ソフトウェアや特許権など、形のない資産の会計処理で手が止まった経験はないでしょうか。無形固定資産は、建物や機械のような有形固定資産とは耐用年数や償却方法の扱いが異なり、「どの資産が対象なのか」「何年で償却するのか」「仕訳はどう切るのか」で迷いやすい分野です。
本記事では、無形固定資産の定義と有形固定資産との違いから、該当する資産の種類一覧、資産ごとの耐用年数、減価償却の方法と計算例、取得時・償却時の仕訳、そして実務で間違えやすい論点までを順に整理します。自社の資産の計上・償却処理をそのまま完了できるよう、具体的な数字と仕訳例を交えて解説します。
目次
無形固定資産とは?有形固定資産との違い
無形固定資産とは、物理的な形を持たず、1年を超えて事業に使用する固定資産のことです。特許権や商標権などの法的な権利、ソフトウェア、のれん(営業権)などが代表例で、形はないものの、長期にわたって収益を生む資産として貸借対照表に計上し、原則として減価償却を行います。
同じ固定資産でも、建物・機械・車両といった「目に見える」資産は有形固定資産に分類されます。両者は会計上の扱いにいくつか違いがあり、特に減価償却の方法で差が出ます。有形固定資産では定額法と定率法を選べる資産が多いのに対し、無形固定資産は原則として定額法だけが認められ、残存価額を見込まずに取得価額の全額を耐用年数にわたって償却する点が大きな違いです。
次章以降で、どの資産が無形固定資産に該当し、それぞれ何年で償却するのか、具体的な計算と仕訳はどうなるのかを順に見ていきます。
無形固定資産に該当する資産の種類と耐用年数
ここでは、無形固定資産に該当する資産の種類を整理したうえで、それぞれの耐用年数を一覧表で確認します。自社が保有する資産がどれに当たるかを特定し、続けて償却年数を拾えるよう、2つの視点をまとめて示します。
該当する資産の種類一覧(償却する資産・しない資産)
無形固定資産は、おおまかに次のように整理できます。まず特許権・実用新案権・意匠権・商標権・育成者権といった法的な権利、次にソフトウェア、企業買収などで生じるのれん(営業権)があります。さらに、漁業権・水利権・電気通信施設利用権・水道施設利用権などの利用権も無形固定資産に含まれ、いずれも次の一覧表で耐用年数を確認できます。

一方で、無形の資産でありながら減価償却を行わない「非償却資産」もあります。代表的なものが借地権・電話加入権・著作権です。これらは法人税法施行令が定める減価償却資産に含まれないため、取得しても償却費を計上しません。減価償却資産の範囲について、同施行令は次のように定めています。
法第二条第二十三号(定義)に規定する政令で定める資産は、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。
出典:法人税法施行令 第十三条|e-Gov法令検索
借地権は「時の経過によりその価値の減少しない」資産に当たるため、この定義から外れます。また、同条が減価償却の対象として列挙する無形固定資産(特許権・商標権・ソフトウェアなど)には電話加入権・著作権が含まれず、下記の別表第三にも資産名が載りません。
資産名が別表第三に載っているかどうかが、償却対象か対象外かを見分ける手がかりになります。どの資産が償却対象でどれが対象外かは、次の一覧表で確認してください。
資産名×耐用年数の一覧表
無形固定資産の耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表第三(無形減価償却資産の耐用年数表)で資産ごとに定められています。主な資産の耐用年数は次のとおりです。借地権・電話加入権・著作権は同表に載らない非償却資産のため、年数欄を「—(対象外)」としています。
