在庫管理を始めよう、あるいは今のやり方を見直そうと考えたとき、まず知りたいのは「具体的に何を、どの順番で進めればよいか」という手順ではないでしょうか。
在庫管理は、発注から入庫・保管・出庫・棚卸までの流れを整え、適正な在庫量を保つための一連の作業です。やり方の骨格は業種を問わず共通しており、5つのステップに分けて進めれば、はじめての担当者でも今日から着手できます。
本記事では、在庫管理のやり方を5ステップで解説し、迷いやすい適正在庫・安全在庫・在庫回転率の計算式と計算例、そして手書き・Excel・在庫管理システムのどれで運用すべきかの判断材料までを整理します。Excelでの在庫管理表の作り方も具体的に取り上げます。
手作業での管理に限界を感じている場合は、システム化の検討材料と主なサービスもあわせて紹介します。自社の規模に合ったやり方を見つけ、欠品や過剰在庫のない運用を目指していきましょう。
目次
一括ダウンロードする
在庫管理のやり方 5ステップ(全体像と各手順の進め方)
在庫管理のやり方は、次の5ステップで進めます。まず全体像をつかんでから、各ステップの具体的な進め方を順に見ていきましょう。

- 現状把握と在庫の整理:今ある在庫の品目・数量・保管場所を洗い出す
- 適正在庫の設定:品目ごとに「いくつ持つべきか」の基準を決める
- ロケーション管理:どこに何を置くかのルールを決める
- 発注ルールの策定:いつ・いくつ発注するかの方式を決める
- 入出庫記録と棚卸の運用:日々の記録と定期的な数量確認のルールを決める
この5つは一度決めて終わりではなく、運用しながら基準や置き方を見直していくものです。それぞれのステップで何をするかを、順番に解説します。
在庫管理の基本の流れ(発注→入庫→保管→出庫→棚卸)
日々の在庫は、次の流れで動いていきます。5ステップで整えるのは、この一連の流れを滞りなく回すための仕組みです。
- 発注:必要な数量を仕入先やメーカーに注文する
- 入庫:届いた品物を検品し、数量と品質を確認して受け入れる
- 保管:決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にする
- 出庫:注文や生産に応じて品物を取り出し、出荷・使用する
- 棚卸:帳簿上の在庫数と実際の在庫数を照合し、差異を修正する
入庫から出庫までのどこかで記録が抜けると、帳簿と実物がずれていきます。このずれを防ぎ、必要なときに必要な数だけ在庫がある状態を保つことが、在庫管理の目的です。
手順1:現状把握と在庫の整理
最初にやるべきは、今ある在庫をすべて洗い出すことです。品目名・数量・保管場所・仕入先を一覧にし、実物と数が合っているかを確認します。この時点で不要な在庫(長期間動いていない滞留在庫や、使い道のない品目)が見つかれば、処分や返品を検討して整理します。
現状把握があいまいなまま次のステップに進むと、後で決める適正在庫や発注ルールの前提が崩れます。まずは正確な「今の在庫の姿」を数字でつかむことが出発点です。
手順2:適正在庫の設定
次に、品目ごとに「いくつ持つべきか」という適正在庫の基準を決めます。多すぎれば保管コストや資金の固定化を招き、少なすぎれば欠品による販売機会の損失につながるため、その中間を狙います。
適正在庫は、需要のばらつきに備える安全在庫を土台に、発注から入荷までの期間(リードタイム)を見込んで設定します。この手順のゴールは、まず売上への影響が大きい主要な品目から、「安全在庫」と、在庫がいくつまで減ったら発注するかの「発注点」を仮でもよいので数字で置くことです。
具体的な計算式と数値例は、次の「適正在庫・安全在庫・在庫回転率の計算式と計算例」で示します。まずは勘ではなく数字で基準を決めるという考え方を押さえておきましょう。
手順3:ロケーション管理で保管場所を決める
ロケーション管理とは、「どの品物を、どの棚・どの区画に置くか」を決めて表示するルールづくりです。棚に住所のような番号(ロケーション番号)を振り、品目とひも付けておくと、担当者が変わっても探す時間をかけずに入出庫できます。
