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中国向け越境ECの始め方|参入方法5つを比較|決済・物流・税制まで解説

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越境EC支援比較表(2026年版)

自社の商品を中国の消費者にネットで販売したいと考えても、どのルートで参入すればよいのか、全体像をつかむのは簡単ではありません。中国のEC市場は世界最大規模で、化粧品や食品など日本の消費財にも根強い需要があります。一方で、モール出店・自社EC構築・代行委託・WeChatミニプログラムなど入り方は多岐にわたり、決済や物流、税制の仕組みも日本とは異なります。

本記事では、中国向け越境ECの主な参入方法5つを横並びで比較し、それぞれの概要や向いている事業者を整理します。あわせて、市場規模、Alipay・WeChat Payなどの決済、保税区・直送の物流、行郵税・越境EC総合税といった税制の前提も解説します。

各ルートの違いを押さえれば、自社の予算やブランド認知度に合った現実的な第一歩が見えてきます。中国市場への参入を検討するうえでの判断材料としてご活用ください。

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中国向け越境ECの参入方法5つ|まず全体像をつかむ

中国向け越境ECの参入方法は、大きく5つに整理できます。まずは全体像を一覧で確認し、それぞれの中身と向き不向きをつかんでいきましょう。

参入方法概要初期投資立ち上げスピード向いている事業者
主要モール出店中国の越境ECモールに出店して販売する大きめ中ブランド認知度があり、本格的に展開したい事業者
自社ECサイトの構築多言語・多通貨に対応した自社の越境ECサイトを構築する大きめ遅め自社ブランドの世界観を作り込みたい事業者
代行業者への委託物流・CS・運用を一括代行する専門会社にまとめて任せる中程度速め社内にノウハウがなく、まず始めたい事業者
WeChatミニプログラムWeChat(微信)のアプリ内で動く店舗を構築する中程度中WeChat上の顧客接点・リピート購入を重視する事業者
ライブコマース・KOL影響力のある発信者やライブ配信を通じて販売する企画次第企画次第SNSでの拡散・話題化を狙う事業者

初期投資や立ち上げスピードは一般的な傾向を示したもので、具体的な金額や期間は出店条件・代行会社のプラン・企画内容によって変わります。ここからは、5つのルートを順に見ていきます。

主要モール出店(天猫国際・京東国際・拼多多)

天猫国際や京東国際といった中国の越境ECモールに出店し、モールの集客力を活用して販売する方法です。すでに多くの消費者が利用しているため、認知の立ち上げを一から行う必要がない点が利点になります。

一方で、出店のハードルは低くありません。JETROは、通販サイトへの出店には各サイト側の出店規定があり、企業規模や保証額などの条件が設けられていると説明しています。本格展開を見据えたブランド向けのルートといえます。

出典・参考資料(1件)

自社ECサイトの構築

モールに頼らず、自社で越境EC向けのサイトを構築して販売する方法です。多言語・多通貨対応や国別のサイト構成を自社の方針で設計でき、ブランドの世界観をそのまま表現しやすくなります。

ただし、サイトの構築・保守や集客を自社で担う必要があり、相応の体制が求められます。すでに自社ECの運営経験があり、独自の顧客体験を重視したい事業者に向いています。

代行業者への委託

出店手続き・運営・物流・税制対応までを越境EC代行会社にまとめて任せる方法です。中国向けの実務に不慣れでも外部のノウハウを借りて早く立ち上げられ、社内の手間を抑えられる一方、委託費はかかります。

委託範囲や費用は代行会社によって幅があるため、自社がどこまで任せたいかを整理したうえで選ぶのが現実的です。まず小さく始め、実績を積んでから内製化を検討する進め方もあります。

WeChatミニプログラム

WeChat(微信)は中国で広く使われているメッセージアプリで、その中で動く軽量アプリが「ミニプログラム」です。利用者は別のアプリをインストールせず、WeChat内で店舗にアクセスして買い物ができます。

