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固定資産管理システムは無料で使える?|トライアルで試せる製品とExcel管理の限界を比較

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固定資産管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要11サービスの料金・機能を無料で一覧比較

固定資産管理システム比較表(2026年版)

固定資産の管理をできるだけ費用をかけずに始めたい、できれば無料のソフトで済ませたい。そう考えて「固定資産管理システム 無料」と検索する方は少なくありません。固定資産が増えてExcel管理に限界を感じ始めたものの、いきなり有料システムに予算を取るのは難しい、という状況はよくあります。

結論から言うと、固定資産管理の専用システムで「ずっと無料で使えるもの」はほとんどありません。無料でできるのはExcelや無料テンプレート、無料の税務ソフトを使う方法に限られ、いずれも計算や税制対応を自力で担う前提になります。一方で、多くの有料システムは無料トライアルや無料体験版を用意しており、導入前に本番と同じ環境を試せます。

本記事では、無料で固定資産管理を行う方法とその限界を整理したうえで、無料トライアル・無料体験版・無料デモで試せる製品や会計ソフト内蔵型を含む8製品を、公開されている範囲でトライアル条件・料金まで横並びに整理します。あわせて、無料で足りる企業と有料システムを導入すべき企業の見分け方も解説します。予算を抑えつつ自社に合う進め方を判断する材料としてご活用ください。

また、自社に合うのは無料の手段か有料システムか、どのタイプの製品が向くのかを数問で判定できる「選定診断ツール」も用意しています。あわせてご利用ください。

固定資産管理システムの関連サービス資料
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本記事が対象とする読者

この記事は、固定資産管理をできるだけ低コストで始めたい企業に向けた内容です。具体的には、Excel管理から脱却したいが予算は限られている、まず無料で試してから導入を判断したい、無料でどこまでできるかを知りたい、といった課題を持つ実務者(中小企業の経理・総務担当、個人事業主、経営者など)を想定しています。

本記事は「無料・低コスト」という切り口に絞り、無料で固定資産管理を行う手段と、無料トライアルで試せる製品を具体的に見ていきます。

絞り込みを外して固定資産管理システム全般を機能や料金で比較したい方は、こちらのまとめ記事が参考になります。大企業・中小企業・個人事業主の規模別に選び方を整理しています。

固定資産管理システムは無料で使える?まず結論

はじめに、無料で使えるかどうかの結論を整理します。

固定資産管理に特化した専用システムで、継続してずっと無料で使えるものは、ほぼ提供されていません。減価償却の計算や償却資産申告、台帳と現物の突き合わせといった実務を自動化するには、相応の機能が必要になるためです。無料で固定資産管理を行う現実的な方法は、Excelや無料の台帳テンプレート、無料の税務ソフトを使う3つに絞られます。

一方で、有料の固定資産管理システムや会計ソフトの多くは、無料トライアル・無料体験版・無料デモを用意しています。30日間や2ヶ月間など一定期間、本番と同じ機能を無料で試せる製品もあり、「無料で使いたい」という目的は、こうした試用を活用することで現実的に満たせます。まず無料で試し、自社に合えば有料プランへ移行する、という進め方が無理のない選択肢になります。

そのため本記事では、無料の手段の到達点と限界を押さえたうえで、無料トライアルで試せる製品を具体的に比較していきます。

無料で固定資産管理を行う方法とその限界

ここからは、費用をかけずに固定資産を管理する3つの方法と、無料ツールとして挙がりやすい無料OSSについて、できることと限界を順に見ていきます。

無料で固定資産管理を行う手段と限界の整理。Excelで台帳を自作する方法、無料の台帳テンプレート、無料の税務・会計ソフトの無料枠の3つは費用をかけずに始められるが、件数増での計算ミスや版管理の崩れ、税制改正への自力対応、償却資産申告書や現物管理の非対応といった限界がある。無料OSSはIT資産管理向けで、減価償却や償却資産申告に非対応のため会計・税務の固定資産管理には不向き。

