ファクタリングを申し込む段階になって、契約条件や見積書のなかに「債権譲渡登記」という言葉を見つけ、手が止まる方は少なくありません。売掛債権を早く現金化したいだけなのに、法務局への登記が必要と言われると、取引先に資金繰りを知られてしまうのではないか、費用は誰がどれだけ負担するのか、と不安になる場面です。
結論から言えば、ファクタリングで債権譲渡登記は必須ではありません。売掛先へ通知する3社間ファクタリングなら原則として登記は不要で、売掛先へ通知しない2社間でも、登記を求めない、または登記を留保する会社を選べば登記なしで契約できます。まずは自分のケースで登記が要るのか、避けられるのかを切り分けることが出発点になります。
この記事では、登記が必須ではないという結論から、要否の違い・費用・取引先への影響・会社の選び方までを整理します。
目次
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ファクタリングに債権譲渡登記は必須ではない【まず結論】
ファクタリングを利用するうえで、債権譲渡登記は必ず求められるものではありません。登記は、売掛先へ通知しない2社間ファクタリングで、ファクタリング会社が買い取った債権への権利を守るために行う手続きです。会社側の保全のための手段であり、利用者にとって必須の条件ではないため、次の3つのいずれかにあてはまれば登記なしで利用できます。
- 売掛先へ通知する3社間ファクタリングを利用する(通知・承諾で権利を守れるため、登記は原則不要)
- 登記を求めない、または登記を留保する(普段は登記せず、支払い遅延など万一のときだけ登記する運用)2社間の会社を選ぶ
- 個人事業主・フリーランスとして利用する(登記の対象が法人に限られるため、制度上かならず登記なし)

「登記が必要」と案内されて不安になった場合でも、契約方式や会社の選び方しだいで避けられる余地があります。以降で、自分のケースはどれにあたるのか、要否の切り分けから順に確認していきましょう。
2社間・3社間で債権譲渡登記の要否はどう違う?
ここからは、契約方式による登記の扱いの違いを、対比表で一目で確認したうえで、それぞれのケースを個別に見ていきます。自社がどちらにあたるかを見極める材料にしてください。
| 比較項目 | 売掛先への通知 | 債権譲渡登記 | 取引先に知られるか | 登記費用の負担 |
|---|---|---|---|---|
| 2社間ファクタリング | しない | 会社が求める場合がある (登記留保・登記なしの運用もある) | 知られにくい | 登記する場合は発生 |
| 3社間ファクタリング | する(通知・承諾を得る) | 原則不要 | 知られる | 発生しないことが多い |
債権譲渡には、第三者に「この債権は自分のものだ」と主張するための条件(対抗要件)が必要です。民法では、売掛先(債務者)への通知または売掛先の承諾によってこの対抗要件を備えると定められています。この一点が、2社間と3社間で登記の要否が分かれる理由になります。
3社間ファクタリングは原則不要
3社間ファクタリングは、売掛先へ債権譲渡を通知し、承諾を得たうえで契約する方式です。民法にもとづく通知・承諾によって対抗要件を備えられるため、債権譲渡登記は原則として必要ありません。その代わり、売掛先に債権を譲渡した事実が伝わる点が、2社間との大きな違いになります。
2社間ファクタリングは会社によって扱いが分かれる
2社間ファクタリングは、売掛先へ通知せずに契約する方式です。通知・承諾による対抗要件が使えないため、ファクタリング会社が代わりに債権譲渡登記で権利を守ろうとする場合があります。
ただし、登記を求めない会社や、契約時には登記せず一定の事情が生じたときにのみ登記する「登記留保」の運用をとる会社もあり、扱いは会社ごとに分かれます。取引先に知られたくない場合は、この2社間で登記をどう扱うかが選び方のポイントになります。
登記と並ぶもう一つの対抗要件の手段が、売掛先への「債権譲渡通知」です。2社間で通知が行われない理由やその例外は、以下の記事で詳しく解説しています。
そもそも債権譲渡登記とは?ファクタリング会社が求める理由
登記を避けても問題がないのかを判断するには、制度の仕組みと、ファクタリング会社が登記を求める理由を押さえておくと役立ちます。
債権譲渡登記とは(売掛債権の譲渡を公的に記録する制度)
