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製造業の販売管理と生産管理を連携させるには?つなぐデータの流れ・一体型と分離型の違い・費用を解説

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販売管理システム比較表(2026年版)

製造業で「営業が受けた注文や納期の変更が、工場になかなか伝わらない」という悩みは珍しくありません。受注・出荷・売上を扱う販売管理と、生産計画・製造・在庫を扱う生産管理が別々に動いていると、同じ情報を二度入力したり、電話やExcelで確認し合ったりする手間が生まれ、納期遅れや在庫のズレにつながります。

この2つをつなげたいと考えたとき、「連携でリアルタイムに情報共有できる」と言われても、実際に手を動かす立場ではぴんときません。まず何のデータが・どの順で・どうつながるのかという全体像が見えないと、自社の何を直せばよいのか判断できないからです。

本記事では、販売管理と生産管理の連携について、受注から売上までのデータの流れをたどりながら、つながないと何が困るのか、分離連携型と製販一体型という2つの実現方式の違いと費用、生産方式(ETO/MTO/MTS)別のキモ、着手の手順までを整理します。最後に、連携に対応する製品のスポット比較も掲載しました。自社に合った進め方を判断する材料としてご活用ください。

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販売管理と生産管理の連携とは?受注から売上までデータはどう流れるか

ここからは、販売管理と生産管理を連携させると、どのデータがどの順でつながるのかを見ていきます。まず両者の守備範囲を整理し、そのうえで受注から売上までのデータの流れを追います。

販売管理と生産管理はどこまでを担うか(守備範囲の違い)

販売管理は、見積・受注から出荷・売上・請求・入金まで、顧客との取引に関わる情報を管理する業務です。「いつ・誰に・何を・いくつ・いくらで・いつまでに納める」という約束を扱います。

一方の生産管理は、その約束を果たすために、生産計画・部品や資材の手配・製造・在庫・進捗を管理する業務です。「約束した数量を、納期までに、どうやって作るか」を扱います。生産管理で用いる主な用語は、日本産業規格(JIS Z 8141:2022「生産管理用語」)が定義しています。

受注は生産の出発点であり、生産の進み具合は納期回答や出荷の前提になります。両者は本来つながっているのに、システムやExcelが分かれていると、その受け渡しが人手の作業になってしまうわけです。

受注→生産計画→調達→在庫引当→製造→出荷→売上のデータフロー

販売管理と生産管理の連携は、抽象的な「情報共有」ではなく、各工程で具体的なデータを次の工程へ渡していく流れとして捉えると分かりやすくなります。受注から売上までの流れと、各段で受け渡す主なデータは次のとおりです。

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工程(担当)受注(販売管理)生産計画(生産管理)調達・所要量計算(生産管理)在庫引当(生産管理)製造(生産管理)出荷・売上(販売管理)
次工程へ渡す主なデータ品目・数量・納期・仕様(顧客要求)製造する品目・数量・着手/完成予定部品表(BOM)に基づく部品・資材の必要量と時期受注・製造指図に割り当てる在庫の数量製造の進捗・完成実績出荷実績・売上計上データ
連携で起きること受注情報が生産計画の入力になる受注をもとに「いつ何を作るか」を決める作るのに必要な材料の手配量が決まる手持ち在庫を注文へ割り当て、不足分を製造・発注へ回す進捗が販売側に見え、正確な納期回答ができる製造完了を受けて出荷し、売上・請求へつなぐ

ここで出てくる用語を補っておきます。部品表(BOM:Bill of Materials)は、製品を作るのに必要な部品の種類と数量を示すリストです。所要量計算(MRP:Material Requirements Planning)は、生産計画・部品表・在庫の情報から、資材の必要量と手配時期を求める考え方を指します。

在庫引当は、注文や出庫要求に対して在庫からその数量を割り当てる処理です。これらの用語の定義はJIS Z 8141:2022に基づいています。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:JIS Z 8141:2022「生産管理用語」|日本産業標準調査会(JISCデータベース)

各段で受け渡すデータと、その方向

データの流れには、販売側から生産側へ向かう「川下り」と、生産側から販売側へ戻る「川上り」の2方向があります。連携ではこの双方向をつなぐことが要点になります。

販売側から生産側へ渡すのは、受注した品目・数量・納期・仕様です。個別受注の製造業では、この仕様が設計へ回り、部品表(BOM)を通じて必要な部品や資材の手配へと展開されます。

