会計ソフトを導入したいものの、クラウド型とインストール型では何が違うのか、自社の規模や体制にはどちらが合うのかが分からず、比較の入口で迷っていませんか。Excelや手作業での記帳は転記ミスや月次締めの負担が積み重なり、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も加わって、ソフトの導入や見直しを検討する企業・個人事業主が増えています。
会計ソフトは「提供形態」という切り口でいくつかの種類に分かれ、それぞれ費用のかかり方や向いている企業が異なります。自社の規模や経理体制に合った種類をどう見極め、どのサービスを候補にすればよいのでしょうか。
本記事では、会計ソフトの種類をクラウド型・インストール型・オンプレミス型(統合ERP型)の提供形態を軸に整理し、法人向け・個人向けの違いや規模・用途別の考え方まで解説します。型ごとの代表サービスと選び方のポイントもあわせて紹介しますので、資料請求や比較検討の判断材料としてご活用ください。
また、自社に合う種類とサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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会計ソフトとは(できることと基本の役割)
会計ソフトは、日々の取引の記帳から帳簿の作成、決算書の作成、税務申告に必要な書類の出力までを支援するソフトウェアです。仕訳を入力すれば総勘定元帳や試算表、貸借対照表・損益計算書が自動で組み上がり、簿記の専門知識が浅い担当者でも財務状況を把握しやすくなります。
手作業やExcelでの経理と比べると、計算ミスや転記漏れを減らし、月次決算や確定申告の作業時間を短縮できる点が導入の中心的なメリットです。近年はインボイス制度や電子帳簿保存法への対応も会計ソフトの役割に含まれ、制度対応を後押しする基盤としての位置づけが強まっています。
会計ソフトの主な機能
製品によって得意分野は異なりますが、会計ソフトは一般的に次の機能を備えています。
- 仕訳入力・帳簿作成:日々の取引を仕訳として登録し、総勘定元帳・仕訳帳・試算表を自動で作成します。
- 決算書・申告書類の作成:貸借対照表・損益計算書などの決算書、法人税・消費税や確定申告に必要な書類を出力します。
- 銀行・カード明細の自動取込と自動仕訳:口座やクレジットカードの取引データを取り込み、勘定科目を推定して仕訳を自動で提案します。
- インボイス制度・電子帳簿保存法への対応:適格請求書の発行・保存や、電子取引データの保存要件に沿った記録を支援します。
- 経営分析・レポート:資金繰りや損益の推移をグラフで可視化し、経営判断に使える情報を提示します。
これらの機能をどの範囲まで、どのような提供形態で使えるかが、次に解説する「会計ソフトの種類」によって変わります。
会計ソフトの種類(提供形態別の違い)
会計ソフトの「種類」は、どのように使うか(提供形態)で大きく分かれます。ここでは、クラウド型・インストール型(パッケージ型)・オンプレミス型(統合ERP型)の3つの型について、特徴と向き不向きを順に解説します。自社の規模や経理体制と照らし合わせながら読み進めてください。