債権譲渡登記とは、法人が売掛債権を譲渡した事実を法務局のファイルに記録し、債務者以外の第三者に対して「この債権は自分が譲り受けた」と主張できるようにする制度です。動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(以下、動産・債権譲渡特例法)にもとづくもので、登記をすると、民法第467条の確定日付のある通知があったものとみなされます。
法人が債権(略)を譲渡した場合において、当該債権の譲渡につき債権譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該債権の債務者以外の第三者については、同法第四百六十七条の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。
出典:動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律 第4条第1項|e-Gov法令検索
ここで効力が及ぶのは「債務者以外の第三者」、つまり売掛先本人ではなく、二重譲渡を主張しうる他の債権者などに対してです。「通知があったものとみなす」のはこの第三者との関係の話であって、売掛先へ連絡がいくという意味ではありません。
登記だけで売掛先本人に当然に効力が及ぶわけではない、というこの仕組みが、「登記をしても売掛先へ自動で通知されるわけではない」という結論の法的な根拠になります。
ファクタリング会社が登記を求める理由(二重譲渡の防止・第三者対抗要件)
ファクタリング会社が債権譲渡登記を求めるのは、二重譲渡を防ぎ、買い取った債権への自社の権利を明確にするためです。売掛先へ通知しない2社間では、利用者が同じ売掛債権を別の会社にも譲渡してしまうリスクが残ります。登記によって「この債権は当社が先に譲り受けた」と第三者へ示せるため、会社にとってはリスクを下げる手段になります。
この対抗要件のもとになっているのが、次の民法第467条です。売掛先への通知・承諾を対抗要件と定めており、登記はこの通知に代わる手段として位置づけられています。
債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
出典:民法 第467条第1項|e-Gov法令検索
裏を返せば、登記はファクタリング会社側の保全のための手続きであり、利用者にとって必ず必要な条件とは限りません。会社によって登記を求めるかどうかの運用が分かれるのは、このためです。
一般に、二重譲渡のリスクが高いと会社が判断しやすい次のような場面では、2社間でも登記を求められやすくなる傾向があります。あくまで会社やケースによりますが、事前に見通しを立てる目安になります。
- 初回の利用で、まだ取引実績が積み上がっていない場合
- 買取額が大きく、会社が負うリスクが相対的に高い場合
- 資金繰りが厳しいと判断され、二重譲渡などの懸念が意識される場合
逆に、取引実績を重ねている場合や少額の取引では、登記を求められにくくなる傾向があります。登記を避けたい場合は、こうした条件も踏まえて会社や契約方式を選ぶとよいでしょう。
債権譲渡登記に応じるメリット
登記は「応じると一方的に不利」とは限りません。登記を避けることばかりに気を取られる前に、応じる側の利点も知っておくと、条件を損得の両面から判断できます。
登記に応じると、ファクタリング会社にとっては二重譲渡のリスクが下がります。会社が負うリスクは手数料に反映されるため、登記を行うことで手数料が抑えられる場合があります。同じ理由で、買取額が大きい取引では、登記に応じることで審査が通りやすくなることもあります。
ただし、登記に応じれば登記費用がかかるため、手数料の下げ幅と登記費用を並べて損得を判断することが大切です。たとえば、100万円の売掛債権を2社間で資金化する場合、登記なしで手数料10%なら手数料は10万円です。一方、登記に応じて手数料が7%に下がるなら手数料は7万円ですが、これに登記費用(登録免許税7,500円と司法書士報酬)が加わります。司法書士報酬を数万円とすると、この例では総額はどちらも大きくは変わらず、手数料の下げ幅が大きいほど登記ありが有利、下げ幅が小さいほど登記なしが有利になります。
2社間の手数料はおおむね数%〜十数%程度と、会社や売掛先の信用力によって幅があります。登記の有無による差だけでなく、実際の見積もりで総額を比べるのが確実です。
いずれも会社やケースによって異なるため確実ではありませんが、「登記=損」と決めつけず、手数料や買取可能額とあわせて比較すると、自社にとって有利な条件を選びやすくなります。最大の関心である「取引先に知られるのか」は、次の見出しで詳しく確認します。
債権譲渡登記をすると取引先に知られる?