生産側から販売側へ戻すのは、製造の進捗と完成予定、そして在庫の引当状況です。これが戻ることで、営業は「あと何日で出荷できるか」を正確に答えられ、追加注文が来ても生産の負荷を見ながら納期を回答できます。

ここまでの受注から売上までの流れと、販売・生産のどちらが担うか、2方向のデータの行き来を1枚に整理すると次のようになります。

販売管理(受注・出荷/売上)と生産管理(生産計画・調達/所要量計算・在庫引当・製造)をつなぐ6工程の流れを示した図。販売から生産へは品目・数量・納期・仕様が渡り(川下り)、生産から販売へは製造の進捗・完成予定と在庫の引当状況が戻る(川上り)ことを表す。

販売管理と生産管理をつながないと何が起きるか(分断のコスト)

ここからは、両者が分断されたままだと具体的に何が起きるのかを、代表的な症状ごとに見ていきます。いずれも「データが別々に持たれ、人手で受け渡している」ことが共通の原因です。

受注データの二重入力。販売システムに入れた受注を、生産システムにもう一度入れ直す運用では、入力の手間が二重になるうえ、転記ミスが起きます。品目コードや数量の写し間違いは、そのまま誤発注や誤出荷につながります。

納期回答の遅れ。生産の進捗が販売側から見えないと、営業は工場に電話して確認してからでないと納期を答えられません。問い合わせのたびに現場の手が止まり、回答も遅くなります。

在庫・納期情報の食い違い。販売側が見ている在庫と、生産側が把握している在庫がずれていると、「在庫あり」と答えたのに実は引当済みだった、という事態が起きます。データが同期していないことが原因です。

過剰在庫と欠品。受注や内示が生産計画に反映されないと、勘に頼った見込みで作ることになり、売れない在庫を抱えたり、逆に必要なものが足りなくなったりします。

原価と利益が見えない。販売の売上データと生産の製造実績(材料費・工数)が別管理だと、製品ごとにどれだけ利益が出ているのかを把握するのに手間がかかります。経営判断に必要な数字が、集計しないと出てこない状態です。

裏を返せば、連携によってこれらは解消に向かいます。受注が生産計画へ自動で流れれば二重入力は消え、進捗が販売側に見えれば納期回答は速くなり、在庫が一元化されれば食い違いは減ります。データが統合されたシステムの活用は、中小企業庁『2022年版中小企業白書』でも、デジタル化の進んだ上位の段階として位置づけられています。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:2022年版中小企業白書 第2部第3章第2節「中小企業におけるデジタル化とデータ利活用」|中小企業庁(中小企業庁)

連携をどう実現するか:分離連携型と製販一体型の違い・費用

ここからは、販売管理と生産管理をつなぐ具体的な方式を見ていきます。大きく分けると、既存の別々のシステムをつなぐ「分離連携型」と、販売と生産が最初から一体になったシステムを入れる「製販一体型」の2つがあります。

分離連携型と製販一体型の違い

それぞれの特徴を整理すると次のようになります。どちらが良いかは、既存システムをどれだけ活かしたいか、要件がどれだけ固有かによって変わります。

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観点考え方初期費用既存資産データの一貫性向く企業
分離連携型(既存システムをつなぐ)販売・生産それぞれのシステムをインターフェースで連携連携開発の費用が加わる(既存資産は活かせる)使い慣れた既存システムを残せる連携の設計次第。ズレ防止に運用ルールが要る既存システムに投資済み・部分的に連携したい
製販一体型(一体のシステムを入れる)販売・生産を1つのシステムで扱い、内部でデータを共有システム全体の導入費用がかかる入れ替えになることが多い単一データベースのため食い違いが起きにくいこれから刷新する・全体を一気通貫にしたい

分離連携型は、今使っているシステムを残したまま必要な部分だけつなげる柔軟さがあります。一方で、両システムのデータ項目を突き合わせる設計が甘いと、かえって食い違いが残ります。製販一体型は、はじめから同じデータを共有するため整合性を保ちやすい半面、既存システムからの移行が前提になります。

連携の技術的な手段

分離連携型で実際にシステムをつなぐ手段には、いくつかの選択肢があります。リアルタイム性や既存システムの対応状況によって使い分けます。

  • API連携:システム同士がリアルタイムでデータをやり取りする方式。受注や在庫の即時反映に向きますが、両システムがAPIに対応している必要があります。
  • EDI:取引先との受発注データを電子的に交換する仕組み。企業間の受発注を自動で取り込む用途で使われます。
  • CSV・中間ファイル連携:一定のタイミングでデータをファイルとして受け渡す方式。導入は容易ですが、即時性は下がります。
  • 専用の連携モジュール:同じベンダーの販売・生産システムをつなぐために用意された連携機能。設定で連携できる場合があります。