| 無形固定資産の種類と耐用年数 | 特許権 | 実用新案権 | 意匠権 | 商標権 | 育成者権(種苗法の品種/その他) | ソフトウェア(複写して販売するための原本) | ソフトウェア(その他・自社利用など) | 営業権(のれん) | 漁業権 | ダム使用権 | 水利権 | 専用側線利用権 | 鉄道軌道連絡通行施設利用権 | 電気ガス供給施設利用権 | 水道施設利用権 | 工業用水道施設利用権 | 電気通信施設利用権 | 借地権 | 電話加入権 | 著作権 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 耐用年数 | 8年 | 5年 | 7年 | 10年 | 10年/8年 | 3年 | 5年 | 5年(税務) | 10年 | 55年 | 20年 | 30年 | 30年 | 15年 | 15年 | 15年 | 20年 | —(対象外) | —(対象外) | —(対象外) |
| 減価償却 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 非償却 | 非償却 | 非償却 |
※耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第三による(2026年10月時点)。営業権(のれん)の5年は税務上の耐用年数で、会計上の扱いは下記の注記を参照。
のれん(営業権)の耐用年数には注意が必要です。税務上は別表第三にもとづき5年で償却しますが、会計上ののれんは「企業結合に関する会計基準」により20年以内の期間で規則的に償却するとされており、税務(5年)と会計(20年以内)で年数が異なります。自社の決算書作成では会計基準、税務申告では税法の年数と、目的に応じて使い分けます。
無形固定資産の減価償却の方法と計算例
無形固定資産の減価償却には、有形固定資産とは異なるルールがあります。ここでは償却方法の前提を確認したうえで、自社の金額を当てはめて償却額を出せるよう、数字で追える計算例を示します。
減価償却の方法(定額法・残存価額ゼロ・計算式)
無形固定資産の償却方法は、原則として定額法のみです。法人税法施行令は無形固定資産の償却方法を定額法と定めており、有形固定資産のように定率法を選ぶことはできません。ただし、鉱業権は無形固定資産に含まれるものの、償却方法は生産高比例法なども選べる例外で、耐用年数も別表第三ではなく鉱区の採掘予定数量などで決まります。また、リース資産はリース期間定額法で償却します。
また、無形固定資産は残存価額を見込まず、取得価額の全額を耐用年数にわたって償却します。有形固定資産で最終年に残す備忘価額1円のような扱いはなく、耐用年数が経過すると帳簿価額はゼロになります。計算式は次のとおりシンプルです。
年間の減価償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数
出典・参考資料(1件)
計算例(取得満額の年・期中取得の月割・最終年)
自社利用のソフトウェアを100万円で取得した場合を例に考えます。自社利用のソフトウェアの耐用年数は5年のため、年間の減価償却費は「100万円 ÷ 5年 = 20万円」です。期首に取得して1年を通して使った場合は、毎年20万円ずつ5年で償却します。
期の途中で取得した場合は、その期に使った月数に応じて月割で計算します。たとえば3月決算の会社が12月に取得して使い始めた場合、その期に使うのは12月から3月までの4か月分です。初年度の償却費は「20万円 × 4か月 ÷ 12か月 = 約66,667円」となります。償却しきれなかった分は翌期以降に繰り越し、最終年に未償却残高をすべて償却して帳簿価額をゼロにします。
この「3月決算・12月取得」のケースを5年分の償却スケジュールにすると、次のようになります(端数は円未満を切り上げ、合計が取得価額100万円に一致するよう最終年で調整します)。
| 償却スケジュール(自社利用ソフトウェア100万円・耐用年数5年・3月決算12月取得の例) | 1年目(12月取得) | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目(最終年) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月数 | 4か月 | 12か月 | 12か月 | 12か月 | 12か月 | 8か月 |
| 減価償却費 | 66,667円 | 200,000円 | 200,000円 | 200,000円 | 200,000円 | 133,333円 |
