事業で使う機械やパソコン、店舗の内装などを持つ法人・個人事業主は、毎年1月末までに市区町村へ「償却資産申告書」を提出する必要があります。土地や家屋と違って償却資産には登記制度がないため、所有者が自分で資産の内容を申告する仕組みになっています。
本記事では、償却資産申告書とは何かを整理したうえで、自分の資産が申告対象になるかの判定、種類別明細書と申告書の書き方・記入例、窓口・郵送・eLTAX(エルタックス)での提出方法までを、地方税法などにもとづいて解説します。
提出期限や免税点、申告しなかった場合のリスクに加え、毎年の作成作業を軽くする固定資産管理システムも取り上げます。はじめて申告する方が、期限内に正しく提出できるようになることを目指した内容です。
目次
償却資産申告書とは?期限・提出先・書類構成を最初に確認
ここでは、償却資産申告書がどんな書類で、いつ・どこへ・何を提出するのかを先に押さえます。
償却資産申告書は、事業用の償却資産について、その内容を資産の所有者が市区町村へ申告するための書類です。償却資産税(固定資産税の一部)は、申告された内容をもとに市区町村が税額を計算する仕組みのため、毎年の申告が申告者に義務づけられています。
提出のポイントは3つです。提出期限は毎年1月31日(期限が休日にあたる場合は翌開庁日)、提出先は償却資産が所在する市区町村で、東京23区内の資産は資産の所在する区を管轄する都税事務所に提出します。提出する書類は、表紙にあたる償却資産申告書と、資産の明細を記す種類別明細書の2点が基本の組み合わせです。
申告義務や提出期限、提出先は地方税法第383条に定められています。
固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者(…)は、総務省令の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該償却資産について、その所在、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数、見積価額その他償却資産課税台帳の登録及び当該償却資産の価格の決定に必要な事項を一月三十一日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。
出典:地方税法 第383条|e-Gov 法令検索
賦課期日は毎年1月1日で、この日時点で所有している償却資産が申告の対象です。なお、東京23区で提出先が都税事務所になるのは、特別区内の固定資産税を東京都が課している運用によるものです。
出典・参考資料(1件)
自分の資産は申告対象?対象・対象外と少額資産の申告要否
ここからは、手元の資産が申告の対象になるかどうかを判断できるよう、対象・対象外の区分と、少額資産の扱いを整理します。
償却資産の対象・対象外
償却資産は、土地・家屋以外の事業用資産のうち、減価償却の対象になるものが中心です。地方税法上は、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具・器具及び備品の6種類に区分されます。判断に迷いやすい資産も含め、対象・対象外の具体例は次の表で確認できます。
一方で、対象から外れる資産もあります。土地・家屋は固定資産税の対象として別に扱われ、自動車税・軽自動車税がかかる自動車やバイクなども対象外です。特許権やソフトウェアなどの無形固定資産も含まれません。これらの区分は、償却資産を定義する地方税法第341条第4号が根拠です。
償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(…)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。
出典:地方税法 第341条第4号|e-Gov 法令検索
| 対象・対象外 | 申告の対象になる主な資産 | 申告の対象外になる資産 |
|---|---|---|
| 具体例 | 構築物(舗装・門塀・看板・受変電設備、借りている店舗の内装・造作など)/機械及び装置/船舶/航空機/車両及び運搬具(大型特殊自動車など)/工具・器具及び備品(パソコン・エアコン・陳列棚・医療機器など) | 土地・家屋(固定資産税の対象)/自動車税・軽自動車税がかかる自動車・バイクなど/特許権・ソフトウェア・のれんなどの無形固定資産 |
少額資産の申告要否(10万円・20万円・30万円の切り分け)
取得価額が少額の資産は、会計処理の方法によって申告の要否が分かれます。10万円未満で取得時に全額を損金・必要経費に算入した資産(少額の減価償却資産)と、20万円未満で3年間の均等償却を選んだ資産(一括償却資産)は、地方税法施行令第49条により申告の対象から外れます。
注意したいのが、「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」(租税特別措置法第67条の5)で取得価額の全額を損金算入した資産です。この特例で処理した資産は、上記の除外規定には含まれないため、償却資産税の申告は必要になります。
