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廃棄物処理法とは?排出事業者の義務(委託契約・マニフェスト・保管・罰則)を条文つきで一覧解説

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廃棄物管理システム比較表(2026年版)

自社から出たごみの処理を業者に任せている担当者にとって、「どこまでが自社の責任なのか」は分かりにくいものです。委託契約書、マニフェスト、保管の方法、そして違反したときの罰則まで、守るべき決まりは一本の法律――廃棄物処理法に定められています。

ところが実際に条文を開くと、義務が条ごとに散らばっていて、「結局、排出事業者である自社は何を・いつまでに・どうすればよいのか」を一枚でつかむのは簡単ではありません。業者に任せた後も自社に責任が残る範囲も、見落とされがちです。

本記事では、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)で排出事業者が負う義務を「何を・根拠条文・いつまでに・何年保存するか」の一覧表で整理します。委託契約・マニフェスト・保管の決まりと、違反したときの罰則までを、条文を示しながら解説します。自社の管理体制が基準を満たしているかを点検する材料としてご活用ください。

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廃棄物処理法(廃掃法)とは|正式名称・目的を先に押さえる

廃棄物処理法の正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号)です。1970年に制定され、「廃掃法」とも略されます。廃棄物の排出抑制から、分別・保管・収集・運搬・再生・処分までの適正な処理を通じて、生活環境を守ることを目的とした法律です。

目的は第1条に次のように定められています。

この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第1条|e-Gov法令検索

この目的を実現するために、法律はごみを出す側(排出事業者)と処理する側(処理業者)の双方に役割を課しています。本記事は、自社から廃棄物を出し、その処理を外部に委託する排出事業者の立場で守るべき決まりに絞って解説します。

そもそも自分は対象者か|廃棄物の分類

ここからは、自社が出すものが法律上どの廃棄物にあたるのかを確認します。義務の重さは廃棄物の種類によって変わるため、まず分類の線引きを押さえます。

法律上、廃棄物はごみ・燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリなど、自ら利用したり他人に売ったりできない「不要物」を指します(法第2条第1項)。これが大きく一般廃棄物と産業廃棄物に分かれます。

廃棄物処理法上の廃棄物の分類図。廃棄物(不要物、法第2条第1項)は一般廃棄物(産業廃棄物以外、法第2条第2項、本記事の対象外)と産業廃棄物(事業活動で生じ法律で定める種類、法第2条第4項・施行令第2条、本記事の対象)に分かれ、産業廃棄物のうち爆発性・毒性・感染性などがあるものが特別管理産業廃棄物(法第2条第5項)としてより厳しい管理の対象になる。
  • 産業廃棄物:事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法律で定められた種類のもの。燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類の6種類が法第2条第4項に、紙くず・木くず・繊維くず・金属くず・ガラスくず等・ゴムくず・動植物性残さ・がれき類・ばいじんなどが施行令第2条に定められています(全種類は施行令第2条で確認できます)。これらを合わせて一般に「20種類」と整理されますが、「20種」という数字そのものは条文に明示されているわけではありません。
  • 一般廃棄物:産業廃棄物以外の廃棄物(法第2条第2項)。オフィスから出る紙くず(事務系)や生ごみなどが該当します。
  • 特別管理産業廃棄物:産業廃棄物のうち、爆発性・毒性・感染性など人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがあるもの(法第2条第5項)。廃石綿や特定の廃油・廃酸などが該当し、通常の産業廃棄物より厳しい管理が求められます。

自社が産業廃棄物を排出していれば、以降で解説する委託・マニフェスト・保管の義務の対象になります。オフィスから出る事業系一般廃棄物にも事業者の処理責任(法第3条)はありますが、本記事では産業廃棄物を排出する事業者が守る決まりに絞って解説します。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 第2条|e-Gov法令検索

排出事業者が負う義務の全体像【一覧表】

ここからは、排出事業者が負う義務を一覧表で俯瞰します。産業廃棄物は「自らの責任において適正に処理しなければならない」(法第3条第1項・第11条第1項)のが出発点で、処理を他人に委託する場合も責任が消えるわけではありません。

