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償却資産とは?対象になる資産・ならない資産と固定資産税の申告をわかりやすく解説

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固定資産管理システム比較表(2026年版)

事業で使う機械や工具、店舗の内装、事務機器などを持つ法人・個人事業主のもとには、毎年の年明けに市区町村から「償却資産申告書」が届きます。土地や家屋と違い、これらの事業用資産には登記制度がなく、所有者が自分で内容を申告する仕組みになっているためです。

「償却資産」という言葉は会計でおなじみの「減価償却」と似ているため、自社のどの資産が対象になるのか、そもそも申告が必要なのかと判断に迷う場面は少なくありません。申告書が届いて初めてこの言葉に向き合う担当者も多いはずです。

本記事では、償却資産とは何かという定義から、申告対象になる資産・ならない資産の見分け方、判断に迷う資産の扱い、申告の時期・提出先、そして税額の計算方法までを、地方税法などの規定をもとに整理します。自社に申告が必要かどうかを見極め、次に何をすべきかを判断するための材料としてご活用ください。

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償却資産とは?土地・家屋以外の事業用資産で固定資産税がかかるもの

償却資産とは、土地と家屋を除いた、事業のために使う資産のうち、固定資産税の対象になるものを指します。機械や工具、パソコン、看板、店舗の内装などが代表例です。固定資産税というと土地や建物にかかる税金という印象が強いものですが、事業用の設備や備品も「償却資産」として同じ固定資産税の対象になります。

この償却資産の定義は、地方税法第341条第4号に次のように定められています。

償却資産 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。

出典:地方税法 第341条第4号|e-Gov 法令検索

この条文から、償却資産にあたるのは次の4点を満たす事業用資産だと読み取れます。

  • 土地・家屋ではない
  • 事業のために使える
  • 有形の資産である(特許権などの無形資産は除く)
  • 取得価額が少額で損金算入したものなどを除く

会社だけでなく、事業を営む個人(個人事業主)が所有する資産も対象になります。

償却資産税(固定資産税)と会計の減価償却の違い

「償却資産」と会計の「減価償却資産」は言葉が似ていますが、指しているものが異なります。会計の減価償却は、資産の取得費用を耐用年数にわたって費用配分する会計・税務上の手続きです。一方で償却資産は、地方税である固定資産税の課税対象を指す言葉です。

地方税法では、固定資産税の対象となる「固定資産」を土地・家屋・償却資産の3つの総称と定めています。つまり償却資産は、土地・家屋と並ぶ固定資産税の課税対象の1つという位置づけです。固定資産税(償却資産にかかる分)は「償却資産税」と呼ばれることもありますが、正式な税目としては固定資産税の一部です。

出典・参考資料(1件)

償却資産に該当する資産・該当しない資産(対象の判定)

ここからは、自社の持ち物のうち何が償却資産にあたり、何があたらないのかを具体的に見ていきます。はっきり判定できる該当資産・非該当資産をこの章で整理し、金額や契約形態によって扱いが分かれる「迷いやすい資産」は次の章で判別表にまとめます。

該当する資産(6区分と具体例)

市区町村へ提出する償却資産申告書(種類別明細書)では、償却資産を次の6つの区分に分けて記載します。自社の資産がどの区分にあたるかを確認する目安になります。

資産の区分主な具体例
構築物外構・舗装路面、門・塀、看板(広告塔)、内装・造作、受変電設備など
機械及び装置製造設備、工作機械、ポンプ、太陽光発電設備、クレーンなど
船舶ボート、貨物船、漁船など
航空機飛行機、ヘリコプターなど
車両及び運搬具大型特殊自動車、構内運搬車、台車など(自動車税・軽自動車税の対象車両は除く)
工具、器具及び備品パソコン、コピー機、事務机・椅子、エアコン、陳列棚、医療機器、厨房設備など

この6区分は、償却資産申告書の種類別明細書で使われる「資産の種類」の区分で、各市区町村が配布する申告の手引でも例示されています。自社で使っている設備や備品の多くは、6番目の「工具、器具及び備品」か「構築物」にあてはまります。

業種別の主な償却資産の例

同じ償却資産でも、業種によって代表的な品目は変わります。市区町村の申告の手引では、次のような業種別の例示が示されています。自社の業態に近い例から、申告漏れがないか確認すると見落としを防げます。