WeChat上で顧客とのつながりを保ちやすく、リピート購入やキャンペーンにつなげやすい点が特徴です。効果を出すにはWeChat運用を続けられる体制が前提で、普段からWeChatでの顧客接点を重視したい事業者に適しています。

ライブコマース・KOL

KOL(Key Opinion Leaderの略。中国で影響力を持つ発信者)やライブ配信を通じて商品を紹介し、販売につなげる方法です。抖音(Douyin)や小紅書(RED)などのプラットフォーム上で、動画や配信から購入へ直接つなげます。

ライブコマース・KOLは単独の販売チャネルにも、他の参入方法と組み合わせる販促手段にもなります。成果は企画や起用する発信者に左右されますが、SNSの拡散力で短期間に話題を作りたい事業者に向きます。

中国の主要ECモール早見(天猫国際・京東国際・拼多多・抖音)

モール出店を検討する際は、どのモールがどの事業者の運営で、どんな層に強いかを把握しておくと判断しやすくなります。主要なプラットフォームを早見表にまとめました。

次の表のシェアは越境EC専用ではなく、中国EC市場全体における事業者ベースのシェア(2024年、経済産業省報告書・原データeMarketer)です。天猫国際のシェアはアリババグループ全体の数値で、上位4社で全体の87.0%を占めます。

モール(運営事業者)位置づけ・特徴(越境EC出店目線)中国EC市場全体での存在感の目安(越境EC専用シェアではない・2024年)
天猫国際(アリババグループ)幅広いジャンルを扱う総合型。ブランド向けで出店ハードルは高めアリババグループ 39.8%
京東国際(京東/JD.com)自社物流に強み。家電・電子製品の取り扱いが中心京東 16.5%
拼多多(Pinduoduo)共同購入を軸にした低価格志向。価格競争力が問われる拼多多 16.4%
抖音(Douyin/ByteDance)短尺動画・ライブコマースを起点に購買へつなぐ抖音 14.3%

モールごとに得意な層や扱うジャンル、出店のハードル感が異なるため、自社の商材と相性のよいモールを見極めることが大切です。抖音はライブコマースの起点にもなり、後述のライブコマース施策とあわせて検討できます。

出典・参考資料(1件)

なぜ中国市場か|市場規模・EC化率

参入方法を検討する前提として、中国市場の大きさを数字で押さえておくと、社内での説明にも役立ちます。経済産業省の市場調査報告書(令和6年度、2025年8月公表)から、主要な数値を確認します。

同報告書によると、2024年の中国のEC市場規模は3兆672億USドルで、前年比8.3%の増加と推計されています。EC化率(小売に占めるEC の割合)は50.1%で世界1位であり、2位の英国(30.7%)を大きく上回ります。

このうち2024年の越境EC市場規模は1,773億USドルで、前年比7.4%増と見られています。日本事業者にとっても身近な規模で、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆6,372億円(前年比8.5%増)と公表されています。

出典・参考資料(2件)

中国ECの特徴(ライブコマース・KOL・OMO・独身の日)

中国のECは、日本とは購買行動や商習慣が異なります。参入方法を考えるうえで、どんな市場なのかを現象として押さえておきましょう。

第一に、KOLによるライブコマースが購買に直結しやすい点が挙げられます。発信者の紹介や実演がそのまま購入につながる文化が根づいており、販促の重要な入口になっています。

第二に、OMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)が進んでいます。店舗とアプリを横断した購買体験が一般的で、オンライン単独で完結しない流れが広がっています。

第三に、独自のセールイベントで需要が高まります。11月11日の「独身の日(W11)」や6月の「618商戦」など大型セールの時期には購買が集中するため、在庫や販促の計画にも影響します。

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中国向け越境ECの決済手段(Alipay・WeChat Pay・銀聯)

中国の消費者に商品を届けるには、現地で使われている決済手段への対応が欠かせません。日本と決済事情が大きく異なるため、前提を押さえておきましょう。

JETROによると、中国国内では「支付宝」(Alipay)、「微信支付」(WeChat Pay)などのスマートフォン向けオンライン決済を使うことがほとんどで、クレジットカードの利用は一般的ではないとされています。カード系では、銀聯(UnionPay)がクレジット・デビットカードのブランドとして広く普及しています。