「登記で取引先に知られるのか」は、多くの方が最も気にする点です。結論は「自動では知られないが、公開情報として調べられる範囲はある」の二段で理解しておくのが安全です。
債権譲渡登記をしても、売掛先(取引先)へ法務局から通知が届くことはありません。登記は法務局のファイルに譲渡の事実を記録する手続きで、売掛先へ知らせる仕組みとは切り離されています。取引先に知られる典型的な経路は、3社間ファクタリングでの通知・承諾であり、2社間で登記のみを行う場合は、登記そのものが売掛先への連絡になるわけではありません。
ただし、登記情報は法務局で証明書として取得できる公開情報です。ここで重要なのは、証明書の種類によって「誰が取得できるか」と「どこまで書かれているか」が分かれる点です。誰でも取得できる証明書と、利害関係者などに限られる証明書があり、売掛先を特定する情報が載るのは後者だけです。
- 登記事項概要証明書・概要記録事項証明書:誰でも取得できる。ただし譲渡された債権の債務者(売掛先)を特定する事項は記載されない
- 登記事項証明書:売掛先名など詳細が載るが、取得できるのは譲渡の当事者・その債権の債務者・利害関係を有する者などに限られる

このように、第三者が概要から「その会社が何らかの債権譲渡登記をした事実」までは把握できても、どの取引先の売掛金かまでは分かりません。売掛先本人は、自分が債務者となる登記であれば利害関係者として詳細を確認できる立場にあります。ただし、自発的に法務局へ照会しない限り知られることはなく、登記によって自動的に伝わるわけではない、というのが正確な整理です。
それでも取引先に知られる可能性を極力抑えたい場合は、登記なし・登記留保に対応する2社間ファクタリングを選ぶのが確実です。
登記に限らず、そもそもファクタリングの利用が取引先に伝わりうる経路と、知られずに使うための会社選びは、以下の記事で2社間・3社間の違いとあわせて整理しています。
出典・参考資料(1件)
債権譲渡登記の費用は誰がいくら払う?
債権譲渡登記の費用は、主に「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つで、加えて取引終了後の抹消登記にも費用がかかります。いずれも実務上は利用者(債権を譲渡する事業者)が負担するのが一般的です。金額を具体的に確認していきましょう。
登録免許税(債権5,000個以下は1件7,500円)
登録免許税は、登記そのものにかかる法定の税金です。債権譲渡登記の登録免許税には、租税特別措置法にもとづく軽減後の額と登録免許税法の本則があり、1回の登記でまとめる売掛債権の個数で分かれます。
- 債権の個数が5,000個以下:1件につき7,500円(租税特別措置法第84条の6による軽減後の額)
- 債権の個数が5,000個超:1件につき15,000円(登録免許税法別表第一第九号の本則)
通常のファクタリングでは債権の個数が5,000個以下に収まることが多く、その場合の登録免許税は1件7,500円が目安になります。法務省も、この7,500円は租税特別措置法により軽減された額であると明記しています。
司法書士報酬の相場(数万円〜十数万円程度)
債権譲渡登記の手続きは、実務上は司法書士へ依頼するのが一般的です。この司法書士報酬は法律で決められた金額ではなく、報酬の自由化以降は事務所ごとに設定されています。相場としては数万円〜十数万円程度が目安ですが、依頼先や案件の内容によって幅があります。
登録免許税(1件7,500円)と司法書士報酬を合わせると、登記1件あたりおおむね数万円〜十数万円程度が実務上の目安です。この費用は別途請求されることもあれば、買取代金から差し引かれることもあるため、手数料とは別に登記費用がかかるのか、見積もり段階で確認しておくと、想定外の負担を避けられます。
抹消登記の費用と、放置した場合の融資審査への影響
