J-SOX(内部統制報告制度)の実務に関わると、監査法人の資料や社内文書で「全社統制」という言葉に行き当たります。業務プロセス統制やIT統制と並べて語られるため、まず「全社統制とは何を指すのか」「内部統制全体の中でどんな位置づけなのか」をはっきりさせないと、評価の準備が進まないという状態になりがちです。
本記事では、全社統制(全社的な内部統制)の意味を結論から整理し、内部統制の中での位置づけ、6つの基本的要素、実施基準に例示された42の評価項目、評価の進め方、評価範囲の考え方までを解説します。「ELC」「CLC」といった略語との関係や、よくある誤解の整理も扱います。
まずは用語と評価の全体像を整理し、終盤で評価・文書化を毎期続けていく負担を軽くする手段にも触れます。自社の全社統制の整備・評価を進める足がかりとしてご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
全社統制(全社的な内部統制)とは
全社統制とは、企業全体に広く影響を及ぼし、基本的には企業集団全体を対象とする内部統制を指します。正式には「全社的な内部統制」と呼ばれ、特定の部署や業務ではなく、企業集団全体の財務報告の信頼性を支える土台にあたります。金融商品取引法にもとづくJ-SOX(内部統制報告制度)で、経営者が評価すべき対象の一つです。
企業会計審議会の実施基準では、全社的な内部統制を次のように定義しています。
全社的な内部統制は企業全体に広く影響を及ぼし、企業全体を対象とする内部統制であり、基本的には企業集団全体を対象とする内部統制を意味する。ただし、企業集団内の子会社や事業部等に独特の歴史、慣習、組織構造等が認められ、当該子会社や事業部等を対象とする内部統制を別途評価対象とすることが適切と判断される場合には、個々の子会社や事業部等のみを対象とする全社的な内部統制を評価することもある。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
J-SOXでは、経営者が事業年度ごとに内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」を有価証券報告書と併せて提出することが、金融商品取引法第24条の4の4で求められています。対象は上場企業などで、IPO準備中の企業も上場に向けて内部統制の整備・評価を進めることになります。全社統制の評価は、この報告書を作成するための出発点にあたります。
全社統制・全社的な内部統制・ELC・CLCは同じもの
「全社統制」は、金融庁・実施基準の正式用語である「全社的な内部統制」の略した言い方です。実務では、これを英語の頭文字でELC(Entity Level Control)やCLC(Company Level Control)と呼ぶこともあります。
結論として、全社統制・全社的な内部統制・ELC・CLCは、いずれも同じ対象を指す呼称です。従来はCLC、近年はELCと呼ばれることが多いものの、これは呼び方の傾向の差にすぎず、指している対象や制度上の意味に違いはありません。資料や文脈によって表記が揺れているだけと捉えて差し支えありません。
これらの英語略語は、実務やCOSO(内部統制の国際的なフレームワーク)に由来する通称で、金融庁の基準・実施基準の原文には登場しません。原文で使われる正式な用語は「全社的な内部統制」です。
内部統制まわりの略語早わかり
全社統制の周辺では、似た英語略語が複数登場します。読み方の辞書として、正式名称と対応づけて整理します(各区分の対象範囲や評価の順序は次章で扱います)。
| 正式名称(制度用語) | 全社的な内部統制 | 業務プロセスに係る内部統制 | 決算・財務報告プロセスに係る内部統制 | ITへの対応(ITに係る全般統制・業務処理統制) |
|---|---|---|---|---|
| 実務上の通称 | 全社統制 / ELC / CLC | 業務プロセス統制 / PLC | 決算統制 / FCRP・FSCP | ITGC / ITAC |
| 英語表記 | Entity Level Control / Company Level Control | Process Level Control | Financial Close & Reporting Process | IT General Controls / IT Application Controls |
※英語略語は実務上の呼称です。実施基準の原文で使われる正式な用語は「全社的な内部統制」「業務プロセスに係る内部統制」などです。
出典・参考資料(2件)
内部統制の4区分と全社統制の位置づけ
ここからは、全社統制が内部統制全体の中でどこに位置するのかを整理します。J-SOXで評価が求められる内部統制は、実務上、対象とする範囲の広さによって次の4つに整理されることが多く、それぞれに全社統制との関係があります。前章の表が「名前(略語)の対応」だったのに対し、ここでは各区分が何を対象に、どの順序で評価されるのかに注目してください。