日本の事業者がこれらの決済を受け取るには、現地決済手段に対応した越境EC向けの決済サービスを利用するのが一般的です。各決済手段には手数料が発生し、着金する金額が支払金額を下回る場合がある点にも注意が必要です。

出典・参考資料(1件)

越境ECで使える決済手段ごとの違いや、Alipay・WeChat Payなどに対応する決済代行会社をさらに詳しく比較したい場合は、次の記事に決済手段と対応会社がまとまっています。

物流の2モデル|保税区モデルと直送モデル

中国向け越境ECの物流は、大きく「保税区モデル」と「直送モデル」の2つに分かれます。保税区(ほぜいく)とは、関税の課税を保留したまま商品を保管できる区域のことです。どちらを選ぶかで配送スピードや初期投資が変わります。

中国向け越境ECの物流モデルと適用税制の対応を示した図解。保税区モデル(保税区倉庫へ事前輸送し注文後に現地出荷)には越境EC総合税が、直送モデル(注文ごとに日本から直接発送)には行郵税が関わることを2つの流れで示す。
項目保税区モデル直送モデル
仕組み杭州・鄭州などの保税区倉庫へ事前にまとめて輸送しておき、注文後に出荷する注文ごとに日本から直接発送する
配送スピード速い(倉庫から国内配送)時間がかかる(国際配送)
初期投資倉庫への事前輸送が必要で、相対的に大きい在庫を持たずに始められ、抑えやすい
向くフェーズ販売量が見込め、人気商品を素早く届けたいフェーズまず小さくテストしたい初期フェーズ
適用される税制越境EC総合税行郵税

販売実績に応じて、直送モデルから始めて保税区モデルへ段階的に移行する進め方もよく見られます。自社の販売見込みと配送スピードへの要求を照らし合わせて選ぶとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

中国向け越境ECの規制・税制

規制や税制は、中国向け越境ECでつまずきやすい論点です。税率や免税枠、取り扱える商品、守るべき法律について整理します。

行郵税と越境EC総合税

税制は物流モデルと対応しており、直送モデルには「行郵税(こうゆうぜい)」、保税区など登録プラットフォーム経由の購入には「越境EC総合税」が関わります。越境EC総合税は、JETROでは「電商総合税」と表記され、一部の記事では「越境EC電商税」とも呼ばれますが、以下「越境EC総合税」と表記します。まず両者を対比表で確認します。

項目行郵税越境EC総合税
主な適用場面直送方式での個人向け郵送など登録プラットフォーム経由でポジティブリスト対象商品を購入する場合
免税枠行郵税額が50元以下の場合は免税1回5,000元以下かつ年間26,000元以下で関税0%
税率の考え方商品別に13%・20%・50%の3段階(一部薬品等は3%の例外)関税0%、増値税(中国の付加価値税)・消費税を法定額の70%に軽減
上限を超えた場合個人消費用の範囲を超えると一般貿易として課税される限度額を超えると一般貿易として通常税率が課される

税率と免税枠の根拠は、JETROが中国財政部・税関総署の通知等をもとに次のように整理しています。まず越境EC総合税の優遇措置についてです。

1ユーザーの取引上限額が1回あたり5,000元以下で、かつ年間での購入総額が26,000元以下の場合、関税率を0%、増値税、消費税をそれぞれ法定額の70%とする優遇措置を受けられます。

出典:中国における越境ECの概要と留意点:中国向け輸出|JETRO(jetro.go.jp)

次に、直送方式に適用される行郵税についてです。税率は3段階に分かれ、少額の場合は免税となります。

行郵税の税率は一部薬品などの特殊品目などは3%という例外はありますが、2019年4月9日以降商品別に50%、20%、13%の3段階に分けられています(税関総署公告2019年第63号、2019年4月9日施行)。なお、⾏郵税額が50元以下の場合は、免税となります。

出典:中国における越境ECの概要と留意点:中国向け輸出|JETRO(jetro.go.jp)