債権譲渡登記には存続期間が設定され、返済が完了したあとに登記を消す「抹消登記」を行う場合には、別途費用がかかります。抹消登記の登録免許税は1件につき1,000円です(登録免許税法別表第一第九号)。存続期間を延長する延長登記を行う場合の登録免許税は1件につき3,000円です(租税特別措置法による軽減後の額)。いずれも司法書士へ依頼する場合は、別途報酬が発生します。
登記を抹消せず放置しても罰則はありませんが、登記情報は残ります。金融機関が融資審査の過程で法人の登記や資産状況を調べる際に、債権譲渡登記の存在を把握する可能性があるため、取引が終わったら抹消しておくと、後日の資金調達で余計な確認を招きにくくなります。
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個人事業主は債権譲渡登記を利用できる?
個人事業主・フリーランスの方から多いのが、「自分でも登記できるのか」という疑問です。結論として、債権譲渡登記の対象は法人に限られ、個人事業主は利用できません。
動産・債権譲渡特例法は、その趣旨を定める第1条で「法人がする」譲渡を対象と明記しています。法務省も、登記できる債権の譲渡人は法人のみに限定されていると説明しています。
この法律は、法人がする動産及び債権の譲渡の対抗要件に関し民法(略)の特例等を定めるものとする。
出典:動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律 第1条(趣旨)|e-Gov法令検索
裏を返せば、個人事業主・フリーランスは制度上かならず登記なしでファクタリングを利用することになり、登記で取引先に知られる心配や登記費用の負担がありません。ただし、法人とは提出書類や審査で見られる点が異なる場合があるため、個人事業主に対応した会社を選ぶことが大切です。売掛先へ通知しない2社間で、少額から利用できる会社を選ぶと、登記の心配なく資金化を進められます。
個人事業主・フリーランスが使いやすいファクタリング会社を具体的に比べたい場合は、以下の記事で手数料・入金スピードや業者の見分け方を整理しています。
登記なしで対応するファクタリング会社の選び方
「登記なし」とうたう会社でも中身は一様ではありません。登記を避けたい場合は、次のポイントを申込前に確認すると、会社ごとの違いを見分けてミスマッチを防げます。
「債権譲渡登記なし」を公式で明記しているか
まず、公式サイトやよくある質問で「債権譲渡登記なし」または「登記留保に対応」と明記されているかを確認します。口コミや比較サイトの記述ではなく、会社自身が公式に示しているかどうかが判断の軸です。2社間に特化している会社は、その性質上、登記や通知を行わない運用を明示していることが多く、公式の記載で見分けられます。
登記なしの代わりに手数料が上乗せされていないか
登記を省くと、ファクタリング会社にとっては二重譲渡のリスクが残るため、その分だけ手数料が高めに設定される場合があります。「登記が不要」であることだけを強調し、手数料や条件面の不利を説明しない会社もあるため、登記の有無と手数料・買取可能額をあわせて比較し、総合的に判断することが大切です。
契約書に登記留保の条項が含まれていないか
「登記留保」は、契約時点では登記せず、支払いが滞るなど一定の事情が生じたときに登記を行う運用です。平常時は登記されないため、通常どおり売掛金が支払われて取引が終われば、登記されないまま終わることも多くあります。ただし「登記留保=どんな状況でも一切知られない」とは限らないため、どのような場合に登記が行われるのかを、契約書で事前に確認しておくと安心です。
登記なしのファクタリングは合法か
「登記なし=怪しい業者では」と不安に感じる必要はありません。債権譲渡登記はファクタリング会社が権利を守るための任意の手段であり、登記をしないこと自体が違法になるわけではありません。売掛先へ通知せず、スピードを重視してオンラインで完結する2社間ファクタリングでは、登記や通知を省く運用はむしろ一般的です。