置き方には、品目ごとに固定の場所を決める「固定ロケーション」と、空いた場所に随時置く「フリーロケーション」があります。品目数が少なく担当者が少人数なら固定ロケーションが分かりやすく、品目数が多く保管効率を優先したい場合はフリーロケーションが向きます。よく出る品目を取り出しやすい手前に置くだけでも、出庫の動線は短くなります。
手順4:発注ルールの策定
「いつ・いくつ発注するか」をあらかじめ決めておくと、担当者の判断に頼らず、欠品と過剰在庫の両方を防げます。発注のやり方には、在庫が一定量まで減ったら決まった量を注文する「定量発注方式」と、一定の期間ごとに必要量を計算して注文する「定期発注方式」があります。
どちらを選ぶかは品目の性質によって変わりますが、需要が安定した品目にまず取り入れやすいのは定量発注方式です。この場合、手順2で決めた発注点(在庫がいくつまで減ったら発注するか)を基準に、決まった量を発注します。2つの方式の詳しい使い分けは、後述の「発注方式(定量発注・定期発注)と使い分け」で解説します。まずは主要な品目から発注の基準を決め、運用しながら他の品目にも広げていくとよいでしょう。
手順5:入出庫記録と棚卸の運用ルールを決める
最後に、日々の入出庫を記録するルールと、定期的な棚卸のルールを決めます。入出庫は「いつ・何を・いくつ・誰が」を、動いたその場で記録するのが基本です。記録のタイミングを後回しにすると、帳簿と実物のずれが積み上がっていきます。
棚卸は、帳簿在庫と実在庫を照合して差異を修正する作業です。全品目を一斉に数える「一斉棚卸」と、区画や品目を分けて日常的に少しずつ数える「循環棚卸」があります。一斉棚卸は年1〜2回など頻度が低くなりがちで、その間の差異に気づきにくいため、重要な品目だけでも循環棚卸で定期的に確認すると精度が上がります。
差異が出たときは、原因(記録漏れ・誤出荷・紛失など)を確認してルールを見直すことが、次のずれを防ぐことにつながります。
適正在庫・安全在庫・在庫回転率の計算式と計算例
ここからは、在庫管理で迷いやすい数値の求め方を、計算式と計算例で解説します。以降の計算例で使う数字は、考え方を示すための仮の値です。実際の運用では自社の出庫データや仕入条件に置き換えてください。
適正在庫・安全在庫の求め方
安全在庫とは、需要のばらつきや入荷の遅れに備えて余分に持っておく在庫です。需要が正規分布に従うと仮定したとき、統計的には次の式で求めるのが一般的です。
安全在庫 = 安全係数 × 使用量(出庫量)の標準偏差 × √(在庫のばらつきに備える期間)
√の中の「備える期間」は、採用する発注方式によって変わります。在庫が一定量まで減ったら発注する定量発注方式では発注リードタイム(発注してから入荷するまでの日数)、一定周期で発注する定期発注方式では発注リードタイムに発注間隔を加えた日数を用います。ここでは定量発注方式を例に計算します。
安全係数は、欠品をどこまで許容するかに応じて決める値で、正規分布のサービス率に対応します。欠品を防ぐ確率を95%に設定する場合は約1.65、99%に設定する場合は約2.33を用います。標準偏差は、日々の出庫量が平均からどれくらいばらつくかを示す数値で、Excelの関数(STDEV.Pなど)で算出できます。
たとえば、1日の出庫量の標準偏差が10個、発注リードタイムが4日、欠品を防ぐ確率を95%(安全係数1.65)とすると、定量発注方式での安全在庫は次のように求められます。
安全在庫 = 1.65 × 10 × √4 = 1.65 × 10 × 2 = 33個
次に、この安全在庫をもとに「在庫がいくつまで減ったら発注するか」の基準となる発注点を決めます。定量発注方式の発注点は、次の式で求めます。
発注点 = 1日の平均出庫量 × 発注リードタイム + 安全在庫
1日の平均出庫量が20個、発注リードタイムが4日、先ほどの安全在庫が33個なら、発注点は「20 × 4 + 33 = 113個」です。在庫が113個まで減ったタイミングで発注すれば、入荷までの需要と急な変動に備えられます。後述のExcelでの在庫管理表の作り方で示す条件付き書式を使えば、この113個が補充の合図になります。
適正在庫は、安全在庫を下限、発注点に1回あたりの発注量を加えた水準(最大在庫)を上限とする、その間で在庫を推移させる考え方です。需要が大きく変動する品目ほど安全在庫を厚めにし、動きの少ない品目は薄めにするなど、品目ごとに調整します。

