日々の請求書や領収書の仕訳入力、帳簿づけに毎月追われていないでしょうか。経理の担当者が限られ、業務が特定の人に偏りがちな中小企業や個人事業主では、記帳を外部に任せる「記帳代行」の活用が広がっています。
ただし、いざ外注を考えると「実際いくらかかるのか」「どこに頼めて、どこまで任せられるのか」「丸投げして問題ないのか」が分からず、踏み切れないという声は少なくありません。費用の相場も任せられる範囲も、頼み先の種類によって変わるためです。
本記事では、記帳代行の頼み先の種類と費用相場を同じ軸で比較できるよう整理し、記帳代行と税務申告の線引き、外注のメリットとリスク、失敗しない選び方までを解説します。自社の記帳をどの委託先に任せるべきかを判断する材料としてご活用ください。
目次
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記帳代行とは?経理代行・税務申告との違い
はじめに、記帳代行で任せられる業務の範囲と、経理代行や税務申告との違いを整理します。この線引きを押さえると、自社の悩み(仕訳入力の手間)がどの委託先で解決するのかが見えてきます。
記帳とは
記帳とは、日々の取引を仕訳として会計帳簿に記録する業務です。売上や仕入れ、経費について、取引の年月日・相手先・金額を帳簿に記載し、保存します。事業所得などのある個人事業主には所得税法上の記帳・帳簿保存義務があり、法人にも法人税法で帳簿書類の備付け・保存が義務づけられています。
出典・参考資料(1件)
記帳代行で任せられる範囲
記帳代行は、この記帳(仕訳入力・帳簿作成)を外部の事業者に委託するサービスです。領収書や通帳のデータを渡すと、仕訳入力から総勘定元帳・試算表の作成までを代行してもらえます。委託先によっては、請求書発行や支払代行などの経理実務、さらに決算・税務申告まで対応します。
経理代行・税務申告との違い(税理士の独占業務の線引き)
記帳代行と経理代行は、任せる範囲が異なります。記帳代行は帳簿づけが中心なのに対し、経理代行は請求・支払・給与計算など経理業務全般を含むのが一般的な使い分けです。
注意したいのが税務申告との線引きです。税理士法は、税務代理・税務書類(申告書)の作成・税務相談の3つを「税理士業務」と定め、税理士の独占業務としています(第2条第1項)。記帳(会計帳簿への記録)はこの税理士業務には含まれないため、税理士資格がなくても受託できます。そのうえで税理士法は、税理士が税理士業務に付随して記帳代行も行えることを別に定めています。
税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。
出典:税理士法 第2条第2項|e-Gov法令検索
このように、記帳代行会社や経理BPOに記帳を任せること自体は適法ですが、決算書の作成や税務申告まで必要なら、税理士が在籍・提携している委託先を選ぶ必要があります。この点は後述の「デメリット・リスクと対策」でも詳しく触れます。

記帳代行はどこに頼める?頼み先の種類と費用相場
ここからは、記帳代行の主な頼み先を4タイプに分け、それぞれの料金体系の目安と任せられる範囲を比較します。費用はおもに月間の仕訳件数(取引の記録数)で決まるため、まず直近1か月の取引件数をおおよそ数えておくと、各社の料金に当てはめて「自社なら月いくらか」を見積もりやすくなります。
記帳代行会社(専門業者)
記帳・仕訳入力を専門に請け負う事業者です。1仕訳あたり数十円〜100円程度の従量課金や、仕訳件数に応じた月額プラン(たとえば月50仕訳で月5,000円前後から)が中心で、記帳だけを低コストで切り出したい場合に向いています。決算・税務申告まで必要なら、税理士の在籍・提携があるかを確認しておくとよいでしょう。
税理士・税理士事務所
記帳から決算・税務申告まで一貫して任せられるのが税理士・税理士事務所です。記帳に決算・申告まで含めて月額3万円前後から(事業規模による)が一つの目安で、専門業者より費用は高めになりやすい一方、税務相談や申告まで必要な場合は窓口を一本化できます。月々の記帳と年1回の決算・申告をまとめた顧問契約の形が一般的です。
経理BPO・オンラインアシスタント
記帳に加え、請求・支払・経費精算・給与計算など経理実務を幅広く委託できるのが経理BPO(経理業務のアウトソーシング)やオンラインアシスタントです。稼働時間や業務量に応じた月額(記帳中心なら月3万円前後から、経理実務まで広げると数万円〜)で契約する形が多く、記帳だけでなく経理全般の人手不足を補いたい企業に適しています。
会計ソフト(クラウド型・インストール型)