| 区分(正式名称) | 全社的な内部統制 | 業務プロセスに係る内部統制 | 決算・財務報告プロセスに係る内部統制 | ITへの対応(IT全般統制・IT業務処理統制) |
|---|---|---|---|---|
| 対象範囲 | 企業集団全体(原則すべての事業拠点) | 重要な事業拠点の主要な業務プロセス | 決算・財務報告に関わる業務プロセス | 業務を支えるITシステムの基盤と、個別の自動処理 |
| 評価上の位置づけ | 最初に評価し、その結果を踏まえて他の統制の評価範囲・手続を決める | 全社統制の評価結果を踏まえて評価範囲を絞り込む | 虚偽記載のリスクが高い決算・財務報告の過程を評価する(全社的な観点での評価が求められる) | ITを用いた統制が有効に機能する前提を支える |
※「4区分」は実務上の整理です。実施基準の評価上の枠組みは全社的な内部統制と業務プロセスに係る内部統制が基本で、決算・財務報告プロセスは全社的な観点での評価が求められるもの、IT統制は全般統制と業務処理統制に分かれます。
なぜ全社統制が土台で、最初に評価するのか
全社統制が「内部統制の基礎」と言われるのは、その評価結果が、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲や手続を左右するからです。経営者はまず全社統制を評価し、その結果を踏まえて業務プロセスの評価に進みます。これは「トップダウン型のリスク・アプローチ」と呼ばれる考え方です。

経営者は、全社的な内部統制の評価結果を踏まえて、業務プロセスに係る内部統制の評価の範囲、方法等を決定する。例えば、全社的な内部統制の評価結果が有効でない場合には、当該内部統制の影響を受ける業務プロセスに係る内部統制の評価について、評価範囲の拡大や評価手続を追加するなどの措置が必要となる。一方、全社的な内部統制の評価結果が有効である場合については、業務プロセスに係る内部統制の評価に際して、サンプリングの範囲を縮小するなど簡易な評価手続を取り、又は重要性等を勘案し、評価範囲の一部について、一定の複数会計期間ごとに評価の対象とすることが考えられる。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
全社統制の評価結果が良好であれば、業務プロセスの評価では範囲を絞ったり手続を簡素にしたりできます。逆に不備があれば、影響を受ける業務プロセスの評価範囲を広げたり、手続を追加したりする必要が出てきます。全社統制の評価は、後続の評価の負担を左右する起点になるわけです。
ただし、全社統制と業務プロセスに係る内部統制は一方向の関係ではありません。実施基準は両者が相互に影響し合い、補完する関係にあり、経営者は両者のバランスを適切に考慮することが求められるとしています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
全社統制を構成する6つの基本的要素
全社統制の評価は、内部統制を構成する6つの基本的要素の観点から行います。実施基準では、内部統制は次の6つの基本的要素から構成されると定められています。
統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
6つの基本的要素は、全社統制を評価する「観点」です。前章の4区分(内部統制を対象の広さで分けたくくり)とは役割が異なり、たとえば「ITへの対応」は6要素の一つであると同時に、4区分のIT統制とも関わります。同じITの話が別の枠組みで登場していると捉えると混乱しません。
全社統制の評価では、この6つの要素それぞれについて、自社の体制や規程、文書が整っているかを確認します。各要素が何を指し、どんな整備が想定されるのかを簡潔に見ていきます。
①統制環境
組織の気風を決め、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与える基盤です。ほかの5要素の土台にあたり、経営方針や倫理規程、取締役会・監査役等による監督の体制などが含まれます。整備の面では、財務報告の基本方針の明示、権限と責任の分担を定めた職務規程などが想定されます。
②リスクの評価と対応
財務報告の信頼性を損なうリスクを識別・分析・評価し、対応する一連の流れです。2023年(令和5年)改訂で、不正を犯させるに至る動機・原因・背景まで踏まえてリスクを評価・対応することが明示されました。組織変更やIT開発など変化が生じた都度、リスクを再評価する仕組みが求められます。
③統制活動
経営者の指示が適切に実行されることを確保するための方針と手続です。職務の分掌、権限や職責の分担、全社的な職務規程や個々の業務手順の作成などが含まれます。検出した誤謬等が適切に調査され、必要な対応が取られる運用も、この要素で確認します。