越境EC総合税の税率を「◯%」と一律の数値で示す解説も見られますが、増値税の標準税率は2019年4月に引き下げられており、古い税率を前提にした数値が残っている場合があります。本記事では確定の割合ではなく、「関税0%・増値税/消費税を法定額の70%」という仕組みで押さえておくのが正確です。

ポジティブリストと商品規制・認証の確認先

ポジティブリスト(正式には「越境電子商務小売り輸入リスト」)とは、越境ECで優遇税制を受けながら輸入できる品目を国務院が列挙したリストです。自社の商材が中国で売れるかを見極める出発点になります。

JETROは、このリストに掲載された商品のみが越境ECの優遇措置(越境EC総合税)を受けられると説明しています。現行のリストは2019年12月24日に発表され、2020年1月1日から実施、2022年の公告で一部が変更されています。

リスト掲載品は、一般貿易で求められる検査基準を満たさなくても輸入できる場合があります。一方、リストに含まれないなど要件を満たさない場合は、原産地証明書や成分表の提出、要件を満たした中国語ラベルの作成などが必要になります。化粧品や保健機能食品(サプリメント)は、国家の関連部門による許認可の事前取得が求められる点にも注意が必要です。

どこで確認すればよいかも押さえておきましょう。リストの公開元は国務院、優遇の可否を判断するのは中国税関です。日本語での整理や関連資料へのリンクはJETROの該当ページにまとまっているため、まずはそこを起点にするのが効率的です。

出典・参考資料(1件)

中国電子商取引法の遵守義務

中国で越境ECを行う事業者は、「中華人民共和国電子商取引法」(電子商務法、2019年1月1日施行)の遵守が求められます。この法律は、越境ECにも適用されることが条文で明文化されています。

第二十六条 電子商取引経営者はクロスボーダー電子商取引に従事する場合、輸出入監督管理の法律、行政法規及び国の関連規定を遵守しなければならない。

出典:中華人民共和国電子商取引法(JETRO仮訳)|JETRO(jetro.go.jp)

具体的な義務としては、市場主体登記(営業許可、第十条)や納税(第十一条)、営業許可証情報などをホームページの目立つ位置に継続して公示すること(第十五条)が定められています。消費者保護に関する規定も含まれ、営業許可証の取得・納税・品質基準・中国語での情報提供といった対応は、いずれもこの法律に根拠づけられます。

出典・参考資料(1件)

自社はどのルートから始めるべきか|予算・ブランド認知度別の第一歩

ここまでの参入方法・物流・税制を踏まえ、自社の第一歩をどう選ぶかを整理します。唯一の正解があるわけではないため、比較表の向き不向きを手がかりに、自社の状況に当てはめて判断してください。

すでにブランド認知度があり、本格的に展開したい場合は、天猫国際・京東国際などへのモール出店が候補になります。ただし出店には企業規模や保証額などの条件があるため、要件を満たせるかを早い段階で確認しておくと安心です。

初期投資を抑えて小さく試したい場合は、直送モデルでの発送と、出店・運営をまとめて任せられる代行委託の組み合わせが現実的です。WeChatミニプログラムを使い、WeChat上の顧客接点から育てていく進め方もあります。

自社ブランドの世界観を重視するなら自社ECサイトの構築、SNSでの拡散を狙うならライブコマース・KOLの活用が向きます。まず小さく始めて実績に応じて広げる段階的な進め方もあり、物流面の移行は前述の保税区・直送の節が参考になります。

「まず代行に任せて始めたい」と考えた場合、越境EC代行会社は構築中心・運営代行・特化型などで対応範囲が分かれ、費用相場にも幅があります。どの代行をどう選べばよいかは、次の記事で費用相場や選び方の観点とあわせて整理しています。

どのルートを選ぶにせよ、越境ECを始めてからどれくらいで成果が見込めるかは気になるところです。越境ECサイトの構築を手がける株式会社マルウェブは、成果が出るまでの期間について次のように述べています。

