新しい取引先から「掛け(請求書払い)で取引したい」と求められたとき、あるいは与信の仕事を任されたとき、「そもそも与信判断とは何を見て、どう決める作業なのか」で迷っていませんか。
掛け取引は代金を後から受け取る約束で商品やサービスを先に渡すため、取引先が支払えなくなれば売掛金はそのまま損失になります。与信判断は、この焦げ付きを防ぐために取引の可否と上限額をあらかじめ決める、掛け取引の入り口の作業です。
本記事では、与信判断の意味と、判断に使う3つの基準(定量・定性・商流)、情報収集から与信限度額の決定までの手順、限度額の具体的な決め方を、自社の取引先に当てはめられる粒度で整理します。あわせて、属人的な判断から脱して仕組み化する与信調査・与信管理サービスについても紹介します。
目次
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与信判断とは?取引可否と与信限度額を決めること
与信判断とは、取引先の信用力を調べたうえで、その相手と掛け取引をしてよいか(取引の可否)と、いくらまで掛けで取引してよいか(与信限度額)を決めることです。「与信」は文字どおり「信用を供与する」ことを意味し、代金後払いを認めて一時的に自社がリスクを負う状態を指します。
実務では、与信判断は「与信審査」とほぼ同じ意味で使われます。取引先の情報を調査し、取引の可否や与信限度額を判断する作業を、会社によって与信判断と呼んだり与信審査と呼んだりします。本記事でも両者を同じ意味で扱います。
混同しやすい言葉を整理すると、それぞれの役割は次のように分かれます。
- 信用調査:取引先の財務・経営状況などの情報を集める行為。与信判断の材料をそろえる前段の作業です。
- 与信判断(与信審査):集めた情報をもとに、取引の可否と与信限度額を決める判断そのものです。
- 与信管理:取引前の与信判断に加え、取引開始後のモニタリングや限度額の見直しまで含めた、取引先の信用リスクを管理する一連の活動を指します。
- 債権管理:取引が始まったあとに発生した売掛金を、期日どおりに回収するための管理です。与信管理が「貸し倒れを未然に防ぐ」のに対し、債権管理は「発生した債権を確実に回収する」役割を担います。
このように与信判断は、信用調査で集めた材料を使って取引の可否と限度額を決める中心の工程であり、その前後を情報収集と継続管理が支える構造になっています。
なぜ与信判断が必要なのか(防げるリスク)
ここからは、与信判断を行う目的と、怠った場合に起きる損失について解説します。
掛け取引には、取引先が倒産したり支払いを滞らせたりすれば、提供済みの商品やサービスの代金を回収できないというリスクが常に伴います。与信判断は、この貸し倒れを取引開始前に防ぐための最初の関門です。
企業の倒産は、景気の良し悪しにかかわらず一定の規模で起き続けています。東京商工リサーチの集計では、2025年度の全国企業倒産は2年連続で1万件を超えました。
2025年度(4-3月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が1万505件(前年度比3.5%増)、負債総額は1兆5,687億1,500万円(同33.9%減)だった。件数は、コロナ禍の2021年度の5,980件を底に、2022年度から4年連続で前年度を上回り、2年連続で1万件を超えた。(中略)『不況型』倒産が8,994件、構成比85.6%で17年連続の80%台
出典:2025年度の全国企業倒産1万505件|東京商工リサーチ
取引先の倒産は、自社にとって「他人事」ではありません。倒産の多くは販売不振や売掛金回収難などの「不況型」で占められており、帝国データバンクの集計でも、売掛金回収難を一因とする倒産が近年増えています。取引先の焦げ付きは自社の資金繰りを直接圧迫し、回収できない売掛金が大きいほど、最悪の場合は自社まで倒れる連鎖倒産につながります。
こうした連鎖倒産は、国が制度で備えるほど現実的なリスクです。中小企業基盤整備機構の「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、取引先の倒産で売掛金債権の回収が困難になった中小企業が、連鎖倒産に陥るのを防ぐために設けられた制度です。
国がこうした制度を用意していること自体が、取引先の焦げ付きが自社の存続に関わるリスクであることを物語っています。入口で相手の信用力を見極めておくことが、自社を守る最も確実な備えになります。
出典・参考資料(2件)
与信判断の3つの基準(定量・定性・商流)
ここからは、取引先の信用力を何から判断するのかを解説します。与信判断では、取引先を「定量分析」「定性分析」「商流分析」の3つの基準から多角的に見ます。数字に表れる面と表れない面、そして取引そのものの安定性を、それぞれ別の角度から確かめる考え方です。