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自己処理責任委託先の制限書面での委託契約マニフェストの交付マニフェスト写しの保存交付等状況の年次報告電子マニフェストの使用(義務対象)産業廃棄物の保管基準多量排出事業者の処理計画
内容事業活動に伴って生じた産業廃棄物は、自らの責任において適正に処理する運搬・処分を委託するときは、都道府県知事の許可を受けた収集運搬業者・処分業者に委託する政令の委託基準に従い、運搬・処分それぞれと書面で委託契約を結ぶ(記載事項は法定)産業廃棄物の引渡しと同時に、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付する交付した写し・処理業者から返送された写しを保存する1年間に交付したマニフェストの状況を報告書にまとめ、都道府県知事に提出する(様式第3号)前々年度に特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場を設置する事業者は、電子マニフェストの使用が義務自社の事業場内で保管する間は、囲い・掲示板の設置、飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止などの基準を守る前年度の産業廃棄物発生量が1,000トン以上(特別管理産業廃棄物は50トン以上)の事業場を設置する事業者は、減量等の処理計画を作成・提出し、実施状況を報告する
根拠条文法第3条第1項・第11条第1項法第12条第5項・第14条法第12条第6項・施行令第6条の2・施行規則第8条の4の2法第12条の3第1項法第12条の3第2項・第6項、施行規則第8条の21の2法第12条の3第7項・施行規則第8条の27法第12条の5第1項・施行規則第8条の31の2・第8条の31の3法第12条第2項・施行規則第8条法第12条第9項・第10項・第12条の2第10項・第11項・施行令第6条の3・第6条の7
期限・保存――契約書は契約終了日から5年保存引渡しと同時5年保存毎年6月30日まで(その年の3月31日以前の1年間分)――毎年度(実施状況は翌年度6月30日まで報告)

出所:廃棄物の処理及び清掃に関する法律・同施行令・同施行規則(e-Gov法令検索、2026年10月時点)をもとに作成

この表のうち、実務で特につまずきやすい「委託」「マニフェスト」「保管」の3つを、次の各項目で詳しく見ていきます。

産業廃棄物の処理を外部委託するときの決まり(委託基準・委託契約書の記載事項)

ここからは、処理を外部に委託するときの決まりを確認します。産業廃棄物は原則として自ら処理するものですが、他人に委託する場合は委託先と契約の両面で基準が定められています。

まず委託先は、都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者・処分業者に限られます(法第12条第5項)。収集運搬の許可(法第14条第1項)と処分の許可(同条第6項)は別個のものなので、運搬を頼む相手と処分を頼む相手は、それぞれの許可の範囲を確認したうえで、原則として別々に契約します。

委託の方法は政令の委託基準(施行令第6条の2)に従う必要があり、その中で委託契約は書面で行うことが明確に定められています。

委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。

出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 第6条の2第4号|e-Gov法令検索

口頭での委託は委託基準違反になります。委託契約書に盛り込む主な事項は、施行令第6条の2第4号と施行規則第8条の4の2で次のように定められています。契約書に添付する「環境省令で定める書面」は、委託先の許可証の写しなどを指します。

  • 委託する産業廃棄物の種類と数量
  • 運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地
  • 処分・再生を委託するときは、その場所の所在地・方法・施設の処理能力
  • 中間処理を委託するときは、最終処分の場所の所在地・方法・施設の処理能力
  • 委託契約の有効期間、支払う料金、受託者の許可の事業範囲
  • 廃棄物の性状や取扱いの注意事項など、適正処理に必要な情報(廃棄物データシート相当)

委託契約書とその添付書面は、契約終了の日から5年間保存する必要があります(施行令第6条の2第5号・施行規則第8条の4の3)。

注意したいのは、処理を委託した後も排出事業者の関与が終わらない点です。法第12条第7項は、委託後も処理の状況を確認し、発生から最終処分までが適正に行われるよう必要な措置を講じるよう求めています(努力義務)。この「排出事業者責任」を実際に担保するのが、次に見るマニフェスト制度です。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条・第14条|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 第6条の2|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第8条の4の2|e-Gov法令検索

