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償却資産税とは?対象資産・計算方法・免税点から申告期限までわかりやすく解説

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固定資産管理システム比較表(2026年版)

決算や資産の購入にあたって「償却資産税」という言葉を目にして、これは何にかかる税なのか、自社も申告が必要なのかと戸惑う、経理・税務の担当者や個人事業主の方は少なくありません。

結論からいえば、償却資産税は正式には独立した税ではなく、固定資産税のうち土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)にかかる分を指します。事業に使う機械・器具・備品などの償却資産を持っていれば、法人・個人事業主を問わず、税額がゼロになる場合でも毎年1月31日までの申告が必要です。

本記事では、償却資産税の対象になる資産・ならない資産、税率や免税点、計算方法、申告の流れ、申告しなかった場合のリスクまでを、わかりやすく解説します。さらに、対象資産の洗い出しや申告書の作成といった実務負担を軽くする、固定資産管理システムの活用についても紹介します。

はじめに、償却資産税の基本を早見表で整理します。各項目の詳細は本文で解説します。

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項目内容
何にかかる税か土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)=固定資産税の一部
課税のしかた申告課税(所有者が毎年みずから申告)
標準税率1.4%(各市町村が条例で変えられる)
免税点課税標準額の合計150万円未満は課税されない(ただし申告は必要)
賦課期日毎年1月1日時点で所有する資産
申告期限毎年1月31日
申告先資産が所在する市町村(東京23区は都税事務所)
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償却資産税とは

償却資産税とは、独立した税目ではなく、固定資産税のうち土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)に対して課される分を指す通称です。土地・家屋と並んで、事業に使う機械や備品なども固定資産税の課税対象になっており、そのうち償却資産にかかる部分が「償却資産税」と呼ばれています。

地方税法は、固定資産を「土地、家屋及び償却資産」の総称と定めたうえで、償却資産を次のように規定しています。

一 固定資産 土地、家屋及び償却資産を総称する。
四 償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。

出典:地方税法第341条第1号・第4号(e-Gov法令検索)

この条文から、償却資産税の対象は「事業の用に供することができる資産」であり、無形の資産や自動車税・軽自動車税がかかる車両は含まれないことが読み取れます。個人が家庭で使う資産や、無形固定資産は対象外です。具体的にどの資産が対象になるかは、後述の対象になる資産・ならない資産で詳しく整理します。

償却資産税と固定資産税の違い

ここでは、償却資産税と、土地・家屋にかかる固定資産税との違いを整理します。両者は同じ固定資産税ですが、課税対象と課税のしかたが異なります。

最も大きな違いは、課税のしかたです。土地・家屋は、自治体が登記情報などから資産を把握して税額を計算し、納税者へ通知する「賦課課税」です。これに対して償却資産は、所有者自身が資産の内容を申告し、それにもとづいて評価・課税される「申告課税」です。この違いがあるため、償却資産については所有者が毎年みずから申告しなければなりません。

固定資産税の中での位置づけと、土地・家屋との課税のしかたの違いを図で整理すると、次のようになります。

固定資産税は土地・家屋・償却資産にかかり、このうち土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)にかかる分が償却資産税と呼ばれることを示す図。土地・家屋は賦課課税で申告は原則不要、償却資産は申告課税で毎年1月31日までに所有者の申告が必要。標準税率はいずれも1.4%。
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項目土地・家屋にかかる固定資産税償却資産税(償却資産分)
課税対象土地・家屋土地・家屋以外の事業用資産
課税のしかた賦課課税(自治体が評価・課税)申告課税(所有者が申告)
申告の要否原則不要毎年必要(1月31日まで)
標準税率1.4%1.4%

償却資産の申告義務は、地方税法第383条で定められています。所有者は毎年1月1日時点の償却資産について、1月31日までに資産が所在する市町村へ申告する必要があります。

償却資産税の対象になる資産・ならない資産

ここからは、申告の対象になる資産と、対象にならない資産を具体的に見ていきます。自社の資産が申告の対象かどうかを判断する、最も重要な部分です。

対象となる資産(6種類と業種別の具体例)