| 期末の未償却残高 | 933,333円 | 733,333円 | 533,333円 | 333,333円 | 133,333円 | 0円 |
期中取得の場合は、初年度に満額を償却できないため、耐用年数の5年を終えても償却が残り、翌期(6年目)に繰り越して完了します。期首に取得していれば、1年目から5年目まで毎年20万円ずつで、5年目末に帳簿価額がゼロになります。
無形固定資産の仕訳(取得時・償却時)
無形固定資産の仕訳は、取得時と決算の償却時の2つの場面で発生します。償却の記帳は直接法(帳簿価額から直接減らす方法)で行うのが簿記・実務の標準で、有形固定資産でよく使う減価償却累計額(間接法)は原則として用いません。ここでは先ほどの「自社利用ソフトウェア100万円・耐用年数5年」を例に、具体的な仕訳を示します。
取得時の仕訳
ソフトウェアを100万円で取得し、代金を現預金から支払った場合の仕訳は次のとおりです。資産の勘定科目(ソフトウェア)で計上します。
| 取得時の仕訳(ソフトウェア100万円を現預金で取得) | ソフトウェア |
|---|---|
| 借方金額 | 1,000,000円 |
| 貸方 | 現金預金 |
| 貸方金額 | 1,000,000円 |
償却時の仕訳(直接法・間接法の違い)
決算で1年分(20万円)を償却するときは、減価償却費を計上し、同額をソフトウェアの帳簿価額から直接減らします。これが直接法です。
| 償却時の仕訳(直接法・年間20万円) | 減価償却費 |
|---|---|
| 借方金額 | 200,000円 |
| 貸方 | ソフトウェア |
| 貸方金額 | 200,000円 |
有形固定資産でよく使う間接法では、貸方を「減価償却累計額」とし、資産の取得価額を帳簿に残したまま累計額で控除します。無形固定資産では、貸方に資産科目を直接置く直接法が一般的で、貸借対照表には償却後の未償却残高が表示されます。
無形固定資産の処理で間違えやすい論点
無形固定資産の処理では、資産の区分や償却の要否を取り違えやすい場面があります。ここでは、特に事故につながりやすい2つの論点を整理します。
ソフトウェアの区分(自社利用5年/複写販売用3年/制作途中の扱い)
ソフトウェアは用途によって耐用年数が変わります。国税庁は、複写して販売するための原本または研究開発用のものは3年、その他のもの(自社利用など)は5年と示しています。社内で業務に使うソフトウェアは5年、パッケージとして複製・販売するための原本は3年と覚えておくと取り違えにくくなります。

会計上は、ソフトウェアを「市場販売目的」「自社利用」などに区分して処理します。市場販売目的のソフトウェアでは、最初に製品化された製品マスターの完成までの制作費は研究開発費として費用処理し、完成後の機能改良に係る制作費を無形固定資産として計上します。自社利用のソフトウェアは、将来の収益獲得または費用削減が確実と認められる場合に無形固定資産として計上します。
制作途中で完成していないソフトウェアは、その事業年度末時点ではまだ償却を始めません。完成までの制作費のうち資産計上する分は、実務上「ソフトウェア仮勘定」などで一時的に経理し、完成して事業に使い始めた時点で本勘定に振り替えて償却を開始します。
非償却資産の取り違えに注意(借地権・電話加入権・著作権)
借地権・電話加入権・著作権は無形の資産ですが、税務上は減価償却を行いません。これらを誤って償却費に計上すると、損金の過大計上につながり、税務上の否認の対象になります。取得しても償却せず、原則として帳簿価額のまま資産に残す点に注意してください。ソフトウェアは著作物でもありますが、別表第三に独立して耐用年数が定められているため償却対象で、権利そのものである著作権とは扱いが分かれます。
もう1つ注意したいのが、前章で触れたのれん(営業権)のように、税務と会計で償却年数が分かれる資産です。どちらの目的の数字かを取り違えないよう意識して処理すると安全です。会計処理の個別判断に迷う場合は、税理士など専門家に確認すると確実です。
無形固定資産の計算・管理を効率化する方法