代行ではなく自社で入力する選択肢が会計ソフトです。月額数千円程度から利用でき、銀行口座やクレジットカードの連携で仕訳を自動化し、記帳の手間そのものを減らせます。クラウド型は場所を選ばず複数人で使え、法令改正時も自動で更新されます。インストール型は買い切りで手元のパソコンに保存する形です。社内にノウハウを残しつつ省力化したい場合に向きます。
| 頼み先タイプ | 記帳代行会社(専門業者) | 税理士・税理士事務所 | 経理BPO・オンラインアシスタント | 会計ソフト(クラウド型・インストール型) |
|---|---|---|---|---|
| 料金体系の目安 | 1仕訳あたり数十円〜100円程度/月50仕訳で月5,000円前後〜 | 記帳+決算・申告込みで月3万円前後〜(事業規模による) | 月3万円前後〜(稼働時間・業務量による) | 月数千円〜(自社で入力。代行ではない) |
| 任せられる範囲 | 記帳・仕訳入力が中心 | 記帳〜決算・税務申告まで一貫 | 記帳+請求・支払・給与など経理実務 | 自社で記帳(入力の自動化で省力化) |
| 決算・税務申告 | 税理士の在籍・提携があれば可 | 対応可 | 提携税理士経由で可の場合あり | 自社または顧問税理士 |
| 向いているケース | 記帳だけを低コストで切り出したい | 税務相談・申告まで一本化したい | 記帳に加え経理全般の人手不足を補いたい | 社内にノウハウを残しつつ手間を減らしたい |
※頼み先タイプごとの目安で、各社の公開料金(2026年10月時点)を参考にしています。実際の料金は仕訳件数・税込/税別・決算の有無で変わります。個別サービスの料金は後述の比較表と各社公式をご確認ください。
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記帳代行(アウトソーシング)のメリット
記帳を外注すると、単に作業が減るだけでなく、コストや業務の安定性にも効果があります。主なメリットを4つの観点で見ていきます。
記帳・仕訳入力の手間が省ける
領収書の整理や仕訳入力は件数が多いほど時間を取られ、本業や管理業務を圧迫します。記帳代行に任せれば、証憑を渡すだけで帳簿が仕上がるため、経営者や担当者が本来の業務に時間を使えるようになります。
採用・育成より低コストに抑えられる
経理担当者を1人雇うと、給与に加えて社会保険料や採用・教育のコストがかかります。記帳代行なら必要な業務量に応じた費用で済むため、繁閑の波がある場合や業務量が多くない場合は、人を抱えるより費用を抑えやすくなります。
こうした採用コストや属人化の負担は、実際に経理の代行を手がける現場でも、依頼の背景として語られています。

最近特に多いご相談は、「急な退職で経理が止まってしまった」「担当者にしかやり方がわからない」といった、退職と属人化にまつわる切実な課題です。自走できる経理人材を新たに採用する場合、年収600万〜700万円程度の費用負担が生じるだけでなく、採用後の教育や管理負担も決して軽くはありません。中小企業にとって、これほどの人件費を「固定費」として抱え続けることは、経営上の大きなリスクになりかねません。
処理が迅速かつ正確になる
記帳代行は会計の実務に慣れた担当者が処理するため、仕訳の誤りや計上漏れが起きにくくなります。チェック体制を設けている委託先も多く、自社で片手間に処理するより帳簿の精度を保ちやすい点も利点です。
属人化を解消できる
経理を特定の社員だけが担っていると、その人の退職や休職で業務が止まるリスクがあります。外部に委託しておけば、担当者の異動や退職に左右されず記帳を継続でき、業務が特定の人に依存する状態を避けられます。
記帳代行のデメリット・リスクと対策
記帳代行には注意点もあります。ただし、いずれも委託先の選び方や契約の確認で抑えられます。代表的なリスクと、その対策をセットで見ていきます。
情報漏えいのリスクと対策
記帳代行では、取引データや通帳のコピーなど機微な情報を外部に渡します。情報管理の体制が整っていない委託先に任せると、漏えいのリスクが高まります。契約前に秘密保持契約(NDA)の有無、再委託の可否、情報セキュリティの認証(ISMS/ISO 27001など)の取得状況を確認しておくと安心です。
無資格業者による違法な税務に注意(税理士法)
前述のとおり、記帳そのものは資格がなくても受託できますが、税務申告や税務相談は税理士の独占業務です。税理士資格のない記帳代行業者がこれらを行うと、税理士法第52条に違反します。
税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。
出典:税理士法 第52条|e-Gov法令検索
違反した場合は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(税理士法第59条)。決算・申告まで任せたい場合は、税理士が在籍または提携している委託先かどうかを確認し、無資格のまま税務まで請け負う業者を避けることが対策になります。
