キャビネットにたまっていく領収書を、いつまで残して、いつから捨ててよいのか。日々の経理業務や税務調査への備え、電子帳簿保存法への対応をきっかけに、あらためて保存のルールを確かめたい場面は少なくありません。
法人の領収書は、法人税法で原則7年間の保存が義務づけられており、赤字(欠損金の繰越控除)がある事業年度では10年間に延びます。ただし「いつから7年か」という起算日や、会社法との関係、電子データでの保存の可否まで含めると、判断に迷う点がいくつも出てきます。
本記事では、法人の領収書の保存期間と起算日の数え方を、決算月ごとの具体例を交えて整理します。あわせて、会社法と法人税法のどちらに従うのか、電子帳簿保存法での保存方法、保存しなかった場合のリスク、そして紙の保管負担を軽くする方法まで解説します。
目次
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法人の領収書の保存期間は原則7年、欠損金の繰越があれば10年
法人が受け取った領収書の保存期間は、原則として7年間です。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた場合など、欠損金の繰越控除の適用を受ける事業年度については、10年間に延びます。
この年数は、国税庁のタックスアンサー「No.5930 帳簿書類等の保存期間」で次のように示されています。領収書が保存対象の「書類」に含まれることも、あわせて明記されています。
法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類(注2)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注3)保存しなければなりません。
出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
(注2)「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。
(注3)青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度または青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた事業年度においては、10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)となります。
根拠となるのは、法人税法第126条および法人税法施行規則第59条です。保存すべき書類として、施行規則第59条第1項第三号は「相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書」などを条文で明示しています。まずは「原則7年、欠損金の繰越があれば10年」を押さえたうえで、以降で起算日や会社法との関係を確認していきます。
なぜ法人は領収書を保存する必要があるのか
領収書の保存が求められるのは、取引の事実を裏づける証憑だからです。法人税の計算では、経費として計上した支出に対応する領収書などの書類が、税務調査の際に取引の実在を示す資料になります。
消費税の仕入税額控除でも、帳簿と請求書等(適格請求書を含む)の保存が要件とされています。領収書を保存していないと、支出の裏づけを示せず、経費や控除が認められないおそれがあります。保存は単なる書類整理ではなく、申告した内容を説明できる状態を保つための備えといえます。
【ケース別一覧】領収書の保存期間(法人・欠損金・消費税・個人事業主)
領収書の保存期間は、法人か個人事業主か、欠損金の繰越があるか、消費税の仕入税額控除を受けるかによって変わります。自社のケースを確認できるよう、根拠となる条文とあわせて一覧にまとめました。
| ケース | 法人(原則) | 法人(欠損金の繰越控除を受ける事業年度) | 消費税の仕入税額控除(適格請求書等) | 個人事業主の帳簿(青色・白色) | 個人事業主の領収書等の書類(原則) |
|---|---|---|---|---|---|
| 保存期間 | 7年 | 10年 | 7年 | 7年 | 5年 |
| 根拠 | 法人税法126条・施行規則59条 | 法人税法施行規則26条の3 | 消費税法30条7項・施行令50条1項 | 所得税法施行規則63条・102条 | 所得税法施行規則63条・102条 |
※2026年9月時点の各法令にもとづく。起算日の数え方は次章を参照。
欠損金の繰越控除がある事業年度は10年
赤字が出た事業年度で欠損金の繰越控除の適用を受ける場合、その事業年度の帳簿書類の保存期間は10年間に延びます。欠損金を翌期以降へ繰り越して控除する制度に対応するための取り扱いです。法人税法施行規則第26条の3は、欠損金の繰越しの適用を受けようとする場合に、施行規則第59条第2項の起算日から10年間の保存を求めています。
「平成30年(2018年)4月1日前に開始した事業年度」は9年間ですが、現在ではほぼ経過しているため、実務上は10年間と押さえておけば足ります。単に赤字だったというだけでなく、繰越控除の適用を受ける事業年度が対象である点に注意してください。