クラウド型会計ソフト
クラウド型は、インターネット経由でブラウザから利用する会計ソフトです。ソフトを自分のパソコンに導入する必要がなく、月額または年額の利用料を支払う形が基本となります。
銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、AIが勘定科目を推定して仕訳を提案する自動化機能に強みがあります。法令改正への対応やバージョンアップがサービス側で自動的に適用されるため、利用者が手動で更新する手間がかかりません。複数拠点や在宅勤務でも同じデータにアクセスでき、税理士とのデータ共有もしやすい点が、中小企業や個人事業主に広く使われている理由です。
一方で、利用を続ける限り月額・年額の費用が発生し続けます。インターネット接続が前提となるため、通信環境やサービス側の障害の影響を受ける点は押さえておく必要があります。
インストール型(パッケージ型)会計ソフト
インストール型は、購入したソフトを自分のパソコンに導入して使う会計ソフトです。ソフト本体を一度購入すれば使い続けられる「買い切り型」が主流で、パッケージ型やデスクトップ型とも呼ばれます。
オフライン環境でも動作し、手元のパソコンで処理が完結するため、動作の安定性や入力の反応速度を重視する利用者に向いています。買い切りのため、使い続けるほど月額課金のクラウド型より総額を抑えられる場合があります。近年はインストール型でもクラウドストレージでのデータ共有や、明細の自動取込に対応する製品が増え、クラウド連携を併用できる製品も一般的になりました。
ただし、法令改正や消費税率の変更に追従するには、最新版へのアップデートや年間保守契約の更新が必要になることが一般的です。特定のパソコンにデータが紐づくため、拠点をまたいだ共有や在宅勤務での利用にはネットワーク対応版の導入など追加の対応が要ります。
オンプレミス型・統合ERP型会計ソフト
オンプレミス型は、自社が用意したサーバーに会計システムを構築して運用する形態です。財務会計だけでなく、販売・購買・在庫・人事などの基幹業務を一つのシステムに統合した「統合ERP型」の一機能として会計を扱うケースも、この型に含まれます。
自社の業務に合わせた細かなカスタマイズや、部門別・拠点別の管理、連結決算、複数通貨への対応など、大規模で複雑な運用に強みがあります。内部統制やセキュリティポリシーに合わせてシステムを自社管理下に置きたい上場企業・大企業や、上場準備を進める中堅企業が主な対象です。
代表的な製品には、会計・人事給与に特化した統合型の SuperStream-NX(スーパーストリーム)や、販売・購買・生産・人事までを一つに統合する統合基幹業務システム(ERP)のオービック OBIC7、富士通 GLOVIA、NEC EXPLANNER などがあります。いずれも自社サーバーに構築するオンプレミス型のほか、近年は同じ製品をクラウドで提供する形態も選べるようになっています。
その分、初期構築の費用や運用・保守の体制が必要になり、導入までの期間も長くなりがちです。近年は同等の高機能をクラウドで提供する製品や、内部統制・管理会計に対応した中堅〜上場準備向けのクラウド会計も広がっており、自社サーバーを持たずに高度な会計基盤を整える選択肢も増えています。
数十億円規模の大企業向けの基幹ERPは、会計が多機能パッケージの一機能として組み込まれ、選定の前提が中小〜中堅企業のクラウド会計とは異なります。
中小〜中堅の規模で統合ERP型や内部統制に対応した会計を求める場合は、クラウドで提供される高機能・内部統制型のクラウド会計が現実的な受け皿になります。
提供形態別のメリット・デメリット比較
3つの型は、費用のかかり方・法令対応の手間・拡張性で性格が分かれます。それぞれの長所と短所を、導入後の実務への影響という観点で整理します。
- クラウド型:初期費用を抑えて始めやすく、自動取込・自動仕訳や法令改正への自動対応で運用負担が軽い。利用中は月額・年額費用が続き、オフラインでは使えない。
- インストール型(パッケージ型):買い切りでランニングコストを抑えやすく、オフラインでも安定して動く。法令改正への追従はアップデートや保守契約が前提で、拠点間の共有には追加対応が要る。
- オンプレミス型・統合ERP型:カスタマイズ性・拡張性が高く、連結・多拠点・内部統制など大規模運用に対応できる。初期費用と運用体制の負担が大きく、導入期間も長くなりやすい。
どの型が優れているかは一律には決まらず、自社の規模・経理体制・重視する点によって最適な選択は変わります。型ごとの具体的な費用感は次の項目で確認していきましょう。
型ごとの費用相場・料金体系の違い
会計ソフトの費用は、型によって「課金の仕組み」自体が異なります。2026年9月時点における各社公式情報をもとにした、型ごとのおおよその費用感は次のとおりです。個別見積もりが基本の製品は「要お問い合わせ」として扱っています。
- クラウド型(中小企業・個人向けの定番型):初期費用は0円が主流で、法人向けは月額おおむね2,500〜9,000円台、個人事業主向けは年額1万円台からが目安です。利用人数や機能に応じてプランや従量課金が加わります。
- クラウド型(中堅〜上場準備向けの高機能型):内部統制・管理会計機能を備えるクラス。スモールスタート向けの下位エディションは月額1万円弱から、内部統制・管理会計に対応する上位構成では月額2〜4万円台になることもあります。初期費用0〜7万円程度が目安で、エディションや管理対象の規模で変わります。
- インストール型(パッケージ型):ソフト本体の買い切りで、中小・個人向けは本体4万円台から、中堅向けパッケージは数十万円規模からが目安です。2年目以降は年間保守料(数万円〜)が別途かかるのが一般的です。
- オンプレミス型・統合ERP型:初期構築費が数十万〜数百万円規模となり、料金を公開せず個別見積もりとするベンダーが大半です。導入規模やカスタマイズ範囲によって幅が大きくなります。
クラウド型は「使う間ずっと支払う」月額・年額、インストール型は「最初に購入してあとは保守で更新する」買い切りという違いがあり、利用予定の年数まで含めて総額を見積もることが大切です。サービスごとの具体的な料金は、本記事後半の比較表とサービス個別紹介で確認できます。
インボイス制度・電子帳簿保存法への型別対応
会計ソフトを選ぶ際に見落とせないのが、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応です。まず、それぞれの制度が何を求めているかを確認しておきましょう。
電子帳簿保存法は、帳簿や請求書などの国税関係書類を電子データで保存することに関する制度で、3つの区分に分かれています。このうち電子取引データの保存は対応が必要とされています。
電子帳簿等保存制度とは、税法上保存等が必要な「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」を、紙ではなく電子データで保存することに関する制度をいい、3つの制度に区分されています。
出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年度税制改正)|国税庁
① 電子帳簿等保存【希望者のみ】
② スキャナ保存【希望者のみ】
③ 電子取引データ保存【法人・個人事業者は対応が必要です】
電子取引データ保存は、メール添付のPDFやEC明細など、電子でやり取りした書類を電子のまま保存することを求めるものです。この本格的な運用は令和6年(2024年)1月から始まり、それまでの宥恕措置は令和5年(2023年)12月31日をもって廃止されました。
ただし、要件どおりに保存できないことに「相当の理由」があると所轄税務署長が認める場合の猶予措置が新たに整備されており、一定の条件を満たせば引き続きデータを保存しておく形で対応できます。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として令和5年(2023年)10月1日に開始されました。会計ソフトが担うのは、登録番号や税率別の消費税額を記載した適格請求書の発行・保存や、仕入税額控除に必要な帳簿・請求書の管理です。
「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、適用税率や消費税額のほか、登録番号などの一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類するものをいいます。
出典:適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-(令和8年4月)|国税庁
