早朝や深夜の出庫、複数の営業所にまたがる点呼を、対面だけで回すことに限界を感じていませんか。運行管理者が現場に立ち会い続ける負担は重く、手書きの点呼記録簿の作成や保管も監査対応のたびに気がかりになります。IT点呼・遠隔点呼・自動点呼といった対面以外の点呼方式に対応し、記録をデジタルで残せる点呼システムを検討する運送事業者が増えています。
ただし、点呼システムは製品ごとに対応する点呼方式や連携できる機器、料金が大きく異なります。自社の営業所規模や安全性優良事業所(Gマーク)の取得状況、国土交通省が定める要件に照らして、どの製品なら自社で使えるのかを見極める必要があります。
本記事では、点呼システム13製品を対応点呼方式・料金・連携で横並びに比較・解説します。IT点呼・遠隔点呼・自動点呼の違いや導入条件といった前提を整理したうえで、自社の状況に合う製品を絞り込むための選び方までまとめました。運行管理者が資料請求や問い合わせの判断材料にできるよう、具体的な情報を整理しています。
また、自社の状況に合う製品を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」も用意しています。あわせて活用してください。
目次
点呼システムとは|IT点呼・遠隔点呼・自動点呼の違い
点呼システムは、ドライバーの酒気帯びの有無・健康状態・運行の指示伝達を確認し、その結果を点呼記録簿としてデジタルで残す運送事業者向けのツールです。対面以外の点呼方式(IT点呼・遠隔点呼・自動点呼)に対応する製品を使えば、運行管理者が離れた場所からでも点呼を実施でき、早朝・深夜や複数拠点の運用負担を減らせます。
まず前提として、点呼は対面で行うのが原則です。国土交通省は、対面以外の方式を「対面による点呼と同等の効果を有する方法」として位置づけています。
運行の安全を確保するため、点呼は原則対面で実施することとされていますが、「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法」として、遠隔点呼や自動点呼などのICTを活用した点呼が認められています。
出典:遠隔点呼・自動点呼 解説パンフレット(令和7年11月)|国土交通省
点呼システムでできること
製品によって対応範囲は異なりますが、点呼システムは一般的に次のような機能を備えています。
- 酒気帯びの確認:アルコール検知器と連携し、測定値・日時・本人の画像を自動で記録する
- 健康状態・指示の確認:体調や疾病の確認項目、運行指示の伝達を画面上で行う
- 本人確認(なりすまし防止):顔認証・静脈認証などの生体認証や、運転免許証リーダーで運転者を識別する
- 点呼記録簿の自動作成・保存:点呼結果をデジタルで記録し、法令で定められた期間を保存する
点呼記録簿は、貨物自動車運送事業では原則1年間の保存が義務づけられており、書面・電磁的方法のいずれでも構いません。手書きの記録簿を電子化することで、作成の手間と保管スペースの負担を軽減できます。
出典・参考資料(1件)
3つの点呼方式(IT点呼・遠隔点呼・自動点呼)と電話点呼の違い
対面以外の点呼方式は、大きくIT点呼・遠隔点呼・自動点呼の3つに分かれます。それぞれ実施できる条件や範囲が異なるため、自社がどの方式を使えるかが製品選びの出発点になります。
- IT点呼:パソコンやタブレットのカメラを通じ、運行管理者と運転者が離れた場所から対話形式で行う点呼。安全性優良事業所(Gマーク)の営業所などが対象となる。
- 遠隔点呼:国土交通省が定める機器要件を満たしたうえで、運輸支局への届出によって実施する点呼。Gマークの取得は必須ではなく、営業所間やグループ企業間にも範囲を広げられる。
- 自動点呼:国土交通省の認定を受けた機器を使い、運行管理者の立ち会いなしに実施する点呼。業務前と業務後で別々に機器が認定される。
- 電話点呼:一定の要件下で電話により行う点呼。カメラによる状態確認を伴わないため、実施できる場面は限られる。
自動点呼について、国土交通省は次のように説明しています。運行管理者の立ち会いを不要にできる点が、早朝・深夜の人員配置のあり方を変えます。
自動点呼とは、国土交通省の認定を受けた機器・システムを用いて、運行管理者等が作成した点呼予定に基づいて、運転者等が運行管理者等の立ち会いなしに点呼を実施するものです。
出典:遠隔点呼・自動点呼 解説パンフレット(令和7年11月)|国土交通省
出典・参考資料(1件)
自社で導入できる?点呼システムの導入条件と法令要件
ここからは、どの点呼方式を自社で使えるかを左右する導入条件と法令要件を整理します。方式ごとに満たすべき条件が違うため、製品を比べる前に自社の状況を確認しておくと選定がスムーズになります。