無形固定資産は、資産ごとに耐用年数が異なり、取得・償却・除却のたびに計算と仕訳が発生します。資産の件数が増えるほど、手計算や表計算ソフトでの管理はミスと手間が増えやすくなります。固定資産台帳への登録から減価償却費の自動計算、仕訳の自動生成、償却資産申告の資料作成までをまとめて扱えるのが、固定資産管理システムやクラウド会計ソフトです。
ここでは、無形固定資産を含む固定資産の台帳管理と償却計算を自動化できる主なサービスを紹介します。以下は各サービスの比較表です。
| サービス名 | 弥生会計 Next | マネーフォワード クラウド固定資産 | 固定資産奉行クラウド | freee会計 |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド会計ソフト内蔵 | 固定資産管理の専用クラウド | 固定資産・リース資産の専用システム | クラウド会計ソフト内蔵 |
| 無形固定資産への対応 | 有形・無形固定資産に対応 | 資産区分で無形を設定(直接法で仕訳作成) | 無形固定資産(ソフトウェア等)の管理に対応 | 無形固定資産(ソフトウェア等)を資産分類で登録 |
| 減価償却費の自動計算・仕訳 | ● | ● | ● | ● |
| 税務申告対応 | 償却資産申告の転記用資料を出力(電子申告連携は非対応) | 償却資産申告書・法人税別表16を出力、eLTAX電子申告に対応(CSV→PCdesk) | 償却資産税のeLTAX電子申告、別表16データ連携に対応 | 法人税別表16(1)(2)に対応(償却資産申告はfreee申告と連携) |
| 会計ソフト連携 | 会計機能に内蔵(仕訳を自動反映) | クラウド会計PlusとAPI連携/他社はCSV連携 | 勘定奉行クラウドと仕訳自動連携 | 会計機能に内蔵(仕訳を自動反映) |
| 初期費用 | 0円 | 要お問い合わせ | 0〜70,000円(プラン別) | 0円 |
| 月額費用(最安) | 2,900円〜(税抜・年契約の月換算) | 要お問い合わせ | 4,750円〜(プラン別) | 2,980円〜(税抜・年払い) |
| 対象規模・資産件数の目安 | 法人専用(固定資産は1会計期間500件まで) | 資産1,000件規模に増える中堅〜大企業 | 中小〜グループ企業(資産100〜2,000件) | 個人事業主〜上場企業(会計と一元化したい企業) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Next は、会計・経費・請求を1つのクラウドで扱える法人向けの会計ソフトです。会計帳簿の作成を中核に、固定資産台帳の機能を内蔵しており、有形固定資産だけでなく無形固定資産にも対応しています。
固定資産台帳に資産を登録すると、減価償却費が自動計算され、仕訳も自動で作成されるため、台帳と仕訳帳のズレが起きにくい設計です。償却資産申告書へ転記するための資料や、固定資産台帳兼減価償却計算表の出力にも対応します。固定資産の登録は1会計期間あたり500件までで、資産件数がそれほど多くなく、会計・経費・請求をまとめて一元化したい企業に適した製品です。
マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード)

固定資産の台帳管理に特化したクラウドサービスが、マネーフォワード クラウド固定資産です。固定資産台帳の登録・管理、減価償却計算、法人税別表16(減価償却の明細)や償却資産申告書の出力、会計システムへの仕訳連携までを一元的に扱えます。
無形固定資産への対応も明確で、資産科目マスタの「資産区分」に「無形固定資産」を設定でき、その科目に紐づく資産は直接法の形式で減価償却仕訳が作成されます。償却資産申告データをCSVで出力し、地方税の電子申告システム「eLTAX」対応ソフト「PCdesk」に取り込んで電子申告につなげることもできます。
マネーフォワード クラウド会計Plusとの連携も可能で、会計まわりをマネーフォワードで揃えたい企業に適しています。
台帳管理や償却計算を自動化すると、固定資産まわりの作業時間がどの程度変わるのか。提供元のマネーフォワードは、インタビューの中で導入企業の例を挙げて次のように述べています。

