従業員向けのセキュリティ教育を任されたものの、教材をゼロから作る時間もノウハウもなく、「まずは無料で使えるものから始めたい」と考える担当者は少なくありません。情報システムや総務・人事が兼任で進めるケースも多く、何を・誰に・どう教えればよいか迷いがちです。
実は、IPA(情報処理推進機構)や国家サイバー統括室、総務省などの公的機関は、企業の社内教育にそのまま使える教材・資料を無料で公開しています。動画やハンドブック、スライド、理解度チェックまで形式もさまざまで、提供元と入手先さえ分かれば今日からでも研修に活用できます。
本記事では、無料で使えるセキュリティ教育の教材・資料を提供元・形式・対象者・入手先リンクつきで一覧にまとめ、誰にどのテーマを教えるかの選び方、社内で教育を進める手順を整理します。あわせて、無料教材だけでは難しい受講管理や毎年の更新をどう補うかと、継続運用まで任せられるeラーニング・研修サービスの比べ方も解説します。
目次
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無料で使えるセキュリティ教育の教材・資料まとめ
まずは、社内のセキュリティ教育にそのまま使える無料教材を一覧で確認します。ここで挙げるのは、提供元が公式に無料で公開しており、企業の研修でも利用できる教材・資料です。自社の状況に近いものから入手し、研修の素材として活用してください。
無料で使える主な教材・資料の一覧
IPA(情報処理推進機構)をはじめ、国家サイバー統括室・総務省・業界団体のほか、セキュリティ製品を手がける民間企業も、解説書・動画・スライド・理解度チェックなどを無料で公開しています。入手先は各提供元の公式ページです。
| 教材・資料名 | 提供元 | 形式 | 主な対象 | 入手先 |
|---|---|---|---|---|
| 情報セキュリティ10大脅威 2026 | IPA(情報処理推進機構) | 解説書・プレゼンスライド(PDF/PowerPoint) | 経営層・全社員(組織編) | 公式ページ |
| 映像で知る情報セキュリティ | IPA | 動画(YouTube) | 全社員・新入社員 | 公式ページ |
| 5分でできる!情報セキュリティポイント学習 | IPA | 学習コンテンツ(PDF) | 中小企業の従業員・経営者・管理者 | 公式ページ |
| セキュリティインシデント対応机上演習教材 | IPA | 演習教材(PowerPoint+実施マニュアル) | 情報システム・インシデント対応担当 | 公式ページ |
| 一般初心者向け情報セキュリティ教材 | IPA | スライド(PowerPoint・QA形式) | IT初心者・新入社員 | 公式ページ |
| 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン | IPA | ガイドライン(PDF)・自社診断 | 中小企業の経営者・担当者 | 公式ページ |
| ここからセキュリティ!(情報セキュリティ・ポータルサイト) | IPA(官民ボード運営) | Webポータル | 全般(教材・相談窓口の入口) | 公式ページ |
| インターネットの安全・安心ハンドブック(中小企業等向け抜粋版あり) | 国家サイバー統括室(NCO/旧NISC) | PDF/ePUB/デジタルブック | 全社員・中小企業 | 公式ページ |
| テレワークセキュリティガイドライン/チェックリスト | 総務省 | テレワーク実施企業の担当者 | 公式ページ | |
| 国民のためのサイバーセキュリティサイト | 総務省 | Webコンテンツ(対象者別) | 全社員〜経営層 | 公式ページ |
| 個人情報管理の重要性(社内教育用参考資料) | JIPDEC プライバシーマーク推進センター | PDF+PowerPointひな型 | 全社員(個人情報の取扱い) | 公式ページ |
| 撃退!迷惑メール(迷惑メール対策BOOK) | 日本データ通信協会 迷惑メール相談センター | PDF(第20版) | 全社員 | 公式ページ |
| 情報セキュリティ 理解度セルフチェック | JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会) | オンライン診断(全25問) | 全社員(理解度測定・組織向け無償枠あり) | 公式ページ |
| サイバーセキュリティハンドブック(教育コンテンツ一式) | エムオーテックス株式会社 | ハンドブックPDF・編集できる資料・動画・テスト・ポスター | 全社員(講師用資料あり) | 公式ページ |
どの教材を誰に使うかは、次の章で対象者別に整理します。まず全社に広く配るなら、短時間で視聴できる動画教材から始めると取り組みやすいでしょう。資料・動画・理解度テストが一式そろった民間提供の教材を使えば、教材を個別に集めずに研修の一通りを組み立てられます。