償却資産は、大きく次の6種類に分類されます。事業のために使っている資産であれば、取得価額や使用状況に応じて申告の対象になります。

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資産の種類具体例
構築物舗装路面、庭園、門・塀、受変電設備、広告塔、内装・内部造作(賃借人が取り付けた場合)など
機械及び装置製造設備、食料品製造設備、旋盤、ボール盤、梱包機、ポンプなど
船舶ボート、遊漁船、貨物船など
航空機飛行機、ヘリコプター、グライダーなど
車両及び運搬具大型特殊自動車、構内運搬車、貨車など(自動車税・軽自動車税の対象車両を除く)
工具、器具及び備品パソコン、コピー機、陳列ケース、看板(ネオンサイン等)、医療機器、応接セット、エアコンなど

業種によって、申告の対象になりやすい資産は異なります。たとえば製造業では金属製品製造設備や旋盤・梱包機、建設業ではブルドーザーやフォークリフトなどの土木建設車両(軽自動車税の対象となるものを除く)、飲食店業ではテーブルや椅子・厨房用具・冷凍冷蔵庫などが対象です。

業種を問わず共通して対象になりやすいのは、パソコンやコピー機、ルームエアコン、応接セット、テナントが取り付けた内装・内部造作などです。

自社が所有する建物ではない賃借物件に取り付けた資産も対象になるため、「自社所有ではないから関係ない」と見落とさないよう注意が必要です。

出典・参考資料(1件)

対象にならない資産

一方で、次のような資産は償却資産税の申告対象になりません。いずれも地方税法や施行令で課税対象から除かれているものです。

  • 土地・家屋:これらは償却資産ではなく、土地・家屋にかかる固定資産税で別に課税されます。
  • 自動車税・軽自動車税の対象となる車両:普通自動車やフォークリフト(小型特殊自動車に分類されるもの)など。実際に自動車税等が課されている必要はありません。同じフォークリフトでも、大型特殊自動車に当たるものは軽自動車税の対象外のため償却資産として申告します(大型特殊なら対象・小型特殊なら対象外、と分かれます)。
  • 無形固定資産:アプリケーションソフトウェア、特許権、実用新案権など。
  • 繰延資産:創立費、開業費、開発費など。
  • 取得価額10万円未満で一時に損金算入した資産、および取得価額20万円未満で一括償却資産として3年間で損金算入している資産。

このうち10万円未満・20万円未満の線引きは、地方税法施行令第49条が法人税法・所得税法の規定を引く形で定めています。ただし、ここに含まれない「30万円未満の少額減価償却資産の特例」を使った資産は、償却資産税では申告対象になります。この点は誤解が多いため、後述の間違えやすい償却資産の判定で詳しく解説します。

出典・参考資料(2件)

なお、ソフトウェアなどの無形固定資産は原則として対象外ですが、取得のしかたや付随する機器の扱いによって判断に迷うケースもあります。ソフトウェアの課税判定の考え方と例外のパターンは、以下の記事で詳しく整理しています。

償却資産税の計算方法と税率

ここでは、償却資産税の税額がどう決まるのかを、税率・評価額・計算例の順に見ていきます。

税率(標準税率1.4%)

償却資産税の税額は、課税標準額に税率をかけて計算します。税率は地方税法で標準税率1.4%と定められています。

固定資産税の標準税率は、百分の一・四とする。

出典:地方税法第350条第1項(e-Gov法令検索)

1.4%はあくまで標準税率であり、各市町村が条例で異なる税率を定めることもできます。自社の資産が所在する自治体の税率は、その自治体の公式情報で確認してください。

評価額の求め方

課税標準額のもとになるのが、資産ごとの評価額です。評価額は固定資産評価基準にもとづき、取得価額に減価残存率をかけて求めます。減価残存率は、資産の耐用年数に応じて定められた減価率(r)から決まります。

前年中に取得した資産 取得価額×(1-r/2)(*取得月にかかわらず半年分を償却します。)
前年前に取得した資産 前年度評価額×(1-r)
(注)算出した評価額が取得価額の5%を下回る場合は、取得価額の5%の額が評価額となります。

出典:固定資産評価基準別表第15にもとづく減価残存率表|東京都主税局「固定資産税(償却資産)」(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/work/shokyak_sis)

ポイントは2つあります。取得した最初の年は、取得月にかかわらず半年分を償却する点(取得価額×(1-r÷2))と、評価額が下がり続けても取得価額の5%が下限になる点です。使い続けている資産は、たとえ会計上の帳簿価額がゼロでも、評価額が残り課税対象になります。

減価率(r)は資産の耐用年数に応じて定められています。代表的な耐用年数の減価率は次のとおりです(固定資産評価基準別表第15による。他の耐用年数の値は下記の東京都主税局ページなどで確認できます)。