特例の対象になる取得価額の上限は、これまで30万円未満でしたが、令和8年度税制改正により40万円未満へ引き上げられ、令和8年4月1日以後に取得した資産に適用されます。上限が30万円でも40万円でも、この特例で全額を損金算入した資産の申告が必要である点は変わりません。
| 少額資産の申告要否 | 10万円未満:取得時に全額を損金・必要経費に算入(少額の減価償却資産) | 20万円未満:3年間の均等償却を選択(一括償却資産) | 30万円未満(令和8年4月1日以後の取得は40万円未満):中小企業者等の少額減価償却資産の特例で全額損金算入 | 上記以外/少額でも個別に減価償却を選択した資産 |
|---|---|---|---|---|
| 償却資産税の申告 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
出典・参考資料(4件)
該当する資産がなくてもゼロ申告は必要か
申告対象の資産を持っていない場合でも、市区町村によっては「該当資産なし」として申告書の提出を求めています。多くの自治体が案内している実務上の取り扱いで、申告書の備考欄に「該当資産なし」と記入して提出する形が一般的です。前年に提出した資産に増減がない年も、申告書に「増減なし」と記して提出するよう案内する自治体があります。提出の要否や方法は、資産が所在する自治体の案内で確認してください。
償却資産申告書の書き方・記入例(種類別明細書/申告書)
ここでは、実際に提出する書類の様式と、各欄に何を書くかを記入例とあわせて確認します。
提出する書類は、表紙にあたる申告書と、資産の明細を書く種類別明細書(別表一・別表二)に分かれます。正式名称は東京都主税局の様式で次のように定められています。
出典:固定資産税(償却資産)|申請様式(共通)|東京都主税局
- 償却資産申告書(償却資産課税台帳)(第26号様式)一般方式用
- 種類別明細書(増加資産・全資産用)(第26号様式別表一)一般方式用
- 種類別明細書(減少資産用)(第26号様式別表二)一般方式用

なお、地方税法施行規則の第26号様式は令和8年4月1日に改正・施行されていますが、自治体によっては当面のあいだ改正前の様式を使っています。使う様式は資産が所在する自治体の配布ページで確認するのが確実です。
種類別明細書の書き方と記入例
種類別明細書(増加資産・全資産用)には、資産1件ごとに次の内容を記入します。2026年5月に取得した業務用エアコン1台(取得価額350,000円、耐用年数6年)を例に、欄ごとの記入内容と記入例を整理しました。
| 種類別明細書の記入項目 | 資産の種類 | 資産の名称 | 数量 | 取得年月 | 取得価額 | 耐用年数 | 増加事由 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 記入内容 | 6区分(構築物/機械及び装置/工具・器具及び備品など)から選ぶ | どんな資産か分かる具体的な名称 | 同じ資産の台数 | 資産を取得した年月(取得時期の細かな扱いは自治体の手引きで確認) | 購入代金に引取運賃・据付費などの付随費用を加えた額。消費税は自社の経理方式に合わせる(税込経理なら税込、税抜経理なら税抜) | 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に定める法定耐用年数 | 新品取得/中古取得/移動による受入/その他から選ぶ |
| 記入例(業務用エアコン) | 工具・器具及び備品 | 業務用エアコン | 1 | 2026年5月 | 350,000 | 6 | 新品取得 |
減少資産用の種類別明細書は、売却・除却などで資産が減った場合に使います。異動区分(減少・修正)、資産の種類、名称、取得年月、取得価額、減少等の事由(売却・除却・移動など)を記入します。前年から資産の増減がない年は提出を省ける自治体もあり、その場合は申告書に増減がない旨を記します。
償却資産申告書(表紙)の書き方
表紙にあたる償却資産申告書には、申告者と事業の基本情報に加え、種類別明細書から集計した取得価額を記入します。主な記入欄と記入内容は次のとおりです。
| 申告書(表紙)の主な記入欄 | 申告者情報 | 事業種目・事業開始年月 | 取得価額の集計 | 税務会計上の償却方法 | 各種確認欄 |
|---|---|---|---|---|---|
| 記入内容 | 住所・氏名(法人は会社名と代表者名)、個人番号または法人番号 | 主な事業の種類と、開業(個人)・設立(法人)の年月 | 資産の種類別に「前年前に取得」「前年中に減少」「前年中に取得」を記入し、差し引いて1月1日時点の合計を算出(種類別明細書から転記) | 定率法・定額法のいずれか(個人は基本的に定額法) | 課税標準の特例・短縮耐用年数の承認・借用資産の有無など、該当する項目に記入 |
