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決算整理仕訳の一覧|種類別の仕訳例・借方貸方と自社に必要な仕訳の見分け方

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決算期末を迎えて、いざ決算整理に取りかかろうとすると「何を・どの順番でやればいいのか」が毎年あいまいになりがちです。

決算整理仕訳には、現金過不足の精算から経過勘定、減価償却、貸倒引当金、消費税・法人税等の計上まで、いくつもの種類があります。このうち自社に該当するものを漏れなく洗い出し、借方・貸方・金額を正しく起票できれば、当期の決算整理は迷わず仕上げられます。

本記事では、決算整理仕訳の全種類を一覧表で見渡せる形にまとめ、各仕訳の借方・貸方・金額の決め方を具体例つきで解説します。進める順番や、自社に必要な仕訳の見分け方もあわせて整理し、毎期の決算整理の負担を軽くする会計ソフト・決算代行という選択肢も紹介します。

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決算整理仕訳とは|決算振替仕訳・再振替仕訳との違い

決算整理仕訳とは、期末の帳簿残高を、正しい期間損益と期末残高に修正するために行う仕訳です。日々の記帳(期中仕訳)だけでは、当期に対応する費用・収益や、期末時点の資産・負債の正しい金額が帳簿に反映されないことがあります。そのズレを期末に調整するのが決算整理仕訳で、正確な決算書(貸借対照表・損益計算書)を作る土台になります。

混同しやすい「決算振替仕訳」「再振替仕訳」との違いも、先に整理しておきます。

決算整理仕訳・決算振替仕訳・再振替仕訳の違いを行うタイミングと目的で整理した図。決算整理仕訳は期末に期末残高を正しい金額に修正する仕訳、決算振替仕訳はその後に収益・費用を損益勘定へ振り替えて当期純損益を算定する仕訳、再振替仕訳は翌期首に経過勘定を元の費用・収益の勘定へ戻す仕訳。
  • 決算整理仕訳:期末残高を正しい金額に修正する仕訳(減価償却・経過勘定・貸倒引当金など)。本記事で扱う対象。
  • 決算振替仕訳:収益・費用の各勘定を損益勘定へ振り替え、当期純損益を算定する仕訳。決算整理仕訳の後に行う。
  • 再振替仕訳:翌期首に、経過勘定(前払・前受・未払・未収)を元の費用・収益の勘定へ戻す仕訳。

本記事が扱うのは、このうち決算整理仕訳です。ここからは、決算整理仕訳にどんな種類があるのかを一覧で見ていきます。

決算整理仕訳の一覧【全種類まとめ表】

決算整理仕訳の主な種類を、借方・貸方の勘定科目、金額の決め方、そして「自社に該当するかを判定する手がかり(期末に確認する資料)」とあわせて一覧にまとめました。まずはこの表で、自社に必要な仕訳を漏れなく洗い出してください。

仕訳の種類借方貸方金額の決め方・判定の手がかり(見る資料)
現金過不足の整理(原因不明分)雑損失
(過剰時は現金過不足)
現金過不足
(過剰時は雑収入)
帳簿残高と実査額の差額。現金実査表・金種表
前払費用(費用の繰延)前払費用保険料など費用の科目当期の未経過分を期間按分。年払い契約書・請求書
前受収益(収益の繰延)受取家賃など収益の科目前受収益翌期に対応する分を期間按分。契約書
未払費用(費用の見越し)支払利息など費用の科目未払費用当期に発生し未払いの分。契約書・検針票
未収収益(収益の見越し)未収収益受取利息など収益の科目当期に発生し未収の分。契約書
売上原価の算定(期首・期末棚卸)仕入高/繰越商品繰越商品/仕入高期首商品棚卸高+当期仕入−期末商品棚卸高。実地棚卸表
減価償却費の計上減価償却費減価償却累計額
(直接法は固定資産)
取得価額×償却率など。固定資産台帳・国税庁の償却率表
貸倒引当金の繰入貸倒引当金繰入貸倒引当金期末債権×繰入率。売掛金・受取手形の台帳
有価証券の評価替え(売買目的)有価証券評価損
(評価益時は有価証券)
有価証券
(評価益時は有価証券評価益)
期末時価と帳簿価額の差額。時価資料
消耗品(貯蔵品)の振替貯蔵品消耗品費期末の未使用分。現物確認
仮勘定(仮受金・仮払金)の整理仮受金など売上など適切な科目内容が確定したもの。入出金の内容確認
消費税の精算(税抜経理)仮受消費税等仮払消費税等/未払消費税等仮受−仮払の差額。課税取引の集計
法人税等の未払計上法人税、住民税及び事業税未払法人税等当期の見積税額。法人税申告書・税理士計算
決算整理仕訳の主な種類と借方・貸方・判定の手がかり。現金過不足は不足時=借方「雑損失」/貸方「現金過不足」、過剰時はその逆(借方「現金過不足」/貸方「雑収入」)です。金額の算定根拠は次章で各仕訳ごとに解説します。