IT点呼のGマーク条件と、遠隔点呼・自動点呼の要件
IT点呼を実施できるのは、原則として安全性優良事業所(Gマーク)の認定を受けた営業所です。Gマークとは、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関の認定を受けた事業所に与えられる認定制度です。
(3)に規定する「輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所」とは、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定している安全性優良事業所(認定が失効した営業所及び認定が取消された営業所を除く。以下「Gマーク営業所」という。)をいう。
出典:貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について(第7条関係)|国土交通省
Gマークを取得していない営業所でも、営業所と車庫の間などに限り、次の4つの条件をすべて満たせばIT点呼を実施できます。
- 開設から3年を経過していること
- 過去3年間に運転者の責による所定の事故を起こしていないこと
- 過去3年間に点呼の違反に係る行政処分や警告を受けていないこと
- 直近の巡回指導で総合評価がD・E以外かつ点呼項目の判定が「適」であること
またIT点呼の実施は、原則として1営業日のうち連続する16時間以内とされています(営業所と車庫の間などで行う場合を除く)。
一方、遠隔点呼はGマークの取得が必須ではありません。国土交通省が定める機器要件を満たし、運輸支局へ届け出ることで実施できます。機器要件では、映像と音声で運転者の全身や酒気帯びの状況などをはっきり確認できること、生体認証などで運転者を確実に識別できることが求められます。
映像と音声によって、運行管理者等が、運転者等の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足等の状況をはっきりと確認できること。/生体認証等(例:顔認証、指紋認証、静脈認証)により運行管理者等や運転者等を確実に識別できること。
出典:遠隔点呼・自動点呼 解説パンフレット(令和7年11月)|国土交通省
本人確認について、ID・パスワードの入力のみや運転免許証・乗務員証のみの認証は要件を満たさないとされています。そのため遠隔点呼では、免許証リーダーだけでなく顔認証などの生体認証に対応した製品が必要です。自動点呼も、国土交通省の認定を受けた機器を使うことが前提で、認定の有効期間は2年間です。
また、遠隔点呼には、IT点呼のような事業者側の事前要件(Gマークの取得、開設からの年数、過去の事故や処分の有無など)は設けられていません。機器要件を満たし、運輸支局へ届け出れば、Gマーク未取得の事業者でも実施できます。
出典・参考資料(2件)
点呼記録の保存年数と2023年12月のアルコールチェック義務化
点呼の記録は、貨物自動車運送事業では原則1年間の保存が義務づけられています。遠隔点呼・自動点呼の記録も電磁的方法で1年間の保存が求められます。ただし一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス)では、点呼記録を3年間、点呼中の動画・録音を90日間保存する義務がある点に注意が必要です。
また、緑ナンバーの運送事業とは根拠となる法令が異なりますが、白ナンバー(安全運転管理者を選任する事業所)でも、2023年12月1日からアルコール検知器を用いた酒気帯び確認が義務づけられています(確認内容の記録は1年間保存)。自家用車を業務で一定台数以上使う部門がある場合は、こちらの対応も関係します。
運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(略)を用いて確認を行うこと。/前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
出典:道路交通法施行規則 第9条の10(第6号・第7号)|e-Gov法令検索
出典・参考資料(2件)
導入・申請の流れ(運輸支局への届出)
遠隔点呼と自動点呼は、実施しようとする営業所を管轄する運輸支局へ、実施予定日の10日前までに届け出ます。別会社間で行う事業者間遠隔点呼の場合は、業務の管理受委託の許可が別途必要で、こちらは2ヶ月前までの手続きが求められます。
IT点呼は届出制ではなく、前述のGマークなどの要件を満たすことで実施できる点が異なります。届出の要否は方式によって分かれるため、自社が使う方式にあわせて手続きを確認しておくと安心です。
