業でもファンマーケティングはできますか?
A. BtoB企業でもファンマーケティングは可能で、自社の製品やサービスを支持する担当者・ユーザー企業との関係を深め、継続利用や社内外への推奨につなげる形で取り組めます。消費財のような一般消費者向けの派手なイベントがなくても成り立ちます。
ユーザー会やオンラインコミュニティで導入企業同士が活用ノウハウを共有する、製品改善の要望を受け取って開発に反映する、といった施策が代表例です。本記事のネスカフェのように、職場の代表者を起点に接点を広げる発想も、法人向けの関係づくりに応用できます。
Q. 中小企業や少人数のチームでもファンマーケティングに取り組めますか?
A. 中小企業や少人数のチームでもファンマーケティングに取り組めます。大切にしたい顧客を絞り、既存顧客との身近な交流から小さく始めれば、限られた人員でも関係づくりを続けられるからです。規模の大小よりも、続けられる形で始められるかどうかが成否を分けます。
むしろ顧客との距離が近い企業は、一人ひとりの声を直接拾いやすく、対話を通じた関係づくりに向いています。運用が手に負えなくなってきたら、会員管理や交流を一つにまとめる基盤の活用を検討すると、少人数でも無理なく続けやすくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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