IDとパスワードだけのログインは、フィッシングや不正ログインに弱いことが知られるようになりました。SMS認証や認証アプリよりさらに強い本人確認の手段として、USBポートに挿して使う物理的なセキュリティキーを導入する企業が増えています。
USB型のセキュリティキーには、YubiKey・Google Titan・iShield Keyなど複数の製品があります。USB-AかUSB-Cか、スマートフォンで使うNFC(近距離無線通信)に対応するか、FIDO2などどの規格に対応するかで、使える端末やサービスが変わってきます。
本記事では、USBセキュリティキーとは何かという基本から、代表的な製品の仕様の違い、自分の端末や使うサービスに合わせた選び方、登録や紛失時の使い方、そして社員にまとめて配る法人での導入・管理の方法までを解説します。
目次
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USBセキュリティキーとは
ここからは、USBセキュリティキーがどのようなもので、何に使うのかを解説します。
USBセキュリティキーは、パソコンのUSBポートに挿して本人確認を行う、USBメモリほどの大きさの物理的な認証デバイスです。IDとパスワードに加えて「本人だけが持っている物(キー本体)」で認証するため、多要素認証(複数の要素を組み合わせた本人確認)やパスワードレス認証に使われます。
多くの製品は、パスキー(パスワードを使わないログインの仕組み)の土台であるFIDO2という規格に対応しています。パソコンではUSBポートに挿し、対応するスマートフォンではNFCでかざして認証します。
ただし、「セキュリティキー」という言葉は、ここで扱う物理的な認証デバイスのほかに、Wi-Fiなどに接続するときのパスワードを指すこともあります。言葉の2つの意味の違いや、物理キー全般の仕組み・使い方・選び方を基礎から押さえたい場合は、以下の記事で解説しています。
なぜフィッシングに強いのか(FIDO2・公開鍵暗号)
FIDO2とそのブラウザ向け仕様であるWebAuthnは、公開鍵暗号を使った認証の仕組みです。利用者がサービスに登録すると、セキュリティキーの中で鍵のペアが作られ、秘密鍵はキー本体に保存され、対になる公開鍵だけがサービス側に渡されます。
作られた資格情報(パスキー)は、登録したサービスのオリジン(正規のドメイン)からしか利用できません。偽サイトにアクセスしても、そのサイトのドメインが違えばキーは認証に応じないため、本物そっくりの画面でパスワードを盗もうとするフィッシングが成立しにくくなります。
秘密鍵は物理キーの中に留まり、登録したサービス以外には提示されません。利用者が気づかないうちに攻撃者のサイトへ入力してしまう、という事故が起きにくい設計です。

出典・参考資料(2件)
物理キーでログインを強くするメリット(SMS・認証アプリとの違い)
SMSで送られる確認コードや認証アプリのワンタイムパスワードも多要素認証の手段ですが、利用者が入力する情報である以上、偽サイトに誘導されて本人が打ち込んでしまう余地が残ります。
USBセキュリティキーは、認証の鍵がキー本体の中で処理され、利用者が手で打ち込む情報ではありません。偽サイトでは鍵が応じないため、コードを盗んで突破する手口が通用しにくくなります。
物理的な鍵のため、スマートフォンを業務で使えない現場や、全社員へのスマートフォン支給が難しい環境でも配布しやすい点も、SMS・アプリ方式との違いです。
USBセキュリティキーのように、認証に使う情報を専用の機器側で保持する認証デバイスは「ハードウェアトークン」と総称され、ワンタイムパスワードを表示する従来型のトークンなど複数の種類があります。物理的な認証デバイス全体の仕組みや種類を整理したい方は、以下もあわせてご覧ください。
USBセキュリティキーの種類と仕様の違い
ここからは、代表的なUSBセキュリティキーの仕様を横並びで見比べ、製品ごとの違いを確認します。
USBセキュリティキーは、端子の形状(USB-A/USB-C)、NFCに対応するか、FIDO2以外にどの規格に対応するか、価格で違いがあります。
以下は、FIDO2に対応する代表的なUSBセキュリティキーの比較表です。
| 製品/シリーズ | YubiKey 5 NFC | YubiKey 5C NFC | Google Titan セキュリティキー | Swissbit iShield Key 2 | FEITIAN ePass FIDO |