これらの制度への対応の仕方は、会計ソフトの型によって手間が変わります。クラウド型は、制度改正に合わせた機能追加がサービス側で自動的に反映される設計が一般的で、利用者は更新作業を意識せずに使えます。インストール型は、制度対応を最新版へのアップデートや年間保守契約を通じて受け取る形が一般的で、更新の手続きが前提となります。
いずれの型でも、自社が対応すべき制度に実際に対応しているか、どのプランで利用できるかを、導入前に各社の公式情報で確認しておくことが重要です。
電子でやり取りした適格請求書は電子データとして提供でき、その電子データは電子帳簿保存法の電子取引データ保存の対象にもなります。2つの制度は接点を持つため、会計ソフトを選ぶ際は両方への対応をあわせて確認しておくと安心です。
出典・参考資料(3件)
電子帳簿保存法について、対応することのメリットや実際に運用を始めるうえでの注意点をさらに詳しく確認したい場合は、以下の記事で解説しています。
法人・個人/規模・用途別に見る自社に合う会計ソフトの種類
提供形態に加えて、「法人向けか個人向けか」「事業規模はどのくらいか」という軸を重ねると、自社に合う種類がより絞り込めます。ここでは、この2つの軸から自社の位置を確認していきます。
法人向け・個人向け会計ソフトの違い
会計ソフトは、法人向けと個人向けで想定する業務が異なります。法人向けは、複式簿記による記帳から法人税・消費税の申告、部門別管理や決算書の作成まで、法人の経理業務全般を担う設計です。
個人事業主・フリーランス向けは、確定申告を完結させることに重点を置いた「確定申告ソフト」が中心となります。青色申告特別控除に対応した決算書や確定申告書類の作成、e-Taxによる電子申告を、簿記の知識が浅くても進められるよう設計されています。法人向けクラウド会計の多くは個人向けのプランや姉妹サービスを用意しているため、まずは自社(自分)が法人か個人かを起点に、対応する製品を確認するとよいでしょう。
個人事業主の確定申告には、青色申告に特化した専用ソフトが選択肢になります。個人事業主・フリーランス向けの会計ソフトを、料金や65万円控除・e-Tax対応で詳しく比較したい場合は、以下の記事が参考になります。
規模・用途別に見る自社に合う型
事業規模と用途によって、適した型の目安は次のように分かれます。自社の従業員数や経理体制、成長段階に当てはめて考えてみてください。
- 中小企業・個人事業主:初期費用を抑えて素早く始められ、自動仕訳で記帳負担を軽くできるクラウド型の定番サービスが有力です。買い切りでランニングコストを抑えたい場合はインストール型も選択肢になります。
- 中堅企業・上場準備企業:部門別・拠点別の管理や内部統制、監査対応が求められるため、高機能・内部統制型のクラウド会計や、統合ERP型が候補になります。
- 業種特化のニーズがある企業:建設業・社会福祉法人・農業など、業種固有の会計基準や帳票が必要な場合は、その業種向けの専用エディションを備えた製品を検討します。
提供形態に規模・用途の軸を重ねれば、検討すべき候補はかなり絞り込めます。自社に合う型と候補サービスは、以下の「30秒で終わる選定診断ツール」でも確認できます。ぜひご活用ください。
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【比較表】会計ソフトの種類×代表サービス比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較・選定ができるよう、主要な会計ソフト15サービスを提供形態・対象規模・料金体系・主要機能・法令対応の軸で一覧にまとめます。種類の違いと代表サービスを一表で見比べてください。
| サービス名 | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | ジョブカン会計 | かんたんクラウド会計(MJS) | マネーフォワード クラウド会計Plus | 勘定奉行クラウド | PCAクラウド 会計 | SmileWorks | TKC FXクラウドシリーズ | クラウド発展会計 | 勘定奉行クラウド 建設業編 | 会計王(ソリマチ) | 大蔵大臣NX | やよいの青色申告 オンライン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態(種類) | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型(統合ERP) | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型(建設業特化) | インストール型(買い切り) | インストール型(買い切り) | クラウド型(確定申告ソフト) |
| 対象規模 | 法人(中小規模) | 個人事業主〜上場企業 | ひとり法人〜中小(〜50名) | 中小企業・個人事業主 | スタートアップ・小規模〜中小 | IPO準備・中堅〜上場 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中小企業(プロジェクト型) | 小規模〜上場企業 | 中小(会計事務所連携前提) | 建設業(中小企業) | 中小企業・個人事業主 | 中小〜中堅企業 | 個人事業主・フリーランス |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 0〜70,000円(税抜) | 0円(イニシャル0プラン) | 0円〜 | 要お問い合わせ(会計事務所経由) | 要お問い合わせ(会計事務所経由) | 50,000円〜(税抜) | 44,000円(税込・買い切り) | 264,000円〜(税込・買い切り) | 0円 |
| 月額目安(税抜) | 2,900円〜(エントリー年契約) | 2,980円〜(ひとり法人・年払い) | 2,480円〜(ひとり法人・年払い) | 2,500円〜(スタートアップ) | 2,160円〜(Basic) | 要お問い合わせ(ID数で個別見積もり) | 7,750円〜(Eシステム) | 16,200円〜(会計) | 10,000円〜(会計を含む標準プラン) | 要お問い合わせ(会計事務所経由) | 要お問い合わせ(会計事務所経由) | 27,500円〜(iAシステム) | なし(買い切り型) | なし(買い切り型/保守 年39,600円〜) | 年額11,800円〜(セルフ) |
| 自動仕訳・明細取込 | ● | ● | ● | ●AI仕訳は有償オプション | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 要お問い合わせ | ● |
| インボイス制度対応 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 要お問い合わせ | ● |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ●JIIMA認証4種 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ●JIIMA認証取得 | ● |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
種類別・会計ソフトの代表サービス
ここからは、型ごとの代表的な会計ソフトを紹介します。自社に合う種類のあたりがついたら、該当するグループのサービスから資料を取り寄せて比較検討を進めてください。
クラウド型(中小企業・個人向けの定番型)
初期費用を抑えて始められ、自動取込・自動仕訳で記帳負担を軽くできる、中小企業・個人事業主に広く使われているクラウド型のサービスです。
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Next は、会計帳簿・決算書の作成に加え、見積書・請求書の発行、経費精算、証憑管理を1つにまとめ、これらのデータを自動で連携させる法人向けのクラウド会計サービスです。弥生株式会社が2025年4月に正式リリースしました(個人事業主は対象外)。
料金は初期費用0円で、エントリープランが年額34,800円(月額2,900円換算)、ベーシックプランが年額50,400円、ベーシックプラスプランが年額84,000円の3プラン構成です(いずれも税抜)。契約前に最大2か月の無料体験を利用できます。
銀行口座・クレジットカードなど2,500以上の金融機関等と連携し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化します。公式サイトには他社ソフトからの乗り換え専用ページがあり、freee会計やマネーフォワード クラウド会計などからのデータ移行にも対応します。
2. freee会計(フリー株式会社)