④情報と伝達
必要な情報が識別・把握・処理され、組織内外の関係者に正しく伝わる仕組みです。経営者の方針や指示が財務報告の作成に関連する者へ伝達される体制や、内部通報のように通常の報告経路から独立した伝達経路の整備などが対象になります。
⑤モニタリング
内部統制が有効に機能していることを継続的に評価するプロセスで、日常的モニタリングと独立的評価から成ります。モニタリングで得られた不備の情報が、是正措置を実施すべき立場の者や経営者・取締役会・監査役等に適切に報告される体制が求められます。
⑥ITへの対応
組織目標の達成のため、ITに関する適切な戦略・計画や方針を定めて対応することです。IT環境の理解を踏まえた方針の明示、手作業とITを用いた統制の利用領域の判断、ITに係る全般統制・業務処理統制の方針と手続の整備などが含まれます。
これら6つの要素を、具体的な確認項目に落とし込んだものが、次に示す「42の評価項目」です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)Ⅰ.2|金融庁(PDF)
実施基準に例示された42の評価項目(全件)
全社統制の評価では、実施基準の「参考1 財務報告に係る全社的な内部統制に関する評価項目の例」をチェックリストの出発点として使うのが一般的です。この参考1の評価項目を6つの基本的要素ごとに数えると、合計42項目になります。
| 基本的要素 | 統制環境 | リスクの評価と対応 | 統制活動 | 情報と伝達 | モニタリング | ITへの対応 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 評価項目の数 | 13 | 4 | 7 | 6 | 7 | 5 | 42 |
全社統制の評価では各項目の文言そのものを確認する必要があるため、ここでは実施基準 参考1 の42項目を6つの基本的要素ごとに原文のまま全件掲載します。自社のチェックリストと照らし合わせる際にお使いください。
統制環境(13項目)
- 経営者は、信頼性のある財務報告を重視し、財務報告に係る内部統制の役割を含め、財務報告の基本方針を明確に示しているか。
- 適切な経営理念や倫理規程に基づき、社内の制度が設計・運用され、原則を逸脱した行動が発見された場合には、適切に是正が行われるようになっているか。
- 経営者は、適切な会計処理の原則を選択し、会計上の見積り等を決定する際の客観的な実施過程を保持しているか。
- 取締役会及び監査役等は、財務報告とその内部統制に関し経営者を適切に監督・監視する責任を理解し、実行しているか。
- 監査役等は内部監査人及び監査人と適切な連携を図っているか。
- 経営者は、問題があっても指摘しにくい等の組織構造や慣行があると認められる事実が存在する場合に、適切な改善を図っているか。
- 経営者は、企業内の個々の職能(生産、販売、情報、会計等)及び活動単位に対して、適切な役割分担を定めているか。
- 経営者は、信頼性のある財務報告の作成を支えるのに必要な能力を識別し、所要の能力を有する人材を確保・配置しているか。
- 信頼性のある財務報告の作成に必要とされる能力の内容は、定期的に見直され、常に適切なものとなっているか。
- 責任の割当てと権限の委任が全ての従業員に対して明確になされているか。
- 従業員等に対する権限と責任の委任は、無制限ではなく、適切な範囲に限定されているか。
- 経営者は、従業員等に職務の遂行に必要となる手段や訓練等を提供し、従業員等の能力を引き出すことを支援しているか。
- 従業員等の勤務評価は、公平で適切なものとなっているか。
リスクの評価と対応(4項目)
- 信頼性のある財務報告の作成のため、適切な階層の経営者、管理者を関与させる有効なリスク評価の仕組みが存在しているか。
- リスクを識別する作業において、企業の内外の諸要因及び当該要因が信頼性のある財務報告の作成に及ぼす影響が適切に考慮されているか。
- 経営者は、組織の変更やITの開発など、信頼性のある財務報告の作成に重要な影響を及ぼす可能性のある変化が発生する都度、リスクを再評価する仕組みを設定し、適切な対応を図っているか。
- 経営者は、不正に関するリスクを検討する際に、単に不正に関する表面的な事実だけでなく、不正を犯させるに至る動機、原因、背景等を踏まえ、適切にリスクを評価し、対応しているか。
統制活動(7項目)
- 信頼性のある財務報告の作成に対するリスクに対処して、これを十分に軽減する統制活動を確保するための方針と手続を定めているか。
- 経営者は、信頼性のある財務報告の作成に関し、職務の分掌を明確化し、権限や職責を担当者に適切に分担させているか。
- 統制活動に係る責任と説明義務を、リスクが存在する業務単位又は業務プロセスの管理者に適切に帰属させているか。
- 全社的な職務規程や、個々の業務手順を適切に作成しているか。