在庫回転率・在庫日数の計算
在庫回転率は、一定期間に在庫が何回入れ替わったかを示す指標です。数値が高いほど在庫が効率よく動いており、低いほど滞留している可能性があります。
在庫回転率(回)= 一定期間の出庫金額 ÷ 平均在庫金額
たとえば、1年間の出庫金額が1,200万円、平均在庫金額が200万円であれば、在庫回転率は「1,200万円 ÷ 200万円 = 6回」です。金額の代わりに数量で計算することもできます。
在庫日数は、今の在庫が何日分の出庫量に相当するかを示す指標で、回転率の裏返しとして使えます。
在庫日数(日)= 対象期間の日数 ÷ 在庫回転率
回転率が6回で対象期間が365日なら、在庫日数は「365 ÷ 6 = 約61日」です。品目ごとに在庫日数を出すと、どの品目が過剰に滞留しているかが見えてきます。
欠品率の計算
欠品率は、注文に対してどれくらい在庫を切らしたかを示す指標です。安全在庫や発注ルールが適切かを振り返る目安になります。
欠品率(%)= 欠品した件数 ÷ 総受注件数 × 100
1か月の総受注件数が500件で、そのうち在庫切れで対応できなかった件数が10件なら、欠品率は「10 ÷ 500 × 100 = 2%」です。欠品率が高い品目は、安全在庫を増やす、発注のタイミングを早めるなどの見直しを検討します。反対に欠品がまったく起きていない品目は、在庫を持ちすぎている可能性もあるため、回転率とあわせて確認します。
知っておきたい在庫管理の基本フレームワーク
ここでは、手順の中で登場した考え方を含め、在庫管理で広く使われる基本の枠組みを整理します。用語の意味と使いどころを押さえておくと、自社の運用に取り入れやすくなります。
そもそも在庫管理とは
在庫管理とは、原材料・仕掛品・商品などの在庫について、数量と保管状態を把握し、必要なときに必要な量を供給できる状態を保つ活動です。単に数を数えることではなく、発注から棚卸までの流れを整え、欠品と過剰在庫の両方を抑えることを指します。在庫は資金が形を変えたものでもあるため、在庫管理は資金繰りや利益にも直結します。
在庫管理の4原則
在庫管理の土台としてよく挙げられるのが、次の4原則です。日々の運用ルールを決めるときの判断基準になります。
- 在庫の所在がすぐわかる:どの品物がどこにあるかを、誰でも特定できる
- 在庫の数量がすぐわかる:今いくつあるかを、その場で確認できる
- 先入れ先出しができる:先に入庫したものから先に出庫できる
- 次に取るべき行動がわかる:発注や補充の判断につながる情報がそろっている
この4つが満たされていれば、担当者が変わっても在庫管理は回ります。逆に、どれか一つでも欠けると、探す手間や数量のずれ、古い在庫の滞留といった問題が生じやすくなります。
ABC分析(重点管理の考え方)
ABC分析は、すべての品目を同じ手間で管理するのではなく、重要度に応じて管理の力の入れ方を変える考え方です。売上金額や出庫金額の大きい順に品目を並べ、A・B・Cの3ランクに分けます。
金額構成比の大きいAランクの品目は、在庫の動きをこまめに確認し、発注のタイミングも厳密に管理します。構成比の小さいCランクの品目は、多少多めに持ってもコストへの影響が小さいため、発注の手間を減らす運用にします。すべてを均等に管理しようとすると手が回らなくなるため、限られた時間をAランクに集中させるのがABC分析の狙いです。
発注方式(定量発注・定期発注)と使い分け
発注方式には、大きく分けて定量発注方式と定期発注方式の2つがあります。

定量発注方式は、在庫があらかじめ決めた数量(発注点)まで減ったら、毎回決まった量を発注する方式です。発注のタイミングは在庫の減り方に応じて変わりますが、1回あたりの発注量は一定です。需要が安定していて、発注点を決めやすい品目に向きます。
定期発注方式は、毎週・毎月など一定の周期で在庫を確認し、そのつど必要な量を計算して発注する方式です。発注のタイミングは一定ですが、発注量は毎回変わります。需要の変動が大きい品目や、高価で在庫を絞りたい品目に向きます。ABC分析でAランクとなるような重要品目は定期発注、Cランクの品目は手間の少ない定量発注、といった組み合わせも実務でよく使われます。