定量分析(決算書のどの数字を見るか)
定量分析は、決算書に表れる数字から取引先の支払い能力を読み取る方法です。主に貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)の3つを確認します。
- 貸借対照表(B/S):自己資本比率(総資本に占める自己資本の割合)や流動比率(流動負債に対する流動資産の割合)から、財務の安定性と短期的な支払い能力を見ます。自己資本比率が高いほど借入依存が小さく、流動比率が100%を上回っていれば当面の支払い余力があると読めます。
- 損益計算書(P/L):売上高の推移と、営業利益・経常利益が黒字を維持できているかを見ます。売上が伸びていても利益が出ていない、あるいは本業の営業利益が赤字という場合は注意が必要です。
- キャッシュフロー計算書(C/F):営業活動によるキャッシュフローがプラスかどうかを確認します。利益が出ていても手元資金が回っていなければ、支払いが滞る可能性があります。
これらの指標には「この数値を超えれば安全」という絶対的な正解はありません。目安として、自己資本比率は20%以上あれば財務の安定性は高めと見られ、流動比率は100%、できれば120%以上が一つの安心ラインとされます。ただし適正な水準は業種や企業規模によって変わるため、自社の基準としてどのラインを使うかは、取り扱う金額や業界の特性に合わせて設定します。
定性分析(経営者・沿革・評判・事業の強み)
決算書の数字には表れない要素から信用力を見るのが定性分析です。経営者の経歴や姿勢、企業の設立からの業歴、業界内での評判、取り扱う商品やサービスの競争力、株主構成などが対象になります。
とくに設立間もない企業や非上場企業では、財務数値だけで判断できる材料が限られます。経営者がどのような事業を手がけてきたか、取引先や金融機関からどう見られているかといった定性情報が、数字を補う重要な判断材料になります。
商流分析(仕入れから販売までのルートの安定性)
商流分析では、取引先の仕入れから販売までのお金とモノの流れが安定しているかを見ます。主要な仕入先や販売先が特定の企業に偏っていないか、その取引先のさらに先の取引(二次的な取引先)が安定しているかが着眼点です。
販売先が1社に集中している取引先は、その1社の経営が傾くと連鎖的に売上を失う可能性があります。仕入れと販売のルートが安定し、代金回収の条件に無理がないかどうかは、決算書だけでは見えにくい信用リスクを映し出します。
3つの基準を1つの判断にまとめる(絶対評価と相対評価)
定量・定性・商流の3つの基準は、それぞれ単独で合否を決めるものではなく、組み合わせて総合的に判断します。まとめ方の考え方として、絶対評価と相対評価の2つを押さえておくと整理しやすくなります。
- 絶対評価:自社で定めた基準(例:自己資本比率が一定以上、営業利益が黒字など)を満たすかどうかで判断する方法です。社内で基準を統一できるため、担当者による判断のばらつきを抑えられます。
- 相対評価:同業種の平均や過去の取引実績と比べて、相対的にどの位置にあるかで判断する方法です。業界特有の財務構造を踏まえた判断がしやすくなります。
多くの企業は、各基準を点数化して合計し、信用度をいくつかのランクに分ける方法を採用しています。たとえば定量分析を60点・定性分析を30点・商流分析を10点の配点で100点満点とし、70点以上は通常どおり取引、50〜70点未満は限度額を抑えて取引、50点未満は取引を見送る、といった形です。
ただし、どの項目をどれだけ重視するか、どの点数で可否を分けるかは各社の方針によって異なり、公的に定められた統一基準はありません。上の配点はあくまで一例であり、自社の取り扱い金額やリスク許容度に合わせて目安のラインを決めることになります。
与信判断の手順(情報収集から可否・限度額の決定まで)
ここでは、与信判断の全体像を取引の前後にわけて示します。分析の中身はすでに前の節で説明したとおりで、情報収集や与信限度額の決定といった残りの中身は後続の各節で詳しく扱います。まずは一連の流れとして全体をつかんでください。
与信判断は、取引を始める前の4ステップと、取引開始後の2ステップで構成されます。

- 情報収集:取引先の財務・経営・取引状況に関する情報を集めます。社内の情報に加え、信用調査会社なども活用します。
- 分析・評価:集めた情報を定量・定性・商流の3つの基準で分析し、信用度を評価します。
- 取引可否と与信限度額の決定:評価結果をもとに、取引してよいかと、掛けで取引してよい上限額を決めます。
- 契約・取引開始:決めた条件で契約を結び、取引を開始します。
- モニタリング:取引開始後も、取引先の信用状態の変化を継続的に監視します。
- 定期的な見直し:決算期の更新などに合わせて、与信限度額や取引条件を定期的に再評価します。