- 統制活動は業務全体にわたって誠実に実施されているか。
- 統制活動を実施することにより検出された誤謬等は適切に調査され、必要な対応が取られているか。
- 統制活動は、その実行状況を踏まえて、その妥当性が定期的に検証され、必要な改善が行われているか。
情報と伝達(6項目)
- 信頼性のある財務報告の作成に関する経営者の方針や指示が、企業内の全ての者、特に財務報告の作成に関連する者に適切に伝達される体制が整備されているか。
- 会計及び財務に関する情報が、関連する業務プロセスから適切に情報システムに伝達され、適切に利用可能となるような体制が整備されているか。
- 内部統制に関する重要な情報が円滑に経営者及び組織内の適切な管理者に伝達される体制が整備されているか。
- 経営者、取締役会、監査役等及びその他の関係者の間で、情報が適切に伝達・共有されているか。
- 内部通報の仕組みなど、通常の報告経路から独立した伝達経路が利用できるように設定されているか。
- 内部統制に関する企業外部からの情報を適切に利用し、経営者、取締役会、監査役等に適切に伝達する仕組みとなっているか。
モニタリング(7項目)
- 日常的モニタリングが、企業の業務活動に適切に組み込まれているか。
- 経営者は、独立的評価の範囲と頻度を、リスクの重要性、内部統制の重要性及び日常的モニタリングの有効性に応じて適切に調整しているか。
- モニタリングの実施責任者には、業務遂行を行うに足る十分な知識や能力を有する者が指名されているか。
- 経営者は、モニタリングの結果を適時に受領し、適切な検討を行っているか。
- 企業の内外から伝達された内部統制に関する重要な情報は適切に検討され、必要な是正措置が取られているか。
- モニタリングによって得られた内部統制の不備に関する情報は、当該実施過程に係る上位の管理者並びに当該実施過程及び関連する内部統制を管理し是正措置を実施すべき地位にある者に適切に報告されているか。
- 内部統制に係る開示すべき重要な不備等に関する情報は、経営者、取締役会、監査役等に適切に伝達されているか。
ITへの対応(5項目)
- 経営者は、ITに関する適切な戦略、計画等を定めているか。
- 経営者は、内部統制を整備する際に、IT環境を適切に理解し、これを踏まえた方針を明確に示しているか。
- 経営者は、信頼性のある財務報告の作成という目的の達成に対するリスクを低減するため、手作業及びITを用いた統制の利用領域について、適切に判断しているか。
- ITを用いて統制活動を整備する際には、ITを利用することにより生じる新たなリスクが考慮されているか。
- 経営者は、ITに係る全般統制及びITに係る業務処理統制についての方針及び手続を適切に定めているか。
これら42の項目は、あくまで実施基準が示した「例」です。自社の環境や特性に合わせて、項目を加えたり修正したりして差し支えないとされています。
全社的な内部統制に係る評価項目の例を示したものであり、全社的な内部統制の形態は、企業の置かれた環境や特性等によって異なると考えられることから、必ずしもこの例によらない場合があること及びこの例による場合でも、適宜、加除修正がありうることに留意する。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)参考1|金融庁
ただし、評価項目を加除修正する場合は、監査人が、経営者の採用した評価項目が適切かを確認することになります。変更の合理的な理由を説明できるよう整理しておくと、監査対応がスムーズになります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準の改訂について(意見書・実施基準を収録)参考1(95〜98頁)|金融庁(PDF)
全社統制の評価の進め方
ここからは、全社統制を実際に評価する流れを整理します。大きくは、評価項目を決めてチェックリストを作り、整備状況と運用状況を評価し、不備があれば是正する、という手順で進みます。

- 評価項目の決定とチェックリストの作成:実施基準の参考1(42項目)を出発点に、自社の実情に合わせて評価項目を決め、チェックリストに整理します。
- 整備状況の評価:決めた評価項目について、必要な体制や規程が設計され、適切に整備されているかを確認します。
- 運用状況の評価:整備された内部統制が実際に継続して運用されているかを、関係者への質問、規程等の閲覧、証憑の検査などで確かめます。
- 不備の是正:不備が見つかった場合は是正し、必要に応じて開示すべき重要な不備に該当するかの判断も行います。
整備状況と運用状況の評価
整備状況の評価は、評価項目に対応する体制・規程・文書がそろっているかを確認する工程です。運用状況の評価は、整備された統制が実際に機能しているかを、質問・閲覧・証憑の検査などで確かめます。整備が不十分であれば運用を評価しても意味がないため、まず整備状況を固めてから運用状況の評価に進むのが基本です。