Excelで固定資産台帳を作成する

もっとも手軽な方法が、Excelで固定資産台帳を自作することです。資産名・取得日・取得価額・耐用年数・償却方法といった項目を列に並べ、関数で減価償却費を計算すれば、追加費用なしで台帳を運用できます。資産件数が少なく、管理する担当者が限られている段階では十分に機能します。

限界は、件数が増えるほど顕著になります。償却方法や耐用年数の設定を誤ると計算結果が狂い、手作業の数式では検算の手間も増えます。ファイルが複数の担当者間で共有されると版管理が崩れ、どれが最新か分からなくなりがちです。税制改正で耐用年数や償却方法の扱いが変わった際に、計算式を自力で直し続ける必要がある点も見落とせません。

無料の固定資産台帳テンプレートを使う

会計ソフトベンダーや公的機関が配布している、無料の固定資産台帳テンプレートを使う方法もあります。あらかじめ計算式や項目が組まれているため、Excelをゼロから設計するより早く始められ、入力項目の抜け漏れも防ぎやすくなります。

ただし、テンプレートはあくまで雛形であり、更新や保守は自社の責任になります。配布元が改訂をやめれば最新の税制に追従できず、自社の資産構成に合わない項目は手直しが必要です。結局はExcel管理と同じ属人化・計算ミスのリスクを抱えるため、恒久的な仕組みというより「当面をしのぐ手段」と捉えるのが実態に近いといえます。

無料の税務ソフト・会計ソフトの無料枠を使う

会計ソフトや確定申告ソフトのなかには、30日間から最大2ヶ月程度の無料トライアルや無料の体験枠で、固定資産台帳の登録から減価償却計算までを試せるものがあります。固定資産管理を会計機能に内蔵した製品が中心で、どの製品がどこまで無料で試せるかは後述の比較表で確認できます。

税制に沿った計算が組み込まれているためExcelより正確で、申告書類の作成とも連動しやすい点が利点です。ただし無料で使い続けられるわけではなく、多くは期間終了後に有料プランへの移行が前提になります。各製品の無料で試せる範囲や料金は、後述の比較表で確認できます。

注意したいのは、無料枠は機能や件数に制限がかかることが多い点です。減価償却資産の取得価額は法定耐用年数(財務省令の別表で定められた年数)に応じて各年の費用に配分され、取得時期により定額法・定率法などで償却します。こうした計算に対応していても、償却資産申告書の作成や現物管理まではカバーしないソフトが一般的で、本格運用には有料プランが前提になります。

出典・参考資料(1件)

無料OSS(IT資産管理向け)が固定資産管理に向かない理由

「無料で使える資産管理ツール」を探すと、Snipe-ITやGLPIといった無料のOSS(オープンソースソフトウェア)が候補に挙がることがあります。これらはライセンス費用なしで使えますが、管理対象はPC・サーバー・ソフトウェアライセンスなどのIT資産であり、会計・税務上の固定資産管理とは目的が異なります。

具体的には、減価償却費の計算、償却資産申告書の作成、法定耐用年数への対応といった、固定資産管理で必要になる機能を備えていません。加えて、継続的にメンテナンスされているOSSは限られ、日本語対応やサポートも自社で手当てする必要があります。IT機器の棚卸には有効でも、経理・税務の固定資産管理の代替にはならない点を押さえておきましょう。

無料で足りる企業・有料システムが必要な企業の見分け方

無料の手段で足りるか、有料システムを導入すべきかは、自社の状況によって分かれます。次の4つの観点で切り分けると判断しやすくなります。

無料の手段で足りる企業と有料システムが必要な企業を見分ける4つの観点。資産の件数は、数十件程度までで動きが少なければ無料で足り、数百件を超え異動や除却が頻繁なら有料。償却資産申告は、不要なら無料、毎年1月末までの申告書作成が必要なら有料。現物管理は、台帳の管理だけでよければ無料、バーコードやQRでの棚卸が必要なら有料。新リース会計基準(2027年4月〜)は、多くの中小企業は対象外で無料、上場・監査を受ける企業は対象で有料。右側に当てはまるものが多いほど有料システムの価値が大きい。

