予算に対する実績を毎月まとめるとき、いきなり専用システムを導入するのではなく、まずは手元のGoogleスプレッドシートやExcelで予実管理表を作りたい、という担当者は少なくありません。無料で始められて、レイアウトも自由に組めるからです。
ただ、いざ作ろうとすると「そのまま使えるテンプレートはどこにあるのか」「達成率や差異はどの関数で出すのか」で手が止まりがちです。
本記事では、登録の要否まで含めて選べる無料テンプレートの一覧と、コピーしてそのまま自分の表に写せるセル数式つきの作り方を、両方まとめて解説します。あわせて、見やすく運用する工夫と、スプレッドシートで続けたときに詰まりやすい限界、そのときの次の選択肢まで扱います。
目次
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予実管理表の無料テンプレート一覧【入手先・登録要否・特徴で選ぶ】
まずは、そのまま使える無料テンプレートから見ていきます。予実管理表のテンプレートは配布元によって、会員登録の要否・ファイル形式・達成率の自動計算の有無が異なります。自社の使い方に合うものを選べるよう、代表的な配布元を横並びで整理しました。
| 配布元 | 入手方法 | 形式 | 達成率の自動計算 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Googleスプレッドシート テンプレートギャラリー(年間予算/月間予算) | 登録不要(ファイル→新規作成→テンプレートギャラリーから開く) | スプレッドシート | 予算の集計・グラフは自動。予実の対比は列の追加が必要 | ダウンロード不要で最短。予算テンプレのため実績列は自分で足す前提 |
| bizocean「予実管理_02」 | 無料会員登録後にダウンロード | Excel | あり(当月・累積の達成率+グラフ) | 管理項目を自由に追加でき、月次運用にそのまま乗せやすい |
| テンプレートBANK「予実管理表【年間/月別予算達成率グラフ付】」 | 無料会員登録後にダウンロード | Excel | あり(年間・月別の達成率+比較グラフ) | 年度開始月を1月・4月・10月から選べる |
登録の手間なく最短で始めるなら、Googleスプレッドシートのテンプレートギャラリーが手軽です。ファイル形式や達成率グラフまで整った状態で使いたい場合は、bizoceanやテンプレートBANKのExcelテンプレートが向いています。
ただし、ダウンロードしてそのまま予実管理に使える完成テンプレートは限られます。Googleのギャラリーは予算用のため実績列を自分で足す必要があり、達成率グラフまで整ったExcelテンプレートは無料会員登録が要ります。いずれの場合も、自社の勘定科目や部門に合わせて項目を調整する前提で選ぶと失敗しません。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:Googleスプレッドシート テンプレートギャラリー「年間予算」「月間予算」(ファイル→新規作成→テンプレートギャラリーから開く。テンプレートの内容解説)
- 出典:予実管理_02|bizocean
- 出典:予実管理表【年間/月別予算達成率グラフ付】|テンプレートBANK
予実管理表とは?予算管理表との違いと基本の項目
テンプレートを自社向けに調整したり、一から作ったりするうえで、予実管理表がどんな表なのかを簡単に押さえておきます。ここは基礎の確認なので、作り方を急ぐ場合は次の章から読み進めても問題ありません。
予実管理表とは
予実管理表とは、立てた予算に対して実績がどうだったかを月次で並べ、差異と達成率を把握するための表です。「予算」「実績」「差異」「達成率」の4つを軸に、売上や費用の項目ごとに数字を突き合わせます。差異が大きい項目を早く見つけ、原因を掘り下げて次の打ち手につなげることが目的です。
この「差異の原因を掘り下げて次の打ち手につなげる」進め方(差異分析)そのものを手順立てて押さえておきたい場合は、次の記事が予実管理の方法を5ステップで解説しています。
予算管理表との違い
予算管理表が「いくらの予算を立て、どう配分するか」という予算そのものの管理に軸足があるのに対し、予実管理表は「予算と実績を突き合わせ、ずれを分析する」ところまでを担います。実務では両者は地続きで、予算管理表に実績列を足していくと予実管理表になる、という関係で捉えると分かりやすくなります。
予実管理表に入れる基本項目
最小限の予実管理表であれば、次の項目があれば成立します。損益計算書の並びに沿って組むと、部門や全社の損益を追いやすくなります。
- 科目(売上高・売上原価・売上総利益・販売費および一般管理費・営業利益 など)
- 予算(月ごと、必要に応じて部門ごと)
- 実績(月ごと、部門ごと)
- 差異(実績−予算)と達成率(実績÷予算)
スプレッドシートで予実管理表を作る手順【セル数式つき】
ここからは、最小構成の予実管理表を自分で作る手順を、そのまま写せるセル数式とあわせて解説します。数式はGoogleスプレッドシートとExcelで共通のものを中心に取り上げます。
まず、完成形のイメージをつかんでおきます。A列に科目、B列に予算、C列に実績を入力し、D列に差異、E列に達成率を数式で出す、という5列構成が最小の形です。下表の2行目(売上高)を例にすると、各セルには次の値・数式が入ります。