先入れ先出し(FIFO)
先入れ先出し(FIFO:First In, First Out)は、先に入庫した在庫から先に出庫する運用ルールです。食品や医薬品のように消費期限・使用期限がある品物では、期限切れによる廃棄を防ぐために欠かせません。期限のない品物でも、長期保管による劣化や型落ちを避けられます。
先入れ先出しを徹底するには、入庫日が古いものを手前や取り出しやすい位置に置く、入庫日を品物やラベルに明記する、といった保管の工夫が必要です。手順3のロケーション管理と合わせて設計すると、無理なく運用できます。
手書き・Excel・在庫管理システムの比較(自社に合う運用の選び方)
在庫管理のやり方は、記録の手段によって「手書き(紙・台帳)」「Excel」「在庫管理システム」の3つに大きく分かれます。それぞれにコストや手間の違いがあるため、自社の品目数・出荷量・担当人数に照らして選びます。以下の表で特徴を比較します。
| 初期費用・コスト | 入力・集計の手間 | 転記・計算ミスの起きやすさ | リアルタイム性・複数人での共有 | 向く事業規模の目安 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 手書き(紙・台帳) | ほぼ0円 | 大きい(手作業で集計) | 高い | 低い | 品目・出荷が少ない小規模 |
| Excel | 0円〜(既存のOfficeを利用) | 中(関数で一部自動化) | 中(数式崩れ・手入力ミス) | 低〜中(同時編集に弱い) | 小〜中規模 |
| 在庫管理システム | 無料〜月額数千円台から(規模で変動) | 小(バーコード・スマホで自動記録) | 低い | 高い(クラウドで即時共有) | 品目数・出荷が増えた中小規模以上 |
※上記は各手段の一般的な傾向です。実際のコストや機能は導入する製品・運用体制によって異なります。
品目数や出荷が少ないうちは手書きやExcelでも回りますが、扱う品目が増え、複数人でリアルタイムに在庫を共有したくなると、手作業では追いつかなくなります。まずはExcelで基準を作り、限界を感じた段階でシステム化を検討する、という進め方が現実的です。
Excelでの在庫管理のやり方(在庫管理表の作り方と限界)
Excelは、多くの企業がすでに使っており、追加費用なく在庫管理を始められる手段です。ここでは在庫管理表の作り方の基本と、Excelで運用する際に直面しやすい限界を解説します。
Excel在庫管理表の作り方(列設計例と運用ルール)
在庫管理表は、まず「マスタ(品目の基本情報)」と「入出庫の記録」を分けて考えると整理しやすくなります。1枚のシートで管理する場合でも、次のような列を用意すると、在庫数の自動計算がしやすくなります。
- 品目コード:品目を一意に識別する番号(重複や表記ゆれを防ぐ)
- 品目名・規格:品名やサイズ・型番
- ロケーション:保管場所を示す棚番号
- 入庫数・出庫数・日付:動いた数量と日付を記録
- 在庫数:前日在庫+入庫−出庫で算出(数式で自動計算)
- 発注点・適正在庫:補充の判断に使う基準値
在庫数の列は、数式で自動計算すると転記の手間とミスを減らせます。たとえば在庫数のセルに「=前日の在庫数セル+当日の入庫数セル−当日の出庫数セル」(例: =E2+C3-D3)と入力すれば、入出庫を記録するたびに在庫数が自動で更新されます。
在庫数が発注点を下回ったセルに色が付くよう条件付き書式(セルの値が発注点以下、などの条件)を設定しておくと、補充のタイミングを見逃しにくくなります。あわせて、運用ルールをあらかじめ決めておくと記録の精度を保てます。
- 入出庫はその日のうちに記録する
- ファイルは1つに統一し、複製して別々に更新しない
- 入力担当と確認担当を分ける
紙・Excelでの管理で起きやすい問題(手作業の限界)
手書きやExcelでの管理は手軽に始められる一方、品目や取扱量が増えると次のような問題が起きやすくなります。
- 転記ミス・入力漏れ:手入力のため、数量の打ち間違いや記録忘れが起きる