出典・参考資料(1件)
品質のばらつきと確認方法
記帳代行の品質は、担当者の経験やチェック体制によって差が出ます。任せきりにすると、誤った仕訳に気づけないこともあります。契約前に試算表のサンプルや品質管理の体制を確認し、まず少量から依頼して処理の正確さや対応を見極めると、ミスマッチを防げます。
社内にノウハウが残らない点への対処
記帳を外部に任せきると、自社の経理知識が蓄積しにくくなります。将来の内製化や、金融機関・投資家への説明を見据えるなら、月次の試算表やレポートを受け取って内容を把握し、資金繰りに関わる重要な判断は社内で持つようにしておくとよいでしょう。
こうしたリスクは、実際にどのような失敗が起きているかを具体的に知っておくと避け方を判断しやすくなります。外注でつまずいた事例とその対策を先に押さえておきたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
失敗しない記帳代行の選び方
頼み先のタイプを絞ったら、次は個別の委託先を見極めます。ここでは、自社に合う記帳代行を選ぶために確認したい観点を整理します。
税理士の在籍・提携があるか(決算・申告まで任せるか)
決算書の作成や税務申告まで任せたい場合は、税理士が在籍または提携している委託先を選ぶ必要があります。記帳だけで足りるのか、決算・申告まで一本化したいのかを先に決めておくと、対応範囲で委託先を絞り込めます。記帳と税務申告で窓口が分かれると連携の手間が増えるため、将来の必要性も踏まえて選ぶとよいでしょう。
対応している会計ソフト
自社ですでに会計ソフトを使っている場合は、そのソフトに対応している委託先かを確認しておくことが重要です。対応していないと乗り換えが必要になり、データ移行の手間が生じます。freeeやマネーフォワード クラウドなどのクラウド会計に対応していれば、データをオンラインで共有でき、やり取りがスムーズになります。
電子帳簿保存法・インボイス制度に対応できるか
記帳代行を選ぶうえで見落とせないのが、制度対応です。電子帳簿保存法では、メールやインターネット取引などで授受した請求書・領収書といった電子取引データを、電磁的記録のまま保存することが義務づけられています。
所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、一定の要件の下で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないこととされています(電子帳簿保存法7)。
出典:電子帳簿保存法の概要|国税庁
また、インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、一定の事項を記載した帳簿と適格請求書(インボイス)の保存が、消費税の仕入税額控除の要件とされています。受け取った請求書が適格請求書かどうかの区分や、登録番号の管理を正しく行える委託先・運用かを確認しておくと、申告時のトラブルを防げます。
出典・参考資料(1件)
セキュリティ・情報管理体制
機微な情報を預ける以上、情報管理の体制は重要な選定軸です。データの受け渡し方法(専用システムか、メール添付か)、アクセス制限、情報セキュリティ認証の有無を確認しておくとよいでしょう。クラウド上で安全にデータを共有できる仕組みがあると、郵送や紙のやり取りより漏えいリスクを抑えられます。
連絡のしやすさ・レスポンス
記帳を進めるうえでは、不明点の確認や資料のやり取りが日常的に発生します。質問への回答が遅い、連絡手段が限られるといった委託先だと、月次の締めが遅れる原因になります。チャットやオンライン面談に対応しているか、担当者と直接やり取りできるかを、契約前に確かめておくとよいでしょう。
業種・自社の規模への対応
業種によって、記帳で扱う勘定科目や取引の特性は異なります。自社と近い業種や規模の実績がある委託先なら、業務の勘所を押さえた処理が期待できます。個人事業主は対象外で法人のみ、といった条件を設けるサービスもあるため、自社が対象に含まれるかも確認しておくとよいでしょう。
記帳代行を依頼してから業務開始までの流れ
記帳代行を依頼すると、おおむね次のような流れで業務が始まります。まず、問い合わせ・見積もり依頼を行い、記帳の対象や仕訳件数を伝えて料金と対応範囲を確認します。次に、ヒアリングを経て契約を結び、使用する会計ソフトや担当体制を取り決めます。
その後、領収書や通帳データなど資料の受け渡し方法(クラウドのアップロード、郵送など)を決め、初回分の資料を渡します。これを受けて委託先が記帳を進め、月次で試算表などの成果物が納品されます。運用が始まってからも、不明点の確認や資料の提出を毎月繰り返しながら、記帳が回っていきます。依頼から安定稼働までの期間は委託先や業務量によって異なるため、見積もり時に目安を確認しておくとよいでしょう。