SmartHR様は、固定資産関連の業務が1〜2営業日かかっていたものが半日以下に短縮されました。また、エス・エム・エス様では償却資産申告の作業時間が3分の1になったという成果が出ています。
固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

固定資産奉行クラウドは、OBC(株式会社オービックビジネスコンサルタント)が提供する奉行クラウドシリーズの固定資産・リース資産管理システムです。固定資産の取得・移動・除却・減損などのライフサイクル管理と、減価償却費の自動計算を中心に据えています。
ソフトウェアなどの無形固定資産も管理対象で、税制に基づいた耐用年数・償却率で償却額が自動計算されます。償却資産税(地方税)の電子申告や、勘定奉行クラウドとの仕訳自動連携にも対応し、固定資産まわりの処理をクラウド上で完結できます。
料金は管理資産件数に応じた複数プランが用意され、中小企業向けのプランから利用できます。資産を専用システムでしっかり運用し、償却資産申告まで固定資産まわりで完結させたい企業に向く製品です。
freee会計(フリー株式会社)

freee会計は、フリー株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトで、個人事業主から中小企業・エンタープライズまでをカバーします。明細データの自動取得から仕訳の自動反映、決算書作成までをクラウド上で一気通貫で行える点が特徴です。
固定資産台帳の機能も内蔵しており、ソフトウェアなどの無形固定資産も取得価額・資産分類・取得日・耐用年数・償却方法を登録すると、減価償却費が自動計算され、仕訳が会計帳簿に自動反映されます。登録時にAIが資産分類・償却方法を推測して初期値を提示する機能もあり、法人税申告書の別表16(減価償却の明細)にも対応します。会計処理と固定資産の管理を1つのソフトに集約したい企業に向く選択肢です。
固定資産管理システムには、ここで取り上げた以外にも多くの製品があります。以下の記事では、固定資産管理システムの選び方や機能、料金を詳しく解説しているので、資産の件数が多く専用システムの導入を検討する場合はあわせてご覧ください。
【新リース会計対応】固定資産管理システムおすすめ19選を徹底比較|大企業・中小企業・個人事業主向け
Excel管理の属人化・計算ミスに加え、2027年4月1日以後に開始する事業年度から新リース会計基準(IFRS16号相当)が強制適用され、オフバランスだったリース取引の大半がオンバランス化されます。 強制適用の対象は、金融商品取引法の開示対…
一方、固定資産の管理を専用システムで独立させず、日々の記帳や決算とまとめて1つのソフトで扱いたい場合は、固定資産台帳を内蔵したクラウド会計ソフトが選択肢になります。以下の記事で主要なクラウド会計ソフトを比較しているので、会計業務全体の効率化もあわせて考える場合の参考にしてください。
【2026年】クラウド会計ソフト比較15選|規模・タイプ別の選び方と料金を解説
クラウド会計ソフトの導入を検討するとき、「製品が多すぎて自社に合うものが分からない」「インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているか不安」「手入力やExcelでの記帳から早く脱却したい」といった悩みに突き当たる担当者は少なくありません。 選…
まとめ
無形固定資産は、特許権やソフトウェア、のれんなど形のない固定資産で、原則として定額法・残存価額ゼロで償却します。資産ごとの耐用年数は別表第三で定められ、借地権・電話加入権・著作権は減価償却を行わない非償却資産です。ソフトウェアは用途によって3年・5年に分かれ、のれんは税務(5年)と会計(20年以内)で年数が異なる点に注意が必要です。
資産の件数が増えると、耐用年数の判定や月割計算、仕訳の作成は手間が大きくなります。固定資産台帳と償却計算、仕訳の自動化をまとめて扱える固定資産管理システムやクラウド会計ソフトを使えば、処理のミスと負担を減らせます。自社の資産規模や既存の会計環境に合わせて、資料を取り寄せて比較してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 無形固定資産とは何ですか?