耐用年数2年3年4年5年6年8年10年15年
減価率(r)0.6840.5360.4380.3690.3190.2500.2060.142
出典・参考資料(1件)

具体的な計算例

たとえば、取得価額100万円・耐用年数5年(別表第15の減価率0.369)の機械を前年中に取得した場合、初年度の評価額は次のように計算します。

  • 初年度の評価額:1,000,000円 ×(1 - 0.369 ÷ 2)= 815,500円
  • 翌年度の評価額:815,500円 ×(1 - 0.369)= 514,580円(1円未満切り捨て)

この評価額が課税標準額となります。この機械1台だけであれば課税標準額は免税点(150万円)未満のため課税されませんが、ほかの償却資産と合わせて課税標準額の合計が150万円以上になると課税対象です。

たとえば複数の資産を合わせた課税標準額の合計が300万円なら、300万円 × 1.4% = 42,000円が年間の税額になります(100円未満切り捨てなどの端数処理は自治体の扱いによります)。免税点については次節で詳しく解説します。

償却資産税の免税点

ここでは、償却資産税がかからない基準である「免税点」と、申告義務との関係を整理します。多くの誤解が生じる部分です。

同一の市町村内で所有する償却資産の課税標準額の合計が150万円未満の場合、償却資産税は課されません。この基準を免税点といいます。

市町村は、同一の者について当該市町村の区域内におけるその者の所有に係る土地、家屋又は償却資産に対して課する固定資産税の課税標準となるべき額が土地にあつては三十万円、家屋にあつては二十万円、償却資産にあつては百五十万円に満たない場合においては、固定資産税を課することができない。

出典:地方税法第351条(e-Gov法令検索)

ここで注意したいのは、条文が定めているのは「固定資産税を課することができない」ことであって、「申告しなくてよい」とは一言も書かれていない点です。課税標準額が150万円未満で税額がゼロになる場合でも、償却資産を所有していれば申告義務は残ります。申告があってはじめて自治体は課税標準額を把握でき、免税点未満かどうかを判断できるためです。

「税金がかからないなら申告も不要」という思い込みは、申告漏れにつながりやすい代表的な誤解です。

償却資産税の申告の流れ

ここからは、実際の申告の流れを時系列で確認します。賦課期日・申告期限・申告方法・納付の順に見ていきましょう。

償却資産税の申告・納付の流れを示す4ステップの図。STEP1 賦課期日は毎年1月1日時点で所有する償却資産が課税対象、STEP2 申告は資産の所在地の市町村へ1月31日までに申告(eLTAXでの電子申告も可)、STEP3 評価・課税で自治体が評価額を決定し納税通知書が届く、STEP4 納付は土地・家屋の固定資産税とあわせて原則年4回。

賦課期日(1月1日時点の所有資産)

償却資産税は、毎年1月1日時点で所有している償却資産が対象です。この基準となる日を賦課期日といいます。年の途中で取得・除却した資産は、翌年1月1日時点の保有状況に反映して申告します。

申告期限(1月31日まで)

申告期限は、賦課期日の属する年の1月31日です。1月1日時点で所有する償却資産について、その所在・種類・数量・取得時期・取得価額・耐用年数などを、資産が所在する市町村へ申告します。

固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者(…)は、総務省令の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該償却資産について、その所在、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数、見積価額その他償却資産課税台帳の登録及び当該償却資産の価格の決定に必要な事項を一月三十一日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。

出典:地方税法第383条(e-Gov法令検索)

東京23区内の資産については、特例として都(都税事務所)が課税するため、申告先も都税事務所になります。申告先は資産の所在地によって変わるため、複数の自治体に資産がある場合はそれぞれに申告が必要です。

実際に申告書を作成する段になると、第26号様式や種類別明細書のどの欄に何を記入するかで迷うことがあります。対象資産の判定から様式ごとの書き方・提出方法までは、以下の記事で手順に沿って解説しています。

eLTAXによる電子申告

償却資産の申告は、紙の申告書のほか、地方税ポータルシステム「eLTAX(エルタックス)」を使った電子申告でも行えます。eLTAXは地方税共同機構が運営する、地方税の申告・納税の共通システムです。複数の自治体へ申告する場合でも、一括で電子申告できる点が利点です。

出典・参考資料(1件)

納付(年4回)