与信判断は、取引開始時の一度きりの作業ではありません。相手の経営状況は時間とともに変わるため、取引を続けるあいだも監視と見直しを繰り返すことで、はじめて貸し倒れを防ぐ仕組みとして機能します。
情報収集の方法と信用調査会社の使い分け
ここからは、与信判断の材料となる情報を、どこからどう集めるかを解説します。情報収集の方法は大きく4つに分かれ、それぞれ得られる情報の深さとコストが異なります。まずは4つの方法の違いを一覧で整理します。
| 調査方法 | 内部調査 | 外部調査(信用調査会社・企業情報DB) | 直接調査 | 依頼調査 |
|---|---|---|---|---|
| 取得できる情報 | 社内の取引履歴・入金状況・営業の所感 | 財務情報・信用評点・信用調査報告書 | 事業の実態・経営者の人柄 | 調査員による最新の実地調査報告 |
| コスト・手間 | 追加費用はかからない | 比較的低い(データベース型は月額・従量) | 訪問・ヒアリングの工数 | 高め(1件あたり数万円程度〜・日数も必要) |
| 向く場面 | 既存取引先の与信を見直すとき | 多くの取引先を効率よく確認したいとき | 大口取引の前に慎重に確認したいとき | 既存情報が乏しい相手を詳しく知りたいとき |
※コスト・手間は一般的な目安で、依頼先や調査内容によって異なります。
内部調査(社内の取引履歴・入金状況の確認)
内部調査は、自社の中にある情報から取引先を確認する方法です。過去の取引履歴、入金の遅延の有無、営業担当者が現場でつかんでいる相手の様子などが対象になります。追加の費用がかからず、既存取引先の与信を見直す際の第一歩になります。
外部調査(信用調査会社・企業情報データベースの活用)
外部調査では、専門の信用調査会社や企業情報データベースから客観的な情報を得ます。自社だけでは集めにくい財務情報や信用度の評価を、効率よく入手できる方法です。国内では帝国データバンクと東京商工リサーチが代表的で、両社は企業ごとの信用調査報告書や、信用度を点数化した評価を提供しています。
これらの調査会社が蓄積する企業情報を、オンラインのデータベースやクラウドサービスから検索できる形で提供する事業者もあります。取引先の数が多い場合や、一定の基準で機械的にスクリーニングしたい場合は、こうしたデータベース型のサービスが向いています。
直接調査(取引先へのヒアリング・現地確認)
取引先を訪問して経営者にヒアリングしたり、事業所や工場の様子を自分の目で確かめたりするのが直接調査です。手間はかかりますが、資料だけではわからない事業の実態や経営者の人柄をつかめます。大口の取引を始める前など、慎重な判断が必要な場面で有効です。
依頼調査(調査会社への実地調査の依頼)
信用調査会社に対象企業の実地調査を個別に頼むのが依頼調査です。調査員が取引先に直接取材し、新規の調査報告書を作成します。既存のデータベースに十分な情報がない企業や、最新の状況を詳しく知りたい場合に用いますが、1件あたりの費用は調査の内容により数万円程度からが目安で、報告書が届くまでの日数も他の方法より長くなります。
決算書が取れない・設立間もない取引先の情報の取り方
非上場の中小企業や設立間もない企業では、決算書の開示を受けられないことが珍しくありません。その場合は、定量分析だけに頼らず、別の方法で材料を補います。
商業登記情報から設立年月日・資本金・役員構成を確認し、代表者の事業経歴や、取引先・金融機関からの評判といった定性情報を集めます。信用調査会社の報告書なら、決算書を直接入手できない企業でも、推定値を含む信用評価を得られる場合があります。それでも情報が十分でないときは、最初は少額の限度額から取引を始め、支払い状況を見ながら段階的に引き上げるという進め方で、リスクを抑えられます。
取引先ごとの具体的な調べ方や、調査会社に依頼する場合の費用の目安は、以下の記事で自社でできる方法と外部委託の使い分けにわけて解説しています。
与信限度額の具体的な決め方(計算式と数値例)
ここからは、取引してよい上限額である与信限度額を、具体的にどう決めるかを解説します。代表的な考え方がいくつかあり、実務では複数を組み合わせて最終的な金額を決めます。
以下の計算方法や割合は一般的に使われている考え方の例であり、公的に定められた統一基準ではありません。実際の金額は、自社のリスク許容度や業界の慣行に合わせて決めることになります。
自社の取引予定額(月商×回収サイト)から決める
最も基本的なのは、その取引先と実際に行う取引の規模から必要な限度額を算出する方法です。1か月あたりの取引予定額に、代金を回収するまでの期間(回収サイト)の月数を掛けると、常に発生しうる売掛金の最大額がわかります。