|---|---|---|---|---|---|
| 端子(USB-A/C) | USB-A | USB-C | USB-A/USB-C(2モデル) | USB-A/USB-C(2バリアント) | USB-A/USB-C(モデルにより) |
| NFC | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 一部モデルが対応(ePass FIDO-NFC) |
| 対応規格 | FIDO2/WebAuthn・U2F・スマートカード(PIV)・OpenPGP・OATH(OTP) | FIDO2/WebAuthn・U2F・スマートカード(PIV)・OpenPGP・OATH(OTP) | FIDO2・U2F | FIDO2/CTAP2.1・WebAuthn・U2F・スマートカード(PIV) | FIDO2・U2F(指紋認証対応モデルあり) |
| 価格帯 | 58米ドル(Yubico公式)/約17,400円〜(価格.com市場価格) | 58米ドル(Yubico公式)/市場価格は販売店により変動 | 30米ドル〜(Googleストア公式)/約6,290円〜(価格.com市場価格) | 約14,150円〜(提示は上位モデルiShield Key2 Proの価格.com市場価格。無印は公式・市場とも価格を確認できず) | 法人向けはまとめ供給で要問い合わせ/個人向けモデルは市場で入手可(価格は販売店により変動) |
| 向く用途・提供元 | USB-A端子のパソコンで広く使われる。多くの規格に対応。提供元:Yubico | USB-C端子のパソコン・端末向け。5 NFCの端子違いで対応規格は同じ。提供元:Yubico | 低価格で導入したい場合。提供元:Google | パスキーを多数保存したい・PIV証明書を使いたい場合。提供元:Swissbit | YubiKeyの代替。USB-A/C・NFC・指紋の各モデルから選べる。提供元:飛天ジャパン(FEITIAN日本総代理店) |
※ 米ドル価格は各メーカー公式サイト、日本円は価格.com掲載の市場価格です(いずれも2026年11月4日時点)。国内の市場価格は並行輸入・代理店経由のため、公式の米ドル価格を単純換算した額とは差が出ます。個人向けモデルは市場で入手でき価格は販売店により変動し、法人向けのまとめ供給は要問い合わせです。
出典・参考資料(6件)
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USBセキュリティキーの選び方
ここからは、どの製品を選べばよいかを、端末のポート・使うサービスの対応・用途と予算という3つの軸で確認します。

端末のポートで選ぶ(USB-A/USB-C/NFC/Lightning)
最初に確認したいのは、認証に使うパソコンやスマートフォンの差込口です。古いパソコンや据え置き型にはUSB-Aが多く、近年のノートパソコンやスマートフォンはUSB-Cが主流です。手元の端末がUSB-CならUSB-C対応のキー、USB-AならUSB-A対応のキーを選びましょう。
スマートフォンでも使いたい場合は、NFCに対応したキーを選ぶと、端末にかざすだけで認証できます。また、Lightning端子は旧世代のiPhone向けで、近年のiPhoneはUSB-Cです。古いiPhoneを併用するなら、Lightningに対応したモデル(FEITIAN iePass FIDOなど)を検討するとよいでしょう。
同じ製品でも端子違いのモデルが用意されていることが多く、たとえばYubiKey 5 NFCはUSB-A、YubiKey 5C NFCはUSB-Cで、対応規格は同じです。
使うサービスがFIDO2キーに対応しているか(Windows・Microsoft 365・Google・SSO)
セキュリティキーは、使いたいサービス側がFIDO2のセキュリティキーに対応していなければ利用できません。Microsoft 365やWindows、GoogleアカウントはFIDO2のセキュリティキーに対応しており、キーを登録して多要素認証やパスワードレスのログインに使えます。
社内で複数のクラウドサービスを一度のログインでまとめるSSO(シングルサインオン)を使う場合は、そのID基盤がセキュリティキーでの認証に対応しているかを確認します。対応していれば、1本のキーで複数サービスのログインを強くできます。