| 行 | A:科目 | B:予算 | C:実績 | D:差異 | E:達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 売上高 | 1,000,000 | 1,120,000 | 120,000 | 112% |
| 3 | 売上原価 | 400,000 | 450,000 | 50,000 | 113% |
| 入るもの | 手入力 | 手入力 | 手入力または取込 | =C2-B2 | =C2/B2 |
この5列を土台に、部門別の集計や達成率の色分け、実績の自動取り込みを足していきます。まずは差異と達成率の出し方から見ていきます。
差異と達成率をどの列・どの数式で出すか
科目行に「予算」「実績」の列を用意したら、その右に「差異」「達成率」の列を足します。差異と達成率は関数ではなく四則演算で出せます。差異は実績から予算を引いた値、達成率は実績を予算で割った値です。
- 差異(実績−予算):
=C2-B2(B列=予算、C列=実績の場合) - 達成率(実績÷予算):
=C2/B2(表示形式をパーセントに設定)
差異は「実績−予算」で統一すると、売上ではプラスが予算超過(好調)、費用ではプラスが使いすぎ、と符号の意味が一貫します。予算が未入力の行で達成率が計算エラーになるのを避けたい場合は、=IFERROR(C2/B2,"") のように包んでおくと、空欄のまま表示できます。
予算・実績を集計する関数(=SUMIF ほか)
部門別・科目別に金額を集計するときは、条件に合う数値だけを合計するSUMIF関数が便利です。構文は SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲]) で、GoogleスプレッドシートとExcelで共通です。たとえば明細シートから「営業部」の予算だけを合計するなら、次のように書きます。
- 部門で集計:
=SUMIF(明細!A:A,"営業部",明細!C:C)(明細シートで A列=部門、B列=月、C列=金額) - 複数条件(月かつ部門):
=SUMIFS(明細!C:C,明細!A:A,"営業部",明細!B:B,"2026-04")(合計するC列=金額を先頭に指定)
複数の条件で絞り込むSUMIFSは、SUMIFと引数の順番が異なります。SUMIFは合計範囲を最後に書きますが、SUMIFSは合計範囲を先頭に書き、そのあとに「条件範囲・条件」の組を並べます。月次かつ部門別のように軸が増えるほどSUMIFSが役立ちます。
出典・参考資料(3件)
最小構成から始めて段階的に自動化する
最初から凝った表を目指すと挫折しやすいので、段階を踏むのがおすすめです。まずは科目・予算・実績・差異・達成率の5列だけの最小構成から始め、SUMやIFで合計と判定を組みます。
運用に慣れてきたら、予算マスタと実績表を突き合わせる参照関数を足します。キーで値を引くVLOOKUPは =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, FALSE) の形で、完全一致させるために第4引数にFALSEを明示するのが実務の基本です。より新しいXLOOKUPは、検索する列と返す列を別々に指定でき、列の増減に強いのが利点です。
XLOOKUPはGoogleスプレッドシートで使えるほか、ExcelでもMicrosoft 365またはExcel 2021以降で利用できます。それより前のExcelを使っている場合はVLOOKUPで代替してください。
出典・参考資料(4件)
見やすく・自動で回す運用の工夫【色分け・実績取り込み・自動化】
予実管理表は作って終わりではなく、毎月更新して読み手に届けるものです。ここでは、上長への報告にも耐える見やすさと、月次で回しやすくする工夫を、入門レベルから順に紹介します。
条件付き書式で達成率を色分けする
達成率のセルに条件付き書式を設定すると、未達の項目がひと目で分かるようになります。Googleスプレッドシートでは、対象セルを選び「表示形式」→「条件付き書式」から、達成率が一定値を下回ったら赤、達成なら緑、といったルールを設定できます。
単純なしきい値なら「セルの書式設定の条件」から選ぶだけで済みます。より細かく制御したい場合は「カスタム数式」を選び、=$E2<0.8 のように達成率セルを絶対参照で指定すると、達成率80%未満の行だけを色付けできます。ルールは上から順に評価されるため、複数のルールを重ねる場合は並び順にも注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
月次・累計で回す、部署別サマリーを作る
月ごとのシートを並べるだけでなく、累計を追う列や、部署別に集計したサマリーシートを用意すると、経営会議で使いやすくなります。累計は前月までの累計に当月を足す形で更新でき、たとえば前月累計がG列・当月がF列なら =G2+F2 と書きます。部署別サマリーは前述のSUMIFSで「対象月かつ対象部門」を集計すると、明細を直さずに数字が連動します。
達成率のステータスを言葉でも示したい場合は、IF関数が使えます。=IF(E2>=1,"達成","未達") のように書けば、達成率に応じて「達成/未達」を自動表示できます。IFは条件・真の場合・偽の場合の順番を間違えやすいので、指定の順序に注意してください。