表の仕訳は、すべてが毎期必要になるわけではありません。自社の取引や期末残高に照らして該当するものだけを起票します。次章では、特に金額の決め方でつまずきやすい仕訳を、具体例とともに詳しく見ていきます。

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種類別の仕訳例と金額の決め方

ここからは、決算整理仕訳の主な種類について、金額入りの具体例とともに書き方を解説します。借方・貸方の勘定科目に加えて、金額をどう算定するかに注目してください。

現金過不足の整理(雑損失・雑収入への振替)

期中に帳簿残高と実際の現金有高が合わず、現金過不足勘定で処理していた差額は、決算で原因が判明しなければ雑損失または雑収入へ振り替えます。帳簿より実際が少ない(不足)まま原因不明なら雑損失、多い(過剰)なら雑収入です。

たとえば、原因不明の不足10,000円が現金過不足勘定の借方に残っている場合の決算整理仕訳は次のとおりです。

借方金額貸方金額
雑損失10,000円現金過不足10,000円

経過勘定の計上(前払費用・前受収益・未払費用・未収収益)

経過勘定は、当期に対応する費用・収益と、翌期以降に対応する分とを期間で按分するための勘定です。企業会計原則 注解5 で定義される経過勘定項目は、次の4つです。

  • 前払費用:継続して役務の提供を受ける契約で、まだ提供を受けていない分に支払った対価(費用の繰延)。
  • 前受収益:継続して役務の提供を行う契約で、まだ提供していない分に受け取った対価(収益の繰延)。
  • 未払費用:継続して役務の提供を受ける契約で、すでに提供を受けたがまだ支払っていない対価(費用の見越し)。
  • 未収収益:継続して役務の提供を行う契約で、すでに提供したがまだ受け取っていない対価(収益の見越し)。

たとえば、当期に1年分の保険料120,000円を支払ったが、そのうち6か月分(60,000円)が翌期に対応する場合、翌期分を前払費用として繰り延べます。

借方金額貸方金額
前払費用60,000円保険料60,000円

前受収益は、受け取った収益のうち翌期分を繰り延べます。見越し計上の例として、当期に発生したがまだ支払っていない借入金の利息30,000円(未払費用)と、当期に発生したがまだ受け取っていない貸付金の利息10,000円(未収収益)の仕訳は、以下のように示せます。

借方金額貸方金額
支払利息30,000円未払費用30,000円
未収収益10,000円受取利息10,000円

経過勘定は、いずれも翌期首に再振替仕訳で元の費用・収益の勘定へ戻します。

売上原価の算定(期首棚卸+当期仕入−期末棚卸)

三分法(仕入・売上・繰越商品の3つの勘定で記帳する方法)で記帳している場合、売上原価は「期首商品棚卸高+当期商品仕入高−期末商品棚卸高」で算定します。決算整理では、期首分と期末分の2本の仕訳を切ります。期首商品棚卸高200,000円、期末商品棚卸高300,000円の例は次のとおりです。