- 同時編集への弱さ:複数人が同時に更新しづらく、ファイルが複製されて版が分かれる
- リアルタイムでない:入力するまで最新の在庫数がわからず、現場と帳簿がずれる
- 属人化:作った担当者しか数式や運用ルールを把握しておらず、引き継ぎが難しい
これらは、扱う品目が数百を超えたり、複数の拠点・担当者で在庫を共有したりする段階で顕著になります。手作業の限界を感じ始めたら、在庫管理システムの導入を検討するタイミングです。
一括ダウンロードする
システム化を検討すべきタイミングと在庫管理サービスの活用
手作業での在庫管理に限界を感じたら、在庫管理システムの導入が選択肢になります。ここでは導入のメリット・デメリットを整理したうえで、始めやすい主なサービスを紹介します。
在庫管理システムを導入するメリット・デメリット
在庫管理システムを導入すると、バーコードやスマートフォンで入出庫をその場で記録でき、在庫数がリアルタイムに更新されます。複数人・複数拠点で同じ在庫情報を共有でき、転記ミスや版の分裂も防げます。棚卸の作業時間短縮や、受発注・会計ソフトとの連携による二重入力の解消も見込めます。
一方で、導入時には費用と手間がかかります。月額利用料や初期費用が発生し、既存の運用に合わせた設定や、現場が使いこなすまでの習熟期間も必要です。ただし、無料の枠や月額数千円台から始められるクラウド型のサービスもあり、小規模でも導入のハードルは下がっています。まずは自社の課題(欠品が多い、棚卸に時間がかかる、共有できない、など)を整理し、それを解決できるかを基準に選ぶとよいでしょう。
以下に、はじめての導入でも始めやすい在庫管理サービスを4つ紹介します。それぞれ得意な使い方や料金体系が異なるため、比較表で全体像をつかんでから、個別の特徴を確認してください。
| サービス名 | zaico(ザイコ) | ロジクラ | 在庫らくだプロ26 | Zoho Inventory |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | 買い切り(インストール型) | クラウド |
| 初期費用 | 無料 | 要お問い合わせ | 29,700円(税込・買い切り) | 無料 |
| 月額費用 | 9,878円〜(税込) | 12,800円〜(税抜) | なし(買い切り型) | 5,520円〜(税抜) |
| 無料プラン | ×(2026年5月末で新規提供終了) | × | × | ●(永年無料・月50件まで) |
| 無料トライアル | ●(14日間) | ●(14日間) | ×(提供の記載なし) | ●(14日間) |
| スマホ・バーコード対応 | ● | ● | △(バーコードは別売機器・スマホ非対応) | ● |
| 主な外部連携 | freee会計・kintone・ネクストエンジン・マネーフォワード クラウド請求書 など | ネクストエンジン・Shopify・STORES・Amazon・楽天・スマレジ など | 外部サービス連携なし (CSV取り込みは可) | Amazon・eBay・Shopify・Zoho Books/CRM など (海外ECチャネル中心。楽天・Yahoo!は連携の記載なし) |
| 向いている使い方 | 紙・Excelから移行し、現場のスマホで在庫を管理したい中小企業 | EC・実店舗・卸をまたいで在庫を一元管理したい事業者 | 月額費用を抑え、1拠点のPCで在庫を管理したい小規模事業者 | 無料から試したい初心者や、海外向け販売を含む事業者 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※料金・仕様は2026年9月時点で各社公式サイトを確認した内容です(税表記は各社の記載に準じます)。最新の料金・対応状況は各社公式サイトでご確認ください。
zaico(ザイコ)

株式会社ZAICOが運営するzaicoは、スマートフォンやタブレットのカメラでバーコード・QRコードを読み取って入出庫を記録できるクラウド型の在庫管理サービスです。紙やExcelでの管理からの移行先として使われており、累計アカウント数は約190,000(2026年4月末時点)で、規模や業種を問わず導入されています。