管理する資産の件数がまず目安になります。資産が数十件程度で、取得・除却の動きも少なければ、Excelや無料テンプレートでも運用できます。おおむね数百件を超えて異動や除却が頻繁になると、手作業の計算と版管理が破綻しやすく、システム化の効果が大きくなります(この件数は目安で、後述の診断ツールでも同じ基準で判定します)。

無料のExcel管理がどの段階で限界を迎えるかについては、固定資産管理システムの提供側も、日々の導入相談を通じて実態を把握しています。株式会社マネーフォワードは、システム化が向く企業の状況を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

資産数が1,000件単位で増えていたり、部門や拠点が多くなり管理が行き届かなくなっている企業がフィットしやすいです。特にExcelでの管理から脱却したいというご相談が多い印象です。

次に償却資産申告の有無です。事業用の償却資産を持つ所有者には、地方税法により申告義務があります。毎年1月末までの申告書作成を手作業で続けるのは負担が大きく、申告書の自動作成に対応したシステムの価値が出ます。

固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者(略)は、総務省令の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該償却資産について、その所在、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数、見積価額その他償却資産課税台帳の登録及び当該償却資産の価格の決定に必要な事項を一月三十一日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。

地方税法 第三百八十三条(固定資産の申告)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226)

実際に償却資産申告書をどう作成するか、どの資産が申告対象になるのかを詳しく知りたい方は、第26号様式や種類別明細書の記入から提出までを解説した以下の記事が参考になります。

3つめは現物管理の必要性です。資産の所在や使用状況を実地で突き合わせたい、台帳と現物の差異をなくしたいという要件があれば、バーコードやQRコードで棚卸を支援する機能が効いてきます。無料の手段では現物との照合まではカバーできません。

4つめが新リース会計基準への対応です(主に上場企業・監査を受ける企業が対象で、多くの中小企業は対象外です。自社が対象かをまず確認してください)。企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(新リース会計基準)は、2027年4月1日以後に開始する事業年度から原則適用されます。

自社が対象となる場合は、使用権資産のオンバランス計上(資産・負債として貸借対照表に載せること)など対応の範囲が広がるため、基準に対応したシステムが必要になります(中小企業の会計処理は「中小企業の会計に関する指針」等によります)。

出典・参考資料(2件)

自社が新リース会計基準の対象になるのか、何がどう変わるのかを詳しく確認したい方は、変更点・対象企業・準備の進め方を解説した以下の記事をご覧ください。

以上の観点のうち、当てはまるものが多いほど、有料システムの導入メリットが大きくなります。次の診断ツールでは、資産件数・償却資産申告の要否・固定資産管理の用途・費用の観点で尋ね、自社が無料の手段で足りるか、有料ならどのタイプが向くかを判定します。

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無料トライアルで試せる固定資産管理システムを比較

ここからは、無料トライアル・無料体験版・無料デモで試せる固定資産管理システムと、固定資産管理機能を持つ会計ソフトを比較します。「どれくらいの期間、どこまで試せるか」は製品によって異なるため、トライアルの期間・対象・機能制限・自動課金の有無に加え、料金や固定資産管理の位置づけまで、公式に公開されている範囲で横並びに整理しました(公開されていない項目は「要問い合わせ」と記載しています)。

製品は、固定資産管理に機能を絞った固定資産管理特化型、会計ソフト・ERPの一機能として管理する会計・ERP統合型、現物の棚卸・所在管理に強い現物管理特化型の3タイプに分けて掲載しています。自社がどのタイプで足りそうかを意識しながら読み進めてください。