  • 飲食店:厨房設備、テーブル・椅子、冷蔵庫、看板、内装・造作
  • 小売店:陳列棚、レジ・POS機器、冷蔵・冷凍ショーケース、看板
  • 医療・歯科:診察・検査機器、歯科ユニット、レントゲン装置、待合室の備品
  • 不動産賃貸業:駐車場の舗装・外構、受変電設備、物件に設置した構築物
  • 事務所・オフィス:パソコン、複合機、事務机・椅子、エアコン、間仕切り

該当しない(対象外の)資産

一方で、事業に使っていても償却資産に含めない資産もあります。代表的なものは次のとおりです。

  • 自動車税・軽自動車税の対象になる車両:乗用車、トラック、軽自動車、原動機付自転車など。これらは自動車税・軽自動車税で別に課税されるため、償却資産からは除かれます
  • 無形資産:ソフトウェア、特許権、営業権などの無形固定資産
  • 土地・家屋:これらは土地・家屋として別途固定資産税の対象になります
  • 棚卸資産:商品・製品・原材料など、販売のために保有する資産
  • 取得価額が少額で損金算入した資産・使用可能期間1年未満の資産:次章の判別表で詳しく扱います

自動車などが除かれるのは、地方税法第341条第4号のただし書に「自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする」と定められているためです。ただし、建設機械などの大型特殊自動車は自動車税の対象ではないため、償却資産にあたります(詳細は各市区町村の申告の手引をご確認ください)。

対象外の資産でとくに迷いやすいのがソフトウェアです。事業で使っていても無形資産にあたるため償却資産の申告対象にはなりませんが、会計ソフトや自社開発システムなど種類ごとの扱いを具体的に確かめたい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

出典・参考資料(1件)

判断に迷う資産の申告対象・対象外(判別表)

償却資産の判定で最も迷いやすいのが、取得価額が少額の資産や、リース・太陽光発電設備といった特定の資産です。とくに「10万円未満」「一括償却資産」「30万円未満の特例」は会計処理の選び方によって申告対象かどうかが分かれるため、間違えやすいポイントです。次の判別表で、申告対象になるかどうかを整理します。

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申告対象・対象外の判別取得価額10万円未満で全額を損金算入した資産一括償却資産(取得価額20万円未満を3年で均等償却)少額減価償却資産の特例(30万円未満)で損金算入した資産リース資産(ファイナンスリースなど)太陽光発電設備(事業用)遊休・未稼働の資産
償却資産の申告対象外対象外対象(申告が必要)原則対象(20万円未満は対象外)対象対象
ポイント・根拠取得した年に全額を損金算入(即時償却)すれば償却資産にならない(地方税法施行令49条が参照する法人税法施行令133条)20万円未満を3年均等償却として処理した資産は申告不要(施行令49条・法人税法施行令133条の2)中小企業者等の特例で即時損金算入しても、償却資産税では対象になる(施行令49条の除外に含まれない)取得価額20万円未満のリース資産だけが対象外。通常は貸し手・借り手のどちらが申告するか契約を確認(施行令49条ただし書)売電など事業の用に供する設備は、機械及び装置または構築物として対象(家庭用の余剰売電のみは扱いが異なる)現在使っていなくても、いつでも事業に使える状態にあれば「事業の用に供することができる資産」として対象

※上記は一般的な取扱いです。個別の資産の判定は取得価額・会計処理・契約内容により異なるため、各市区町村の申告の手引や税理士にご確認ください。

少額資産の扱い(10万円未満・一括償却・30万円未満の特例)

取得価額が少額の資産は、どの会計処理を選んだかによって償却資産税の扱いが変わります。これは、地方税法施行令第49条が「取得価額が少額で損金算入される資産」を償却資産の対象外と定めているためです。具体的には、取得価額10万円未満で全額を損金算入した資産や、20万円未満を3年均等で償却する一括償却資産は、償却資産の対象外になります。

一方で注意したいのが、中小企業者等が使える「少額減価償却資産の特例」(取得価額30万円未満・年間合計300万円まで)です。この特例で即時に損金算入した資産は、施行令第49条が定める対象外の資産に含まれていません。そのため、法人税・所得税では一度に経費にできても、償却資産税では申告対象になります。「経費にしたから申告は不要」と考えて漏らしやすいため、特に注意が必要です。