freee会計は、経理の経験を問わず使えるガイド付きのUIを備えた、フリー株式会社のクラウド会計ソフトです。個人事業主から新設法人・中小企業、IPO準備中・上場企業まで幅広く対応し、有料課金ユーザー企業数は71万を超えます(2026年3月末時点、個人事業主を含む)。
1,000を超える金融機関・サービスと連携して取引データを自動取得し、AIによる自動仕訳やAI-OCRでの証憑読み取り、決算書の自動作成までを同一プラットフォームで完結できます。電子帳簿保存法(JIIMA認証取得)とインボイス制度に対応します。
法人向けの料金は初期費用0円で、ひとり法人プランが月額2,980円、スタータープランが月額5,480円からです(いずれも年払い時の月額・税抜、スターター以上は従量課金が別途)。個人事業主向けは年払いで月額980円から利用でき、30日間の無料トライアルをクレジットカード登録なしで試せます。
3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

ひとり法人から50名以下の中小企業を主な対象に、株式会社マネーフォワードが提供する法人向けクラウド会計ソフトです。同社のマネーフォワード クラウドシリーズの中核をなす製品で、複式簿記に対応した自由度の高い設定を行えます。
2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案する自動仕訳や、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの決算書の自動作成に対応します。請求書・経費・給与といった同シリーズの各サービスとも同一基盤で連携します。
料金は初期費用0円で、ひとり法人プランが年払いで月額2,480円、スモールビジネスプランが月額4,480円、ビジネスプランが月額6,480円です(いずれも年払い時の月額・税抜)。1ヶ月間の無料トライアルをクレジットカード登録なしで利用できます。
4. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計は、勤怠管理・給与計算・経費精算などを揃えるジョブカンシリーズの一つとして、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の会計ソフトです。法人・個人事業主のいずれの決算書作成にも対応します。
パッケージ型ソフトの操作性を引き継いだキーボード中心の入力と自動集計を採用し、銀行口座・クレジットカード明細の自動取込やインボイス制度・電子帳簿保存法に対応します。有償オプション「ジョブカン証憑管理」を追加すると、AI-OCRによる証憑の読み取りやAI仕訳の作成も利用できます。
料金は初期費用0円で、スタートアッププランが月額2,500円(3ユーザーまで)、ビジネスプランが月額5,000円(5ユーザーまで)、エンタープライズプランが月額50,000円(ユーザー数上限なし)です。30日間の無料トライアルでは、期間中から電話サポートを利用できます。
5. かんたんクラウド会計(株式会社ミロク情報サービス)

あらかじめ登録された取引例やレシートの読み取り機能で、簿記の知識がない担当者でも記帳できることを主眼に置いたクラウド会計ソフトです。会計事務所・企業向けソフトを手がける株式会社ミロク情報サービス(MJS)が、スタートアップや中小・小規模事業者向けに提供します。
レシート画像から日付・金額・電話番号を読み取って仕訳データに変換でき、銀行口座・クレジットカードの連携による自動仕訳や、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応します。会計事務所が顧問先に導入して同じデータをリアルタイムに共有し、遠隔からサポートする運用にも対応します。
料金は税抜で、Basicプランが月額2,160円(年額21,600円)、財務分析や資金繰表などを加えたPlusプランが月額3,000円(年額30,000円)です。標準で3アカウントまで利用でき、2か月間の無料体験をクレジットカード登録なしで試せます。
クラウド型(中堅〜上場準備向けの高機能・内部統制型)
部門別管理・内部統制・管理会計など、中堅企業や上場準備企業の要件に応えるクラウド型の高機能サービスです。
6. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