固定資産管理特化型の比較

固定資産台帳・減価償却・償却資産申告に機能を絞った専用システムです。無料トライアルで本番と同等の機能を試せる製品が多いのが特徴です。

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サービス名固定資産奉行クラウドPCAクラウド 固定資産
無料で試せる手段無料トライアル無料トライアル
無料期間・対象・機能制限・自動課金30日間/法人対象/機能制限なし/自動課金なし(終了後にデータ削除)2ヶ月/対象・機能制限・自動課金は公式記載なし(要問い合わせ)
料金(最安)初期費用0円+月額4,750円〜(iEシステム・資産100件まで)初期費用0円(別途導入費)+月額16,200円〜(税抜・通常版単体)
提供形態クラウドクラウド
固定資産管理の位置づけ固定資産管理特化(専用システム)固定資産管理特化(専用システム)
減価償却・償却資産申告●減価償却の自動計算・償却資産税の電子申告(eLTAX)に対応●減価償却計算・償却資産税の電子申告に対応
新リース会計基準(2027年4月〜)対応×本製品は非対応(上位「固定資産奉行V ERPクラウド」で対応)△2026年秋対応予定(遡及計算・仕訳自動作成等を公式予告)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る

会計・ERP統合型の比較

会計ソフトやERPの一機能として固定資産を管理するタイプです。会計データと一体で扱え、全プランに固定資産管理が含まれ追加費用がかからない製品もあります。低コストで始めたい企業に向きます。

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サービス名弥生会計 Nextマネーフォワード クラウド固定資産freee会計会計王
無料で試せる手段無料トライアル公式記載なし(要問い合わせ)無料トライアル無料トライアル
無料期間・対象・機能制限・自動課金最大2ヶ月(1事業者1回)/決算書の作成・出力は対象外/自動請求なし公式料金ページに記載なし(要問い合わせ)30日間/クレジットカード登録不要30日間の体験版をダウンロードして試用
料金(最安)初期費用0円+年額34,800円〜(税抜・エントリープラン)要問い合わせ(公式非公開)初期費用0円+月額2,980円〜(税抜・ひとり法人・年払い)44,000円(税込・買い切り)/月額課金なし
提供形態クラウドクラウドクラウドインストール型(パッケージ・買い切り)
固定資産管理の位置づけ会計ソフト内蔵の固定資産台帳会計シリーズと連携する固定資産専用システム会計ソフト内蔵の固定資産台帳会計ソフト内蔵の固定資産台帳
減価償却・償却資産申告△減価償却費は自動計算。償却資産申告は申告書への転記用資料の出力まで●減価償却の自動計算・償却資産申告書・法人税別表16の出力に対応△減価償却は自動計算・別表16(1)(2)を出力。償却資産申告書の出力は別サービス「freee申告」が必要△減価償却は自動計算・減価償却資産集計表を出力。償却資産申告書そのものの出力は公式に明記なし
新リース会計基準(2027年4月〜)対応×公式に対応の記載なし△別製品「クラウドリース会計」で対応(2025年11月提供開始)△別製品「freee固定資産」で対応(2026年5月提供開始)×公式に対応の記載なし
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

現物管理特化型の比較

バーコードやQRコードを使った現物の棚卸・所在管理に強いタイプです。減価償却などの会計処理は会計システム側と連携する前提のため、台帳と現物の一致を重視する企業に向きます。ただし無料トライアルや低コストでの導入には向きにくく費用も上がりやすいので、無料・低コストを最優先するなら前の2タイプが中心になります。

← 横にスクロールできます →
サービス名Assetment NeoConvi.BASE
無料で試せる手段無料デモ無料デモ
無料期間・対象・機能制限・自動課金デモ環境で操作感を確認(期間限定の試用ではない)無料デモの依頼窓口あり(トライアルは公式記載なし)
料金(最安)要問い合わせ(公式非公開)初期費用0円〜(スタートプラン)+月額55,000円〜
提供形態クラウドクラウド
固定資産管理の位置づけ現物管理特化(棚卸・所在管理)現物管理特化(棚卸・所在管理)
減価償却・償却資産申告×減価償却計算は非搭載(会計側システムとCSV連携)×減価償却計算は公式記載なし(会計側システムと連携)
新リース会計基準(2027年4月〜)対応×公式に対応の記載なし×公式に対応の記載なし
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る