評価の内容と結果を記録に残す
整備状況・運用状況の評価は、確認した内容と結果を記録に残すまでが一連の作業です。実施基準も、評価範囲の決定方法・評価手続・評価結果などの記録・保存を経営者に求めています。全社統制では、6要素ごとのチェックリストに体制・規程・証憑と評価結果を紐づけ、どの資料のどこを見たか(証憑の名称・該当箇所)まで記録します。こうした記録があると、監査人のレビューや翌期の評価の際に根拠をたどりやすくなります。
全社統制を先に評価し、業務プロセス統制の範囲を決める
全社統制の評価結果が業務プロセスに係る内部統制の評価範囲や手続を左右する点は、「なぜ全社統制が土台で、最初に評価するのか」で見たとおりです。進め方の実務では、全社統制で良好でなかった項目に関連する事業拠点や業務プロセスを評価範囲へ反映できているかが要点になります。両者の評価を切り離さず連動させることが、評価全体の整合を保つうえで欠かせません。
評価範囲を左右する業務プロセスに係る内部統制(PLC)そのものの意味や、全社統制との評価順序・評価の流れをより詳しく知りたい場合は、以下の記事で解説しています。
前年度の評価結果を継続利用できる条件
運用状況の評価は、毎期すべての項目を一から評価し直す必要はありません。実施基準では、一定の条件を満たす項目について前年度の評価結果を継続して利用できるとされています。
全社的な内部統制の評価項目(財務報告の信頼性に特に重要な影響を及ぼす項目を除く。)のうち、前年度の評価結果が有効であり、かつ、前年度の整備状況と重要な変更がない項目については、その旨を記録することで、前年度の運用状況の評価結果を継続して利用することができる。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
継続利用できるのは、①財務報告の信頼性に特に重要な影響を及ぼす項目を除き、②前年度の評価結果が有効で、③前年度の整備状況に重要な変更がない項目について、その旨を記録した場合です。これにより、運用状況の評価を一定の複数会計期間に一度の頻度で実施できる場合があります。継続利用できるのは運用状況の評価に限られ、整備状況の評価はすべての項目で毎期必要です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
全社統制の評価範囲の考え方(「3分の2」「95%」の正しい理解)
全社統制の評価範囲は、業務プロセスに係る内部統制とは考え方が異なります。ここを取り違えると評価範囲を誤るおそれがあるため、丁寧に整理します。実施基準は、全社統制の評価範囲について次のように定めています。
なお、全社的な内部統制については、以下の「業務プロセスに係る評価の範囲の決定」において記述する手順により評価の範囲を決定する対象には含まれず、原則として、全ての事業拠点について全社的な観点で評価することに留意する。ただし、財務報告に対する影響の重要性が僅少である事業拠点に係るものについて、その重要性を勘案して、評価対象としないことを妨げるものではない。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
原則は全事業拠点、僅少な拠点は重要性を勘案して除外できる
全社統制は原則すべての事業拠点が対象ですが、例外として、財務報告への影響が僅少な事業拠点は重要性を勘案して評価対象から外せます。その僅少性の判断の一例として実施基準が挙げているのが、売上高で全体の95%に入らない連結子会社を僅少とみなす、という考え方です。
「財務報告に対する影響の重要性が僅少である事業拠点」の判断については、例えば、売上高で全体の95%に入らないような連結子会社は僅少なものとして、評価の対象からはずすといった取扱いが考えられるが、その判断は、経営者において、必要に応じて監査人と協議して行われるべきものであり、特定の比率を機械的に適用すべきものではないことに留意する。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
この「95%」は、全社統制でも業務プロセスでも使われる「僅少な事業拠点」の判断の目安です。ただし絶対的な基準ではなく、特定の比率を機械的に当てはめてよいものではない点に注意が必要です。
「おおむね3分の2」は業務プロセスの重要拠点を選ぶ指標——全社統制の範囲基準ではない
混同しやすいのが「売上高等のおおむね3分の2」という指標です。これは全社統制の評価範囲ではなく、業務プロセスに係る内部統制で「重要な事業拠点」を選ぶための目安です。全社統制が原則全拠点を対象とするのとは、役割が異なります。
全社的な内部統制の評価が良好であれば、例えば、連結ベースの売上高等の一定割合(おおむね3分の2程度)とする考え方や、総資産、税引前利益等の一定割合とする考え方もある。全社的な内部統制のうち、良好でない項目がある場合には、それに関連する事業拠点を評価範囲に含める必要がある。