注意すべきは登記の有無ではなく、給与を対象にした「給与ファクタリング」など、貸金業に該当しうる仕組みや、手数料が不透明な業者を避けることです。
登記なし・登記留保に対応するファクタリングサービス
債権譲渡登記なし、または登記留保に対応する会社を紹介します。公式に「登記なし」と示している会社と、2社間を主軸に登記の扱いを相談で決める会社があるため、まず比較表で各社の条件を確認し、続いて各社の特徴を見ていきましょう。
| サービス名 | PAYTODAY | Mentor Capital | 入金前払いシステム(JTC) | OLTA クラウドファクタリング | QuQuMo(ククモ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 債権譲渡登記 | 登記なし | 登記留保に対応 | 要相談 (登記あり/なし選択可) | 登記なし (一部例外あり) | 登記なし |
| 契約方式 | 2社間 | 2社間・3社間 | 2社間・3社間 | 2社間 | 2社間 |
| 最短入金 | 最短30分 | 最短即日 | 最短即日 | 即日〜翌営業日 | 最短2時間 |
| 手数料 | 1%〜9.5% | 2%〜 (上限非公表) | 1.2%〜10% | 2%〜9% | 1%〜 (上限非公表) |
| 対象 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人 (個人事業主は3社間のみ) | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※「登記なし」「登記留保」「要相談」は各社公式の記載にもとづく登記の扱いです。手数料が上限非公表の会社は、見積もり時に実際の料率をご確認ください。条件は契約内容により異なるため、最新の情報は各社にご確認ください。
PAYTODAY(Dual Life Partners株式会社)

Dual Life Partners株式会社が運営するPAYTODAYは、独自のAI審査で面談不要・オンライン完結の資金化に対応する2社間中心のファクタリングサービスです。登記の観点では、公式のよくある質問で「弊社では債権譲渡登記を行っておりません」と明記しており、登記なしで利用したい事業者にとって分かりやすい選択肢になります。
手数料は1%〜9.5%と上限まで公式に開示されており、買取金額の下限は10万円からと少額のニーズにも対応します。法人だけでなく個人事業主・フリーランスも対象で、最短30分での入金にも対応します。
Mentor Capital(株式会社Mentor Capital)

取引先に知られにくい2社間ファクタリングを主軸に、経営への伴走を掲げるのがMentor Capitalです。中小企業・個人事業主を対象とし、赤字・債務超過・税金滞納中や創業1年未満の事業者にも対応する柔軟な審査を訴求しています。
最短30分で査定結果を提示し、最短即日での現金化に対応します。2社間・3社間の両方式に対応するため、登記や通知の扱いを含めて相談しながら条件を決められる点が特徴です。買取率は最大98%(2024年実績)、審査通過率は92%(2023年実績)と公表しています。
ファクタリングが融資とどう異なるかについて、同社の木方氏は次のように述べています。

銀行や消費者金融などの金融機関は、融資の申し込みがあった際に信用情報を通じて個人や企業様の情報を見て対応します。一方でファクタリングは融資ではなく、売掛債権という権利の売買・譲渡ですので、借入れではない分、決算書には影響が出づらい場合もあります。信用情報や決算に影響を及ぼしづらいというところが、お客様にとって大きなメリットだと思います。
入金前払いシステム(株式会社JTC)

株式会社JTCが提供する「入金前払いシステム」は、取引先に知られずに売掛金を早期資金化できる2社間方式を軸としたファクタリングサービスです。名古屋・東京・大阪に拠点を持ち、2013年の設立以来、全国対応で事業を展開しています。