借方金額貸方金額
仕入高200,000円繰越商品200,000円
繰越商品300,000円仕入高300,000円

期末商品棚卸高は実地棚卸で確定させます。帳簿上の在庫と実際の在庫が食い違うと売上原価もずれるため、棚卸の精度が決算の正確さに直結します。

減価償却費の計上(定額法・定率法)

建物・車両・備品などの固定資産は、取得時に全額を費用にせず、耐用年数にわたって減価償却費として分割計上します。計算方法には定額法と定率法があり、国税庁は各年の償却費の額を次のように定めています。

  • 定額法:各年の償却費の額 = 取得価額 × 定額法の償却率
  • 定率法:各年の償却費の額 = 期首未償却残高 × 定率法の償却率(調整前償却額が償却保証額を下回る年以後は、改定取得価額 × 改定償却率)

償却率・改定償却率・保証率は、取得時期と耐用年数に応じて国税庁の「減価償却資産の償却率等表」で定められています。たとえば耐用年数10年の資産は、定額法の償却率が0.100、平成24年4月1日以後取得の定率法(200%定率法)では償却率0.200・改定償却率0.250・保証率0.06552です。

取得価額1,000,000円・耐用年数10年の資産を間接法(取得原価を直接減らさず、減価償却累計額として控除する方法)で償却するとします。初年度の償却費は、定額法で100,000円(1,000,000円×0.100)、定率法で200,000円(1,000,000円×0.200)です。ここでは定額法の仕訳を示します。

借方金額貸方金額
減価償却費100,000円減価償却累計額100,000円

耐用年数は資産の種類ごとに国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」で定められています。平成19年4月1日より前に取得した資産は旧定額法・旧定率法の対象となるため、取得時期の確認が必要です。

出典・参考資料(3件)

貸倒引当金の繰入

売掛金や受取手形などの金銭債権のうち、将来回収できない見込み額を見積もって、あらかじめ費用として計上するのが貸倒引当金です。繰入限度額は、原則として期末の一括評価金銭債権(個別に貸倒れを見積もる債権を除いた、売掛金・受取手形などの一般債権)の帳簿価額の合計額に貸倒実績率を乗じて計算します。

資本金1億円以下の中小法人などは、実績繰入率に代えて業種別の法定繰入率を使える特例があります。法定繰入率は、卸売業・小売業が1,000分の10、製造業が1,000分の8、金融業・保険業が1,000分の3、割賦販売小売業などが1,000分の7、その他の事業が1,000分の6です。

たとえば卸売業で期末の売掛金が5,000,000円の場合、法定繰入率1,000分の10を用いると繰入額は50,000円となり、次のように仕訳します。

借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入50,000円貸倒引当金50,000円

前期から繰り越した貸倒引当金の残高がある場合は、洗替法(前期の残高を戻し入れて当期分を繰り入れる)または差額補充法(残高と当期必要額の差額だけを繰り入れる)で調整します。税務上の貸倒引当金の繰入は、資本金1億円以下の中小法人等・銀行・保険会社などに適用が限定されています。これに該当しない大法人は原則として損金算入できないため、自社が特例の対象かを確認したうえで計上してください。

出典・参考資料(1件)

有価証券の評価替え・消耗品の振替・仮勘定の整理

金額が大きくなりにくい一方で、計上を忘れやすい決算整理をまとめて押さえます。

  • 有価証券の評価替え:売買目的で保有する有価証券は、期末時価と帳簿価額の差額を「有価証券評価損」または「有価証券評価益」で計上します。保有区分によって扱いが変わるため、区分の確認が必要です。
  • 消耗品(貯蔵品)の振替:購入時に費用処理した消耗品のうち、期末に未使用の分を「貯蔵品(借方)/消耗品費(貸方)」で資産に振り替えます。
  • 仮勘定の整理:内容が未確定のまま計上していた仮受金・仮払金は、内容が判明した時点で売上や該当する費用などの適切な勘定へ振り替えます。

それぞれ、売買目的の有価証券が期末時価で20,000円値下がりした場合、未使用の消耗品が5,000円あった場合、内容が判明した仮受金50,000円が売上と分かった場合の仕訳例を挙げます。