低コストで始められる製品の選び方

無料トライアルの先も見据えて費用を抑えたい場合は、月額制(サブスクリプション)や買い切り型、会計ソフトに固定資産管理が内蔵された製品が候補になります。初期費用の有無、最安プランの月額、資産件数の上限によって負担は変わるため、具体的な金額は上の比較表の料金欄と、次章以降の各製品の紹介で確認してください。

費用を見るときは、月額制(サブスクリプション)と買い切り型の違いを押さえておくとよいでしょう。月額制は初期費用を抑えて始められる一方、使い続けるほど総額がかさみます。買い切り型は初期の出費はあっても継続課金がかからないため、長く使うほど有利になります。また会計ソフト内蔵型は管理できる固定資産の件数に上限が設けられることがあり、上限を超えると上位プランが必要になる点も確認しましょう。

個人事業主が無料で始めるなら、個人でも契約できる会計ソフト内蔵型が現実的な選択肢です。固定資産管理特化型や現物管理特化型は法人向けが中心のため、まずは会計ソフト内蔵型から検討するとよいでしょう(どの製品が個人でも使えるかは比較表や各サービスの紹介で確認できます)。

トライアルで試す際は、無料期間中に自社の資産データを実際に登録し、減価償却の計算結果や申告書類の出力まで確認しておくと、有料移行後のミスマッチを防げます。

無料・低コストで選ぶときのポイント

無料トライアルや低コストでの導入を前提に製品を選ぶときは、価格の安さだけでなく、次の観点を確認しておくと失敗を避けられます。

無料トライアルで本番同等の機能を試せるか

無料トライアルといっても、全機能を使える製品と、一部機能が制限される製品があります。自社で必ず使う機能(償却計算・申告書作成・現物管理など)がトライアル中に試せるかを確認しましょう。機能制限があると、試用では分からなかった不足が有料移行後に判明する事態になりかねません。

無料プランと有料プランの機能差はどこか

会計ソフトの無料枠などを使う場合は、無料で使える範囲と有料プランの差を把握しておきましょう。資産件数の上限、償却資産申告書の出力、複数ユーザーでの利用などが有料プランでしか使えないケースは多く、無料のまま本格運用できるかは事前の見極めが欠かせません。

自社の会計ソフトと連携できるか

すでに使っている会計ソフトがある場合、固定資産管理システムと連携できると、仕訳データの二重入力を避けられます。特に会計・ERP統合型は、同じベンダーの会計ソフトと組み合わせることで導入・運用の負担を抑えられます。現物管理特化型を選ぶ場合は、会計側のシステムと連携する前提になる点も確認しておきましょう。

有料プランへ移行しやすいか・サポートはあるか

無料で試した後に有料へ移行する際、トライアル中に入力したデータを引き継げるかは重要です。データ移行ができないと、本番で入力をやり直す手間が生じます。あわせて、トライアル中にサポートを受けられるか、税制改正への対応が継続的に提供されるかも、長く使う前提では確認しておきたいポイントです。

各サービスの紹介

ここからは、比較表で取り上げた製品をタイプ別に紹介します。無料で試せる範囲や料金、どんな企業に向くかを具体的に見ていきましょう。

固定資産管理特化型

固定資産管理に機能を絞った専用システムです。無料トライアルで本番同等の機能を試せる製品を取り上げます。

1. 固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

固定資産奉行クラウドの公式サイト

固定資産奉行クラウド(正式名称:固定資産奉行iクラウド)は、会計・税務ソフトの奉行シリーズを手がけるオービックビジネスコンサルタントの固定資産管理システムです。固定資産の取得から除却までの管理、減価償却費の自動計算、償却資産税の電子申告(eLTAX)までをクラウド上で扱えます。

無料で使い続けられるプランはなく、最安はiEシステムの月額4,750円(初期費用0円・管理資産100件まで)です。ただし30日間の無料トライアルが用意され、利用者1ライセンスで機能制限なく試せ、期間終了後に自動課金されることもありません。申し込みは法人が対象で、トライアルで入力したデータは終了後に削除され本番環境へ引き継げない点には注意が必要です。