A. 無形固定資産とは、物理的な形を持たず、1年を超えて事業に使用する固定資産のことです。特許権・商標権などの法的な権利、ソフトウェア、のれん(営業権)などが代表例で、形はないものの長期にわたって収益を生むため貸借対照表に計上し、原則として定額法・残存価額ゼロで減価償却します。
Q. 無形固定資産の減価償却はいつから始めますか?
A. 無形固定資産の減価償却は、取得した時ではなく、その資産を事業の用に供した(実際に使い始めた)時から始めます。法人税法施行令も減価償却資産から「事業の用に供していないもの」を除くと定めており、たとえば制作途中のソフトウェアは、完成して業務に使い始めるまで償却を開始しません。期の途中で使い始めた場合は、その月から期末までの月数に応じて月割で計算します。
出典・参考資料(1件)
Q. 無形固定資産にも少額減価償却資産や一括償却資産の特例は使えますか?
A. ソフトウェアなどの無形固定資産も、取得価額が一定額未満であれば少額減価償却資産・一括償却資産として処理できます。 取得価額が10万円未満のものは取得した事業年度に全額を損金算入でき、20万円未満のものは3年間で均等償却する一括償却資産を選べます。
さらに中小企業者等は、租税特別措置法の特例により取得価額30万円未満のものを年間合計300万円まで一括で損金算入できます。この特例はソフトウェア・特許権・商標権などの無形減価償却資産も対象です。いずれも対象かどうかは取得価額で判定するため、ソフトウェアの設定費用などを含めた取得価額で確認してください。一括償却資産と少額減価償却資産の違いや金額区分の整理は「一括償却資産は償却資産税の申告対象外|少額減価償却資産との違いと金額区分を解説」で詳しく解説しています。
Q. 借地権・電話加入権・著作権はなぜ減価償却しないのですか?
A. 借地権・電話加入権・著作権は、時の経過によって価値が減少しない、または法人税法施行令が定める減価償却資産に列挙されていないため、税務上は減価償却を行いません。これらを誤って償却費に計上すると損金の過大計上となり、税務否認の対象になります。取得後も原則として帳簿価額のまま資産に計上し続ける点に注意してください。
出典・参考資料(1件)
Q. 無形固定資産のソフトウェアの耐用年数は何年ですか?
A. ソフトウェアの耐用年数は用途によって分かれ、複写して販売するための原本や研究開発用のものは3年、自社利用などその他のものは5年です。社内の業務に使うソフトウェアは5年、パッケージとして複製・販売するための原本は3年と区分して償却します。導入時の設定費用や自社仕様への修正費用は、取得価額に含めて計上します。
Q. のれんの償却期間が税務と会計で違うのはなぜですか?
A. のれん(営業権)は、税務では耐用年数省令の別表第三にもとづき5年で償却し、会計では「企業結合に関する会計基準」にもとづき20年以内の期間で規則的に償却します。両者は目的が異なるため償却年数が分かれており、決算書の作成では会計基準の年数、税務申告では税法の年数と、使う場面に応じて区別して処理します。
出典・参考資料(1件)
Q. 無形固定資産に消費税や固定資産税はかかりますか?
A. 無形固定資産は、消費税では課税対象になるものと非課税のものに分かれ、固定資産税(償却資産)の対象にはなりません。ソフトウェアの購入やライセンスの使用許諾などは消費税の課税取引となる一方、一定の取引には非課税となるものもあります。また、固定資産税のうち償却資産として申告するのは機械・器具・備品などの有形の事業用資産に限られ、無形固定資産は償却資産申告の対象外です。ソフトウェアが償却資産税の対象になるかの判定や、例外的に申告が必要となるケースは「ソフトウェアは償却資産税の申告対象外?無形固定資産の課税判定と例外ケースを解説」で詳しく整理しています。
出典・参考資料(1件)
Q. 無形固定資産の仕訳はなぜ直接法で行うのですか?
A. 無形固定資産の償却は、減価償却累計額を使う間接法ではなく、資産の帳簿価額から直接減らす直接法で記帳するのが簿記・実務の標準だからです。貸借対照表には償却後の未償却残高がそのまま表示されます。取得時は借方に資産科目(ソフトウェアなど)を計上し、償却時は借方に減価償却費、貸方に当該資産科目を計上して帳簿価額を減らします。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