株式会社マルウェブ 代表取締役
前山和範氏
独自インタビューより

台湾向けや中国向けなど越境ECの場合、一律に「何カ月で成果が出る」とは言えません。既存のブランド認知や顧客基盤、広告・SNSなどの集客施策、現地での運用体制によって大きく変わるためです。システム面では、公開直後から運用効率化などの効果が出るケースもあります。一方で売上や集客については、公開後のデータを見ながら継続的に改善していくことが重要だと考えています。

成果までの期間は条件次第ですが、公開後のデータを見ながら改善していく前提で計画を立てると、始めてからの見通しが描きやすくなります。

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【解決策】中国向け越境ECを支えるサービス

参入ルートの見取り図がつかめたら、店舗構築や決済を担うサービスを検討する段階です。ここで扱うのはWeChat上の店舗構築・自社EC構築・中国向け決済の3領域で、モール出店や代行委託は別記事で扱います。まずは比較表で全体像を確認してください。

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サービス名WeChatミニプログラムFor中国越境ECMagento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援KOMOJU(コモジュ)
担う参入ルートWeChatミニプログラム自社ECサイト構築各ルート共通の決済基盤
主な対応領域WeChat内のEC店舗構築・運営
販促・CRM・越境物流連携
現地CS代行
多言語・多通貨の越境ECサイト
構築・リニューアル・保守
(BtoB対応)
国内外65種類以上の決済を
1つのAPIで導入
(対応通貨20種)
中国向け決済対応WeChat PayAlipay・WeChat Pay
(過去の構築事例で実装)
Alipay・WeChat Pay・銀聯(UnionPay)
料金要お問い合わせ要お問い合わせ初期・月額0円
(決済手数料のみ)
提供形態ミニプログラム構築・運営支援
(Weimob代理店)
受託でのEC構築・開発決済プラットフォーム
(ノーコード/API連携)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見る

WeChatミニプログラムFor中国越境EC(株式会社マルウェブ)

WeChatミニプログラムFor中国越境ECのウェブサイト

WeChat(微信)のアプリ内で動く「ミニプログラム」として、中国向けのEC店舗を構築できるサービスです。株式会社マルウェブが、香港上場企業の微盟(Weimob)との代理店契約に基づいて提供しています。

管理画面はドラッグアンドドロップのページエディターを備え、商品登録・注文/出荷管理・CRM・チャットでのCS対応までを一通りまかなえます。グループ購入(拼団)・会員プログラム・タイムセール・クーポン・ライブコマース配信など、中国で効果的な販促機能も揃っています。

決済はWeChat Payに対応し、売上は日本円建てで最低月1回振り込まれます。越境物流は国際物流パートナーと連携し、倉庫保管型・注文都度発送型のいずれにも対応できる点が実務上の利点です。現地の利用規約・プライバシーポリシーの整備や現地CS代行にも対応し、販売開始までの期間は約1〜3ヶ月とされています。15日間のトライアルが用意され、料金は要お問い合わせです。

Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援のウェブサイト

Magento(Magento Open Source)とAdobe Commerceを用いて、多言語・多通貨に対応した越境ECサイトを新規構築・リニューアルする受託サービスです。提供元の株式会社マルウェブはAdobe Commerce認定パートナー(Bronze)で、日本側でのディレクションとベトナム拠点の開発を組み合わせた体制を取っています。

要件定義から設計・開発・デザイン調整・保守運用までを一貫して支援し、多言語・多通貨や国別サイトの構成にも対応します。取引先別価格・見積依頼・承認フローといったBtoB向けの機能も設計できるため、法人取引を含むサイト構築にも向いています。

中国向けには、過去の構築事例でAlipay・WeChat Payの決済機能や、中国語表記・現地向けのデータ入出力といった実装が確認できます。あくまでサイトの構築・開発を担うサービスで、販売運営や輸出手続きの代行は含みません。料金は構築内容や連携範囲に応じた個別見積もりで、要お問い合わせです。