出典・参考資料(1件)
freee会計・kintone・ネクストエンジン・マネーフォワード クラウド請求書などとの連携に対応し、在庫データを他システムと突き合わせて運用できます。
料金は有料プランが月額9,878円から(2026年9月時点)で、無料プランは2026年5月末で新規提供を終了し(6月1日に新プランへ移行)、現在は14日間の無料トライアルが用意されています。まずは試しながら自社に合うか確認したい場合に向いています。
ロジクラ(logikura)

iPhoneをハンディ端末代わりにして入出荷・ピッキングの検品ができるのが、株式会社ロジクラが提供するクラウドサービス「ロジクラ」です。EC・店舗・卸の在庫を一元管理でき、専用機器をそろえずに現場のミスを減らせます。2026年4月にfreeeの完全子会社となりましたが、ロジクラのブランドとサービスは継続しています。
ネクストエンジンやクロスモールといった受注管理システム、Shopify・STORESなどのカート、Amazonなどのモール、スマレジといったPOSとの連携に対応し、複数の販売チャネルの在庫をまとめて扱えます。
料金はLiteプランが月額12,800円から(年間契約。月間300件までの出荷はこの基本料金の範囲で利用できます)で、恒常的な無料プランはありませんが、14日間の無料トライアルが用意されています。ネット販売と実店舗をまたいで在庫を管理したい事業者に向いています。
在庫らくだプロ26(BSLシステム研究所)

在庫らくだプロ26は、株式会社BSLシステム研究所が販売する買い切り型(パッケージ)の在庫管理ソフトです。Windows搭載のパソコンにインストールして使い、月額の利用料がかからないため、ランニングコストを抑えたい事業者に向いています。価格は29,700円(税込、2026年9月時点)で、BSLシステム研究所の直販で購入できます。
入出庫の記録や在庫一覧、発注点による補充の管理など、在庫管理の基本機能を備えています。クラウド型と違い、複数拠点からの同時アクセスやスマートフォンでの記録は前提としていないため、1拠点でパソコンを中心に管理する使い方に適しています。より機能を絞った廉価版「かるがるできる在庫26」も用意されています。
Zoho Inventory(ゾーホー インベントリ)

Zoho Inventoryは、Zoho Corporation が提供し、日本ではゾーホージャパン株式会社が日本語での窓口・サポートを担うクラウド型の在庫管理サービスです。永年無料のプラン(月間の注文数50件・ユーザー1名・倉庫1拠点まで)が用意されており、費用をかけずにまず試したい初心者や小規模事業者の入口として使えます。
有料プランは月額5,520円から(2026年9月時点)で、14日間の無料トライアルもあります。
受注・入出庫・配送までを一つの画面で扱え、Amazonやebay、Shopifyなどの海外向け販売チャネルとの連携に強みがあります。一方で、楽天市場・Yahoo!ショッピングといった国内モールや、国内配送業者との連携は公式サイトで確認できないため、これらを前提とするEC運用では対応範囲を事前に確認してください。海外展開や英語圏での販売を含む事業に向いたサービスです。
ここで挙げた4サービスは、はじめての導入でも始めやすいものを中心に紹介したものです。自社の業務範囲(EC・店舗・倉庫・製造など)や業種に合わせてより多くの在庫管理システムを比較検討したい場合は、以下の記事で主要21サービスをタイプ別・費用相場つきで解説しています。
まとめ
在庫管理のやり方は、現状把握・適正在庫の設定・ロケーション管理・発注ルールの策定・入出庫記録と棚卸の運用という5ステップで整えます。適正在庫や安全在庫、在庫回転率は勘に頼らず計算式で基準を決め、ABC分析や発注方式を使い分けることで、欠品と過剰在庫の両方を抑えられます。
まずは手書きやExcelで基準を作り、品目や出荷が増えて手作業に限界を感じたら在庫管理システムの導入を検討する、という進め方が無理なく続けられます。自社の規模と課題に合った手段を選び、正確で効率的な在庫管理を進めてください。
一括ダウンロードする
在庫管理のやり方に関するよくある質問(FAQ)