実績データの取り込みと自動化(Googleスプレッドシートの場合)
毎月の実績を別ファイルや別の担当者から集めていて、コピー&ペーストの手作業が増えてきたら、実績データの取り込みを自動化する段階です。ここで使うIMPORTRANGE関数とQUERY関数はGoogleスプレッドシート専用で、Excelには存在しない点に注意してください。Excelで同じことをする場合は、この節の最後で触れるパワークエリ(Power Query)を使います。
別ファイルの実績シートから数字を引き込むIMPORTRANGEは =IMPORTRANGE("スプレッドシートのURL","シート名!A1:C10") の形で書きます。初回参照時にアクセスの許可を求められるので、許可すると連携が有効になります。
取り込んだデータから必要な列だけを抽出・集計するQUERYは、SQLに似た記述で並べ替えや集計ができます。たとえば明細(A列=部門・C列=金額)から部門別の実績合計を出すなら =QUERY(明細!A1:C1000,"select A, sum(C) group by A") と書きます。
出典・参考資料(2件)
Excelで別ファイルの実績を取り込みたい場合は、パワークエリ(Power Query)を使います。[データ]タブ→[データの取得]→[ファイルから]で対象ファイル(またはフォルダー)を選び、プレビュー画面で必要な列だけに整えてから[閉じて読み込む]でシートに取り込みます。
元ファイルを更新したあと[データ]タブの[すべて更新]を押せば、取り込んだ表も最新の値に置き換わります。毎月同じ形式の実績を取り込む定型作業では、手作業のコピーより速く、貼り付け位置のずれも防げます。
ここまでの作り方・運用は、無料のスプレッドシートだけで実践できます。手作業を減らして予実管理を効率化したい場合は、対応サービスの資料をまとめて請求して比べることもできます。
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スプレッドシートで予実管理を続けるときのメリットと限界
スプレッドシートでの予実管理には、始めやすさという明確なメリットがあります。一方で、事業が大きくなり関係者が増えると、運用が重くなってくるのも事実です。両面を押さえておくと、いつまで自作で回し、どこで見直すかの判断がしやすくなります。
スプレッドシートで予実管理するメリット
最大のメリットは、無料ですぐに始められることです。多くの担当者が操作に慣れており、レイアウトや集計方法を自社のやり方に合わせて自由に組めます。関数を使えば集計や判定も自動化でき、小規模なうちは十分に実用的です。
続けると詰まりやすい限界
規模が大きくなると、次のような場面で運用がしんどくなってきます。いずれも、担当者の努力ではなくスプレッドシートの仕組みに由来する限界です。
- 同時編集の競合:複数部門が同じファイルを触ると、上書きや行ずれが起きやすく、どれが最新か分からなくなります。
- データ量で重くなる・壊れる:明細や関数が増えると動作が重くなり、参照エラーやファイル破損のリスクが高まります。
- ヒューマンエラー:数式のコピー漏れやセル参照のずれに気づきにくく、集計結果が静かに間違うことがあります。
- 差異の原因が別管理で属人化:差異は分かっても、その原因(案件・取引先など)が別のシートやシステムにあり、作った本人しか追えなくなりがちです。
これらの症状が毎月の締めで繰り返し出てくるようになったら、スプレッドシートの限界に近づいているサインです。次の章で、限界を超えるための選択肢を紹介します。

スプレッドシートの限界を超えるなら|予実管理ツール・経営管理システムという選択肢
前章の限界は、予実管理に特化したクラウドツールに移すことで解消できる部分が多くあります。会計システムからの実績取り込みと予実の突合を自動化し、差異の検知や共有までまとめて行えるのが特徴です。
ここでは、スプレッドシート運用からの移行先になりやすい代表的なサービスを横並びで紹介します。まずは主要ツールの特徴を比較表で確認し、続けて代表的な3サービスを個別に見ていきます。
| サービス名 | X-KPI(クロスケーピーアイ) | DIGGLE(ディグル) | Scale Cloud(スケールクラウド) | Manageboard | Loglass 経営管理 | ヨジツティクス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月額料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額15万円〜 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ(ユーザー数無制限の定額制) |
| データ取込(Excel・スプレッドシート・会計連携) | 会計ソフト・グループウェアとAPI連携(Excel・スプレッドシート・CSV取込は公式記載なし) | 会計ソフト(freee・マネーフォワード・勘定奉行クラウド・弥生ほか)とAPI/CSV連携、Excel・スプレッドシートから取込 | 会計ソフト(勘定奉行クラウド・freee)・Salesforce(API)・Googleスプレッドシート・CSV明細連携 | 会計ソフト(マネーフォワード・freee・勘定奉行クラウド)とAPI連携、Googleスプレッドシート・CSV取込 | 表計算ソフトと連携し所在・形式の異なるデータをローデータのまま収集・統合、会計ソフト連携 | Excelインポートで開始、会計システムの実績をアップロードで取込(Googleスプレッドシート直接取込・API連携は公式記載なし) |