無料教材を使うときの利用条件の確認
無料教材の多くは社内の非営利な研修で利用できますが、そのままの販売・再配布の可否や、内容を改変してよいかは教材ごとに利用規約が異なります。使う前に各配布元の利用条件を確認してください。たとえばIPAの机上演習教材は、営利目的での利用や販売・配布は禁止される一方、カスタマイズは認められています。
著作権はIPAに属します。営利目的での利用は不可、そのままの内容での販売や配布は禁止します。
出典:セキュリティインシデント対応机上演習教材|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
教材のカスタマイズは可能です。
国家サイバー統括室の「インターネットの安全・安心ハンドブック」は、内容を改変しないことを条件に、幅広い形での活用を認めています。
本ハンドブックの著作権はNCOが保有しますが、サイバーセキュリティの普及啓発活動の範囲、かつ内容を改変しないことを条件に、多様な形でご活用いただくことができます。
出典:インターネットの安全・安心ハンドブック|国家サイバー統括室(NCO)
教材の選び方——誰に・どのテーマを教えるか
教材がそろっても、全員に同じ内容を一度に配るだけでは定着しにくいものです。ここでは、対象者と重点テーマの2つの軸で、どの教材をどう使い分けるかを整理します。自社の受講者層に当てはめて、使う教材を絞り込む際の参考にしてください。
対象者ごとに重点を変える
同じ情報セキュリティでも、立場によって起こしやすいリスクと必要な知識は異なります。対象者別に重点テーマと向いている教材の目安を示します。
| 対象者 | 全社員(共通) | 新入社員・IT初心者 | 管理職・経営層 | テレワーク勤務者 | 個人情報を扱う部門 |
|---|---|---|---|---|---|
| 重点を置くテーマ | 標的型攻撃メール・パスワード管理・情報の持ち出しルール | 端末やパスワードの基本的な扱い・SNSの注意点 | 組織としての脅威認識・インシデント発生時の判断 | 自宅・外出先での通信や端末の管理 | 個人情報の取扱いと漏えい防止 |
| 向いている無料教材の例 | 映像で知る情報セキュリティ(IPA) インターネットの安全・安心ハンドブック(NCO) | 一般初心者向け情報セキュリティ教材(IPA) 5分でできる!情報セキュリティポイント学習(IPA) | 情報セキュリティ10大脅威 2026 組織編(IPA) セキュリティインシデント対応机上演習教材(IPA) | テレワークセキュリティガイドライン/チェックリスト(総務省) | 個人情報管理の重要性(JIPDEC) |
公的機関の教材は、提供元自身が対象を示している場合があります。たとえばインターネットの安全・安心ハンドブックには、全体版のほかに「中小企業等向け抜粋版」が用意されており、規模や立場に合わせて選べます。教材ページに記載された対象の表記を確認し、受講者に合うものを選ぶと効果が高まります。
テーマは自社で起きやすいリスクから優先する
教えるテーマは、情報セキュリティ全般を網羅しようとするより、自社で起きやすいリスクから優先すると現場に届きやすくなります。メールを業務で多用する組織なら標的型攻撃メールと不審メールの見分け方を、顧客情報や個人情報を多く扱う組織なら情報の持ち出し・保管ルールを前に置く、といった具合です。
最新の脅威の傾向は、IPAが毎年公開する「情報セキュリティ10大脅威」で把握できます。前年からの順位の変化を見れば、いま重点的に教えるべきテーマの判断材料になります。
セキュリティ教育の進め方
教材と対象者が決まったら、社内教育を実際に回す段取りを組みます。一般的には、次の5つの流れで進めると、単発で終わらせずに運用に乗せやすくなります。
- テーマを選ぶ:前の章の優先順位に沿って、自社で起きやすいリスクからテーマを決めます。
- 対象者を決める:全社員・新入社員・管理職など、誰に受けてもらうかを決めます。
- 実施時期と頻度を決める:新年度や新入社員の入社時期、年1回の定期研修など、いつ・どのくらいの頻度で行うかを定めます。
- 実施方法を選ぶ:集合研修、動画やスライドの各自視聴、理解度チェックの組み合わせなどから、受講者の人数や勤務形態に合わせて選びます。
- 効果を測定する:JNSAの「情報セキュリティ理解度セルフチェック」や、IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」に含まれる「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を使うと、受講者自身が到達度を把握でき、組織としての弱点も見えてきます。
一度実施して終わりにせず、脅威の傾向や自社で起きた事例を踏まえて内容を見直し、毎年あるいは半期ごとに繰り返すことで、知識と意識が定着していきます。