全プランに税理士向けの専門家ライセンスが1つ無償で付き、顧問税理士と同じシステムで作業を分担できます。勘定奉行iクラウドなど奉行シリーズの会計ソフトと仕訳データを自動連携できるため、奉行シリーズで経理業務を揃える企業に向きます。ただし2027年4月以後に順次適用される新リース会計基準への対応機能は上位の「固定資産奉行V ERPクラウド」側で提供され、本製品での対応は公式に確認できません。

2. PCAクラウド 固定資産(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 固定資産の公式サイト

ピー・シー・エー株式会社が提供するクラウド型の固定資産管理ソフトです。減価償却計算やリース資産管理、資産棚卸、償却資産税の電子申告に対応し、減損処理・資産除去債務も扱えるほか、PCA会計シリーズと仕訳データを連携できます。

無料で継続利用できるプランはなく、クラウド版の最安は通常版・単体利用で月額16,200円(税抜)、上位のhyper版は月額19,200円(税抜)です。製品トップでは初期費用0円と案内されていますが、インストール・操作指導・データ移行は別途見積もりとなります。

導入前には2ヶ月の無料体験が用意され、体験後はそのままの環境で本契約へ移行できます。ただし対象者や機能制限、期間終了後の自動課金の有無は公式サイトに明示がないため、申込時に確認が必要です。PCA会計シリーズと仕訳データをネイティブ連携できるほか、出力パターン機能で他社の会計ソフトともテキスト形式で連携できます。

会計・ERP統合型

会計ソフト・ERPの一機能として固定資産を管理するタイプです。無料トライアルや無料プランで始めやすく、低コストで導入したい企業に向く製品を紹介します。

3. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextの公式サイト

弥生会計 Next は、弥生株式会社が2025年4月にリリースした法人専用のクラウド会計サービスです。会計・請求・経費精算を1つのシステムで扱い、固定資産台帳も機能のひとつとして内蔵しています。減価償却費の計算から仕訳までを台帳と連動して自動化できます。

無料で試す場合は、最大2ヶ月間の無料体験(1事業者につき1回限り)を利用できます。上位のベーシックプラス相当の機能を試せますが、決算書の作成・出力は対象外で、費用はかからず期間終了後の自動請求もありません。

有料プランは初期費用0円で、エントリープランが年額34,800円(税抜)から利用できます。固定資産台帳は1会計期間あたり500件まで登録でき、減価償却費の自動計算や売却・除却時の仕訳生成、償却資産申告書への転記用資料の出力に対応します。固定資産の件数が少なく、会計・請求・経費精算をまとめて扱いたい法人に向きます。

4. マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド固定資産の公式サイト

株式会社マネーフォワードの「マネーフォワード クラウド」シリーズで、固定資産業務を担うのがマネーフォワード クラウド固定資産です。固定資産台帳の登録・管理から減価償却計算、法人税別表16や償却資産申告書の出力、会計システムへの仕訳連携までを一元的に扱います。

会計用と税務用の台帳を分けて並行管理でき、同社の「クラウド会計Plus」とはAPIで、他社の会計システムとはCSVで仕訳を連携します。会計をクラウド化したうえで、固定資産へ導入を広げる使い方ができます。

料金は利用人数や契約内容によって変わり、導入支援費用を含めて公式サイトでは公開されておらず、見積もりでの確認となります。無料トライアルについても公式の料金ページに記載がありません。費用感を把握したい場合は、まず問い合わせが必要です。

5. freee会計(フリー株式会社)

freee会計の公式サイト

freee会計は、個人事業主から中小企業、上場企業までを対象にしたフリー株式会社のクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードの明細取得から仕訳、決算書作成までをクラウド上で行え、固定資産台帳も会計機能の一部として備えています。

