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【2026年】給与計算の法改正まとめ|子ども・子育て支援金・社会保険適用拡大の施行日と変更点を解説

【2026年】給与計算に影響する法改正まとめのサムネイル画像
給与計算ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

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給与計算ソフト比較表(2026年版)

2026年(令和8年)は、毎月の給与計算に直接影響する法改正が相次ぎます。子ども・子育て支援金制度の開始、社会保険の適用拡大、所得税の控除見直し、雇用保険料率や協会けんぽ保険料率の改定などが、施行日ごとに段階的に始まります。

どの改正が、いつから、どの料率や控除額がどう変わるのかを施行日順に押さえておかないと、給与計算システムの設定変更や対象者の洗い出し、従業員への周知が後手に回ります。料率の適用月や、保険料と給与天引きの時期のずれを取り違えると、控除額の誤りにもつながります。

本記事では、2026年に給与計算へ影響する主な法改正をまず施行日順の一覧で示し、続けて各改正の変更内容を具体的な数値とともに解説します。あわせて、給与計算担当者が自社の対応を漏れなく進めるための手順と、法改正に自動で対応できる給与計算ソフトの選び方もまとめました。

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2026年の給与計算に影響する法改正一覧【施行日順】

はじめに、2026年(令和8年)に給与計算へ影響する主な法改正を施行日順に整理します。各改正の詳細は、表の改正項目から該当のセクションへ移動できます。続く各セクションは、影響の大きい論点から順に解説します。

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改正項目令和8年分の源泉徴収税額表協会けんぽの保険料率雇用保険料率(令和8年度)子ども・子育て支援金制度在職老齢年金の支給停止調整額社会保険の適用拡大(106万円の壁撤廃)地域別最低賃金の引き上げ社会保険の企業規模要件の撤廃
施行時期2026年1月以降の給与令和8年3月分(4月納付分)〜2026年4月1日〜保険料は2026年4月分、給与天引きは5月支給分〜2026年4月〜2026年10月〜令和8年度(例年10月を目安に改定)2027年10月〜段階的
主な変更内容基礎控除・給与所得控除の見直し(給与所得控除の最低保障55万円→65万円など)を反映した新しい源泉徴収税額表に切り替え健康保険料率は全国平均9.9%、介護保険料率は1.62%一般の事業は合計13.5/1000(労働者5/1000・事業主8.5/1000)標準報酬月額に支援金率0.23%(労使折半)を乗じ、医療保険料と一体で徴収基準額を51万円から65万円に引き上げ月額賃金8.8万円(年106万円)の賃金要件を撤廃全国加重平均の引き上げ額の目安は55円51人以上→36人以上→…と段階的に撤廃し、最終的に全規模へ
給与計算への影響毎月の源泉所得税の計算基礎が変わる健康保険料・介護保険料の控除額を更新する給与から控除する雇用保険料の料率を更新する新たな控除として給与天引きを開始する在職中の年金受給者の年金カット基準が緩和(毎月の給与計算への直接影響は限定的)短時間労働者の社会保険加入対象が広がる時給制の従業員の時給が最低賃金を下回らないか点検する将来的に小規模の事業所も加入対象になる

※施行時期・数値は各所管官庁の公表資料にもとづく2026年10月時点の情報です。実際の各都道府県の料率・最低賃金額などは個別に確認してください。

自社にどの改正が関係するかは、次の観点で確認できます。該当する項目があれば、後述の各セクションで数値と対応内容を確かめてください。

  • 週20時間以上働く短時間労働者(パート・アルバイト)がいる→社会保険の適用拡大の対象確認
  • 40歳以上64歳以下の従業員がいる→介護保険料率の改定の反映
  • 19歳以上23歳未満の親族を扶養する従業員がいる→特定親族特別控除の創設の確認
  • 時給制のパート・アルバイトがいる→地域別最低賃金の引き上げの点検
  • すべての事業所→源泉徴収税額表・雇用保険料率・協会けんぽ保険料率・子ども・子育て支援金の反映

整理すると、これらの改正は、すべての事業所が対応するものと、該当する従業員がいる場合に確認するものに分けられます。

2026年の給与計算に影響する法改正を2つのグループに分類した図。すべての事業所が対応するものは、令和8年分の源泉徴収税額表、雇用保険料率、協会けんぽ保険料率、子ども・子育て支援金の4つ。該当する従業員がいれば確認するものは、社会保険の適用拡大(週20時間以上の短時間労働者)、特定親族特別控除(19〜23歳の親族を扶養)、介護保険料率(40〜64歳の従業員)、地域別最低賃金(時給制のパート・アルバイト)の4つ。