出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁
しかも、この3分の2という水準は、全社統制の評価結果が良好であることを前提に設定できるもので、良好でない項目があれば範囲の引き上げを検討することになります。令和5年改訂では、これらの数値基準を機械的に適用せず、財務報告への影響の重要性を適切に勘案するよう促されています。「全社統制は原則全拠点、業務プロセスは重要拠点に絞り込む」という範囲の違いを押さえておくことが大切です。
子会社・委託先の扱い
全社統制は基本的に企業集団全体が対象のため、子会社も評価の範囲に入ります。ただし、子会社や事業部等に独特の歴史・慣習・組織構造がある場合は、その単位を対象とする全社統制を別途評価することもあります。どの単位で評価するかは、経営者が財務報告への影響の重要性を勘案して判断します。重要な業務プロセスを外部に委託している場合も、委託業務に係る内部統制を把握しておくことが求められます。
出典・参考資料(2件)
一括ダウンロードする
全社統制の評価・文書化を効率化するツール
全社統制の評価は、42項目のチェックリスト作成から、整備・運用状況の記録、証憑の管理、翌期への引き継ぎ(ロールフォワード評価)まで、年間を通じて続く作業です。これらをExcelや紙で回していると、文書間の整合を手作業で突き合わせる負担や、記録の属人化が課題になりがちです。こうした評価・文書化の作業を効率化する手段として、J-SOX対応や内部統制の文書化を支援するツールがあります。
全社統制の評価・文書化に対応したツールは複数あります。ここでは代表例としてsmoove J-SOXを紹介します。ツールを選ぶ際は、対応範囲(3点セット作成・整備/運用評価・証憑管理)、全社統制や子会社の進捗管理への対応、料金体系、監査法人がレビューしやすいかといった観点を照らし合わせると、自社に合うかを判断しやすくなります。
smoove J-SOX(株式会社WARC)

smoove J-SOXは、公認会計士監修のもと、J-SOX対応の内部統制業務をクラウド上で一元管理する国産SaaSです。3点セット(業務フロー・業務記述書・RCM=リスク・コントロール・マトリクス)の作成から証憑データの管理、整備・運用・ロールフォワード評価まで、年間を通じた内部統制業務を一つの画面で扱えます。
全社統制については、2025年10月に専用機能が追加されました。金融庁の実施基準の全社的な内部統制に関する42項目をもとに設計された全社統制文書テンプレートを標準で備え、評価項目と証憑を同じ画面で紐付けて管理できます。親会社がクラウド上で子会社の全社統制の進捗や整備状況を管理できる点も特徴です。
監査法人向けの閲覧アカウントを発行してクラウド上で直接レビューを受けられるほか、生成AIが業務記述書を解析してリスクを示唆する機能も備えます。料金は組織規模やID数に応じて個別見積もりとなり、1週間の無料トライアルが用意されています。IPO準備中の企業から東証プライム上場企業まで、Excel運用からの脱却を図りたい内部統制部門が検討しやすいサービスです。
全社統制の評価に対応したツールはsmoove J-SOXのほかにも複数あり、対応範囲や料金、サポート体制はサービスによって異なります。内部統制やリスク・コンプライアンス対応を支えるツールを横断的に比較して選びたい場合は、以下の記事で選び方とあわせて確認できます。
まとめ
全社統制(全社的な内部統制)は、企業全体・企業集団全体に広く影響を及ぼす内部統制で、J-SOX対応の評価の起点にあたります。本記事の要点を整理します。
- 全社統制=全社的な内部統制:ELC・CLCも同じものを指す実務上の呼称で、制度の正式用語は「全社的な内部統制」。
- 位置づけ:内部統制の土台で、最初に評価する。その結果を踏まえて業務プロセスに係る内部統制(PLC)の範囲・手続を決める。
- 6要素と42項目:6つの基本的要素ごとに、実施基準の参考1で42項目が例示されている(例示であり加除修正は可能)。
- 評価範囲:全社統制は原則すべての事業拠点が対象。「おおむね3分の2」は業務プロセスの重要拠点を選ぶ指標で、全社統制の範囲基準ではない。
- 評価の頻度:運用状況の評価は、一定の条件を満たせば前年度の評価結果を継続利用できる(整備状況の評価は毎期必要)。
用語と評価の全体像をつかめたら、次は自社の評価項目を具体的に詰め、評価の記録をどう残していくかを検討する段階です。評価・文書化の負担が大きいと感じる場合は、J-SOX対応や内部統制の文書化を支援するツールの活用も選択肢になります。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 全社統制とは何ですか?
