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BYOD(私物端末の業務利用)とは?メリット・デメリットとセキュリティ対策・導入の進め方を解説

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テレワークや私物スマートフォンの業務利用が広がるなかで、「BYODで対応できないか」と上長から相談を受けた情報システム・総務の担当者は少なくありません。一方で、BYODという言葉自体の意味があやふやなまま、導入可否の判断を迫られる場面も増えています。

BYODは何の略で、何を指すのでしょうか。メリットだけでなく、セキュリティ上のリスクや、始めるときに何を決めておくべきかまで押さえておかないと、自社で採り入れてよいかを判断できません。

本記事では、BYODの意味から、メリット・デメリット、BYAD・CYOD・COPEなど他の端末利用形態との違い、セキュリティ対策、導入時のガイドラインに盛り込む項目、始め方までを、企業の情報システム・総務担当者が自社の判断に使える粒度で解説します。

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BYOD(私物端末の業務利用)とは

BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員が自分の私物端末(スマートフォン・パソコン・タブレットなど)を、会社の許可を得て業務に利用することを指します。総務省のガイドラインでは「個人所有端末を業務に利用すること」と定義されています。

BYOD Bring Your Own Devicesの略称。個人所有端末を業務に利用すること。

出典:テレワークセキュリティガイドライン(第5版)用語集|総務省

私物端末を使い慣れたまま業務に活用できるため、端末の調達コストを抑えつつ柔軟な働き方を実現する手段の一つです。ただし、会社が支給・管理する端末と違い、私物端末は会社が統制しきれない前提があるため、セキュリティ対策と運用ルールをセットで考える必要があります。

出所は以下のとおりです。

出典・参考資料(1件)

無断の私物利用(シャドーIT)との違い

BYODと混同されやすいのが「シャドーIT」です。シャドーITは、会社の許可や把握がないまま、従業員が私物端末や未承認のクラウドサービスを業務に使っている状態を指します。両者の違いは、ひとことでいえば「会社の許可・把握の有無」です。

私物端末の業務利用は、会社の許可・把握の有無で2つに分かれることを示す図。会社が利用の可否を評価しルールを決めて認め、会社が把握・管理できるものがBYOD。許可・把握がないまま私物端末や未承認クラウドを業務に使い、管理の目が届かない状態がシャドーIT。

BYODは、会社が利用の可否をあらかじめ評価し、ルールを決めたうえで私物端末の業務利用を認める形です。総務省のガイドラインも、私物端末の利用はリスクを評価したうえで可否を決める前提で書かれています。

個人所有端末を使用する場合、個人所有端末上にデータ保存が可能であることや、マルウェア対策ソフト等のインストールを強制できないなど、十分なセキュリティ統制が取れません。そのため、セキュリティインシデントが発生しうるリスクを認識し、このリスクが受容可能か評価をした上で、BYOD利用の可否を決定する必要があります。

出典:テレワークセキュリティガイドライン(第5版)|総務省

このように、同じ「私物端末の業務利用」でも、会社が把握・管理しているものがBYOD、把握できていないものがシャドーITです。BYODを認めるかどうか以前に、すでに社内でシャドーITが起きていないかを確認することが、安全な運用の出発点になります。

BYODが注目される背景と普及の現状

BYODが話題になる背景には、テレワークと私物端末の業務利用の広がりがあります。企業のテレワーク導入率は、2024年の総務省「通信利用動向調査」で47.3%でした。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に急速に普及し、2022年以降はやや減少傾向にあるものの、働く場所を選ばない働き方は定着しています。

日本のBYODの導入状況については、やや古い調査になりますが、2018年時点の総務省の調査で「BYODの許可」をしている企業の割合が、日本10.5%、米国23.3%、英国27.8%、ドイツ27.9%と報告されています。

この調査では、日本は他国に比べてBYODを含む先進的なICTの導入が進んでいないという文脈で示されていました。最新のBYOD導入率を示す公的な統計は見当たらないため、この数値はあくまで「2018年時点の傾向」として捉えるのが正確です。

出所は以下のとおりです。

出典・参考資料(2件)