たとえば月間の取引額が100万円、回収サイトが2か月(月末締め翌々月末払い)の場合、「100万円 × 2か月 = 200万円」が常に未回収のまま残りうる金額です。この200万円を目安に与信限度額を設定します。
取引先の支払い能力(純資産など)から上限を抑える
取引予定額から算出した金額が、取引先の体力に見合っているかも確認します。目安の一つが、取引先の純資産の一定割合(たとえば10%程度)を上限とする考え方です。純資産が5,000万円の取引先なら、その10%にあたる500万円を上限の目安にする、といった形です。相手の支払い能力を超える限度額を設定しないための歯止めになり、取引先の仕入債務の規模を基準にする方法もあります。
自社の売掛金全体に占める割合で分散させる
1社への与信が大きくなりすぎると、その1社が倒れたときの打撃が致命的になります。自社の売掛金全体や自己資本に対して、1社あたりの限度額が一定割合(たとえば総売掛金の10%以内)を超えないように上限を設けると、特定の取引先への集中リスクを抑えられます。
実務では、これらの方法で算出した複数の金額のうち、最も小さい金額を採用するのが安全な進め方です。さらに、信用評点やランクに応じて限度額を増減させることで、信用力の高い相手には広く、不安のある相手には慎重に、という調整ができます。
与信限度額の計算式をより詳しく知りたい場合は、以下の記事で代表的な計算式と数値例、信用格付けに応じた金額の調整方法を整理しています。
取引開始後のモニタリングと社内体制
ここからは、取引を始めたあとに続ける作業と、与信判断を社内で機能させる体制について解説します。
モニタリングと定期的な見直し
取引先の経営状況は時間とともに変わります。取引開始時に問題がなくても、その後に業績が悪化することは珍しくありません。決算期の更新に合わせた定期的な見直しに加え、支払いの遅延や業界の悪いニュースなど、信用不安の兆候をつかんだときには随時再評価する体制が必要です。
売掛金を回収しないまま放置すると、法的にも不利になります。民法では、債権は「権利を行使することができることを知った時から五年間」行使しないと時効によって消滅します。回収の遅れが権利そのものの消滅につながらないよう、入金状況を継続的に確認することが欠かせません。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:民法 第百六十六条|e-Gov 法令検索
万一入金が滞ったときに備えて、売掛金の具体的な回収の進め方を知っておきたい場合は、以下の記事で初動の督促から法的手段、時効への対応までを解説しています。
営業部門と管理部門の連携・決裁体制
与信判断は、売上を伸ばしたい営業部門と、リスクを抑えたい管理部門のあいだで意見が対立しやすい業務です。営業は取引を前に進めたい一方、管理部門は慎重な判断を求めるため、ルールがないと声の大きい側に流されたり、担当者の経験頼みになったりします。
これを防ぐには、与信限度額の金額帯ごとに決裁の権限者を定める規程を整えることが有効です。たとえば一定額までは担当部門長、それを超える場合は役員の承認が必要といったルールにすれば、判断の基準と責任の所在が明確になります。営業現場がつかんだ取引先の変化を管理部門と共有する流れをつくっておくと、異変の早期発見にもつながります。
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与信判断を効率化・標準化する方法(サービスの活用)
ここまで見てきたように、与信判断は情報収集・分析・限度額の決定・継続的な監視と、手間のかかる作業が続きます。これを表計算ソフトと担当者の経験だけで回すと、情報が古くなりやすく、判断の基準も人によってばらつきます。
そこで近年は、取引先の信用情報の収集、信用度のスコアリング、取引開始後のモニタリングまでを一つのサービスでまとめて行える、与信調査・与信管理サービスが使われています。会社名を入力するだけで必要な情報が集まり、評価の基準をサービス側に持たせることで、担当者による判断のばらつきを抑えられます。
以下に、与信判断に使える代表的なサービスを比較します。自社の取引先の数や、どこまで自動化したいかに合わせて検討してください。
| サービス名 | パワーサーチ | Riskdog | e-与信ナビ | Neuro Watcher | SMART | 帝国データバンク | tsr-van2(東京商工リサーチ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 信用格付・スコアリング | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 反社チェック | ● | ● | ● | ● | △(別サービスで対応) | △(コンプライアンスチェックで対応) | △(別サービス「T-反社チェック」で対応) |