このうち一括償却資産(20万円未満を3年均等で償却する処理)が償却資産の申告対象外になる理由や、少額減価償却資産の特例との使い分けをより詳しく確認したい場合は、以下の記事が参考になります。

出典・参考資料(3件)

建物附属設備・太陽光発電設備など区分に迷うケース

建物に取り付けた電気設備や空調設備などの建物附属設備は、家屋として固定資産税が課される部分と、償却資産として申告する部分に分かれます。自己所有の家屋に取り付けた設備は家屋の評価に含まれることが多い一方、賃借したテナントに自分で取り付けた内装・設備は、賃借人の償却資産として申告の対象になるのが一般的です。区分の考え方は市区町村によって案内が異なるため、申告の手引で確認すると確実です。

太陽光発電設備は、全量売電や余剰売電を事業として行う場合、機械及び装置または構築物として償却資産の対象になります。個人の住宅用でも、出力10kW以上の設備は売電を行う事業用資産とみなされて課税対象となり、10kW未満で主に自家消費する設備は対象外とするのが多くの自治体の取り扱いです。事業用か家庭用かという区分に加えて、発電規模(10kW)でも扱いが分かれる点に注意してください。

償却資産の申告(誰が・いつ・どこに申告するか)

償却資産は、土地や家屋と違って登記制度がなく、課税する市区町村が所有状況を自動的には把握できません。そのため、所有者自身が毎年申告する仕組みになっています。申告の義務は、地方税法第383条に定められています。

固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者(略)は、総務省令の定めるところによつて、毎年一月一日現在における当該償却資産について、その所在、種類、数量、取得時期、取得価額、耐用年数、見積価額その他償却資産課税台帳の登録及び当該償却資産の価格の決定に必要な事項を一月三十一日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告しなければならない。

出典:地方税法 第383条(固定資産の申告)|e-Gov 法令検索

この条文から、申告のポイントは次のとおりです。

  • 誰が:毎年1月1日時点で償却資産を所有している事業者(法人・個人事業主)
  • いつまでに:毎年1月31日まで
  • どこに:償却資産が所在する市区町村(東京23区は都税事務所)
  • 何を:資産の所在・種類・数量・取得時期・取得価額・耐用年数など

複数の市区町村に事業所や資産がある場合は、それぞれの所在地ごとに申告が必要です。申告は紙の申告書のほか、地方税のオンライン手続きサイト「eLTAX(エルタックス)」を使った電子申告にも対応しています。

個人事業主も法人と同様に、事業で使う償却資産があれば申告します。自宅の一部を事業に使っているなど、事業用とそれ以外が混在する場合は、事業の用に供している部分が申告の対象です。

申告先や期限がわかったら、次は申告書そのものの記入です。償却資産申告書や種類別明細書に、どの資産をどう書くのかを具体的な手順で知りたい場合は、以下の記事で解説しています。

申告しなかった場合のリスク(過料・罰則)

正当な理由なく申告をしなかった場合、地方税法第386条にもとづき、市区町村の条例によって10万円以下の過料が科されることがあります。過料は行政上の罰で前科にはなりませんが、申告義務を怠った場合の負担として定められています。

また、虚偽の申告をした場合は、地方税法第385条により「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」が定められています(拘禁刑は、2025年6月施行の改正刑法で懲役と禁錮を一本化した刑です)。

申告していなかった資産が後から判明した場合、市区町村は過去5年度分までさかのぼって課税できます(地方税法第17条の5)。「気づいていなかった」場合でも後から負担が生じるため、心当たりがあれば早めに申告するのが安全です。

過料や遡及課税など、申告をしなかった場合に実際にどのような影響が生じるのかを、事例を交えてさらに詳しく確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

出典・参考資料(4件)

償却資産税の計算方法(評価額・課税標準額・税額の3段)

償却資産にかかる固定資産税は、申告した資産をもとに市区町村が税額を計算し、納税通知書で知らせます。計算は「評価額を求める」「課税標準額を決める」「税額を計算する」の3段階で進みます。おおまかな目安を自分で把握しておくと、納税額の見通しが立てやすくなります。

償却資産税の計算を3段階で示した図。STEP1 評価額を求める(取得年は取得価額×(1−減価率÷2)、翌年以降は前年度評価額×(1−減価率)、下限は取得価額の5%)、STEP2 課税標準額を決める(資産ごとの評価額を合計した額が課税標準額)、STEP3 税額を計算する(課税標準額×1.4%の標準税率)。免税点として同じ市区町村内の同一所有者の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されない(ただし申告は必要)ことを補足。