手数料は契約形態により1.2%〜10%、買取金額は100万円からで、売掛先破綻時の買戻し義務がないノンリコース契約です。LINEでの書類提出に対応し、最短即日での資金化を訴求しています。取引先への通知の有無や登記の扱いは契約条件で変わるため、申込時に確認するとよいでしょう。
取引先への通知(承諾)の有無で手数料がどう変わるかについて、同社の池田氏は次のように述べています。
大きくは契約形態で変わります。取引先からの承諾が貰える契約であれば1.2%から、承諾がもらえない契約ですと目安として5%からとなっています。
OLTA クラウドファクタリング(OLTA株式会社)

2017年設立のOLTA株式会社が運営するクラウドファクタリングは、書類提出まですべてオンラインで完結する2社間専業のサービスです。公式のよくある質問で「利用規定で定める一部の場合を除き、お客様の取引先に連絡することはなく、債権譲渡登記も行いません」と明記しており、取引先に知られず登記も避けたい事業者に向いています。
手数料は2%〜9%で、買取金額に上限・下限を設けず少額の案件にも対応します。法人・個人事業主のいずれも利用でき、契約後は即日〜翌営業日での振込に対応しています。
QuQuMo(株式会社アクティブサポート)

QuQuMo(ククモ)は、請求書と通帳の2点のみで申し込めるオンライン完結型の2社間ファクタリングです。2社間に特化しているため取引先への通知や債権譲渡登記が不要で、登記を避けたい事業者に向いています。
手数料は1%〜(上限は非公表)で、申込から入金まで最短2時間というスピードが特徴です。法人・個人事業主のいずれも利用でき、メールやLINEでの相談にも対応しています。
ここで取り上げたのは、登記なし・登記留保に対応する会社の一部です。手数料や入金スピード、買取可能額まで含めてファクタリング会社を幅広く比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ファクタリングおすすめ26選を比較|手数料・入金スピード・買取可能額で選ぶ
「取引先への請求は済んでいるのに、入金は翌々月末。仕入れや外注費、人件費の支払いだけが先に来て、手元資金が薄くなる」——売掛取引が中心の事業では、珍しくない場面です。銀行融資は審査に時間がかかり、急な資金需要には間に合わないこともあります。…
まとめ
ファクタリングで債権譲渡登記は必須ではありません。売掛先へ通知する3社間なら原則不要で、2社間でも登記を求めない・登記を留保する会社を選べば登記なしで契約できます。個人事業主・フリーランスは制度上かならず登記なしで利用することになります。
登記をしても売掛先へ自動で通知が届くことはなく、誰でも取得できる概要の証明書には売掛先を特定する情報も含まれません。登記に応じる場合は登録免許税(債権5,000個以下で1件7,500円)と司法書士報酬がかかり、実務上は利用者が負担します。
取引先に知られたくない、登記費用を抑えたいという場合は、登記なし・登記留保に対応する2社間の会社を選ぶ、あるいは3社間や個人事業主として利用するといった選択肢があります。登記の有無だけでなく、手数料や買取条件もあわせて比較し、自社に合ったファクタリング会社を選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 債権譲渡登記とは何ですか?
A. 債権譲渡登記とは、法人が売掛債権などを譲渡した事実を法務局のファイルに記録し、債務者以外の第三者に「この債権は自分が譲り受けた」と主張できるようにする制度です。動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(動産・債権譲渡特例法)にもとづくもので、登記をすると民法第467条の確定日付のある通知があったものとみなされます。