用途・予算で選ぶ
個人や小規模での利用か、社員に配る法人利用かで選ぶ製品は変わります。低価格から始めたい場合は、公式価格が30米ドルからのGoogle Titanのような製品が候補になります。
パスキーを多数保存したい、PIV(公開鍵基盤による証明書)を使いたいといった要件があれば、対応規格の広いYubiKey 5シリーズやiShield Key 2が選択肢になります。
法人でまとめて配る場合は、製品単体の価格だけでなく、紛失時の交換や配布・登録の手間まで含めて考えることが、導入後の運用負担を左右します。
USBセキュリティキーの設定・使い方と注意点
ここからは、買った後の登録やPIN設定の流れと、つまずきやすい注意点を確認します。
登録とPIN設定の流れ
購入したセキュリティキーは、使いたいサービスのアカウント設定画面から「セキュリティキー」を認証方法として登録します。登録時にキーにPINを設定し、USB型はUSBポートに挿し、NFC型はリーダーにかざして操作します。
実際の流れは、アカウントのセキュリティ設定を開き、「セキュリティキーを追加」を選び、画面の案内に従ってキー本体にPINを作成し、最後にキーに触れて(またはかざして)登録を完了する、という順になります。
登録が済むと、次回以降のログインではIDとパスワードの代わりに、またはパスワードに加えて、このキーで本人確認を行います。1つのアカウントには複数のキーを登録できる仕組みが用意されています。
挿すだけでは使えない(PIN・タッチが要る)
USBセキュリティキーは、ポートに挿すだけでログインできるわけではありません。パスキー/FIDO2のパスワードレス認証では、キーに設定したPINの入力や、キー本体へのタッチ(指での接触)といった本人確認の操作が必要です。
セキュリティ キーは、職場または学校アカウントにサインインするために一意の PIN で使用される物理デバイスです。
セキュリティ キーを使用して職場または学校アカウントにサインインするには、事前にセキュリティ キーを作成し、一意の PIN を与える必要があります。 お使いのアカウントには、最大で 10 個のキーを登録できます。
出典:セキュリティ キーを検証方法として設定する|Microsoft サポート
この仕組みがあるため、キーを落としたり置き忘れたりしても、PINを知らない第三者がすぐに悪用することは困難です。
紛失したらどうなるか(予備キー・管理者対応)
キーを紛失しても、PINが設定されていれば第三者による即座の悪用は起きにくい設計です。ただし、本人がログインできなくなる事態には備えが必要です。
対策の基本は、1つのアカウントに予備のキーをもう1本登録しておくことです。Microsoftのアカウントでは最大10個のキーを登録でき、1本を紛失しても予備のキーでログインを続けられます。
法人では、紛失・故障に備えた予備キーの在庫や、失くした社員のキーを管理者が無効化して再発行する手順をあらかじめ決めておくと、現場が止まりません。
出典・参考資料(1件)
法人でまとめて導入・管理する方法
ここからは、社員にセキュリティキーをまとめて配る際の、配布・予備キー・PIN運用・ID基盤との連携という進め方を解説します。
社員への配布と事前登録(キッティング)
社員にセキュリティキーを配る場合、ただ配布するだけでなく、誰のどのアカウントに紐づくキーかを登録する作業が必要です。人数が多いほど、この初期設定(キッティング)の手間は大きくなります。
配布方法は、情シスが事前にPINの初期設定とユーザーへの紐づけを済ませてから渡すか、手順書を添えて社員本人に登録してもらうかを、人数と社員のITリテラシーを踏まえて決めます。
事前に登録してから配ると現場の負担は軽くなりますが、台数が多いほど情シス側の作業が集中します。どちらの方法でも、誰のどのアカウントに紐づくキーかを記録した管理台帳が欠かせません。
予備キー・紛失/増員への備え
物理キーは、紛失・故障・退職・増員のたびに新しいキーが要ります。必要なときにすぐ補充できるよう、予備キーの確保を運用に織り込んでおくことが欠かせません。
何本を予備に回すかは、社員数・紛失や故障の想定頻度・追加調達にかかる日数から逆算して決めます。本人用のキーとは別に予備をもう1本アカウントに登録しておけば、1本を失くしてもその社員はログインを続けられます。