| モニタリング | ●(別サービス連携) | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 与信限度額の算出 | × | × | ● | ● | ● | ● | ● |
| 初期費用 | 無料 | 要問い合わせ | 入会金30,000円(税抜) | 無料 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 月額費用 | 3,000円〜(ポイント制) | 要問い合わせ | 20,000円〜(税抜・従量課金別) | 基本料0円(従量課金制) | 要問い合わせ | 3,000円〜(従量課金別) | 3,000円〜(税別・従量課金別) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※各社の公式情報・公開資料にもとづく2026年10月時点の内容です。料金は税抜・税込やプラン・利用量によって異なり、「要問い合わせ」は公式に金額が公開されていない項目です。機能欄は、●=対応、△=同じ運営会社の別サービス等で条件付き対応、×=本記事の調査時点で公式に確認できなかったことを表します。最新の料金・対応範囲は各サービスの資料・公式サイトで必ずご確認ください。
与信判断を仕組みとして支える与信管理システムを本格的に比較・検討したい場合は、以下の記事で主要サービスの機能・料金やタイプ別の選び方を詳しく解説しています。
与信管理システムおすすめ21選を徹底比較|機能・料金・タイプ別の選び方を解説
取引先の与信を表計算ソフトや紙で管理していて、担当者ごとに判断基準がばらついていませんか。新規取引先の信用調査に時間がかかる、支払遅延や倒産の予兆をつかめない、といった不安を抱える与信・審査・経理の現場は少なくありません。 与信管理システム…
ここからは、上記のうち会社名を入力するだけで手早く与信チェックを始められる2サービスを個別に紹介します。与信限度額の自動算出まで必要な場合は、比較表で対応しているサービスもあわせて検討してください。
パワーサーチ(アラームボックス株式会社)

パワーサーチは、新規取引先の与信判断・反社チェック・企業調査を、会社名を入力するだけで実施できる与信管理クラウドサービスです。アラームボックス株式会社が提供し、2025年7月以降は弥生グループの一員となっています。
インターネット上の公知情報や公的機関の情報、提携調査会社のデータを毎日収集し、独自のアルゴリズムとAIで解析します。調査レポートには専任の調査担当者による見解やアドバイスが付き、取引先の支払い能力を段階的な信用レベルに格付けします。継続的に取引先を監視するモニタリング機能と組み合わせれば、新規取引時の判断から取引開始後の監視まで一貫して扱えます。
初期費用は無料で、月額基本料金と同額のポイントを消費して調査や反社チェックを利用する料金体系です。反社チェックは1件あたりの単価が低く設定されており、必要な分だけ使える手軽さから、属人的なエクセル管理から一歩進めたい企業に適しています。
Riskdog(Baseconnect株式会社)

Riskdogは、与信管理・コンプライアンスチェック(反社チェック)・法人確認を1つのプラットフォームに統合した、AI与信リスク管理サービスです。法人営業支援データベースで企業データを蓄積してきたBaseconnect株式会社が提供しています。
企業名または法人番号を入力すると、AIが企業や役員に紐づくリスク情報を自動で収集・解析します。信用度は企業属性などの基礎スコアと、アラート情報による動的スコアの2軸で算出し、過去の倒産事例を学習したモデルから倒産確率を示します。決算書がない企業でも定性データから評価できる点や、反社チェックと与信判断を1つの画面で完結できる点が特徴です。
料金や最新の機能は資料で確認できます。取引先リスクを幅広く一元的に把握したい企業に向いた選択肢です。
まとめ
与信判断とは、取引先の信用力を調べて、取引の可否と与信限度額を決めることです。判断には定量分析・定性分析・商流分析の3つの基準を使い、情報収集から分析、可否と限度額の決定、取引開始後のモニタリングまでを一連の流れとして進めます。
与信限度額の決め方に公的な統一基準はなく、取引予定額・取引先の支払い能力・自社の売掛金全体のバランスから、自社の方針に合わせて目安を決めることになります。取引先の数が増えて手作業では回らなくなってきたら、情報収集からスコアリング、モニタリングまでをまとめて行える与信調査・与信管理サービスの活用も検討してみてください。
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与信判断に関するよくある質問(FAQ)