| 記入例 | 事業所の住所・申告者名と、マイナンバー(法人は法人番号) | 飲食業/2020年4月 | 工具・器具及び備品の「前年中に取得したもの」に350,000円 | 定率法 | 該当がなければ「無」 |
一般方式と電算処理方式の違い
申告方式には一般方式と電算処理方式の2つがあり、資産の管理方法に応じて選べます。手書きや表計算で集計している場合は一般方式、固定資産管理システムや会計ソフトで資産を管理している場合は電算処理方式が向いています。
| 申告方式 | 一般方式 | 電算処理方式 |
|---|---|---|
| 申告する資産 | 前年中に増加・減少した資産(初回は1月1日時点の全資産) | 1月1日時点のすべての資産 |
| 評価額の計算 | 提出先の市区町村が計算 | 申告する事業者側で計算 |
| 向いているケース | 手書きや表計算で集計する場合 | 固定資産管理システムや会計ソフトで資産を管理している場合 |
提出方法(窓口・郵送・eLTAX)とeLTAX申告の手順
書類が準備できたら、次は提出です。ここでは3つの提出方法と、電子申告(eLTAX)の進め方を確認します。
窓口・郵送・eLTAXの3つの提出方法
提出方法は、市区町村の窓口(東京23区は都税事務所)へ持参する、郵送する、eLTAX(エルタックス)で電子申告する、の3つです。郵送で控えが必要な場合は、切手を貼った返信用封筒を同封し、控え用に申告書をもう1部用意します。窓口の混雑を避けるため、郵送やeLTAXを案内している自治体もあります。
eLTAXでの申告手順
eLTAXは、地方税の手続きをインターネット上で行える地方税ポータルシステムです。償却資産の申告は、専用ソフト「PCdesk(DL版)」で申告データを作成して送信します。全国の市区町村に対応しており、複数の事業所ぶんをまとめて申告できます。
手順としては、まず申告方法(一般方式か電算処理方式か)を選び、次に申告区分を選択します。一般方式では「増加資産・減少資産申告」、電算処理方式では「全資産申告(電算処理分)」を選ぶ形です。
入力方法は、画面での手入力と、CSVファイルの取込みのどちらかを選べます。CSV取込みを使う場合は、公式の「固定資産税(償却資産)申告書 種類別明細書CSVレイアウト仕様書」に沿ったCSVを税務ソフトなどから出力し、PCdeskに読み込ませます。参照するマニュアルは当年度と過年度で分かれているため、申告する年度に合ったものの確認が必要です。
出典・参考資料(1件)
提出前に自治体で確認すること
償却資産の申告には自治体ごとの違いがあるため、提出前の確認が欠かせません。使う様式は改正前・改正後で分かれることがあり、該当資産がない場合のゼロ申告の要否も自治体によって案内が異なります。eLTAXに対応していない市区町村もあるため、提出先が電子申告を受け付けているかもあわせて確認しておくと安心です。
免税点・税率と申告から納税までの流れ
申告書の作成に続いて、税額の考え方と納税までの流れも押さえておきましょう。
償却資産税の標準税率は1.4%です。これは地方税法が定める標準税率で、市区町村が条例で異なる税率を定める場合もあります。税額は、取得価額から減価を反映した評価額をもとに計算されます。
また、同じ市区町村内にある償却資産の課税標準額の合計が一定額に満たない場合は、償却資産税が課されません。この基準を免税点といい、地方税法第351条では償却資産は150万円と定められています。
市町村は、同一の者について当該市町村の区域内におけるその者の所有に係る土地、家屋又は償却資産に対して課する固定資産税の課税標準となるべき額が土地にあつては三十万円、家屋にあつては二十万円、償却資産にあつては百五十万円に満たない場合においては、固定資産税を課することができない。
出典:地方税法 第351条|e-Gov 法令検索
この免税点は、令和8年度税制改正により、令和9年度分(2027年1月に提出する申告に係る課税)から180万円へ引き上げられます。2026年時点では現行の150万円が適用されており、次に提出する令和9年度分からは180万円が基準になります。
なお、免税点未満で税額が生じない場合でも、申告そのものは必要です。免税点は課税されるかどうかの基準であって、申告の要否を左右するものではありません。
申告から納税までは、申告書の提出後に市区町村が資産を評価し、課税台帳へ登録します。その後、税額を算出した納税通知書が例年6月ごろに送られ、通常は年4回に分けて納付します。

申告しない・誤るとどうなる(過料・罰則のリスク)
償却資産の申告には罰則の定めがあり、未提出や虚偽の申告にはリスクがあります。地方税法では、申告すべき事項について虚偽の申告をした場合の罰則を次のように定めています。
第三百八十三条から前条までの規定により申告すべき事項について虚偽の申告をしたときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:地方税法 第385条|e-Gov 法令検索