PINポリシーとID基盤・SSO連携
社員に配る際は、PINを推測されにくいものにするといった運用ルール(PINポリシー)を決めておくと、安全性を保てます。
キーを各サービスに個別に登録するか、社内のID基盤やSSOと連携させて一元管理するかも、運用の手間に直結する判断です。連携させれば1本のキーで複数のクラウドのログインをまとめて強化でき、パスワードレスを全社に広げる土台になります。
サービス活用・解決策
ここまで見てきた製品選びと、法人での配布・管理を自社だけで進めるのは、負担が大きい場合があります。
YubiKeyやGoogle Titanといった製品そのものは、各メーカーの公式サイトや国内の正規販売店で1本から購入でき、数名〜数十名で始めるならまず市販品を試せます。社員に多数まとめて配り、配布・事前登録・運用まで任せたい場合に、以下の供給・運用サービスやキー対応のID基盤が選択肢になります。
1. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

USB・FIDO2の物理セキュリティキーでログインできる国産のID基盤が、株式会社インターナショナルシステムリサーチ(以下、ISR)のCloudGate UNOです。一度の認証で複数のクラウドサービスへアクセスできるSSOと、パスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証を軸に、アクセス制限やID管理までを1つの画面で提供します。
YubiKeyやiShield Keyといった物理キーの導入支援もあわせて提供しており、キーの調達からID基盤での運用までを一括で相談できます。
月額料金はユーザーあたり400〜600円(税抜)で、パスキー認証は全プラン・全ユーザーで追加費用なく使えます。内訳はStandard Plus 400円・Enterprise Plus 500円・Smart Pack 600円です(2026年11月4日時点の公式料金ページ)。端末・場所・時間の3つの軸でアクセスを制限できる点も特徴です。
パスワードレス認証への切り替えは、ログインの安全性だけでなく、IT部門の運用負担にも関わります。CloudGate UNOを提供するISRの平澤氏は、インタビューでその効果を具体的な数字とともに語っています。

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。
2. YubiKey as a Service(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

代表的な物理キーであるYubiKeyを、法人向けにサブスクリプション型で供給するのがYubiKey as a Serviceです。キー本体の提供だけでなく、導入前の選定から配布・運用、トラブル対応までを一体で引き受ける点が、従来の買い切りとの違いです。
紛失や増員に備え、契約数の最大25%にあたる予備キーを毎年提供するほか、工場で設定済みのキーを社員へ直接届けます(ユーザー情報の事前登録=キッティングは関連サービスCloudGate SKaaSが担います)。IT管理者が配布状況やキーを一元管理できる仕組みも用意されています。
最低200ユーザーから、契約期間は3年または5年で、料金は構成に応じた個別見積もりです(2026年11月4日時点の公式情報)。スマートフォンを全社員に支給しにくい現場や、委託先の認証を強化したい企業に向いています。
屋外の建設現場やメンテナンス現場など、スマートフォンを使いにくい環境で物理キーが使われる背景として、ISRの内田氏はキー本体の堅牢性を挙げています。

3. FEITIAN(飛天ジャパン株式会社)

海外のセキュリティメーカーFEITIAN Technologiesの日本総代理店が、飛天ジャパン株式会社です。USB型のFIDO2/U2Fセキュリティキー「ePass FIDO」シリーズを、法人向けに直接供給しています。
ePass FIDOシリーズには、USB-A・USB-Cの端子違いに加え、NFC対応モデルや指紋認証付きモデル(BioPass FIDO)があり、端末や用途に合わせて選べます。YubiKeyの代替となる物理キーの選択肢として検討できます。