マニフェスト制度|交付・写し5年保存・年次報告・電子マニフェスト義務

続いて、委託とセットで課されるマニフェスト(産業廃棄物管理票)制度を確認します。排出事業者が最も現実的に問われやすい義務です。

マニフェストは、委託した産業廃棄物が適正に運搬・処分されたかを追跡するための伝票です。排出事業者は、産業廃棄物の引渡しと同時にマニフェストを交付しなければなりません(法第12条の3第1項)。

交付後の主な義務は次のとおりです。

  • 写しの5年保存:交付したマニフェストの写しと、運搬・処分の終了後に処理業者から返送された写しを、それぞれ5年間保存します(法第12条の3第2項・第6項、施行規則第8条の21の2)。
  • 交付等状況の年次報告:1年間に交付したマニフェストの状況を「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」(様式第3号)にまとめ、毎年6月30日までに都道府県知事へ提出します。対象はその年の3月31日以前の1年間分です(法第12条の3第7項・施行規則第8条の27)。

処理業者は、運搬・処分の終了後、環境省令で定める期間内に管理票の写しを排出事業者へ送付します(法第12条の3第3項〜第5項)。排出事業者は期限内に写しの送付を受け、委託した産業廃棄物が最終処分まで適正に処理されたことを確認します。

もし期限内に写しの送付を受けられないときや、記載に不備・虚偽があるときは、排出事業者は速やかに運搬・処分の状況を把握し、適切な措置を講じて都道府県知事へ報告しなければなりません(法第12条の3第8項)。返送されないマニフェストを放置しないことが、排出事業者に求められます。

紙のマニフェストに代えて、電子マニフェスト(JWNET)を使うこともできます。電子マニフェストでは情報処理センターが交付状況を管理するため、前述の年次報告は排出事業者に代わってセンターが行います。なお、前々年度に特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場を設置する事業者は、電子マニフェストの使用が義務づけられています(法第12条の5第1項、施行規則第8条の31の2・第8条の31の3)。

電子マニフェストでは、返送期限の管理や写しの保存がシステム側で行われるため、交付から確認までの手間を軽減できます。

出典・参考資料(3件)

産業廃棄物の保管基準(囲い・掲示板・飛散防止)

委託先へ引き渡すまでの間、産業廃棄物を自社の事業場内で保管するときにも基準があります(法第12条第2項・施行規則第8条)。心構えではなく、守るべき具体的な内容が定められています。

  • 保管場所の周囲に囲いを設けること
  • 見やすい場所に、縦・横それぞれ60センチメートル以上の掲示板を設け、保管場所である旨・廃棄物の種類・管理者の氏名または名称と連絡先を表示すること
  • 廃棄物が飛散・流出・地下浸透したり、悪臭が発散したりしないよう措置を講じること
  • ねずみの生息、蚊・はえなどの害虫の発生を防ぐこと

「保管量は○日分まで」といった量の上限は、排出事業者が自社の事業場内で保管する一般的な基準としては条文に定められていません。日数による保管量の上限が定められているのは、収集運搬業者の積替え保管(1日あたりの平均搬出量の7日分相当)や、処理施設での保管(処理能力の14日分相当)など、別の場面です。自社の事業場内の保管と混同しないよう注意が必要です。

ここまでは自社の事業場内での保管ですが、事業場の外での保管には別の届出義務があります。建設工事に伴って生じた産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む)を、工事現場の外にある300平方メートル以上の場所で保管する場合は、あらかじめ都道府県知事への届出が必要です(法第12条第3項・第12条の2第3項)。

非常災害のための応急措置として保管したときは、保管を始めた日から14日以内に事後の届出を行います(法第12条第4項・第12条の2第4項)。許可を受けた処理業者や処理施設が、その許可に係る施設内で行う保管は届出の対象外です。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条第2項〜第4項・第12条の2第3項・第4項|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第8条|e-Gov法令検索

多量排出事業者の処理計画(産業廃棄物1,000トン以上/特別管理産業廃棄物50トン以上)