導入にあたっては、まず自社が使える点呼方式を確認し、その方式に対応した認定機器・システムを選んだうえで、必要な届出を行うという流れになります。認定機器の一覧や届出様式は、国土交通省の運行管理高度化ワーキンググループのページで確認できます。
出典・参考資料(1件)
点呼システムの選び方(比較のポイント)
ここからは、自社に合う点呼システムを絞り込むための4つの観点を解説します。この後の診断ツールや比較表で見るべきポイントにもつながるため、先に判断の軸を押さえておくと選定が進めやすくなります。
自社が使える・使いたい点呼方式(IT/遠隔/自動)で選ぶ
最初の分かれ道は、自社が実施できる点呼方式です。Gマークを取得している営業所ならIT点呼を選べますが、未取得の場合は遠隔点呼や自動点呼が現実的な選択肢になります。
方式によって「人が要るかどうか」が変わる点も重要です。遠隔点呼は、運行管理者が営業所に出向かず別拠点から対応できますが、点呼を行う人自体は必要です。一方、業務前・業務後の自動点呼は、認定機器が点呼を行うため運行管理者の立ち会いが不要で、早朝の出庫や深夜の帰庫を無人で回せます。
そのため、早朝・深夜の点呼そのものを無人化したいなら業務前・業務後の自動点呼に対応した製品、複数拠点を一人の管理者でまとめたいなら遠隔点呼に対応した製品、というように実現したい運用から逆算して対応方式を絞り込むとよいでしょう。製品によって対応する方式の組み合わせが違うため、比較表の「対応点呼方式」列を最初に見比べるのが効率的です。
アルコール検知器・免許証リーダー・生体認証の連携で選ぶ
点呼システムは、単体で完結するのではなく周辺機器と組み合わせて使います。すでに使っているアルコール検知器があるなら、その機種に対応しているかを確認すると初期費用を抑えられます。
遠隔点呼を行う場合は、免許証リーダー単体では本人確認の要件を満たさないため、顔認証や静脈認証といった生体認証に対応しているかが重要な判断材料になります。血圧計や体温計との連携まで求めるなら、対応する測定機器の範囲も見ておきたいポイントです。
選ぶ点呼方式ごとに、最低限そろえる機器は次のとおりです。導入後の追加費用を見積もる目安にしてください。
- IT点呼:カメラ付きのパソコンやタブレット(運行管理者と運転者が対話できるもの)と、アルコール検知器。
- 遠隔点呼:上記に加えて、顔認証・静脈認証などの生体認証機器。あわせて運輸支局への届出。
- 自動点呼:業務前・業務後で別々に認定される、アルコール検知器を含めて国土交通省の認定を受けた自動点呼機器一式。
複数拠点・早朝深夜の運用と現場での使いやすさで選ぶ
点呼は毎日、しかも早朝や深夜に発生する業務です。複数の営業所を1つの点呼センターに集約したいなら、拠点をまたいだ一元管理に対応しているかが判断材料になります。
実際に操作するのは運行管理者とドライバーなので、画面の分かりやすさや、点呼項目の抜け漏れを防ぐ仕組みも日々の運用のしやすさを左右します。導入後のサポート体制や、トラブル時の問い合わせ窓口の対応時間もあわせて見ておくと安心です。
健康管理・なりすまし防止の要否で選ぶ
点呼に加えて、ドライバーの健康起因事故を防ぐための健康管理に力を入れたい場合は、体温・血圧の測定やその推移の記録、疾病別の問診に対応した製品が向いています。一方、なりすましの防止を重視するなら、生体認証の方式(顔・指紋・静脈)や、測定時の写真撮影の有無が選定の分かれ目になります。自社が点呼で何を最も重視するかによって、選ぶべき製品の性格が変わります。
30秒でわかる|自社に合う点呼システム診断
ここまでの選び方をふまえ、自社の状況を選ぶだけで相性のよい点呼システムを絞り込める診断ツールを用意しました。Gマークの有無や拠点数、重視したいポイントに答えるだけで、候補を確認できます。
気になる方式や製品が絞れてきたら、次の比較表と個別紹介で、対応点呼方式・料金・連携をさらに詳しく見比べられます。
【比較表】点呼システムを対応点呼方式・料金・連携で比較
主要な点呼システム13製品を、対応点呼方式・料金・周辺機器との連携・導入実績で横並びに比較します。まず自社が使いたい点呼方式に対応しているかを確認し、次に料金や連携できる機器を見比べると、候補を絞り込みやすくなります。
表の並び順は優劣を表すものではありません。各行のボタンからは各社の詳細情報を確認できます。対応点呼方式は製品ごとに幅があり、記録の電子化や配車業務との一体運用に強い製品もあれば、遠隔点呼・自動点呼に対応して対面の負担軽減に向く製品もあります。自社が今すぐ使いたい方式を軸に見比べてください。