中小企業向けの「マネーフォワード クラウド会計」に、上場企業に求められる内部統制機能を追加した上位版にあたるクラウド会計システムです。開発・提供元は株式会社マネーフォワードで、自動でのデータ取得・仕訳といった利便性を引き継ぎつつ、管理機能を強化しています。
無印版との違いは、すべての仕訳を承認を経て記帳する仕訳の申請・承認、権限管理、操作ログ(仕訳更新履歴)といった内部統制機能を標準で備える点です。監査法人と会計システムを共有する遠隔監査や、公開API・iPaaSによる周辺システム連携にも対応します。
IPO準備企業や上場企業の子会社など、J-SOX対応や月次決算の早期化を求める企業が主な対象で、導入実績は2,000社以上です。料金は利用ID数に応じた個別見積もりで、監査法人・税理士法人など外部共有用のアカウントもID数に含めて算定されます。
どのような企業が導入しているのかについて、開発・提供元である株式会社マネーフォワードは次のように述べています。

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。導入の主導は経理の責任者が中心になることが多く、IPO準備など全社的な取り組みの文脈ではCFOが関与されるケースも少なくありません。
実績としては、2025年1月から6月にグロース市場へ上場承認された企業のうち、約半数がマネーフォワードのサービスを利用していたというデータ* もあります。IPO準備中の企業やCFOの方々から高い支持をいただいているサービスです。
*日本取引所グループの公表情報に基づき、2025年1月〜6月にグロース市場への上場が承認された企業のうち、上場時にマネーフォワードクラウドを有料で使用していたユーザーの割合
7. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC))

金融機関の入出金明細や領収書、Excelデータから仕訳を自動起票できるクラウド型の会計ソフトで、現行世代の正式名称は「勘定奉行iクラウド」です。提供元は奉行シリーズを開発する株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)で、標準で50種を超える帳票を作成できます。
スモールスタート向けのEシステムから、多角的分析のBシステム、管理会計に対応するSシステムまで5段階のエディションを用意し、処理する伝票明細件数や必要な機能に応じて選べます。給与奉行・固定資産奉行・申告奉行など同社の奉行シリーズや外部システムとAPI連携できる点も特徴です。
電子帳簿保存法ではJIIMA認証4種を取得し、インボイス制度にも対応します。料金は会計本体のEシステムが年額93,000円(税抜)から、初期費用はエディションにより0〜70,000円(税抜)で、30日間の無料体験を利用できます。中堅・大企業やグループ経営には、上位のERP「奉行V ERPクラウド」が案内されています。
8. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

老舗の会計パッケージ「PCA会計」をクラウド形態で提供する財務会計システムです。開発元のピー・シー・エー株式会社は1980年設立・東証プライム上場のソフトウェアベンダーで、日常の仕訳入力から元帳・試算表・決算書、経営分析帳票までを作成できます。
パッケージ型の会計ソフトを早くからクラウド形態でも提供してきた背景について、同社は次のように説明しています。

1994年には他社に先駆けてWindows対応の「PCA会計」を発売しました。その後、「法改正のたびにソフトを買い替える負担をなくしたい」という思いから、まだクラウドという言葉が一般的でなかった2008年に、業界に先んじてPCAクラウドの提供を開始しています。
標準グレードの「PCAクラウド 会計」に加え、中堅企業向けの上位グレード「PCAクラウド 会計 hyper」では、複数会社をまとめるグループ企業管理やセグメント管理、部門の階層管理に対応します。提供基盤も国内データセンター版・AWS版・サブスク版から選べ、オンプレミス版とのデータ互換も確保されています。
料金は会計 hyper 単体で月額19,200円(税抜)、標準の会計単体で月額16,200円(税抜)が目安で、2ヶ月の無料体験を用意しています。電子帳簿保存法のJIIMA認証を取得し、インボイス制度にも対応します。
9. SmileWorks(スマイルワークス)(株式会社スマイルワークス)

販売管理・仕入・在庫・会計・給与計算・経費精算・勤怠までをひとつにまとめた、中小企業向けの統合型クラウドERPです。提供元は株式会社スマイルワークスで、会計は独立した製品ではなく「会計ワークス」モジュールとして提供され、各業務の入力データから自動で会計仕訳を生成します。
売上・仕入・経費・社内工数をプロジェクト単位で集計するプロジェクト別収支管理を主軸に据え、予算と実績の対比や関連帳票の出力までを標準機能で扱えます。会計単体のソフトに複数システムを組み合わせる運用で生じがちな二重入力を抑えたい企業に向く設計です。
料金は販売管理に絞った販売ERPプランが月額5,000円から、会計・給与まで機能を選ぶ標準プランが月額10,000円からで、最大2ヶ月の無料トライアルを利用できます。インボイス制度に対応し、会計ワークスは電子帳簿保存法のJIIMA認証を取得しています。
10. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