前年度の産業廃棄物の発生量が1,000トン以上の事業場を設置する事業者は「多量排出事業者」と呼ばれます。減量その他の処理に関する計画を作成して都道府県知事へ提出し、その実施状況を翌年度の6月30日までに報告する義務があります(法第12条第9項・第10項、施行令第6条の3)。

特別管理産業廃棄物については基準がより厳しく、前年度の発生量が50トン以上の事業場を設置する事業者に、同様の処理計画の作成・提出と実施状況の報告が義務づけられています(法第12条の2第10項・第11項、施行令第6条の7)。自社が通常の産業廃棄物では1,000トンに届かなくても、特別管理産業廃棄物が50トン以上であれば対象になる点に注意が必要です。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条第9項・第10項・第12条の2第10項・第11項|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 第6条の3・第6条の7|e-Gov法令検索

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廃棄物処理法に違反したときの罰則【対応表】

ここからは、義務に違反したときの罰則を整理します。廃棄物処理法の罰則は重く、違反の類型ごとに刑の重さが異なります。排出事業者が関わりやすい類型を中心に対応表で確認します。

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無許可営業、無許可業者への委託、不法投棄、不法焼却など委託基準違反(施行令第6条の2違反の委託)、改善命令違反などマニフェストの不交付・虚偽記載、写しの不保存など法人の従業者等が違反した場合の法人への罰(両罰規定)
根拠条文法第25条法第26条法第27条の2法第32条
罰則5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金無許可営業・不法投棄・不法焼却など一部の違反は法人に3億円以下の罰金。その他は各本条の罰金

出所:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第25条・第26条・第27条の2・第32条(e-Gov法令検索、2026年10月時点)をもとに作成

特に排出事業者が現実的に問われやすいのが、マニフェスト関連の違反です。管理票を交付しなかったり、虚偽の記載をしたり、写しを保存しなかった場合は、法第27条の2により処罰の対象となります。

次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第27条の2|e-Gov法令検索

違反がいきなり刑事罰に直結するとは限りません。実務では、都道府県による改善命令(法第19条の3)や、生活環境の保全上支障があるときの措置命令(法第19条の5)といった行政処分が先に行われ、これらの命令に従わない場合に刑事罰へと進む流れが一般的です。措置命令は、委託基準に違反して委託した排出事業者も対象になりうるため、「業者に任せたから自社は関係ない」とは言えない点に注意が必要です。

廃棄物処理法に違反したときの処分の流れ図。STEP1は委託基準違反やマニフェスト違反など義務違反の発覚、STEP2はまず行政処分として改善命令(法第19条の3)・措置命令(法第19条の5)が行われ、措置命令は委託基準違反の排出事業者も対象になりうる、STEP3は命令に従わない場合に刑事罰(法第25条から第27条の2)へ進む。違反がいきなり刑事罰に直結するとは限らない。

これらの罰則は「拘禁刑」と表記しています。2025年6月1日施行の刑法改正で、従来の懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化されたことを反映したものです。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第25条〜第27条の2・第32条・第19条の3・第19条の5|e-Gov法令検索

自社の廃棄物管理が基準を満たしているか点検する

ここまで見てきた義務を物差しに、自社の管理体制を点検してみます。次のような項目に一つでも不安があれば、運用の見直し余地があります。

  • 委託先の許可証の有効期限を把握し、期限切れの業者に委託していないか
  • 委託契約書に法定の記載事項が漏れなく盛り込まれ、契約終了から5年の保存ができているか
  • マニフェストの返送期限を管理し、期限内に戻らない伝票(未返送)を把握できているか
  • 交付等状況報告書を毎年6月30日までに提出できているか

これらを紙やExcelで管理していると、許可証の更新漏れやマニフェストの未返送の見落としが起きやすく、拠点が増えるほど担当者の負担も大きくなります。こうした排出事業者責任の実務を一元管理するために、電子マニフェストや許可証・契約書の期限管理を備えた廃棄物管理システムを活用する方法があります。