| サービス名 | ロジポケ | IT点呼キーパー | 点呼+(点呼プラス) | Cagou IT点呼 | e点呼PRO | e点呼セルフ Type ロボケビー | アルキラーNEX | GO運転管理 | デジタル点呼マネージャー | ALCFaceAir | DiSynapse IT-RC | 点呼・健康:ご安全に! | 電子点呼システム |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応点呼方式 | 対面点呼 遠隔・自動は今後対応予定(2025年5月時点) IT点呼は公式未確認 | 対面・IT・遠隔・スマホ・自動(業務前・業務後) | 対面・遠隔・IT・自動・出先・電話 | 対面・電話・IT・遠隔・自動(業務前・業務後) | 対面・IT・電話・遠隔(事業者間遠隔含む) 自動点呼は別製品 e点呼セルフ | 業務前・業務後の自動点呼 (ロボット型端末) | IT・遠隔(ビデオ点呼オプション)・自動(業務前・業務後) アルコールチェック管理が主体 | 対面・電話(ライト) 対面・電話・遠隔・自動(スタンダード) | 対面・IT・遠隔・自動(業務前・業務後) | 対面・遠隔・自動(業務前・業務後) IT点呼は未対応 | IT点呼・対面点呼(切替可) 遠隔・自動点呼は公式未記載 | 始業点呼をバイタル測定・問診で支援(健康管理軸) IT・遠隔・自動点呼は公式未記載 | 対応点呼方式は公式未記載 点呼記録簿の電子化に対応 |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 110,000円(税込) | 要お問い合わせ | 0円 | 108,900円(税込) | 本体 278,000円(税抜) ※2026年6月1日受注分〜 | 要お問い合わせ | 0円(税別) | 要お問い合わせ | 初期セット500,000円+クラウド環境構築費100,000円(税抜) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 月額料金 | 要お問い合わせ | 11,000円/拠点(税込) ※3アカウントまで | 要お問い合わせ | 年額30,000円〜 (平均点呼回数に応じた段階制) | 年額105,600円〜(税込) ※アルコール検知器は別途 | 保守料・利用料 年額313,500円〜 | 要お問い合わせ | ライト300円/スタンダード600円 (1ユーザー・税別) | 要お問い合わせ | 13,000円/1アカウント(税抜) ※最低2アカウント | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 連携(検知器・免許証・生体認証) | アルコールチェック記録(撮影) 対応検知器・免許証リーダー・生体認証は公式未確認 | アルコール検知器/免許証リーダー(ICカードリーダー)/顔認証(自動点呼) | AI顔認証・静脈認証/東海電子 ALC-PRO II・タニタ FC-1200/免許証リーダー | 顔認証/フィガロ技研 FALC-31/免許証リーダー | 顔認証(点呼者・被点呼者)/東海電子 ALC-PRO II・ALC-Mobile III | 顔認証/ALC-PRO II・ALC-Mobile III/免許証リーダー/体温・血圧計 | 自社製検知器 NEX-E/NEX-C(電気化学式)/顔認証(ビデオ点呼) | クラウド連携検知器(NEO Blue/XENSE-83BTW 等)/体温・血圧計 | アルコール検知器(電気化学式・半導体式)/免許証リーダー/生体認証/体温・血圧計(オプション) | 顔認証/アルコール検知器 ST-3000/免許証ICリーダー/血圧計(オプション) | 東海電子 ALC-PRO II・サンコーテクノ ST-3000/免許証リーダー/本人確認画像 | 免許証タッチ認証/アルコールチェッカー(オプション)/体温・血圧計・血糖計 | 免許証リーダー・アルコール測定器(メーカー未記載)/生体認証・社員証認証 |
| 自動点呼の国交省認定 | ×今後対応予定 | ●業務前・業務後に対応(認定番号は公式非公開) | ●業務後(乗務後)(unibo版 JG22-001/Kebbi版 JG23-005) | ●業務前・業務後(国交省認定機器) | ×自動点呼は別製品 e点呼セルフ | ●業務前 JM25-002・業務後認定 | ●業務前 JM26-021/業務後 JG26-027(2026年6月提供開始) | ●業務前 JM26-017/業務後 JG25-023 | ●業務前・業務後(認定取得済み・番号は公式非公開) | ●業務前 JM25-006/業務後 JG25-021(点呼場所は営業所・車庫に限る) | ×公式記載なし | ×公式記載なし | ×公式記載なし |