BYODのメリット

ここからは、BYODを導入することで企業と従業員それぞれに生まれるメリットを整理します。私物端末を業務に使うことには、コスト面と働き方の両面で利点があります。

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視点企業従業員
主なメリット端末の購入・維持費用を抑えられる/テレワークや直行直帰など柔軟な働き方に対応しやすい/端末を追加調達せずにモバイル活用を始められる使い慣れた私物端末で作業できる/会社用と私物の2台持ちを避けられる/外出先やすきま時間に業務を進めやすい

ただし、端末の購入費を抑えられても、通信費や業務アプリの購入費を会社が補助すれば、その分は削減効果と相殺されます。削減の程度は従業員数や端末の種類によって変わるため、後述する費用負担のルールとあわせて全体で見積もることが大切です。

加えて、会社が私物端末の業務利用を正式に認めてルール化することは、無断利用(シャドーIT)を表に出し、会社が把握・管理できる状態に変える効果もあります。すでに私物スマートフォンで業務メールを見ているような実態があるなら、BYODとして可視化するほうがリスクを抑えやすくなります。

BYODのデメリット・リスク

メリットの裏側で、BYODには会社が支給する端末にはないリスクが伴います。もっとも大きいのは、情報漏えいにつながるセキュリティ面の不安です。総務省のガイドラインも、私物端末は会社が十分に統制できない点を指摘しています。

個人所有端末を使用する場合、個人所有端末上にデータ保存が可能であることや、マルウェア対策ソフト等のインストールを強制できないなど、十分なセキュリティ統制が取れません。

出典:テレワークセキュリティガイドライン(第5版)|総務省

具体的には、次のようなリスクが考えられます。抽象的な「情報漏えいリスク」で止めず、どんな場面で問題が起きるかまで想定しておくと対策を決めやすくなります。

  • 紛失・盗難による情報漏えい:私物端末を外出先で紛失すると、端末内の業務データや保存されたパスワードが流出するおそれがあります。
  • 安全でない通信経路の利用:カフェや空港の無料Wi-Fiなど、暗号化されていない回線で業務システムにアクセスすると、通信を盗み見られる可能性があります。
  • 無断のアプリ・クラウド利用(シャドーIT):会社が把握していないアプリやクラウドストレージに業務データを置くと、管理の目が届かなくなります。
  • 公私混在による労務管理の複雑化:私的な利用と業務が同じ端末で混ざり、勤務時間外の業務(いわゆる隠れ残業)の把握が難しくなります。
  • 従業員のプライバシーへの配慮:会社が私物端末を管理しようとすると、私的な情報との線引きが問題になり、従業員の理解を得にくくなることがあります。

これらのリスクは、後述するセキュリティ対策と運用ルールで抑えられます。「私物端末だから危険」で終わらせず、どこにリスクがあるかを特定し、対策とルールで管理できる状態をつくることが重要です。

出典・参考資料(1件)

BYODと他の端末利用形態(BYAD・CYOD・COPE・COBO)の違い

私物端末の業務利用を検討すると、BYADやCYOD、COPE、COBOといった似た用語に出会います。これらは「端末を誰が所有し、誰が選び、私的利用を認めるか」という観点で区別される利用形態です。自社にどの形が向くかを判断する材料として、違いを一覧で整理します。

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形態BYODBYADCYODCOPECOBO
正式名称と意味Bring Your Own Device。私物端末を業務に利用Bring Your Own Assigned Device。会社が仕様を指定し、本人が購入して業務に利用(学校では保護者が負担する形の通称として使われる。後述)Choose Your Own Device。会社が用意した候補から従業員が選んで使うCorporate Owned, Personally Enabled。会社支給端末の私的利用を一定の範囲で認めるCorporate Owned, Business Only。会社支給端末を業務専用に限定
端末の所有者従業員従業員(学校では保護者)会社会社会社
費用負担(端末代・通信費)原則は従業員(会社が一部を補助する場合あり)本人が購入(補助制度を設ける場合あり)会社会社会社
私的利用可可(ルールによる)制限されることが多い一定範囲で可不可

コスト削減を優先し、従業員の裁量を重んじるならBYODやBYADが候補になります。一方で、情報管理を厳格にしたい業務では、会社が端末を所有するCOPEやCOBOが向きます。CYODはその中間で、一定の選択肢を用意しつつ会社の管理も効かせたい場合に選ばれます。自社が守りたい情報の性質と、許容できる管理コストのバランスで選ぶのが基本です。