固定資産は取得価額・耐用年数・償却方法などを登録すると減価償却費が自動計算され、仕訳が会計帳簿へ自動反映されます。登録時にはAIが資産分類・償却方法を推測して初期値を提示します。法人税別表16(1)(2)の出力に対応し、会計用・税務用を分ける複数台帳はエンタープライズプランで利用できます。

無料トライアルは30日間で、クレジットカードの登録なしに試せます。有料プランは初期費用0円で、法人向けは「ひとり法人」の年払い月額2,980円(税抜)から始められます。固定資産を会計と同じ基盤で一元管理したい法人・個人事業主に向きます。

6. 会計王(ソリマチ株式会社)

会計王の公式サイト

会計王は、インストール型(パッケージ版)の会計ソフトです。ソリマチ株式会社が1995年から販売し、中小企業・個人事業主を対象に、日々の記帳から決算書・申告書の作成までを1つの製品で完結できます。固定資産台帳も本体に内蔵しています。

固定資産台帳や減価償却資産集計表、一括償却資産の内訳一覧表、償却費推移表を、別製品を導入せず会計王本体で出力できます。銀行・クレジットカード明細の自動取込や自動仕訳にも対応します。

無料で試す場合は、30日間の無料体験版をダウンロードして使えます。製品は買い切り型で、標準版は44,000円(税込)を購入すれば月額の継続課金は発生しません(年間保守のバリューサポートは初年度無償)。月額課金型のクラウド会計ソフトと異なり、継続的な利用料がかからない点が特徴です。

現物管理特化型

現物の棚卸・所在管理に強いタイプです。無料デモで操作感を確かめられる製品を取り上げます。

7. Assetment Neo(株式会社アセットメント)

Assetment Neoのサービスサイト

株式会社アセットメントが提供するアセット管理クラウドで、物品(現物)の管理と台帳(情報)の管理の双方に対応します。IT資産管理・固定資産の棚卸・貸出返却の3系統をシリーズとして用意し、バーコード・QRコード・RFID(無線ICタグ)を使った棚卸に対応します。

固定資産については棚卸・移動・廃棄といった現物の管理が中心で、減価償却計算は搭載せず、SuperStream-NXや固定資産奉行などの会計・固定資産管理システムとCSVで連携する設計です。減価償却や償却資産の申告は、連携先の固定資産管理システム側で行います。

扱える資産カテゴリに制限はなく、IT機器のほか工具・医療機器・制服・鍵まで同じ台帳で管理できます。2026年1月時点で800社・80万人の利用があり、導入前には無料相談とデモ環境で操作感を確認できます。

8. Convi.BASE(株式会社コンビベース)

Convi.BASEのサービスサイト

2005年の提供開始以来、シリーズ累計1,300社以上で導入されている株式会社コンビベースの物品管理クラウドです。固定資産・リース資産・IT機器・計測器・工具・重要書類の原本など14カテゴリのモノを、バーコード・2次元コード・ICタグのラベル発行と読み取りで、棚卸・貸出・入出庫まで管理します。

減価償却計算や償却資産税申告の機能は公式に記載がなく、固定資産奉行クラウドとの直接連携やSuperStream・マネーフォワード Adminaとの連携により、会計処理は会計側、現物管理はConvi.BASEという役割分担を前提とする構成です。

料金は初期費用0円のスタートプランがあり、月額は基本機能・棚卸しオプション・1ユーザーの最小構成で55,000円からです。無料トライアルは料金ページに記載がありませんが、無料デモの依頼窓口が用意されており、スタートプランは注文書受領から3営業日で利用を始められます。

まとめ

固定資産管理の専用システムで、ずっと無料で使えるものはほとんどありません。無料でできるのはExcel・無料テンプレート・無料税務ソフトを使う方法に限られ、いずれも計算や税制対応を自力で担う前提になります。無料OSSはIT資産管理向けで、会計・税務の固定資産管理には向きません。

資産件数が少なく動きも少ないなら無料の手段でも運用できますが、償却資産申告・現物管理・新リース会計基準への対応が必要になると、有料システムの価値が大きくなります。多くの有料システムは無料トライアルを用意しているので、まず試して自社に合うかを確かめ、合えば有料へ移行する進め方が無理のない選択です。トライアル中に自社のデータを登録し、計算結果と申告書類の出力まで確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 無料プランや無料トライアルで管理できる固定資産の件数に上限はありますか?