Q. 与信判断とは何ですか?
A. 与信判断とは、取引先の信用力を調べて、掛け取引をしてよいか(取引の可否)と、いくらまで掛けで取引してよいか(与信限度額)を決めることです。「与信」は代金後払いを認めて一時的に自社がリスクを負うことを指し、その焦げ付き(貸し倒れ)を取引開始前に防ぐための最初の関門が与信判断です。
Q. 与信判断と与信審査、与信管理はどう違いますか?
A. 与信判断と与信審査はほぼ同じ意味で、どちらも取引の可否と与信限度額を決める判断そのものを指します。一方で与信管理は、この取引前の判断に加えて、取引開始後のモニタリングや与信限度額の見直しまで含めた、取引先の信用リスクを管理する一連の活動を指します。与信判断(=与信審査)は、与信管理という大きな流れの中心にある工程だと整理すると分かりやすくなります。
Q. 与信判断では取引先の何を見て判断しますか?
A. 与信判断では、取引先を定量分析・定性分析・商流分析の3つの基準から多角的に見ます。定量分析は決算書(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)の数字から支払い能力を、定性分析は経営者の経歴や業歴・評判など数字に表れない要素を、商流分析は仕入れから販売までのルートの安定性を確認します。どれか一つで合否を決めず、3つを組み合わせて総合的に判断します。
Q. 与信限度額の目安はどのくらいに設定すればよいですか?
A. 与信限度額に公的な統一基準はなく、取引予定額(月商×回収サイト)・取引先の支払い能力(純資産の一定割合など)・自社の売掛金全体に占める割合の3つから算出し、最も小さい金額を目安に設定するのが安全です。純資産の数%といった割合はあくまで一般的な目安であり、自社のリスク許容度や業界の慣行に合わせて最終的な金額を決めることになります。
Q. 決算書を開示してもらえない取引先はどう与信判断すればよいですか?
A. 決算書が手に入らない場合は、定量分析だけに頼らず、商業登記情報・代表者の事業経歴・取引先や金融機関からの評判といった定性情報で材料を補います。信用調査会社の報告書なら、決算書を直接入手できない企業でも推定値を含む信用評価を得られることがあります。それでも情報が乏しいときは、最初は少額の限度額から取引を始め、支払い状況を見ながら段階的に引き上げる進め方でリスクを抑えられます。
Q. 与信判断は外部に依頼できますか?
A. 与信判断の材料となる信用調査は、帝国データバンクや東京商工リサーチといった信用調査会社に依頼でき、企業の信用調査報告書や信用度を点数化した評点を取得できます。さらに、情報収集からスコアリング、取引開始後のモニタリングまでをまとめて行える与信調査・与信管理サービスを使えば、判断の標準化や効率化も図れます。ただし、最終的に取引を進めるかどうかの意思決定は、自社の方針に沿って行う必要があります。
Q. 与信判断はどの部署が担当しますか?
A. 与信判断は、審査部・経理・財務部門が担当することが多く、企業の規模によっては営業管理部門が兼務する場合もあります。売上を伸ばしたい営業部門とリスクを抑えたい管理部門では判断が対立しやすいため、与信限度額の金額帯ごとに決裁の権限者を定める規程を整え、営業現場がつかんだ取引先の変化を管理部門と共有する流れをつくることが、与信判断を社内で機能させるポイントです。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