子ども・子育て支援金制度(2026年4月〜)

子ども・子育て支援金制度は、子育て世帯への給付の財源として、医療保険料に上乗せして支援金を徴収する制度です。健康保険に加入する従業員の給与から、医療保険料と一体で天引きされます。

令和8年度の支援金率は0.23%で、負担は労使折半です。実際の支援金額(月額)は、給与明細に記載される標準報酬月額に0.0023を乗じた金額で、その半分を従業員本人、残りの半分を事業主が負担します。

R8年度の一律の支援金率は0.23%です。
基本的に支援金額の半分は企業が負担いたします。
実際の支援金額(月額)は、個人の給与明細に記載されている標準報酬月額に0.0023を乗じた金額の半分の額になります。

出典:子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁

保険料は4月分、給与天引きは5月支給分から

給与計算の実務でとくに注意したいのが、徴収の開始時期です。支援金は令和8年(2026年)4月分の保険料から拠出が始まりますが、従業員の給与からの天引き(控除)は5月支給分からとなります。保険料の対象月と、給与天引きの月が1か月ずれる点を押さえておく必要があります。

令和8年4月保険料(5月に給与天引き)より拠出いただきます。

出典:子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁

標準報酬月額別の負担額の目安

支援金額は「標準報酬月額 × 0.0023」で計算し、その半分が本人負担、残り半分が事業主負担です。標準報酬月額別の目安は次のとおりです。

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標準報酬月額200,000円300,000円500,000円
支援金額(全体・月額)460円690円1,150円
本人負担(月額)230円345円575円
事業主負担(月額)230円345円575円

※令和8年度の支援金率0.23%で試算した目安です。賞与からは標準賞与額に0.0023を乗じた額が同様に徴収されます。

協会けんぽに加入する事業所では、支援金率は全国一律0.23%です。健康保険組合に加入する場合は、組合ごとに取り扱いが異なることがあるため、加入先の健保組合の案内を確認してください。

出典・参考資料(1件)

社会保険の適用拡大と106万円の壁撤廃(2026年10月)

2026年10月から、短時間労働者が社会保険(厚生年金保険・健康保険)に加入する際の賃金要件が撤廃されます。これまで加入の目安とされてきた「月額賃金8.8万円(年収換算で約106万円)以上」という要件がなくなり、いわゆる「106万円の壁」が賃金面では解消されます。

賃金要件撤廃 / 加入対象の拡大 2026年10月~
月額賃金(標準報酬)8.8万(年額換算106万)

出典:年金制度改正法の概要|厚生労働省

賃金要件が外れることで、これまで月額賃金8.8万円未満だった短時間労働者も、ほかの要件を満たせば賃金の額にかかわらず加入対象になります。パート・アルバイトを雇用している事業所では、だれが新たに対象になるかを洗い出し、保険料の控除開始に向けて準備しておく必要があります。

賃金要件の撤廃後に、短時間労働者が社会保険の加入対象になるかどうかは、主に次の要件で判断されます。自社の対象者を洗い出す際の目安にしてください。

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 2か月を超えて雇用される見込みがあること
  • 学生でないこと(休学中や夜間部の学生などは対象に含まれる場合があります)

企業規模要件は段階的に撤廃される

短時間労働者への適用には、事業所の従業員数による企業規模要件があります。この要件も、2027年10月から段階的に引き下げられ、最終的に撤廃されます。現在は従業員51人以上の事業所が対象ですが、次のスケジュールで小規模の事業所にも広がります。

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適用時期現行2027年10月〜2029年10月〜2032年10月〜2035年10月〜
対象となる企業規模従業員51人以上従業員36人以上従業員21人以上従業員11人以上従業員1人以上(全規模)
補足今回の賃金要件撤廃の前からの基準従業員36〜50人の事業所が新たに対象従業員21〜35人の事業所が新たに対象従業員11〜20人の事業所が新たに対象従業員1〜10人の事業所も対象

新たに加入対象となる短時間労働者のうち、標準報酬月額が低い層については、3年間の時限措置として、本人負担分の一部を事業主が追加で負担できる特例も設けられています。急な手取り減を緩和する仕組みで、対象者がいる事業所は制度の活用を検討できます。