| 導入実績 | 累計5,000事業所(2024年2月時点) | 3,300社(2025年11月末時点) | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 1,300台超(2026年7月時点) | 5,300社(2026年6月末時点) | 公表なし | 公表なし | 公表なし | 公表なし (DiSynapse全体で300社以上) | 公表なし | 公表なし |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は2026年9月時点の各社公式情報にもとづく比較です。料金は税込・税抜の表記が製品ごとに異なり、非公開の項目は「要お問い合わせ」と記載しています。対応点呼方式・機能・料金・国土交通省認定の詳細は各社の最新情報をご確認ください。
主要な点呼システムの個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた各製品について、対応する点呼方式や料金、連携できる機器、特徴を個別に紹介します。自社の状況に近い製品から詳しく見ていくと、選定の判断がつけやすくなります。
1. ロジポケ(X Mile株式会社)

ロジポケは、X Mile株式会社が運営する物流DXサービスで、配車・案件管理や勤怠管理、ドライバー安全教育などを一つにまとめています。点呼に関しては、点呼記録簿をクラウドに保存し、アルコールチェックの測定値・日時・撮影画像を記録できます。
点呼方式は、2025年5月時点で対面点呼に対応し、遠隔点呼・自動点呼は今後対応予定と公表されています。勤怠管理では改善基準告示(2024年)の違反アラートなども備え、点呼記録簿の電子化とあわせて運送業務をまとめて管理したい事業者に向いています。
累計5,000事業所での導入が公表されています(2024年2月時点)。料金は公式サイトでは公開されておらず、初期費用・月額とも要お問い合わせです。
2. IT点呼キーパー(テレニシ株式会社)

IT点呼・遠隔点呼・スマホ点呼・自動点呼に対面点呼を加えた点呼方式を1つのクラウドで扱えるのが、テレニシ株式会社のIT点呼キーパーです。同社はソフトバンク株式会社が100%出資しており、営業所別の点呼データを一元管理します。
料金が公開されており、初期費用110,000円(税込)、月額11,000円(税込・1拠点3アカウントまで)から利用できます。業務後自動点呼は2025年9月に提供を開始し、血圧計・体温計連携などのオプションも選べます。
導入実績は3,300社(2025年11月末時点)で、21日間の無料デモを利用できます。国土交通省の2026年度補助金対象機器にも認定されています。
3. 点呼+(株式会社ナブアシスト)

点呼+(点呼プラス)は、群馬県の株式会社ナブアシストが提供するクラウド型の点呼支援システムです。公式の製品ページでは、対面・遠隔・IT・自動・出先・電話の各点呼に対応するとされています。
業務後(乗務後)の自動点呼で国土交通省の機器認定を取得しており(unibo版 JG22-001、Kebbi版 JG23-005)、AI顔認証や静脈認証などの生体認証でなりすましを防ぎます。デスクトップ版・モバイル版のほか、東海電子 ALC-PRO IIやタニタ FC-1200などのアルコール検知器、クラウド録画サービス Safieとの連携にも対応します。
料金は公式サイトでは公開されておらず、要お問い合わせです。
4. Cagou IT点呼(株式会社コア)

Cagou IT点呼は、東証プライム上場の株式会社コアが提供する点呼システムで、対面・電話・IT・遠隔・自動(業務前・業務後)の点呼を1つのシステムで扱えます。ドライバーはスマートフォンアプリ、運行管理者は管理PCで操作し、ロボット型端末は不要です。
料金は初期費用0円、年額30,000円からで、従業員数や車両数ではなく毎月の平均点呼回数に応じた段階制を採っています。深夜早朝の点呼を複数拠点から一元管理し、点呼センターに集約する運用にも対応します。
アルコール検知器はフィガロ技研製 FALC-31と連携し、国土交通省の事故防止対策支援推進事業や全日本トラック協会の助成の対象機器として案内されています。1週間の無料トライアルも用意されています。
5. e点呼PRO(東海電子株式会社)

e点呼PROは、アルコール検知器メーカーの東海電子株式会社が2022年に発売したクラウド点呼システムです。運輸安全プラットフォーム「運輸安全PRO」の基幹サービスの一つで、対面・IT・電話・遠隔の各点呼を1つの点呼記録簿で管理します。事業者間遠隔点呼にも対応します。
点呼者側・被点呼者側の双方に顔認証を備え、なりすましを防ぎます。アルコール検知器は同社製のALC-PRO II・ALC-Mobile IIIと連携します。業務前・業務後の自動点呼は、別製品「e点呼セルフ」で提供されます。