申告後、自治体が評価額を決定し、税額を記載した納税通知書が送られてきます。土地・家屋の固定資産税とあわせて、原則として年4回に分けて納付します。納期は自治体によって異なるため、納税通知書で確認してください。

申告しなかった場合のペナルティと遡及課税

ここでは、申告を怠ったり内容を偽ったりした場合に、どのような扱いになるのかを確認します。

過料・罰則

申告すべき事項について虚偽の申告をした場合には、罰則が定められています。

第三百八十三条から前条までの規定により申告すべき事項について虚偽の申告をしたときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

出典:地方税法第385条(e-Gov法令検索)

また、正当な事由なく申告しなかった場合には、市町村が条例で10万円以下の過料を科す旨を定めることができます。虚偽申告(罰則)と不申告(過料)は別のものとして規定されています。

出典・参考資料(1件)

最大5年(不正があった場合は7年)の遡及課税

申告漏れが後から判明した場合、その年度だけでなく過年度にさかのぼって課税されます。地方税法第17条の5の規定により、通常は最大5年度分、偽りその他不正の行為により税額を免れた場合は最大7年度分までさかのぼって賦課決定が行われます。長期間さかのぼって一度に課税されると、思わぬ負担になりかねません。

出典・参考資料(2件)

申告内容の確認調査

申告書を提出した後も、自治体は申告内容が適正かどうかを確認するため、電話での問い合わせや資料提供の依頼、実地調査を行うことがあります。これは地方税法第353条(質問検査権)・第408条にもとづく手続きです。調査の結果、申告漏れが見つかれば、前述の遡及課税の対象になります。

申告を忘れていた、あるいは過去に申告し漏れた資産があるかもしれないという場合は、過料や延滞金の有無と、今からさかのぼって申告するための具体的な対処法を、以下の記事で確認できます。

間違えやすい償却資産の判定

ここでは、申告の対象になるかどうかの判断を誤りやすい資産を取り上げます。いずれも実務で迷いやすく、申告漏れや過大申告の原因になりやすい論点です。

30万円未満の少額減価償却資産の特例は申告対象

中小企業者等は、租税特別措置法の特例により、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した事業年度に一括で損金算入できます。しかしこの特例を使った資産は、法人税・所得税では損金になっても、償却資産税では申告対象です。

償却資産税で対象外になるのは、地方税法施行令第49条が定める10万円未満の一時損金算入資産と20万円未満の一括償却資産であり、30万円未満の少額特例はこれに含まれないためです。節税のつもりで一括償却した資産を申告から外してしまう誤りが起きやすいため、注意が必要です。

リース資産(所有権移転外リース)は誰が申告するか

リースで使っている資産は、契約の種類によって申告義務者が変わります。所有権移転外ファイナンスリースの資産は、原則として資産の所有者であるリース会社が申告します。一方、所有権移転リースのように実質的に購入と同じとみなされる場合は、使用者側が申告するケースがあります。判断に迷う場合は、リース契約の内容を確認し、リース会社に申告の取り扱いを問い合わせると確実です。

中古資産の評価

中古で取得した資産も、評価額の計算方法は新品と同じく「取得価額×減価残存率」です。取得価額には実際に支払った金額を、耐用年数には中古資産の見積耐用年数を用います。すでに使い古された資産でも、取得価額の5%が評価額の下限になるため、評価額がゼロになることはありません。

建築設備と家屋の区分

建物に付随する設備は、家屋として評価されるものと、償却資産として申告するものに分かれます。家屋の評価に含まれる建築設備は、次の3要件を備えたものです。

  • 家屋の所有者が所有するもの
  • 家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となっているもの
  • 家屋の効用を高めるもの

これに当てはまらない生産・業務用の設備などは、償却資産として申告します。区分の判断が難しい場合は、資産が所在する自治体に確認すると安全です。

出典・参考資料(1件)

固定資産税との二重課税という誤解

「固定資産税と償却資産税を二重に払っているのでは」という誤解がありますが、両者は別の税ではありません。償却資産税は固定資産税の一部であり、土地・家屋にかかる分と償却資産にかかる分が、それぞれ別の対象に課されているだけです。同じ資産に二重に課税されているわけではありません。

償却資産税の軽減制度・特例

設備投資にあたっては、償却資産税の負担を軽くできる制度があります。ここでは全国共通で使える主な制度を紹介します。適用される割合や要件は自治体によって異なる場合があるため、最終的には資産が所在する自治体で確認してください。