仕訳の種類借方金額貸方金額
有価証券の評価替え(評価損)有価証券評価損20,000円有価証券20,000円
消耗品(貯蔵品)の振替貯蔵品5,000円消耗品費5,000円
仮受金の整理仮受金50,000円売上50,000円

消費税の精算・法人税等の未払計上

税抜経理方式では、課税売上げにかかる消費税等を仮受消費税等、課税仕入れにかかる消費税等を仮払消費税等として計上しています。決算では、仮受消費税等から仮払消費税等を差し引いた差額を、納付分なら未払消費税等、還付分なら未収消費税等に振り替えます。仮受消費税等500,000円・仮払消費税等300,000円の例は次のとおりです。

借方金額貸方金額
仮受消費税等500,000円仮払消費税等300,000円
未払消費税等200,000円

税込経理方式を採用している場合は、仮受・仮払の相殺は行いません。納付すべき消費税等は租税公課として損金に算入し、還付を受ける分は雑収入などとして計上します。

法人税・住民税・事業税は、当期の見積額を「法人税、住民税及び事業税(借方)/未払法人税等(貸方)」で計上します。ただし、正確な税額は法人税申告書(別表など)で確定するため、計上する金額は申告書・税理士計算にもとづいて確定させる点に注意してください。消費税の控除対象外消費税等や端数処理を含む税額の確定も、申告の計算で行います。

出典・参考資料(1件)

決算整理で計上した法人税等は、最終的に法人税申告書(別表)で税額を確定させます。別表の作成まで自社で行うなら、会計ソフトとは別に申告書作成ソフトを使う方法もあります。対応できる別表の種類や会計ソフトとの連携で選びたい方は、次の記事を参考にしてください。

決算整理を進める順番(手順)

決算整理仕訳は、やみくもに着手するより、残高を確定させてから見積もりを要する仕訳へ進む流れが効率的です。一般的には次の順で進めます。

決算整理を進める順番を8ステップで示したフロー図。STEP1決算整理前残高試算表を作成し各勘定の残高を確定、STEP2売上・仕入の計上漏れや期ズレを確認、STEP3現金・預金を実査し帳簿との過不足を精算、STEP4前払・前受・未払・未収の経過勘定を計上、STEP5実地棚卸で期末商品棚卸高を確定し売上原価を算定、STEP6固定資産の減価償却費を計上、STEP7貸倒引当金・有価証券の評価替えなど見積もりを要する仕訳を計上、STEP8消費税・法人税等を精算・計上し仕訳帳へ反映して総勘定元帳に転記。残高を確定させてから見積もりを要する仕訳へ進む流れ。
  1. 決算整理前残高試算表を作成し、各勘定の残高を確定させる
  2. 売上・仕入の計上漏れや期ズレがないか確認する
  3. 現金・預金の実査を行い、帳簿との過不足を精算する
  4. 経過勘定(前払・前受・未払・未収)を計上する
  5. 実地棚卸で期末商品棚卸高を確定し、売上原価を算定する
  6. 固定資産の減価償却費を計上する
  7. 貸倒引当金・有価証券の評価替えなど見積もりを要する仕訳を計上する
  8. 消費税・法人税等を精算・計上し、仕訳帳へ反映して総勘定元帳に転記する

決算整理前残高試算表・精算表の位置づけ

決算整理前残高試算表は、期中仕訳をすべて集計した、決算整理に入る前の各勘定残高の一覧です。ここを起点に、どの勘定にどの決算整理が必要かを見極めます。精算表は、残高試算表に決算整理仕訳を加え、損益計算書・貸借対照表へ振り分けるまでの過程を一枚で確認するための表で、修正の全体像を見渡すのに役立ちます。