連携にかかる費用の目安

連携(インターフェース開発)の費用は、公的機関による相場の統計が存在しないため、断定的な金額を示すことはできません。参考として、システム開発会社や製品ベンダーが自社の記事で挙げる目安には、単純なデータ連携で数十万円程度、基幹システムをまたぐ本格的な連携で数百万円規模といった幅があります。

製造業向けシステムを提供する企業の解説記事では、販売管理と生産管理の連携部分だけで300万円程度という例も紹介されています。

実際の費用は、つなぐデータの範囲・既存システムの対応状況・カスタマイズの度合いによって大きく変わります。予算を検討する際は、複数のベンダーに自社の要件を示して見積もりを取り、内訳を比べるのが確実です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:製造業は販売管理と生産管理どちらを先に導入すべき?(連携部分だけで300万円程度の例)|株式会社インプローブ(improbe.jp)※システムを提供する企業の解説記事

生産方式別(ETO/MTO/MTS)に見る連携のキモ

ここからは、自社の生産方式によって連携で重視すべき点がどう変わるかを見ていきます。生産方式は大きく、受注を起点とするものと、需要を見越して作るものに分かれます。ここでは広く使われる区分として、個別受注生産(ETO)・繰返受注生産(MTO)・見込生産(MTS)の3つで整理します。

個別受注生産(ETO):製番と都度の部品表をどうつなぐか

個別受注生産(ETO:Engineer-to-Order)は、顧客ごとの仕様に合わせて設計から行う方式です。受注のたびに設計し、その都度部品表(BOM)を作るため、受注の仕様が設計・部品手配へ正確に流れることが連携のキモになります。

案件ごとに製造番号(製番)を割り当て、その製番を軸に受注・設計・部品・製造・原価をひも付けて管理する「製番管理」が向いています。連携では、見積・受注段階の情報と、設計で確定する部品表が結び付くかどうかが要点です。

繰返受注生産(MTO):リピート品と内示情報の連携

繰返受注生産(MTO:Make-to-Order)は、ほぼ同じ仕様の製品を繰り返し受注して作る方式です。部品表は再利用できるため、都度の設計よりも、受注や内示(正式発注前の見込み情報)を生産計画へ素早く反映することが重視されます。

取引先からの内示を受け取り、それを見越して部材を手配しておければ、正式受注から出荷までのリードタイムを短縮できます。連携では、内示・確定受注の変化を生産計画へ素早く反映する仕組みが効いてきます。

見込生産(MTS):需要予測と在庫引当の連携

見込生産(MTS:Make-to-Stock)は、需要を見越して製品を作り、在庫から出荷する方式です。受注を待たずに作るため、販売実績にもとづく需要予測と、在庫の引当・補充をどうつなぐかがキモになります。

販売データが生産計画へ流れれば、売れ行きに合わせて生産量を調整でき、過剰在庫や欠品を抑えられます。連携では、出荷・売上の実績が生産側の需要予測や在庫補充の判断材料になる流れを作ることが重要です。

複数の生産方式が混在する場合

実際には、1つの工場で個別受注品と量産品を併せて手がけるなど、複数の方式が混在するケースも多くあります。その場合は、方式ごとに管理の仕方(製番管理か、在庫補充か)を切り替えられるかどうかが、システム選びの見極めどころになります。

販売・生産連携の進め方

ここからは、連携を実際に進める手順を整理します。いきなりシステムを選ぶ前に、自社の現状とつなぐべきデータを整理しておくと、要件が固まり、ベンダーとの話もかみ合いやすくなります。

  1. 現状業務の棚卸し:受注から出荷までの流れと、どこで人手の受け渡し・二重入力が起きているかを洗い出します。
  2. つなぐデータ項目の整理:品目・数量・納期・部品表・在庫・進捗など、販売と生産の間で受け渡すデータを具体的に決めます。
  3. 要件定義:どのデータを・どの方向に・どのタイミングで連携するか(インターフェースとデータ形式)を定義します。ここが曖昧だと後の食い違いにつながります。
  4. 着手範囲の決定:一度に全部つなぐのではなく、効果が大きく実現しやすいところ(受注→生産計画など)から段階的に着手します。
  5. 実機での検証:実際のデータで動かし、想定どおりにデータが流れるか、現場が使えるかを確かめてから本稼働に移します。