また、正当な理由がなく申告をしなかった場合については、地方税法第386条で、市区町村が条例により10万円以下の過料を科す旨を定めることができるとされています。過料の有無や金額は各自治体の条例によります。
加えて、申告がないと市区町村が調査のうえ税額を決めることもあり、申告漏れが後から判明すれば、さかのぼって課税される可能性もあります。期限内に、正確な内容で申告することが、結果的に負担を抑えることにつながります。
出典・参考資料(1件)
償却資産申告書の作成を効率化するサービス
毎年の申告作業は、資産台帳の管理と評価額の計算、書類の作成が重なり、手作業では負担が大きくなりがちです。固定資産管理システムや会計ソフトの中には、台帳のデータから償却資産申告書や種類別明細書を作成し、電子申告まで対応できる製品があります。ここでは、その中から代表的なサービスを紹介します。小規模事業者から使える製品もあるため、自社の資産数や規模に合ったものを選べます。
以下は、ご紹介する固定資産管理システムの比較表です。
| サービス名 | マネーフォワード クラウド固定資産 | 固定資産奉行クラウド | PCAクラウド 固定資産 |
|---|---|---|---|
| 償却資産申告書・種類別明細書の作成 | ● | ● | ● |
| eLTAX電子申告への対応 | ● | ● | ● |
| 会計ソフト連携 | クラウド会計PlusとAPI連携 他社会計ソフトはCSV連携 | 勘定奉行iクラウドと 仕訳自動連携 | PCA会計とネイティブ連携 他社会計ソフトはテキスト出力連携 |
| 月額費用 | 要お問い合わせ (公式サイトで非公開) | 4,750円〜(税別) iEシステム・100件まで | 16,200円〜(税抜) 通常版・単体利用時 |
| 無料トライアル | 公式に記載なし | 30日間 | 2か月間 |
| 対象規模 | 中堅〜大企業 (小規模向けの廉価プランなし) | 小規模〜中堅企業 (100件〜2,000件のプラン別) | 中小〜中堅企業 (通常版・hyper版) |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金は2026年9月時点の各社公式情報に基づきます。最新の料金や提供条件は各サービスの公式サイトでご確認ください。
1. マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード)

クラウド会計サービスを提供するマネーフォワードの、固定資産の台帳管理と減価償却計算に対応したクラウド型のシステムです。償却資産課税台帳や種類別明細書(増加資産・全資産用/減少資産用)、法人税申告の別表十六といった帳票を出力でき、償却資産の申告に必要な書類をシステム上で整えられます。
電子申告については、種類別明細書のCSVを出力し、eLTAXの申告ソフトであるPCdeskに取り込む形で対応します。マスタ側で提出先の市町村コードなどを設定できます。資産名や写真をもとにAIが資産の科目・耐用年数を提案する登録サポート機能も一部ユーザー向けに提供が始まっています。料金は利用人数やプランにより変動し、公式サイトでは要問い合わせとされています。
台帳のデータをもとに申告書類を作成する仕組みが、実際の申告作業の時間をどの程度変えるかについて、提供元は導入企業の例を次のように挙げています。

SmartHR様は、固定資産関連の業務が1〜2営業日かかっていたものが半日以下に短縮されました。また、エス・エム・エス様では償却資産申告の作業時間が3分の1になったという成果が出ています。
2. 固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

奉行シリーズを展開するオービックビジネスコンサルタントの固定資産管理システムです。資産の取得から移動・除却・減損までのライフサイクル管理と減価償却の自動計算に対応し、登録した資産のデータをもとに償却資産申告書・種類別明細書を作成して、電子申告で各市区町村へ送信できます。勘定奉行iクラウドとの仕訳自動連携により、会計側での二重入力を避けられる点も特徴です。
料金は公式サイトに明示されており、管理資産100件までのiEシステムが月額4,750円(年額57,000円、いずれも税別)からと、小規模事業者でも導入しやすい価格帯が用意されています。資産数や必要な機能に応じて上位プランを選べる構成で、30日間の無料体験もあります。
3. PCAクラウド 固定資産(ピー・シー・エー株式会社)

会計ソフトのPCAが手がけるクラウド型の固定資産管理ソフトで、減価償却計算・リース資産管理・資産棚卸に加え、償却資産税の電子申告に対応しています。減損処理や資産除去債務といった会計基準にも対応し、税務基準と会計基準の双方の償却方法を登録できます。PCA会計シリーズとのデータ連携のほか、テキストファイル形式の出力により他社の会計システムへも仕訳データを渡せます。
料金は、単体で利用する場合の通常版が月額16,200円(税抜、1ユーザー利用時)からで、2か月間の無料体験が用意されています。資産数の多い企業やグループ管理が必要な場合には、上位のhyper版も選べます。