A. 全社統制とは、企業全体に広く影響を及ぼし、企業集団全体を対象とする内部統制を指します。正式には「全社的な内部統制」と呼ばれ、J-SOX(内部統制報告制度)で経営者が評価すべき対象の一つです。特定の部署や業務ではなく、企業集団全体の財務報告の信頼性を支える土台にあたり、他の内部統制を評価する際の起点になります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 全社統制とELC・CLCは同じものですか?
A. 全社統制・全社的な内部統制・ELC・CLCは、いずれも同じ対象を指す呼称で、優劣や新旧の違いはありません。ELCはEntity Level Control、CLCはCompany Level Controlの頭文字で、実務やCOSO(内部統制の国際的なフレームワーク)に由来する通称です。
従来はCLC、現在はELCと呼ばれることが多いものの、金融庁の実施基準の原文にはこれらの英語略語は登場せず、正式な用語は「全社的な内部統制」です。
Q. 全社統制と業務プロセス統制(PLC)は何が違い、どちらを先に評価しますか?
A. 全社統制(ELC)を先に評価し、その結果を踏まえて業務プロセス統制(PLC)の評価範囲や手続を決めます。全社統制が企業全体を対象とするのに対し、業務プロセス統制は販売・購買などの個々の業務に組み込まれた統制で、評価範囲を重要な事業拠点に絞り込みます。ただし両者は一方向の関係ではなく相互に影響し合い補完する関係にあり、経営者は両者のバランスを考慮して評価することが求められます。
Q. 全社統制は本社だけを評価すればよいですか?
A. 全社統制は本社だけでなく、原則として企業集団全体(連結子会社を含む全事業拠点)が評価対象です。ただし子会社や事業部等に独特の歴史・慣習・組織構造がある場合は、その単位を対象とする全社統制を別途評価することもあります。どの単位で評価するかは、経営者が財務報告への影響の重要性を勘案して判断します。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 全社統制の評価で、売上高の小さい子会社は対象外にできますか?
A. 財務報告への影響が僅少な事業拠点は、重要性を勘案して全社統制の評価対象から外すことができます。実施基準は僅少性の判断の一例として、売上高で全体の95%に入らない連結子会社を僅少とみなして評価対象から外す考え方を挙げています。ただしこれは絶対的な基準ではなく、特定の比率を機械的に当てはめてよいものではないため、必要に応じて監査人と協議して判断します。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 「おおむね3分の2」は全社統制の評価範囲の基準として使えますか?
A. 「おおむね3分の2」は全社統制の評価範囲の基準ではなく、業務プロセス統制で「重要な事業拠点」を選ぶための目安です。これは、売上高などで全体のおおむね3分の2をカバーする事業拠点を選ぶという意味で、拠点の数を3分の2に減らすという話ではありません。全社統制は原則としてすべての事業拠点が対象のため、この目安は当てはまりません。
しかもこの3分の2は全社統制の評価結果が良好であることを前提に設定できる水準で、令和5年改訂では、この数値を機械的に適用せず財務報告への影響の重要性を勘案することが求められています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 委託先の内部統制も全社統制の評価範囲に含まれますか?