先端設備等導入計画による特例

中小企業等経営強化法にもとづき、市区町村の認定を受けた先端設備等導入計画に従って取得した機械装置などは、固定資産税の課税標準が軽減されます。地方税法附則第15条により、課税標準は原則として3年度分は2分の1になり、一定の賃上げ方針を計画に盛り込んだ場合は5年度分にわたって4分の1に軽減されます。認定は各市区町村が行うため、設備の取得前に計画の認定を受けておく必要があります。

出典・参考資料(1件)

わがまち特例

わがまち特例(地域決定型地方税制特例措置)は、国が軽減割合の参酌基準と上限・下限を定め、具体的な割合を市町村が条例で決める仕組みです。対象となる設備は同じでも、自治体によって軽減割合が異なることがあります。対象設備を導入する際は、その自治体の条例でどの割合が採用されているかを確認しましょう。

課税免除

地方税法第6条は、地方団体が公益上その他の事由により課税を不適当とする場合に、課税をしないことができると定めています。これを根拠に、過疎地域への企業立地や特定の政策目的に合わせて、各自治体が条例で償却資産税の課税免除を設けていることがあります。対象地域・対象業種・要件は自治体ごとに異なるため、該当しそうな場合は自治体に問い合わせてください。

出典・参考資料(1件)

償却資産の申告実務を効率化する方法

ここまで見てきたように、償却資産税の申告では、1月1日時点の対象資産を漏れなく洗い出し、資産ごとに評価額を計算し、申告書やeLTAXデータを作成する必要があります。資産の数が多い事業者ほど、この作業は負担が大きくなります。

そこで有効なのが、固定資産管理システムの活用です。固定資産台帳の管理から減価償却費の計算、償却資産申告書や種類別明細書の出力、eLTAX用データの作成までを一元化でき、毎年の申告作業の工数と申告漏れのリスクを減らせます。ここでは、償却資産申告に対応した主な固定資産管理システムを紹介します。

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サービス名マネーフォワード クラウド固定資産PCAクラウド 固定資産固定資産奉行クラウド
提供会社株式会社マネーフォワードピー・シー・エー株式会社株式会社オービックビジネスコンサルタント
提供形態クラウドクラウド
(オンプレ型は別ブランド「PCAサブスク固定資産」)
クラウド
月額費用要お問い合わせ16,200円〜(税抜・単体利用時)4,750円〜(プラン別)
無料トライアル記載なし2ヶ月30日間
償却資産申告書の出力●課税台帳・種類別明細書をPDF/CSV出力●●償却資産申告書・種類別明細書を作成
eLTAX電子申告対応△CSV出力→PCdesk経由で電子申告●●
会計システム連携●自社の会計とAPI連携/他社はCSV●PCA会計と連携/他社はテキスト出力●勘定奉行と自動連携(他社会計はCSV連携を予定)
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

ここで取り上げた3サービスのほかにも、固定資産管理システムには多くの製品があります。機能や料金、会計システムとの連携などを含めた選び方をまとめて比較・検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

1. マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド固定資産のウェブサイト

クラウド会計で知られるマネーフォワードが提供する、クラウド型の固定資産管理システムです。固定資産台帳の登録・管理から減価償却計算、法人税の別表16や償却資産申告書の出力、会計システムへの仕訳連携までを一元的に扱えます。

償却資産申告の面では、償却資産課税台帳や種類別明細書をPDF・CSVで出力でき、eLTAX対応ソフト「PCdesk」への連携により電子申告用データを作成できます。資産に関する写真や設置場所、電子領収書などを1つの画面に集約できるUIも特徴で、月に一度程度しか触らない固定資産の登録業務でも操作に迷いにくい設計です。Excel管理から脱却したい中小企業に向いています。

システムの導入が申告実務の負担をどの程度軽くするのかについて、提供元のマネーフォワードは導入企業での成果を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

SmartHR様は、固定資産関連の業務が1〜2営業日かかっていたものが半日以下に短縮されました。また、エス・エム・エス様では償却資産申告の作業時間が3分の1になったという成果が出ています。画面がわかりやすく操作もシンプルなので、資産の登録や移動登録といった業務が効率化されるだけでなく、属人化の解消にもつながります。これまで特定の担当者しかできなかった業務が、チームの誰もが対応できるようになるのは大きなメリットです。