出典・参考資料(1件)
消費税の仕入税額控除・適格請求書は7年
消費税の課税事業者が仕入税額控除を受けるには、帳簿と請求書等の保存が要件とされています。消費税法第30条第7項は、これらを保存しない場合には仕入税額控除を適用しないと定めています。インボイス制度の適格請求書も、この「請求書等」に位置づけられます。
保存期間は、消費税法施行令第50条第1項により、原則として受領した課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間です。法人の課税期間は事業年度と一致するため、起算日は法人税の場合と実質的に同じ日になり、領収書や請求書は法人税の基準でまとめて管理すれば足ります。
この帳簿と請求書等のうち、6年目と7年目については、いずれか一方を保存していれば仕入税額控除の要件を満たすとされています(国税庁タックスアンサー No.6496)。領収書もこの「請求書等」に含まれます。ただし法人税法上は領収書を原則7年間(欠損金の繰越があれば10年間)保存する必要があるため、消費税の6年目・7年目の扱いだけで手放さず、保存期間を通じて保管しておくと両方の要件を確実に満たせます。
適格請求書を発行した売り手側にも、その写しを保存する義務があります。法人税法上の原則7年と重なるため、多くの法人では領収書や請求書を7年間保存しておけば、両方の要件を満たせます。
個人事業主との違い(帳簿は7年、領収書は原則5年)
個人事業主の場合、帳簿は青色申告・白色申告のいずれも7年間の保存が必要です。一方、領収書などの書類は原則5年間で、法人の一律7年とは扱いが異なります。ただし、青色申告者の「現金預金取引等関係書類」は7年間とされ、消費税の課税事業者が仕入税額控除を受ける場合は請求書等を7年間保存する必要があります。
起算日も法人と異なり、個人事業主は事業年度ではなく「その年の翌年3月15日の翌日」から数えます。法人の実務では自社(法人)の年数で判断すれば足りますが、個人事業主と混同しないよう整理しておくと安心です。
出典・参考資料(1件)
保存期間の起算日はいつから?決算月別の具体例
保存期間を数える起算日は、領収書に書かれた日付ではありません。国税庁は「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間」と示しています。法人の確定申告書の提出期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月後です。
条文レベルでは、法人税法施行規則第59条第2項が起算日を次のように定義しています。
前項に規定する起算日とは、帳簿についてはその閉鎖の日の属する事業年度終了の日の翌日から二月(……)を経過した日をいい、書類についてはその作成又は受領の日の属する事業年度終了の日の翌日から二月を経過した日をいう。
出典:法人税法施行規則 第五十九条|e-Gov法令検索
起算日は「事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日」であり、これが確定申告書の提出期限の翌日と一致します。起算日を「事業年度終了日の翌日」と捉えると、この2か月のずれを落として2か月早くずれてしまうため、注意が必要です。

自社の決算月に当てはめると、起算日と保存終了日は次のようになります。原則7年の場合と、欠損金の繰越控除がある10年の場合の両方を示します。
| 決算月 | 3月決算(例:2026年3月期) | 12月決算(例:2026年12月期) | 9月決算(例:2026年9月期) |
|---|---|---|---|
| 事業年度終了日 | 2026年3月31日 | 2026年12月31日 | 2026年9月30日 |
| 起算日(提出期限の翌日) | 2026年6月1日 | 2027年3月1日 | 2026年12月1日 |
| 保存終了日(7年) | 2033年5月31日 | 2034年2月28日 | 2033年11月30日 |
| 保存終了日(10年) | 2036年5月31日 | 2037年2月28日 | 2036年11月30日 |
※申告期限の延長特例を受けている場合など、提出期限が異なるときは起算日もずれます。
領収書は、受け取った日ではなく、その領収書が属する事業年度の起算日から数える点がポイントです。期の途中で受け取った領収書も、決算・申告を終えた後の起算日から7年間(または10年間)保存することになります。
会社法(帳簿10年)と法人税法(7年・10年)の関係
保存期間を調べると、法人税法の「7年・10年」とは別に、会社法の「10年」という数字も出てきます。両者はどちらに従うのか、領収書はどう扱えばよいのかを整理します。
会社法は、株式会社に対して会計帳簿と計算書類等の10年間の保存を求めています。
株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