会計事務所の月次巡回監査・経営助言とセットで利用することを前提に設計された、中堅・中小企業向けのクラウド会計システム群です。提供元は株式会社TKCで、市販はされず、導入は顧問の会計事務所(TKC全国会の税理士・公認会計士)を介して行います。
小規模向けの「FXまいスター」から、中堅・上場準備企業向けで内部統制に対応する「FX4」、連結決算・外貨管理に対応する上場企業向けの「FX5」まで、対象規模に応じた製品をそろえます。建設業・医業・農業・公益法人など業種別の専用版も展開しています。
限界利益を軸にした365日変動損益計算書や、月次試算表・決算書を金融機関へ開示するTKCモニタリング情報サービスなど、経営管理と資金調達を支える仕組みを備えます。料金は会計事務所との顧問契約に応じて決まるため、公式では要問い合わせとなっています。
11. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

会計事務所と、その顧問先企業の連携を前提に設計されたクラウド会計システムです。日本ビズアップ株式会社が提供し、全国1,400件の会計事務所で利用されています。顧問先企業は、契約する会計事務所を通じて導入します。
銀行明細の取り込みによる自動仕訳や財務資料の自動作成に加え、会計事務所と顧問先が同じデータを同時に参照しながら共同作業できる点が特徴です。納税予測や決算診断、経営計画といった経営助言向けの帳票や、税理士向けの書面添付(第9号様式)の自動作成にも対応します。
通帳をAI-OCRで読み取って仕訳するAI-BANKや、2025年12月に公開された生成AIオプション(生成AI自動仕訳・AI業績分析)など、入力から分析までの自動化機能を有償オプションで提供します。料金は会計事務所経由での契約となるため、詳細は要問い合わせです。
12. 勘定奉行クラウド 建設業編(株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC))

建設業に特化した勘定奉行クラウドの業種別エディションで、業種固有の会計基準や帳票が必要な場合の代表的な選択肢です。株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が、汎用版「勘定奉行iクラウド」の会計機能に建設業特有の工事別原価管理を加えて構成しています。
工事ごとの仕訳・原価計算や、間接費・労務費の配賦の自動化、未成工事支出金と仕掛工事高の振替・振戻、工事別収支のリアルタイム集計に対応します。工事台帳や原価帳票で工事ごとの採算を可視化でき、上位のiSシステムでは経営事項審査(経審)向け書類の作成にも対応します。
電子帳簿保存法・インボイス制度に対応した会計・申告機能は汎用版と共通です。料金は基本のiAシステムが月額27,500円(税抜)・年額330,000円(税抜)から、初期費用50,000円(税抜)で、30日間の無料体験を利用できます。
インストール型(パッケージ型)
ソフト本体を購入して使う買い切り型で、ランニングコストを抑えたい企業やオフラインでの安定運用を重視する企業に向くパッケージ型のサービスです。
13. 会計王(ソリマチ)(ソリマチ株式会社)

会計王は、ソリマチ株式会社が開発・販売する中小企業・個人事業主向けの会計ソフトです。Windows PCにインストールして使う買い切り型(パッケージ型)を主力とし、本体は44,000円(税込・1ライセンス)の買い切りで、記帳から決算・申告、経営分析までを一括で扱えます。
インストール型ながら、銀行・クレジットカードのWeb明細を取り込む「MoneyLink」や、クラウドストレージ「安心データバンク」、電子帳簿保存法に対応した「電子帳簿保存BOX」などのクラウド連携機能を備えます。摘要欄の入力時に、AIが過去の仕訳事例をもとに勘定科目・部門・税率を予測する自動仕訳にも対応します。
対応OSはWindows 11で、Macには対応していません。購入時に最大15ヶ月の電話サポートが無償で付属し、2年目以降は年間保守「バリューサポート」の更新で継続します。月額サブスクリプションではなくランニングコストを抑えたい企業や、パッケージソフトを使い慣れた経理担当者に向く選択肢です。
14. 大蔵大臣NX(応研株式会社)

応研株式会社の基幹業務パッケージ「大臣シリーズ」で財務会計を担うのが大蔵大臣NXです。仕訳入力から元帳管理、試算表、決算書作成、消費税申告書の作成までを一連の流れで処理し、中小企業から中堅企業までの経理業務を対象とします。
提供形態は、スタンドアロンやLANに対応したパッケージ版に加え、Microsoft Azure上で利用する「大臣NXクラウド」も選べます。パッケージ版のスタンド・アローン版は264,000円(税込)からで、税制改正・法改正対応のアップデートを含む保守サービス「DMMS」は年間39,600円(税込)から利用できます。
固定資産管理を会計本体と同じパッケージで完結したい場合は、減価償却仕訳の自動起票や別表十六の作成、リース管理に対応する上位版「大蔵大臣NX SUPER」が対象になります。福祉・建設・医療などの業種別パッケージもそろい、業種固有の勘定科目や帳票要件に対応します。
クラウド型(個人事業主・確定申告特化)
青色申告を核に、個人事業主・フリーランスの確定申告を完結させることに特化した確定申告ソフトです。
15. やよいの青色申告 オンライン(弥生株式会社)