企業と学校(GIGAスクール・BYAD)のBYODの違い

「BYOD」で検索すると、企業向けだけでなく学校(GIGAスクール構想)の文脈の解説も多く見つかります。自社の検討とは前提が異なるため、違いを押さえておくと混乱を避けられます。

学校では、高等学校段階を中心に、保護者が負担して個人所有の端末を持ち込む形が検討されています。文部科学省の資料も、この形を一貫して「BYOD」と表現しています。学校現場でよく使われる「BYAD」は、学校が機種・仕様を指定して保護者が購入する形を指す通称で、文部科学省の公式用語ではありません。

保護者負担によるBYODで進める場合には、上記の学校設置者としての整備方針や考え方等を丁寧に説明しながら、保護者等の十分な理解を得ることが必要であること。

出典:GIGAスクール構想に関するこれまでの主な留意事項の全体像(高等学校段階のICT環境整備)|文部科学省

企業のBYODは「従業員の私物端末を業務にどう使うか」、学校のBYODは「保護者負担で児童生徒の端末をどう整備するか」という違いがあります。費用負担の考え方や保護者への説明といった学校特有の論点は、企業の検討にはそのまま当てはまりません。自社の検討では、企業向けの情報を軸に読み進めるとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

BYODのセキュリティ対策(MDM・MAM・EMM・VDIほか)

BYODのリスクを抑えるには、技術的な対策と運用ルールの両輪が欠かせません。ここでは、よく使われる対策技術が「何をしてくれるものか」を整理します。名前だけを覚えるのではなく、自社に必要かどうかを判断できるように、役割で押さえておきましょう。

  • MDM(Mobile Device Management):スマートフォンなどのセキュリティ設定を統合的に管理するツールです。総務省のガイドラインでも、データの暗号化や遠隔でのデータ消去といった対策の中心として位置づけられています。
  • MAM(Mobile Application Management):端末全体ではなく、業務アプリや業務データの単位で管理する仕組みです。私物端末の中で業務領域と私的領域を分け、私的なデータに触れずに業務側だけを管理したい場合に使われます。
  • EMM(Enterprise Mobility Management):MDMやMAMなどをまとめて扱う統合的な管理の総称として使われます。端末・アプリ・コンテンツを横断して管理したいときの枠組みです。
  • VDI(Virtual Desktop Infrastructure):サーバー上に仮想のパソコン環境を用意し、手元の端末からはその画面を操作する仕組みです。端末側に業務データを残さないため、私物端末の紛失時も情報が端末に残りません。
  • 多要素認証:パスワードに加えて、SMSやICカード、指紋・顔認証など異なる要素を組み合わせて本人確認する方式です。パスワードが漏れても、不正ログインを防ぎやすくなります。
  • 暗号化・リモートワイプ:端末内のデータを暗号化し、紛失時には遠隔からデータを消去したり端末を初期化したりする対策です。MDMの機能として提供されることが一般的です。

これらは組み合わせて使うのが基本です。たとえば、VDIで端末にデータを残さない運用にしたうえで、アクセス時に多要素認証を必須にする、といった形です。導入の重さには幅があり、MDMはクラウド型のサービスが多く比較的始めやすい一方、VDIは専用の環境を用意する必要があり初期の負担が大きめです。自社が守りたい情報と予算に合わせて、必要な対策を選んで組み合わせることが基本です。

MDM・VDI・多要素認証の定義は総務省のガイドライン用語集に基づいています。MAM・EMMは実務や製品で広く使われる用語ですが、同用語集には収録されていないため、ここでは一般的な役割として説明しています。

出典・参考資料(1件)

MDM・MAM・EMMといった管理ツールの月額料金の実額や、紛失時のロック・BYOD運用の要件まで製品ごとに見比べたいときは、以下の比較記事が参考になります。

BYOD導入のガイドライン・ポリシーに盛り込む項目

BYODを安全に運用するには、技術的な対策だけでなく、社内のルール(BYODポリシー・ガイドライン)を文書化しておくことが欠かせません。ここでは、ポリシーに盛り込んでおきたい項目を整理します。自社の状況に合わせて、チェックリストとして使ってください。