無料教材だけでは回しきれないこと
無料教材は、研修の素材として十分に役立ちます。一方で、教材を配って終わりにできないのが社内教育の難しさです。受講者が増え、毎年続けていくと、素材を集めるだけでは手が回らない運用の負担が見えてきます。
とくに次のような点は、無料教材を集めて配布するだけでは手作業になりがちです。
- 誰が受講を終え、誰がまだかという受講状況の把握と、未受講者への督促
- 理解度テストの採点と、受講・修了の記録を証跡として残すこと
- 法改正や新しい脅威に合わせた教材の毎年の更新
- 自社のルールや過去に起きた事例を教材に反映すること
人数が少ないうちは表計算ソフトやメールで管理できても、対象者が数十名・数百名になると、受講状況の集計や督促だけでも相当な工数がかかります。研修を継続的・体系的に回したい場合は、こうした運用を仕組みで支える手段を検討する段階に入ります。
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受講管理・更新まで回すなら——eラーニング・研修サービスの使いどころ
受講状況の管理や修了の記録、教材の更新まで仕組みで回したい場合は、eラーニングや研修サービスの利用が選択肢になります。これらのサービスは、受講者ごとの進捗を管理画面で一元的に把握し、未受講者への督促や理解度テストの採点、受講・修了の記録までを自動化できます。情報セキュリティの教材があらかじめ用意され、法改正や新しい脅威に合わせて更新される点も、自前で教材を集め続ける負担を軽くします。
ここでは、情報セキュリティ教育を受講管理まで含めて継続的に回せるサービスを紹介します。それぞれ強みが異なるため、下記の比較表と各サービスの特徴を参考に、自社の運用に合うものを選んでください。
| サービス名 | OneCompliance | JMAM eラーニングライブラリ | CYAS | セキュリオ |
|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社Oyster | 日本能率協会マネジメントセンター | 株式会社CYLLENGE | LRM株式会社 |
| タイプ | コンプライアンス特化eラーニング | 定額制(受け放題)eラーニング | メール訓練+eラーニングの統合型 | 情報セキュリティ向上クラウド |
| 情報セキュリティ教材 | ●情報セキュリティ・個人情報保護法のコース | ●情報セキュリティ領域を複数コースで収録 | ●情報セキュリティ教材を配信(テーマ詳細は要お問い合わせ) | ●専門家監修のセキュリティ教材 |
| 標的型攻撃メール訓練 | × | × | ●100を超える文面テンプレート | ● |
| 受講管理・進捗 | ●進捗ダッシュボード・CSV出力・自動リマインド | ●必須/推奨コース設定・CSV出力 | ●受講者の進捗を確認 | ●受講管理・採点・結果集計の自動化 |
| 修了証 | 要お問い合わせ | ●自動発行 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 料金体系 | 受講者数に応じた課金(要お問い合わせ) | 初期費用0円/コンプライアンスeラーニングは100名 年396,000円〜(公式公開) | 無料プランあり/有料は利用通数に応じた従量課金(公式公開) | 3プラン(AR ライト/スタンダード/アドバンスト)/金額は要お問い合わせ |
| 無料トライアル・無料プラン | 無料トライアルあり | 無料トライアルあり | 無料プランあり(訓練・教育とも月10通まで・期限なし) | 無料トライアルあり(ARスタンダードで7日間) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の料金・機能は各社公式サイトでご確認ください。
ここからは、表に挙げた各サービスの特徴を順に紹介します。
1. OneCompliance(株式会社Oyster)

OneComplianceは、株式会社Oysterが運営するコンプライアンス領域に特化したeラーニングサービスです。法務・労務・ハラスメントと並んで「情報システム」領域に情報セキュリティ・個人情報保護法のコースを持ち、動画と文章の両方で学べます。1コンテンツを数分単位に区切るマイクロラーニング形式で、PC・スマートフォンのどちらでも受講できます。
管理者向けの機能が充実しており、受講者ごとの進捗をダッシュボードで一元管理し、CSVで出力できます。期限内に終わっていない受講者への自動リマインドや、各セッションの確認テストも備えています。自社の動画・PDFで独自コースを配信できるため、社内ルールや自社の事例を教材に反映しやすい点も特徴です。
コンテンツは弁護士・会計士などの専門家の監修のもとで作成され、法改正や社会の動きに合わせて継続的に更新されます。料金は受講者数に応じた体系で、具体額は要お問い合わせですが、本契約前に試せる無料トライアルが用意されています。