出典:会社法 第四百三十二条|e-Gov法令検索
結論から言うと、領収書は会社法上の「会計帳簿」そのものではなく、法人税法上の「書類」(原則7年・欠損金があれば10年)に当たります。実務では、長い方の10年に合わせて保存しておくのが安全です。
ここでいう「会計帳簿」は、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿を指し、個々の領収書そのものではありません。この点だけを見れば、領収書は法人税法の年数(原則7年・欠損金があれば10年)に従えばよいことになります。
ただし、会社法第432条第2項は会計帳簿に加えて「その事業に関する重要な資料」も10年間の保存対象としており、領収書などの証憑がこの「重要な資料」に含まれ得るとの解釈もあります。法的な最低ラインは法人税法の7年(欠損金があれば10年)ですが、株式会社ではこの解釈も踏まえ、長い方の10年に合わせて保存しておくと、どちらの要件も確実に満たせます。
会計帳簿や計算書類等について、記載・記録すべき事項を記載しない、または虚偽の記載をした場合には、会社法第976条により100万円以下の過料の対象になります。これは領収書を保存しなかったこと自体に対する罰則ではなく、会社法上の帳簿・計算書類の作成・記録義務に関する定めです。
出典・参考資料(1件)
電子帳簿保存法での保存方法(紙で受け取った場合/電子で受け取った場合)
領収書は紙のまま保存するほか、電子データとして保存することもできます。ここで関わるのが電子帳簿保存法(電子帳簿等保存制度)です。同法にもとづく保存は、大きく次の3区分に整理されています。
- 電子帳簿等保存:会計ソフトなどで最初から電子的に作成した帳簿・書類を、そのまま電子データで保存する(電子帳簿保存法第4条第1項・第2項)
- スキャナ保存:紙で受け取った領収書などを、スキャナやスマホで読み取って電子データで保存する(同法第4条第3項)
- 電子取引データ保存:メールやWebでやり取りした電子データを、電子のまま保存する(同法第7条)

電子取引データを保存する場合は、改ざんを防ぐ「真実性の確保」と、後から確認・検索できる「可視性の確保」という2つの要件を満たす必要があります。国税庁は、電子取引データについて次のように整理しています(スキャナ保存には別途、解像度やタイムスタンプなどの要件があり、後述します)。
【真実性の確保】(いずれかの措置を行う)○ タイムスタンプが付与されたデータを受領/○ 受領したデータに速やかにタイムスタンプを付与/○ データの訂正削除の履歴が残る(又は訂正削除できない)システム等を利用して授受・保存/○ 改ざん防止のための事務処理規程を策定、運用、備付け
出典:電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?(令和8年6月)|国税庁
【可視性の確保】(①と②を全て満たす)① 保存データを確認するためのディスプレイやプリンタ等を備え付けること/②「日付・金額・取引先」の3つの要素で検索できること
領収書をどう保存するかは、紙で受け取ったか、電子で受け取ったかで扱いが分かれます。
紙で受け取った領収書(スキャナ保存後は原本を廃棄できる)
紙で受け取った領収書は、紙のまま保存しても、要件を満たすスキャナ保存を行って電子データで保存してもかまいません。スキャナ保存の要件を満たせば、読み取った後の紙の原本を廃棄できます。国税庁のパンフレットは次のように説明しています。
紙の領収書・請求書などは、その書類自体を保存する代わりに、スマホやスキャナで読み取った電子データを保存することができます。
出典:はじめませんか、書類のスキャナ保存(令和6年1月以降用)|国税庁
読み取った後の紙の書類を廃棄できるので、紙の書類のファイリング作業や保存スペースが不要になります。
原本を廃棄できるのは、あくまで要件を満たすスキャナ保存を行った場合です。領収書は資金や物の流れに直結する「重要書類」に区分され、解像度200dpi相当以上での読み取り、入力期間内のタイムスタンプの付与、日付・金額・取引先での検索などの要件が定められています。これらを満たさないまま原本を捨てると、保存義務を満たさないことになるため注意してください。
電子で受け取った領収書(電子取引データは紙印刷での保存は不可)
メールやWebサイトを通じて電子データで受け取った領収書は、電子取引に該当します。電子帳簿保存法第7条は、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないと定めており、電子データそのものの保存が義務づけられています。
以前は紙に印刷して保存する扱いも認められていましたが、これは令和5年(2023年)12月31日までの措置でした。国税庁は、令和6年(2024年)以降について次のように案内しています。
令和5年12月31日までに行う電子取引については、保存すべき電子データをプリントアウトして保存し、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば……差し支えありません(事前申請等は不要)が、令和6年からは保存要件に従って電子データの保存が行えるよう、必要な準備をお願いします。