中国向けのサイト構築が具体的にどこまでを含むのか、提供元の株式会社マルウェブは過去の構築事例を次のように説明しています。

株式会社マルウェブ 代表取締役
前山和範氏
独自インタビューより

一例として、中国向けECをMagentoで構築した案件では、受注・決済・出荷・アフターサービスまでを一つのEC基盤で整備し、中国の消費者向けにUIや運用をローカライズしました。単にECサイトを公開するだけでなく、正規の販売ルートと購入後のサポートまで含めた販売基盤を構築できたことが、大きな成果だと考えています。

KOMOJU(コモジュ)(株式会社KOMOJU)

KOMOJU(コモジュ)のウェブサイト

国内外65種類以上の決済手段を1つのAPIで導入できる決済プラットフォームです。株式会社KOMOJUが提供し、中国のAlipay・WeChat Pay・銀聯(UnionPay)を含む現地決済に対応します。

対応通貨はCNY(人民元)やJPY、USDなど20種類にのぼり、越境ECで必要になる現地決済を幅広くカバーします。初期費用・月額費用はかからず、コストは決済手数料のみというシンプルな料金体系が特徴です。入金サイクルは月次または週次から選べます。

Shopify・WooCommerceなどの主要ECプラットフォームにノーコードで導入でき、自社サイトへのAPI連携や決済リンクにも対応します。決済手段ごとの手数料率は公式ページで公開されているため、導入前に対応通貨とあわせて確認するとよいでしょう。

まとめ

中国向け越境ECの参入方法は、主要モール出店・自社ECサイト構築・代行委託・WeChatミニプログラム・ライブコマースの5つです。初期投資や向く事業者が異なるため、横並びの比較で自社に合うルートの当たりをつけるのが第一歩です。

あわせて市場規模・決済(Alipay・WeChat Pay)・物流(保税区・直送)・税制(行郵税・越境EC総合税)やポジティブリスト・電子商取引法を押さえ、税率は確定の割合ではなく仕組みで理解しておくと検討がスムーズです。自社の予算とブランド認知度に合わせて現実的な第一歩を選びましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 中国向け越境ECとは何ですか?

A. 中国向け越境ECとは、日本など中国国外の事業者が、インターネットを通じて中国の消費者へ商品を直接販売する取引です。中国国内に現地法人や店舗を持たなくても、主要ECモールへの出店・自社ECサイト・代行委託・WeChatミニプログラム・ライブコマースといった複数の入り方で参入できます。商品は保税区倉庫や国際直送で届け、Alipay・WeChat Payなどの現地決済で代金を受け取ります。

Q. 中国向け越境ECにはどんな参入方法がありますか?

A. 中国向け越境ECの参入方法は、主要モール出店・自社ECサイト構築・代行業者への委託・WeChatミニプログラム・ライブコマース(KOL)の5つに整理できます。ブランド認知度があり本格展開したいならモール出店、世界観を作り込みたいなら自社ECが向きます。ノウハウがなくまず始めたいなら代行委託、WeChat上の顧客接点重視ならミニプログラム、SNSでの拡散を狙うならライブコマースが候補です。

それぞれ初期投資や向く事業者が異なるため、横並びで比べて自社に合うルートの当たりをつけるのが第一歩です。

Q. 中国向け越境ECはどの参入方法から始めるのがおすすめですか?

A. 中国向け越境ECの始め方に唯一の正解はなく、自社のブランド認知度と予算に合わせて選ぶのが現実的です。すでにブランド力があり本格展開したい場合は天猫国際・京東国際などへのモール出店、ノウハウがなくまず小さく試したい場合は直送モデルでの発送と代行委託の組み合わせが入りやすい選択肢になります。

直送や代行で実績を積んでから保税区モデルやモール本格出店へ広げる段階的な進め方も有効です。

Q. 中国向け越境ECの初期費用はどれくらいかかりますか?

A. 中国向け越境ECの初期費用は、選ぶ参入ルートによって幅が大きく、一律の金額では示せません。モール出店は企業規模や保証額などの出店条件が設けられており(JETRO)、代行委託やWeChatミニプログラムの費用は各社のプランで異なります。一方、直送モデルは在庫を持たずに始められるため初期投資を抑えやすく、まず小さくテストしたい事業者に向いています。