受講管理を仕組みで回したときの受講状況について、提供元は次のように述べています。

2. JMAM eラーニングライブラリ(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供する定額制のeラーニングサービスです。契約したライブラリ内のコースを、契約期間中は何度でも受講できます。このうち「コンプライアンスeラーニング」は、CSR・ビジネス法務・情報セキュリティ・ハラスメント防止・労務の5領域を体系的に学べる特別パッケージとして切り出されており、情報セキュリティも複数コースで扱います。
必須・推奨コースの設定やフォローメールの自動配信、受講状況のCSV出力といった受講管理の機能に加え、修了証の自動発行や、法令改正に合わせたコンテンツの自動アップデートに対応します。無料教材の弱点になりやすい「修了の記録」と「継続的な更新」を仕組みで補える点が利点です。
コンプライアンスeラーニングの料金は初期費用0円で、受講者100名の場合は年額396,000円(1名あたり月額換算330円)からと公式に公開されています。受講人数によって価格が変わるため、詳しい費用は問い合わせで確認できます。
3. CYAS(株式会社CYLLENGE)

CYAS(サイアス)は、標的型攻撃メール訓練と、eラーニングによる教育・理解度テストを1つの管理画面で実施できる総合セキュリティ教育サービスです。提供元は株式会社CYLLENGEです。管理者は訓練メールのテンプレートを選んで配信し、受講者の進捗を確認できます。
無料教材だけでは実施が難しい標的型攻撃メール訓練を、教育・理解度テストとあわせて回せる点が、自社で教材を集めて配る運用との違いです。料金面では、訓練・教育とも月10通までを期限なしで使える無料プランがあり、試しに始めやすい設計になっています。有料プランは利用通数に応じた体系で、公式サイトに料金表が公開されています。
4. セキュリオ(LRM株式会社)

セキュリオは、ISMS・プライバシーマーク取得のコンサルティングを本業とするLRM株式会社が提供する情報セキュリティ向上クラウドです。従業員向けのセキュリティ教育(eラーニング・標的型攻撃メール訓練)を主軸に、専門家が監修した教材の配信、受講管理、採点・結果集計の自動化に対応します。
教育機能に加えて、情報資産管理台帳・リスクアセスメント・内部監査・委託先のセキュリティ評価といった、ISMS・プライバシーマークの運用実務を支える機能を同じ基盤に備えている点が特徴です。認証の取得・運用まで視野に入れて、情報セキュリティ教育を継続的に回したい組織の選択肢になります。料金プランは3段階で、具体的な金額は要お問い合わせです。
ここで取り上げた4サービスのほかにも、情報セキュリティ教育に使えるeラーニングは数多くあります。教材を自社向けに用意する特化型と、幅広い研修をまとめて導入できる汎用型それぞれの選び方や費用相場まで含めて比較したい場合は、以下の記事が参考になります。
情報セキュリティ研修eラーニングを比較|特化型・汎用型の選び方と費用相場
全社員を集めた情報セキュリティ研修は、日程調整や会場確保に手間がかかり、受講できなかった従業員のフォローや理解度の記録管理も担当者の負担になりがちです。ランサムウェアや標的型攻撃メールの被害は年々深刻さを増しており、教育を後回しにできない状…
情報セキュリティに限らず、ハラスメントや労務なども含むコンプライアンス研修全般のeラーニングを、料金や教材テーマから広く比較検討したい場合は、以下の記事で選び方まで解説しています。
コンプライアンス研修eラーニングおすすめ比較29選!料金・教材テーマ・選び方を解説
コンプライアンス研修を全社員に行き渡らせたいのに、集合研修では日程調整や会場手配が追いつかず、受講記録の管理も煩雑になっていませんか。ハラスメント防止や情報セキュリティ、個人情報保護など扱うべきテーマは年々増え、法改正のたびに教材を作り直す…
まとめ
セキュリティ教育は、まずIPAや国家サイバー統括室、総務省などが公開する無料教材を使えば、費用をかけずに今日から始められます。対象者と自社で起きやすいリスクに合わせて教材を選び、テーマ選定から効果測定までの段取りを組めば、単発で終わらせずに運用へ乗せられます。
一方で、受講状況の管理や修了の記録、毎年の更新、自社事例の反映まで含めて継続的に回したい場合は、無料教材だけでは手作業の負担が大きくなります。そうした段階に入ったら、受講管理や更新を仕組みで支えるeラーニング・研修サービスの利用を検討するとよいでしょう。各サービスの料金や機能は、資料をまとめて取り寄せて比較するのが近道です。
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よくある質問(FAQ)