料金は初期費用108,900円(税込)、年額105,600円(税込)からで、アルコール検知器は別途必要です。
6. e点呼セルフ Type ロボケビー(東海電子株式会社)

ロボット型端末が運行管理者に代わって点呼を実施する、東海電子株式会社のクラウド自動点呼システムがe点呼セルフ Type ロボケビーです。業務前自動点呼で国土交通省の機器認定(JM25-002、2025年8月8日認定)を取得し、業務後自動点呼にも対応します。
業務前は顔認証・体温血圧測定・アルコール測定・質問への回答という流れで、所要時間は約3分が目安です。異常時には管理者へSMSで通知し、ビデオ通話に切り替えて対応できます。
本体価格は278,000円(税抜、2026年6月1日受注分から)で、保守料・利用料が年額313,500円からです。導入台数は1,300台超(2026年7月時点)と公表され、無料の貸出も実施されています。
7. アルキラーNEX(株式会社パイ・アール)

アルキラーNEXは、スマートフォンアプリと専用のアルコール検知器を組み合わせたクラウド型のアルコールチェック管理システムです。運営は株式会社パイ・アールで、アルコールチェック・健康状態確認・運行報告を一つのアプリで行えます。
検知器はカートリッジ交換やセンサー洗浄などの保守費用を0円と公式に掲げ、チャットや勤怠、車両管理など15サービス以上と連携します。点呼面では、ビデオ点呼オプションでIT点呼・遠隔点呼に対応し、業務前・業務後の自動点呼でも国土交通省認定(業務前 JM26-021/業務後 JG26-027、2026年6月提供開始)を取得しています。
導入実績は5,300社(2026年6月末時点)で、利用継続率は99.7%(2022年5月〜2023年4月の自社調べ)と公表されています。料金は公式サイトでは公開されておらず、要お問い合わせです。
8. GO運転管理(GOドライブ株式会社)

GO運転管理は、タクシー配車アプリで知られるGO株式会社から事業を承継したGOドライブ株式会社が提供する運転管理アプリです。アルコールチェック・点呼・運転日報・勤怠を1つのスマホアプリに集約し、管理者はPCのWeb画面で確認します。
料金はユーザー単位の課金で、初期費用は0円です。対面・電話に対応するドライバーライトが月額300円、対面・電話・自動・遠隔点呼に対応するドライバースタンダードが月額600円(いずれも税別・1ユーザー)で、プランによって使える点呼方式が変わります。
自動点呼は業務前(認定番号 JM26-017、2026年2月発表)・業務後(JG25-023)で国土交通省認定を取得しています。自家用車向けの点呼代行オプションや、最大2か月の無料トライアルも用意されています。
9. デジタル点呼マネージャー(株式会社インフォセンス)

デジタル点呼マネージャーは、運送事業者(緑ナンバー)向けのクラウド点呼システムです。提供元は、山九株式会社の100%子会社である株式会社インフォセンスで、IT点呼・遠隔点呼に加え、業務前・業務後の自動点呼に対応します。
業務前・業務後の自動点呼はいずれも国土交通省の認定を取得済みと案内されています。アルコール検知器は電気化学式・半導体式の2種類に対応し、免許証リーダーやカメラ、体温計・血圧計(オプション)と連携します。点呼データは標準で5年間保存できます。
最低契約期間は1年で、ライセンス数は登録ドライバー数や端末台数に応じて調整できます。料金は公式サイトでは公開されておらず、要お問い合わせです。
10. ALCFaceAir(サンコーテクノ株式会社)

ALCFaceAirは、サンコーテクノ株式会社が提供する遠隔点呼システムで、2026年1月から自動点呼機能の販売も始めています。顔認証による本人確認、燃料電池式センサーでのアルコール測定と体表面温度測定、免許証ICリーダーでの有効期限確認を1つのシステムで行います。
同一システムで対面・遠隔・自動の点呼方法を選べ、自動点呼中にアルコールが検出された場合は遠隔点呼に切り替えて対応できます。業務前(JM25-006)・業務後(JG25-021)の自動点呼で国土交通省認定を取得していますが、IT点呼には対応していません。
料金は初期セットが1台500,000円、別途クラウド環境構築費が1社100,000円、月額利用料が1アカウント13,000円(いずれも税抜)です。自動点呼を実施できる点呼場所は、営業所・車庫に限られます(2025年11月時点)。
11. DiSynapse IT-RC(株式会社情通)

DiSynapse IT-RCは、運送業向けシステムを長年手がける株式会社情通のIT点呼システムです。労働時間管理や運行計画、配車などを含む総合管理システム「DiSynapse」の1モジュールとして提供されます。