官公庁・大手企業を含む1,000社以上への納入実績があり(公式会社概要、2026年9月時点)、トークンを使った多要素認証の基盤(らく認2・FOAS)もあわせて提供しています。価格は要問い合わせです。
以下は、ご紹介した多要素認証(MFA)サービスの比較表です。
| サービス名 | CloudGate UNO | YubiKey as a Service | FEITIAN(飛天ジャパン) |
|---|---|---|---|
| 提供タイプ | ID基盤(IDaaS)+物理キー導入支援 | 物理キーのサブスク供給(法人向け) | 日本総代理店として物理キー供給 |
| 供給・支援内容 | SSO・パスキー(FIDO2)認証・アクセス制限・ID管理をID基盤で提供。YubiKey・iShield Keyの導入支援もあわせて提供 | YubiKeyをサブスクリプションで供給。導入前の選定から配布・運用・トラブル対応までを一体で提供 | FEITIAN製ePass FIDOシリーズを総代理店として法人向けに直接供給。トークン認証基盤(らく認2・FOAS)も提供 |
| 対応キー・規格 | FIDO2/WebAuthn(パスキー) 物理キーはYubiKey・iShield Keyに対応 生体認証・OTPも利用可 | YubiKey(FIDO2/WebAuthn・U2F・PIV・OpenPGP・OATH) 3ティア(ベース/アドバンスド/コンプライアンス) | ePass FIDO(USB-A/C・NFC・指紋の各モデル):FIDO2・U2F PKIトークン・OTPトークンも供給 |
| 法人導入支援 | SSO・ID基盤連携が中核。物理キーの調達・導入支援に対応(予備キー・事前登録キッティングは別サービスのCloudGate SKaaSで提供) | 毎年25%の予備キー・出荷時PINカスタマイズ・事前登録キッティング(SKaaS)・CSM支援。SSO連携はCloudGate UNO併用 | 官公庁・大手を含む1,000社以上に納入。らく認2・FOASで多要素認証基盤を構築可能。予備キー・事前登録の制度は公式に明記なし(要問い合わせ) |
| 料金目安 | 月額400〜600円/ユーザー(税抜) 別途初期費用(2026年11月4日時点) | 要問い合わせ(200ユーザー〜、3年または5年契約。2026年11月4日時点) | 要問い合わせ(公式に料金記載なし。2026年9月7日時点) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式サイト |
※ 供給内容・対応規格・料金は各社公式サイトに基づきます(CloudGate UNO・YubiKey as a Serviceは2026年11月4日時点、FEITIANは2026年9月7日時点)。料金は構成・契約条件により変動します。
認証アプリ・生体認証・ワンタイムパスワード(OTP)といった他の方式も含めて、多要素認証(MFA)システム全体を認証方式・料金・タイプ別に見比べたい場合は、以下の記事で詳しく比較しています。ここで取り上げたのは、セキュリティキーの供給・運用やキー対応のID基盤に絞ったサービスです。
多要素認証(MFA)システムおすすめ17選を徹底比較|認証方式・料金・タイプ別の選び方
ID とパスワードだけのログインは、もはや「鍵をかけていない」のと同じ状態に近づいています。攻撃者は流出したパスワードのリストを使い回し、本物そっくりの偽サイトで認証情報を抜き取り、正規利用者になりすまして社内システムやクラウドサービスへ侵…
まとめ
USBセキュリティキーは、USBポートに挿して本人確認を行う物理的な認証デバイスで、FIDO2と公開鍵暗号の仕組みにより、フィッシングに強いログインを実現します。
選ぶ際は、手元の端末がUSB-AかUSB-Cか、スマートフォンで使うNFCが要るか、使いたいサービスがFIDO2のセキュリティキーに対応しているか、という順に確認すると迷いません。
使い方の要点は、挿すだけでは使えずPIN・タッチが要る点と、紛失に備えた予備キーの登録の2つです。
社員にまとめて配る場合は、配布・事前登録・予備キーの補充・PIN運用まで含めて考える必要があります。自社だけで抱えるのが難しいときは、法人向けにキーを供給・運用するサービスや、キーでログインできるID基盤の活用も選択肢になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. USBセキュリティキーとは何ですか?