複数のベンダーや部門が関わる場合は、要件とスコープの変更をどう管理するか、誰が全体を調整するかを最初に決めておくと、開発が滞りにくくなります。段階的に進める考え方は、データ活用を一足飛びに完成させるのではなく、順を追って高度化していく中小企業のデジタル化の実態とも重なります。

販売・生産連携に対応する製品の比較

ここからは、製造業の販売管理と生産管理の連携に対応できる製品を紹介します。連携をどう実現するか(製販一体か、モジュールの組み合わせか)、どの生産方式に対応するかを軸に整理しました。まずはスポット比較で全体像を見てから、各製品の特徴を確認してください。

ここで取り上げるのは、連携に対応する代表的な6製品のスポット比較です。

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サービス名OBIC7PROACTIVEアラジンオフィスキャムマックスmcframeGrowOneSupreme
提供形態オンプレミス/クラウド(プライベート型)SaaS/オンプレミス/IaaS/ハイブリッドオンプレミス/クラウド(アラジンクラウド)クラウドERP(SaaS)クラウド(mcframe X)/オンプレミス(mcframe 7)公式サイトに明記なし(要問い合わせ)
対象企業規模中堅〜大企業中堅〜大企業中小〜中堅中小企業中堅〜大企業(製造業)公式サイトに明記なし
連携の実現方式製販一体(コンポーネント型ERP。同一基盤で販売・生産・会計)製販一体(統合ERP。1系統で販売・生産をカバー)製販一体(販売・在庫・購買が中核、生産管理はオプション)製販一体(単一クラウドERPに集約、生産管理はオプション)組み合わせ(製造業特化の製品ファミリーを用途別に導入)組み合わせ(生産SR・販売SRを同一シリーズで連携)
対応生産方式公式サイトに明記なし公式サイトに明記なし公式サイトに明記なし公式サイトに明記なし見込生産〜個別受注生産まで対応個別受注・受注組立・繰返生産(ハイブリッド生産)に対応
料金の目安要問い合わせ(個別見積り)要問い合わせ(個別見積り)要問い合わせ(個別見積り)初期100,000円/月額90,000円〜(基本70,000+1ライセンス20,000、税抜。生産管理オプション別途)要問い合わせ(個別見積り)要問い合わせ(個別見積り)
詳細情報詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る公式サイト公式サイト

対応生産方式の欄を見ると、製造業に特化した製品は受注生産や個別受注生産への対応を公式に掲げています。一方、統合ERP系や中小向けの製品は、特定の生産方式に限定せず、販売・在庫・購買を軸に生産管理をつなぐ設計です。

大まかには、個別受注が中心なら製造業特化型、汎用性を重視するなら統合ERP系、という見当のつけ方になります。各製品が自社の生産方式に合うかは、資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。

既存の販売システム・生産システムを活かす分離連携型を選ぶ場合は、一体型の製品への入れ替えではなく、いま使っているシステムがAPI連携やEDIに対応しているかが出発点になります。より幅広く製造業向けの販売管理システムを候補に入れて比較したい場合は、規模別の選び方をまとめた次の記事もあわせてご覧ください。

1. OBIC7(株式会社オービック)

OBIC7のウェブサイト

OBIC7は、株式会社オービックが自社開発・直販する統合基幹業務システム(ERP)です。会計・人事給与・販売・生産などを必要な部門から組み合わせて導入できる「コンポーネント型ERP」で、製造業では販売情報ソリューションと生産管理情報ソリューションを組み合わせて使えます。

販売管理は受注・出荷・請求・在庫・仕入を扱い、会計マスターを内蔵して売上計上と同時に自動で仕訳を生成する会計一体型の設計が特徴です。販売・生産・会計を同じ基盤でつなぎたい中堅〜大企業に向いています。コンサルティングから導入後の運用まで自社で一貫して支援する体制を掲げています。

2. PROACTIVE(SCSK株式会社)

PROACTIVEのウェブサイト

SCSK株式会社が提供するPROACTIVEは、会計・人事給与・販売・生産管理までを1系統でカバーする国産の統合型ERPです。1993年からERPパッケージとして提供され、累計7,500社超の導入実績を公式サイトで掲げています。