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自社に必要な仕訳の見分け方と計上漏れを防ぐポイント

決算整理仕訳でミスが起きやすいのは、「そもそも計上すべき仕訳を見落とす」場面です。自社に必要な仕訳を漏れなく洗い出すための観点を整理します。

「この取引・残高があればこの仕訳が要る」で逆引きする

決算整理の要否は、期末の残高や契約から逆引きすると見落としにくくなります。年払いの保険料や家賃があれば経過勘定、固定資産台帳に資産があれば減価償却、売掛金・受取手形があれば貸倒引当金、税抜経理なら消費税の精算、というように、確認する資料と必要な仕訳を対応づけて点検します。一覧表の「判定の手がかり(見る資料)」列は、この逆引きのチェックリストとして使えます。

現金が動かない仕訳は数え落としやすい

減価償却費・貸倒引当金の繰入・法人税等の未払計上は、実際の入出金をともないません。通帳や現金の動きには表れないため、記帳の流れだけを追っていると計上を忘れがちです。現金が動かない仕訳こそ、固定資産台帳・債権の台帳・申告の見積もりといった資料から能動的に拾い上げる必要があります。

前期の決算整理仕訳と突き合わせ、残高はダブルチェックする

前期に計上した決算整理仕訳の一覧と突き合わせると、今期に計上すべき仕訳の抜けに気づきやすくなります。経過勘定のように毎期発生するものは、前期にあって今期に無ければ計上漏れを疑います。あわせて、調整後の勘定残高が妥当かを前期比較やダブルチェックで確認すると、人的ミスを早期に発見できます。

決算整理を効率化する会計ソフト・決算代行という選択肢

決算整理仕訳は毎期発生する作業です。負担が大きいと感じるなら、会計ソフトで記帳から決算書作成までを効率化する方法と、決算・申告まで専門家に任せる方法があります。自社の体制に合わせて選ぶために、それぞれの向き不向きを整理します。

自社で行う場合と専門家(会計ソフト・決算代行)に任せる場合の使い分け

自社で決算整理まで行うなら、クラウド会計ソフトが有力です。明細の自動取得やAIによる仕訳提案で記帳の手間を減らし、決算書の作成まで一気通貫で進められます。簿記の基礎知識があり、勘定科目を自分で扱える体制の企業に向きます。

一方、経理に割ける人手が限られる、あるいは決算・申告まで含めて任せたい場合は、記帳代行から決算・税務申告までをワンストップで請け負う決算代行型のサービスが選択肢になります。会計ソフトと専門家のサポートを一体で利用できるため、決算整理の判断を専門家に委ねられます。

決算まわりを効率化する会計ソフト・決算代行の比較

決算整理から決算書作成・申告までをどこまでカバーするか、提供形態や料金の目安を比較します。

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サービス名Tenbook(テンブック)弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計
提供形態クラウド会計ソフト+記帳・決算・申告代行クラウド会計ソフトクラウド会計ソフトクラウド会計ソフト
対象規模の目安創業期〜中小企業
(売上5億円以下が目安)
法人向け
(個人事業主は対象外)
個人事業主〜上場企業
(IPO準備含む)
ひとり法人〜中小企業
(50名以下想定)
記帳・決算・申告の代行●記帳〜決算・申告まで対応×自社で実施×自社で実施×自社で実施
決算書の作成●専門家が代行作成●自社で作成●自社で作成(ボタン操作)●自社で作成
明細取込・自動仕訳(AI)△記帳は専門家が代行●AIが勘定科目を提案●AIが勘定科目を提案●AIが勘定科目を提案
料金目安月額29,500円〜(免税)/43,500円〜(課税)
初期0円・決算料不要
月額2,900円〜(税抜)
エントリー年契約・初期0円
月額2,980円〜(税抜)
ひとり法人・年払い・初期0円
月額2,480円〜(税抜)
ひとり法人・年払い・初期0円
無料トライアル10bookソフト単体は30日間
(会計サービスは明記なし)
最大2か月
(決算書・達人連携を除く)
30日間1か月
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

主な会計ソフト・決算代行サービス

ここからは、代表的なサービスを個別に紹介します。決算書の作成や決算・申告の代行をどこまで任せられるかに注目してください。

1. Tenbook(テンブック)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

Tenbookは、公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が、自社開発のクラウド会計ソフト「10book」を基盤に、記帳代行から決算・法人税申告までをオンライン完結で代行・サポートする会計アウトソーシングサービスです。月次処理から決算・申告までを専門家に一括で任せられるため、決算整理の判断ごと委ねたい企業に向きます。