記帳代行の課題を解決するサービス
ここからは、記帳・仕訳を実際に受けられるサービスを紹介します。記帳だけを低コストで切り出せるものから、経理実務まで含めて任せられるもの、決算・申告まで一貫して対応するものまで、頼み先のタイプ別に取り上げます。まずは費用と対応範囲を一覧で比較します。
| サービス名 | ゼロ経理 | 記帳代行ドットコム | Wheat Accounting | マネーフォワード おまかせ経理 | メリービズ バーチャル経理アシスタント | Tenbook(テンブック) | 経理宅配便 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 料金体系の目安 | 月3,980円〜 (業務内容により追加) | 月5,500円(税込)〜 50仕訳/初期費用0円 | 月30,000円〜 (法人向け定額) | 個別見積もり (従業員5名で月10万円の例) | 個別見積もり (規模・業種別の目安あり) | 月29,500円〜(免税) 43,500円〜(課税)/税別 | 月30,000円〜(税抜) 年売上1,000万円まで |
| 記帳・仕訳 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 経理実務 | △請求・給与など(範囲は要確認) | ×記帳専業 | ●請求・支払・給与・月次決算 | ●請求・支払・給与 | ●経費・請求・売掛買掛・月次決算 | △給与計算等はオプション | △給与計算代行はオプション |
| 決算・税務申告 | △要確認 | △提携税理士の紹介 | △連携税理士が対応 | ×サービス範囲外(税理士法) | △月次決算まで(申告は対象外) | ●決算・申告まで一貫 | ●決算・申告まで一貫 |
| 対応会計ソフト | 要お問い合わせ | マネーフォワード クラウド ほか | freee/マネーフォワード | マネーフォワード クラウド | 40種類以上 | 自社「10book」 | 独自ソフト(無償提供) |
| 対象 | 法人・個人 | 法人・個人 | 法人のみ | 法人 | 法人 | 法人 | 法人・個人 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | 公式資料を見る | 公式サイト |
※料金・対応範囲は各社公式サイトの公開情報(2026年10月時点)に基づく目安です。税込・税別の別は各社の表記に従います。●=対応/△=条件付き・オプション等/×=非対応・範囲外を表します。個別見積もりの料金や「要お問い合わせ」の項目を含め、実際の費用は仕訳件数・契約内容で変わるため、最新の料金と対応範囲は各社にご確認ください。
ここで取り上げるのは代表的なサービスですが、記帳代行会社をもっと多くの選択肢から、1仕訳あたりの単価まで含めて横並びで比べたい場合は、記帳代行に絞った比較記事も参考になります。
1. ゼロ経理(ゼロ株式会社)

公認会計士が品質を管理する体制で、記帳を中心とした経理業務をオンラインで代行するサービスです。中小企業と個人事業主を主な対象に、来訪不要で全国の事業者が利用できます。
料金は月額3,980円〜という低価格が起点で、仕訳数や依頼する業務の範囲に応じて追加費用が生じる形です。記帳・仕訳の代行を小さく始めたい事業者に向いています。
2. 記帳代行ドットコム(株式会社ビジョン)

領収書や通帳などの証憑を郵送やデータで送ると、記帳と帳簿作成を代行します。運営は東証プライム上場の株式会社ビジョンで、個人事業主や小規模法人を主な対象とした経理BPOとして展開しています。
料金は仕訳数のレンジごとに月額が決まる体系で、シンプルプランは50仕訳で月額5,500円(税込)から利用できます。1仕訳あたりの単価は44円からで、初期費用は0円、契約期間の縛りや解約金もありません。
2025年10月にはマネーフォワードとの協業を発表し、クラウド会計を用いた仕訳データ化と、AIチェック+専門スタッフによる二重体制を打ち出しています。決算・確定申告については、提携税理士の紹介を通じて対応します。
3. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

法人を対象に、記帳から請求書作成、経費精算、振込対応、給与計算、月次決算までを月次で代行する経理アウトソーシングです(個人事業主は対象外)。クラウド会計の導入と業務フローの再設計を初期に行い、その後の運用まで一貫して担う点を特徴としています。