対象者・対象端末の基準

誰の、どの端末に業務利用を認めるかを決めておきます。全社員を対象にするのか、特定の職種や役職に限るのか、対象とするOSのバージョンや、ウイルス対策・画面ロックなど端末が満たすべき最低条件を明確にしておくと、後から判断に迷いません。

費用負担(通信費・端末費・アプリ購入費)のルール

私物端末を業務に使う以上、通信費や端末費、業務アプリの購入費を会社と従業員のどちらがどう負担するかを決めておく必要があります。厚生労働省のテレワークガイドラインも、費用負担は労使で話し合い、就業規則などに定めておくことが望ましいとしています。

労使のどちらがどのように負担するか、また、使用者が負担する場合における限度額、労働者が使用者に費用を請求する場合の請求方法等については、あらかじめ労使で十分に話し合い、企業ごとの状況に応じたルールを定め、就業規則等において規定しておくことが望ましい。特に、労働者に情報通信機器、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定しなければならないこととされている(労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条第5号)。

出典:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン|厚生労働省

特に、従業員に通信機器などの費用を負担させる場合は、労働基準法第89条第5号により就業規則への規定が必要とされています。実費をどう計算するかは、通信料のうち業務利用分を一定割合で按分する方法や、計算の手間を省くために月額の定額手当として支給する方法などが実務でよく取られます。自社に合うやり方を就業規則に落とし込んでおくと、あとのトラブルを避けられます。

紛失時・退職時の対応フロー

端末を紛失したときに、誰に・どう連絡し、どんな初動を取るかをあらかじめ決めておきます。MDMを導入していれば、遠隔から業務データを消去したり端末を初期化したりできます。退職時にも、私物端末に残った業務データをどう扱うかを定めておくことで、情報の持ち出しを防げます。

就業規則への反映・労務・プライバシーへの配慮

費用負担や勤務時間の扱いは、就業規則に反映しておくことが望まれます。あわせて、会社が私物端末をどこまで管理・確認できるかという、従業員のプライバシーに関わる論点も整理が必要です。

会社が私物端末の中身をどこまで見られるかは一律に決まっているわけではなく、法的な線引きには専門的な判断を要する部分もあります。業務領域と私的領域を分けて管理できるMAMのような仕組みを使い、私的なデータには触れない運用にするなど、従業員の理解を得やすい形を検討するとよいでしょう。

出所は以下のとおりです。

出典・参考資料(1件)

BYOD導入の進め方(導入ステップ)

ポリシーに盛り込む項目が見えたら、実際にどう進めるかの手順を押さえます。いきなり全社展開するのではなく、段階を踏むと失敗を避けやすくなります。

BYOD導入の進め方を3ステップで示す図。STEP1は現状整理と目的の明確化で、すでにある私物端末利用(シャドーIT)を洗い出しBYODで実現したいことを定める。STEP2はポリシー策定と法的なチェックで、対象範囲・費用負担・セキュリティ要件を決め就業規則への反映を確認する。STEP3は従業員教育とスモールスタートで、ルールとリスクを周知し一部で試行してから対象を広げる。
  1. 現状整理と目的の明確化:すでに私物端末が業務に使われていないか(シャドーIT)を洗い出し、BYODで何を実現したいか(コスト削減か、柔軟な働き方か)を定めておきます。
  2. ポリシー策定と法的なチェック:対象範囲・費用負担・セキュリティ要件を決め、就業規則への反映や労務上の論点を確認しておきます。
  3. 従業員教育とスモールスタート:ルールとリスクを従業員に周知し、まずは一部の部署や職種で試行してから、課題を踏まえて対象を広げます。

この流れのうち、最初の「現状整理」でつまずく企業は少なくありません。どの端末が業務に使われているか、どんなクラウドサービスにアクセスがあるかを把握できていないと、ルールを決めても実態と合わなくなるためです。

私物端末・SaaSを把握するIT資産管理・MDM/EMMの活用

BYODを安全に始めるうえで土台になるのが、「どの端末が業務に使われ、どのクラウドサービスにアクセスがあるか」を把握することです。ここでは、私物端末やSaaSアカウントの利用状況を可視化・管理する手段として役立つサービスを紹介します。自社の現状整理やシャドーITの発見に活用できます。