| 予実差異の自動集計・検知 | ●ズレ・異常値を自動検知しチャット通知 | ●会計連携で予実を自動突合、AIが差異要因コメントを生成 | ●多軸分析で異常値を自動検知・通知 | ●業績分析表で差異分析、AI異常点検知 | ●仕訳・摘要までドリルダウン、AIが差異検知 | ●乖離レポートで設定幅を超える差異をアラート |
| 対象・特徴 | 複数部門・拠点・プロジェクトのKPIと予実を一元管理。中堅〜大企業向け | 予実管理特化。予算策定・予実突合・見込管理を一元化。属人的なExcel運用からの脱却を訴求 | PL/BS/CFとKPIを関連づけて管理。KPIを積み上げた予算作成に対応。経営企画・CFO・管理部門向け | 財務三表とKPIを連動。予実管理特化のエッセンシャルプランあり。導入事例は60〜1,500名規模 | 散在するExcel・会計データを収集・統合。中堅〜大企業向け | 予実管理特化。ユーザー数無制限で全社利用が前提。Excel依存からの脱却を訴求 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
この比較表で取り上げたのは移行先の一例です。予実管理に加えて連結会計やERPまで含めた経営管理システムを、タイプ別の選び方や料金・機能とあわせて広く比較したい場合は、次の記事で詳しく解説しています。
X-KPI(クロスケーピーアイ)

X-KPIは、複数部門・拠点・プロジェクトごとのKPIと予実データをクラウド上に集約し、リアルタイムに可視化するツールです。予算と実績の差異を自動で検知し、異常値を原因のコメントつきでチャット通知できるため、差異の発見から共有までの手間を減らせます。会計ソフトやグループウェアとのAPI連携により、実績データの集約も自動化できます。
差異は出せても原因の共有が属人化しがち、という段階のチームなら、可視化とチャット通知で情報を素早く回せる点が効いてきます。
DIGGLE(ディグル)

予算策定から予実突合、着地見込みの管理、レポーティングまで、予実管理の一連の流れを一つのクラウドで完結できるのがDIGGLEです。会計システムからのデータ取り込みと予実突合を自動化し、勘定科目より細かい粒度での損益管理・差異分析に対応します。連携先はfreee会計・マネーフォワード クラウド・勘定奉行クラウド・弥生などで、ExcelやCSVからの取り込みにも対応します。
「属人的なエクセル業務をなくす」を掲げるとおり、表計算での予実管理から抜け出して差異分析そのものに時間を使いたい経理・経営企画部門と相性がよいでしょう。
Scale Cloud(スケールクラウド)

KPIを積み上げてPLをシミュレーションできるのがScale Cloudの持ち味で、複数パターンの予算作成や着地見込みの更新がしやすい経営管理クラウドです。財務数値(PL・BS・CF)と非財務のKPIを関連づけて一元管理します。
GoogleスプレッドシートやCSVからの明細連携、勘定奉行クラウド・freeeなどの会計連携に対応し、多軸分析や異常値の自動検知・通知、経営会議資料の自動化までカバーします。
スプレッドシートで作り込んだKPIと予実の関係づけを引き継ぎ、経営会議向けの資料作成まで自動化したい企業の受け皿になります。
スプレッドシートからツールへ移すと、分析の面では何ができるようになるのでしょうか。この点について、開発元である株式会社Scale Cloud 代表取締役の広瀬氏は、インタビューで次のように述べています。
もう一つ、私たちには高度な分析機能があります。たとえば、達成率の低い指標を洗い出したり、直近6ヶ月で大きく下落している指標を検出したり、ある事業の売上と相関性の高いKPIを特定する相関分析もできます。こうした分析がExcelやスプレッドシートでは難しいのですが、Scale Cloudなら簡単にできるので、今まで得られなかった気づきが得られるようになります。
まとめ
予実管理をスプレッドシートで始めるなら、まず登録不要のGoogleテンプレートや、達成率グラフつきの無料Excelテンプレートから入るのが近道です。一から作る場合も、差異は「実績−予算」、達成率は「実績÷予算」で出し、SUMIFやXLOOKUPで集計・突合を組めば、実用的な予実管理表になります。
条件付き書式での色分けや、GoogleスプレッドシートのIMPORTRANGE・QUERYによる自動化まで進めれば、月次の運用もかなり楽になります。それでも同時編集の競合や差異原因の属人化といった限界が繰り返し出てくるなら、予実管理ツール・経営管理システムへの移行を検討するタイミングです。
まずは無料テンプレートや本記事の数式で予実表を作り、運用がしんどくなってきたら、自社の状況に合わせてツールの導入を検討してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 予実管理表とは何ですか?