「経理DXとプロの運用を両立する」と打ち出しており、既存の業務をゼロベースで組み直したうえで実務を回す進め方を採ります。料金は月額30,000円〜の定額で、業務量に応じて見積もる形です。freeeとマネーフォワード クラウドに対応し、既存の顧問税理士との併用もできます。
税務申告は連携する税理士、社会保険・労働保険の代理申請は連携する社労士が対応する体制です。賞与計算や年末調整は、特定月に業務量が増える場合のオプションとして承っています。
4. マネーフォワード おまかせ経理(株式会社マネーフォワード)

「マネーフォワード クラウド」を提供する株式会社マネーフォワードが、中小企業向けに展開する経理アウトソーシング(BPO)です。実務はグループ会社の株式会社キャシュモが担い、クラウドの導入支援から記帳代行、請求書発行、支払・振込代行、給与・賞与計算、月次試算表の作成までをオンラインで一括対応します。
マネーフォワード クラウドへの切り替えを前提に、導入から日々の経理、支払・給与計算までを同一ブランド内で完結できる構成です。料金は業務内容に応じた個別見積もりで、従業員5名程度の企業で月額10万円という一例が公式に示されています(標準的なプランではありません)。なお決算・税務申告は、税理士法により本サービスの範囲外です。
5. メリービズ バーチャル経理アシスタント(メリービズ株式会社)

全国に登録するプロ経理人材がオンラインの専属チームを組み、企業の経理業務を代行します。委託したい業務だけを切り出して依頼でき、各社の規模や業務内容に合わせてチーム編成と業務範囲を設計する方式です。
対応業務は経費精算、帳票・仕訳入力、請求書発行、売掛・買掛管理、月次決算、クラウド会計の導入支援などで、freeeやマネーフォワード、勘定奉行クラウド、弥生といった40種類以上の会計ソフトに対応します。料金は個別見積もりですが、公式の料金ページでは「5〜20名規模の理美容事業で月30〜80万円」のように、企業規模・業種別の目安が実例として示されています。
公式サイトは対象顧客層を「東証一部上場企業から中堅・中小・スタートアップまで」と表記しています(東証の市場区分再編前の呼称です)。導入時は約3ヶ月の業務設計・定着期間を経て本稼働する流れです。
6. Tenbook(シンアカウンティングサービス株式会社)

自社開発のクラウド会計ソフト「10book」を使い、記帳から決算・税務申告までをオンラインで一貫して代行します。提供元のシンアカウンティングサービス株式会社は、公認会計士・税理士の上田昌宏氏が代表を務めます。
記帳代行や月次処理に加え、決算書作成と法人税・住民税・事業税・消費税の申告書作成までを月額定額に含みます。料金は免税事業者が月額29,500円〜、課税事業者が月額43,500円〜(いずれも税別)で、初期費用は0円です。給与計算や年末調整は別途オプションで対応します。
原則3名のチーム体制で担当し、属人化を抑えながら処理します。契約者にはクラウド会計ソフト「10book」を無料で提供します。
7. 経理宅配便(辻・本郷税理士法人)

辻・本郷税理士法人が、小規模事業者・個人事業主に向けて提供する記帳代行〜決算・申告のワンストップサービスです。月々の会計処理から決算・申告までを、同一契約の中で代行します。
月次試算表・決算書の作成、法人税・消費税・所得税の申告書作成に加え、回数無制限の税務相談が含まれます。料金は月額30,000円(年間売上高1,000万円まで)が標準で、適格請求書発行事業者は月額10,000円の加算、月200仕訳を超えた分は1件100円です。独自開発のクラウド会計ソフトを無償で提供し、顧客自身での入力と担当者への代行入力を選べます。
ここまで記帳・仕訳を受けるサービスを中心に見てきましたが、記帳だけでなく請求・支払・給与計算まで含めた経理業務全体を外部に任せたい場合は、委託先の選択肢がさらに広がります。経理アウトソーシングは提供形態によって任せられる範囲も料金も変わるため、記帳代行を含めた全体像を同じ軸で比較しておくと、自社に合う委託先を見極めやすくなります。
まとめ
記帳代行は、頼み先のタイプによって費用も任せられる範囲も変わります。記帳だけを低コストで切り出すなら記帳代行会社、決算・申告まで一本化するなら税理士、経理実務まで幅広く任せたいなら経理BPOやオンラインアシスタントが選択肢になります。
選ぶ際は、税理士の在籍・提携の有無、対応会計ソフト、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応、情報管理体制を確認します。まずは自社の仕訳件数と任せたい範囲を整理し、複数の委託先に見積もりを依頼して、費用と対応範囲を具体的に比べてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 記帳代行とは何ですか?