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サービス名マネーフォワード AdminaJumpCloud
タイプ・位置づけ情シス向けのSaaS・IT資産管理プラットフォーム(SaaSアカウントの可視化・棚卸しが中心)ID・アクセス・デバイスを統合するオープンディレクトリ・プラットフォーム(SSO・MFA・MDM・IT資産管理を一体化)
SaaS利用の可視化・シャドーIT検知●IdP連携・ブラウザ拡張・会計/経費連携で検知(端末へのエージェント・プロキシは不要)●SaaS Management機能でシャドーIT検知・ライセンス追跡・未使用シート回収
私物端末(BYOD)の管理私物端末からのSaaS利用も可視化。端末そのものの管理は外部MDMとの連携が前提私物端末を登録し仕事用と個人用の領域を分離。遠隔ロック・データ消去に対応
デバイス管理(MDM)△Device台帳で一元管理。Intune・Jamf・LANSCOPEと連携して端末データを取り込む(Admina自体が端末を操作するMDMではない)●MDM本体。パッチ管理・リモート制御・未管理端末からのアクセスブロックに対応
対応OSPC・スマートフォン等を台帳で横断管理(対応OSの明記は非公開)Windows / macOS / Linux / iOS / iPadOS / Android
月額費用50ID以下は無料(公式表記は「スタートアップ企業」向け)/51ID以上は1IDあたり月300円要問い合わせ(国内は代理店見積もり。公式はDevice Management $9〜・SSO $11〜、USD建て・年払い)
無料トライアル2週間(全機能・クレジットカード不要)30日間(全機能・24時間365日サポート付き)
国内提供・日本語対応提供元のマネーフォワードi株式会社が国内で直接提供。日本語対応日本法人なし。国内は正規代理店経由で提供。管理画面の日本語UIの有無は公表されていない(代理店が日本語サポート)
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見る

料金・仕様は2026年10月時点の各社公式情報に基づきます。最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。

1. マネーフォワード Admina(マネーフォワードi株式会社)

マネーフォワード Adminaのウェブサイト

「情シス向け業務OS」を掲げるSaaS・IT資産管理プラットフォームです。従業員を軸に、利用されているSaaSアカウントの可視化・棚卸し、入退社時のアカウント発行や停止、シャドーITの検知、デバイス管理までを一元化します。PCの操作ログを取得する製品ではなく、SaaSとアカウントの利用状況の把握に強みがあります。

BYODの検討でまず課題になる「把握できていないSaaS利用」の可視化に向いています。シャドーITの検知はIdP(ID管理基盤)連携やブラウザ拡張、会計・経費システムとの連携から行い、端末へのエージェントやプロキシを必要としない点が特徴です。私物端末からの利用を含め、どのサービスが使われているかを洗い出す現状整理の起点として使えます。

2. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

JumpCloudのウェブサイト

クラウドディレクトリを中核に、シングルサインオン・多要素認証・デバイス管理(MDM)・IT資産管理・パスワード管理を1つに統合した「オープンディレクトリ・プラットフォーム」です。Windows・macOS・Linuxに加え、iOS・iPadOS・Androidをまたいで管理できます。

BYODの私物端末(個人所有のスマートフォンやタブレット)を登録し、仕事用と個人用の領域を分けて管理したり、管理対象外の端末からのアクセスをブロックしたり、遠隔でのロックやデータ消去を行ったりできます。IDの管理とデバイスの管理を1つの基盤でまとめたい企業に向きます。また、日本法人はなく、国内は正規代理店を通じて提供されています。

ここで取り上げた2サービスのほかにも、IT資産管理ツールは対応できる範囲や料金体系がさまざまです。自社の端末・SaaSの把握に合う製品を、機能範囲や料金相場から広く比べて選びたい場合は、次の比較記事が参考になります。

まとめ

BYODは、従業員の私物端末を会社の許可を得て業務に使う仕組みで、端末コストの削減や柔軟な働き方につながる一方、情報漏えいや労務・プライバシーの論点といったリスクも伴います。安全に運用するには、セキュリティ対策(MDM・VDI・多要素認証など)と、費用負担や紛失時の対応を定めたポリシーの両方を整えることが欠かせません。

始めるにあたっては、まず自社で私物端末やクラウドサービスがどう使われているかを把握することが第一歩です。現状を可視化する手段や、端末を管理する仕組みの資料を取り寄せて、自社に合う進め方を具体化してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. BYODとは何ですか?

A. BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員が自分の私物端末(スマートフォン・パソコン・タブレットなど)を、会社の許可を得て業務に利用することです。

要点は「会社の許可を得て」という点で、許可や把握がないまま私物端末を業務に使う状態(シャドーIT)とは区別されます。総務省のテレワークセキュリティガイドラインでも「個人所有端末を業務に利用すること」と定義されています。

Q. BYODで私物スマホを業務に使う場合、通信費は会社が払うのですか?

A. BYODの通信費を会社と従業員のどちらが負担するかは法律で一律には決まっておらず、労使で話し合い、負担方法を就業規則などに定めておくことが求められます。

厚生労働省のテレワークガイドラインは、費用負担は労使で十分に話し合って就業規則等に規定しておくことが望ましいとしています。特に、従業員に通信機器などの費用を負担させる場合は、労働基準法第89条第5号により就業規則への規定が必要です。実際にかかった通信費の実費をどう計算して支給するかなど、具体的な方法まで決めておくとトラブルを避けられます。

出典・参考資料(1件)

Q. BYODで会社は従業員の私物端末の中身を見られますか?

A. BYODでも、会社が私物端末の中身をどこまで確認できるかは一律に決まっているわけではなく、私物端末はそもそも会社が技術的に統制しきれない前提があります。どこまで管理・確認できるかは法的な線引きに専門的な判断を要する部分があり、断定はできません。

総務省のガイドラインも、私物端末はデータの保存やマルウェア対策ソフトのインストール強制ができず、十分なセキュリティ統制が取れないと指摘しています。

対応としては、業務用の領域と私的な領域を分けられるMAMのような仕組みを使い、私的なデータに触れずに業務側だけを管理する方法があります。会社が確認・管理する範囲は、ポリシーや就業規則で事前に示し、本人の同意を得ておくのが安全です。

Q. 私物端末で在宅勤務中にケガをした場合、労災の対象になりますか?

A. 私物端末を使うBYODでも、事業主の支配下にある状態で業務が原因で生じたケガは、業務上の災害として労災保険給付の対象になります。ただし、私的な行為が原因のものは対象外です。

厚生労働省のテレワークガイドラインは、テレワークを行う労働者についても労働基準法に基づき使用者が労災補償責任を負い、労働契約に基づいて事業主の支配下にあることで生じた災害は業務上の災害として労災の対象になるとしています。端末が私物か会社支給かで労災の扱いが変わるわけではなく、その災害が業務上のものかどうかで判断されます。

出典・参考資料(1件)

Q. 従業員が退職するとき、私物端末に残った業務データは消せますか?

A. 退職時に私物端末の業務データを消去できるかは運用の備え次第で、MDMを導入していれば、遠隔から業務データを消去したり端末を初期化したりできます(リモートワイプ)。

総務省のガイドラインも、MDMを使えば遠隔から端末上のデータを削除したり端末を初期化したりできると示しています。ただし、私物端末そのものを会社が初期化することは、個人のデータまで消えてしまうためプライバシーや本人同意の論点があります。MAMで業務領域だけを分離して消去できるようにするなど、退職時にどこまでをどう消すかを、あらかじめBYODポリシーに定めておくことが重要です。

出典・参考資料(1件)

Q. BYODとBYAD・CYODは何が違いますか?

A. 3つは端末を誰が所有し誰が選ぶかが異なり、BYODは従業員が所有・選択した私物端末を使う形、BYADは会社が仕様を指定して本人が購入する形、CYODは会社が用意した候補から従業員が選んで使う形です。

BYODとBYADは端末を従業員側が所有・購入するため、端末コストを抑えたい場合に向きます。CYODは会社が端末を所有し、一定の選択肢を用意しつつ管理も効かせたい場合に選ばれます。端末の所有と費用負担が誰にあるかが、自社に合う形を選ぶ際の分かれ目になります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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