A. 重要な業務プロセスを外部に委託している場合は、委託業務に係る内部統制も把握・評価の対象になります。受託会社の内部統制の整備・運用状況を、委託契約や受託会社の報告書などで確認することが求められます。全社統制は企業集団全体を対象とするため、委託先を含めた統制の全体像を押さえておく必要があります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 全社統制の評価は毎年必要ですか?
A. 整備状況の評価はすべての項目で毎期必要ですが、運用状況の評価は一定の条件を満たせば前年度の結果を継続利用できます。継続利用できるのは、①財務報告の信頼性に特に重要な影響を及ぼす項目を除き、②前年度の評価結果が有効で、③前年度の整備状況に重要な変更がない項目について、その旨を記録した場合です。これにより、運用状況の評価を一定の複数会計期間に一度の頻度で実施できる場合があります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 全社統制の42の評価項目はすべて評価する必要がありますか?
A. 42の評価項目は実施基準が示した「例示」であり、自社の環境や特性に合わせて加除修正して差し支えありません。全社統制の形態は企業の置かれた環境や特性によって異なるため、必ずしもこの例によらない場合があるとされています。ただし項目を加除修正する場合は、監査人が経営者の採用した評価項目の妥当性を確認するため、変更の合理的な理由を説明できるよう整理しておくことが実務上重要です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)参考1|金融庁(PDF)
Q. 全社統制の42の評価項目はどこに記載されていますか?
A. 42の評価項目は、実施基準の「参考1 財務報告に係る全社的な内部統制に関する評価項目の例」に記載されています。金融庁のウェブサイトで公表されており、6つの基本的要素(統制環境13・リスクの評価と対応4・統制活動7・情報と伝達6・モニタリング7・ITへの対応5)ごとに項目が例示され、合計で42項目になります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準の改訂について(意見書・実施基準を収録)参考1(95〜98頁)|金融庁(PDF)
Q. 全社統制に良好でない項目があった場合はどうなりますか?
A. 全社統制に良好でない項目があると、その影響を受ける事業拠点や業務プロセスを評価範囲に含め、評価手続を追加する必要があります。逆に全社統制の評価結果が良好であれば、業務プロセスの評価でサンプリングの範囲を縮小するなど簡易な手続をとることが考えられます。全社統制の評価結果は、後続の評価の負担を左右する起点になります。
Q. 全社統制の評価範囲は監査人と協議して決めれば経営者の責任は果たせますか?
A. 全社統制を含む内部統制の評価範囲を決める責任は経営者にあり、監査人との協議はその判断を代替するものではありません。僅少な拠点の除外などの重要な判断では、必要に応じて監査人と協議することが望ましいとされていますが、最終的な評価範囲の決定と、その決定方法・根拠を内部統制報告書等で説明する責任は経営者が負います。
Q. 2023年(令和5年)改訂で全社統制の実務はどう変わりましたか?
A. 2023年(令和5年)改訂の実施基準では、不正リスクの評価の明確化と、評価範囲を数値基準で機械的に決めない姿勢の強調が、全社統制の実務に関わる主な変更点です。リスクの評価では、不正を犯させるに至る動機・原因・背景まで踏まえて評価・対応することが明示されました。また「売上高等のおおむね3分の2」などの数値を機械的に適用せず、財務報告への影響の重要性を適切に勘案することが求められています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(令和5年改訂)|金融庁(PDF)
Q. 全社統制の評価にツールの導入は必須ですか?
A. 全社統制の評価にツールの導入は必須ではなく、Excelや紙でも実施できます。ただし42項目のチェックリスト作成から整備・運用状況の記録、証憑の管理、翌期への引き継ぎ(ロールフォワード評価)まで、年間を通じて作業が続くため、文書間の整合の確認や記録の属人化が課題になりがちです。こうした負担を軽くしたい場合に、J-SOX対応や内部統制の文書化を支援するツールが選択肢になります。
内部統制の評価・文書化を支えるツールの資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、J-SOX対応・内部統制の評価や文書化を支援するツールの最新資料を無料で一括請求できます。機能や料金、サポート体制を一度に比較して、自社の全社統制の評価業務に合う選択肢を検討できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