これまで紹介した法人向けのクラウド会計ソフトとは対象が異なり、個人事業主・フリーランスの青色申告に用途を絞ったクラウドソフトです。弥生株式会社が提供し、日々の取引入力から青色申告決算書・確定申告書類の作成、e-Taxでの電子申告までをオンラインで完結できます。
青色申告特別控除(最大65万円)に対応した書類作成を中心に、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込む自動仕訳、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応を備えます。取引の種類を選んで入力する方式で、簿記の知識が浅い個人でも記帳を進められます。
料金は年額セルフ11,800円・ベーシック22,800円・トータル39,600円(いずれも税抜)で、機能は共通、差は電話・メール・チャットなどサポートの範囲です。法人の決算・申告には対応しないため、法人化する場合は法人向けの会計ソフトへの切り替えが必要です。無料で使える姉妹プラン「やよいの白色申告 オンライン」も用意されています。
ここまで、提供形態ごとの特徴と型別の代表サービスを見てきました。クラウド型に絞り込めた方は、主要なクラウド会計ソフトを規模・タイプ別の選び方や料金の観点で横並びにした以下の記事で、製品同士をさらに詳しく比較できます。
会計ソフトの選び方のポイント
ここからは、自社に合う会計ソフトを選ぶための観点を解説します。次の5つのポイントを順に確認し、候補を絞り込んでください。
自社の規模・経理体制に合った種類か
まず、提供形態と規模の組み合わせが自社に合うかを確認しましょう。判断軸は前述の「規模・用途別に見る自社に合う型」で詳しく整理したとおりで、ここで方向を誤ると機能過剰や機能不足のミスマッチにつながります。
中小企業・個人事業主はクラウド型の定番サービスか買い切りのインストール型、部門別管理・内部統制・上場準備が視野に入る中堅企業は高機能・内部統制型のクラウド会計や統合ERP型へと分かれます。自社がどこに当てはまるかを起点に候補を絞りましょう。
必要な機能と自動化の範囲が足りているか
会計ソフトは製品ごとに対応範囲が異なるため、自社の業務に必要な機能が揃っているかを確認しましょう。特に、記帳の負担を左右する自動化機能の範囲は、導入効果に直結します。
銀行口座・クレジットカードの明細を自動取込できるか、勘定科目を推定する自動仕訳の精度はどうか、請求書発行や経費精算など周辺業務まで一つのサービスで賄えるかを確認しましょう。取引件数が多い場合は、仕訳数の上限や追加ユーザーの料金も選定に影響します。必要以上に多機能な上位プランを選ぶと費用が膨らむため、自社が実際に使う機能を基準に判断することが大切です。
費用が利用年数に見合っているか
費用は表示額でなく、利用予定の年数まで含めた総額で比較することが大切です。型ごとの課金の仕組みと費用相場は、前述の「型ごとの費用相場・料金体系の違い」で確認できます。
自社の利用予定年数を決め、月額・年額に利用人数の追加料金・従量課金・オプション費用や、インストール型なら年間保守料を足して、3〜5年程度のスパンで各候補を試算しましょう。買い切りが有利になるか、クラウド型の手軽さを優先するかはここで分かれます。
顧問税理士が使うソフトと連携できるか
顧問税理士に記帳や申告を依頼している場合、税理士が使うソフトとのデータのやり取りのしやすさが、日々の実務の効率を左右します。導入前に確認しておきたい観点です。
税理士と同じソフトを使えばデータの受け渡しがスムーズになり、二重入力や形式変換の手間を減らせます。異なるソフトを使う場合でも、データのエクスポート・インポートに対応しているか、税理士側が対応している製品かを事前に確認しましょう。
会計事務所との連携を重視する企業向けに、税理士とのデータ共有を前提とした製品も提供されています。契約前に顧問税理士へ推奨ソフトを確認しておくと、導入後の食い違いを避けられます。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているか
インボイス制度と電子帳簿保存法への対応は、法人・個人を問わず必須の確認項目です。制度の中身と型ごとの対応の違いは、前述の「インボイス制度・電子帳簿保存法への型別対応」で解説しています。
確認すべきは、自社が対応を求められる制度に候補製品が実際に対応しているか、それを自社が使うプランで利用できるかの2点です。クラウド型は自動反映、インストール型はアップデートや保守契約が前提になる点を踏まえ、各社の公式情報で最終確認しましょう。
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まとめ
本記事では、会計ソフトの種類を提供形態(クラウド型・インストール型・オンプレミス型/統合ERP型)を軸に整理し、法人向け・個人向けの違いや規模・用途別の考え方、型ごとの代表サービスと選び方を解説しました。
自社に合う会計ソフトを選ぶには、まず提供形態と規模・経理体制の組み合わせで型を絞り込み、必要な機能・費用・税理士との連携・法令対応を確認していくのが近道です。中小企業・個人事業主はクラウド型の定番サービスや買い切りのインストール型、中堅・上場準備企業は高機能・内部統制型や統合ERP型、個人事業主の確定申告は専用ソフトと、規模と用途に応じて有力な選択肢が変わります。
MCB FinTechカタログでは、これらの会計ソフトの資料を無料で請求できます。型ごとの代表サービスの資料を取り寄せ、自社に最適な会計ソフトの比較検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 会計ソフトの種類にはどのようなものがありますか?