A. 記帳代行とは、日々の取引を仕訳として会計帳簿に記録する「記帳」業務を、外部の事業者に委託するサービスです。領収書や通帳などのデータを渡すと、仕訳入力から総勘定元帳・試算表の作成までを代行してもらえます。委託先によっては、請求書発行や支払代行などの経理実務、さらに決算・税務申告まで対応します。
Q. 記帳代行の費用相場は?1仕訳あたりいくらですか?
A. 記帳代行の費用は頼み先の種類と仕訳件数によって変わり、一律の相場はありません。記帳だけを請け負う記帳代行会社(専門業者)は、1仕訳あたり数十円〜100円程度の従量課金や仕訳件数に応じた月額(月50仕訳で月5,000円前後〜)が中心で、比較的低コストに抑えやすいのが特徴です。
記帳から決算・税務申告まで一貫して任せられる税理士・税理士事務所は月額数万円〜が目安、経理実務まで含む経理BPO・オンラインアシスタントは稼働時間や業務量に応じた月額になります。まずは自社の月間仕訳件数を数え、税込・税別や決算の有無といった前提をそろえて複数社に見積もりを取り、具体的に比べるのが確実です。
Q. 記帳代行は記帳代行会社と税理士のどちらに頼むべきですか?
A. 記帳の手間だけを低コストで外に出したいなら記帳代行会社、決算・税務申告や税務相談まで窓口を一本化したいなら税理士が向いています。記帳代行会社は記帳(仕訳入力・帳簿作成)を中心に請け負うのに対し、税理士・税理士事務所は記帳から決算・税務申告・税務相談まで一貫して対応できる点が違いです。
なお記帳代行会社でも税理士が在籍または提携していれば決算・申告に対応できるため、将来的に決算まで任せたくなるかも含めて、必要な対応範囲から委託先を絞り込むとよいでしょう。
Q. 無資格の記帳代行業者に頼むと違法になりませんか?
A. 記帳そのものの代行は税理士資格がなくても適法に受託できますが、税務書類(申告書)の作成や税務相談は税理士の独占業務で、無資格の業者がこれらを行うと税理士法違反になります。したがって、記帳だけを記帳代行会社に任せること自体は問題ありません。
一方で決算・税務申告まで任せたい場合は、税理士が在籍または提携している委託先を選び、無資格のまま税務まで請け負う業者を避けることが、違法行為やトラブルを防ぐ対策になります。
出典・参考資料(1件)
Q. 記帳代行は個人事業主でも使えますか?
A. 記帳代行は個人事業主でも利用できます。事業所得などのある個人事業主には所得税法上の記帳・帳簿保存義務があり、確定申告に向けた記帳の負担を外注で軽くできます。ただし、委託先のなかには法人のみを契約対象とし個人事業主は対象外とするサービスもあるため、申し込み前に自社が対象に含まれるかを確認しておくと安心です。
Q. 記帳代行は電子帳簿保存法・インボイス制度に対応できますか?
A. 記帳代行で電子帳簿保存法・インボイス制度に対応できるかは委託先によって異なるため、対応可否と運用方法を契約前に確認する必要があります。電子帳簿保存法では、メールやインターネット取引で授受した請求書・領収書などの電子取引データを電磁的記録のまま保存することが義務づけられています。
インボイス制度では、受け取った請求書が適格請求書かどうかの区分や登録番号の管理を正しく行えないと、消費税の仕入税額控除に影響します。これらを適切に処理できる委託先・運用かを見極めておくと、申告時のトラブルを防げます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