料金は初期費用0円で、月額は免税事業者向けが29,500円、課税事業者向けが43,500円(いずれも決算料不要)。対応税目は法人税・所得税・消費税で、創業期から中小企業までを対象としています。会計ソフト「10book」は会計サービスの契約者に無料提供されます。

どのような企業が決算整理を含む経理の外部委託に向くのか。シンアカウンティングサービス代表取締役の上田氏は、当カタログのインタビューで次のように述べています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

分かりやすいのは、経理リソースが不足している企業です。特に新設法人だと、経理に時間も人も割けないですし、経理フローを構築する知識や経験も不足しがちです。
それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。そこを専門家に任せることで、経理業務の安定性を提供したいと考えています。

2. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

会計ソフトを長年提供してきた弥生が2025年に投入した法人向けクラウド会計サービスが、弥生会計 Nextです。会計(帳簿・決算書作成)に加えて、見積・請求書発行、経費精算、証憑管理を1つに統合し、これらのデータが自動で会計処理に流れる点が特徴です。

料金は初期費用0円、エントリープランが年契約で月額2,900円(年額34,800円・税抜)からの3プラン構成です。1事業者につき1回、最大2か月の無料体験が用意されています(無料体験では決算書作成機能は利用不可)。他社ソフトや表計算からの乗り換えにも対応しています。

3. freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

銀行口座・クレジットカードなど1,000を超える金融機関・サービスと連携して取引データを自動取得できるのが、フリー株式会社のクラウド型会計ソフト freee会計です。仕訳の自動化から決算書作成までを一気通貫で行え、ガイドに沿って入力を進める設計のため、簿記の経験が浅くても使いやすい点を訴求しています。

法人向けは事業規模・目的別の5プラン構成で、初期費用は0円です。代表1名向けの「ひとり法人」プランが年払いで月額2,980円(月払い3,980円)、新設法人向けのスターターが年払いで月額5,480円(別途従量課金)から利用できます(いずれも税抜)。30日間の無料トライアルがあります。

4. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

マネーフォワード クラウド会計は、ひとり法人・中小企業向け(想定50名以下)の法人向けクラウド会計ソフトです。金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化します。複式簿記に対応し、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの決算書を作成できます。勘定科目を自分で扱いたい、経理経験のある担当者に向く設計です。

料金は初期費用0円で、代表1名向けの「ひとり法人」が年払いで月額2,480円(月払い3,980円)、スモールビジネスが年払い月額4,480円(月払い5,980円)、ビジネスが年払い月額6,480円(月払い7,980円)です(いずれも税抜)。1か月の無料トライアルがあります。請求・経費・給与など他のマネーフォワード クラウド製品と同一基盤で連携できます。

ここで取り上げたサービス以外にも、クラウド会計ソフトは数多くあります。規模・タイプ別の選び方や料金、自動仕訳などの機能まで広く見比べて自社に合う一本を選びたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

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まとめ

決算整理仕訳は、現金過不足の精算、経過勘定、売上原価の算定、減価償却、貸倒引当金、有価証券の評価替え、消耗品・仮勘定の整理、消費税・法人税等の計上まで、種類ごとに借方・貸方と金額の決め方が決まっています。まずは一覧表で自社に該当する仕訳を漏れなく洗い出し、残高を確定させてから見積もりを要する仕訳へと順に進めれば、当期の決算整理は迷わず仕上げられます。

毎期の決算整理の負担が大きいと感じるなら、クラウド会計ソフトで記帳から決算書作成までを効率化する、あるいは決算・申告まで専門家に任せるという選択肢があります。自社の体制に合わせて、無理のない進め方を選んでください。

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決算整理仕訳に関するよくある質問(FAQ)