A. USBセキュリティキーは、パソコンのUSBポートに挿して本人確認を行う、USBメモリほどの大きさの物理的な認証デバイスです。多くの製品がパスキーの土台であるFIDO2という規格に対応し、IDとパスワードに加えて「本人だけが持っている物(キー本体)」で認証する多要素認証やパスワードレス認証に使われます。秘密鍵がキー本体の中に留まり偽サイトでは応じないため、フィッシングに強いのが特長です。
Q. USBセキュリティキーはiPhoneやスマートフォンでも使えますか?
A. USBセキュリティキーは、NFCに対応したモデルを選べば、スマートフォンにかざして認証できます。USB端子に挿せない端末でも、近づけるだけで本人確認が可能です。近年のiPhoneはUSB-Cで、Lightningは旧モデル向けです。古いiPhoneを併用するならLightning対応モデル(FEITIAN iePass FIDOなど)が候補になります。
Q. USBセキュリティキーは挿すだけでログインできますか?
A. USBセキュリティキーは、ポートに挿すだけではログインできず、キーに設定したPINの入力やキー本体へのタッチといった本人確認の操作が必要です。この仕組みがあるため、キーを落としたり置き忘れたりしても、PINを知らない第三者がすぐに悪用することは困難です。登録や設定の案内が出て進めない場合は、先にパソコン側で生体認証やPINを設定し、対応するブラウザ・端末を使っているかを確認します。
Q. USBセキュリティキーを紛失したらどうなりますか?
A. USBセキュリティキーを紛失しても、PINが設定されていれば第三者による即座の悪用は起きにくく、予備のキーを登録しておけばログインを続けられます。1つのアカウントには複数のキーを登録でき(Microsoftのアカウントでは最大10個まで)、予備キーを1本登録しておくことが紛失時の基本の備えです。法人では、失くした社員のキーを管理者が無効化して再発行する手順も決めておきます。
出典・参考資料(1件)
Q. 1本のUSBセキュリティキーで複数のサービスやアカウントに使えますか?
A. USBセキュリティキーは、1本のキーをWindowsやMicrosoft 365、Googleアカウントなど複数のサービスにそれぞれ登録して使えます。複数のクラウドを一度のログインでまとめるSSO(シングルサインオン)のID基盤がキー認証に対応していれば、1本で複数サービスのログインを強化できます。ただし利用できるのは、サービス側がFIDO2のセキュリティキーに対応している場合に限られます。
Q. USBセキュリティキーの費用はどのくらいですか?
A. USBセキュリティキーの費用は、個人向けは1本あたり数千円〜2万円前後で、Google Titanが公式価格30米ドルから、YubiKey 5シリーズが58米ドルです(いずれも2026年11月4日時点)。法人でまとめて導入する場合は、本体価格に加えて配布・事前登録(キッティング)や予備キー補充の運用コストもかかり、サブスクリプション型では運用込みの個別見積もりが一般的です。
Q. 市販のUSBメモリを自分でUSBセキュリティキーにできますか?
A. 一般的な市販のUSBメモリは、そのままFIDO2のセキュリティキーとして使うことはできません。FIDO2のセキュリティキーは秘密鍵を安全に保管する専用チップを内蔵した認証デバイスで、データ保存用のUSBメモリとは中身が異なります。フィッシングに強いパスキーでのログインには、YubiKeyやGoogle Titan、iShield KeyといったFIDO2対応の専用キーが必要です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