24時間点呼者がいる営業所から、夜間不在となる営業所との点呼を動画として記録するIT点呼に対応し、同一PCでの対面点呼と切り替えて運用できます。免許証リーダーでの本人特定からアルコールチェック、点呼へと自動で流れ、本人確認画像でなりすましを防ぎます。アルコール検知器は東海電子 ALC-PRO IIやサンコーテクノ製検知器と連携します。
料金は公式サイトでは公開されておらず、要お問い合わせです。
12. 点呼・健康:ご安全に!(株式会社両備システムズ)

点呼・健康:ご安全に!は、健康管理に軸足を置いた点呼支援システムです。提供するのは株式会社両備システムズで、ドライバーが乗務前に測定した体温・血圧のデータをもとに、客観的な点呼を支援します。
体温・血圧は過去10回分をグラフで表示し、前年同月の基準値と比べて体調の変化を確認できます。心血管性疾患・糖尿病・高血圧の罹患状況に応じて問診を出し分け、免許証のタッチ認証で更新期限も表示します。アルコールチェッカーとの連携はオプションです。
公式ページではIT点呼・遠隔点呼への対応は示されておらず、健康起因事故の防止に重きを置く事業者に向いた構成です。料金は公式サイトでは公開されておらず、要お問い合わせです。
13. 電子点呼システム(株式会社工房)

電子点呼システムは、バス予約システムなどを手がける株式会社工房が提供する点呼システムです。乗務員台帳の情報を取り込み、点呼時に乗務員ごとの健康履歴・賞罰歴・事故履歴を同じ画面で確認しながら点呼を行えます。
免許証リーダーやアルコール測定器と連携して測定漏れを防ぎ、生体認証・社員証認証とアルコール測定時の写真撮影でなりすましを防ぎます。点呼データは電子管理され、帳票の自動出力や履歴検索に対応します。同社のダイヤ編成・勤務管理製品やタイムカードとも連携します。
対応する点呼方式(遠隔点呼・IT点呼・自動点呼など)は公式ページに記載がありません。動作環境はWindows 10以降で、料金は要お問い合わせです。
点呼システムの導入費用相場と補助金・助成金
点呼システムの費用は、対応する点呼方式や導入する機器によって幅があります。ここでは料金の桁感と、導入費用に使える補助金・助成金を整理します。
初期費用・月額料金の相場
クラウド型のIT点呼・遠隔点呼向け製品は、初期費用が数万円〜十数万円程度、月額費用が1拠点あたり1万円前後から始まるものが多く見られます。一方、業務前・業務後の自動点呼に対応する機器は、認定機器やロボット端末を伴うため、本体費用が数十万円規模になるケースもあります。
実際の費用は対応方式・拠点数・連携する機器の構成で変わるため、比較表の料金列を出発点に、詳細は各社の見積もりで確認してください。料金を公開していない製品も多く、その場合は「要お問い合わせ」となります。
使える補助金・助成金
点呼機器の導入費用は、補助金・助成金の対象になる場合があります。国土交通省の「事故防止対策支援推進事業」では、IT点呼機器・遠隔点呼機器・自動点呼機器が補助対象機器として位置づけられています。ただし補助率や上限額は年度ごとの公募要領で定められるため、利用を検討する際は最新の要領で条件を確認してください。
また、全日本トラック協会は「自動点呼機器導入促進助成事業」を実施しています。令和8年度は、国土交通省の認定を受けた自動点呼機器を対象に、導入費用の上限10万円(1台)を助成する内容です。各都道府県トラック協会の会員である中小事業者が対象で、内容は年度・協会によって異なる場合があります。
出典・参考資料(2件)
まとめ
点呼システムを選ぶときは、まず自社が使える点呼方式を、Gマークの取得状況や拠点構成、法令要件から見極めることが出発点になります。そのうえで、対応点呼方式・アルコール検知器や生体認証との連携・料金・導入実績を横並びで比較し、早朝深夜や複数拠点といった自社の運用に合う製品を絞り込みます。健康管理やなりすまし防止など、点呼で何を重視するかによっても選ぶべき製品は変わります。
気になる製品が見つかったら、比較表のリンクから各社の公式情報で料金や対応方式を確認し、検討を進めてください。MCB FinTechカタログでは、関連する法人向けサービスの資料もまとめて探せます。
よくある質問(FAQ)
Q. 点呼システムとは何ですか?
A. 点呼システムは、これまで対面と手書きの記録簿で行っていた点呼(酒気帯び・健康・指示の確認と記録)を、アルコール検知器や生体認証と連携してデジタル化し、IT点呼・遠隔点呼・自動点呼にも対応できるようにするツールです。
導入すると、運行管理者が離れた場所や無人で点呼を回せるようになり、早朝・深夜や複数拠点の負担と、点呼記録簿の作成・保管の手間を減らせます。自社が使える方式や対応製品は、本記事の比較表と選び方で確認できます。