販売・購買・在庫管理と生産管理(MES)を同じ製品群でそろえられ、モジュール間のデータ連携を前提に設計されています。SaaS・オンプレミス・両者を組み合わせたハイブリッド導入に対応し、法改正対応が多い会計はSaaS、業界固有の要件が強い販売・生産はオンプレミスといった使い分けを公式に示しています。中堅〜大企業の基幹システム刷新が主な対象です。

3. アラジンオフィス(株式会社アイル)

アラジンオフィスのウェブサイト

株式会社アイルのアラジンオフィスは、販売・在庫・購買管理を中核とする統合型パッケージです。標準機能に生産管理・貿易管理・プロジェクト管理などをオプションで追加できる設計で、製造・加工業向けには販売・在庫・生産管理を組み合わせた提案を用意しています。

業種・業態ごとの商習慣に合わせた特化パッケージが豊富で、鉄鋼・非鉄金属、食品、機械工具など、製造・加工業の現場に沿った機能を選べます。複数倉庫の在庫一元管理などに対応し、導入実績は5,000社以上を掲げています。中小・中堅規模で、販売と在庫を軸に生産管理までつなげたい企業に適しています。

4. キャムマックス(株式会社キャム)

キャムマックスのウェブサイト

キャムマックスは、株式会社キャムが提供する中小企業向けのクラウドERPです。製造業・卸売業・小売業など有形商材を扱う事業者を対象に、販売管理・購買管理・在庫管理・生産管理・財務会計を1つのシステムで一元管理できます。

生産管理はオプションで、需要予測・生産計画立案・品質管理までを扱えます。購買管理には所要量計算も含まれます。料金を公式サイトで公開しているのも特徴で、初期費用100,000円、月額は基本料金70,000円に1ライセンス20,000円を加えた90,000円から(いずれも税抜)利用できます。生産管理オプションは初期50,000円+月額30,000円(税抜)で追加します。

60日間の無料トライアルも用意されています。クラウドで手早く製販一体を実現したい中小企業に向きます。

5. mcframe(ビジネスエンジニアリング株式会社)

mcframeのウェブサイト

mcframeは、ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)が開発する製造業特化型の国産基幹業務パッケージです。生産管理・原価管理・販売管理を核に、設計・製造の情報を管理するPLM(Visual BOM)まで製品ファミリーとして展開しています。

見込生産から個別受注生産まで幅広い生産方式に対応し、受注から製造・部材調達までを製番を軸に進捗管理できる点が強みです。原価管理では総合原価計算と個別原価計算の両方に対応します。業種横断の汎用ERPとは異なり、製造業固有の業務プロセスに深く合わせた機能を標準で備えています。クラウド版「mcframe X」とオンプレミスのパッケージを選べます。

6. GrowOneSupreme(株式会社ニッセイコム)

GrowOneSupremeのウェブサイト

GrowOneSupremeは、株式会社ニッセイコムが2025年に提供を開始した製造業向けのシリーズで、生産管理を担う「GrowOne 生産SR」と販売管理を担う「GrowOne 販売SR」を中心に構成されます。個別受注生産・受注組立生産・繰返生産を組み合わせたハイブリッド生産への対応を掲げています。

連携の核は部品表の引き継ぎで、見積積算で使う設計部品表(EBOM)を流用して製造部品表(MBOM)を作成できます。これにより、引合・見積から受注・生産計画・製造・出荷・売上までを一気通貫でつなぐ設計です。個別受注を中心とした組立加工の製造業で、販売と生産をひとつのシリーズでそろえたい企業の有力な選択肢になります。

まとめ

製造業における販売管理と生産管理の連携は、「情報共有」という言葉ではなく、受注→生産計画→調達→在庫引当→製造→出荷→売上というデータの流れとして捉えると、自社の何をつなぐべきかが見えてきます。つながないままだと、二重入力・納期回答の遅れ・在庫の食い違いといったコストが積み重なります。

実現方式は、既存システムをつなぐ分離連携型と、販売・生産が一体のシステムを入れる製販一体型の2つ。費用は要件次第で幅があるため、複数のベンダーから見積もりを取って比べるのが確実です。自社の生産方式(ETO/MTO/MTS)で連携のキモが変わる点も押さえたうえで、現状の棚卸しとつなぐデータの整理から着手すると、無理なく進められます。

具体的な製品の比較検討に進む際は、掲載サービスの資料をまとめて請求し、自社の要件に照らして見比べてみてください。

また、以下の記事では販売管理システム全般について、タイプ別の選び方・料金・機能を詳しく解説しています。製造業向けに限らず幅広く候補を見比べたい方は、あわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 販売管理と生産管理の連携とは何ですか?