出典:電子取引関係|国税庁 電子帳簿等保存制度特設サイト
電子で受け取った領収書は、原則として電子データのまま保存する必要があります。紙に印刷したものだけを残して電子データを削除する運用は、原則として認められません。保存期間そのものは紙の領収書と同じ(原則7年、欠損金があれば10年)です。
紙・電子それぞれの領収書を実際にどう保存すればよいか、手順や電子帳簿保存法・インボイス制度で満たすべき要件まで具体的に確認したい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
領収書を保存しなかった場合のリスク
領収書を保存しなかったこと自体を直接罰する「罰金」の規定があるわけではありません。ただし、保存が不十分だと、税務上のさまざまな不利益につながります。
青色申告法人の場合、帳簿書類の備付け・記録・保存が財務省令の定めに従っていないと、青色申告の承認が取り消される対象になります(法人税法第127条第1項第一号)。青色申告の特典(欠損金の繰越控除など)を失うため、影響は小さくありません。
また、帳簿書類が整っていない場合、税務署が財産や収支の状況などから所得を見積もって課税する推計課税の対象になり得ます(法人税法第131条)。消費税では、帳簿および請求書等を保存していないと仕入税額控除が認められません(消費税法第30条第7項)。これらの結果として、追徴課税や加算税・延滞税といった負担が生じるおそれがあります。
領収書を紛失した場合は、取引先に再発行を依頼する、クレジットカードの利用明細や出金伝票で取引の事実を補うといった対応が考えられます。ただし、こうした代替資料は税務調査で厳しく確認されることがあるため、日ごろから確実に保存しておくことが基本です。
出典・参考資料(1件)
領収書を紛失したときに使う出金伝票について、記載項目や記入例、領収書がない現金支出の処理の仕方を確認したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。
保存期間が終わった領収書の廃棄と保管ルールの決め方
保存期間を満了した領収書は、廃棄してかまいません。保存年数は前章のとおり、株式会社では長い方の10年を目安にすると安全です。廃棄の際は、個人情報や取引情報が読み取れないよう、シュレッダー処理や溶解サービスを利用します。
実務では、事業年度ごとに領収書をまとめ、起算日と保存終了日を明記して管理すると、廃棄してよい年度を判断しやすくなります。電子データで保存している場合も、保存期間を満たしたうえで、社内の規程に沿って削除します。
紙のファイリングや保管スペースの確保、廃棄スケジュールの管理は、件数が増えるほど負担になります。こうした手間を軽くする方法として、次章では領収書の保管・電子化を効率化する仕組みを紹介します。
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領収書の保管・電子化を効率化する経費精算システム
領収書の保存期間や起算日を押さえたら、次に課題になるのが、紙の保管負担と電子帳簿保存法への対応です。経費精算システムを使うと、領収書のスマホ撮影による読み取りや、電子帳簿保存法に対応した形での保存、検索性の確保をまとめて実現でき、保管・廃棄の運用を軽くできます。
ここでは、電子帳簿保存法に対応し、領収書のデータ化・証憑管理に強みを持つサービスを紹介します。まずは主なサービスの特徴を比較表で整理します。
| サービス名 | Bill One経費 | 弥生経費 Next | マネーフォワード クラウド経費 |
|---|---|---|---|
| 領収書のデータ化 | OCR・AI・入力オペレーターでデータ化 (規定条件下で精度99.9%) カード明細と自動突合 | スマホ撮影をAIが読み取り 取引先名・科目を提案 重複領収書を検知 | スマホ撮影をAI-OCRで読み取り 2,300以上のサービスから明細を自動取込 |
| 電子帳簿保存法対応 | ●電子帳簿保存法に対応。訂正・削除できない仕様でデータ化し真実性・可視性を確保 | △申請時に対応形式を自動チェック。要件を満たすには弥生証憑 Nextの併用が前提 | ●スキャナ保存・電子取引に対応(JIIMA認証取得) |
| 証憑の保存・管理 | 領収書の保存件数に上限なし 訂正・削除できない仕様で保存 | 弥生証憑 Nextで保存・管理 取引先・日付・金額で検索、タイムスタンプに対応 | スキャナ保存・電子取引で保存 編集ログで修正履歴を確認 |
| 適格請求書(インボイス)対応 | ●適格請求書の判定機能 | △登録番号の有効性確認は弥生証憑 Next側の機能 | ●登録番号の読み取り・特例区分の設定 |
| 会計ソフト連携 | 仕訳情報をエクスポート (CSV・OpenAPI対応) | 弥生会計 Nextと仕訳を自動連携 他社会計ソフトはCSV連携(エキスパートプラン) | クラウド会計・会計PlusとAPI連携 勘定奉行・弥生・PCA等はCSV・API |