出典・参考資料(1件)

所得税の控除見直しと年末調整への影響

令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除・給与所得控除が引き上げられ、新たに特定親族特別控除が設けられました。報道などで「年収の壁の見直し」「103万円の壁の引き上げ」と呼ばれた動きは、主にこの基礎控除・給与所得控除の引き上げと扶養の所得要件の改正を指します。これらは2026年(令和8年)の毎月の源泉徴収と年末調整に影響します。ここでは給与計算に関係する範囲で、変更点を見ていきます。

基礎控除・給与所得控除の引き上げ

給与所得控除は、最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。基礎控除は、所得税法上の58万円に、租税特別措置法による特例の加算額を加える形になり、合計所得金額に応じて控除額が変わります。

給与所得控除について、55 万円の最低保障額が 65 万円に引き上げられました。

出典:令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A|国税庁

基礎控除額は合計所得金額の区分ごとに次のとおりです。合計所得金額132万円以下の95万円、132万円超336万円以下の88万円は、令和7年・令和8年分に限って上乗せされる金額で、令和9年分以後は変わる点に注意が必要です。

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合計所得金額132万円以下132万円超336万円以下336万円超489万円以下489万円超655万円以下655万円超2,350万円以下
基礎控除額(令和7・8年分)95万円88万円68万円63万円58万円
改正前48万円48万円48万円48万円48万円

※95万円・88万円は令和7年・令和8年分に限る上乗せ額です。令和9年分以後は68万円以下の区分が48万円に戻ります。

特定親族特別控除の創設

新たに特定親族特別控除が設けられました。対象は、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下(収入が給与だけの場合は年収123万円超188万円以下)の人です。大学生年代の子を扶養する従業員が主に影響を受けます。扶養する従業員の控除額は、対象となる親族の合計所得金額に応じて、最大63万円から段階的に逓減します。

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特定親族の合計所得金額58万円超85万円以下85万円超90万円以下90万円超95万円以下95万円超100万円以下100万円超105万円以下105万円超110万円以下110万円超115万円以下115万円超120万円以下120万円超123万円以下
収入が給与だけの場合の年収123万円超150万円以下150万円超155万円以下155万円超160万円以下160万円超165万円以下165万円超170万円以下170万円超175万円以下175万円超180万円以下180万円超185万円以下185万円超188万円以下
控除額63万円61万円51万円41万円31万円21万円11万円6万円3万円

扶養親族等の所得要件の改正

扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が、合計所得金額48万円以下から58万円以下に引き上げられました。給与収入だけの場合、扶養の範囲に入る年収の上限が広がります。年末調整で扶養の判定を行う際の基準が変わるため、申告書の確認時に注意が必要です。

扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が、48 万円から 58 万円へ引き上げられました。

出典:令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A|国税庁

年末調整・源泉徴収への影響と適用時期

これらの改正は令和7年度税制改正によるものですが、2026年(令和8年)の毎月の源泉徴収は「令和8年分の源泉徴収税額表」にもとづいて行います。基礎控除の見直しを反映した新しい税額表に切り替わるため、給与計算システムの税額表を最新のものに更新する必要があります。

注意したいのは、基礎控除の特例加算(37万円・30万円・10万円・5万円)が、令和8年分の源泉徴収税額表には織り込まれていない点です。毎月の源泉徴収は基礎控除58万円を基礎に計算し、特例加算分は年末調整や確定申告で適用されます。

基礎控除額の改正に伴い、令和8年分以後の「源泉徴収税額表」が改正されました。

出典:令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A|国税庁
出典・参考資料(2件)

雇用保険料率・協会けんぽ保険料率の改定(令和8年度)

毎年度改定される料率のうち、給与からの控除額に直接影響するのが雇用保険料率と協会けんぽの保険料率です。令和8年度(2026年4月以降)の数値を確認します。年度を取り違えると控除額を誤るため、適用期間とあわせて確認してください。

雇用保険料率(令和8年度)

令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業で合計13.5/1000(労働者負担5/1000・事業主負担8.5/1000)です。適用期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。令和7年度の一般の事業の合計は14.5/1000だったため、令和8年度は引き下げられています。