Q. 点呼システムはスマホだけで点呼を完結できますか?
A. ドライバー側はスマートフォンやタブレットで対応できる製品が多い一方、運行管理者側はパソコンでの運用が一般的で、スマホだけで完結するわけではありません。酒気帯びの確認にはアルコール検知器が必要で、遠隔点呼では顔認証などの生体認証機器も欠かせません。自社のどの立場(ドライバー/管理者)でどの端末を使うのかを踏まえ、必要な周辺機器まで含めて対応範囲を確認してください。
Q. 遠隔点呼にGマーク(安全性優良事業所)の取得は必要ですか?
A. 遠隔点呼にGマークの取得は必要ありません。国土交通省が定める機器要件(映像・音声での状態確認、生体認証による本人識別など)を満たし、営業所を管轄する運輸支局へ届け出れば実施できます。
一方、IT点呼は原則としてGマークを取得した営業所が対象で、未取得の営業所は営業所と車庫の間などに限り、開設3年経過・過去3年間の事故や点呼違反がない・直近の巡回指導の評価が一定以上、といった条件をすべて満たせば実施できます。したがって、Gマークを取得済みならIT点呼も含めて選択肢が広く、未取得なら遠隔点呼・自動点呼が現実的な選択肢になります。
Q. 自動点呼の業務前点呼と業務後点呼はどう違いますか?
A. 自動点呼は業務前点呼と業務後点呼が別々に国土交通省の機器認定を受ける仕組みで、製品ごとに対応できる範囲が分かれます。自動点呼とは、認定を受けた機器・システムを使い、運行管理者の立ち会いなしに実施する点呼です。
早朝・深夜の点呼を無人化したい場合は、自社が無人化したいのが業務前(出庫前)か業務後(帰庫後)かを確かめ、その区分の認定を受けた製品を選ぶ必要があります。機器認定の有効期間は2年間で、認定機器の一覧は国土交通省の運行管理高度化ワーキンググループのページで確認できます。
出典・参考資料(2件)
Q. 点呼システムの記録は何年間保存する必要がありますか?
A. 貨物自動車運送事業では、点呼の記録は原則1年間の保存が義務づけられており、書面・電磁的方法のいずれでも構いません。遠隔点呼・自動点呼の記録も電磁的方法で1年間の保存が求められます。
ただし一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス)では、点呼記録を3年間、点呼中の動画・録音を90日間保存する義務がある点に注意が必要です。点呼システムを使えば、こうした記録の作成と保存を自動化でき、監査対応の負担を軽減できます。
Q. 白ナンバーのアルコールチェック義務と点呼システムは関係しますか?
A. 白ナンバーのアルコールチェック義務は、緑ナンバー(運送事業)の点呼義務とは根拠となる法令が異なりますが、自家用車を業務で一定台数以上使う部門があれば点呼システムの検討対象になります。
安全運転管理者を選任する事業所では、2023年12月1日からアルコール検知器を用いた酒気帯び確認と、その記録の1年間保存が義務づけられました。点呼システムの多くはアルコール検知器と連携して測定値・日時・画像を自動で記録できるため、緑ナンバーの点呼と白ナンバーのアルコールチェックの記録をあわせて管理したい場合にも活用できます。
出典・参考資料(1件)
Q. 点呼システムの料金相場はどのくらいですか?
A. クラウド型のIT点呼・遠隔点呼向け製品は初期費用が数万円〜十数万円程度、月額費用が1拠点あたり1万円前後から始まるものが多く、業務前・業務後の自動点呼に対応する認定機器やロボット端末を伴う製品は本体費用が数十万円規模になる場合があります。
料金は、拠点数・アカウント数・点呼回数・連携する機器のいずれで課金するかが製品ごとに異なり、公開していない製品も少なくありません。総コストは本体・月額に加え、アルコール検知器などの周辺機器や保守費用も合わせて見積もる必要があります。比較表の料金列で桁感をつかんだうえで、各社に見積もりを依頼するのが確実です。
Q. 点呼システムの導入に補助金・助成金は使えますか?
A. 点呼機器の導入費用は補助金・助成金の対象になる場合がありますが、「必ず使える」とは断定できず、要件や補助率は年度ごとに変わるため最新の公募要領で確認が必要です。国土交通省の「事故防止対策支援推進事業」では、IT点呼機器・遠隔点呼機器・自動点呼機器が補助対象機器として位置づけられています。
また全日本トラック協会は「自動点呼機器導入促進助成事業」を実施しており、2026年度(令和8年度)は国土交通省の認定を受けた自動点呼機器を対象に導入費用の上限10万円(1台)を助成する内容です。各都道府県トラック協会の会員である中小事業者が対象で、内容は年度・協会によって異なる場合があります。
出典・参考資料(2件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