A. 販売管理と生産管理の連携とは、受注・出荷・売上を扱う販売管理と、生産計画・製造・在庫を扱う生産管理の間で、受注や納期・進捗といったデータを受け渡してつなぐことを指します。

具体的には、受注→生産計画→調達(所要量計算)→在庫引当→製造→出荷→売上という流れで、品目・数量・納期・部品表(BOM)・進捗といったデータが双方向に流れます。この受け渡しをシステムでつなぐことで、これまで人手の転記や二重入力で行っていた作業を減らせます。

Q. 販売管理と生産管理を連携させると何が変わりますか?

A. 販売管理と生産管理を連携させると、受注データの二重入力がなくなり、生産の進捗が販売側から見えて納期回答が速くなり、販売と生産で持つ在庫情報の食い違いが減ります。

受注が生産計画へ自動で流れれば入力し直す手間が消え、製造の進捗が営業に見えれば工場へ電話確認せずに納期を答えられます。受注や内示が生産計画に反映されることで、勘に頼った見込み生産による過剰在庫や欠品も抑えられます。

Q. 販売管理と生産管理は一体型と分離連携型のどちらを選べばよいですか?

A. どちらが良いかは、既存システムをどれだけ活かしたいかで決まります。使い慣れた販売・生産システムを残して必要な部分だけつなぎたいなら分離連携型、これから全体を刷新して一気通貫にしたいなら製販一体型が向きます。

分離連携型は既存資産を活かせる柔軟さがある半面、両システムのデータ項目を突き合わせる設計が甘いと食い違いが残ります。製販一体型は単一のデータベースで整合性を保ちやすい一方、既存システムからの移行が前提になります。

Q. 既存の会計システムや販売管理システムを残したまま生産管理と連携できますか?

A. 既存システムを残したまま連携できます(分離連携型)。API連携・EDI・CSV/中間ファイル連携・専用の連携モジュールといった手段があり、リアルタイム性や既存システムの対応状況に応じて使い分けます。

ただし、つなぐ両システムがどの連携手段に対応しているか、データ項目の突き合わせがきちんと設計できるかを事前に確認する必要があります。既存の会計システムと売上・原価のデータをつなぐ場合も同様で、どのデータをどの方向に渡すかを要件として固めておくことが食い違いを防ぐ鍵になります。

Q. 販売管理と生産管理の連携にかかる費用の目安はどのくらいですか?

A. 連携費用には公的な相場の統計がなく、金額の断定はできません。提供各社が挙げる目安では、単純なデータ連携で数十万円程度、基幹システムをまたぐ本格的な連携で数百万円規模(連携部分だけで300万円程度という例も)とされます。実額はつなぐデータの範囲やカスタマイズの度合いで大きく変わるため、複数ベンダーの見積りを取って内訳を比べるのが確実です。詳しくは本文「連携にかかる費用の目安」をご覧ください。

Q. 受注生産(個別受注生産)でも販売管理と生産管理は連携できますか?

A. 受注生産でも連携できます。個別受注生産(ETO)では、案件ごとに製造番号(製番)を割り当て、その製番を軸に受注・設計・部品表(BOM)・製造・原価をひも付ける「製番管理」型のシステムが向いています。

受注のたびに設計し都度の部品表を作るため、見積・受注段階の仕様が設計・部品手配へ正確に流れるかが連携のキモになります。1つの工場で受注生産品と量産品が混在する場合は、方式ごとに管理の仕方(製番管理か在庫補充か)を切り替えられるかどうかも見極めどころです。

Q. 販売管理と生産管理の連携はどこから着手すればよいですか?

A. まず現状業務を棚卸しして販売と生産の間で受け渡すデータ項目を整理し、効果が大きく実現しやすいところ(受注→生産計画など)から段階的に着手するのが基本です。いきなり全部をつなごうとせず、要件を固めてから範囲を絞るとつまずきにくくなります。

要件定義では、どのデータを・どの方向に・どのタイミングで連携するか(インターフェースとデータ形式)を明確にすることが重要です。ここが曖昧だと後の食い違いにつながります。複数のベンダーや部門が関わる場合は、要件とスコープの変更をどう管理するか、誰が全体を調整するかを最初に決めておくと、開発が滞りにくくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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