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事業の種類一般の事業農林水産・清酒製造の事業建設の事業
労働者負担5/10006/10006/1000
事業主負担8.5/10009.5/100010.5/1000
合計13.5/100015.5/100016.5/1000

※適用期間は令和8(2026)年4月1日〜令和9(2027)年3月31日。令和7年度の一般の事業の合計14.5/1000と取り違えないよう注意してください。

健康保険料率・介護保険料率(協会けんぽ)

協会けんぽの令和8年度の健康保険料率は、全国平均で9.9%です。介護保険料率は、令和7年度の1.59%から1.62%に引き上げられました。これらの料率は令和8年3月分(4月納付分)から適用されます。

令和8年度の平均保険料率は0.1%の引下げを行い、9.9%となります
介護保険料率:1.62%(令和7年度 1.59%から改定)
適用:令和8年3月分(4月納付分)から

出典:令和8年度の保険料率について|全国健康保険協会

健康保険料率は都道府県ごとに異なり、9.9%は全国平均です。自社の加入先の料率は、協会けんぽの都道府県単位保険料率表で確認してください。介護保険料率は40歳以上64歳以下の従業員(介護保険第2号被保険者)が対象で、全国一律です。料率改定は3月分からですが、給与控除への反映月は当月控除か翌月控除かで変わるため、自社の控除方式を確認しておくと誤りを防げます。

出典・参考資料(2件)

在職老齢年金・最低賃金など周辺の改正

毎月の給与計算の数値そのものは変えないものの、給与計算担当者が把握しておきたい周辺の改正もあります。影響の範囲とあわせて押さえておきます。

在職老齢年金の支給停止調整額(51万円→65万円)

在職老齢年金は、働きながら老齢厚生年金を受け取る人について、賃金と年金の合計額が基準額を超えると年金の一部または全部が支給停止になる仕組みです。2026年(令和8年)4月から、この基準額(支給停止調整額)が月51万円から65万円に引き上げられ、年金が止まりにくくなります。

月51万円から65万円に引き上げられました(令和8年4月から)

出典:在職老齢年金制度が改正されました|日本年金機構

この基準額は賃金の変動に応じて毎年度改定されるもので、65万円は令和8年度の額です。また、厚生労働省の法改正の説明資料では、同じ改正が2024年度価格を基準に「50万円から62万円」と表記されています。表現は異なりますが同一の改正です。在職中の年金受給者がいる場合に関係しますが、毎月の給与の支給額・控除額の計算そのものは変わりません。

地域別最低賃金の引き上げ

地域別最低賃金は毎年度改定されます。令和8年度は、中央最低賃金審議会が引き上げ額の目安として、Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円を答申しました。仮に目安どおりに各都道府県で引き上げが行われた場合、全国加重平均の目安は1,176円(上昇額55円)となります。

ただしこれは審議会が示した「目安」であり、実際の各都道府県の最低賃金額は、この目安を参考に地方最低賃金審議会が決定します。給与計算では、時給制のパート・アルバイトの時給が、改定後の自社の都道府県の最低賃金を下回らないかを点検する必要があります。確定額は都道府県ごとに別途確認してください。

出典・参考資料(2件)

給与計算担当者の法改正対応手順【チェックリスト】

ここからは、法改正への対応を漏れなく進めるための手順をまとめました。改正の数が多い年ほど、順を追って進めることで対応漏れを防げます。

まず押さえたいのが、自社に関係する改正の適用時期と内容です。前掲の施行日順の一覧から、源泉徴収税額表・雇用保険料率・協会けんぽ料率・子ども・子育て支援金・社会保険の適用拡大のうち、自社に該当するものを拾い出すことが出発点になります。

次に必要になるのが、影響を受ける対象従業員の洗い出しです。社会保険の適用拡大なら週20時間以上の短時間労働者、特定親族特別控除なら19歳以上23歳未満の親族を扶養する従業員というように、改正ごとに対象者を把握しておきます。

そのうえで、対象者への社内周知と運用ルールの見直しが求められます。手取り額が変わる従業員には、支援金の天引き開始や社会保険加入の影響を事前に説明しておくと、問い合わせや行き違いを減らせます。

最後に欠かせないのが、給与計算システムの設定変更とテスト計算です。新しい源泉徴収税額表への更新、雇用保険料率・協会けんぽ料率の改定、支援金の控除項目の追加を設定し、施行日の前に試算して正しく反映されるかを確かめておきましょう。