| 料金の目安 | 要問い合わせ (初期費用+年額費用、処理件数に応じ設定) | 会計セット版: 月4,200円〜(経費3名分を含む) 単体プラン: 年252,000円〜(30名分)※税抜 | 初期費用0円 月2,480円〜(年払い・月あたり)※税抜 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 |
1. Bill One経費(Sansan株式会社)

Bill One経費は、Sansan株式会社が名刺管理や請求書受領で培ったデータ化の技術を、経費の領収書管理に応用したクラウド経費精算サービスです。あわせて、専用のビジネスカードを全社員に配布し経費を当該カードで支払わせることで、従業員による立替払いそのものをなくす発想も特徴としています。
領収書は、OCR・AI・入力オペレーターを組み合わせて規定の条件下で99.9%の精度でデータ化し、カードの利用明細と自動で突合します。機能ページでは電子帳簿保存法への対応と適格請求書の判定を掲げ、領収書を訂正・削除できない仕様でデータ化する点を説明しています。領収書の保存可能件数やカード発行枚数に上限がないため、取引量の多い企業でも運用しやすい設計です。
2. 弥生経費 Next(弥生株式会社)

弥生経費 Nextは、経費の申請・承認・精算をスマートフォン1台で完結できるクラウド経費精算ソフトです。会計ソフトで広く使われる弥生シリーズの一つで、弥生会計 Nextと組み合わせて使えるほか、従業員20名以上向けの単体プラン(エキスパートプラン)でも導入できます。
領収書はスマホ撮影でAIが読み取り、取引先名や科目を提案します。重複した領収書の検知にも対応します。従業員が領収書をアップロードした際に、電子帳簿保存法に対応した形式かどうかを自動でチェックする機能を備えています。
電子帳簿保存法の要件を満たすには、証憑管理を担う弥生証憑 Nextとあわせて利用し、ディスプレイやプリンターなどの環境も整える必要があります。会計との自動仕訳連携を前提に、経理業務をまとめて効率化したい企業に向いています。
3. マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費は、領収書のスマホ撮影による読み取り、交通系ICカードの読み取りや経路検索による交通費入力、コーポレートカード連携までを一つの画面で扱えるクラウド型の経費精算システムです。承認ワークフローや会計ソフトへの仕訳連携にも対応しています。
電子帳簿保存法とインボイス制度に対応し、スキャナ保存ソフトの認証(2017年(平成29年)2月取得)と電子取引ソフトの認証(2021年(令和3年)9月取得)を受けています。マネーフォワード クラウド会計や会計Plusとはデータ連携し、他社の会計ソフトともCSV・API連携で接続できます。入力の自動化と会計連携を重視する企業に適しています。
電子帳簿保存法に対応した後も紙の運用が残りやすい現場の実態について、同社の栗本氏は次のように述べています。

導入の動機という点では、非生産的な時間の削減ももちろんですが、法令対応での電子帳簿保存法への対応が、依然として最も強い動機になっています。電子帳簿保存法の施行後、事務処理規定などを設けて電子データを原本として保存しているものの、業務フローは変更できておらず、結局紙ベースでの社内処理をおこなっている、というケースは多いです。紙と電子両方の保管を行っていて、二重運用で法令対応を乗り越えたもののそれを維持し続けるのがやはり大変だということで、しっかりシステム化しようという流れが続いています。
ここで紹介した3サービスのほかにも、経費精算システムは数多くあります。料金・機能・使いやすさや導入方法まで含めて幅広く比較し、自社に合うものを選びたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
法人の領収書は、原則7年間、欠損金の繰越控除を受ける事業年度では10年間の保存が必要です。起算日は領収書の日付ではなく、事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日(確定申告書の提出期限の翌日)から数えます。会社法では会計帳簿・計算書類等の10年保存が求められ、領収書も「重要な資料」に含まれ得るため、実務では長い方の10年を目安に保存すると確実です。
電子データで保存する場合は、紙で受け取った領収書はスキャナ保存の要件を満たせば原本を廃棄でき、電子で受け取った領収書は電子データのまま保存する必要があります。保存が不十分だと、青色申告の承認取消しや仕入税額控除の否認などの不利益につながるため、確実な保存と廃棄の運用が欠かせません。紙の保管や電子化の負担を軽くしたい場合は、電子帳簿保存法に対応した経費精算システムの活用が有効です。
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よくある質問(FAQ)