Q. 在庫管理とは何ですか?
A. 在庫管理とは、在庫の数量と状態を把握し、必要なときに必要な量を供給できる状態を保つ活動です。発注から棚卸までの流れを整えて欠品と過剰在庫の両方を抑えることが目的で、資金繰りや利益にも影響します。具体的な進め方は本文の「在庫管理のやり方 5ステップ」で解説しています。
Q. 在庫管理は手書きやExcelだけでも十分ですか?
A. 在庫管理は、品目数や出荷が少ないうちは手書きやExcelでも十分に運用できます。ただし、扱う品目が数百を超えたり、複数人・複数拠点でリアルタイムに在庫を共有したくなったりすると、転記ミスや同時編集への弱さ、属人化といった手作業の限界が出てきます。まずはExcelで在庫管理表と基準を作り、限界を感じた段階でシステム化を検討する進め方が現実的です。
Q. 小規模な事業でも在庫管理システムは必要ですか?
A. 小規模であっても、欠品や棚卸のズレが繰り返し起きているなら、在庫管理システムの導入が有効です。逆に品目・出荷が少なく手作業で問題なく回っているなら、無理に導入する必要はありません。
近年は永年無料の枠や月額数千円台から始められるクラウド型サービスもあり、小規模でも導入のハードルは下がっています。自社の課題(欠品が多い・棚卸に時間がかかる・在庫を共有できない など)を解決できるかを基準に判断してください。
Q. 在庫管理の適正在庫はどうやって決めればよいですか?
A. 適正在庫は、需要のばらつきに備える安全在庫を土台に、発注から入荷までの期間(リードタイム)分の需要を見込んで決めます。勘に頼らず、日々の出庫量のデータをもとに計算式で基準を出すのが基本です。具体的な計算式と数値例は、本文の「適正在庫・安全在庫の求め方」で解説しています。需要の変動が大きい品目ほど安全在庫を厚めにし、動きの少ない品目は薄めにするなど、品目ごとの調整も必要です。
Q. 在庫管理の棚卸はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
A. 棚卸の頻度に決まった正解はありませんが、全品目を一斉に数える一斉棚卸は年1〜2回が一般的で、重要な品目はより頻繁に循環棚卸で確認するのが効果的です。一斉棚卸だけだと確認の間隔が空き、その間に生じた差異に気づきにくくなります。売上や出庫金額の大きいAランクの品目だけでも、区画や品目を分けて日常的に少しずつ数える循環棚卸を取り入れると、帳簿と実物のズレを早く発見できます。
Q. 在庫管理と在庫管理システムの違いは何ですか?
A. 在庫管理は在庫を適正に保つための業務そのものを指し、在庫管理システムはその業務を効率化するためのツールを指します。在庫管理は手書きやExcelでも行えますが、在庫管理システムを使うと、バーコードやスマートフォンで入出庫をその場で記録でき、在庫数がリアルタイムに更新され、複数人・複数拠点での共有や会計・受発注ソフトとの連携も可能になります。
「何をするか(在庫管理)」と「何を使ってするか(在庫管理システム)」の関係にあると整理すると分かりやすいでしょう。
在庫管理に役立つサービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、在庫管理や購買管理に役立つ法人向けサービスの最新資料を無料で一括請求できます。料金や機能、サポート体制を比較して、自社に合う運用の検討にお役立てください。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