ここで取り上げたのは代表的な3サービスですが、固定資産管理システムはほかにも多くの製品があり、資産数や管理方法によって向き不向きが分かれます。以下の記事では、選び方のポイントや各システムの機能を横断的に比較・解説しているので、自社に合う製品を幅広く探したい方はあわせてご覧ください。
【新リース会計対応】固定資産管理システムおすすめ19選を徹底比較|大企業・中小企業・個人事業主向け
Excel管理の属人化・計算ミスに加え、2027年4月1日以後に開始する事業年度から新リース会計基準(IFRS16号相当)が強制適用され、オフバランスだったリース取引の大半がオンバランス化されます。 強制適用の対象は、金融商品取引法の開示対…
まとめ
償却資産申告書は、事業用の償却資産を持つ法人・個人事業主が、毎年1月31日までに資産所在の市区町村(東京23区は都税事務所)へ提出する書類です。まず自分の資産が対象になるかを確認し、対象であれば種類別明細書と申告書を作成して、窓口・郵送・eLTAXのいずれかで提出します。少額資産の申告要否や免税点、様式の違いは自治体や年度によって扱いが変わるため、各自治体の案内や公式情報での確認が確実です。
毎年の作成作業の負担が大きい場合は、台帳から申告書や種類別明細書を作成し、電子申告まで対応できる固定資産管理システムの活用も選択肢になります。自社の資産数や管理方法に合ったサービスを、資料で比較してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 事業所が複数の市区町村にある場合、どこに提出しますか?
A. 償却資産申告書は、資産が所在する市区町村ごとに提出します。たとえば本社と工場が別の市区町村にある場合は、それぞれの資産についてその所在地の市区町村(東京23区は都税事務所)へ申告します。1か所にまとめて提出するのではなく、資産の置き場所を基準に分けて提出する点に注意してください。eLTAXを使うと、複数の市区町村ぶんの申告データをまとめて作成・送信できます。
Q. 償却資産申告書は個人事業主も提出する必要がありますか?
A. 償却資産申告書は、法人か個人事業主かを問わず、事業用の償却資産を所有していれば提出が必要です。個人事業主でも、店舗の内装や看板、業務用のパソコン・機械などを事業に使っていれば申告の対象になります。所得税の確定申告とは別の手続きで、提出先も税務署ではなく資産が所在する市区町村(東京23区は都税事務所)である点に注意してください。
Q. 償却資産税がかからない場合や対象資産がない場合でも、償却資産申告書の提出は必要ですか?
A. 課税されない場合でも、償却資産申告書の提出は原則として必要です。課税標準額の合計が免税点(現行150万円、令和9年度分から180万円)に満たず税額が生じないときも、申告そのものは求められます。申告対象の資産がない場合も、多くの自治体が備考欄に「該当資産なし」と記入して提出するよう案内しています。免税点は課税されるかどうかの基準であって、申告の要否を左右するものではありません。
Q. 償却資産申告書を提出しなかったり、期限に遅れたりするとどうなりますか?
A. 正当な理由がなく申告をしなかった場合は、地方税法第386条にもとづき、市区町村の条例により10万円以下の過料が科されることがあります。虚偽の申告をした場合は、第385条で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。
期限に遅れた場合は、気づいた時点でできるだけ早く提出してください。申告がないと市区町村が調査のうえ税額を決めることもあり、申告漏れが後から判明すれば、さかのぼって課税される可能性があります。
Q. 償却資産の申告は、一般方式と電算処理方式のどちらを選べばよいですか?
A. 償却資産の申告方式は、手書きや表計算で資産を集計しているなら一般方式、固定資産管理システムや会計ソフトで資産を管理しているなら電算処理方式が向いています。一般方式は前年中に増減した資産を申告し(初回は1月1日時点の全資産)、評価額は提出先の市区町村が計算します。
電算処理方式は1月1日時点の全資産を毎年申告し、評価額は事業者側で計算します。どちらの方式を使えるかは自治体によって異なる場合があるため、提出先の案内もあわせて確認してください。
Q. 償却資産申告書は会計ソフトや固定資産管理システムで作成できますか?
A. 固定資産管理システムや会計ソフトの中には、登録した資産台帳から償却資産申告書や種類別明細書を作成できる製品があります。減価償却計算や評価額の集計を自動化でき、種類別明細書のCSVを出力してeLTAXの申告ソフト(PCdesk)に取り込む形で電子申告まで対応できるものもあります。毎年1月末の作成・集計の負担が大きい場合は、こうした製品の活用が選択肢になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