2. PCAクラウド 固定資産(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 固定資産のウェブサイト

会計・給与などの業務ソフトを長年提供してきたPCA(ピー・シー・エー)のクラウド型固定資産管理ソフトです。減価償却計算やリース資産管理、資産棚卸に加えて、償却資産税の電子申告まで一元的に扱える点が特徴です。

減損処理や資産除去債務といった会計基準にも対応し、PCA会計シリーズとのデータ連携のほか、出力パターン機能によりPCA以外の会計システムとも仕訳データを連携できます。クラウド版のほか、オンプレミス環境で使うサブスクリプション版も用意されており、運用方針に合わせて提供形態を選べます。

3. 固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

固定資産奉行クラウドのウェブサイト

固定資産の取得・移動・除却・減損といったライフサイクル管理と、減価償却費の自動計算を備えた、OBC(オービックビジネスコンサルタント)の「奉行クラウド」シリーズの固定資産・リース資産管理システムです。償却資産税(地方税)の電子申告にも対応します。

勘定奉行クラウドとの仕訳自動連携により、固定資産まわりの会計処理と申告をつなげて運用できます。中小企業向けの本製品に加え、中堅・上場企業向けには別ラインの製品も用意されており、企業規模に応じて選べる点も特徴です。

まとめ

償却資産税は独立した税ではなく、固定資産税のうち土地・家屋以外の事業用資産にかかる分を指します。対象となる資産を持つ事業者は、課税標準額が免税点(150万円)未満で税額がゼロになる場合でも、毎年1月31日までの申告が必要です。

30万円未満の少額特例を使った資産やリース資産、建物に付随する設備など、判断を誤りやすい資産もあります。申告漏れは最大5年(不正があれば7年)さかのぼって課税されるため、対象資産を正しく把握し、期限内に申告することが大切です。資産数が多く作業負担が重い場合は、固定資産管理システムの活用で、申告書やeLTAXデータの作成を効率化できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 償却資産税とは何ですか?

A. 償却資産税とは、固定資産税のうち、土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)にかかる分を指す通称です。独立した税目ではなく、機械・工具・器具・備品など事業に使う資産を持つ事業者が対象で、毎年1月1日時点で所有する資産を1月31日までに申告して納めます。

Q. 償却資産税は赤字でも課税されますか?

A. 償却資産税は、赤字でも課税されます。法人税や所得税のように利益に対してかかる税ではなく、1月1日時点で所有している資産そのものに対してかかる税だからです。ただし、同一市町村内で所有する償却資産の課税標準額の合計が免税点の150万円未満であれば課税されません(その場合でも申告は必要です)。

Q. 個人事業主も償却資産税の申告が必要ですか?

A. 償却資産税は、法人だけでなく個人事業主も申告の対象です。事業のために使う機械・工具・器具・備品などを持っていれば、法人・個人の別を問わず申告義務があります。所得税の確定申告とは別の手続きで、資産が所在する市町村へ申告します。

Q. 減価償却が終わった資産も償却資産税の申告対象ですか?

A. 償却資産税では、減価償却が終わった資産や帳簿価額がゼロの資産も、事業で使っている限り申告の対象です。評価額には取得価額の5%が下限として残るため、会計上は償却済みでも評価額はゼロにならず、課税対象になります。一方、使わなくなって除却した資産は対象から外れます。

Q. パソコンやソフトウェアは償却資産税の対象になりますか?

A. 償却資産税では、パソコンは対象になり、ソフトウェアは対象になりません。パソコン・コピー機・サーバーなどの有形の器具・備品は申告対象ですが、アプリケーションソフトウェアや特許権などの無形固定資産は課税対象から除かれています。

Q. 償却資産税の申告先はどこですか?

A. 償却資産税の申告先は、その資産が所在する市町村(東京23区内は都税事務所)です。資産の所在地ごとに申告先が分かれるため、複数の市町村に資産がある場合は、それぞれの自治体へ申告します。本店の所在地にまとめて申告するわけではない点に注意が必要です。

Q. 廃業した場合や資産を手放した場合も償却資産税の申告は必要ですか?

A. 償却資産税は、1月1日時点で対象資産を所有していなければ課税されません。ただし、前年に申告した資産を売却・除却・廃業などで手放した場合は、その減少を申告書で報告する必要があります。報告しないと資産を持ち続けているものとして課税され続けるおそれがあるため、資産を手放したときも申告で状況を反映させます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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