Q. 法人の領収書の保存期間は何年ですか?
A. 法人の領収書の保存期間は、原則7年間です。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じ、欠損金の繰越控除の適用を受ける事業年度については10年間に延びます。根拠は法人税法第126条および法人税法施行規則第59条で、領収書は保存対象の「書類」に含まれます。
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Q. 法人の領収書の保存期間の起算日はいつからですか?
A. 法人の領収書の保存期間の起算日は、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日(=事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日)です。領収書に記載された日付や受け取った日から数えるわけではありません。たとえば3月決算の法人が2026年3月期に受け取った領収書は、起算日が2026年6月1日、原則7年保存なら2033年5月31日までが保存期間です。
Q. 法人の領収書は会社法(10年)と法人税法(7年)のどちらに合わせて保存すればよいですか?
A. 法人の領収書は、実務上は長い方の10年間に合わせて保存しておくのが安全です。会社法が10年保存を求める「会計帳簿」は仕訳帳や総勘定元帳などを指し、領収書そのものは法人税法上の「書類」(原則7年・欠損金があれば10年)に当たります。
ただし会社法第432条第2項は「事業に関する重要な資料」も10年保存の対象としており、領収書がこれに含まれ得るとの解釈があるため、10年を目安にするとどちらの要件も確実に満たせます。
Q. 電子メールやWebで受け取った領収書は、紙に印刷して保存してもよいですか?
A. 電子で受け取った領収書は、紙に印刷したものだけを残して電子データを削除する運用は、原則として認められません。電子帳簿保存法第7条により、電子取引で受け取った領収書は電子データのまま保存する義務があります。
以前あった紙に印刷しての保存は令和5年(2023年)12月31日までの措置で、令和6年(2024年)以降は保存要件に従った電子データの保存が必要です。保存期間そのものは紙の領収書と同じ(原則7年、欠損金があれば10年)です。
出典・参考資料(1件)
Q. 紙で受け取った領収書は、スキャンした後に原本を捨ててもよいですか?
A. 紙で受け取った領収書は、要件を満たすスキャナ保存を行えば、読み取った後の紙の原本を廃棄できます。領収書は資金や物の流れに直結する「重要書類」に区分され、解像度200dpi相当以上での読み取り、入力期間内のタイムスタンプの付与、日付・金額・取引先での検索といった要件が定められています。これらを満たさないまま原本を捨てると保存義務を満たさないことになるため、要件を確認したうえで運用してください。
出典・参考資料(1件)
Q. 法人が領収書を保存しなかった場合、どのようなペナルティがありますか?
A. 領収書を保存しなかったこと自体を直接罰する罰金はありませんが、青色申告の承認取消し・推計課税・消費税の仕入税額控除の否認といった税務上の不利益につながります。
青色申告法人が帳簿書類の保存を財務省令どおりに行わないと青色申告の承認が取り消される対象になり(法人税法第127条)、帳簿書類が整っていないと所得を見積もって課税する推計課税の対象にもなり得ます(同第131条)。これらの結果として、追徴課税や加算税・延滞税といった負担が生じるおそれがあります。
Q. 領収書の保存期間は、法人と個人事業主で違いますか?
A. 異なります。法人は領収書を一律7年間保存しますが、個人事業主は帳簿が7年間、領収書などの書類は原則5年間です。ただし個人事業主でも、青色申告者の「現金預金取引等関係書類」は7年間、消費税の課税事業者が仕入税額控除を受ける場合の請求書等は7年間の保存が必要です。起算日も法人(確定申告書の提出期限の翌日)と異なり、個人事業主は「その年の翌年3月15日の翌日」から数えます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