評価額の求め方は、総務省が定める固定資産評価基準に次のように定められています。

償却資産の評価は、前年中に取得された償却資産にあつては当該償却資産の取得価額を、前年前に取得された償却資産にあつては当該償却資産の前年度の評価額を基準とし、当該償却資産の耐用年数に応ずる減価を考慮してその価額を求める方法によるものとする。

出典:固定資産評価基準 第3章 償却資産|総務省

具体的には、取得した年(前年中に取得)の評価額は取得価額×(1 − 減価率の半分)で、半年分だけ減価させて求めます。翌年以降(前年前に取得)は前年度の評価額×(1 − 減価率)で毎年減らしていきます。減価率は資産の耐用年数に応じて決まり、耐用年数は国税庁が公表する「減価償却資産の耐用年数表」(耐用年数省令の別表)にもとづきます。評価額は取得価額の5%が下限で、それ以下には下がりません。

たとえば取得価額100万円・耐用年数4年(減価率0.438)の資産なら、取得した年の評価額は100万円×(1−0.438÷2)=78万1,000円、翌年は78万1,000円×(1−0.438)=約43万8,900円と毎年下がります。減価率は耐用年数ごとに固定資産評価基準の別表(耐用年数に応ずる減価率表)で定められています。

こうして求めた評価額の合計が課税標準額になり、そこに税率をかけて税額を計算します。

税率1.4%と免税点150万円

固定資産税の税率は、地方税法第350条で標準税率が1.4%と定められています。これは標準税率のため、市区町村によっては異なる税率を条例で定めている場合があります。したがって税額のおおよその目安は「課税標準額 × 1.4%」で計算できます。また、償却資産には都市計画税は課されません(都市計画税は土地・家屋のみが対象です)。

もう1つ重要なのが「免税点」です。地方税法第351条により、同一の市区町村内にある同じ所有者の償却資産の課税標準額の合計が150万円未満の場合は、固定資産税が課されません。

市町村は、同一の者について当該市町村の区域内におけるその者の所有に係る土地、家屋又は償却資産に対して課する固定資産税の課税標準となるべき額が土地にあつては三十万円、家屋にあつては二十万円、償却資産にあつては百五十万円に満たない場合においては、固定資産税を課することができない。

出典:地方税法 第351条(固定資産税の免税点)|e-Gov 法令検索

ここで注意したいのは、150万円の基準は取得価額の合計ではなく、減価後の「課税標準額(評価額)」の合計で判定される点です。また、課税標準額が150万円未満で税額が生じない場合でも、申告そのものは必要です。「免税点未満だから申告しなくてよい」わけではないため、該当する資産があれば毎年申告しておく必要があります。

出典・参考資料(4件)

償却資産の申告・台帳管理の負担を軽くするには

償却資産の申告は毎年1月1日時点の資産を棚卸しし、取得・除却の増減を反映して申告書を作る、繰り返しの作業です。資産が増えたり事業所が複数に分かれたりすると、台帳の管理やeLTAXでの申告の手間は大きくなります。こうした作業は、固定資産管理システムや会計ソフトで効率化できます。固定資産台帳の管理、減価償却の自動計算、償却資産申告書の作成・電子申告までを支援するサービスを紹介します。

サービスによって、eLTAXでの電子申告まで直接対応するものと、固定資産台帳や会計処理と一体で扱うものがあります。以下は各サービスの比較表です(料金は2026年10月時点)。