対応状況は、次の項目で点検できます。

  • 令和8年分の源泉徴収税額表に更新したか
  • 雇用保険料率(一般の事業13.5/1000)を令和8年度の値に更新したか
  • 協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率(1.62%)を改定後の値に更新したか
  • 子ども・子育て支援金の控除項目を追加し、5月支給分からの天引きに備えたか
  • 社会保険の適用拡大の対象になる短時間労働者を洗い出したか(2026年10月〜)
  • 年末調整で基礎控除・給与所得控除・特定親族特別控除・扶養の所得要件の変更を反映する準備をしたか
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法改正に自動対応できる給与計算ソフトの選び方

法改正のたびに料率や税額表を手作業で更新するのは、負担が大きく、設定漏れや反映ミスのリスクもあります。料率・税率・制度改正にベンダー側の更新で自動的に追随する給与計算ソフトを使えば、担当者の作業を減らせます。選ぶ際は、次の観点を確認すると、法改正対応の負担を見極めやすくなります。

  • 社会保険料率・所得税率の改定時に、利用者側の操作なしで自動対応するか
  • 源泉徴収税額表の年度更新や、子ども・子育て支援金などの新しい制度に対応しているか
  • 年末調整の計算や各種申告書の作成まで対応しているか
  • 対応状況がリリースノートなどで確認でき、いつ・どの改正に対応したかを追えるか

以下は、上記の観点のうち主なものについて、法改正への自動対応に強みを持つ給与計算ソフトの代表例として、弥生給与 Next の対応状況を整理したものです。給与計算ソフト全体の比較は、後述の関連記事で確認できます。

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法改正への対応状況弥生給与 Next
提供形態クラウド型
令和8年分源泉徴収税額表への対応●2025年11月26日対応(月額表・賞与の算出率の表など)
子ども・子育て支援金制度への対応●2026年3月26日対応(健康保険組合の料率入力)
社会保険料率・所得税率の変更時●利用者の操作は不要(自動対応と案内)
年末調整△ベーシックライト以上(エントリーは控除申告書のWeb回収まで)
改正対応の履歴公開●公式リリースノートで日付つきに公開
詳細情報公式資料を見る

弥生給与 Next(弥生株式会社)

弥生給与 Next の公式サイト

弥生給与 Next は、弥生株式会社が提供するクラウド型の給与計算ソフトです。給与・賞与計算、Web給与明細、年末調整までをオンラインで行え、法令改正への対応を利用者側の操作なしで反映する設計が特徴です。

社会保険料率や所得税率が変わったときの操作について、公式のよくある質問では次のように案内されています。

特に操作は必要ありません。常に最新の法令をご利用いただけるよう自動対応します。

出典:給与・賞与計算のよくある質問|弥生給与 Next ご利用ガイド

本記事で取り上げた改正にも対応が進んでいます。公式のリリースノートでは、2026年(令和8年)分の源泉徴収税額表の変更への対応や、子ども・子育て支援金制度にともなう健康保険組合の料率入力への対応が、日付つきで公表されています。いつ・どの改正に対応したかを追える点は、改正対応の確認作業を進めるうえで参考になります。

デスクトップ版の「弥生給与」とは別のクラウド製品である点に注意してください。詳しい機能や料金は公式サイトや資料で確認できます。

出典・参考資料(2件)

ここでは法改正への自動対応という切り口で1つの例を取り上げましたが、給与計算ソフトは料金やサポート体制、年末調整への対応範囲なども含めて比較して選ぶものです。主要な製品の選び方と機能を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

また、法改正への対応を含めて給与計算の実務そのものを自社で抱えたくない場合は、業務を外部の事業者に委託するアウトソーシングという選択肢もあります。業務範囲や料金体系の比較は以下の記事で解説しています。

まとめ

2026年(令和8年)は、子ども・子育て支援金制度の開始、社会保険の適用拡大、所得税の控除見直し、雇用保険料率・協会けんぽ保険料率の改定など、給与計算に影響する法改正が施行日ごとに続きます。保険料と給与天引きの時期のずれや、料率の年度の違いを取り違えると控除額の誤りにつながるため、施行日・数値を正確に押さえることが大切です。

自社に関係する改正を洗い出し、対象者の確認・社内周知・システムの設定変更を施行日の前に進めておくことで、対応漏れを防げます。法改正に自動で対応する給与計算ソフトを活用すれば、料率や税額表の更新作業の負担も軽減できます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 子ども・子育て支援金制度とは何ですか?