Q. セキュリティ教育の教材にはどのような種類がありますか?
セキュリティ教育の教材は、動画・ハンドブック(PDF)・プレゼンスライド・理解度チェックなど形式がさまざまで、公的機関や民間企業が無料で公開しているものが中心です。IPA(情報処理推進機構)・国家サイバー統括室・総務省などが、全社員向けから新入社員・経営層向けまで対象者別に教材を公開しています。
本記事では、提供元・形式・対象・入手先リンクを一覧表にまとめているので、自社の状況に近いものから入手して研修の素材に使えます。
Q. セキュリティ教育の教材は無料で使えますか?
セキュリティ教育の教材は、IPA・国家サイバー統括室・総務省などの公的機関が公開しているものを中心に、多くを無料で入手して社内研修に使えます。動画・ハンドブック・スライド・理解度チェックまで無償で公開されており、申込なしでダウンロードできる教材も少なくありません。一方で、受講状況の管理や修了の記録、毎年の更新まで仕組みで回したい場合は、有料のeラーニング・研修サービスが選択肢になります。
Q. 無料のセキュリティ教育教材は商用利用や社内配布ができますか?
無料のセキュリティ教育教材は、社内の非営利な研修での利用は認められることが多い一方、そのままの販売・再配布や改変の可否は教材ごとに利用規約が異なります。たとえばIPAのセキュリティインシデント対応机上演習教材は、営利目的での利用や販売・配布を禁じる一方でカスタマイズは認めています。
国家サイバー統括室の「インターネットの安全・安心ハンドブック」は、内容を改変しないことを条件に幅広い活用を認めています。このように条件は教材ごとに違うため、使う前に各配布元の利用条件を必ず確認してください。
Q. 新入社員向けにおすすめのセキュリティ教育教材はどれですか?
新入社員向けのセキュリティ教育には、IPAの「一般初心者向け情報セキュリティ教材」や「5分でできる!情報セキュリティポイント学習」など、端末やパスワードの基本から学べる教材が向いています。IT初心者でも理解しやすいQA形式のスライドや、1テーマ5分で学べる短時間のコンテンツが無料で公開されています。
まず基本を押さえたうえで、標的型攻撃メールの見分け方やSNSの注意点など、現場で起きやすいリスクへ広げていくと定着しやすくなります。
Q. セキュリティ教育はどのくらいの頻度で実施すべきですか?
セキュリティ教育の頻度に決まった基準はありませんが、新入社員の入社時や新年度などの節目に加え、年1回程度の定期研修として繰り返すのが一般的です。一度で終わらせず、脅威の傾向や自社で起きた事例を踏まえて内容を見直しながら、毎年あるいは半期ごとに実施すると、知識と意識が定着していきます。
いま重点的に教えるべきテーマは、IPAが毎年公開する「情報セキュリティ10大脅威」で前年からの変化を見ると判断の材料になります。
Q. 無料教材と有料のeラーニングは何が違いますか?
無料教材と有料のeラーニングの違いは、無料教材が研修の「素材」を提供するのに対し、有料のeラーニングは受講管理・修了の記録・教材の更新まで仕組みで回せる点にあります。無料教材は費用をかけずに始められる反面、誰が受講を終えたかの把握や未受講者への督促、法改正・新しい脅威に合わせた更新は手作業になりがちです。
対象者が数十名・数百名に増え、継続的・体系的に教育を回したい段階になると、eラーニング・研修サービスの利用が選択肢になります。
セキュリティ教育eラーニングの料金・資料を一括チェック
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