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サービス名弥生会計 Nextマネーフォワード クラウド固定資産固定資産奉行クラウドPCAクラウド 固定資産
提供会社弥生株式会社株式会社マネーフォワード株式会社オービックビジネスコンサルタントピー・シー・エー株式会社
初期費用0円要問い合わせ(導入支援費用が発生)0〜70,000円(プラン別)0円(導入支援・データ移行は別途)
月額費用2,900円〜7,000円(税抜・年契約の月あたり)要問い合わせ(契約内容により変動)4,750円〜30,400円(プラン別)16,200円〜19,200円(税抜・単体利用時)
固定資産台帳・減価償却計算●(台帳は1会計期間500件まで)●(会計用・税務用の複数台帳)●(管理資産100〜2,000件)●(減損・資産除去債務にも対応)
償却資産申告書の作成・出力△(申告書への転記用資料を出力)●●●
eLTAX電子申告×△(CSV出力→PCdesk経由)●●
会計ソフト連携会計ソフト一体型(減価償却費の仕訳を自動生成)クラウド会計PlusとAPI連携/他社はCSV連携勘定奉行iクラウドと仕訳を自動連携PCA会計とネイティブ連携/他社はテキスト連携
無料トライアル●(最大2か月・決算書機能は対象外)公式に記載なし●(30日間)●(2か月)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 Next は、弥生株式会社が2025年に提供を開始した法人向けのクラウド会計サービスです。日々の記帳から決算書の作成までをクラウド上で行え、固定資産台帳の管理や減価償却の計算にも対応しています。償却資産申告に向けては、申告書への転記に使える資料(申告書用の資産データ)を出力でき、年に一度の申告作業の下準備を進めやすくなります。

料金は年契約でエントリープランが年34,800円(税抜)からで、初期費用はかかりません。会計の知識が少ない担当者でも扱いやすい操作画面を特徴としており、記帳から決算、固定資産の管理までを1つのソフトでまとめたい法人に向いています。なお、本サービスは法人向けで、個人事業主向けには別系統の「やよいの青色申告 オンライン」などが用意されています。

マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド固定資産のウェブサイト

マネーフォワード クラウド固定資産は、固定資産台帳の登録・管理から減価償却の計算、償却資産申告書の作成までを一元管理できるクラウド型の固定資産管理システムです。会計用と税務用の台帳を分けて管理でき、Excelでの管理にありがちな「資産の履歴を追えない」といった課題を解消しやすくなります。

法人税申告用の別表16や償却資産申告書の出力に対応し、eLTAX対応ソフトへの連携もできるため、申告の一連の流れをシステム上で進められます。マネーフォワード クラウド会計Plusをはじめとする会計システムとの仕訳連携にも対応しています。料金は利用人数やプランによって変動し、公式サイトでは要問い合わせとなっています。固定資産業務全体をまとめて効率化したい中堅規模以上の企業に適しています。

償却資産の申告や台帳管理にかかる作業がシステムの導入でどの程度変わるのかについて、同サービスを提供するマネーフォワードは、導入企業での変化を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

SmartHR様は、固定資産関連の業務が1〜2営業日かかっていたものが半日以下に短縮されました。また、エス・エム・エス様では償却資産申告の作業時間が3分の1になったという成果が出ています。

固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

固定資産奉行クラウドのウェブサイト

固定資産奉行クラウドは、「奉行シリーズ」で知られるオービックビジネスコンサルタント(OBC)の固定資産・リース資産管理システムです。資産の取得・移動・除却・減損といったライフサイクルの管理と、減価償却費の自動計算に対応しています。

償却資産税の申告では、償却資産申告書・種類別明細書をeLTAXで各市区町村へ電子送信でき、申告の手間を抑えられます。勘定奉行iクラウドと組み合わせれば、減価償却費の仕訳連携まで自動化できます。料金は資産100件まで管理できるiEシステムが月額4,750円(年額57,000円・初期費用0円)からと、小規模から始めやすいプランが用意されています。30日間の無料トライアルもあります。

PCAクラウド 固定資産(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 固定資産のウェブサイト

PCAクラウド 固定資産は、減価償却計算からリース資産管理、資産棚卸、償却資産税の電子申告までをクラウド上で扱う固定資産管理ソフトです。会計・給与などの業務ソフトを長年提供してきたピー・シー・エーが手がけ、減損処理や資産除去債務といった会計基準にも対応しています。

PCA会計シリーズとのデータ連携に加え、出力パターン機能によってPCA以外の会計システムとも仕訳データを連携できます。料金は単体利用で月額16,200円(税抜)からで、初期費用は0円です(導入支援・データ移行は別途)。2か月の無料体験も用意されています。既にPCA製品を使っている企業や、資産棚卸まで含めて管理したい企業に向いています。

ここで紹介したのは、償却資産の申告や台帳管理に役立つサービスの一部です。固定資産管理システムをタイプ別の比較表や選び方まで含めて幅広く検討したい方は、以下の記事で詳しく解説しています。導入を検討される方は、ぜひこちらもご覧ください。