A. 会計ソフト内蔵型では、無料・低価格プランで管理できる固定資産の件数に上限が設けられていることがあります。1会計期間あたり数百件までといった上限がある製品もあり、無料で試す段階では問題なくても、資産が増えると上位プランが必要になります。各製品の上限は比較表や各サービスの紹介で確認できるので、自社の資産件数と見比べておくと安心です。

Q. 固定資産管理システムは無料で使えますか?

A. 固定資産管理の専用システムで、継続してずっと無料で使えるものはほとんど提供されていません。無料で固定資産を管理する現実的な方法は、Excel・無料の台帳テンプレート・無料の税務ソフトの3つに絞られ、いずれも計算や税制対応を自力で担う前提になります。

ただし有料システムの多くは無料トライアルや無料体験版を用意しており、一定期間は無料で本番同等の機能を試せます。「無料で使いたい」という目的は、こうした試用を活用すれば現実的に満たせます。

Q. 固定資産管理システムの無料トライアルの期間はどれくらいですか?

A. 固定資産管理システムの無料トライアル期間は、製品によって30日間から最大2ヶ月程度が一般的です。具体的な期間は製品ごとに異なるため、上の比較表で確認できます。短い期間でも自社データで一通りの業務を試せるよう、トライアル開始前に試す項目を決めておくと効率的です。

Q. 固定資産管理システムの無料トライアル中は機能が制限されますか?

A. 無料トライアル中の機能制限は製品によって異なり、全機能を制限なく試せるものと、一部の機能が使えないものがあります。製品ごとの機能制限の有無は上の比較表に整理しているので、自社で必ず使う機能(償却計算・申告書作成・現物管理など)がトライアル中に試せるかを申込前に確認しておきましょう。

Q. 固定資産管理システムの無料トライアル中にサポートは受けられますか?

A. 無料トライアル中のサポートは製品によって異なり、トライアル利用者向けに操作ガイドや問い合わせ対応、導入相談を提供する製品があります。試用段階でつまずいて製品を正しく評価できないことを避けるためにも、トライアル中にサポートや相談を受けられるかは、申込時に各製品の案内で確認するのが確実です。

Q. 固定資産管理システムの無料トライアル終了後、入力したデータはどうなりますか?

A. 無料トライアル終了後のデータの扱いは製品によって分かれ、本契約へそのまま引き継げる製品と、期間終了後に削除される製品があります。トライアルで登録したデータを有料移行後も使いたい場合は、申込前にデータの引き継ぎ可否を確認しておきましょう(製品ごとの扱いは各サービスの紹介で触れています)。

Q. Excelや無料テンプレートでの固定資産管理では不十分ですか?

A. Excelや無料テンプレートでの管理は、資産件数が少なく取得・除却の動きも少ない段階では十分に機能します。一方で件数が増えると、償却計算のミスやファイルの版管理の崩れ、税制改正への追従を自力で続ける負担が大きくなります。償却資産申告書の作成や台帳と現物の突き合わせには対応できないため、これらが必要になった時点が有料システムを検討する目安になります。

Q. 無料の手段で足りるか、有料システムが必要かはどう判断すればよいですか?

A. 無料で足りるか有料が必要かは、管理する資産の件数・償却資産申告の有無・現物管理の必要性・新リース会計基準への対応の要否という4つの観点で切り分けると判断しやすくなります。

資産が数十件程度で動きが少なければ無料の手段でも運用できますが、申告書の自動作成や現物の棚卸、新リース会計基準への対応が必要になるほど、有料システムの導入メリットが大きくなります。本記事の選定診断ツールでも、自社がどちらに向くかを数問で確認できます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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