ファクタリングでは、売掛先へ通知しない2社間で、ファクタリング会社が買い取った債権への権利を守るために用いられます。
Q. 債権譲渡登記をすると取引先(売掛先)に知られますか?登記情報は誰が見られますか?
A. 債権譲渡登記をしても法務局から売掛先へ通知が届くことはなく、登記だけで自動的に取引先に知られることはありません。ただし登記情報は証明書として取得できる公開情報で、誰でも取得できる「登記事項概要証明書・概要記録事項証明書」には、譲渡された債権の債務者(売掛先)を特定する事項は記載されません。
売掛先名などの詳細が載る「登記事項証明書」を取得できるのは、譲渡の当事者・その債権の債務者・利害関係を有する者などに限られます。取引先に知られる可能性を極力抑えたい場合は、登記なし・登記留保に対応する2社間の会社を選ぶのが確実です。
出典・参考資料(1件)
Q. ファクタリングで債権譲渡登記にかかる費用はいくらで、誰が負担しますか?
A. 債権譲渡登記の費用は登録免許税と司法書士報酬に分かれ、実務上は利用者(債権を譲渡する事業者)が負担するのが一般的です。登録免許税は、債権の個数が5,000個以下なら1件7,500円(租税特別措置法第84条の6による軽減後の額)、5,000個を超える場合は1件15,000円(登録免許税法別表第一第九号の本則)です。通常のファクタリングでは、7,500円が目安になります。
司法書士報酬は法律で決められておらず、数万円〜十数万円程度が相場です。
Q. 個人事業主・フリーランスでもファクタリングで債権譲渡登記はできますか?
A. 個人事業主・フリーランスは債権譲渡登記を利用できません。登記できる債権の譲渡人が法人に限られているためです。動産・債権譲渡特例法は第1条で「法人がする」譲渡を対象と定めており、法務省も譲渡人は法人のみに限定されると説明しています。
裏を返せば、個人事業主は制度上かならず登記なしでファクタリングを利用することになり、登記による取引先への影響や登記費用の負担はありません。ただし法人とは審査で見られる点が異なる場合があるため、個人事業主に対応した会社を選ぶことが大切です。
Q. 3社間ファクタリングなら債権譲渡登記は不要ですか?
A. 3社間ファクタリングは、原則として債権譲渡登記が不要です。売掛先へ債権譲渡を通知し、承諾を得ることで、民法第467条にもとづく対抗要件を備えられるためです。その代わり、売掛先に債権を譲渡した事実が伝わる点が2社間との大きな違いになります。取引先に知られたくない場合は、通知を行わず登記なし・登記留保に対応する2社間の会社を選ぶという選択肢があります。
出典・参考資料(1件)
Q. ファクタリングの「登記留保」とはどういう意味ですか?
A. 登記留保とは、契約時点では債権譲渡登記をせず、支払いが滞るなど一定の事情が生じたときにのみ登記を行う運用のことです。平常時は登記されないため、通常どおり売掛金が支払われて取引が終われば、登記されないまま完了することも多くあります。ただし「登記留保=どんな状況でも一切知られない」とは限らないため、どのような場合に登記が行われるのかを、申込前に契約書で確認しておくと安心です。
Q. 債権譲渡登記なしのファクタリングは合法ですか?
A. 債権譲渡登記なしのファクタリングは合法で、登記をしないこと自体が違法になるわけではありません。登記はファクタリング会社が二重譲渡を防いで自社の権利を守るための任意の手段であり、利用者に義務づけられた条件ではないからです。売掛先へ通知せずオンラインで完結する2社間ファクタリングでは、登記や通知を省く運用はむしろ一般的です。
注意すべきは登記の有無ではなく、給与を対象にした「給与ファクタリング」など貸金業に該当しうる仕組みや、手数料が不透明な業者を避けることです。
Q. 債権譲渡登記はファクタリングの利用で信用情報に影響しますか?
A. 債権譲渡登記が行われても、個人や企業の信用情報に直接影響することはありません。債権譲渡登記は「債権の譲渡があった」事実を法務局で公示する制度で、信用情報機関が管理する借入状況や支払いの遅延などの信用情報とは別の仕組みだからです。
ただし、金融機関が融資審査で法人の登記や資産状況を調べる際に登記の存在を把握する可能性はあるため、取引が終わったら抹消登記をしておくと、後日の資金調達で余計な確認を招きにくくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