A. 会計ソフトの種類は、提供形態で分けるとクラウド型・インストール型(パッケージ型)・オンプレミス型(統合ERP型)の3つに大別されます。クラウド型はインターネット経由で使う月額・年額制、インストール型はパソコンに導入して使う買い切り型、オンプレミス型は自社サーバーに構築し基幹業務と統合する形態です。
この提供形態に加えて、法人向けか個人向け(確定申告ソフト)か、対象規模が中小か中堅・上場準備かという軸を重ねると、自社に合う種類を絞り込めます。
Q. 会計ソフトはクラウド型とインストール型のどちらを選ぶべきですか?
A. 会計ソフトは、記帳の自動化や法令改正への自動対応、拠点をまたいだ共有を重視するならクラウド型、買い切りでランニングコストを抑えたい・オフラインで安定して使いたいならインストール型が向いています。中小企業・個人事業主では、初期費用を抑えて始められるクラウド型が定番の選択肢ですが、利用を続ける限り月額・年額の費用が発生する点には注意が必要です。
インストール型は購入後の年間保守料が中心となるため、数年単位で見るとクラウド型より総額を抑えられる場合があります。
Q. 会計ソフトのオンプレミス型・統合ERP型はどんな企業に向いていますか?
A. 会計ソフトのオンプレミス型・統合ERP型は、連結決算・多拠点管理・内部統制など大規模で複雑な運用を、システムを自社管理下に置いて行いたい上場企業・大企業や、上場準備中の中堅企業に向いています。販売・購買・在庫・人事などの基幹業務と会計を1つのシステムに統合できる反面、初期構築の費用や運用・保守の体制が必要になり、導入までの期間も長くなりがちです。
近年は同等の高機能をクラウドで提供する内部統制型の会計サービスも増えており、自社サーバーを持たずに高度な会計基盤を整える選択肢も広がっています。
Q. 会計ソフトはクラウド型でもオフラインで使えますか?
A. 会計ソフトのクラウド型は、インターネット接続を前提とするため、オフライン環境では基本的に利用できません。通信環境やサービス側の障害の影響を受ける点も押さえておく必要があります。オフラインでの安定した動作や入力の反応速度を重視する場合は、パソコンに導入して処理が手元で完結するインストール型(パッケージ型)が適しています。
Q. 法人向けと個人向けの会計ソフトは何が違いますか?
A. 会計ソフトは、法人向けが複式簿記による記帳から法人税・消費税の申告、部門別管理や決算書作成まで法人の経理業務全般を担う設計であるのに対し、個人向けは確定申告を完結させることに重点を置いた「確定申告ソフト」が中心という違いがあります。
個人向けは、青色申告特別控除に対応した決算書・確定申告書類の作成やe-Taxでの電子申告を、簿記の知識が浅くても進められるよう設計されています。法人向けクラウド会計の多くは個人向けのプランや姉妹サービスを用意しているため、まずは自社(自分)が法人か個人かを起点に、対応する製品を確認するとよいでしょう。
Q. 無料で使える会計ソフトはありますか?
A. 会計ソフトには、無料プランを備えた製品や、個人事業主の白色申告向けに無料で使えるソフトがあるほか、多くのクラウド会計が1〜2か月程度の無料トライアルを用意しています。ただし無料プランは、仕訳数やサポート、利用できる機能に制限があることが多く、事業の記帳・申告を継続的に行うには有料プランが前提になる場合がほとんどです。
まずは無料トライアルで操作性を確かめ、自社の業務に必要な機能が使えるかを確認してから、有料プランを選ぶとよいでしょう。
Q. 会計ソフトの費用相場はどのくらいですか?
A. 会計ソフトの費用相場は型によって課金の仕組みが異なり、クラウド型は初期費用0円が主流で、法人向けが月額おおむね2,500〜9,000円台、個人向けが年額1万円台からが目安です。インストール型は本体4万円台からの買い切りに年間保守料が加わり、オンプレミス型・統合ERP型は数十万〜数百万円規模の個別見積もりが目安です。
中堅〜上場準備向けの内部統制・管理会計に対応した高機能なクラウド会計は、月額2〜4万円台が目安になります。クラウド型は使う間ずっと支払う月額・年額、インストール型は最初に購入してあとは保守で更新する買い切りという違いがあるため、利用予定の年数まで含めた総額で比較することが大切です。
Q. 会計ソフトはインボイス制度や電子帳簿保存法に対応していますか?
A. 多くの会計ソフトはインボイス制度(適格請求書等保存方式)と電子帳簿保存法に対応しており、適格請求書の発行・保存や、電子取引データの保存要件に沿った記録を支援します。電子帳簿保存法では、注文書・請求書・領収書などの電子取引データの保存が法人・個人事業者に義務づけられており、インボイス制度は令和5年(2023年)10月1日に開始された複数税率に対応した仕入税額控除の方式です。
対応の受け取り方は型で異なり、クラウド型は制度改正が自動的に反映される設計が一般的で、インストール型は最新版へのアップデートや年間保守契約を通じて対応します。自社が使うプランで実際に対応しているかは、導入前に各社の公式情報で確認してください。
Q. 会計ソフトは顧問税理士と連携できますか?
A. 会計ソフトは、顧問税理士と同じソフトを使えばデータの受け渡しがスムーズになり、二重入力や形式変換の手間を減らせます。異なるソフトを使う場合でも、データのエクスポート・インポートに対応していれば連携でき、税理士とのデータ共有を前提に設計された製品もあります。契約前に顧問税理士へ推奨ソフトを確認しておくと、導入後の食い違いを避けられます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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