A. 予実管理表とは、立てた予算に対する実績を月次で並べ、差異(実績−予算)と達成率(実績÷予算)を一目で把握するための表です。売上や費用の科目ごとに予算と実績を突き合わせ、差異が大きい項目を早く見つけて原因分析と次の打ち手につなげることを目的とします。GoogleスプレッドシートやExcelがあれば、無料で作成を始められます。
Q. 予実管理表の無料テンプレートはどこで手に入りますか?
A. 予実管理表の無料テンプレートは、Googleスプレッドシートのテンプレートギャラリー(登録不要)や、bizocean・テンプレートBANK(無料会員登録後にダウンロード)などで入手できます。登録の手間なく最短で始めたい場合はGoogleスプレッドシートのテンプレート、達成率グラフまで整った状態で使いたい場合はbizoceanなどのExcelテンプレートが向いています。
いずれのテンプレートも、自社の勘定科目や部門に合わせて項目を調整して使う前提で選ぶと失敗しません。
Q. 予実管理の達成率や差異は、スプレッドシートのどの数式で出しますか?
A. 予実管理の差異は「実績−予算」(例:=C2-B2)、達成率は「実績÷予算」(例:=C2/B2 を%表示)で出せます。どちらも関数ではなく四則演算で計算でき、GoogleスプレッドシートとExcelで共通です。部門別・科目別に金額をまとめるときは、条件に合う数値だけを合計するSUMIF関数(=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲))を使うと効率的です。
Q. 予実管理表はExcelとGoogleスプレッドシートのどちらで作るのがよいですか?
A. 予実管理表はどちらでも作れますが、複数人での同時編集や共有を重視するならGoogleスプレッドシート、既存のファイル資産やマクロ(VBA)・オフライン作業を重視するならExcelが向いています。差異や達成率を出す基本の数式は両者で共通です。
ただし、実績データを自動で取り込むQUERYやIMPORTRANGEはGoogleスプレッドシート専用の機能で、Excelには無い点は選ぶ際の判断材料になります。
Q. スプレッドシートで予実管理をするときに起こりやすい失敗は何ですか?
A. スプレッドシートでの予実管理でよくある失敗は、数式のコピー漏れやセル参照のずれで集計が静かに間違うこと、複数人が触って最新版がどれか分からなくなることです。防ぐには、達成率の計算を =IFERROR(...) で包んでエラー表示を避ける、条件付き書式で未達を色分けして異常に気づきやすくする、といった工夫が有効です。細かい差異を気にしすぎず、まず大きなズレから改善するのも継続のコツです。
Q. 予実管理はどの部署が担当するのが一般的ですか?
A. 予実管理は、全社の取りまとめを経営企画部や経理・財務部門が担い、各部門の予算策定と実績管理はそれぞれの事業部門(営業・製造・開発など)が担当するのが一般的です。各部門のデータを経営企画などが集約し、全社の視点で差異を分析・報告する分担が多く見られます。スプレッドシートで運用する場合は、この集約作業が毎月の手作業になりやすい点に留意しておくとよいでしょう。
Q. どのくらいの規模・状況になったら予実管理ツールに移るべきですか?
A. 予実管理ツールへの移行は、同時編集の競合・データ量による重さや破損・数式のヒューマンエラー・差異原因の属人化といった症状が、毎月の締めで繰り返し出るようになったタイミングが一つの目安です。
人数や売上の絶対的な基準はありませんが、複数部門が同じファイルを触るようになり、集計や原因の追跡に時間がかかり始めたら、会計連携で実績取り込みと予実突合を自動化できる予実管理ツール・経営管理システムの検討が有効です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