排出事業者向け廃棄物管理システムの比較

ここでは、排出事業者がマニフェスト・許可証・委託契約書の管理を効率化するための主なサービスを比較します。

← 横にスクロールできます →
サービス名CBA wellfestPBasisGENESYS-ECO電子マニフェスト先生Wing
対象排出事業者排出事業者(グループ横断)排出事業者排出事業者専用
(処理業者の加入不要)
排出事業者・処理業者
電子マニフェスト・JWNET連携JWNET自動連携
(紙・電子を統合管理)
JWNET連携
(紙・電子を統合)
電子マニフェスト交付・集計JWNET連動電子マニフェスト連携
(紙・電子を整理)
許可証・委託契約書の期限管理●期限管理・アラート●整合性・期限管理●三位一体管理●契約書作成・期限通知●自動アラート
提供形態・特徴クラウド型
産廃・一般・有価物を一元管理し拠点横断で可視化
ASP型(クラウド提供)
三井住友ファイナンス&リース株式会社グループが提供。専ら物も横断管理
クラウド型(4段階プラン)
CO2排出量(Scope3)可視化に対応
クラウド型
排出事業者専用で取引先に導入負担をかけない
クラウド型
全国約1,500拠点で利用。排出・処理業者の双方に対応
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年10月時点の各社公式情報をもとに作成

上記は主なサービスを絞って並べたものです。対応する廃棄物の種類や電子マニフェスト(JWNET)連携といった観点をふまえて、排出事業者向けの廃棄物管理システムを広く比較・検討したい場合は、以下の記事で主要8サービスを選び方とあわせて詳しく解説しています。

CBA wellfest(株式会社CBA)

CBA wellfestのウェブサイト

CBA wellfestは、株式会社CBAが提供する排出事業者向けの廃棄物管理システムです。電子マニフェスト(JWNET)との連携を軸に、委託先の許可証や委託契約書の有効期限を管理し、複数拠点にまたがる処理状況やコストを横断的に可視化できる点を特徴としています。

許可証や契約書の期限を一元管理することで、本記事で見た「期限切れ業者への委託」や「書面の保存漏れ」といったリスクの芽を運用面から抑えやすくなります。拠点ごとに分散しがちな排出事業者責任の実務を、一つの画面でまとめて点検したい企業に向いています。

もっとも、こうした許可証・契約書・マニフェストのやり取りは、現場ではいまもアナログな手段で行われていることが少なくありません。同サービスを提供する株式会社CBAの宇佐見氏は、廃棄物管理の現場のデジタル化の現状を次のように話しています。

宇佐見氏
株式会社CBA 代表取締役
宇佐見氏
独自インタビューより

現在でもFAXや電話によるやり取りが残っているケースは少なくありません。有害物を扱うメーカーなど、法令対応が求められる業界では比較的デジタル化が進んでいますが、それ以外の業界では、処理業者主導で書類のやり取りを行い、署名して完了するような運用が残っている場合もあります。DXの観点では、まだ改善の余地が大きい業界の一つだと考えています。

まとめ

廃棄物処理法は、排出事業者に対して「自己処理責任」を土台に、許可業者への委託・書面での委託契約・マニフェストの交付と5年保存・年次報告・保管基準の遵守といった義務を課しています。処理を外部に委託しても責任は残り、マニフェスト関連の違反には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が、委託基準違反には3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています。

まずは自社が負う義務を一覧で把握し、委託契約書・マニフェスト・許可証の管理に抜け漏れがないかを点検することが第一歩です。拠点数が多く手運用に限界を感じる場合は、廃棄物管理システムの活用も検討するとよいでしょう。各サービスの資料は以下からまとめて請求できます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 廃棄物処理法(廃掃法)とは何ですか?