費用を比べる際は、出店条件・代行範囲・物流モデルをセットで確認するとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

Q. 中国の越境EC市場はどれくらいの規模ですか?

A. 中国の越境EC市場は世界最大規模で、2024年の越境EC市場規模は1,773億USドル(前年比7.4%増)と推計されています。中国のEC市場全体では3兆672億USドル、EC化率は50.1%で世界1位です(いずれも経済産業省の市場調査報告書、原データeMarketer)。

中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆6,372億円(前年比8.5%増)と公表されており、日本の事業者にとっても身近で、成長が続く市場といえます。

出典・参考資料(2件)

Q. 保税区モデルと直送モデルは何が違いますか?

A. 中国向け越境ECの物流は、保税区モデルが「倉庫へ事前にまとめて輸送し注文後に現地から出荷する方式」、直送モデルが「注文ごとに日本から直接発送する方式」という点で異なります。保税区モデルは配送が速い反面、倉庫への事前輸送が必要で初期投資は相対的に大きく、直送モデルは在庫を持たず抑えやすい一方、国際配送のため時間がかかります。

適用される税制も異なり、保税区モデルは越境EC総合税、直送モデルは行郵税が関わります。販売実績に応じて直送から保税区へ段階的に移行する進め方もよく見られます。

Q. 行郵税と越境EC総合税はどう違いますか?

A. 両者は適用される場面が異なり、直送方式には行郵税、保税区など登録プラットフォーム経由でポジティブリスト対象商品を購入する場合には越境EC総合税が関わります。行郵税は行郵税額が50元以下なら免税で、税率は商品別に13%・20%・50%の3段階です(一部薬品等は3%の例外)。

越境EC総合税は1回5,000元以下かつ年間26,000元以下であれば、関税0%、増値税・消費税を法定額の70%に軽減する優遇措置が受けられます。また、越境EC総合税の税率を一律の「◯%」で示す解説もありますが、古い増値税率を前提にした数値が残っている場合があるため、確定の割合ではなく仕組みで押さえるのが正確です。

出典・参考資料(1件)

Q. 中国向け越境ECで扱える商品に制限はありますか?(化粧品・食品)

A. 中国向け越境ECで優遇税制を受けて輸入できるのは、国務院が公開する「ポジティブリスト(越境電子商務小売り輸入リスト)」に掲載された品目に限られます。リスト掲載品は一般貿易で求められる検査基準を満たさなくても輸入できる場合がある一方、含まれない商品は原産地証明書・成分表の提出や、要件を満たした中国語ラベルの作成などが必要になります。

化粧品や保健機能食品(サプリメント)は、国家の関連部門による許認可の事前取得が求められる点にも注意が必要です。掲載の可否を判断するのは中国税関で、確認はJETROの該当ページを起点にすると効率的です。

出典・参考資料(1件)

Q. 中国向け越境ECではどんな決済手段に対応すればよいですか?

A. 中国向け越境ECでは、Alipay(支付宝)・WeChat Pay(微信支付)といったスマートフォン向けモバイル決済への対応が欠かせません。中国国内ではクレジットカードの利用は一般的ではなく(JETRO)、銀聯(UnionPay)はカードブランドとして広く使われています。日本の事業者がこれらの決済を受け取るには、現地決済に対応した越境EC向けの決済サービスを利用するのが一般的です。

各決済手段には手数料が発生し、着金する金額が支払金額を下回る場合がある点にも留意しましょう。

出典・参考資料(1件)

Q. 中国電子商取引法ではどんな対応が求められますか?

A. 中国向け越境ECを行う事業者には、「中華人民共和国電子商取引法」(2019年1月施行)の遵守が求められます。同法は第二十六条で越境EC(クロスボーダー電子商取引)への適用を明文化しており、具体的には市場主体登記(営業許可)や納税、営業許可証情報などをホームページの目立つ位置に継続して公示することなどが定められています。

営業許可証の取得・納税・品質基準・中国語での情報提供といった対応は、いずれもこの法律に根拠づけられます。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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