まとめ

償却資産とは、土地・家屋以外の事業用資産で固定資産税の対象になるものを指し、機械・工具・パソコン・看板・店舗の内装などが該当します。自動車税の対象になる車両やソフトウェアなどの無形資産は対象外です。判断に迷いやすいのは少額資産で、10万円未満の即時損金算入や一括償却資産は対象外になる一方、30万円未満の特例で損金算入した資産は申告対象になります。

申告は毎年1月1日時点の所有者が1月31日までに資産所在地の市区町村へ行い、しなかった場合は過料などのリスクがあります。税額は評価額をもとに課税標準額を求め、標準税率1.4%をかけて計算し、課税標準額の合計が150万円未満なら課税されません(ただし申告は必要です)。

毎年の棚卸・申告・台帳管理の負担は、固定資産管理システムや会計ソフトで軽くできます。自社の資産を確認し、必要な申告を漏れなく進める参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 償却資産とは何ですか?

A. 償却資産とは、土地・家屋以外の事業用資産で、固定資産税の対象になるものです。機械・工具・パソコン・看板・店舗の内装などが代表例で、会計上の「減価償却」とは異なり、地方税である固定資産税の課税対象を指す言葉です。法人だけでなく、事業を営む個人事業主が所有する資産も対象になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 償却資産は赤字で利益が出ていなくても申告が必要ですか?

A. 償却資産の申告は、赤字で利益が出ていなくても必要です。固定資産税は所得や利益にかかる税金ではなく、資産を所有していること自体にかかる税金(財産税)のため、事業の損益にかかわらず、毎年1月1日時点で対象資産を所有していれば申告義務が生じます。

Q. 償却資産は帳簿で減価償却をしていない資産でも申告が必要ですか?

A. 償却資産は、帳簿上で減価償却をしていない資産でも、事業に使える有形資産であれば申告が必要です。償却資産にあたるかどうかは、実際に減価償却費を計上しているかではなく、「土地・家屋以外の事業用の有形資産で、本来は減価償却の対象となるもの」かどうかで判断されます。減価償却を失念していた資産や簿外になっている資産も、対象であれば申告する必要があります。

Q. 償却資産は耐用年数を過ぎた古い資産でも申告の対象になりますか?

A. 償却資産は、耐用年数を過ぎた古い資産でも、事業に使える状態であれば申告の対象になります。耐用年数が経過しても資産そのものがなくなるわけではなく、評価額は取得価額の5%を下限として残り続けます。そのため、実際に資産を処分(除却)するまでは、下限まで減価した評価額で申告を続ける必要があります。

出典・参考資料(2件)

Q. 少額減価償却資産の特例(30万円未満)で経費にした資産は、償却資産の申告が必要ですか?

A. 中小企業者等の少額減価償却資産の特例(取得価額30万円未満)を使って経費にした資産は、法人税・所得税で一度に損金算入していても、償却資産税では申告が必要です。一方、取得価額10万円未満で全額を損金算入した資産や、20万円未満を3年で均等償却する一括償却資産は、申告の対象外になります。「経費にしたから申告は不要」と誤解して申告を漏らしやすいため、特に注意が必要です。

出典・参考資料(2件)

Q. 償却資産の申告は毎年必要ですか?

A. 償却資産の申告は、毎年1月1日時点の所有状況について、1月31日までに行う必要があります。前年から資産の増減がない場合でも申告は必要で、市区町村によっては「増減なし」として簡易に申告できる取扱いを設けている場合があります。申告先の案内に従って、毎年忘れずに申告しましょう。

出典・参考資料(1件)

Q. 償却資産は課税標準額が免税点(150万円)未満でも申告は必要ですか?

A. 償却資産は、課税標準額の合計が免税点の150万円未満で税額が生じない場合でも、申告は必要です。免税点は固定資産税を課すかどうかの基準であり、申告義務とは別のものです。市区町村は提出された申告内容をもとに免税点未満かどうかを判定するため、対象となる資産があれば、税額の有無にかかわらず毎年申告しておく必要があります。

出典・参考資料(2件)

Q. 償却資産の申告をしないとどうなりますか?

A. 償却資産の申告を正当な理由なくしなかった場合、市区町村の条例により10万円以下の過料が科されることがあります。また、虚偽の申告をした場合は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。さらに、申告漏れが後から判明すると、市区町村は過去にさかのぼって課税できるため、「気づいていなかった」場合でも後から負担が生じる点に注意が必要です。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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