A. 子ども・子育て支援金制度とは、子育て世帯への給付の財源として、医療保険料に上乗せして支援金を徴収する制度です。健康保険に加入する従業員の給与から、医療保険料と一体で天引きされます。令和8年度の支援金率は0.23%で、負担は労使折半です。実際の支援金額(月額)は標準報酬月額に0.0023を乗じた金額で、その半分を従業員本人、半分を事業主が負担します。

Q. 子ども・子育て支援金は、いつの給与から天引きを始めますか?

A. 子ども・子育て支援金は、令和8年(2026年)4月分の保険料から拠出が始まり、従業員の給与からの天引きは5月支給分からです。保険料の対象月と給与天引きの月が1か月ずれる点を押さえておく必要があります。協会けんぽに加入する事業所では支援金率は全国一律0.23%ですが、健康保険組合に加入する場合は組合ごとに取り扱いが異なることがあるため、加入先の案内を確認してください。

Q. 社会保険の適用拡大(106万円の壁撤廃)はいつから始まりますか?

A. 社会保険の適用拡大による106万円の壁の撤廃は、2026年10月からです。短時間労働者が社会保険に加入する際の「月額賃金8.8万円(年収換算で約106万円)以上」という賃金要件が撤廃され、週の所定労働時間が20時間以上などの条件を満たす人が、賃金の額にかかわらず加入対象になります。

また、事業所の従業員数による企業規模要件(現行は従業員51人以上)は、2027年10月から段階的に引き下げられ、最終的に撤廃されます。

Q. 令和8年分の源泉徴収税額表は、いつの給与から使いますか?

A. 令和8年分の源泉徴収税額表は、2026年1月以降の給与から使います。基礎控除・給与所得控除の見直しを反映した新しい税額表に切り替わるため、給与計算システムの税額表を最新のものに更新する必要があります。ただし、基礎控除の特例加算分は税額表に織り込まれておらず、毎月の源泉徴収は基礎控除58万円を基礎に計算し、特例加算は年末調整や確定申告で適用されます。

Q. 令和8年度の雇用保険料率はいくらですか?

A. 令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業で合計13.5/1000(労働者負担5/1000・事業主負担8.5/1000)です。適用期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。

令和7年度の一般の事業の合計は14.5/1000だったため、年度を取り違えると控除額を誤ります。協会けんぽの健康保険料率(全国平均9.9%)・介護保険料率(1.62%)とあわせて、令和8年度の値に更新してください。

Q. 2026年の給与計算の法改正のうち、自社に関係するのはどれか、どう見分ければよいですか?

A. 2026年の給与計算の法改正は、すべての事業所に関係するものと、特定の従業員がいる場合だけ関係するものに分かれます。源泉徴収税額表・雇用保険料率・協会けんぽ保険料率・子ども・子育て支援金は、すべての事業所が反映します。

一方、社会保険の適用拡大は週20時間以上の短時間労働者、特定親族特別控除は19歳以上23歳未満の親族を扶養する従業員、介護保険料率は40歳以上64歳以下の従業員、最低賃金は時給制の従業員がいる場合に確認が必要です。

Q. 2026年の給与計算の法改正への対応は、いつから始めればよいですか?

A. 2026年の給与計算の法改正への対応は、各改正の施行日より前に準備を終えておくのが基本です。2026年は1月以降の給与で源泉徴収税額表、4月で雇用保険料率・協会けんぽ保険料率・子ども・子育て支援金(給与天引きは5月支給分から)、10月で社会保険の適用拡大と、施行日が分散します。

施行日順に社内カレンダー化し、対象者の洗い出し・社内周知・システムの設定変更とテスト計算を、施行日の前に進めておくと対応漏れを防げます。

Q. 法改正のたびに料率や税額表を手作業で更新せずに済む方法はありますか?

A. 料率・税率・制度改正にベンダー側の更新で自動的に追随する給与計算ソフトを使えば、手作業の更新を減らせます。社会保険料率・所得税率の改定や源泉徴収税額表の年度更新、子ども・子育て支援金などの新しい制度に利用者側の操作なしで対応するか、対応状況がリリースノートで確認できるかを確かめると、法改正対応の負担を見極めやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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