Q. 決算整理仕訳とは何ですか?

A. 決算整理仕訳とは、期末の帳簿残高を正しい期間損益と期末残高に修正するために決算時に行う仕訳の総称です。日々の記帳(期中仕訳)だけでは反映しきれない当期対応の費用・収益や、期末時点の資産・負債の金額を調整し、正確な決算書(貸借対照表・損益計算書)を作る土台になります。現金過不足の精算、経過勘定、売上原価の算定、減価償却、貸倒引当金、消費税・法人税等の計上などが含まれます。

Q. 決算整理仕訳と決算振替仕訳はどう違いますか?

A. 決算整理仕訳と決算振替仕訳は行う目的が異なり、決算整理仕訳は期末残高を正しい金額に修正する仕訳、決算振替仕訳は収益・費用の各勘定を損益勘定へ振り替えて当期純損益を算定する仕訳です。順番としては、先に決算整理仕訳で残高を整えてから決算振替仕訳を行います。また、翌期首に経過勘定を元の費用・収益の勘定へ戻す仕訳は再振替仕訳と呼び、これらは区別されます。

Q. 決算整理仕訳はいつ行いますか?

A. 決算整理仕訳は、会計期間の末日(決算日)で区切った帳簿を締め、決算整理前残高試算表を作成したあとに行います。日々の記帳と違って期末にまとめて実施する仕訳で、決算日後、決算書の作成や法人税等の申告に向けた作業として進めます。経過勘定や減価償却のように毎期繰り返し発生するものが多いため、前期の決算整理仕訳を参照しながら進めると漏れを防ぎやすくなります。

Q. 決算整理仕訳を間違えると税金に影響しますか?

A. 決算整理仕訳を間違えると、利益(所得)の金額が変わり、法人税・消費税などの納税額に影響する可能性があります。減価償却費や貸倒引当金の繰入、売上原価の算定などは当期の費用・利益を左右し、利益が変われば課税所得も変わるためです。特に貸倒引当金の繰入限度や消費税の精算は税務上のルールに沿う必要があるため、金額の確定は法人税申告書や税理士の計算にもとづいて行うと安全です。

Q. 簿記の資格がなくても決算整理仕訳はできますか?

A. 決算整理仕訳は、簿記の資格がなくても行えます。必須の資格はなく、借方・貸方の考え方と各仕訳の金額の決め方を押さえれば、本記事の一覧表や具体例をもとに自社で起票できます。ただし、減価償却の方法や貸倒引当金の繰入、税額の確定など判断に迷う部分もあるため、不安があれば会計ソフトの仕訳提案を活用したり、税理士・決算代行に確認したりすると確実です。

Q. 決算整理仕訳は会計ソフトで自動化できますか?

A. 減価償却費の計上など定型的な処理は会計ソフトで自動化・効率化できますが、すべてが全自動になるわけではありません。明細の自動取得やAIによる仕訳提案で記帳の手間は減りますが、棚卸高の確定や引当金の見積もり、税額の確認といった最終判断は人が行います。判断ごと任せたい場合は、決算・申告まで請け負う決算代行を利用する方法もあります。

Q. 期末が近いのですが、決算整理の前に何を用意すればよいですか?

A. 期末が近い場合は、決算整理前残高試算表に加え、現金実査表・固定資産台帳・売掛金や受取手形の台帳・実地棚卸表・年払い契約書や請求書などをそろえておくとスムーズです。これらは各決算整理仕訳の金額を算定し、自社に必要な仕訳を判定する手がかりになります。本記事の一覧表の「判定の手がかり(見る資料)」列を、必要書類のチェックリストとして使ってください。

Q. 決算整理仕訳で計上を忘れやすいのはどの仕訳ですか?

A. 計上を忘れやすいのは、減価償却費・貸倒引当金の繰入・法人税等の未払計上など、実際の入出金をともなわない「現金が動かない仕訳」です。通帳や現金の動きに表れないため、記帳の流れだけを追っていると見落としがちです。固定資産台帳や債権の台帳、申告の見積もりといった資料から能動的に拾い上げ、前期の決算整理仕訳と突き合わせて確認すると漏れを防げます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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