A. 廃棄物処理法とは、正式名称を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という、廃棄物の適正な処理を通じて生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です(1970年制定、昭和45年法律第137号)。「廃掃法」とも略されます。廃棄物の排出抑制から分別・保管・収集・運搬・再生・処分までのルールを定め、ごみを出す排出事業者と処理する処理業者の双方に役割を課しています(法第1条)。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第1条|e-Gov法令検索

Q. 廃棄物処理法上、事業活動で出たごみはすべて産業廃棄物になりますか?

A. いいえ、事業活動で出たごみがすべて産業廃棄物になるわけではなく、燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類など、法律と政令で定められた種類のものだけが産業廃棄物です(法第2条第4項・施行令第2条)。これらは一般に「20種類」と整理されますが、「20種」という数字そのものが条文に明示されているわけではありません。

オフィスから出る紙くずや生ごみなど産業廃棄物以外のごみは一般廃棄物(事業系一般廃棄物)として扱われ、処理のルートが異なります。自社が産業廃棄物を排出していれば、以下で解説する委託・マニフェスト・保管の義務の対象になります。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 第2条|e-Gov法令検索

Q. 廃棄物処理法で排出事業者に定められている義務にはどのようなものがありますか?

A. 排出事業者には、産業廃棄物を自らの責任で適正に処理する「自己処理責任」を土台に、許可業者への委託・書面での委託契約・マニフェストの交付と写しの5年保存・交付等状況の年次報告・保管基準の遵守といった義務が定められています(法第3条・第11条・第12条ほか)。

前年度の発生量が1,000トン以上の事業場を設置する多量排出事業者には、減量等の処理計画の作成・提出義務も加わります。処理を外部に委託しても、これらの責任がなくなるわけではありません。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第3条・第11条・第12条|e-Gov法令検索

Q. 廃棄物処理法では、処理を業者に委託した後も排出事業者に責任は残りますか?

A. はい、処理を委託した後も排出事業者の責任は残り、廃棄物が発生から最終処分まで適正に処理されるよう確認し、必要な措置を講じることが求められます(法第12条第7項)。委託基準に違反して委託し、不法投棄などの支障が生じた場合には、排出事業者自身が措置命令(法第19条の5)の対象になりえます。「業者に任せたから自社は無関係」とは言えない点が、排出事業者責任の要点です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条第7項・第19条の5|e-Gov法令検索

Q. 廃棄物処理法でマニフェスト(産業廃棄物管理票)の保存期間は何年ですか?

A. マニフェストの写しの保存期間は5年間です(施行規則第8条の21の2)。排出事業者は産業廃棄物の引渡しと同時にマニフェストを交付し(法第12条の3第1項)、交付した写しと、運搬・処分の終了後に処理業者から返送された写しを、それぞれ5年間保存する必要があります。

あわせて、1年間に交付したマニフェストの状況を「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」にまとめ、毎年6月30日までに都道府県知事へ報告する義務もあります(施行規則第8条の27)。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条の3|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第8条の21の2・第8条の27|e-Gov法令検索

Q. 廃棄物処理法では、事業場内で産業廃棄物を保管できる量や日数に上限はありますか?

A. 排出事業者が自社の事業場内で保管する場合について、保管量を「○日分まで」とする日数の上限は、廃棄物処理法の条文には定められていません。保管の際は、囲いや掲示板(縦・横60センチメートル以上)の設置、飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止といった保管基準を守る必要があります(法第12条第2項・施行規則第8条)。

なお、日数による保管量の上限が設けられているのは、収集運搬業者の積替え保管や処理施設での保管など別の場面であり、自社の事業場内での保管と混同しないよう注意が必要です。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条第2項|e-Gov法令検索
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第8条|e-Gov法令検索

Q. 廃棄物処理法に違反すると、どのような罰則がありますか?

A. 違反の重さは類型ごとに異なり、罰則は条ごとに定められています。無許可業者への委託や不法投棄は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金(法第25条)、委託基準違反は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(法第26条)です。マニフェストの不交付・虚偽記載・写しの不保存は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(法第27条の2)。

不法投棄や無許可営業などでは、法人にも最大3億円以下の罰金が科されることがあります(両罰規定・法第32条)。なお「拘禁刑」は、2025年6月1日施行の刑法改正で懲役と禁錮が一本化された刑を反映した表記です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第25条・第26条・第27条の2・第32条|e-Gov法令検索

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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